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気象庁の地震検知能力の時間空間的変化
験震時報第 6 5巻 ( 2 0 0 2 )1 1 1~ 1 2 2頁 気象庁の地震検知能力の時間空間的変化 太田健治*・藤原義寿*.前田憲二* S p a t i o t e m p o r a lv a r i a t i o no fm i n i m u mm a g n i t u d eo fc o m p l e t e n e s si nT h eJ M Ac a t a l o g o s h i h i s aF U J I出 R Aa n dK e n jiM A E D A K e n j iO H T A,Y ( R e c e i v e dN o v e m b e r 1 4,2 0 0 1 : A c c e p t e dF e b r u a r y2 5,2 0 0 2 ) A B S 百A C f T h ed e t e c t i o nc a p a b i l i t yo fJ M Af o rs e i s m i c i t yh a sb e e nc h a n g e da c c o r d i n gt ot h ei m p r o v e m e n to ft h e o b s e r v a t i o n a ln e t w o r ka n d/ o rt h ep r o c e s s i n gs y s t e m s .W es y s t e m a t i c a l l yi n v e s t i g a t et h es p a t i o t e m p o r a lv a r i a t i o n o fm i n i m u mm a g n i t u d e( M c )o fc o m p l e t e l yd e t e c t e de a r t h q u a k e si nt h eJ M Ac a t a l o g1 / 1 / 1 9 2 6t h r o u g h9 / 3 0 / 2 0 0 0 .O ur np a r t i c u l a r, t h ed e p l o y m e n to f7 6 t y p es e i s m o m e t e r si n1 9 7 6a n dt h eb e g i n n i n go ft h e r e s u l t ss h o wt h a t, i p r o c e s s i n go fi n c r e a s e dd a t ap r o v i d e db yo t h e ri n s t i t u t i o n si n1 9 9 7s i g n i f i c a n t l ya f f e c t e dt h ec h a n g eo fM c . るマグ、ニチュードの下限 ( M c:M a g n i t u d ec o m p l e t e n e s s ) 1.はじめに 過去の地震活動を調査する場合,地震カタログがどの が時間空間的にどのように変化してきたのかについて, 程度の小さい地震まで完全に収録しているか,というこ 系統的な調査を行なった. とは重要な問題である.気象庁の地震の検知能力は地震 2 . データ 観測網及び処理システムが改善されることにより大きく 変化してきたことが知られている(例えば市川(19 7 8 ), 震源データは気象庁震源カタログを使用し,震源の深 石川(19 8 7 ) ).気象庁の地震検知能力の調査は過去にも さが 6 0 k m以浅のものについて調べた.深さが 6 0 k m以浅 7 8 )は , 1965 年~ 1 9 7 4 行われており,例えば望月ら(19 の地震を対象にしたのは,それより深い地震はマグニ 年の期間の気象庁 5 9型地震計による震源決定能力を調 チュードが決定されていない場合があるためである.気 査し,北海道の大部分と九州南部を除く内陸部に発生し cの変化 象庁の震源カタログにおける全国の平均的な M た深さ 9 0 k m以浅の地震のうち M4以上は漏れなく決定 の概要を見るために, 1 9 2 6年から 2 0 0 0年までの全ての 8 4 )は されていることを報告している.また,横山(19 T図を F i g .1 に示す.なお, F i g . 1 地震について作成した M 1 9 8 3年の期間について調査し,気象庁の地震 の作成には S E I S P C (石川・中村, 1 9 9 7 ) を用いた.一 観測網は日本付近に発生した地震に対して,内陸部で M 方,気象庁の地震計や処理システムの更新による震源カ 3以上,沿岸から 2 0 0 k m以内の海域で M3.8以上のもの タログの質の変還は石川 ( 2 0 0 2 )によりまとめられてい はほぼ漏れなく震源決定されているとしている. a b l e 1に石川 ( 2 0 0 2 )によりまとめられたものに る. T 1979 年~ 9 2 6年以降,高感度地震観測網(防災科学 ここでは, 1 一部加筆した気象庁震源の変遷を示す.ここで、はT a b l e1 技術研究所が展開している微小地震観測網のこと:以下 及び、 F i g . 1をもとに震源カタログの変遷を考慮し,マグ H i n e tと呼ぶ)が導入される前の 2 0 0 0年 9月までの気 ニチェードの下限を解析する期間を次の 7期間に分け 象庁震源カタログについて,漏れなく地震を検知してい た. 1 ) 1926 年 1 *仙台管区気象台 月 1 日~ 1 9 6 0年 1 2月 3 1日 震源カタログ開始から電子計算機による処理を開始す S e n d a iD i s t r i c tM e t e o r o l o g i c a lO b s e r v a t o r y るまでの期間.ただし,現在の震源カタログは,後年こ i よ 11 , 、 験震時報第 65 巻第 1~4 号 1926 1/1 0 :口ー-20009/30 2 3 :59 :M 0 . 1 <=>5 . 0 :DepO .口-60.0km: NN=43口35口/ t o . J =430350 M 5 ドーー一ー 4 ーーーーー・ 一一一 一 L一 ト ー ・ ・ ・ ー ー ー ー ー 3 I“ “ー-ー・‘.‘ーーー・‘・ ・ 2 ー ー ー ・_ ・ r _ _ . . . . . . ‘ ' ・ ー ー ー 一一 - -一 一 . _ 一 一 一 一一 O ' : 10111111111401111111118 d 11111111 1 f 0 1 11111111701111111118 d 11111111gOI 111111111 111 F i g .1M a g n i t u d ev s .t i m ed i a g r a mf o rt h e] M Ah y p o c e n t e rc a t a l o gf r o m1 9 2 6t o9 / 3 0 / 2 0 0 0 . 11 可E 中 つ ムよ 気象庁の地震検知能力の時間空間的変化 T a b l e1 . C h a n g eo ft h eo b s e r v a t i o n a lo rp r o c e s s i n gs y s t e mt h a ta f f e c t st h eq u a l i t yo ft h e] M A h y p o c e n t e rc a t a l o g .( R ef .I s h i k a w a( 2 0 0 2 )w it hs m a l la d d iti o n ) 年 処理・システム 走時表 震源時刻 緯度・経度 深さ M 1885-1925 1926-1950 全地震験浪) 1 市川・望月 +LL(深 さ600kmまで) IBM704 和達・鷺坂ら 1951-1960 1 9 6 1 震源的ログ 77 イ J~ 主な検知能力関係 理科年表 ( 2 0 0 1年版) 被害地震の表 宇津カタログ 884 ー1 1分 1分 10km毎 I 平井、勝又 別 冊 6号で併記され た旧震源は6 5コラム 自( 8 0レコード形式で‘ 全地震験測 li50コラ k 自) 1こr C J . rDJ.rWJの 文 字 0 . 1秒 参考 ( 1959:IBM704導入) 20km毎 地震月報+別冊 5 号 電計作業開始 1962-1964 1965 験 測 基 準 変 更5 9型 全 振 幅 1mmJ ; ) . 上 竜計 1966 1 9 6 7 HITAC5020F 和達・鷺坂らに内挿 10km毎 6 7型地震計展開開始 1968-1969 6 7型盛岡,宮古,大船渡,秋田山形, 3月) 酒田 ( 6 7型青森・八戸・石巻・白河・小名 浜 (6/1 ) 1970 1 9 7 1 1972 1973 1974 1975 1976 1977 電計 市川・望月 地震月報 ) 6 7型 本 語 (4/1 76型 地 震 計 展 開 開 始 l 1978 +EMT式 (深さ 60kmまで) LL走 時 追 加 7 6型 青 森 2 .大 船 渡 2 .山形 2(8/15) 1979 1980 1 9 8 1 地東震管伝南送部網月 L/A 1982 験測基準振幅 変 更( 2月) 5 9型 全 3mm以上 6 1型 全 振 幅 6mm 東 管 北 部 7月 L/A札幌・仙台 3月 1983 0月 L/A大 阪 1 1984 L/A福岡 8月 83A+LL(10月) 0 . 1分 EMT式の定数, 1km毎 76型だけ変更 ( 1 0 ( L L除く) 月) O . l k m毎と 1km毎 1985 1986 宮古1 000倍 → 3000倍 (8/11 ) 1987 EPOS東尽 9月 1988 1989 L/A沖 縄8月 1990 ETOS仙台 3月 1 9 9 1 ETOS札 幌 3月 1992 ETOS福岡 3月 1993 ETOS大 阪 3月 東泉、他機関データ導入 88型 地 震 計 展 開 開 始 八戸〉八戸 2(5/18) 盛岡ー〉盛岡 2(3/19) LL 1km毎 ETOSI 沖 s l 縄 山3月 T-sy 台 1994 9/21 (一 部4月) T-sys大 阪 10/14 T-sys福 岡 9/28 地震月報簡略化 地 震 年 報 CD開 始 T, 石 s y 巻 s ) 1 0月 津波地大震船早渡期。山検形知,網(国 仙台 酒 ,本荘, 青 森 2大船戸 2 .山 形 2を停止 (11/1 ) 震源、フォーマット変更 ー)96 ハ.イト(遡る) 80 観測点数記入 4月) 東京津波地震早期検知網( 仙 台 3月刊力.一変更 T-sys沖 縄4月 1995 T-sys礼申晃1/1 0 EPOS2東 京4月 0 . 0 1秒 0 . 0 1分 O.Olkm │設札幌沖 1月縄稚3 内 12 恵 6玉 北 城 、1 移 0月 設平取を移 1996 1997 1 0月 全 国 一 元 化 121110BS室 戸 1、 室 戸 2接 続 1998 11/5近畿・東海 H i n e t接 続 1999 冗 化 以 降 EMT 式を深さ 90kmま 1 0月 札 幌 管 区 で 低 周 で鉱張、他機関 ;皮地震識別開始 振幅採用 低周波地震全国で 開 始( 9月) 深さ 700kmま で 、 2 0 0 1 根室豊里、日 札 幌 3月、根室 88-) 0月 北 海 道 東 方 沖 深 高ー〉十勝ダム、 1 /22 南近畿 大阪 1 さ30km固定 H i n e t 設定変更、 2111-3/2ト1 )力'一変 更、 10/30土居ト ) 1力 . 福岡 11/1 9熊 本 御 船 開 始 沖 縄 3月 SIDEで1/1 0 0秒データ化、 3/18与那 国島久部良移設 札 幌 3月北見 8 8ー〉常呂、 1 1月 奥 尻 移 福設 大 阪 2/29舞 鶴 2廃 止 /2串間奈留開始、 3/28熊 本 岡 3 低周波地震現業処 理 開 始( 6月) 御船廃止。 沖 縄 華 万 6 /23 西表島、波 8型 更 。6/30粟国島、宮 照 間 島 の8 古島城辺、竹富町黒島を開始。 8月 釧 路 沖 OBS接 2000 札幌 1 2月 上 川 を 移 設 /28-8/24波 照 間 島 、 多 良 沖縄 5 間 島 7イM -使 用 、 験 測 再 検 討 開 始 1 2月刊がー変更 札 幌 2月 八 雲 、 知 内 を 移 設 福 岡 6/1串 間 本 城 休 止 続 1 0 } 月 t 接大続 阪福岡H i 1 1月 大 阪 大 学 1 7 点追加 5 . 6月 大 阪 北 近 畿 1 0月 JMA2001モ H i n e t1 0月札幌・ デル開始、三陸沖 仙台H i n e t接 続 LL廃 止 5月変位 M6秒フィ ルト導入 5月 トリ力.処理にま全 7ィ 国 Hー一波形導入 1 0月 M5以上 l で験測 円べU 1li - 験震時報第 65 巻第 1~4 号 の期間について電子計算機により再処理されたものであ で表されることを利用し,マグニチュード別の地震回数 り,今回の解析にも再処理後のデータを用いた. 積算曲線が直線からずれる点を基に求める方法である. 2) 1965 年 1 月 l 日~ 1 9 7 5年 1 2月3 1日 M c を求める方法の概念図を F i g . 2に示す. ~ 1 9 6 5年から 7 6型地震計設置以前の期間.なお 1 9 6 1年 地域ごとの M c を求めるため,全国を緯度経度ともに 1 9 6 4年は F i g . 1から検知能力が著しく低下しており, 0 . 5度間隔の格子点を中心とし,それぞれの格子点から またデータ数も少ないことから解析期間から外した. 0 k m以内の領域に分けた.空間的な分解能を上げ 半径 5 1 9 6 4年の検知能力が低下しているのは電子計 るためには格子点の間隔を狭くし,また隣り合う領域が 算機の処理能力の問題で小さな Mが決定されなかったと 重ならないように半径を小さくした方がよいが,一方で、 されている. 半径を小さくしすぎると領域内の地震数が少なくなり, 3) 1977 年 1 月 l 日~ 1 9 8 2年 1月 3 1日 M cが求まらなくなる.格子間隔 0 . 5度,半径 5 0 k mという 1961 年~ 7 6型地震計設置(一部は期間中に設置)から地方中枢 値はこのことを考慮して試行錯誤により決定した.領域 気象資料自動編集中継装置(以下 L / A D E S Sと呼ぶ)整備 i g . 3に示す.また,各々の領域 の分割方法の概念図を F 9 7 6年のデータは 7 6型地震計が展 以前の期間.なお, 1 0個以上の場合について 内の地震に対し,地震の数が 2 開中であるため除いた. M cを決定することとした .20個以上とした理由は,対象 4) 1982 年 2 月 1 日~ 1 9 8 9年 2月 2 8日 とする地震の数が少ないと適合度に問題が生じ,この下 限の数が多いと M cを求められる領域が減ってしまうた L/ADESS整備開始から地震津波監視システム(以下 回りSと呼ぶ)整備以前の期間. め,この 2点を考慮して決めた. M c以上の地震について,マク、、ニチュードの積算が直線 5) 1991 年 3 月 1 日~ 1 9 9 4年 8月 3 1日 cの適合 からずれる程度を次式の Rにより表し,これを M 仙台・札幌管区における E T O S整備以降から津波地震 % ハリ × 一一品 仏町 PH α 8型地震計が展開中のため除いた. また 8 c u一 年 2月の期間のデータは仙台・札幌町D S整備中であり, M Y 4一 度と定義した. MY-- 9 9 1 早期検知網の展開以前の期間.なお, 1989 年 3 月~ 1 6) 1995 年 5 月 1 日~ 1 9 9 7年 9月 3 0日 津波地震早期検知網の展開以降から大学等関係機関の ここで, B i,S iはそれぞれ M c以上の地震について,マ E D Cと呼ぶ)開始以 地震観測データの一元的処理(以下 R グニチュードの i 番目の階級 Miまでの観測された積算 9 9 5年 4月の期間のデー 前の期間.なお, 1994 年 9 月~ 1 地震数とグーテンベルグーリヒターの式から予測される タは津波地震早期検知網展開中のため除いた. 積算地震数を表す.また,係数 a ,bは M c以上の地震デー 7) 1997 年 10 月 l 日~ 2 0 0 0年 9月 3 0日 タから求められたグーテンベルグーリヒターの式の定数 を , Mmaxはマグニチュードの最大の階級を表す. M cを R E D Cの開始以降から西日本 H i n e tのデータ処理開始 , c 変化させるにつれて適合度 Rは変化するが,ここで、は M 直前の期間. を小さい方から次第に増加させ,適合度が95%に達した 3 . 解析方法 cとした.もしこれで求められなければ適合度が 時を M M cを求める計算法は W I E M E RandW Y S S( 2 0 0 0 ) の方法 90%に達したものを M cとした.さらに求められなかっ m a p( W I E M E Rand罰則I G A,1 9 9 4 ) を用 を,プログラムは Z た場合は積算回数ーマグニチュード図の最大曲率から求 m a pは W I E M E Rらが数値解析言語 MA 1LABを使って いた. Z cとした. めたものを M 開発した地震活動の解析用プログラムであり,ソース 4 . 結果及び考察 コードは公開されている.Z m a pは大地震前の地震活動静 cの空間的変 解析の結果,各期間ごとに求められた M 穏化や活発化といった地震活動度変化の調査, b値の大 IEMER きさ分布等の調査にも利用されている(例えば W i g . 4に示す.また, M cの時間変化を分かりやす 化を F a n dW Y S S,1 9 9 4 ) . くするため,すべての期間のカラースケールを同じ色に W I E M E Ra n dWYSS ( 2 0 0 0 ) の方法は,基本的にはマグ i g .5に示す.以下に各期間の M cの特徴 固定した図を F ニチュードの頻度分布がグーテンベルグーリヒターの式 と若干の考察を述べる. A 1Bi A斗 気象庁の地震検知能力の時間空間的変化 .Observed 口 Synthetic 一)﹄ 30 @aEコZ@﹀冨旦コEコO Si Magnitude F i g . 2 Schematic diagram showing t h e method o f obtainingM c .B i andS i are t h eo b s e r v e d andpredictedcumulative number o fe v e n t si neachm a g n i t u d eb i n . 0 . 5。 0 . 5。 • 0 • 0 . 5 hypocenter • • • • • •〆 • F i g .3 S c h e m a t i cf i g u r es h o w i n ghow t od e f i n et h ec i r c l ea r e af o rc a l c u l a t i n gM c . Eachc e n t e r o f circle area i sl o c a t e da te v e r y0 . 5d e g r e e si nl a t i t u d ea n dl o n g i t u d e . The r a d i u sf o re a c h circle i s fixeda t5 0k m . 戸 hd 験震時報第 6 5巻第 1~ 4号 4 6 4 4 1 9 2 6 . 1 . 1 1 9 6 0 . 1 2 . 3 1 4 2 4 0 3 8 。 ... 司 836 ω 司 ヨ 星34 咽 . . . 1 3 2 3 0 . " 2 8 2 6 司 ' . 7 2 4 1 2 5 1 3 0 1 3 5 1 4 0 1 4 5 1 5 0 Longitude[deg] F i g .4 S p a t i a lv a r i a ti o no fM co b t a i n e df o rs e v e nd i f f e r e n tp e r i o d s : 1) 1 /1 /1 9 2 6-1 2/3 1/1960 4 6 1 9 6 5 . 1 . 1 1 9 7 5 . 1 2 . 3 1 4 4オN = 5 . 0 7 0 4 2 4 0 3 8 8 036 3 2 3 0 . " 島 2 6t - 司 . 1 ' M c 2 4 1 2 5 1 3 0 1 3 5 1 4 0 Longitude[deg] F i g.4 2) 1 /1 /1 9 6 5-1 2/31 /1 9 7 5 1 4 5 1 5 0 phu t -ム 気象庁の 地震検知能力の時間空間的変化 4 6 ~1 9 7 7 .1 .1 1 9 8 2 .1 .3 1 4 N = 8 . 1 1 7 4 2 4 0 3 8 8 036 5 畠 434 3 2 3 0 . , . 「 一 2 4 1 2 5 , ; ク M c 1 3 0 1 3 5 1 4 0 1 4 5 1 5 0 1 4 5 1 5 0 L o n g i t u d e[ d e g ] Fi g.4 3 )1 /1 /1 977 -1 / 31 /1 982 461 . 1 9 8 2 . 2 . 1 1 9 8 9 . 2 . 2 8 4 2 4 0 3 8 ‘ , ー . 書 ・ 白 同 3 6 5 4 ω3 4 司 3 2 3 0 2 8 24. 1 2 5 f ; ン 1 3 0 M c 1 3 5 1 4 0 L o n g i t u d e[ d e g ] F i g .4 4 ) 2/1 /1982 -2/28/1989 lA 司 i 内 験震時報第 65 巻 第 1 ~ 4 号 461 . 1991.3.1-1994.8.31 441N=60ω 4 2 4 0 3 8 8 036 言 畠 d 3 4 3 2 3 0 2 8 1 2 5 J P. 1 3 0 M c . 1 3 5 1 4 0 1 4 5 1 5 0 1 4 5 1 5 0 L o n g i t u d e( d e g ) Fi g.4 5 )3 /1 /1 9 91-8 /31 /1 9 9 4 E 44~1995.5. 1-1997.9.30 N = 1 1 5 . 9 7 8 4 2 4 0 3 8 8 . 03 6 回固凶 司 ;34 3 2 3 0 2 8 1 2 5 サ M c 1 3 0 1 3 5 . 1 4 0 L o n g i t u d e[ d e g ) Fig.4 6 )5 /1 /1 9 9 5 -9 /3 0/1 9 9 7 δ 口 気象庁の地震検知能力の時間空間的変化 4 6 4~ 1 9 9 7 .1 0 . 1 2 0 0 0 . 9 . 3 0 42 4 0 3 8 窃 ~ 3 6 8 5 3 4 4 3 2 3 0 2 8 2 6 24 1 2 5 1 3 0 1 4 0 1 3 5 1 4 5 1 5 0 L o n g i t u d e( d e g ] F i g . 4 7)1 0 /1 /1 9 9 7 -9 /3 0 / 2 0 0 0 . 程度 M cの改善がみられ ど改善が見られ,期間 2)より l 期間 1) (1 926 年 l 月 1 日 ~ 1 9 6 0年 1 2月 3 1日)では, 近畿地方及び九州の一部で Mが 9 7 6年から始まった 7 6 る.これ らの検知能力の 向上は 1 3 .5~ 4 .0程度の地震 まで検知されており,東海,山陰 型と呼ばれる地震計の全国的な展開によるものである. . 5前後まで検知されていることが 地方の一部では Mが 4 横山 ( 19 8 4)の結果と比較すると 三陸沖の海溝軸近傍で 分かる .北海道,東北,北陸及び九州南部は地震数が少 は本調査結果のほうが若干 Mcが大きめに求まっている ないため M cの求められていない領域が多い.海域では が,他の地域については大きな相異はない. 陸域については関東 . 0~ 6 . 0程度であるが,南に向 浦河沖 房総沖でMcは 4 期間 4) (1 982 年 2 月 1 日 ~ 1 9 8 9年 2月 2 8日)では, かうほど検知能力が向上してくることが分かる.この傾 陸域では特に中国,四国地方で M cが求まる領域が増え 向は北海道・東北地方及ぴ、九州南部で、地震計が少なかっ たとともに検知能力も向上している .海域ではいくつか たことによるものと思われる. cが求められるようになり, 1 9 8 3年日 の領域で新たに M 9 7 5年 1 2月 3 1日)では, 期間 2) ( 1 965 年 1 月 l 日~ 1 本海中部地震の余震域周辺が 3 .5~ 4. 0程 度 に 九州の 解析した期間が期間 1)より短いせいもあり地震数が約 南東沖で 2 . 8~ 3. 7程度に求め られている .この期間は 半分であるため M cが求められた領域は期間 1) より少 91 ) 様々な要因で検知能力が向上し た ( 地震火山部(19 なく,特に陸域で少なくなっている.検知能力は陸域で も参照) .とりわけ 1 9 8 2年から L / A D E S Sが各管区に展開 は期間 1) とほぼ同じ程度である .海域では根室半島南 されたことに より処理能力は向上し,また,この期間の 東沖の領域で新たに M cが求められ, 5 . 0程度となってい 9 8 8年か ら 8 8型地震計の展開が始まり,この影 末期の 1 7 8)の調査結果と比 る.この期間に対応する望月ら(19 9 8 2年 2月から検測 響でも検知能力が向上した.一方 , 1 較するとほぼ同様の結果となっており,Mcを求める手法 9型地震計の全振幅が 3 m r n以上, 6 1型 基準をヲ │ き上げて 5 の違いによる結果への影響は少ないことが分かる. 地震計が 6mm以上の検測となったため検知能力の低下が 9 8 2年 1月 3 1日)では, 期間 3) ( 1 977 年 1 月 1 日 ~ 1 陸域では関東 6型地震計に よる高感度の地 懸念されたが,実際には 7 / A D E S S 震観測処理には変更がなか ったことと,前述の L 近畿地方にかけて Mcが求められるよう cが 2 . 0~ 3. 0程度である.海域では沿岸部ほ になり, M による処理能力の向上により検知能力の低下の様子は見 口 同d ー よ ー ー よ !検震 時報第 65 巻 第 1 ~ 4 号 45 45 1 9 2 6 .1 .1 1 9 6 0 .1 2 . 3 1 40 40 q J V 白 白 亘 ω宮 dgz 司 】a ω R J v i 35 笥 4 30 30 . " .ー . . " 25 1 2 5 1 3 0 135 140 1 4 5 ' 125 150 /. 130 45 135 140 45 1 9 7 7 .1 .1 1 9 8 2 .1 .3 1 150 145 150 145 150 1 9 8 2 . 2 . 1 1 9 8 9 . 2 . 2 8 40 40 30 Eu qu 百ω Z ω 相当事国 4 ζu q d v 百ω亘白 RH25国4 145 L o n g i t u d e[ d e g ] L o n g i t u d e[ d e g ] 30 . , . ‘. 1 ' 25 1 2 5 25 130 135 140 145 125 150 130 135 140 L o n g i t u d e[ d e g ] L o n g i t u d e [ d e g ] 45 45 40 40 a ω Z ω 司5 ヨ 3 Ru Z 司ヨ沼恒 Rv qd qu B e Z ω 30 30 25 25 1 2 5 130 135 140 1 4 5 125 150 130 135 140 L o n g i t u d e[ d e g ] L o n g i t u d e[ d e g ] Mc 3 2 4 5 6 F i g .5 S a m ef i g u r e sa sF i g . 4, b u tt h ec ol o rs c al eo fM ci sf i x e df o re v e r yfi g u r ef o rc o n v e n i e n c eo f u n d e r s t a n d i n gt h et i m ev a r i a t i o no fM c . 円ノ臼 ylよ U ハ 気象庁の地震検知能力の時間空間的変化 4 5 0 0 0 道胆振地方と伊豆諸島のMcが大きいのは,それぞれ 2 1 9 9 7 . 1 0 . 1 2 0 0 0 . 9 . 3 0 年有珠山噴火と 2 0 0 0年三宅島噴火に伴う火山性地震の 増加による処理能力の一時的低下の影響 によるものであ 4 0 リ 良 一v qv -O 曲豆副司コき帽 d る. 5 . まとめ及び今後の課題 今回用いた手法により 比較的容易に M cの時間的空間 3 0 的変化の状況を定量的に,また系統的に評価することが できた.その結果,地震観測網や処理システムの改善に 2 5 ・ ーE 1 2 5 1 3 0 1 3 5 1 4 0 1 4 5 9 7 6年からの 伴い地震検知能力が大きく向上し,特に 1 1 5 0 L o n g i t u d e( d e g ] 7 6型地震計の運用, 1 9 9 7年 1 0月からの阻配の処理開始 Mc 1 は大きな効果を上げていることが分かった.本調査で得 4 2 3 Fi g .5 ( co nti n u e d) 5 6 cの調査結果との整合性 られた結果は過去に行われた M られない. も良く,今回の手法が有効であることも分かった. 9 9 4年 8月 3 1日)では陸 期間 5) (1 99 1 年 3 月 1 日 ~ 1 今後,気象庁マグニチュードの決定方法が見直される cが求 域については北海道と北陸,九州の一部以外は M とともに,過去に遡 ってマグニチユードの再計算が行わ . 0以下である .海域については北海道 められ,全て 3 in e t導入に伴い地 れることが計画されている . また H cは 2 . 0~ 3 . 5程 九州の太平洋側で北海道東方沖lを除き M 震検知能力がこれまでよりもさらに向上するであろう . 9 9 4年北海道南西沖地震の余 度である.日本海側では 1 cが大きく変わることが これらの業務的な改善により M . 5程度で,それ以外では 2. 0~ 3. 0程度で 震域周辺で 3 予想されることから,今後も引き続き調査を行っていく ある.この期間は陸域 必要がある. 海域とも検知能力の大幅な改善 cの求められた領域は期間 4)よりも は見られないが, M 謝辞 広がっている .検知能力に大幅な改善が見られないのは 目隠の整備により処理効率や速度が向上したものの,新 本論をまとめるにあたり,匿名の査読者と気象研究所 規の地震計の展開がそれほど多くなか ったため検知能力 石川有三室長か らは適切な助 言 をいただき,また, にはさほど影響を与えなか ったか らと考えられる. S t e f a nWi e n r e r博士からはプログラムを提供していただ 9 9 7年 9月 3 0日)では, 期間 6) (1 995 年 5 月 l 日 ~ 1 いた .ここに記して感謝し Eたします . cが計算されないものの,それ 陸域は北海道の一部で M cが求められた領域では全般に 2 . 0 ~ 3. 0 程度で, 以外の M 参考文献 cが 2 . 0以下の領域が増えている .これは, 期間 5)より M 8 7):気象庁震源データの変選とその問題 石川有三 ( 19 1,4 7 5 6. 点 , 験震時報, 5 津波地震早期検知網展開に伴う地震計の増設と,設置場 石川有三 ( 2 0 0 2):気象庁地震観測網と処理システムの 所を気象台庁舎にこだわらず可能な限りノイズの少ない 3( 5 ) ,3 0 3 3. 変選,日本地震学会ニュースレター, 1 地点を選定した結果,検知能力が向上したものと思われ る.海域では九州南方沖 ~ 3. . 5 沖縄付近の海域にかけて 2 石川有三 ・中村浩二, ( 1 9 9 7): S E I S P Cf o rW i n d o w s 9 5, 9 9 7年合同大会予稿集, 7 8. 地球惑星科学関連学会 1 5程度に求められている. 0 0 0年 9月 3 0日)では, 期間 7)(1 997 年 10 月 l 日 ~ 2 市川政治 ( 19 7 8):気象庁新地震観測網の震源決定能力, 験震時報, 4 2,5 5 6 0. 大学等関連機関か らのデータ提供により 全国的に大幅に J cは北海道胆振 検知能力が向上した.陸域についての M 地震火山部 ( 1 9 91 ) :最近の気象庁の地震観測網の震源 8,1 3. 決定能力一視覚的表現による一,測候時報, 5 地方周辺の 3 . 5 程度以外は日本全域で1. 0 ~ 2 . 0 程度で あり, 北海道,九州、│ のM cがかなり改善 されている .海域 望月英志,小林悦夫,岸尾政弘 ( 19 7 8):1 9 6 5~ 1 9 7 4年 は北海道東方沖,伊豆諸島付近海域と沖縄付近海域の一 2,2 3 3 0. の気象庁の震源検知能力,験震時報, 4 . 5程度でそれ以外は 2. 0~ 3 .0程度である .北海 部で 3 横山博文 ( 1 9 8 4):最近の気象庁地震観測網の震源決定 ω li 司 円ノ 1i 験震時 ~(:I;Z第 65 巻第 1~4 号 能 力 一1 9 7 9~ 1983,験震時報, 4 9,5 3 6 5 . .a n dM . W Y S S( 1 9 9 4 ) : S e i s m i cq u i e s c e n c e W I E M E R,S b e f o r et h e1 9 9 3M = 7 . 5L a n d e r sa n dM = 6 . 5B i gB e a r u l l .S e i s .S o c .A m e r ., ( C a l i f o r n i a )e a r t h q u a k e s,B 8 4,9 0 0 9 1 6 . W I E M E R,Sa n dM . W Y S S( 2 0 0 0 ): M i n i m u mM a g n i t u d eo fC o m p l e t e n e s si nE a r t h q u a k eC a t a l o g s :E x a m p l e sf r o m A l a s k a,t h eW e s t e r nU n i t e dS t a t e s,a n dJ a p a n,B u l l . S e i s .S o c .A m e r . .9 0 .8 5 9 8 6 9 . 阻R ,S .a n dR .Z U N I G A( 1 9 9 4 ) :Z M A P as o f t w a r e W I E p a c k a g et oa n a l y s i ss e i s m i c i t y ( a b s t r a c t ), E O S, T r a n s .,A G U,7 5,4 5 6 . 円 〆 ι︼ qL