...

No3

by user

on
Category: Documents
30

views

Report

Comments

Description

Transcript

No3
清水谷スクールライフ
人権教育推進委員会発行 NO.3
2014/7/18
みなさんは、「セクシュアル・マイノリティ」という言葉を聞いたことがありますか?
レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー の頭文字をとって、「LGBT」とも言い
ます。最近では、タレントとしてテレビに出ている人もいる(はるな愛さん、マツコ・デラックスさんなど)
ので、知っている人も多いかもしれません。今回は、「性」について少し考えてみましょう。
「性」には3つの要素がある
①カラダの性(生物学的性)・・・性器の特徴から判断される。「男」「女」の2通りだけでなく、外性
器だけを見れば男性に近いが、性染色体が女性型で、卵巣もある場合などもある。こうした赤ちゃ
んは「インターセックス(性分化疾患)」とよばれていて、2000人に1人の割合で生まれる、という資
料もある。母子健康手帳の赤ちゃんの性別欄にも「男・女・不明」という3種類があります。
②ココロの性(性自認)・・・4~5歳ぐらいから中学生にかけて確信する、「自分は男だ」「自分は女
だ」という感覚のこと。男性として生まれたけど自分は女性だと思う人、またはその逆の人もいる。
このように割り当てられた性別に違和感を持っている人たちを「トランスジェンダー」と呼ぶ。ココロの
性は無意識に確信するもので、自分で変えようと思って変えられるものではありません。
③スキになる性(性的指向)・・・好きになる性別のこと。男性として男性を好きになる人を「ゲイ」、
女性として女性を好きになる人を「レズビアン」、男性あるいは女性として、同性も恋愛の対象にな
るし、異性も恋愛の対象になる人のことを「バイセクシュアル」と呼ぶ。同性を好きになる人は人口
の約3~5%いると言われているので、20人~33人に1人という計算になります。
この①・②・③は、それぞれグラデーションで存在している。この3つの性の要素を組み合わせると、い
くつものパターンができあがるということ。
LGBT 以外にも「A セクシュアル」(エーセクシュアル/アセクシュアル)といって、同性も異性も、恋愛の
対象にならない人たちもいます。
3つの要素の整理&もう少し詳しく
Q.インターセックス(性分化疾患)の人は、男性・女性のどちらを好きになる?
A.ひとりひとり違う。ココロの性についても人によって違う。女性として育てられる人が多いそうで
すが、ココロの性が男性であることも。また、女性として生活していても、ある時期から男性化し
ていくこともあるそう。『IS 男でも女でもない性』(六花チヨ:著)、『性別が、ない!』(新井祥:
著)というマンガもあります。
Q.ゲイの人は、ココロは女性?
A.違います。「男を愛するのは女だけ」ではない。ゲイの人は自分のことを男と認識していて、「男
のココロで男を好き」なのです。「女のココロで女を好き」な人はレズビアン。昨年3月には、東京
ディズニーランド初の女性同士の結婚式も行われました。結婚式に至るまでにはさまざまな苦労
もあったそう。詳しく知りたいひとは、『レズビアン的結婚生活』(東小雪+増原裕子:著、1,080 円)
を読んでみてください。
Q.「オネエことば」をしゃべる人は、みんなゲイ?
A.違います。オネエキャラと呼ばれる芸能人も、みんながゲイなわけではない。例えば、はるな愛
さんは、カラダは男性、ココロは女性であるトランスジェンダー(現在は性別適合手術を受けてい
るそうです)で、スキになるのは男性。その人の性別は、カラダよりもココロの性別に合わせる。
はるなさんは、女性として男性が好きなのでゲイではない。また、すべてのゲイがオネエことばを
話すわけではありません。
出会えない LGBT
ある調査によると、10代の85.6%が同性愛に対して差別的なことばを見聞きしたことがある、と答
えている。こうした状況では、イジメやからかいの対象になるかもしれないし、言いだせないのも無理
はない。例えば、ゲイ/レズビアンの人たちは、割合としてはクラスに1人はいる計算になる。しかし、
多くの思春期のゲイ/レズビアンの人たちは、自分の気持ちをだれにも話さずにかかえている。同性
が好きなのに、異性が好きであるフリをしていることも多い。だから、同じ LGBT に出会えないのだそう。
LGBT の人たちは、同じ仲間と出会うことが難しいがゆえに、大人になるまで孤独と闘っている人が多
いのです。
また、「○○くん、どんな女の子がタイプ?」とか「△△ちゃん、彼氏いないの?」といった会話が何の
疑いもなく、くり返されているなかで生活していると、「男は女を、女は男を愛するもの」という「常識」が
つくりだされていく。こういった「常識」は「多数派にとっての常識」であることを覚えておこう。
これから、文化祭の準備が始まります。セクシュアル・マイノリティの人たちのことだけでなく、いろいろ
な人のことを考えて、「多数派の常識」だけに捉われずに取り組んでほしいと思います。
生徒のみなさんだけでなく、来てくださる人たちも楽しめる文化祭になることを期待しています。
ハテナ
【参考・引用文献:ゲイのボクから伝えたい 「好き」の ? がわかる本、石川大我・著】
Fly UP