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(140) 2016/10/06
Nouvelle
Nouvelle Vague
Vague
〔 芸術の秋/アートのチカラ 〕
16/10/06(thu) 69回生学年通信 No.140
〔センター試験まで、あと100日!〕
勉強に忙しいキミたちに代わって、最近私は頑張って映画館に通っています。近頃観
たのは、「ラサへの歩き方」、「ソング・オブ・ラホール」、「歌声にのった少年」など。
「ラサへの歩き方」(チベット(中国))は、この夏ブータンに行ったからこそより楽
しめた一本だったように思います。家族や親族、近くに住む11人の村人が、1年間に渡
り、約2,400㎞の道のりを、ひたすら聖地ラサを目指して「五体投地」しながら巡礼す
るという内容。途中で長老が亡くなったり、赤ちゃんが生まれたり、その赤ちゃんを負
ぶって五体投地を繰り返したり、そんな巡礼の様子が延々綴られる2時間の映画でした。
五体投地のルールは5つあって、
1)合掌する
2)両手・両膝・額を大地に投げ出してうつ伏せる
3)立ち上がり、動作をくりかえして進む
4)ズルをしないこと
5)他者のために祈ること
この、「4)ズルをしないこと」について、映画の中の彼らは
極めて(実に、極めて!)真摯で、私もこう生きたいものだと思
いました。
「ソング・オブ・ラホール」
(パキスタン)は、過激派勢力(タ
リバン)の台頭で音楽を演奏することが難しくなった伝統音楽の奏者らが、そのことに
危機感を覚えつつ、伝統楽器を駆使してカバーしたジャズのスタンダード・ナンバー「テ
イク・ファイブ」を引っさげ、本場ニューヨークに乗り込み、世界最高峰のビッグバン
ドとセッションを行うという映画。また、「歌声にのった少年」(イスラエル)も、戦闘
の続くガザ地区に住み、こよなく音楽を愛する少年たちが、「スターになって世界を変
える!」を合い言葉に音楽に勤しむという内容。後者では、途中、「ガザに生まれて夢
を見るなんて愚かだ」と自棄な言葉を口にする場面もあるのですが、それでも、「夢な
ど空しいとは誰にも言わせない」と命懸けの行動が続きます。(2本とも、実話に基づ
いた作品です。)
映画を観るのは、2時間の旅をするの
に似ていると思います。2時間で、魅力
的な誰かの生涯を知ることができたり、
未知の2人の燃えるような愛について知
ることができたりもします。もちろん、
地球外の空間を舞台にした架空の物語
や、遠い未来のお話だって。そして、そ
れらに触れることは私の日常に少なからぬ影響を与えてくれます。チベット映画もパキ
スタン映画もイスラエル映画もなかなかキミたちは観る機会がないかも知れませんが、
当たり前ですが、アメリカだけが「世界」ではありません。進路が決定した暁には、ぜ
ひ、そんな各国の映画にも目を向けてみてください。
さらに、芸術の秋について。
秋というには早い頃の話ですが、8月、以前にも
案内をした「中野健夫」展に、9月の初旬には伊丹
市立美術館で行われた岡崎京子「戦場のガールズ・
ライフ」展に行ってきました。
故・中野健夫は(以前にも書きましたが)丹波市
内の中学校で教鞭を執られていた美術の先生で、皆さんの中にも教わった人もいるはず
です。昨年、若くして亡くなられ、回顧展となった今回の作品展ですが、非常に興味深
く見せていただきました。関係者が多く、会場(植野美術館)ではあちらこちらの絵の
前で氏の思い出話で盛り上がっており、私も傍に近付いてはそんな話に耳を傾けていま
した。追悼、回顧展という意味では、本当に良い展覧会でした。心よりご冥福をお祈り
いたします。
その日は、丹波の森公苑で開かれていた「丹波市・西脇市芸術家」展にも足を運びま
した。荒木先生や赤尾先生、本校食堂に絵の架かっている木寺明さん、Hさんらの作品
があり、「私も頑張ろう!」と勇気を貰って帰ってきました。ありがとうございます♪
一方、岡崎京子氏は、『pink』や『リバーズ・エッジ』などの作品で知られる漫
画家で、私はほぼ同じ世代なので、非常に面白かったです。96年に交通事故に遭われ、
それ以来満足に作品が描けないでおられるのですが、今回は彼女のメッセージを確かに、
そして強く感じることができ、これまた、こちらが励まされるような思いでした。
映画や美術等に触れる時間は本当に贅沢なもので、今のキミた
ちにはなかなかその時間や余裕はないことでしょう。が、心が荒
..
んだときにはちらと、一幅の絵、一葉の写真、書などに目を遣り、
作品世界に思いを馳せてみるのも良いかもしれません。これまた、
心癒される、小さな「旅」だと思います。
〔 センター試験まで、あと100日! 〕
いつの頃からか、職員室前の学年連絡ボードに誰かがセンター試験までのカウントダ
ウンを書いてくれているのですが、気が付けば、ついに、残り100日となりました! 台
風一過の青空とともに訪れた記念日(?)です。センター試験がすべてだとはちっとも
思っていませんが、それでも、学年で170名超(約7割)が受験する予定ですから、進
路実現に関しての一大イベントであることは疑いようのない事実だと言えましょう。
100日は、長いようで短い、短いようで長い日々です。焦っても、のほほんとしてい
ても、同じように過ぎていくはずの100日。それならば、しっかりと「積み重ねる」こ
とのできる100日間にしたいものです。
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