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現場01 大臣官房 (PDF:627KB)
現 場 現場の課題 01 厳しさを 増 す 農 林 水 産 業 の 現 在 。 大臣官房 日本の農 林 水 産 業を取り巻く状 況は 厳しさを増しています 。19 9 0 年から2 010 年までの2 0 年間で比 較してみる と 、米 価の 低下などに伴って農 業 所 得は 6 兆 円から3 兆 円へと半減しました 。さらに 、次 世 代への 世 代 交 代 が思 うように進まない 結 果 、農 業 就 業 者の平均 年 齢は 5 6 .7 歳 から6 5 . 8 歳と上 昇しました 。一方 、消費 者の 食に対 す る嗜 好の 変 化によって主 食 用米の一人 当たりの年間 消費 量は7 0 . 0 k g から5 9 . 5 k gと減 少する反面 、国 民一人当 たりの 油 脂 類 、畜 産 物などの 年 間 消 費 量 が 増 加し 、私 たちの 食 料消 費の 姿も変 化してきました 。これらの 生 産 面 、消 費 面 双 方での 構 造 的な変 化が 進む中で 、食 料自給率( カロリーベース )も4 8%から3 9%と低下 傾 向が 続 いています 。こうした状 況の中 、東日本 大 震 災 が 発 生しました 。東 北 地 方を中心 に2 万 h a 以 上の広 大な 農 地 が 海 水による冠 水 被 害を受け 、太平洋 沿岸の319 漁 港 が 被 災し 、さらには福島第一原 発事故の放 射 性 物 質による 汚 染とこれ に伴う風 評 被 害も発 生し 、被 災 地 域 の農 林 水 産 業 は 大きな 痛 手 を 受けました 。食 料 生 産のみ なら ず 、国 土 保 全 や 集 落 機 能の 維 持といった多 面 的 機 能を有 するこの国の農 林 水 産 業を未 来の 世 代にわたり引き 継いで いけるようにするために 、同 時 に国 民に食 料 を 安 定 的に供 給 することが できる環 境を 確 保していくため に 、東日本大 震 災 からの 復 興を含む農 林 水 産 業の 体質 強 化は緊 急の課 題です 。 課 題への取 組み 農林水産省を束ねて、 あらゆる政策の指揮を執る。 攻 め の 農 林 水 産 業 を 展 開 する。 以 上のような 政 策 課 題に対し 、 ①農 林 水 産 業の 有する「 多面的 機 能を維 持・向上させるための新たな支 援 策 」や 、 「 担い 手に対する総 合 的な支 援 策 」の制 度 設 計に向けた調 査・検 討 ② 水田の大区画 化や 森 林 の 作 業 道 、漁 港 施 設を始めとした 、災害に強く競 争力のある生 産インフラの 確 保 ③農 林 漁 業 者が加工・流 通・販 売部 門にも進出することで 、 所 得の増大を目指す高 付 加 価 値化に向けた 取 組みの 推 進 などの施 策を行い 、攻めの農 林 水 産 業の展 開を図っています 。一方で 、農 林 水 産 業は天 候に 左 右されやすく 、地 域ごとに異なる特 性を持っています 。また 消 費 者 、生 産 者 、地 方公 共 団 体 、外 国 政 府 や 国 際 機 関など多 様な 関 係 者との対 話 がなければ 政 策は前に進 みません 。このような特 徴を踏まえつつ 、持 続 可能な農 林 水 産 業の実 現 や国 民へ安 全・安心な食 料を安 定 的に供 給できる体 制の 確 保を目指していくことが 重 要です 。また 、これらを通 じて 、我が 国の美しい海 、山 、田 畑などの農山漁 村や多様な 食 文化 、それを支える農 林 水 産 業を次の世代への引 き継ぐことにもつながります 。 ■ 課内にて、会議用資料の内容を相談 保理 利光 大臣官房 政策課 係員 2010年入省 総合職事務系(Ⅰ種 法律) / 峯村 英児 大臣官房 政策課 企画官 1997年入省 総合職事務系(Ⅰ種 経済) 大 臣 官 房 のミッションとは 農林水 産省の使命は、いのちを支える「食」と、安心して暮らせる「環 境」を将来にわたり支えていくこ とです。この 使命の下、食の安 全 確保と安定供 給、農 業 経 営の安定、農 業 構造の強化、農山漁村 地 域 の活 性化など、幅 広い取 組みを行っています。 その基 本 的な政 策ビジョンの策 定、法 令 審 査、予算 編 成、国 会との連 絡 調 整、広報 活動、統 計 情 報の 収 集・分析、地方との連 携など、農林水 産 省全 体の政 策に関する総 合 調 整を行うのが大臣官房です。 また 、現 在 最も重 要な課 題である東日本大 震 災 からの 復 旧・復 興のほか 、食 料自給率の向上や 食 料 の安 定 的な輸 入による食 料安 全 保 障 、地 球 温 暖 化対 策をはじめとする環 境 政 策などについても 、省 取 組み 1 立法と行政を つなぐ 取 組み 2 農林水産 予算の編成 行政 府である農林水産省と、立法府である国 日本の財政事情は、高齢化の進行に伴う社会 会との「つなぎ役」が国会連絡室の仕事です。 保障費の増加などにより大 変ひっ迫していま 国会議員から国民の皆さんの関心事項をお聞 す。農林水産予算についても、約10年間で1兆 きして、省内の各部局に伝えるとともに、農林 円程度減少し、平成24年度には2兆1727億円 水産省の政策や考え方を正確に伝えるために 「食料の安定供給」という至上命題を守っていく 内の調整 役として舵 取りを行っています。 国会議員に何かを説明するということは、日本 ためには、効率的・効果的に予算を編成する必 大臣官房の業務がきちんと機能することで、省内で企画立案された政 策が1億2千万人の国民に届く。 全国の国民の皆さんに説明するということに 要があります。限られた財源の中で最大限の効 他なりません。スピーディーな情報収集と正確 果を発揮するための方策について日々議論し最 なメッセージを伝えることが重要です。 良の結論を導く、それが予算課の仕事です。 杉本 昌英 大臣官房 総務課 課長補佐 1996年入省 総合職技術系(Ⅰ種 農業経済) 尊敬する上司や優 秀 な同僚や部下と協力し 合い、農林水産業や農 山漁 村を元 気にする 予算を作る仕事にやり がいを感じています。 となりました。このような厳しい財政事情の下、 国会内を走り回る毎日です。選挙で選ばれた このことに大きな誇りと使命感を感じながら、農林水産省を束ねて様々な政 策の指揮を執っています。 05 失 敗 が 許されない 緊張感みなぎる職場 の中で、 ダイナミック な仕事に大きなやり がいを感じています。 笠原 健 大臣官房 予算課 係長 2006年入省 総合職事務系(Ⅰ種 法律) 06