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※ 「寄付」の表記について… 基本的には、「寄付」と表記するが、事 例
※「寄付」の表記について…基本的には、「寄付」と表記するが、事 例紹介では、各自治体の意向を尊重し、 「寄附」と表記している部分がある。 ― 46 ― 【中長期】 ― 47 ― Ⅲ 寄 付 (2) 1) 導入のポイント 寄付の目的と成果の明確化 【目的限定と分野選択】 ○寄付は、使用目的を限定しない「一般寄付」 、特定の目的を明確にして寄付を募る「目的限定寄付」 、 寄付の使用目的(分野)を選べる「分野選択寄付」に整理される。 ①「一般寄付」 ・従前からある受け身的な寄付。使用用途を指定しない。 <特徴> ・使用目的が不明のため、寄付者が寄付の成果を実感しにくい。 ②「目的限定寄付(特定の目的を明確にした寄付) 」 ・特定の建物、物品、自然、資産を修復、購入、保全するなど目的を絞った寄付。 <特徴> ・一定規模を有する財源として位置づけることができる。 ・全国から寄付を募ることが可能。 <導入可能性> ・多摩地域:都市部…歴史的建物などの修繕、山間部…自然保護 ・島しょ地域:自然保護、生物保護 <事例> ・熊本市の熊本城復元整備基金(一口城主) 54 ページ参照 ・全国事例 1)目的限定タイプ 61 ページ参照 ③「分野選択寄付(使用目的(分野)を選択できる新しいタイプの寄付)」 ・各政策分野(福祉、教育、行財政など)へ、寄付者の参加意思を反映させる寄付。 <特徴> ・政策に対する寄付のため、支持の数により寄付金額に差が出る。 ・ 「寄付による投票」ともよばれており、一般住民からの寄付が想定できる。 <事例> ・さいたま市「ふるさと応援」寄附 56 ページ参照 ・全国事例 2)分野選択タイプ 63 ページ参照 【目的と成果の明示】 ○目的を明確にするとともに、寄付の成果が見えると、寄付が集まりやすくなる。 ○寄付者は、寄付金がどのような目的のために使われるかについて関心(目的への共感)があるととも に、その寄付を通して得られる「成果に対する満足感」により寄付が進む。 ○成果を伝えるために、寄付金額や寄付により実現した内容について、ホームページで公表したり、 寄付者へ通知したりすることが求められる。 48― ― 48 ― 49 ― Ⅲ 寄 付 3) 多様な誘因(インセンティブ)の用意 ○特定の目的を明確にして寄付を募る「目的限定寄付」だけではなく、寄付の使用目的(分野)を選べ る「分野選択寄付」においても、多様な誘因(インセンティブ)を用意する。 ○「分野選択寄付」では、主体的に政策判断を行えることが重要な誘因となる。 【基本的な誘因】 ①感謝状・記念品の贈呈 ・高額寄付者に対して感謝状や記念品を贈呈する。 <事例> ・さいたま市「ふるさと応援」寄附 56 ページ参照 ②地域の特産品を贈呈 ・自治体で設置している寄付制度に沿って寄付をした場合、地域の特産品を贈呈する。 <事例> ・全国事例<北海道紋別市> 64 ページ参照 ③政策への参加 ・寄付による投票のような形で、寄付者が政策分野への参加意思を表明できる。 <事例> ・さいたま市「ふるさと応援」寄附 56 ページ参照 ・全国事例 2)分野選択タイプ 63 ページ参照 【民間企業との連携などによる多様な誘因】 ○有料の公共施設に無料入場/協賛店(飲食など)での各種特典(割引・サービスなど) <特徴> ・行政のみならず、広く民間企業と連携することで、寄付者に特典を提供。 ・民間企業と連携することで、地域内の経済効果も期待できる。 ・カードなどを発行することで、寄付者への感謝にプラスαする。 <事例> ・熊本市の熊本城復元整備基金(一口城主) 成功要因 54 ページ参照 4) 寄付のしやすさが重要 【寄付金の納付方法】 ○寄付を行うためには、役所等の寄付の窓口に出向くか、振込用紙を入手して、各種機関から振り込 む形が基本となる。 ○多摩・島しょ地域では、納付方法として、銀行振込・納付書払いが進んでいるものの、クレジット カード決済、コンビニ決済までには至っていない(図表 III-4)。 ○手続きの簡略化を進めるとともに、遠隔地からの対応としては、ホームページからダウンロードし た様式を、メールや郵送で送るという形が想定される。 50― ― 50 ― 51 ― Ⅲ 寄 付 ― 52 ― ― 53 ― Ⅲ 寄 付 ― 54 ― ○成功要因 ・歴史ブームが続く中で、一口城主のネーミング、1 万円の値ごろ感とともに、主に城主証の発行、 天守閣への芳名板の掲示、城主手形の特典が効果的であった。 ・平成 21 年 1 月 1 日以降は、城主証に、「祝 御誕生」「祝 御入学」 「祝 御卒業」 「祝 御結婚」 「祝 御普請」の記念の文字を入れて、発行日を自由に決めることができる。 ・芳名板が無期限で天守閣に掲示されることがステイタスにつながる。 ・城主手形を提示すると熊本市等が管理する 16 の有料施設へ無料で入園できるほか、協賛店で提示 すると各種特典を受けることができる。 ・リピーターも多く、記念日のお祝いや贈り物としての申し込みも増えてきている。 城主手形および城主証 寄付をPRする公用車 55― ― 55 Ⅲ 寄 付 2) 「ふるさと応援」寄附(さいたま市) ふるさと納税制度の活用により、新たな自主財源として寄附による歳入の確保が期待できることか ら、さいたま市の魅力や施策等を積極的にPRし、納税者の自発的な寄附を促進するとともに、その 意思を施策に反映させるため、さいたま市版ふるさと納税制度として、「ふるさと応援」寄附の仕組 みをつくり、受入れ体制の整備を行った。 誘因(インセンティブ) ~PRキャラクターぬいぐるみ等の贈呈~ ・寄附者が、①分野別寄附(7 つの施策分野(57 ページ参照)から指定して寄附)、②基金別寄附(応 援したい基金を選択して寄附) 、③一般寄附(使途の指定なし)の中から選択できる。 ・1 回 5 万円以上の寄附者に市のPRキャラクターのぬいぐるみ、1 万円以上 5 万円未満の寄附者に は同キャラクターのぬいぐるみストラップを贈呈している。 事業実施時の合意形成・準備 ~企画調整課を軸に展開~ ・政策局政策企画部企画調整課が制度設計を行った。 ・市政運営の基本方針や重要施策の決定、行政部門間の総合調整などを行う都市経営戦略会議におい て政策決定を行った。 ・市政運営の基本方針等の周知、重要な事務事業の報告及び連絡、行政部門間の情報及び意見の交換 等を行う行政会議で周知した。 寄附受入れ方法 ~分野別寄附と基金別寄附~ ・寄附の受入れ方法として、寄附者の選択しやすい施策メニューの提示、寄附者の意思を反映した施 策展開を図っている。 ・使途の指定がある指定寄附と指定のない一般寄附に区分され、指定寄附は更に、分野別寄附と基金 別寄附に分かれており、分野別寄附は市の総合振興計画の 7 つの施策分野から、応援したい事業を 指定し寄附をするもの。 ・基金別寄附は応援したい基金を指定してもらう寄附で、基金は新たに立ち上げたのではなく、「ふ れあい福祉基金」等既存の基金を活用している。 寄附受入れ手続き ~手続きの簡略化と遠隔地からの寄附への対応~ ・寄附の受入れの手続きについては、手続きの簡略化と遠隔地からの寄附への対応に配慮している。 ・手続きの簡略化では、申出書に寄附メニューを印刷しており、その中から希望の寄附を選択できる ようにするなど簡略化を図った。 ・遠隔地からの寄附には、ホームページからダウンロードした寄附申出書を送ってもらうことで対応。 ただし、実際は遠隔地からの寄附がどれだけあるのか検証はしていない。 ・クレジットカード等での取り扱いはしておらず、検討段階にある。 56― ― 56 ― 57 ― Ⅲ 寄 付 ― 58 ― ― 59 ― Ⅲ 寄 付 ― 60 ― ― 61 ― Ⅲ 寄 付 ― 62 ― ― 63 ― Ⅲ 寄 付 ― 64 ― ― 65 ― Ⅲ 寄 付 ― 66 ― ― 67 ― Ⅲ 寄 付 ― 68 ― ― 69 ―