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8
モデル校による実践事例
特別支援教育指導体制モデル校の中から特徴的な10校の取組を紹介します。
(1)関係機関との連携・教職員の意識の変化
(2)個から学校全体へ
(3)学校全体で取り組む支援体制
(4)複数の眼で子どもを見守る
(5)できるところから始める
(6)支援の広がり
(7)関係機関との連携・具体的なやり取り
(8)困り感に寄り添う
(9)個別支援学級を基点として
(10)学校の資源の活用
48
(1)関係機関との連携・教職員の意識の変化
~A中学校~
ポイント
○アセスメントシート(個人理解票)によって対象生徒の状況を把握しようとし
た。さらに、関係機関のアドバイスにより、具体的な事例を挙げて、より適切
な支援のあり方や、外部機関との連携の方法をさぐるようになった。
○初めは発達障害の診断にこだわっていたが、研修を進める中で、一人ひとりの
状況に応じた支援を進めることへと意識が変わってきた。
○生徒の状況についての情報を共有することで、生徒を受け入れ、その視点に立
って一人ひとりに応じた支援を心がけるようになった。
1
研究主題
「発達障害のある生徒への理解を深め、支援の方法を探る。」
○ 発達障害のある生徒の判断基準と指導方法について
○ 関係機関との連携の方法について
○ アシスタントティーチャーの活用の方法について
2 具体的な取組
(1)アセスメントシート(個人理解票)の活用
特別な教育的支援の必要な生徒を把握するために個人理解票を作成し、校内
委員会で集約し、検討した。
(2)アシスタントティーチャーの活用
数学科(習熟度別指導)の少人数授業と英語科の授業で、対象生徒に対して
TTの形で支援を行った。
(3)保護者との連携
教育課程保護者説明会において、特別支援教育の目的や内容について説明を
行った。その後は、個人面談等で具体的に担任の先生と相談を行った。
(4)関係機関との連携
特別支援教育委員会に、小児療育相談センターの診療相談部長とソーシャル
ワーカーの方に出席していただき、対象生徒の把握や支援の方法について適切
なアドバイスをしていただいた。また、情緒障害通級指導教室に通っている生
徒に対しても、通級指導教室と連携して支援を行った。
3
今後の課題
○ 保護者、生徒本人は、
「普通級で」という意識が強く、
「個別指導」や「個別支
援学級との連携」について、なかなか同意が得られにくい状況にある。
○ 小学校と中学校が継続的に支援を行っていくためには、アセスメントシートや
個別教育計画の伝達・共有などこれまで以上の緊密な連携が不可欠となってい
る。
49
(2)個から学校全体へ
~B小学校~
ポイント
○個別支援学級を「学習ルーム」という名称に変更し、誰もが個別に学習をする
ときに使う教室とし、個別支援学級での通級指導を開始した。
○スクールカウンセラーの力をより発揮してもらい、児童はもちろんのこと、保
護者への関わりを強めてもらった。
○学習面で配慮を要する児童への指導方法を学級全体での日常の学習指導方法
に生かすことができれば、すべての児童のレベルアップにもつながる。
1 具体的な取組
(1)校内体制の構築
特別支援教育を推進する校内委員会には、児童指導を内容とする既存の組織
「児童理解協議会」をあてた。以前は、気になる児童の共通理解に留まり、なか
なか具体的な指導・支援を行うことができなかったが、特別支援教育校内委員
会になってからは、気になる児童一人ひとりへの具体的な指導・支援方法まで
を全職員の共通理解のものとしていく体制を確認できた。
(2)特別支援教室
個別支援学級を「学習ルーム」という名称に変更し、誰もが個別に学習をす
るときに使う教室という考え方を持つようにし、個別支援学級での通級指導を
開始した。
(3)関係機関との連携
外部講師を招き、演習を含めた研修を行った。発達障害の児童に対する指
導・支援のあり方について、具体例を通して知ることができ、保護者との接し
方についても理解を深めることができた。
(4)コーディネーター複数配置
特別支援教育の担当者としてコーディネーター1名、サブ・コーディネータ
ーを2名(1名は個別支援学級担任で学習指導面を担当。もう1名は児童指導
担当者)配置した。
2
成果と課題
○TT・ATの活用については、支援を必要とする子どもの安心感が生まれ、「担
任が一人で」という思いが軽減できた。
○特別支援教育という新しい指導体制を、教職員が一人ひとり正しく理解し、受
け入れ、活用していくことも課題である。
50
(3)教育的ニーズに合わせて特別支援教室を複数設置
~C小学校~
ポイント
○特別支援教室を教育的ニーズに合わせて複数設置し、多様なニーズに応えてい
る。
○教室で学習が分からずに困っていた児童が、つまずきを克服したことで、分か
る喜びをもてるようになった。
1
手 順
①担任との教育相談の中で、保護者が「特別支援教育申し込みカード」を提出する。
②特別支援教育コーディネーターが、教室での児童の観察をする。
③担任と特別支援教育コーディネーターと「特別支援児童ファイル(アセスメント
シート・個別教育計画)」をもとに児童の状況を話し合い、支援の内容を考える。
④特別支援教育コーディネーターが担任・保護者と面談し、学習ルームのシステム
について説明する。保護者の教育的ニーズに合わせて支援計画を決める。
⑤支援計画をもとに、実際の児童の実態に合わせて支援を開始する。
2
特別支援教室での支援
A)普通学級に在籍し、教室で個別的な支援を受ける児童
○学年TTや少人数指導担当、アシスタントティーチャーが支援をする。
B)普通学級に在籍し、特別支援教室に通級して支援を受ける児童
a)特別支援教室①を個別支援学級に設置する。
○個別支援学級担当が支援をする。
b)特別支援教室②を学習ルームに設置する。
○特別支援教育コーディネーター・学習ルーム専任・担任等が支援をする。
○担任は学年で相談し、週1時間(学年1名)学習ルームの支援を行う。
c)特別支援教室③を保健相談室に設置する。
○一時的に興奮状態になり授業が受けられない児童・不登校気味の児童の一
時避難場所としての機能をもつ。
○管理職・養護教諭・アシスタントティーチャー等が支援をする。
C)個別支援学級に在籍し、個別支援学級で支援をすることが適切な児童
a)個別支援教室(特別支援教室①)を設置する。
○個別支援学級担当が支援する。教育計画に基づき、交流級の担任とともに
普通学級でも支援する(交流及び共同学習)。
3
今後の課題
特別支援教室の支援が特別ではなく、『教室での支援が基本である』という基本
的な考えに立ち戻って、教室での学級のルールを学校全体として最低限統一してい
く必要がある。
51
(4)複数の教員で子どもを見守る
~D小学校~
ポイント
○複数の教員で子どもを見守るために、共通の観点を作成し、実態把握を行った。
○校内の支援チームを作り、組織的に対応した。
○普段から子どもの様子を話す風土ができてきた。
1 具体的な取組
(1)全職員による全児童理解をめざした支援体制づくり
○児童を理解する共通観点をつくる。
○児童指導部会、職員会議、学年研などを利用し、計画的に児童理解支援計画、支
援の振り返り、修正について話し合う。
○児童理解、支援方法、成果について学年内、学年を超えて話ができる風土づくり
(2)保護者との協力支援体制づくり
○「全ての子どもたちが本来もっている力を発揮し、楽しく学校生活を送るために
適切な支援が受けられる」学校体制づくりをしていることを伝える。
☆学校説明会、特別支援についてのお知らせ(支援相談カード添付)
○保護者対応に際し、担任や学年に支援チーム(校内)がバックアップする。
☆保護者に対して児童のつまずきを知らせること、その対応を話し合うこと、
報告することが、保護者の理解・信頼を得る上で重要と考え、保護者対応に
際し支援チーム(校内)と担任(学年)が事前に打ち合わせをしたり、保護
者との面談に同席したりするようにした。
※支援チーム(校内)は基本的に校長・副校長・コーディネーターが中心。状
況に応じて関係職員・専門機関等を加えて編成するようにした。
(3)専門機関と連携しより正確な児童理解、支援をする。
○支援を要する児童の支援やその報告、職員研修などを通して、専門的な知識を身
につけることが児童に寄り添った支援につながることを職員で認識していく。
○スクールカウンセラーに定期訪問を要請し、児童の様子、支援の経過について継
続してアドバイスを受ける。
2 成果と課題
○児童理解や支援について実践を積み重ねていくうちに「気にしていた児童」は、
「指導上教師が困ってしまう子」「目立った問題行動を起こす子」等、支援が必
要な一部に偏っていたことに気づいた。すべての児童が適切な支援をうける学校
づくりをするためには、児童理解をする上での知識を身につけ、「この子のつま
ずきは・・・」とあたたかくみつめていく姿勢が大切である。
○職員の日常会話に児童の学習面、生活面の話題があげられることが増え、普段か
ら児童の様子について話していく風土がこの取組を支える大きな要素である。
52
(5)できるところから始める
~E小学校~
ポイント
○ 従来からある児童指導委員会や学年会等の組織を活用。
○ 個別支援学級の一部を整備し、特別支援教室を設置。
○ 個別的な指導を始めると学習意欲が高まるなどの効果。
1
校内委員会
配慮を要する児童について考えてきた児童指導委員会を「特別支援教育校内委員
会」とした。担任を中心としながら校内全体での共同的指導体制の構築を目指した。
2
具体的な取組
① 個別教育計画の作成と組織としての検討
個別教育計画は担任を中心として学年研究会で作成した。
作成された個別教育計画を校内委員会で検討。日々の支援・指導等の中で気づ
いた点を書きとめていった。定期的に見直し、修正していった。
② 具体的支援方法・支援内容
○普通学級で担任の配慮のもとに指導
○少人数指導やTTが配慮をしながらの指導
○アシスタントティチャーの補助で指導
(1 年生 2時間・特別支援教室 4時間)
○特別支援教室(個別支援学級)で指導
<特別支援教室の時間割>
月
火
水
木
金
A さん算数
C さん 国語
D さん 国語
2
3
4
5
※
B さん
A・B さん国語
B さん
算数
B・C さん算数
D さん
算数
算数
A・B・D さん
国語
C・A さん算数
B・C さん算数
B・D さん国語
A・B・C さん
算数
A・B さん国語
はアシスタントティーテャーを配置し指導を補助
3 成果と課題
○発達障害のある児童を組織的に多くの教師の目で観察し、個別教育計画を検討した
ことにより、児童の実態把握を深めることができた。
○校内委員会や学年研究会など組織として具体的な支援の方法を考えることで、児童
の相談がしやすくなった。
○校内委員会で個別教育計画の検討を行ったが、具体的支援内容の検討は、少人数の
話し合いが有効であった。今後の個別教育計画の見直しは校内委員に限らず必要に
応じて、児童を支援する教師の弾力的なグループで行う柔軟な考え方も必要である。
53
(6) 支援の広がり
~F小学校~
ポイント
○日常の学校運営の中で、教職員が無理なく取組める方法を視野に入れ実践。
○教室内でのTTによるサポート体制を中心に支援を行ったが、教室外で個別指
導を希望する保護者も増えて「ステップアップ教室」(特別支援教室)を空き
スペースを使って開設。
○教師がそれぞれ週1時間(教師の授業のない時間の内から)は、対象児童にか
かわる。
1
具体的な取組
対象児童の支援の流れ
A.対象者(保護者の同意
B.前年度支援を必要と思
のあるもの)
われた児童
・保護者のニーズを聞く
(コ)
とにアセスメントシー
(担任・コ・保護者)
れる児童
(担任)
・保護者の同意を求める
(担任)
・個別教育計画を立てる
われる児童
・担任が前年度の調査をも ・担任が支援を必要と思わ
ト記入
・アセスメントシート記入
C.新年度支援を必要と思
(担任・学年)
・アセスメントシート記入
(校長・担任・コ)
・対象者
・非対象者
Aの流れで
担任・学年で
・支援スタート
支援する
(担任)
・保護者の同意を求める
(校長・担任・コ)
・対象者
・非対象者
Aの流れで
担任・学年で
支援する
※(コ)は特別支援教育コーディネータ
特別支援教室
クールダウンの必要な児童が使う部
屋には、移動可能な畳を敷いたり、カ
ーテンで部屋を間仕切りしたりして落
2 主な成果
○ 対象児童に対しては、それぞれに関わる教師
を決め、チームをつくり対象児童の担任を中
心にサポート方法を校内委員会等で検討し
ながら指導に当たった。(校内体制作り)
○ 特別支援教室での個々の児童への支援は、ゆ
ったりとした空間の中で、それぞれの実態に
即した、個に応じた指導が可能でとなった。
○ クラス内でのサポート体制は、全教師が個々
の児童の支援にあたることで、支援の方法や
児童理解が一層深まり、対象児童だけでな
く、他の児童の指導面においても良い影響を
もたらした。
ち着ける環境を作った。
54
(7)関係機関との連携・具体的なやり取り
~G小学校~
ポイント
○ 本人、保護者、学校の三者がよく連携を取り合い、さらには外部機関等のアド
バイスを活用しながら、より効果的な支援ができるようにしていく。
○ 小規模校の良さを生かして、全職員で全児童を見ていこうという姿勢で取り組
む。
1 具体的な取組
○ 今まで何らかの支援をしてきた児童を中心に簡単なアセスメントシート(担任が
記入)に基づき調査をし、普通級の中で気にかけていくことで対応可能なのか、
校内通級やT・T的指導が必要なのか、年4回の校内委員会(管理職、特別支援
教育コーディネーター、教務主任、養護教諭、個別支援学級担任、学習支援に関
わっている教員)等で判断していくようにした。
○ 関係機関との連携
(1)保護者と面談する中で、幅広い指導方法を探るのに有効であるという視点から、
関係機関との連携を図ることを話すようにする。そして様々な関係機関の中か
ら、必要に応じて連携をするようにする。「学校カウンセラー(2ヶ月に3回
の派遣)」「教育相談センター」との相談を勧めた。
(2)医療関係の窓口として「地域療育センター」の紹介をしたり、さらに民間の相
談機関に保護者が放課後等に通わせている場合は、保護者の承諾を得て、児童
の状況のとらえや適切な対応について等の情報交換を行ったり、関係機関と連
携したりした。
(3)支援チームも関係機関の一つとしてとらえ、学校に出向いてもらい、授業を参
観しての事例検討や保護者面談、職員との相談を行った。
(4)これまで医療や福祉的支援に関わってこなかった児童については、担任からの
申し出を受け、管理職や特別支援教育コーディネーターが助言をするが、まず
は「学校カウンセラー」の紹介から入ることが多い。これは、比較的心理的な
壁が低いと感じられるからである。保護者に必要感があれば、療育センターの
受診、養総センターでの相談と進む場合もある。
○ アシスタントティーチャーには、指導記録を学年ごとに残してもらい、それをこ
ちら側がチェックして、疑問点等には返事を書くという方法をとっている。
2
主な成果
当初、特別支援教室での指導に疑問を持っていた保護者が、児童が個別指導で着
実に力をつけている様子を見て、「この方が将来の生活につながりますね」と話し
てくれた事例があり、指導方法の手応えを把握した。
55
(8)子どもの困り感に寄り添う
~H小学校~
ポイント
○ 不登校対策から、予防的な不登校対策へ、さらに校内における不適応感を持つ
子どもへの支援を念頭に置いた特別支援教育を試行。
○ すべての子どもたち一人ひとりが抱えている課題(教育的ニーズ)に応じた内
容と方法で行う特別支援教育
1
全校調査から適切な学習の場の設定
全校調査の結果から、子どもについて3つの困り感(教師の困り感・保護者の困り
感・子どもの困り感)の観点から教育相談委員会において話合いを持ち、学級対応が
可能・特別支援教室が適当・個別支援学級での指導が適当の3領域に分けた。
表 1 支援形態
支援児童
支援場所
支援者
支援形態
学 級 で の 対 応 可 能 な 在籍する学級
学級担任
学級での支援
児童
ア シ ス タ ン ト テ ィ ー 少人数指導
チャー
習熟度学習・TT
学年付担当
特 別 支 援 教 室 で の 支 特別支援教室
支援担当・全校職員
個別対応の支援
援が必要な児童
個別支援学級担任
個別支援
個別支援学級教室
※保護者の承諾が得られた14名が対象。
2
支援教室での支援
特別支援教室
教材の棚
支援時間数と形態
・ 子どもが支援を受けられる時間は上限3時間とする。
・ 基本的には、一対一対応の支援を基本としていたが、より多くの支援ニーズ児童
が学習できるように、支障がない程度に少人数指導も行った。
・ 学習の準備は、支援担当や個別支援学級担当と相談しながら、基本的には担任が
準備をすることとした。
3 今後の課題
支援ニーズ児童は年々増加し、現在は支援ニーズの高い子どもから支援を行うとい
った方法を取っているが、場所、支援担当者の不足から需要に応えられない現状であ
る。早急なる支援体制の強化と支援場所の確保は、緊急を要する事項である。
56
(9)個別支援学級を基点として
~I小学校~
ポイント
○ 個別支援学級を基点として「普通の学校」が「普通にできる特別支援教育」を
目指す。
○ 特別支援教育は、学級でのきめ細やかな指導にもつながり、学力の向上のための
個に応じた指導、また、いじめ・不登校を未然に防ぐ対応などにも生かされる。
1 具体的な支援
(1)特別支援教育校内委員会
○ 「いつ」「どこで」「どのような時」「どんな問題が起きるか」を観察し、つまづきや
困難の様子を把握する。
○ 学級担任一人では不安になり、捉えを間違えると問題は収束するどころか大きく広がっ
てしまう場合もあるため、校内委員会で教職員全員が智恵を出し合い、適切な対応を考
えていく体制を整える。
(2)特別支援教室のあり方
個別支援学級(ハートフル)や保健相談室
を特別支援教室とする。
・特別支援教室での個別的な授業
・個別支援学級担任が交流時に支援
・学級に支援者が入り、個別に支援
・TT、少人数指導時に支援
・アシスタントティーチャーによる支援
・学校教育ボランティアによる支援
(3)関係機関との連携
・○○地域療育センター・△△養護学校
・スクールカウンセラー
・スクールスーパーバイザー
・通級指導教室(◇◇小学校)
主な取組の日程
4月 特別支援教育についての
資料配布・情報収集
5月 QUアンケート研修会
低学年特別支援委員会
スクールスーパーバイザー派遣
6月 障害のある人を理解するための
ワークショップ
7月 個別支援計画作成
8月 校内研修会(人権)
9 月 事例研修会
10月 低学年特別支援委員会
11月 中学年特別支援委員会
12月 校内研修会・QUアンケート研修会
1 月 高学年特別支援委員会
2 月 個別記録回収
3 月 校内委員会反省・本年度のまとめ
(4)支援方法・支援の内容
①普通級で担任の配慮のもとに指導
②少人数指導やTTが配慮をしながら指導
③アシスタントティーチャー(大学生2名)
Aさん(1・2年:3時間、特別支援教室:1時間) Bさん(1年:6時間)
④特別支援教育コーディネーター特別支援教室4時間)
⑤少人数担当教員による個別的な指導(1年:国語5時間)
⑥学校教育ボランティア(1年:算数1時間・体育1時間)
2 主な成果
特別支援の指導を進めることにより、通常の学級に在籍する特別な支援を必要とす
る児童の変容が見られた。Q-U アンケートを年2回行うことにより、学級担任は、授
業や学級運営の中でこれまでよりも個別対応を多くし、一斉指導と個別支援を統合さ
せた形で指導するようになった。また、校内の子どもたち一人ひとりの支援レベルを
把握し、職員会議や重点研究でオープンに話し合いを行い、担任同士が対応について
話し合ったり、教材を共有化したりするようになった。
57
(10)学校の資源を活用して
~J小学校~
ポイント
○ 支援を通して、学校にある「ひと」(だれが指導にあたれるのか)「もの」(ど
んな場所や教材、学習環境が必要か)「こと」(どんな支援が必要か、どんな
体制が築けるのか)の「材」を整理しながら、子どもや保護者、担任の抱える
困り感への気づきを大切にした支援を行う。
1 具体的な取組
(1)「ひと」「もの」「こと」のまとめ
ひと
~
H16 年
もの
(学習材・教室環境など)
○子どもの状態で対応
・職員室、保健相談室など
○様々な先生が対応
・校長、副校長、空きの先
生
H17 年
○対応からコーディネータ ○子どもの状態で試行錯誤
ーを中心とした支援へ
・少人数教室、個別支援学
・副校長(特別支援教育コ
級の教室、視聴覚室
ーディネーター)
・机、椅子にテニスボール
・少人数担当、個別支援担
任、AT
H18 年
○意図的・計画的な指導
○場所の固定化
○教育相談を中心とした予 ・教材を模索
防へ
・個別支援教室
・きらきらルーム担当
・個別支援学級教室
・MC、SC、AT
・各学年のプリント
※ MC:メインコーディネーター
※ SC:サブコーディネーター
※ AT:アシスタントティーチャー(大学生等)
こと
(会議・支援)
・各種委員会
(個別教育・児童指 導・
人権・福祉 )
・委員会
(H16年と同様)
○特別支援教育校内委員会
の設置
○対応=クールダウン
○ケース会議と
井戸端会議
○学力に対する支援
○学習態度や習慣への支援
(2)コーディネーターの複数配置
校内の支援体制として、MC・SC を複数配置することで、いろいろな視点から子どもや
保護者・担任の困り感に気づき、学年を中心とした支援体制の構築を図った。また、情
報の共有化を図るために、SC が自然と学年研や井戸端会議に参加し、気軽に相談できる
雰囲気や場面をつくり、学年ノートやケース会議を通して校長・MC・SC、SC 間の情報交
換を絶えず行った。
(3)特別支援教室の設置
技術員さんが手作りでパーテションを作り、個別支援学級の隣にある空き教室を活用
して、5~6名が学習できる「きらきらルーム」(特別支援教室)を設置した。個別支
援学級の隣にあることで個別支援学級の指導が参考になり、子どもたちが交流している
ときに、個別支援学級の担任がかかわりやすい。また、個別支援学級にある教材の利用
もしやすいというメリットがあった。
2
成果と課題
校内の支援体制を整え、担任ときらきらルーム担当が常に相談し、担任と保護者が連
絡を密に取りながら取組んだが、子どもたちの様子の変化が著しく見えるようになった。
どうにかして対応し、落ち着かせるための指導を中心におこなってきたが、学級の一人ひとり
がお互いを大切にし合える集団に育てていくことが大切であるという原点に返ってきた。
58
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