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第5節 外国人市民が暮らしやすいまち

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第5節 外国人市民が暮らしやすいまち
第5節 外国人市民が暮らしやすいまち
1. ねらい
震災では、海外から数多くの援助を受け、市内では外国人コミュニティとの交流が生ま
れるなど、国際都市神戸にふさわしい様々な交流・協力が生まれた。特に、震災を契機に
外国人市民の生活支援を行うボランティア活動が市民によって行われており、それらの活
動の継続・活性化を図っていく必要がある。
2.「神戸の今」とその分析(評価)
○外国人は増加しているが、その中でもニューカマーの増加が著しい状況にある。
・ 神戸市に住む外国人は、平成 15 年7月現在、118 カ国 45,070 人で、神戸市人口の約
3.0%を占めている。外国人登録者数(2001 年末)は、政令指定都市比較すると4番目に
なり、総人口に占める割合も大阪市、京都市に次いで3番目になる。近年日系ブラジル
人、インドシナ難民などに見られるように、定住または滞在が長期化する人々の比率が
上昇している。また、留学生として来神し、神戸で就職するというコースで長期滞在す
る外国人も増えてきている。
・ この20年の外国人の増加数を国籍別にみると、在日韓国・朝鮮、中国などの外国人が
減少あるいは横ばい、微増なのに対して、ベトナム、ブラジルなどのいわゆる“ニュー
カマー”と呼ばれる外国人の数が急激に伸びている。
【国籍別登録外国人数の推移】
韓国又は
朝鮮
(各年3月末現在、単位:人)
昭和 58(1983)年
昭和 63(1988)年
平成5(1993)年
平成 10(1998)年
平成 15(2003)年
27,276
27,594
28,015
26,006
24,560
(101.2)
(102.7)
(95.3)
(90.0)
7,311
9,155
8,901
11,710
(99.6)
(124.7)
(121.2)
(159.5)
307
636
843
1,061
(438.6)
(908.6)
37
384
894
858
(142.3)
(147.7)
(343.9)
(330.0)
3,967
5,481
5,586
6,519
(100.3)
(138.6)
(141.3)
(164.9)
39,216
43,671
42,230
44,708
(101.4)
(112.9)
(109.2)
(115.6)
(100)
7,343
中国
(100)
70
ベトナム
(100)
26
(1204.3) (1515.7)
ブラジル
(100)
3,954
その他
(100)
38,669
総計
(100)
※(
)は昭和58年を100とした数字
参考)昭和 54 年(1979 年)…インドシナ難民受け入れ、平成 2 年(1990 年)…入国管理法改正
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【市内の留学生数の推移(各年 11 月 1 日現在)
】
年
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
大学・短大
1,066
1,070
1,076
1,122
1,191
1,371
1,564
1,741
留学生の内訳(2002 年 11 月 1 日現在)
・71 カ国(中国 1,050 名,韓国 161 名,台湾 76 名,インドネシア 51 名,アメリカ 38 名)
・17 大学・短大(神戸大 899 名,流通科学大 205 名,神戸商科大 124 名,
神戸学院女子短大 123 名,神戸学院大 82 名)
○外国人の生活環境が他都市に比べて整っている。
・ 外国人コミュニティ(欧米系、韓国系、朝鮮系、中国系、インド系等)
欧米系
関西国際委員会、関西ジョージワシントン協会(米)、塩屋カントリークラブ、
西日本ドイツ協会、神戸ウィメンズクラブ、関西セントジョージ協会(英・イングラン
ド)、関西セントアンドリュース協会(英・スコットランド)、在日関西ユダヤ協会、CHIC
(コミュニティハウス&インフォメーションセンター)等
韓国系
在日本大韓民国民団兵庫県地方本部
朝鮮系
在日本朝鮮人総聯合会兵庫県本部
中国系
神戸華僑総会
インド系
インドクラブ、インドソーシャルソサエティ
ブラジル系
関西ブラジル人コミュニティ(震災後発足)
ベトナム系
NGOベトナム inKOBE(震災後発足)
等
・ 外国人クラブ
(社)神戸外国クラブ(1869 年設立、北野町、会員約 300 人)
(社)神戸レガッタ&アスレティッククラブ(1870 年設立、磯上公園内、会員約 300 人)
・ 外国人学校(市内に7法人9校、計 2533 人が在籍:平成 15 年 5 月 1 日現在)
兵庫朝鮮学園(3校)、神戸中華同文学校、カネディアン・アカデミー、マリスト国際
学校、聖ミカエル国際学校、ルーテル国際学校、神戸ドイツ学院
・ 宗教施設
神戸ムスリムモスク(イスラム教)、関帝廟(仏教・中国)、ジェイン寺院(ジャイナ教・イ
ンド)、関西ユダヤ協会(ユダヤ教)、キリスト協会(カソリック、プロテスタントとも
に多数)、聖ミカエル大聖堂(英国国教会)、ノルウェー海員教会
○外国人市民と日本人市民、外国人コミュニティ同士など様々な交流が進んだ。
外国人市民のワークショップでの意見
「避難所として、施設・場所を開放した。」「震災前までは対日本人のことしか考えてい
なかったが、震災で他の民族も視野に入ってきた。」「国籍を越えて水平に人間が見え
るようになった。」
・ 阪神・淡路大震災をきっかけに、地域に暮らす日本人と外国人の相互理解が一層進むと
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ともに、外国人コミュニティ相互の関係においても、震災により民族を越えた地球市民
的な意識が芽生えたことがわかる。
○外国人市民を支援する新しい動きが生まれた。
・ 震災以降、「FM わいわい」や「多文化共生センター」などの多言語・多文化の市民レ
ベルの活動が生まれている。
・ 神戸クロスカルチュラルセンターなど震災前から国際交流活動を行っていた団体もあ
るが、神戸に暮らす外国人と日本人をつなぐ活動をしている団体、外国人を支援する団
体、外国人同士が形成するコミュニティなど、地域で国際化を受け入れ、それを広げよ
うとする取り組みは、震災以降に加速したと考えられる。
・ 震災後設立された外国人支援グループ・団体
①NGO神戸外国人救援ネット(1995 年 2 月)
②神戸定住外国人支援センター(1997 年 2 月)
③多言語センターFACIL(1999 年 6 月)
④多文化共生センター・ひょうご(2000 年 6 月)
(市の主な取り組み等)
○ 情報提供・相談
○ 教育・啓発
・ 区役所案内及び生活情報の多言語提供
・ 公民館識字事業
・ 外国人向けパンフレット作成(介護保険制
・ 人権教育
度パンフ、母子健康手帳、住宅防火パンフ、 ・ 国際理解教育
外国人救急ノート等)
○ 留学生支援
・ 案内サインの多言語化
・ 奨学金の支給
・ ビジネスライフサポート窓口の設置
・ 住宅の提供、住宅資金の貸付
○ 福祉・医療
・ 文化施設見学補助
・ 外国人救急医療費損失補助
○ 文化交流その他
・ 外国人対応病院輪番制
・ 外国人市民会議
・ 在日外国人等福祉給付金
・ 外国人生活支援事業助成
・ 国民健康保険適用
・ 青少年国際交流キャンプ
・ 結核検診無料実施・経費補助
・ 外国人職員採用
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3.これからの取り組み(方向性)
○ 外国人市民の生活支援を行っている市民団体・コミュニティへの支援
外国人市民会議での意見
「まず最初は言葉の通じる人を頼るので、同国人の組織がメインの窓口になった方がよ
い。」
「震災後、NGOとして在住ベトナム人の支援とベトナム文化の紹介をやっているが、
ボランティアなので財政的に苦しく、支援してほしい。」
「ただ単に通訳できるというのではなく、日本の法律や制度をわかっていないと十分で
はない。」
・ 外国人市民にとって暮らしやすいまちづくりを進めるためには、日常生活のレベルで外
国人の生活を支えるNGOをはじめとした民間レベルでのきめの細かい活動が特に重
要である。特に、ニューカマーへの対応は、外国人コミュニティが中心に対応していく
ことが望ましい。しかしながら、これらの活動はボランティア的なものが多く、運営そ
のものは非常に厳しいものになっているとともに、「関西ブラジル人コミュニティ」や
「NGOベトナム inKOBE」のように震災後立ち上げられ、組織化が十分進んでいな
いものもある。行政としては、コミュニティの成熟度等に応じた支援のあり方を検討す
る必要がある。
○神戸市地域国際化基本指針の策定
・ 神戸市では、平成 15 年 5 月に外国人市民会議を設置し、震災から 10 年を迎える平成
17 年 1 月に向けて、外国人市民の生活支援のあり方等についてとりまとめが行われる。
・ 本懇話会では同会議の場をお借りして、「外国人市民のワークショップ」を実施し、そ
の内容について本懇話会の報告書に取り入れることとしたが、同会議においては、今後、
さらに分野別のテーマについて詳細の議論を行うとともに、外国人市民の生活実態調査
や外国人市民会議に属していない少数のコミュニティや留学生などの関係団体からの
ヒアリングを行うこととしている。
・ 外国人市民の生活支援の問題については、上記で掲げた課題にあわせて、同会議でさら
に密度の濃い議論を行い、「神戸市地域国際化基本指針」をまとめられることを期待す
る。
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