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南隅 基秀 - 大東文化大学
《特集》 大東文化大学大学院法務研究科 今後について 南隅 基秀 法務研究科長 希望の実現のために 大変残念なことですが、大東文化大学法科大学 院は、2015 年度からの学生募集を停止しました。 その原因は、司法試験合格実績があがらないにも かかわらず、法科大学院運営費用が多額であるこ とについて、学外よりもむしろ学内からの理解が 得られなかったことにあるといってよいでしょ う。 本法科大学院は、法学未修者や社会人など多様 な背景を持つ者から法曹人材を輩出するという 法科大学院本来の理念に忠実に取組んでまいり ました。在学生のうち、実に 9 割ほどが、法学未 修者や社会人です。しかし、一方で、法学未修者 や社会人が司法試験に合格していくことは大変 困難であるのが現実でした。最近になって、よう やく、法学未修者や社会人の法曹教育の在り方に ついて見直されるようになり、学外では議論が始 まりましたが、本学では募集停止の結論に至って しまいました。 このことにつきまして、修了生・在学生の皆さ んに、深くお詫び申し上げます。 もっとも、募集停止になったとしても、今まで 通り、あるいはそれ以上の学習支援体制、教育体 制をもって、法務研修生・在学生に対する教育責 任を果たしていく所存です。このことは、法務研 修生のみなさんに対するお知らせ文書や説明会 で申し述べたとおりです。そして、一人でも多く の方が法曹になるという希望を実現されること を願ってやみません。 この 4 月は、司法試験受験生にとりましては、 最後の追い込み時期です。この時期に、どれだけ 集中して勉強するかが、合否を分けると言っても 過言ではありません。受験生は、この時期にみん な学力をぐんと上げてきます。健康に留意されつ つ、寸暇を惜しんで勉強してください。また、来 年から、憲法・民法・刑法の3科目の短答試験、 修了後5年間で5回の受験機会を認める司法試 験法改正案が、今年の国会で成立する見通しで す。来年の時点で修了後5年以内であれば、5回 の受験機会が与えられます。従って、今年修了さ れる方も、5回の受験機会が与えられますので、 受け控えせずに受験することをお勧めします。 「来年」などと考えず、今年合格する意思で、必 死で勉強して受験し、貴重な経験を積むことは、 大変重要です。それによって得られたものは、万 一、今年結果を出せなくても、必ず来年につなが ります。また、今年の短答試験の憲法民法刑法以 外の受験勉強で、例えば会社法の条文や判例を読 み込んだことは、確実に、来年の会社法の論文試 験に役立ちます。 そして、受験中は、どんなに苦しくても、「決 して、最後まであきらめない」覚悟で試験に臨ん でください。苦しいのは、あなただけではありま せん。最後まであきらめなかった者だけが、合格 できるのです。 最後に、法科大学院教職員一同、受験生全員が 合格されることを、心から願い、祈っております。