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ちょびてご - 岡山大学
障がい学生支援室だより 第2号 2011. 5 .6 . ちょびてご 学生支援センター 障がい学生支援室 発行 こんにちは。障がい学生支援室だより「ちょびてご」です。創刊号では、いろいろな声が届きました。「見まし たよ~。」という声。うれしいなあ~。もうひとつに、「ちょびてご」って、何?どういう意味? この声続々。 さて、みなさん!岡山でこんな言葉に出会ったことはありませんか。 (*^。^*) 「みょーらずに、ちぃたあ、てごーしてぇなぁ~。」 (・_・;) 「耳にしたこたぁ、ねぇなぁ~」(-_-)/~~~ピシー!ピシー! 「(そういうあなたも、岡山弁!)」 (*^。^*) 「そう!『見ていないで、少し手伝ってください。』ってことね。」 (*^。^*) 「『ちいたぁ』は『少しは』、この『ちいたぁ』は岡山の人も使う人が少なくなったので、 『ちょびっとの』の『ちょび』に、『てご』は『手伝い、手助け』。これ岡山弁!」 (・_・;) 「これ、岡山弁講座だより…!?」 (*^。^*)「…なわけありません。」 (*^。^*) 「親しみをもっていただきたく命名いたしました!今後ともよろしくお願いいたします。」 まっすぐなまなざし-教育学部4年生槙原淳幹さん- ~岡山弁で話す彼は、まさに「ちょびてご」招待者トップバッターじゃあ~ 岡大に着任し早2か月。構内を歩く学生の中の、まっすぐなまなざしに出会う。今日、初 めて出会った彼、槙原淳幹さんは、まさに「まっすぐなまなざし」である。そのまなざしも、 朝日を見上げているかのように視線は普通より3センチメートルほど高い。春すでに彼の鼻 の頭は赤黒く焼けている。後輩である教育学部3年生板谷美幸さん(バリアフリーサポータ ー等で活躍中。彼女も「まっすぐなまなざし」である。)に引っ張られ、4月25日、障が い学生支援室に入学後初めて訪ねてきてくれた。彼の「まっすぐなまなざし」それを「ちょ びてご」で伝えたい。 彼の今までの活動を、目に耳にしている人は多いと思う。高校野球で全国制覇を成し遂げ た新見高校(岡山県)時代の一塁手である。もちろん岡大軟式野球部でも活躍した。そして 彼はまた、身体障害者手帳2級を持つ身体である。生後10か月のときの事故による右上肢 注 身体障害者福祉法身体障害者障害程度等級表では、1 全廃。それが、障がい理由である。(○ 級・2 級は重度に該当する。) 彼の「まっすぐなまなざし」は、小・中・高校の生徒、PTA保護者、教職員を対象の講 演会に担ぎ出される。「僕を見て、かわいそうと思う人?」小学生の8割は、神妙に手を挙 げるという。そして彼は言う。「メガネをかけている人、かわいそう?」小学生はみんな、 首を横に振る。「どこが違う?」「同じじゃあないん?」岡山弁で彼は聞く。「僕は、手が 動く、けど不自由。目が見える、けど目が見えにくい。これ、違う?僕は一緒だと思う。」 「障がいがあるから、かわいそう…、と思われていることが、かわいそうなんだ。それより も、手に障がい?どんなことが困るんだろう…?歯磨きどうするんだろう…?爪切りどうす るんだろう?僕を見て、障がいのある人について考えてくれること、その気持ちが、僕は、 うれしい。」こんな言魂ボールを「まっすぐなまなざし」で生徒の心に投げ込む。きちんと キャッチできるナイスボールを投げる。さすが、野球青年桃太郎、槙原淳幹。 彼は、言う。「障がい者は大切に扱われることが多い。よいことである。けど、わりいこ 注「わ ともある。ええ子でいる障がい者。ええ子でいなければならない障がい者がいる。」(○ りい」は、岡山弁で「悪い」「ええ子」は、岡山弁で「よいこ」)そして、彼は言う。「ほ んとのバリアフリー、障がいがあろうとなかろうと、障がい者であろうとなかろうと、ある がままに生きる。手がおかしいなあと思ったら、『どうしたん?』と普通に聞いてくれたら いい。僕は、その方が生きていて気持ちいい。」「障がい者は、いろいろな人から有形無形 の支援を受け、そのことに心から『ありがとう』と言っている。障がい者も本当は、その『あ りがとう』に自分にできる何かを返していきたいと思っている。僕が今、小学校などに行く のは、その「ありがとう」への僕ができるお返しである。でも、『ありがとう』を返す、場 や時やあるいは方法に出会えない障がい者がいる。障がい者は、支援を受けるだけの人では ない。僕は、人の役に立ちたいと思っている障がい者の、その支援をしたいと思う。」 彼は、大学1年時から週1回旭川荘療育センター療育園で「ティーボール」ボランティア 注 ティーボールとは、止まっているボールをバッドで打つ野球のようなスポ をしている。(○ ーツ)当初部屋の中でしかしていなかった「ティーボール」に疑問。思いっきり身体を動か せるグランドにみんなを連れだした。スタッフが心配していたのは怪我。参加者は、手に足 に血を流した。でも参加者は言った。「こんなにティーボールって、おもしろいんですね。」 彼は、「障害者野球岡山桃太郎」に所属し現役野球選手、そしてアルバイトにも、同級生後 輩たちとの交流にも、卒業論文にも忙しい。そして、4年生の彼は、中学教師を目指し教員 採用試験に今年挑む。「残り1年、僕にできる障がい学生支援室の学生としての役割、でき ること言ってください。」彼の「まっすぐなまなざし」に期待している。(文責:本多) ご案内 「先生は桃太郎~障害者野球は福祉じゃない」(制作:岡山放送) 第20回FNSドキュメンタリー大賞出品作品 2011 年5月19日(木)25 時~25 時 50 分 (*^。^*) 槙原淳幹さんの「まっすぐなまなざし」にぜひこの作品から心を響かせてください。 これな~に!? このコーナーでは、身近なUD(※)を紹介します。 いったいこれはなに!? プラスチックで軽いなあ~。 紐の長さは、70 ㎝。 丸い黒いものは、滑り止め? いったいなんでしょう!? 「うちわにするには、紐が邪魔!」「首にかけて、ネームプレートには大きすぎる!」 「犬の散歩グッズ?犬のトイレの片づけグッズ?」「視力測定のときの目隠し…」 さてさて、そろそろ答えをいいましょう。 これは 「ソックスエイド」という自助具といわれる福祉用具です。 「ソックスをエイドするもの」「ソックスを履くことを助けるもの」 身体を曲げることなく、楽に靴下を履くことができます。リウマチ等の患者様の、「自 分の靴下は自分で履きたい」という思いを実現させた「お助けマン」。でも腰痛で困っ た人ならわかるはず。これは障がいのある特別な人だけのものではないのです。 報告 こんなことしています。ぜひご参加をお待ちしています。 ノートテイカーの集い開催:4 月 20 日(水) 「ノートテイカーは素晴らしい!」 聴覚に障害のある学生 2 名とノートテイカーが、 集いました。初顔合わせの人もいて自己紹介からスタ ート!4 月にスタートした授業ノートテイクの状況 等の報告もありました。今年度の情報保障ノートテイ クも順調にスタートいたしました。(*^。^*) ランチタイム交流会開催:4 月 22 日(金) 「ランチは持参!わいわい、ガヤガヤ」 11 時半から、それぞれランチ持参で、参加者の許す 時間を障がい学生支援室でランチタイム。 ランチタイムだけでは物足りないって声もありまし たね。日常的にもっともっと交流できる時とスペ ースが必要なのかな。いつでもWELCOMEです。 ソックスエイドの使い方 ①手元で、プラスチックの部分を軽く丸めて、それに靴下を 履かせます。(かんたん♪) ②紐をもち、それを足元に。 ③靴下が足にかぶさるように、紐をひっぱります。 (そ~れ!)履けました。 ※UD:ユニバーサル デザイン 募集 ノートテイカー養成講座 もうすぐ始まるよ~。 申し込みOK! 5月養成講座 【第1部】5月11日(水) 【第2部】5月25日(水) ☆時間:14:00~16:00 ☆会場:一般教育棟 D棟1階12教室 ☆申し込みは、5月10日までに、氏名・学籍番号・所属・電話番号・E-mailを 記入の上、[email protected] まで。 ■ 何か新しいことに 挑戦したい あなた お待ちしています! (*^。^*) 4 月 25 日 対談を通して見えてきたもの 教育学部 3 回生 板谷美幸 槙原さんの話から「障害だとか支援だとかではなく、その人が何に困っているのか気付け る思いやりを持ってほしい」という気持ちが伝わってきました。本当の意味での「ちょびて ご(ちょっとした手伝い)」は、そこから始まるのですね。 今回の対談は、バリアフリーサポーターとして活動している私自身について改めて考える 良い機会ともなりました。10 人の人がいれば、10 人のそれぞれの声があります。大切なのは 今回聞いた話が、「槙原淳幹という 1 人の声」ということ。「障害がある学生の声を聞き支 援をする」のではなく、「障害の有無に関わらず、学生同士が互いの声を聞き支え合えるよ う支援する」ことがバリアフリーサポーターの大きな役割となるのではないかと強く感じま した。そのために、今後も少しでも多くの学生の声を聞いていきたいし、私たちバリアフリ ーサポーターとして活動している学生の声も積極的に届けていきたいと思いました。 【連絡】5月18日(水)13:30-D棟 1 階 UD体験・バリSP勉強会開催 「ちょびてご」第 2 号いかがでしたか?どんどんご意見、ご感想をお寄せください。 「ちょびてご」の編集に、ちょびっとてごしてくれる人連絡してきてね。