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児童虐待に対する学校対応について(H17.3)

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児童虐待に対する学校対応について(H17.3)
児童虐待に対する学校対応について
平成17年 3 月
兵庫県教育委員会
はじめに
近年、児童虐待の相談件数が急増し虐待による不幸な事件が続いています。
児童虐待の発生予防から早期発見・早期対応、支援・アフターケアに至るま
で切れ目のない、総合的な支援体制が確保されることが重要な課題でありま
す。
「児童虐待の防止等に関する法律」の改正に伴い、虐待防止ネットワーク
のひとつである学校の重要性が増しました。ひとりで、また、一つの機関で
は、子どもを虐待から守ることはできません。常に子どもを中心に考え、学
校や教職員も関係機関と連携を図りながら、子どもを日常的に観察できる学
校の役割を果たすことが求められています。
児童虐待防止のために特別なことをする必要はありません。学校関係者が
これまで取り組んできた子どもの目線に立った生徒理解を基本にした生活・
生徒指導を深化させ、学校内の生徒指導体制の充実を図ることが重要です。
ただその際ぜひ取組みを進めてほしいことは、児童虐待に対する意識改革
を図る必要があると考えています。これまで、手のかかる子として捉えてい
た子どもの背景に虐待が存在していたかもしれないという振り返りをするこ
とです。例えば、問題行動を繰り返し起こす子どもや不登校傾向の子ども、
学級がうまく機能しない状況(いわゆる学級崩壊)に関わる子どもの背景に
虐待の影響があるかもしれないと考えることです。また、教職員は虐待に関
する知識を持ち「児童虐待の防止等に関する法律」の改正ポイントを理解し、
学校における児童虐待に対応するスキルを身に付け、学校は児童虐待に躊躇
なく対応できる体制づく りに努める必要があります。
本まとめは、「児童虐待に対する学校対応について」教育実践の在り方を
示したもので、日々の教育実践で児童虐待防止に役立てていただくため作成
しました。
教職員の皆様にあっては、本まとめを活用し、様々な創意工夫を重ねるこ
とにより、創造的でいきいきとした教育活動を展開し、虐待から子どもたち
を守る取組が進むことを願っています。
最後になりましたが、本冊子の刊行にあたり、森茂起会長をはじめとする
「児童虐待に関する学校対応に係る検討委員会」の委員の方々に対しまして、
深く感謝申し上げます。
平成17年3月
兵庫県教育長
武 田 政 義
1 児童虐待に対する学校としての対応について
2 児童虐待とは
(1)児童虐待の分類
(2)児童虐待が引き起こす子どもへの影響
(3)児童虐待が起こる背景・要因とは
3 早期発見・早期対応
(1)虐待に気づくために
(2)虐待のサイン
(3)早期対応のために
(4)学校サポートチーム
4 通告・相談■
5 支援
(1)関係機関との連携
(2)学校としてできる支援
①学校体制の整備
②実践的な研修の実施
③子ども・保誰者との信頼関係の構築
④学級への関わりとして
⑤児童虐待を受けたことによる学習の遅れに対する支援
⑥校内ケース会議の定例化
⑦児童虐待に関する保護者への啓発について
参考等[掲載ページ]
児童虐待に対する学校としての対応(フローチャート)[3]
チェックリスト[5]
子どもを虐待から守るための5か条[6]
危機管理が最優先[7]
通告義務と守秘義務について[7]
守秘義務とプライバシーの促音勘こついて[7]
相談できる体制づくり[8]
個人カルテ[11]
相談先一覧[12]
児童虐待の防止等に関する法律
1 児童虐待に対する学校としての対応について
【ポイント】
・重要な役割を担う学校:
学校の役割
:現在、児童虐待防止に向けての取組がさまざまな領域で
;なされています。通告事例、保護事例の増力針は、「虐待歩
こ例の増加」であると同時に、防止対策の前進のあらわれで
:もあります。学校がその中で果たすべき役割は、ますます
:重要なものとなっています。
児童虐待防止を考える上で、学校には以下の大切な役割
:があります。
:①虐待発見のための多数の情報等の存在
教職員による見守り、友人、保諸者・家庭に関する情報、
毎日の生活の継続的観察
:②発見あるいは保讃の後の支援
発見後のサポート、回復の援助
安心できる学校生括の提供、適切な教育の提供
:③虐待予防教育の実践
虐待が存在すること、虐待はあってはならないこと、
虐待を止めることは大人の責任であること、子育ての準
備教育
これらの役割は、学校において果たすことが期待される
こものです。そして虐待の防止、生命の保護という緊急の課
:題の達成に向けたものであるとともに、心身ともに健康な
≡次世代の育成という学校本来の機能の一部でもあります。
:つまり、「児童虐待に対する対応」は、「学校教育の基本的
:役割」なのです。
以下は、児童虐待についての基本的な知識と対応をまと
こめたものです。ここに挙げた内容に留まらず、各学校にお
:いて対応を工夫され、独自の教育実践を試みられることを
:期待します。児童虐待の防止に向けた教育は、生徒一人−
:人の豊かな人格の形成につながるらのと考えます。
2 児童虐待とは
児童虐待は子どもへの人権侵害であり、時には生命をも
:脅かし子どもの心や身体に計り知れない深い傷を残します。
(2)児童虐待が引き起こす子どもへの影響
【
影響
:格形成にも多大な影響を生じ、極度のおびえ、無反応など
:の精神状態や落ち着きのない行動、衝動的な攻撃行動を取
:ることなど様々な不適応行動の原因となります。さらに親
:として養育者となったときに、子どもを虐待してしまうこ
:ともあると言われています。
(3)児童虐待が起こる背景・要因とは
【
:待を引き起こすということではありませんが、虐待発生の
:可能性を高める要因といわれています。
児童虐待に対する学校としての対応(フローチャート)
早期発見
地域住民
多面l拍観察
すべての教職員
継続的な観察
・
凸
安全確認
三1i実確認
管理職
学校としてできる支援
皿
保護者との信摘関係の構築
各市町の
児童相談部署
子育て支援
支 援
支援侶
民生委員
児童委員又は
主任児童委員
子育ての準備教育
基礎学力の定着
学習の遅れに対する支援
ケース会誌
保護者への啓発
.∴
地域の協力
一時促諸
家庭に戻っ
後のケア
.∵、、.∵
「長期的・
綻的な援助
会
安心できる学校生活の提供
人権意識の高揚
員
■1いト︸
生徒指導体制の充実
委
ま
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三■ロ
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(心の専門家)
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こども家庭
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スクールカウンセラ
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‡関係機関
↓﹂∵、一一︼.一ヽ.︰lt一一
疑す
苛
関係機関との窓口一本化
育
ー:−ノジ=ご
﹂〓〓﹁
亘 二ること
モ
要保護児童対策
地域協議会
個人カルテ
虐待に関する知識
実践的な研修の実施
ケーススタディ
■ノ1∵㌧′lト.∵
不明確でむ
ったら行動
職員会議
i・・ヽ
㌘¥1門1∵H‖“.宗︺=∵=りRHh・。P盃り羽目d
早期対応
問題行動、不登校傾向
情報の収集と共有
教
㌧∴∵.雨
P T C A
連携・啓発
ひとりで抱え込まない
校内体制の充実
サイン
不自然さ
﹂∴.﹂∴﹁1、二ヽ、.∵∵・.、‖∵.■.−T﹂、﹁J∵∵J■小.︰..,﹂﹁+..J﹁∴.∴‖−.〓
...、、.、1J、りニ.、J∴
家庭訪問
地域行事に参加
学校
、. 一 J い
家庭・地域
ヰ寸
学校サポートチーム
(相談・支援)
∴い∴ 川、‥。L._.、八二
虐待の未然防止i適■切な支援
子どもを虐待から守る
ト.‥l∫・−・‥・1
3 早期発見■早期対応
:子どもと日常的に接している教職員は、「いつでも」「ど
【ポイント】
:こでも」児童虐待に出会う可能性があり、虐待防止はどの
・どの学校でも
・通告義務と通告範囲 :学校においても避けて通ることのできない重大な課題です。
・問題行動の背景に虐待:虐待を受けた子どもは、必ずといっていいほど学校生活の
の可能性
:中で何らかの不自然な言動で虐待をまわりに知らせます。
:そのサインに気づくことが大切です。
;また、児童虐待を起こしてしまう家族は近問関係も希薄
:で地域社会から孤立している場合が多く、子どもに対して
:日常的かつ総合的に関わりを持てる学校に対し七の期待は、
:極めて大きくなっています。
「児童虐待の防止等に関する法律」では、学校の教職員
に対し、児童虐待の早期発見に努めることを求めるととも
:に、通告する義務を課しています。加えて今回の法改正で
:は、虐待が疑われる子どもに関してまで、通告の範囲が拡
:大されました。
学校などで表面に表れた問題行動のみに着目し対応する
:のではなく、その背景に虐待があるかもしれないとの視点
:で子どもに対応するこ七が大切です。特に、不登校傾向の
:子どもや繰り返し問題行動を起こす子どもに対して教育相
:談をする際に、こうした視点を持つことで、今まで見逃さ
れていた虐待の発見にもつながります。
(1)虐待に気づくために
:虐待を受けていることを口外できない、それが虐待だと
【ポイント】
・身近に潜む児童虐待 :気づいていない、そんな子どもを救うのは周りの教職員の
:務めです。以下のような点に留意し、虐待の事実を見逃さ
・児童虐待を疑う
:ないようにすることが大切です。
・疑ったら行動
い(D身近に潜む児童虐待
■身近に存在すること
・知識を持つこと
・気づいた時の対応などの準備をしておくこと
1・様々な形で隠される
・日頃の様子との違い
・欠席が数日続いた暗、家庭訪問を拒んだ時
− l J .′.、’ r−二ヽニこ:_∴_.▼ユー■.▲lt二】\.⊥こt.1__._■ニーヽニ_こ_L■㌔i−二=▲’_一l ■山・瓜_▼ヽJ亡.リ∈−一Ⅳ▲
ど
・多くは不明確ではっきり言えない
・疑ったら行動すること
∴
:ま③はっきり児童虐待とは言えないが・・■?
、...、、:、∴、
:J②「何かおかしい?」児童虐待を疑う
(2)虐待のサイン
【ポイント】
・サインの発見
・多面的な観察
・家庭訪問のエ夫
子どもと長時間一緒に過ごす教職員が担う役割は、第一
:にサインの発見であり、次に子どもや保護者との信頼関係
:に基づく支援へと続きます。
子どもと保識者の観察をする際、チェックリストの活用
:や他の教職員やスクールカウンセラーなど複数の視点で多
:面的に子どもの様子を把握するなど工夫し、虐待のサイン
を見逃さないようにする必要があります。
;学校での様子だけでなく、家庭訪問をするなどして家庭
:や地域での様子を把握することも大切です。また、民生委
:員や児童委員などと相談し、関係機関の職員とともに家庭
:訪問を行うなど工夫することが必要です。
参考:チェックリスト
【子どもの様子】
□不自然な外傷(火傷や打撲)を受けて登園、登校してくることがある。
□発育・発達の遅れ(低体重、低身長、歩行や言語の遅れ等)がある。
□季節、身体にそぐわない服装で登園、登校してくる。
口汚れた衣頬を身に付け、長期間入浴していない様子である。
□給食のお代わりをしつこく要求したり、おやつを何度も欲しがるなど、食事に対する固執傾向が強い
□集団に入ることができず、年少児、小動物など弱者に対して攻撃的である。
口数職員の身体的接触を嫌がる、逆に必要以上に教職員に近づいて来るなど適切な距離が保てない。
田接触の頻度の割に関係が深まらない。
田忘れ物が多い。
□教職員を試すようにわざと注意されるようなことをする。
□万引き、シンナー、深夜排桐等の非行傾向がある。
□家出をする。
□隆国、下校を嫌がり、回や学校に放りたがる。
【親の様子】
□年齢にふさわしくない厳格なしつけや行動制限をしたり、手伝いなどを強要する。
□子どもの健康状態に対する関心が薄く、病気でも医療機関を受診させることなく登園、登校させる。
田自分なりの教育観、しつけ観が極端に厳しく、強固である。
田近所に相談できる人がいない。
田他の保護者との交流が少ない、孤立する。
田保誰者会、行事などへの参加が消極的であり、固や学校との交流が少ない。
田家庭訪問の時、不在であったり、面会を拒絶する。
(3)早期対応のために
子どもの生命の安全を優先に考え安全確認をすることが
(4)学校サポートチーム
【ポイント】
児童虐待が疑われ、通告の是非、関係機関との連携や虐
・学校O B、警察O Bに
:待を受けた子どもやその保護者との関係などで、不安や迷
よる相談・支援
・福祉関係者や精神科医:いが生じた場合は各教育事務所に配置されている学校サポ
の派遣
ートチームに相談することも考えられます。学校サポート
:チーム相談員である経験豊富な学校OBや警察OBが緊急
;に対応します。さらに、必要に応じて福祉関係者や精神科
≡医が派遣されます。
子どもを虐待から守るための5か条
①「おかしい」と感じたら迷わず連絡(通告)
(通告は義務=権利)
②「しつけのつもリー・−」は言い訳
(子どもの立場で判断)
③ひとりで抱え込まない
(あなたにできることから即実行)
④親の立場より子どもの立場
(子どもの命が最優先)
⑤虐待はあなたの周りでも起こりうる
(特別なことではない)
※児童虐待防止推進月間リーフレットより(厚生労働省・内閣府)
4 通告・相談
児童虐待への対応は誰であっても難しいものです。子ど
【ポイント】
・ひとりで抱え込まない :もの様子がおかしいと感じた時は、ひとりで抱え込まずに、
:直ぐに管理職に相談する必要があります。管理職は子ども
・関係機関への相談
・教育委員会への報告 :の安心安全の確保を第一に危機管理対応をしなければなり
・危機管理が最優先
:ません。また、こども家庭センターや市町の児童相談部署
・通告義務と守秘義務に :など関係機関に相談し、対応を図ることも大切です。
ついて
ただし、事実がはっきり しなくても、虐待が疑われ、直
・守秘義務とプライバシ
ーの保書生について :ちに対応することが必要と思われるときは、早急に通告す
:る必要があります。なお、通告はこども家庭センターや市
:町児童相談部署などに情報を提供し、子どもに対する援助
:を依頼することです。虐待の確証を求められることもあり
≡ませんので、子どもの様子が少しでも気になったら、まず
:は、相談や報告すればよいのです。
なお、管理職は学校の設置者である教育委員会に報告す
:る必要があります。
危機管理が最優先
:…○心身を危険から守る
,・安全を確保する
・こども家庭センターや市町の児童相談部署などに通告・相
談
・通告・相談は電話でもよい
:≡○通告は連携のはじまり
・他人任せでは子どもを救えない
・サインを見つけた教職員が命の綱
・専門機関と連携を取りながら r見守り」をする
通告義務と守秘義務について
… 公務員や医療従事者が、正当な理由がなく職務上知り得た情
報を漏らした場合、通常守秘義務違反に該当し、刑事処罰の対
象になります。
しかし、児童虐待通告は、児童福祉法第25粂や児童虐待防
止法第6粂で、虐待を受けたと思われる児童を対象に通告義務
を果たさなければならないことや守秘義務違反に当たらないこ
とが明記されているため刑事処罰の対象にはなりません。
守秘義務とプライバシーの保護について
守秘義務とは正当な理由がなく情報を漏らしてはならないこ
とをいいます。児童虐待が疑われる時は「正当な理由」がある
と判断されます。
しかし、正当な理由なく他人に秘密を漏らした場合には、名
:j誉やプライバシーの侵害になります。したがって、関係機関と
:きの情報交換や協議の場では、公務員はもとより、民間の団体の
;…メンバーも相談援助活動上知り得た個人のプライバシーの保請
に細心の注意を払う必要があります。
5 支援
(1)関係機関との連携
こども家庭センターや市町の児童相談部署など関係機関
【ポイント】
は、学校や地域の人々などから虐待の通告を受けた後、緊
・一時保護した子どもは
:急介入の必要性を判断します。必要と判断された場合には、
大部分が家庭へ
「長期的・持続的な援:子どもを強制的に保護者などから離しますが、一時保護し
助」
:た子ども全てが施設に入所するわけでありません。関係機
長期休業中の緊急対応 関は保護者などに改善を求め、関係者が見守る条件が整っ
たと判断された場合家庭に子どもを戻します。
:民生委員や児童委員など地域の関係者、市町の関係機関
:も支援しますが、家庭に戻る時には日常的に子どもに会う
:ことができる学校が事後の対応のケアである「長期的・持
:続的な援助」をする重要な機関になります。窓口になる管
:理職や生活・生徒指導担当などがふだんから関係機関と情
:報交換をし、連携を図るよう努める必要があります。特に、
:長期の休業中においても、緊急に対応できる校内体制づく
:りをすることも大切です。
(2)学校としてできる支援
ヱ 学校の中で一番大切にしたい取組は、「人間関係の再柄
【ポイント】
:築=育てなおし」です。児童虐待によって負った心身の傷
・人間関係の再構築
・幼稚園は子育て支援の :を癒し、子どもが回復していく療育の場としての役割が学
:校には求められています。
場
・幼稚園は「子育て支援の場」という機能があります。毎朝の登
・毎朝の親子観察
・あらゆる機会に観察
圃など保護者と接する機会が多いことから、親子の関係ヤ子育
・保言葉者とのコミュニケ
ての様子を観察しサインを見逃さずキャッチするよう努めるこ
ーンヨ ン
とが大切です。また、促誰者に対して子育てに閲する相談に乗
ったり、子育ての大変さに共感する立場での声かけなどの支援
を行うことが必要です。
・小目】学校は、幼稚悶とは違い、保護者と接する機会はそう多く
ありません。従って、朝のあいさつヤ昼食の様子、放課後の部
活動などあらゆる機会に子どもの様子や行軌を注活深く観察し
サインを見逃さずキャッチするよう努めることが大切ですら ま
た、欠席の電話連絡ヤ保護者面談、学校行耶などの機会を捉え
て保護者の気持ちを受容・基層巨 ̄る声かけをし、保護者とのコ
ミュニケーションを図るよう努める必要があります。
相談できる体制づくリ
≡ すべての教職員は、ふだんからカウンセリング・マインドで
こ宣子ども・保護者との信柿間係を深めておくことが大切です。さ
:;らに、公立中学校に配置されているJL、の専門家であるスクール
:きカウンセラーを活用し相談体制づくりを図ることが重要です。
:…相談体制の充実は虐待の予防でもあります。
㈹仙一触
(D学校体制の整備
【ポイント】
・学校全休で対応
・個人カルテの活用
・窓口の一本化
r、各学校おいては、学級担任がひとりで対応しようとする
:のではなく、学校全体で解決していく体制を整備しなけれ
:ばなりません。虐待が疑われる子どもを発見した教職員は、
:まず管理職に報告し、学校対応を協議する職員会議やケー
lス会議を開催する必要があ・ります。
また、継続的な取組を行うため、個人カルテを作成し、
:情報を共有するなど校内の共通理解の深化を図ることが大
:切です。
関係機関との窓口については、管理職や生活・生徒指導
:担当など一本化し、校務分掌上明確にする必要があります。
(9実践的な研修の実施
【ポイント】
■研.修会への積極的な参
;教職員が子どもの人権を守る視点で児童虐待に対する理
:解と認識を深め、早期に発見し適切な措置や援助をとるた
加
:めには、対応に関する知識を習得し、実行力を兼ね備える
具体的・実践的な研修:ことが必要です。このため、教育委員会が行う研修会に参
の工夫
:加するだけでなく、学校においてもこども家庭センターの
:専門職員やスクールカウンセラーなどを講師とした校内研
:修やケーススタディ(事例研究)を計画し、どのような応答
:が適切かなど具体的・実践的な研修を行う必要があります。
③子ども・保護者との信頼関係の構築
日頃から、子どもに積極的に声をかけ、子どもからの悩
【ポイント】
:みや相談に耳を傾けることが大切です。子どもは虐待を受
・積極的な声かけ
・子どもの声に耳を傾け:けていることを直ぐに話したり、事実を認めることはあり
:ません。殴られてできた傷跡でも、自分で机にぶつけたな
る
・ふだんから保護者との:どと教職員に話すことがあります。話すと親に伝わり、か
関わリ
:えってひどい虐待を受けることを恐れるからです。そのた
:めにも、教職員はふだんから子どもの話をよく聞.き、相談
:に気軽に応じるなど子どもとの信続開係づく りをすること
:が重要になります。
: さらに、保護者との関わり方についても連絡帳の記入や
:家庭訪問を効果的に行うなど工夫を凝らし、保護者との信
:頼関係を築く必要があります。
④学級への係わりとして
:虐待を受けた子どもは癒しがたい心の傷を背負っており、
【ポイント】
ニ複雑な心理状態であるとともに、将来への不安など様々な
・心のケア
:悩みを抱えています。このため、学校はスクールカウンセ
・主体的な態度
・教職員自身の人権感覚:ラーなどと十分相談しながら、心のケアをはじめとする支
や人権意識
:揺に努めなければなりません。子どもが、「自分を見守っ
・共に支え合う学級づく:てくれている先生がいる」という安心感を抱くよう努める
リ
:とともに、子ども自身が自ら意思表示をし自信を持って生
:活できる力をつけることを目指した教育などを充実させて
:いくことが大切です。
:さらに、教職員自身の人権感覚や人権意識が子どもにと
:っての重要な学習環境であるという認識を持ち、子どもが
:教職員の温かいまなざしや人権への配慮が行き届いた安心
できる環境に置かれるよう努めることが大切です。教科の
:学習の時間、道徳の時間、特別活動や「総合的な学習の時
:間」などの内容ヤ方法を創意工夫し、人権にかかわる身近
:な課題に気づき、共に支え合う学級づくりを心がけること
:が大切です。
「児童の権利に関する条約」などについても理解を図り
書人権意識を高めることも必要です。
(9児童虐待を受けたことによる学習の遅れに対する支援
:虐待を受けたために学業が遅れた子どもへ、学習習慣を身
【ポイント】
・個別学習の機会
・基礎学力の定着
・適切な進路指導
:につけるよう個別に学習の機会を設けるなど教職員が寄り
:添い信頼関係を築くよう工夫をし、基礎学力の定着を図る
:必要があります。
:特に、虐待を受けた子どもは学年が進むにつれ目標がよ
:り悲観的・現実的なものになっていき、希望を失っていく
:傾向があります。中学校の進路指導においては本人の希望
:が実現できるよう学校全体で支援することが重要です。
:また、経済的な不安を軽減するなど関係機関との連携も
:図る必要があります。
⑥ケース会議の定例化
:虐待が疑われる子どもを発見したときや校内アセスメン
【ポイント】
・役割分担に基づいた速:トなどをする場合、状況に応じてケース会議を開催する必
やかな対応
:要があります。その際、召集するメンバーヤ協議する内容
:などを工夫し、その都度、役割分担を明確にした支援体制
:を構築するとともに明確な役割分担に基づき、速やかに対
:応する必要があります。
継続した支援をするためケース会議を定例的に開催する
:ことも重要です。
(∋児童虐待に関する保護者への啓発について
:保護者に対して、児童虐待に関する啓発を行うことが大
【ポイント】
・P T Aの研修会の活用
・各種講座の紹介
:切であり、年度のできるだけ早い時期で多くの保識者が集
:まる機会を捉え、児童虐待は千どもの重大な人権侵害であ
:ることや身近に起こる可能性があること、「児童虐待の防
:止等に関する法律」の趣旨や法改正のポイントなどを説明
:し理解を求める働きかけをすることも必要です。例えば、
:PTAによる児童虐待に関する研修会の実施などです。
また、兵庫県が開催する家庭教育に関する誹座などを紹
こ介することもひとつの方怯です。
10
【取扱注意】
個 人 カ ルテ
平成 年度
記職者名
児童生徒名
学
保護者名
組l
合 計
日
1学期:2学期:3学期
欠席日数
(うち出席根いとされた日放)
(
別室登校の日放(悍醍童軌ど)
日:
日;
日
日);(
日);(
目)
日:
日【
日
家庭の状況
(
備 考
日)
日
部活動
衰客観的事実のみを記榊−ろこと
特記事項
家族の状況
児童生徒の言軌
(できる限り時系列で記・ホセすろこと)
具体的な働きかけ
も・家庭の対応
(関係賎澗との辿胱を含む)
※ 個人情報保護の観点から、作成・保管など情報管理に十分注意すること
※今後対応のために、できる範囲で情報収集を行い、いつ、どこで、誰が、誰に、何を、どのよ
わかるように記録を戎しましよう。記録には、メモ、スケッチ(口付を入れる)などの方法があります。
11
相談先一覧
児童虐待24時間ホットライン
○中央こども家庭センター
○姫路こども家庭センター
℡(078)921−9119
℡(0792)94−9119
0西宮こども家庭センター
0豊岡こども家庭センター
℡(0798)74−9119
蜜(0796)22−9119
各市町の相談機関
○市町の児童相談部署
本校の連絡先
通常日
こどもセンター
4
3
○洲本分室
一一l
23−9966
ヒ王子町13−5
48
セ︶市
○柏原分室
智(0795)73−3866
〒669づ509 氷上郡柏原町柏原688
(柏原総合庁舎内)
ンクー
○姫
タ2け
ン2郵
も7
ど0
4一
0
73
62
℡(
十6(〉S−0025
、
︰・
82
こ︵
管
〒673−002
○豊岡こ
什小 −2525
中央区東川崎町1−3−1
セ9軒
庭︶石
家8明
も7
ど0
○中央=
二m
㍍帥
〒650−0044
庭3市
ど7
こ0
○神
摘結
〒662−OSd2
セ︶市
℡(
紬誤
⊥も7
ど
○西宮こ
蜜(0799)26−2075
〒656−00コ1洲本市塩屋2丁目4−5
(訂11本総合庁舎内)
1261
〒670−0092 ∠侃柁市所在家本町1−1−58
その他
○子ども人権110番◆
(兵庫県手どもの人権専門委員会〔神戸地方法務局兵庫県人権蛙講委員連合会〕)
蜜(078)393−0118
※ 空欄の氏名及び℡については、各学校でご記入下さい。
12
○児童虐待の防止等に関する法律
平成十二年五月二十四日号外法律第八十二号
〔法務・厚生大臣署名〕
平成一六年 四月一匹日法律第三○号〔第一次改正〕
児童虐待の防止等に関する法律をここに公布する。
児童虐待の防止等に関する法律
(目的)
第一粂 この法律は、児童虐待が児童の人権を著しく侵害し、その心身の成長及び人格の
形成に重大な影響を与えるとともに、我が国における将来の世代の育成にも懸念を及ぼす
ことにかんがみ、児童に対する虐待の禁止、児童虐待の予防及び早期発見その他の児童虐
待の防止に関する国及び地方公共団体の責務、児童虐待を受けた児童の保護及び自立の支
援のための措置等を定めることにより、児童虐待の防止等に関する施策を促進することを
目的とする。
(児童虐待の定義)
第二粂 この法律において、「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人そ
の他の着で、児童を現に監言要するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳
に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。
一 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
二 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。
三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の
同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保讃者としての監
讃を著しく怠ること。
四 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶
者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあ
る者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及び
これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷
を与える言動を行うこと。
(児童に対する虐て寺の禁止)
第三粂 何人も、児童に対し、虐待をしてはならない。
(国及び地方公共団体の責務等)
第四条 国及び地方公共団体は、児童虐待の予防及び早期発見、迅速かつ適切な児童虐待
を受けた児童の保護及び自立の支援(児童虐待を受けた後十八歳となった者に対する自立
の支援を含む。第三項及び次条第二項において同じ。)並びに児童虐待を行った保護者に
対する親子の再統合の促進への配慮その他の児童虐待を受けた児童が良好な家庭的環境で
生活するために必要な配慮をした適切な指導及び支援を行うため、関係省庁相互間その他
関係機関及び民間団体の間の連携の強化、民間団体の支援その他児童虐待の防止等のため
に必要な体制の整備に努めなければならない。
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2 国及び地方公共団体は、児童相談所等関係機関の職員及び学校の教職員、児童福祉施
設の職員、医師、保健師、弁護士その他児童の福祉に職務上関係のある者が児童虐待を早
期に発見し、その他児童虐待の防止に寄与することができるよう、研修等必要な措置を講
ずるものとする。
3 国及び地方公共団体は、児童虐待を受けた児童の保護及び自立の支援を専門的知識に
基づき適切に行うことができるよう、児童相談所等関係機関の職員、学校の教職員、児童
福祉施設の職員その他児童虐待を受けた児童の保護及び自立の支援の職務に携わる者の人
材の確保及び資質の向上を図るため、研修等必要な措置を詳ずるものとする。
4 国及び地方公共団体は、児童虐待の防止に資するため、児童の人権、児童虐待が児童
に及ぼす影響、児童虐待に係る通告義務等について必要な広報その他の啓発活動に努めな
ければならない。
5 国及び地方公共団体は、児童虐待の予防及び早期発見のための方策、児童虐待を受け
た児童のケア並びに児童虐待を行った保護者の指導及び支援のあり方、学校の教職員及び
児童福祉施設の職員が児童虐待の防止に果たすべき役割その他児童虐待の防止等のために
必要な事項についての調査研究及び検証を行うものとする。
6 何人も、児童の健全な成長のために、良好な家庭的環境及び近隣社会の連帯が求めら
れていることに留意しなければならない。
(児童虐待の早期発見等)
第五条 学校、児童福祉施設、病院その他児童の福祉に業務上関係のある団体及び学校の
教職員、児童福祉施設の職員、医師、一保健師、弁護士その他児童の福祉に職務上関係のあ
る者は、児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、児童虐待の早期発見に努めな
ければならない。
2 前項に規定する者は、児童虐待の予防その他の児童虐待の防止並びに児童虐待を受け
た児童の保讃及び自立の支援に関する国及び地方公共団体の施策に協力するよう努めなけ
ればならない。
3 学校及び児童福祉施設は、児童及び保護者に対して、児童虐待の防止のための教育又
は啓発に努めなければならない。
(児童虐待に係る通告)
第六条 児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを福祉事務所
若しくは児童相談所又は児童委員を介して福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなけれ
ばならない。
2 前項の規定による通告は、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第二十五条
の規定による通告とみなして、同法の規定を適用する。
3 刑法(明治四十年法律第四十五号)の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法
律の規定は、第一項の規定による通告をする義務の遵守を妨げるものと解釈してはならな
い。
第七粂 児童相談所又は福祉事務所が前条第一項の規定による通告を受けた場合において
は、当該通告を受けた児童相談所又は福祉事務所の所長、所員その他の職員及び当該通告
を仲介した児童委員は、その職務上知り得た事項であって当該通告をした者を特定させる
ものを漏らしてはならない。
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(通告又は送致を受けた場合の措置)
第八粂 児童相談所が第六条窮一項の規定による通告又は児童福祉法第二十五条の二第一
号の規定による送致を受けたときは、児童相談所長は、必要に応じ近隣住民、学校の教職
員、児童福祉施設の職員その他の者の協力を得つつ、当該児童との面会その他の手段によ
り当該児童の安全の確認を行うよう努めるとともに、必要に応じ同法第三十三条第一項の
規定による一時保護を行うものとする。
2 前項の児童の安全の確認又は一時保誰を行う児童相談所は、速やかにこれを行うよう
努めなければならない。
(立入調査等)
第九粂 都道府県知事は、児童虐待が行われているおそれがあると認めるときは、児童委
員又は児童の福祉に関する事務に従事する職員をして、児童の住所又は居所に立ち入り、
必要な調査又は質問をさせることができる。この場合においては、その身分を証明する証
票を携帯させなければならない。
2 前項の規定による児童委員又は児童の福祉に関する事務に従事する職員の立入り及び
調査又は質問は、児童福祉法第二十九条の規定による児童委員又は児童の福祉に関する事
務に従事する吏員の立入り及び調査又は質問とみなして、同法第六十二条第一号の規定を
適用する。
(警察署長に対する援助要請等)
第十条 児童相談所長は、第八粂第一項の児童の安全の確認又は一時保吉壁を行おうとする
場合において、これらの職務の執行に際し必要があると認めるときは、当該児童の住所又
は居所の所在地を管轄する警察署長に対し援助を求めることができる。都道府県知事が、
前条第一項の規定による立入り及び調査又は質問をさせようとする場合についても、同様
とする。
2 児童相談所長又は都道府県知事は、児童の安全の確認及び安全の確保に万全を期する
観点から、必要に応じ適切に、前項の規定により警察署長に対し援助を求めなければなら
ない。
3 警察署長は、第一項の規定による援助の求めを受けた場合において、児童の生命又は
身体の安全を確認し、又は確保するため必要と認めるときは、速やかに、所属の笹森官に、
同項の職務の執行を援助するために必要な警察官職務執行法(昭和二十三年法律第百三十
六号)その他の法令の定めるところによる措置を講じさせるよう努めなければならない。
(児童虐待を行った保護者に対する指導)
第十一条 児童虐待を行った保護者について児童福祉法第二十七条第一項第二号の規定に
より行われる指導は、親子の再統合への配慮その他の児童虐待を受けた児童が良好な家庭
的環境で生活するために必要な配慮の下に適切に行われなければならない。
2 児童虐待を行った保護者について児童福祉法第二十七条第一項第二号の措置が採られ
た場合においては、当該保護者は、同号の指導を受けなければならない。
3 前項の場合において保護者が同項の指導を受けないときは、都道府県知事は、当該保
護者に対し、同項の指導を受けるよう勧告することができる。
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(面会又は通信の制限等)
第十二条 児童虐待を受けた児童について児童福祉法第二十七条第一項第三号の措置(以
下「施設入所等の措置」という。)(同法第二十八条の規定によるものに限る。)が採られ
た場合においては、児童相談所長又は同号に規定する施設の長は、児童虐待の防止及び児
童虐待を受けた児童の保讃の観点から、当該児童虐待を行った保護者について当該児童と
の面会又は通信を制限することができる。
.頂ヰニ粂の二 児童虐待を受けた児童について施設入所等の措置(児童福祉法第二十八条
の規定によるものを除く。)が採られた場合において、当該児童虐待を行った保護者が当
該児童の引渡し又は当該児童との面会若しくは通信を求め、かつ、これを認めた場合には
再び児童虐待が行われ、又は児童虐待を受けた児童の保護に支障をきたすと認めるときは、
児童相談所長は、次項の報告を行うに至るまで、同位第三十三条第一項の規定により児童
に一時保護を行うことができる。
2 児童相談所長は、前項の一時保護を行った場合には、速やかに、児童福祉法第二十六
条第一項第一号の規定に基づき、同法第二十八条の規定による施設入所等の措置を要する
旨を都道府県知事に報告しなければならない。
(児童福祉司等の意見の聴取)
第十三条 都道府県知事は、児童虐待を受けた児童について施設入所等の措置が採られ、
及び当該児童の悍讃者につい
て児童福祉法第二十七条第一項第二号の措置が揺られた場合
において、当該児童について採られた施設入所等の措置を解除しようとするときは、当該
児童の保護者について同号の指導を行うこととされた児童福祉司等の意見を聴かなければ
ならない。
(児童虐待を受けた児童等に対する支援)
第十三粂の二 市町村は、児童福祉法第二十四条第三項の規定により保育所に入所する児
童を選考する場合には、児童虐待の防止に寄与するため、特別の支援を要する家庭の福祉
に配慮をしなければならない。
2 匡】及び地方公共団体は、児童虐待を受けた児童がその年齢及び能力に応じ充分な教育
が受けられるようにするため、教育の内容及び方法の改善及び充実を図る等必要な施策を
講じなければならない。
3 国及び地方公共団体は、居住の場所の確保、進学又は就業の支援その他の児童虐待を
受けた者の自立の支援のための施策を言符じなければならない。
(親権の行使に関する配慮等〉
第十四条 児童の親権を行う者は、児童のしつけに際して、その適切な行使に配慮しなけ
ればならない。
2 児童の親権を行う者は、児童虐待に係る暴行罪、傷害罪その他の犯罪について、当該
児童の親権を行う着であることを理由として、その責めを免れることはない。
(親権の喪失の制度の適切な運用)
第十五条 民怯(明治二十九年法律第八十九号)に規定する親権の喪失の制度は、児童虐
待の防止及び児童虐待を受けた児童の保護の観点からも、適切に運用されなければならな
い。
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(大都市等の特例)
第十六条 この法律中都道府県が処理することとされている事務で政令で定めるものは、
地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以
下「指定都市」という。)及び同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「中核
市」という。)においては、政令で定めるところにより、指定都市又は中核市(以下「指
定都市等」という。)が処理するものとする。この場合においては、この法律中都道府県
に関する規定は、指定都市等に関する規定として指定都市等に適用があるものとする。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範閣内において政令で定める
目から施行する。ただし、附則第三集中児童福祉法第十一条第一項第五号の改正規定及び
同法第十六条の二第二項第四号の改正規定並びに附則第四条の規定は、公布の日から起算
して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
〔平成一二年一一月政令四七一号により、本文に係る部分は、平成一二・一一・二○から
施行・平成一二年一二月政令五一六号によりただし書に係る部分は、平成一四・四・一か
ら施行〕
(検討)
第二条 児童虐待の防止等のための制度については、この法律の施行後三年を目途として、
この法律の施行状況等を勘案し、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜ
られるものとする。
(児童福祉法の一部改正)
第三条 児童福祉法の一部を次のように改正する。
〔次のよう略〕
(児童福祉法の一部改正に伴う経過措置)
第四条 附則第一条ただし菩に規定する規定の施行の日(以下「施行日」という。)の前
日において前条の規定による改正前の児童福祉法(以下「旧法」という。)第十一条第一
項第五号に該当することにより同項に規定する児童福祉司に任用されていた者は、前条の
規定による改正後の児童福祉法(以下「新法」という。)第十一条第一項の規定にかかわ
らず、施行日以後も引き続き同項に規定する児童福祉司であることができる。
2 施行日の前日において旧法第十六条の二第二項第四号に該当することにより児童相談
所の所長に任用されていた者は、新法第十六条の二第二項の規定にかかわらず、施行日以
後も引き続き児童相談所の所長であることができる。
(中央省庁等改革関係法施行法の一部改正)
第五条 中央省庁等改革関係法施行法(平成十一年法律第百六十号)の一部を次のように
改正する。
【次のよう略〕
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附 則〔平成一三年一二月一二日法律第一五三号抄〕
(施行期日)
第一粂 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める
日から施行する。
〔平成岬四年一月政令三号により、平成一四・三・一一から施行〕
附 則〔平成一五年七月一六日法律第一二一号抄〕
(施行期日)
第一粂 この法律は、平成十七年四月一日から施行する。〔後略〕
附 則〔平成一大牢四月一四日法律第三○号〕
(施行期日)
第一粂 この法律は、平成十六年十月一目から施行する。ただし、第二粂の規定は児童福
祉法の一部を改正する法律(平成十六年法律第百五十三号)附則第一粂第三号に掲げる規
定の施行の日から、附則第三粂の規定は同法の施行の日から施行する。
(検討)
第二粂 児童虐待の防止等に関する制度に関しては、この法律の施行後三年以内に、児童
の住所又は居所における児童の安全の確認又は安全の確保を実効的に行うための方策、親
権の喪失等の制度のあり方その他必要な事項について、この法律による改正後の児童虐待
の防止等に関する法律の施行状況等を勘案し、検討が加えられ、その結果に基づいて必要
な措置が試ぜられるものとする。
(児童福祉法の一部を改正する法律の一部改正)
第三粂 児童福祉法の一部を改正する法律の一部を次のように改正する。
〔次のよう略〕
18
資料作成関係者
〔児童虐待に関する学校対応に係る検討委員会〕
森 茂起
甲南大学教授
(会 長)
稲垣 由子
甲南女子大学教授
(副会長)
忌部 椒恵
兵庫教育文化研究所副所長
(委 員)
木下 浩昭
健康生活部福祉局児童課児童福祉係長
(同 上)
松本 通夫
中央こどもセンター所長
(同 上)
佐野 末夫
神戸地方法務局兵庫県人権擁護委員連合会
(同 上)
・−こ ・・
子どもの人権専門委員会常任理事
森 陽子
西宮市立山口中学校長
(同 上)
久保 利正
上郡町立上郡小学校教諭
(同 上)
平野 孝音
兵庫県国公立幼稚園長会副会長
(同 上)
明石市立大久保幼稚園長
19
児童虐待に対する学校対応について
平成17jlミ3月発行
兵姉県教育委員会義務教育課
帥戸市中央区下り手辿5丁目10−1
電話(078)341−7711(代表)
佗
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