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児童のいる世帯の母の仕事の状況(PDF:234KB)
最新の労働統計 61 ちょっと気になるデータ 児童のいる世帯の母の仕事の状況 女性の活躍推進がいわれている。女性の就業率は上昇しており、総務省「労働力調査(基本集計)」によれば 平成 26 年平均の女性注 1 の就業率は 63.6 %で、比較可能な昭和 43 年以降最高となっている。女性の就業は出 産や育児と関係がある。厚生労働省「第 12 回 21 世紀出生児縦断調査(平成 13 年出生児) 」によれば有職の母 の割合は、出産 1 年前に 54.5 %であったが、出産半年後に 25.2 %に急減する。その後は年々増加し子供が小 学 6 年生では 73.7 %となる。そこで、厚生労働省「国民生活基礎調査」で毎年調べられている児童のいる世帯 の母の就業状況をみてみよう。7 月 2 日に平成 26 年結果が公表された。 注 1 15 ~ 64 歳 (子供が大きい世帯の方が仕事をしている母の割合が高い) 児 童 の い る 世 帯 で 母 に「 仕 事 あ り 」が 末子の年齢階級別母の仕事の状況(仕事あり)(平成26年) 65.7 %となっている。内訳は「正規の職員・ (%) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 従業員」が 20.9 %、 「非正規の職員・従業員」 9.9 20.9 34.9 児童あり が 9.9 %である。 が 34.9 %、 「その他注 2」 6.3 23.1 10.3 0歳 8.1 22.6 17.4 1 末子の年齢階級別にみると、 「仕事あり」 11.1 21.9 22.0 2 の割合はおおむね末子の年齢階級が高くな 7.9 18.0 30.8 3 るほど高い。また、 母の就業形態は、 末子の 10.3 19.5 32.3 4 年齢階級が高いほど「非正規の職員・従業 8.9 21.6 33.9 5 9.3 17.2 35.7 員」の割合が高い。一方、どの年齢階級で 6 9.9 20.1 40.8 7~ 8 も「正規の職員・従業員」は約 2 割、 「その他」 10.7 18.9 43.6 9~11 は約 1 割となっており、末子の年齢が高く 11.0 21.1 43.8 12~14 なった母が、 非正規の職員・従業員として仕 11.5 22.7 43.7 15~17 事に就いていることが推測される。 正規の職員・従業員 注 2 会社・団体等の役員、自営業主、家族従業者、内職、 その他、勤めか自営か不詳及び勤め先での呼称不詳 を含む。 (仕事をしている母の割合は上昇) 「仕事あり」の母の割合の推移をみると、平成 7 年調査では 46.3 %と 5 割に満たないが、平成 11 年 では 51.1%、平成 20 年では 61.9 %、平成 26 年では 65.7 %となるなど上昇している。 非正規の職員・従業員 その他 仕事ありの母の割合の推移 (%) 70 60 50 61.9 65.7 51.1 46.3 40 30 20 10 0 平成7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26年 末子年齢階級別仕事ありの母の割合 (子供が小さい世帯で仕事をしている母の割合が上昇) 仕事あり(%) 末子の年齢と母の仕事の状況の関係について、平 90 成 15 年、20 年、26 年を比べてみると、全体的に母に仕 80 70 事ありの割合が上昇傾向にあるが、とくに末子の年 60 齢が 0 歳から 5 歳までの割合が上昇している。平成 50 15 年と 26 年を比較すると、0 歳 16.4 ポイント上昇、1 平成26年 40 平成20年 30 歳 17.1 ポイント上昇、2 歳 18.4 ポイント上昇に対し、9 20 平成15年 ~ 11 歳 6.7 ポイント上昇というように、小さい子供の 10 いる世帯での母の就業が相対的に大きく高まってい 0 ることがわかる。 末子年齢(歳) (調査・解析部) Business Labor Trend 2015.9