Comments
Description
Transcript
獣 医 師 職 員 の 主 な 仕 事
獣 医 師 職 員 の 主 な 仕 事 岐 阜 県 (http://www.pref.gifu.lg.jp/) 畜産行政分野 畜産物の安全性、ヘルシーな栄養成分やおいしさ等、多様化する消費者ニーズに対応 して、安定的な畜産経営の発展を図るためには、一層の畜産施策の充実・強化が重要と なっています。 また、牛海綿状脳症(BSE)や高病原性鳥インフルエンザの発生により、ますます安全 で安心な畜産物が求められるようになっています。 畜産行政では、そのような状況を的確にとらえ、総合的な畜産振興分野の推進に取り 組んでいます。 畜産関係の獣医師は県庁のほか、その出先機関である家畜保健衛生所、農林事務所、 畜産研究所などに配置され、獣医学的知識を活用しながら県内の畜産振興に寄与してい ます。 家畜保健衛生所 (http://www.pref.gifu.lg.jp/soshiki/nosei/kaho/) 家畜保健衛生所は全国の都道府県に約170ヶ所設置され、そこで勤務する約2千人 の獣医師が「家畜防疫員」と任命され、地域における家畜伝染病の 発生予防並びにまん 延防止対策や農場を巡回して飼養衛生管理指導や放牧衛生などの保健衛生指導を担う機 関です。 口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザなどの急性悪性家畜伝染病や畜産物を介して人の 健康に影響を与える疾病(サルモネラ、BSEなど)に的確に対応して健康な家畜づく りや動物用医薬品の流通使用を監視指導、適正な獣医療を推進するなど畜産物の安全性 確保のため、家畜保健衛生所の獣医師が活躍しています。 平成25年度からは、病性鑑定機能に特化した高度病性鑑定センターを設置し、各種 伝染病や原因不明疾病などに対応するため、解剖、細菌、ウイルス、生化学、病理組織 検査や遺伝子診断など、高度な診断機器を活用して診断技術の向上を図りながら取り組 んでいます。 また、平成28年度中の供用開始を目指し、中央家畜保健衛生所を『学官連携拠点施 設』として岐阜大学の敷地内に新築移転します。 農政部畜産課 中央家畜保健衛生所(大垣市) 高度病性鑑定センター(岐阜市) 中濃家畜保健衛生所(美濃加茂市) 東濃家畜保健衛生所(恵那市) 飛騨家畜保健衛生所(高山市) 畜産研究所 (http://www.cc.rd.pref.gifu.jp/beef/) 消費者には安全・安心でより美味しい畜産物を提供し、畜産農家にはより生産性の高 い経営の技術支援を行うため、獣医師は研究分野でも活躍しています。 また、和牛、乳牛、豚、鶏に関する様々な試験研究に加え、その質の高い試験研究に 欠かせない家畜の診療、健康管理、衛生管理も任される重要な仕事です。 ○飛騨牛研究部(高山市) 種雄牛や繁殖用雌牛、肥育牛等約230頭の和牛を飼育、試験研究等に活用し、高 級ブランド和牛「飛騨牛」の生産に関する試験研究、技術支援を行っています。 その成果として、飛騨牛銘柄化に大きく貢献する国内トップレベルの種雄牛を数多 く造成しており、県内子牛市場で取引されるその産子は県内外から高い評価を得てい ます。 また、家畜の改良を進めるため、DNA解析や受精胚操作など生物工学的研究に積 極的に取り組むとともに、飛騨牛の美味しさに関する研究や、飼料用米給与試験など も実施しています。 ○酪農研究部(恵那市) 受精卵移植技術を活用した乳用牛の改良や雌雄判別卵の生産・供給、新しい飼養管 理技術の研究開発やその普及に取り組んでいます。 近年の非常に多くの牛乳を生産する乳牛(高泌乳牛)群を、健康で長期間にわたり 飼養するための精密な栄養管理技術や繁殖性改善技術の開発を行っています。 ま た 、飼 料 作 物 の 生 産・調 製・給 与 の 技 術 確 立 や 飼 料 分 析 の 実 施 に よ る 適 正 な 飼料給与の技術支援に取り組んでいます。 ○養豚・養鶏研究部(美濃加茂市) デュロック種系統豚「アイリスナガラ」や大ヨークシャー種「ナガラヨーク」等の 育種改良とおいしい豚肉生産に関する研究を行っています。また、ロース筋肉中の脂 肪含量(いわゆる霜降り)の多い遺伝領域を固定したデュロック種「ボーノブラウン」 を開発し、種雄豚や人工授精用精液を農家に供給しています。 さらに、資源循環型社会の確立に向け、畜産堆肥処理施設から出るアンモニアガス を肥料化する技術について特許を取得し、実用化へ向けた試 験研究を実施していま す。 ○養豚・養鶏研究部関試験地(関市) 岐阜県ブランド鶏「奥美濃古地鶏」の育種改良や、その種卵や雛の供給を通じてブ ランド確立に貢献しています。 また、国産高品質赤玉鶏の共同開発、従来の育種手法に加えDNA情報を活用した 新しい育種手法の開発、飼料用米の給与技術など飼養管理技術の開発・普及、貴重な 遺伝子資源(天然記念物「岐阜地鶏」)維持の取組を通じて、付加価値の高い鶏卵や鶏 肉の生産など養鶏業界の発展に寄与しています。 公衆衛生行政分野 私たちが日常、口にしている食肉や牛乳あるいは魚介類などの食品のおいしさの陰に は、獣医師の目がしっかり行き届いています。 店頭に並べられている牛肉、豚肉、鶏肉などの食肉には、獣医師による厳重な検査が 義務付けられています。 また、人の健康を守るための生活環境の衛生確保にかかわる監視指導、狂犬病などの 人獣共通感染症予防対策、犬・ねこの適正飼養、動物愛護の普及啓発などについても、 獣医師が積極的に取り組んでいます。 このように獣医師は、公衆衛生の様々な分野で、人の健康に密接にかかわる仕事を行 っており、公衆衛生の向上に大きく寄与しています。 保健所・センター (http://www.pref.gifu.lg.jp/soshiki/kenko-fukushi/hokenjo/) 各都道府県、中核市などに設置が義務付けられており、人の健康にかかわる 広範な仕 事を受け持っています。 その中で獣医師は、人獣共通感染症の中でもっとも怖い病気の一つである狂犬病の予 防対策や啓発、食肉、牛乳、魚介類などの食品の製造施設や市場あるいは販売店などで 食品衛生監視員として検査や衛生指導を行っています。 また、公衆浴場やプール、理美容所など私たちの生活に密接な関わりを持つ生活環境 の衛生にかかわる監視指導も、獣医師などの環境衛生監視員が担っています。 健康福祉部生活衛生課 食肉衛生検査所 岐阜保健所(各務原市)、本巣・山県センター(岐阜市) 西濃保健所(大垣市)、揖斐センター(揖斐川町) 関保健所(美濃市)、郡上センター(郡上市) 中濃保健所(美濃加茂市) 東濃保健所(多治見市) 恵那保健所(恵那市) 飛騨保健所(高山市)、下呂センター(下呂市) (http://www.pref.gifu.lg.jp/soshiki/kenko-fukushi/shokueiken/) スーパーマーケットや精肉店に並べられている牛肉、豚肉、鶏肉などの食肉は、肉と なる段階で獣医師による厳重な検査が義務付けられています。岐阜県には、3箇所のと 畜場と3箇所の大規模食鳥処理場があり、獣医師である検査員が安全な食肉を食卓に送 るために、牛、豚、鶏などを1頭、1羽ごとに検査し、食用に適さないもの については 排除しています。 また、食肉中の抗菌性物質などの残留検査、BSE(牛海綿状脳症)検査などの精密 検査を行うとともに、寄生虫や病原微生物などの食肉中の潜在リスクについて、大学、 研究機関と共同で調査研究も行っています。 保健環境研究所 (http://www.pref.gifu.lg.jp/soshiki/kenko-fukushi/hokekan/) 保健衛生分野や環境分野における科学的・技術的な中枢機関として、様々な試験検査、 研究のほか、情報収集、技術研修、技術相談などの業務にも取り組んでいます。 検査・研究分野の主なものとしては、新興感染症、食中毒などの微生物分野、食品中 の残留農薬、残留抗菌性物質、放射性物質などの理化学的分野、大気、アスベスト、土 壌地下水、放射能汚染などの環境汚染分野となっています。 動物愛護センター (http://www.pref.gifu.lg.jp/soshiki/kenko-fukushi/doubutsu-aigo/) 犬・猫の更なる譲渡や適正飼養の推進、被災時における被災動物の救援支援などを担 う動物愛護センターを平成26年4月から運用開始しています。 センター内には検査・治療室を設置し、負傷動物の治療や飼い主のいない猫などの不 妊去勢手術も行うこととなります。 動物愛護センターは、『動物の保護・ふれあいの拠点施設』であり、岐阜県全体の動 物愛護啓発、殺処分数減少に繋げていきます。