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Web2.0 研究 その1

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Web2.0 研究 その1
Web2.0 研究 その1
2007/01/21
目的:web2.0 の基礎的な理解。
手段:web2.0 の日本における伝道者の著作を分析する。
使用文献:梅田望夫『ウェブ進化論−本当の大変化はこれから始まる』
ちくま新書[582] 筑摩書房、2006
内容(
「」は引用、*以降は要約、下線は報告者)
・p10 ∼ p11
*「ムーアの法則」 ←ゴードン・ムーア(インテル創業者)
−半導体性能は 1 年半で 2 倍になる
→あらゆる IT 関連製品のコストは、年率 30 %∼ 40 %で下落していく
⇒「チープ革命」 ←リッチ・カールガード(米フォーブス誌コラムニス
ト)
−「次の 10 年」は、IT に関する「必要十分」な機能の全てを誰もがほ
とんどコストを意識することなく手に入れる時代になる。
・p14
「
『世界政府っていうものが仮にあるとして、そこで開発しなければならない
はずのシステムは全部グーグルで作ろう。それがグーグル開発陣のミッショ
ンなんだよね。』」 ←著者の友人であるグーグルの社員の発言
・p19
「従業員1万人の企業の社員が丸1日フルに働くのと同じ価値を、ひょっと
したら 1 億人の時間を 3 秒ずつ集めることでできるかもしれないのだ。」
↑「(≒無限大)×(≒無)= “something”」
・p20
「日本の携帯電話とブロードバンド(高速大容量)のインフラは、ほぼ世界一
1
の水準にある。『光ファイバー接続でインターネットを家庭から安く使え
る』なんて話を米国人にすれば、憧れのまなざしで日本を見つめる。」
・p29
*「次の 10 年への三大潮流」 ←筆者
(1)インターネット (2)チープ革命
(3)オープンソース
・p34
*リアル世界では絶対成立し得ない「三大法則」
←筆者
第 1 法則:神の視点からの世界理解
第 2 法則:ネット上に作った人間の分身がカネを稼いでくれる新しい経済圏
第 3 法則:(≒無限大)×(≒無)= “something” あるいは、消えて失われていっ
たはずの価値の集積
・p66
「構成要素たる 1 個 1 個の部品が頻繁に故障しても、全体としてはきちんと
動き続けるシステム[グーグル]」
→「スケーラブル・アーキテクチャー」
・p76
*「MAKING THE WORLD A BETTER PLACE」
↑ 2004 年 8 月、株式公開に際してグーグルが米証券取引委員会に提出した
書類の冒頭の文句(創業者→将来の株主への手紙)
・p94
*グーグルのゴール
「グーグルの技術者たち(これ以外の人間はシステムにはいらない)が作り
込んでいく情報発電所がいったん動き出したら『人間の介在』なしに自
動的に事を成していく世界」
cf. Yahoo!
・100
*ロングテール(long tail)現象
2
(部数)
1000000
900000
800000
700000
600000
500000
400000
300000
200000
100000
0
(順位)
→
←
→
←
ロングテール
恐 竜 の 首
出版社・流通業者・書店
→「恐竜の首」で稼ぎ、ロングテールの損失を補う
⇔ネット販売(アマゾンなど)
→ロングテールで稼ぐ
・p113
*web1.0
→
web2.0 へ
・p120
*web2.0
「ネット上の不特定多数の人々(や企業)を、受動的なサービス享受者ではな
く能動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいくための技術やサービス
開発姿勢」 ← 筆者
・p128
* エンジニア 1 人 ×
+開発費 数十万
5日
⇒
「はてなマップ」
・p136
*ブログ数
米国 = 2000 万超
3
日本 = 500 万超
・p141
*RSS = “Really Simple Syndication” or ”Rich Site Summary”
−ウェブサイトの更新情報を要約してネットに配信するための文書フォー
マット
+記事ごとのアドレス(検索可)
⇒有用な情報源に
・p146
*ブログ + 「次の 10 年」 = メディアの権威の構造崩壊
・p154
*検索エンジンは能動的なメディア
→
⇔マス・メディア−受動的なメディア
まだ大衆を動かせない
・p153
*総表現社会 = チープ革命 × 検索エンジン × 自動秩序形成システム
ここにブレイクスルーが必要(受動性を付加)↑
・p160
*アドセンス世界(ネットで稼ぐアフィリエイトなど)には地域経済格差がな
い
→生活コストの安い英語圏の発展途上国の人々にとっては、生活コストに比
して、驚くほどの収入がアドセンスによってもたらされる。
↑グーグルはこのことをもって、「世界をよき場所にする」とか「経済格差
の是正」を目標にすると標榜している
・p165 ∼ 166
ブログこそが究極の「知的生産の道具」
(1)時系列にカジュアルに記載でき、容量に事実上限界がないこと
(2)カテゴリー分類とキーワード検索ができること
(3)手ぶらで動いていてもインターネットへのアクセスさえあれば情報にた
どりつけること
(4)他者とその内容をシェアするのが容易であること
(5)他者との間で知的生産の創発的発展が期待できること
4
・p176
*「オープンソース現象」の実例−コレラ対策の低コスト新システム開発
・p178
*MIT のオープンコースウェア(2000 年、米)
− MIT の講義内容全てをインターネット上で無償公開
↑「素晴らしい知的資産を無償公開すると、世界中の知的リソースがその周
囲に結びつく」
⇒失敗 ←原因:教授らの協力を得られず(既得権益)
・p184
*ブッククロッシング(2001 年、米∼、会員数 40 万超、登録書籍数 300 万冊
超)
−読み終えた本をカフェや駅の公共空間に放置し、その本を偶然手にした人
に読んでもらい、世界中を勝手に無償の図書館にしてしまおうという活動
仕組み
(1)まずブッククロッシングの会員になる(無料)
(2)同サイトでステッカーを入手し、本に貼って公共空間に放置する
+本に着けられた ID 番号ごとの情報を同サイトで管理する
↑本の経歴を辿ることができる
・p198
*フォークソノミー = フォーク(folks:人々)
+ タクソノミー(taxonomy:分類学)
⇒「皆で分類する」 → wiki
・p199
*ソーシャル・ネットワーキング(SNS)
−紹介者のいる会員だけに絞り、会員同士が知人・友人の連鎖を登録し、そ
のつながりをうまく活用しながら交流するネット上のコミュニティ
・p200
*6 次の隔たり(6 Degrees of Separation)
−地球上の任意の 2 人を選んだとき、その 2 人は、6 人以内の人間関係(知
己)で必ず結ばれている
・p202
5
*予測市場(実験経済学の分野で 30 年以上の歴史)
−予測対象の結果に連動して価値が決定される仮想証券とそれらが取引さ
れる市場を用意する。
「正しい取引をする」というインセンティブを持つ参
加者が、その市場で自由に仮想証券の取引を行うのである。
↑米大統領選の結果を得票率小数点 2 桁まで当てた
・p205
「適切な状況の下では、人々の集団こそが世の中で最も優れた個人よりも優
れた判断を下すことがある」
↑ジェームズ・スロウィッキー(小高尚子:訳)
『「みんなの意見」は案外正しい』 角川書店、2006 年
・p210
「『IT とネットの進化によって将棋の世界に起きた最大の変化は、将棋が強く
なるための高速道路が一気に敷かれたということです。でも高速道路を走
り抜けた先では、大渋滞が起きています。』」
← 羽生善治
インターネット将棋道場「将棋倶楽部 24」に匿名で参加しているらしい↑
・p223
*ウェブ進化の方向
信頼あり
リナックス
Web2.0
グーグル
信頼なし
への信頼
不特定多数無限大
大組織の情報システム
ネットのこちら側
ヤフー・ジャパン
ネットのあちら側
楽天
発想のあり方
・p228
*「シリコンバレーの掟」
6
−「大きな環境変化が起きた時に真っ先に自分が変化しなければ淘汰され
る」
・p231
*シリコンバレーの住民のうち 35 %が外国生まれ
↑「高学歴のハイテク移民」が最先端の技術と新事業創造に明け暮れている
不思議な地
7
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