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「地域活性化にピッタリなワイン」(柳田藤寿氏)
「地域活性化にピッタリなワイン」(柳田藤寿氏) 山梨大学ワイン科学研究センターは設立 60 年、卒業生の多くがワイナリーの工場長等に なっている。財務省の試験醸造免許をもらって、年間 2,000 リットルを醸造している。 ワイン市場は活性化してきている。1998 年のワインブームのピークから下がってきてい たが、また上がって 30 万キロリットルを越している。なぜブームになっているか。一つは、 日本のワインのクオリティーが上がってきていること。国際ワインコンクールでの受賞で、 技術者が頑張っている。もう一つは、スパークリングワインに対する女性からの支持などが ある。 文科省の予算で、ワインフロンティアリーダー養成プログラムを実施している。定員6人 で4期生を迎え、平日の夕方に講義、日曜には実習を行い、年間 140 日間のカリキュラム を組んでいる。今まで延べ 40~50 人の卒業生がおり、ワイン科学士の称号も与えている。 昨年、デザイン学、ソムリエ学、ワイン法などを講義に入れた。 気象センサーを用いて、日照時間、温度、湿度等の情報を収集して収穫時期などを調べる 実験を行っている。マスカットベリーA のいちごのような香りは、フラネオールによるもの だが、熟成してくると香りが強くなることが分かった。これは、有効積算温度を積み上げて いくと、リンゴ酸が減少してくることが理由で、韮崎でフィールドサーバーを置き、自動的 に収穫時期が分かる仕組みを作った。これによって、圃場ごとのデータを収集することで、 高品質なブドウ生産が可能となる。 私の専門は発酵。昨年、幻の湖と言われる富士六湖の赤池から水を取り、濾過し、菌を培 養し、ワインに向くかを調べた。2013 年に白石醸造から製品化した。ぶどうをワインにし て売るときには、物語的な付加価値をつけることが必要。塩尻市の活性化委員もやっており、 ナイアガラのスパークリングを今年か来年のうちに出したい。また、韮崎市では、マスカッ トベリーA のブランド化に取り組んでおり、市をあげてワイナリーを誘致、温泉、宿泊施設 を整備する計画である。