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高等教育における差別禁止法

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高等教育における差別禁止法
NETAC Teacher Tipsheet
高等教育における差別禁止法
1973年、議会がリハビリテーション法を通過させたとき、この法には、
州予算の支援を受けたプログラムおよび諸活動によって障害者に対する差別
を禁止する第504項が含まれていた。この法律は、合衆国陸軍士官学校と
少数の小さな宗教学校を除き、実質上すべての高等教育機関に適用された。
これは、障害者に対する差別を防止する目的で作られた最初の市民権制定法
であり、1964年の市民権法を模範としている。1990年の「障害をも
つアメリカ人法(ADA)」は、この第504項を模範としたものである。この
法は、障害を持つ学生が、ADAの適用を受けるいかなる教育機関によって
も、入学を拒否されたり、利用を断られたり、差別に曝されたりすることの
ないことを保障している。逆にADAでは、教育機関が州政府の補助金を受
けることは必須要件としていない。
保護されているのはだれ?
主たる社会活動を著しく制約する肉体的もしくは精神障害を持ついかなる
個人も、
障害を持つことが記録に残されているいかなる個人も、
障害を持つと見なされるいかなる個人も、
差別が多くの局面をもっているがゆえに、法により保護される。
ただし、ほとんどの教職員は、主たる社会活動を著しく制約する障害とい
う定義の第1項に該当する学生と既に出会っている。
この法律が自分の大学に与える影響は?
高等教育機関は、障害を持つ学生がその教育機関のコース、プログラム、
校外活動などに、健聴者と同じ機会が与えられるよう適切な配慮をしなけれ
ばならない。課外活動もこれに含まれる。大学側は、教育的配慮により、す
べての学生が平等に教育を受ける権利を保障しなければならない。教育的配
慮とは、試験時間の延長、コース課題や卒業研究制作の完成、授業内容の録
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音、特定の科目を振り替えて卒業資格を満たすようにすること、試験方法や
実演成績評価方法を変更するなどして、試験に関係のない部分で、該当者の
知覚能力、発声能力、移動能力などの機能障害が不利に作用しないようにす
ることである。
大学等高等教育機関は、障害者に対して、資格を持つ手話通訳者、ノート
テイカー、リーダー、点訳物、拡大印刷物、その他の補助装置など「介助支
援具やサービス」を提供しなければならない。レベルの高い通訳者は、専門
の用語を自由に、効果的、正確、公正な方法で使いこなし、発信・受信を豊
かに伝えることができる。介助者、補聴器、眼鏡などの個人的な装備につい
ては、教育機関側で準備する必要はない。現在適用されている規約では、チ
ュータリングは個人的なサービスである。従って一般学生にチュータリング
による授業が実施されていないならば、障害のある学生にもチュータリング
による授業を提供する必要はない。その場合でも、障害のある学生が希望す
れば提供できるようにしておかなければならない。教育機関は、必要な便宜
は無料で提供しなければならない。
大学は、学習プログラムの中心となる教育プログラムや学業要件を根本的
に変えなければならないような便宜を提供する必要はなく、またライセンス
条件を満たす必要もない。しかし、何を根本的に変えなければならないのか
の決定については、学生グループによる、指定のステップと正当かつ決定権
のあるプロセスを経なければならない。ADAは、大学等に何が根本的なも
のであるのかという命題を自ら問わせ、教育プログラムが目指す成果を達成
する別の方法を提供することを義務づける救済のための法律であることを忘
れてはならない。
教職員としての自分の役割はなにか?
学校のメンバーのひとりとして、教職員はこうした法律を遵守する学校側
で努力すべき主要な部分を占めている。人種・宗教・性・民族を理由に学生
を差別することは許されないのと同様、障害のゆえに学生を差別することも
許されないのである。障害のゆえに学生を差別しないということは、すなわ
ち相応の便宜「教育的配慮」および「介助支援具やサービス」を提供しなけ
ればならないということである。組織として一体であるということは、教職
員が不可欠なパートを占める共同責任を意味している。教職員として雇用さ
れていることは、その他の市民権法はもちろん、ADAとの関係において、
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共同責任を全うすべく組織のために尽くす義務があることでもある。
義務条項と禁止条項
義務条項
・
何か分からないことがあったとき、どのように進めてよいのか確信がも
てないときは質問すること。
担当の障害学生支援サービスセンターなどが力になってくれる。
・
適切と判定された支援計画に関しては、最後までやり抜くこと。
これには、クラスメートにノートテイキングを頼んだり、試験答案を障
害学生支援サービスセンターに渡したりして、筆記通訳者や点字を使用す
る、時間を延長するなど特別条件のもとで学生に試験を受けさせるといっ
た措置も含まれる。
・
多の学生に接するのと同じようにていねいな態度で接すること。
・
障害を持つ学生のプライバシーを尊重すること。
障害について他の学生に知られる必要はない。障害を持つ学生は、特例
措置を受けるために自身の障害について大学の担当係官に話しておく必要
があるものの、すべての人に話しておかなければならないわけではない。
教職員にあって障害に関する自分の知り得た情報はあくまで機密事項であ
る。
・
適切な質問をすること。
質問によって、自分の大学が、特定タイプの要請に今後、より継続的か
つより充実して応えていけるかが決まることがある。
・
大学のポリシーを学生が遵守するよう支援すること。
たとえば支援措置に対するすべての要請は障害学生支援サービスセンタ
ーを通すもので、教職員個人レベルで対応すべきでない。そして支援にお
いて実行可能な項目についての方針を貫くことで、学生、教職員さらに学
校を守ることになる。またさらに個々の教職員の負担を大きく減らすこと
になる。教職員はときとして、特別措置の適切性や、どのようにすればよ
いのかについて十分な情報を与えられていないことも多い。違反行為は、
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教職員が学校方針に従わなかったケースによく見られる。
禁止条項
・
障害を持たない他の学生たちに対する「公平さ」や自分の研究の自由を
なにかしら損ねてまで便宜を与えなければならないかをテーマとして正面
から論争に持ち込むことはしない。
こうした議論が無益なことにはいくつか理由がある。第一に、障害を持
つ学生に等しい教育の機会を与えるべきか、またその方法は、という問題
に論理的な議論を加えることは法的には意味を持たない。議会は、私たち
が社会全体として教育を平等に与えるにはどうすべきかを決定し、州の市
民権法を通過させたのである。
その法案は、逆に障害のない人々を阻害することなく障害者の権利を守
ろうとするものである。議会のこの努力に他のほとんどの州政府も賛同を
示している。第2に、学問の自由は州の市民権法に関して常に最優先とい
うわけではないということである。
・
学校の被指名人によって承認された教育的配慮を提供しないような決定
をすることをしない。そのようなことをすれば組織も教員個人も法的責任
を負うことになる。
・
学生に便宜を与えず放っておくことをしない。もしクラスメートでノー
トテイキングの協力をしてくれる者がいない場合、別の方法でそのノート
テイキングの手助けをしてくれる人を責任持って紹介しなければならない。
・
学生が講義を録音するのを拒否しないこと。障害を持つ学生によるテー
プレコーダーの使用許可を規定として定めず、教員がテープレコーダーの
使用を拒否してもよいとなどとする一般的なルールは、法的に効力がある
とは認められない。
・
配付資料のコピーを渡すのを拒む、板書した情報を声に出して聞かせる
ことを拒むことはしない。また、黒板に書かれたものを指しながら学生の
方を向かないなどの行為をしない。さらに対象学生にとって適切な手段で
あると認められた好意的な方法を拒むことをしてはいけない。
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・
試験時間の延長は、すべての学生に認められるべきという誤った考えで
試験時間の延長を拒むことをしてはいけない。
・
学生の障害に関する書類を個人的に確認するまで、その学生に対して特
例措置を与えないなどということをしない。ADAに照らしてサービスを
受ける資格があるかを判定するのは障害学生支援サービスセンターの担当
者の仕事であって、教職員の仕事ではない。
・
特定分野での学生の能力を決めつけてかかること。そんなことは学生に
はできないだろうという心配は往々にして事実からではなく、不安や思い
こみからくるものである。
These materials were developed in the U.S.A. by the Northeast Technical
Assistance Center (NETAC) of the National Technical Institute for the Deaf at
Rochester Institute of Technology in the course of an agreement with the U.S.
Department of Education. This tipsheet was compiled by Jo Anne Simon,
Attomey at Law, and translated into Japanese by Prof. Toshiaki Hirai a
faculty member at Shizuoka University of Welfare as part of the
PEPNet-Japan program--a collaborative effort of Tsukuba College of
Technology and PEN-International at NTID.PEN-international is funded by
grants from The Nippon Foundation of Japan to NTID.
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