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第 76 回かながわ保全医学研究会の概要 平成 27 年 8 月 8 日(土)午後

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第 76 回かながわ保全医学研究会の概要 平成 27 年 8 月 8 日(土)午後
第 76 回かながわ保全医学研究会の概要
平成 27 年 8 月 8 日(土)午後 2 時から 4 時まで
波止場会館 4 階小会議室B
参加者 4 名
○ それでは第 76 回研究会を始めます。
○ 本日、配布した資料を説明いたします。1 枚目の資料は、先日、神奈川県獣医師会を通
じて情報提供があったものです。アメリカで高病原性鳥インフルエンザの疫学調査を
行った報告書が出たことを紹介したものです。もうひとつも先日メーリングリストで
小泉さんに送っていただいたアメリカの疫学調査の報告書です。本日の内容ですが、
研究会の報告書のまとめの続きをやりたいと思います。家禽の鳥インフルエンザの発
生状況を家畜衛生統計で調べてみましたが、2011 年の発生状況がよくわかりません。
2011 年の全体数はわかりますが、何月にどこの都道府県で何件、何羽発生したのかの
詳細がわかりません。インターネット等で他の資料も調べてみましたが、どの資料も
微妙に数字がずれていて整理ができませんでした。特に月をまたいだような事例の計
上がどうなっているのかわかりません。家畜衛生統計が正式な統計なので、その数値
に合わせたほうがよいと思うのですが。
○ 結局、確認日なのか、処理が終わった日なのか、そういうこともありますね。
○ 各自治体からの個票にあたればよいのですが…。また、家畜衛生統計では「高病原性
鳥インフルエンザ」として計上されていて、
「強毒タイプ」であるかどうかはわかりま
せんが、前回、報告書に盛り込むこのデータは、
「強毒」、
「弱毒」の分けは必要ないと
いうことになったと思います。
○ 野鳥については、1件ずつ記載したところもありますし、数羽まとめて記載したとこ
ろもあります。同じ場所で同じ月に同じ種で発生しているものはまとめてしまってい
ます。
○ それは前回、まとめるということになったと思います。
○ そうですね。
○ 件数と個体数は難しいですね。
○ 表の「年月」というのも回収日なのか、確認日なのか、けっこうわからなかったりし
ます。
○ ふたつ必要ですね。
○ 回収日と確認日は調べればわかりますか。
○ 最近のものは「回収日」で統一していますが、昔のものはよくわかりません。
○ 発見日もありますか。
○ 発見日と回収日はほぼ同じですが、例えば発見して回収が翌日になるような場合も考
えられます。確認日はウイルスを確認した日なので、その日が月をまたいでいたりす
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るとずれたりします。ただ、だいたいこの月にこのくらいの発生があったというのは
わかるのでよいと思います。
○ 「年月」のところは注釈をつける必要がありますか。
○ そうですね。OIE で出ている海外の情報などもそんな感じです。回収日なのか確認日
なのか混ざっていることがあります。突き詰めていくと、いつ鳥が発症したのかわか
らないので、しょうがないということかもしれません。捕獲して発見した場合は、す
べて同じ日付になっています。
○ 表をエクセルにする場合は、種名とサンプル名と個体数はセルを分けたほうがよい。
検索しやすくしておいたほうがよい。1 羽死んだのか 50 羽死んだのかずいぶん違うと
思います。
○ それにも少し問題があって、ここの書いてある数値は、検査をした数なので、全部検
査をしていないこともあります。例えば 10 羽死んでいて、そのうちの 3 羽抜き取って
検査したような場合もあります。
○ 検体には糞も含まれていますね。
○ はい。
○ 発生場所と回収場所は違いますか。県をまたいでいるとか。発生場所として市レベル
まで入れてもよいのではないか。
○ 表中の「強毒タイプ」は削除してもよいかなと思います。というのは、初めは高病原
性の「強毒タイプ」と「弱毒タイプ」にしていたのが、途中から「高病原性」、「低病
原性」、「その他」と分けるようになったので、ここに記載してあるものはすべて高病
原性鳥インフルエンザなので、
「強毒タイプ」という記載は紛らわしいかと思います
○ そうですね。
○ 前回、マップをグレースケールに修正したほうが良いということになったので、この
ように修正しました。
○ こちらのほうが良いです。
○ メッシュの計算データは報告書の後ろに付けます。
○ AHP で算出した関与度が関係している式ですか。係数は四捨五入ですか。
○ そうです。
○ 問題は AHP の関与度算出の基になる対戦表のデータが分からないことです。残ってい
る対戦表のデータからは、関与度がこの割合になりません。もう一度、対戦表を探し
て確認します。
○ 「公園」は、あとから「公園」ではなくなりました。渡り鳥飛来地域ということでし
ょうか。
○ 結局、用語の定義をしていないので、整理されていないままです。だんだんいろいろ
な言い方をしてきました。初めは鳥が来るということで、水のある公園ということで
話し合っていましたが、話し合いを進める中で、公園と言ってきたのは、環境省のガ
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ンカモ調査地点と同じということになりました。
○ AHP で評価した「公園」と「ガンカモの調査地点」を同じ値で評価しています。
「ガン
カモの調査地点」としてあらためて計算し直したほうがよいのでしょうか。
○ 公園とガンカモ調査地点をイコールとして考えてきたと思いますので、あらためて計
算する必要はないと思います。AHP の数値はパーセント表示になりますが、計算式で
は有効桁数はどのようにとっていますか。
○ 計算式は 100%表示ではなく、1 になるようにしてあります。小数点以下3桁を四捨五
入しています。AHP の参考図書は小泉さんが紹介してくれて引用文献に載せました。
決めちゃおう君については、何のコメントもしていません。
○ 入れておいたほうがよいです。
○ インターネットで取ったので、それを入れておけばよいですね。
○ 解析には「決めちゃおう君」を使ったということを載せておけばよい。
「決めちゃおう
君」のアドレスを参考文献のところに載せる。URL を掲載するので参考文献ではなく
参考情報か参考資料になる。
○ あとは、喜田先生の記事を引用して、と書きましたが、そのものずばりの資料がなく
て、少し修正しました。喜田先生は、中国でワクチンを使うことに問題があるとしき
りに言っていて、家禽の中で人的に生み出されたものだというのは、口頭では言って
いるが文献になったものはなくて、それらしきものは「カモに害をなすことなく受け
継がれているウイルスが家畜や家禽に感染伝播して病原性を獲得することがある。特
にウイルスがニワトリ集団に侵入し数か月にわたってニワトリからニワトリへの感染
を繰り返すとニワトリに対する病原性を獲得することが経験されている」という記載
です。つまり、カモがもともと病原性がなく持っていいたウイルスがニワトリの中に
入ってニワトリの中で感染を繰り返すうちにニワトリに対して病原性が高いものが出
てきたということですね。
○ ニワトリの中で感染を繰り返す必要はあるのですか。
○ 繰り返す必要はあるようです。繰り返し感染していくことによって、病原性を獲得し
ていく。
○ 異種間の感染だったらカモで免疫抵抗ができているけれども、ニワトリはないから。
○ もともと異種間であると言うことになると、そもそも感染しないという種の壁があり、
感受性そのものが最初はあまりなくて、アタックを繰り返しているうちにニワトリに
順化していく。さらに馴れていくと体の抵抗性が出てきてうまく共存していくように
なるという途中の段階で宿主を殺してしまうのではないでしょうか。そのへんの機序
がよくわかりませんが。
○ 報告書の野鳥由来の部分の内容が言えなくなるということですか。
○ 喜田先生の前半部分は言えると思います。
○ 引用はできないですね。
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○ 文献を引用して「ニワトリからニワトリに感染を繰り返すとニワトリに対する病原性
を獲得する」というところは引用できると思います。
○ 集団ではないとウイルス摂取量が少ないということもあるのですか。
○ 文献には書いてないのですが、コメントなどではニワトリの健康状態が悪いとうつる
とかいうお話はされています。もっと探せば文献はあるかもしれませんが…。報告書
の後半部分の「それが野鳥に広がり…」というのは、喜田先生の論文とか記事からは
言えないと思いました。
○ ニワトリの中でぐるぐる感染を繰り返してニワトリに対する病原性が高まったという
のは、再現はされていないですよね。これはあくまでも仮説でしょうか。
○ そうですね。意見だと思います。実験で確認したということではないです。繰り返し
感染させて高病原化させたというのはないのではないでしょうか。ただ、ウイルスの
特徴として継代を重ねていくうちに変異して病原性が高まるということはあります。
○ 感染がつながっていかなければ、ウイルスはそこで絶滅してしまうので、次々に乗り
移れる宿主がいる状況が必要です。
○ 野鳥の場合は越冬地では密集していますが、繁殖地ではばらけているので、一年中ず
っと感染が継続していることはないのではないかと思います。
○ 高病原性になったものがまた野鳥に感染するのですか。
○ はい。もともと野鳥で高病原性化したわけではないと思います。
○ それが人を介して国内に入ってくることはないのですか。
○ あると思います。高病原性のウイルスが野鳥の中でも見つかっているので、つまり中
国などの家禽でばらまかれたものを野鳥が拾って飛んできているということだと思い
ます。
○ 高病原性の場合、野鳥は死なないのですか。
○ 死ぬ時もあります。特に H5N1 の時は死にます。
○ でも死んだら来ないですよね。
○ 死んだものは来ないですが、死なないもの、マガモなどは死なないです。死ぬものは
つい先日も中国でオオミズナギドリだったか大量に死んでいます。
○ それはニワトリ由来ですか。
○ もともとはニワトリ由来だと思いますが…。
○ 韓国などではニワトリよりもアヒルで発生が多く見られます。
○ アヒルは強いのではないですか。
○ アヒルは強いです。だから問題です。
○ アヒルの中で高病原化するということもあり得ますか。
○ 可能性はないのではないですか。
○ ニワトリからアヒルに高病原性のウイルスがいってもアヒルは生きているということ
ですか。
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○ アヒルの死亡事例も報告されています。何となくアヒルのほうが、抵抗性がありそう
な感じがします。マガモがもともとの種なので。
○ 日本でもアイガモなど危なそうですが、季節的にオーバーラップしないからよいのか
な。
○ 日本ならカルガモに注意が必要ではないですか。けっこうどこにでもいて、そこに留
まっている。
○ アイガモなどは調べていないのでしょうか。
○ 調べているかもしれません。鳩も調べていますから。
○ アイガモとニワトリの接点を調べたら面白いかもしれません。
○ アイガモをどのように繁殖させているのかわかりませんが、想像するに種オスとなる
マガモにメスのアヒルを交配して、採卵しそれを孵化させて雛をとり、それをアイガ
モ農法などの農家に出している、と考えるとアイガモと野生のマガモの接点は少なそ
うです。実際にどのように生産しているのかわかりませんので何とも言えません。ア
イガモ農法の雛は野に放たれますが、その季節は冬鳥のいないシーズンです。
○ 先ほどの話に戻りますが、報告書の野鳥由来の記述については、喜田先生の文献から
は言えない記述も含まれているので、その部分を削るということですか。
○ そうではなくて、野鳥のせいではないということが文書の中には入っていないので入
れたいと思ったのですが、それを裏付けるような明確な文献がないということです。
○ 報告書では「カモ科鳥類」となっていますが、それでよいですか。カモ目ではないで
すか。今はガンカモとは言わないです。
○ 環境省の調査の題名は何でしたか。
○ ガンカモ類生息調査です。
○ 今、分類も変わってきています。
○ 名称を統一しておかないといけないですね。
○ カモ類…。
○ 今はカモ目。類も目も一緒ですが。
○ では、カモ類に統一します。
○ 高病原性鳥インフルエンザの自然宿主はカモ類の鳥だけでよいですか。
○ いろいろ感受性はあるがそれが全部自然宿主かというとそうではないと思いますが…。
○ カモ類ではよいのではないですか。
○ カモ類等の水鳥ということでよいのではないですか。
○ あとは、参考文献として探さなくてはいけないのは、マガモ 100 羽に 1 羽というのが
探せませんでした。
○ マガモの感染率の論文はありますよね。
○ たぶん探せばあると思います。
○ 調べましょうか。
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○ お願いします。
○ では、これで本日の結果も踏まえ整理した報告書をメーリングリストで流して見ても
らいましょうか。
○ 報告書の容量がかなり大きくてメーリングリストでは送れないです。
○ ギガファイル便というのがありますよ。無料で。
○ 研究会のブログには載せられないですか。
○ 以前にブログに未定稿のものを載せるのはいかがなものかという議論があったのと、
ブログには 1 メガを超えるものは添付できないので、無理と思います。
○ ギガファイル便を利用して送るようにします。
○ 次回は9月5日の開催です。
○ 本日はお疲れ様でした。
(事務局からのご注意)
本稿は当日の録音をもとに事務局で作成しました。当日の議論がすべて網羅されているわけで
はありません。録音状態が悪く聞き取れない部分や固有の施設等が特定されるような部分は掲載
していません。また、事務局が発言内容を簡略化したり、表現を一部変えて記載してある部分も
あります。
そのことをご了承の上、当日の議論の流れを理解していただくための参考にしてください。
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