...

事例推薦書 No.19(PDF) - HCD-Net

by user

on
Category: Documents
9

views

Report

Comments

Transcript

事例推薦書 No.19(PDF) - HCD-Net
*は記⼊必須事項です
HCDアウォード ベストプラクティス推薦書
事例名*
⼤規模なSI/ソフトウェア開発PJに適したHCD普及展開施策
いづれかを削除*
記⼊者⽒名*
⾃薦
中尾 勇介
記⼊⽇*
2014年
1⽉ 28⽇
推薦理由*:
ISO9241-210で規定するプロセスの特定*: 5つのサブ
HCD活動として優れている点、今後のご⾃⾝の活動において参考になる点などを記述して下さい。
プロセスの中で該当する部分を特定し 活動の詳細をご記述く
―――――――――――――――――――<<推薦理由>>――――――――――――――――――
PJの規模が⼤きくなるほど、ステークホルダも増加し、ニー
―
ズや共有が複雑化するため、プロセスサイクルの実施が難し
■概要
くなる。今回の事例は、SI/SW開発PJでの上記解決に取り組
我々は「開発者が直接扱うアイテムにHCDを刷り込ませる」というアプローチで、HCDに詳しくない
んでいる。
開発者向けのHCD⼿法を構築した。本HCD⼿法は、UX向上だけでなく、開発者へのHCD⼿法の普及に 「1.⼤規模PJに適合するHCD⼿法」では主に、開発現場にお
も効果があった。
ける顧客ニーズや利⽤者の情報・ニーズの理解と把握、共有
このHCD⼿法を構築したアプローチは、SI/ソフトウェア(SW)開発業界を中⼼にHCD普及展開施策と
に取り組んでいる。既存の開発プロセスを変更しまくても、
して有効だと考え、⾃薦する。
余計な⼿戻りを抑えられる⼿法を適⽤し、HCDを実践してい
※下につづく。
る。
■背景
「2.要件定義漏れ防⽌や仕様書品質向上を実現するHCD⼿
NECソリューションイノベータには、HCDの専⾨組織には備わっており、SI/SW開発プロジェクト
法」では主に、開発現場における⽬標の明確化と、プロトタ
(PJ)をサポートする体制が整っている。しかし、PJが⼤規模になればなるほど、専⾨家が全体に対応し イプによるフィードバック解決に取り組んでいる。HCDに詳
きれず、UX/ユーザビリティ品質が達成されなくなることが多くなり、結果として顧客満⾜度の観点か しくない開発者であっても、UXを考慮したアウトプットが、
ら⼿戻りになってしまう課題があった。PJの開発者に⽀援してもらうにしても、担当の作業で精いっ
テンプレートやパターンベースで設計・レビューできるよう
ぱいで時間がとれないだけでなく、⼊れ替わりも頻繁に発⽣したり、作業者ごとに技術⼒や意識が異
に、開発プロセスに組み込んで実践している。
なったりするため、教育や説明も浸透しないという課題があった。
■アプローチ
そこで、NECソリューションイノベータでは、開発者がHCDを「無意識に」実践できるHCD⼿法の構
築を⽬指している。今回、⻑年のプロジェクトサポート等の経験をもとに、ツールやドキュメントと
いった開発者が直接扱うアイテムにHCDを刷り込ませるというアプローチを採⽤して、HCD⼿法を構
築した。
■結果
⼤規模PJ開発現場向けに本アプローチを提案・実践した。結果として、⼿戻りにつながるUX上の問題
点を40%削減できることを実証した。この取り組みは、JISA主催のSPES2014において、ベストプラ
HCDアウォード ベストプラクティス推薦書
*は記⼊必須事項です
クティス賞を獲得している【参考資料1】。
また、本アプローチで開発したHCD⼿法は、2014年3⽉時点で弊社社員約5000名の約1割にあたる約
500名の利⽤実績があった。さらに、社員が約12000名となった2014年度の10か⽉だけで約300名の
新規利⽤者を獲得した(累計約800名が利⽤)。⼀⽅、本アプローチを適⽤せずに開発したHCD⼿法
は、約30名の新規利⽤者獲得に留まる(累計約150名)。普及展開の速度は、約10倍の差があった。
本⼿法は、NECにも有⽤性が認められ、現在ではNECグループの標準ツールとなった。
――――――――――――――――――<<実施グループ>>―――――――――――――――――
―
最終成果物の概要*:
専⾨家としての評価*:評価するポイントやできばえ、表彰
概要を説明し 成果物を⽰す画像を貼ってください。ウェブページの場合はURLを明記して下さい。
による波及効果などをご記述ください。
本アプローチで開発した⼿法は⼤きく「A.⼤規模PJに適合するHCD⼿法」と「B.要件定義漏れ防
評価するポイントは、以下4つである。
⽌や仕様書品質向上を実現するHCD⼿法」の2種類がある。以下に各⼿法について説明する。
①HCD普及活動を広いターゲットに適⽤できたこと。ター
ゲットとしている"HCDに詳しくない開発者"には、HCDに否
<A.⼤規模PJに適合するHCD⼿法>
定的だったり、モチベーションをもたない普及活動の難しい
まず背景として、過去20個のPJを調査した結果、UX上の問題点が342件あったことを抽出した。そし 開発者も含まれる。
て、そのうち半分の50%に、遅延や⼿戻りといった重⼤な問題点があったことがわかった。
②今回のアプローチが、UX向上に有効であることを⽰したこ
さらに、既存のHCD⼿法の適⽤では、「顧客側にレビュー時間を割いてもらえない」、「顧客側や開
と。特に開発したHCD⼿法はUX上の問題点を40%削減でき
発現場の経験になく⼿法を受け⽌められにくい」、「顧客側も開発現場も⼯数や期間が限られてい
た。
る」といった実現可能性の問題が頻出した。
③今回のアプローチが、HCDの普及に有効であることを⽰し
たこと。特に開発したHCD⼿法は約10倍の速さで普及してい
そこで、2つの⼿法を提案・実践した。
る。
1つが、代表画⾯や機能などの仕様を検討する際に、ユースケース、利⽤者、⾏動といった利⽤状況と ④今回のアプローチが、汎⽤性の⾼い⽅法であること。"開
対応づけることで、利⽤状況に対する仕様の抜け漏れを⾒える化する顧客体験型設計法である。そし
発者が直接扱うアイテムにHCDを刷り込ませる"というアプ
てもう1つが、優先度や重要度などをレイアウトで表現したUI標準ドキュメントを⽤いて、開発現場で ローチは、様々な開発現場に対しても応⽤が可能と考える。
の直感的な情報共有を容易にするUX共有⼿法である。
実際に⼤規模PJへ適⽤した結果、顧客の潜在的なニーズが抽出され、他のフェーズでの検討漏れの発
表彰によって、このアプローチが周知されることで、HCDに
覚にも貢献できた他、フェーズ間で作業者が多数⼊れ替わるなかでも、随時変化する顧客要件を維持
詳しくない開発者が実践できるHCD⼿法の開発が社内外で活
するのに効果を発揮した。上記で述べた342件の問題点についても、およそ40%である148件が上記⼿ 性化されることが期待される。そして、利⽤者に"使いにく
法で抑えられる⾒込みを算出できた。
い""もう使いたくない"と思われてしまうシステムが少しでも
なお詳細は、SPES2014の発表資料ほか、JISA会報N0.115(2014/8)でも公開されている。
なくなることに貢献できると考える。
http://www.jisa.or.jp/event/spes/tabid/266/Default.aspx
*は記⼊必須事項です
HCDアウォード ベストプラクティス推薦書
<B.要件定義漏れ防⽌や仕様書品質向上を実現するHCD⼿法>
以下2つの現場課題に着⽬した。
①お客様との意識合わせが不⼗分なために発⽣する、要件定義漏れ
②画⾯仕様が不⼗分なために発⽣する、画⾯の⼀貫性⽋如や、仕様書と実装結果のギャップ発⽣
①については、プロトタイプを作成することで解決することが⼀般的だが、プロトタイプで設計した
画⾯のユーザビリティに問題があると、その部分に注⽬が集まり、本質的な要件についての議論が進
みにくくなる。しかし、プロトタイプの作成に多くのリソースを割けられない場合も多い。そこで、
HCD専⾨家のUI設計のノウハウを基に、ユーザビリティを考慮したUIテンプレートやUI部品、配⾊パ 同意事項*:
ターンを作成し、プロトタイピングツールに組み込んだ。このツールを使うことで、プロトタイプの ご推薦いただいた事例は、推薦者名と共に、HCD-Net内で
ユーザビリティと作成コストを共に改善できる。【参考情報2:ユーザビリティを考慮したHTMLモッ 公開いたします。公開の可否について、以下のいづれかを○
クアップ作成⽀援ツール】
で囲んでください。
②については、UI標準を作成することで解決することが⼀般的だが、開発規模が⼤きくなればなるほ
どUI標準の管理や適⽤にかかる⼿間が増える。そこで、HCD専⾨家のUI標準管理のノウハウを形式知
化して、様々なUI要素(画⾯遷移、画⾯共通レイアウト、画⾯固有レイアウト、UI部品やそのサイ
ズ、⾊、配置など)を管理・適⽤する機能を仕様書作成ツールに組み込んだ。このツールを使うこと
で、画⾯間の⼀貫性と、UI標準管理・適⽤コストを共に改善できる。【参考情報3:UI標準に従った画
⾯仕様書作成⽀援ツール】
受付番号:19
○承諾する ・ 承諾できない
HCDアウォード ベストプラクティス推薦書
事例名*
*は記⼊必須事項です
参考資料:以下の欄内に添付してください。画像は合計1GB以内にしてください。
(必須)本申請に記載されたプラクティスの成果物(製品やウェブサイトなど)の画像。
SEに適したHCD⽀援⼿法開発による、⼤規模なSI/ソフトウェア開発PJの失
(任意)本申請に記載されたプラクティス事例が紹介されている新聞・雑誌・ウェブペー
ジの記事や論⽂など。
【参考資料1:UX向上⼿法提案・実践】
【参考資料2:ユーザビリティを考慮したHTMLモックアップ作成⽀援ツール】
http://www.nec-solutioninnovators.co.jp/rd/vtc/uxi/ux.html
【参考資料3:UI標準に従った画⾯仕様書作成⽀援ツール】
【参考資料4:HCD専⾨家でないSEがプロトタイピング⽀援ツールを使った事例】
受付番号:19
Fly UP