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ルームシェアをしていた友人が 出て行ってしまったら?

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ルームシェアをしていた友人が 出て行ってしまったら?
暮らしの法律
第
30 回
山村 行弘
Yamamura Yukihiro
弁護士。第一東京弁護士会所属
一般民事・刑事事件、知的財産、法律相談
などを手がける。
協力:萩谷雅和(萩谷法律事務所)
ルームシェアをしていた友人が
出て行ってしまったら?
?
相談者の
気持ち
友人と2人で2DKのアパートを借りて家賃を折半してきました。ところが、友人が
翌月の家賃を置いて出て行ってしまいました。1カ月経っても次のルームメイトが
見つからず困っています。出て行った人に家賃を支払ってもらうことはできますか。
まずはルームシェアを行うに当たって大家と
人)に転貸料を支払って、物件
取り交わした契約書を確認してください。ルー
の又貸しを受けるというもので
ムシェアには、本人と友人との2人が共同で借
す。
本件では家賃を半々で負担し
主になる場合と、本人と友人のどちらか一方の
ていたのですから、本人と友人
みを借主とする場合が考えられます。
2人が共同で借主になる場合は、家賃の支払
との間に家賃半額相当額を転貸料とする合意が
いは連帯債務となり、各自がそれぞれ家賃全額
あったものと考えられます。したがって、友人
を支払う義務を負うことになります(民法 432
が出て行った後も本人と友人との間の転貸借契
条)。この場合、
借主の一方が家賃全額を支払っ
約が終了しない限り、友人には転貸料の支払い
たときは、家賃を支払った借主は、他方の借主
義務が残り、引き続き友人に対する家賃半額相
に対して、その者の負担分について支払いを求
当額の請求が可能です。
では、友人が借主となっていた場合はどうで
めることができます
(同 442 条1項)
。
本件では、家賃は半々となっていたのですか
しょうか。この場合、本人は友人から転貸借を
ら、本人が友人の分も含めて家賃全額を大家に
受けているということになりますが、本人が大
支払えば、友人に対して、家賃の半額を請求す
家に対し、友人に代わって家賃全額の支払いを
ることができます。そして、友人が出て行った
行うことは可能です。そしてその場合、本人は
としても、本人および友人の2人を共同の借主
友人に対して、転貸料
(家賃半額相当額)
を超え
とする賃貸借契約が存続する限り、友人の家賃
る分について請求することができます。ただ、
支払い義務は残りますので、上記のような友人
借主である友人が出て行ってしまったような場
に対する家賃半額の請求は可能です。
合、借主不在で従前の賃貸借契約が維持される
ことは現実的でありません。この場合は、本人
次に、本人のみが借主となっている場合では、
法的には本人が大家から借りた部屋を友人に又
を借主とする賃貸借契約を新たに締結し直すこ
貸し(転貸借)したことになります。
ととなるでしょう。
転貸借は、転借人
(この場合は友人)
が借主
(本
2014.11
国民生活
35
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