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ユーザーガイド - mfg-wiki
ユーザーガイド intera 3.3 ソフトウェア 最終更新日:2016 年 3 月 25 日 Sawyer ユーザーガイド - リビジョン F ようこそ! Sawyer をご購入いただき、ありがとうございます。当社の革新的な新しいハイパフォーマンス のこの協調型ロボットは、マシンや回路基板のテストなどのタスクを正確に実行できるように設 計されています。 このユーザーガイドは、ロボットの機能概要を説明し、セットアップのプロセスをサポートし、 Sawyer に対するタスクのトレーニングを指示し、必要となる基本的なトラブルシューティング を概説するものです。 最新かつ詳細な情報は、次のアドレスにある当社の Intera MFG Wiki のページを参照してくださ い:mfg.rethinkrobotics.com 安全に関する記述 ISO 10218-2 に適合するには、それぞれのアプリケーションのリスク評価を行い、必要な安全性 能および保護を判断する必要があります。ANSI RIA R15.06-2012 は、ISO 10218-1 & 2 の米国 における適用です。 ユーザーは、ロボットのトレーニングやモーションの実行時に十分する注意する必要がありま す。負傷のリスクは、カスタム製のエンドエフェクタを使用する場合に高まり、エンドエフェク タの動き、潜在的に危険な作業部品にも危険があります。 Rethink Robotics では、産業環境で使用されている他の装置と同様に、ロボットの操作をする際 に安全メガネを着用することを推奨しています。 Sawyer を組み込むシステムの安全性については、システムを組み立てる人が責任を負います。 詳細な情報は、Rethink Robotics 安全ドキュメントを参照してください。 一般情報 注意:この記号は、装置に危険が存在することを示します。この文書に、潜在的な 危険の性質と、そうした危険を回避するために取るべき動作に関する情報が記載されています。 意図される使用方法 : Sawyer は製造で機械制御アプリケーションで使用することを意図した協調型ロボットです。 Sawyer は、安全定格有効化装置付きでは提供されていません。Sawyer は、本来的 に安全設計措置やアクティブな安全性定格限定機能が十分に存在し、作業セルの危険に関連する リスクを適切の低減するに十分な応用方法で使用することが意図されています。インテグレー ターが、リスク評価を通じて、特定の応用方法で、容認可能なレベルにリスクを低減するため に、有効化装置の使用が必要であると判断した場合は、安全定格有効化装置を Sawyer に接続す る方法について、代理店または Rethink の顧客サービスに連絡してください。 メーカー所在地: 技術的なサポートについては、以下の住所に連絡してください: Rethink Robotics, Inc. 27-43 Wormwood St Boston, MA 02210 Web サイト:http://www.rethinkrobotics.com 顧客サポート:http://www.rethinkrobotics.com/customer-support/ 免責事項 当社は、このマニュアルに記載されている情報が正確であるようにあらゆる努力をしています。 この出版物には、技術的または印刷上の間違いやその他の不正確性が含まれている可能性があり ます。Rethink Robotics, Inc® は、このマニュアルで説明している製品や、このマニュアル自体 を、随時、通知なしで変更することがあります。 このドキュメントの新しいバージョンは、次のアドレスから入手できます: mfg. rethinkrobotics.com/wiki/Support_Resources Sawyer の概要 6 Sawyer の設定 6 電源 6 電源断 7 アーム終端ツール 7 アーム終端ツールの取り付け 7 グリッパー - 設定 8 真空グリッパーを設定する方法: 8 電気パラレルグリッパーを設定する方法: 11 カスタムグリッパーの設定 12 グリッパーの設定の復元 13 Sawyer の概要 14 Sawyer ロボットのハードウェア概要 寸法 14 15 Sawyer のリーチ 16 Sawyer の用語 17 作業スペースおよびロボットのジョイントの制限 17 ヘッド 18 コントローラ 18 ナビゲータ 20 トレーニングカフ 22 ブレーキ 22 アクティブ衝突回避 23 付属しているアクセサリ: 23 ツールプレート 23 オプションのアクセサリ: 24 Sawyer の操作方法 25 トレーニングカフの使用 25 物体を掴む 25 Sawyer の操作 26 目の表現 26 Sawyer のライトの色および状態 27 混乱している顔のメッセージ 28 「電球」のヒント 28 安全上のシンボル 内容 29 1 Intera 3.3 Sawyer クイックスタート・チュートリアル 30 すぐにタスクを実行する 30 Sawyer をオンにする 30 アームの移動 32 新しいタスクを作成する 33 タスクを実行する 37 Intera の概要 38 Intera とは? 38 基本:タスクとは? 38 基本:アクションとは? 39 ラベリングアクション 40 基本:サブタスクとは? 41 ナビゲーション:メイン画面 42 ナビゲーション:タスクマップ 43 ナビゲーション:タスクギャラリー 46 ナビゲーション:設定 51 Sawyer のバージョン情報 51 ハードウェア設定 51 詳細 52 ロック / ロック解除 53 Intera でのタスクのトレーニング 54 ピックおよびプレイスのトレーニング タスクの名前の変更 58 54 ホールドアクションのトレーニング 60 Sawyer のホールドの実行をトレーニングする方法 61 ホールドアクションの並び替え、ホールド時間の追加 62 ピックまたはプレイスのアクションのグループのトレーニング アクショングループのトレーニングを行う方法 64 63 パスの作成:パス、ウェイポイント、ポーズ 65 Sawyer のカスタムパスを作成する方法 66 ベストプラクティス:ウェイポイントの作成 69 パスを練習する方法 69 ウェイポイントを変更する方法 71 パスを変更 ( 練習および再トレーニングを含む ) する方法 73 内容 2 Intera 3.3 Intera でのアクションの変更 81 ピックアクションの変更 81 プレイスアクションの変更 82 カウントの変更 85 アクションを変更 / 練習する方法 85 ナッジ 87 アクションに詳細な変更を行う方法 ( 詳細設定画面 ) 93 タスクおよびサブタスクの管理 97 タスクボタンバー 98 サブタスクボタンバー 99 グリッパーのパラメータの変更 100 カメラの設定 103 物体のピックを試みる回数の変更 104 モーションプリセット 105 タスクレベルでモーションプリセットを変更する方法 106 アクションレベルでモーションプリセットを変更する方法 107 物体およびカスタムグリッパーの重量の指定 物体の重量を指定する方法 109 ロボットポジショニングシステム 概要 108 111 111 ロボットポジショニングシステムを使用する場合 112 ランドマークを作成する方法 113 ランドマークを作成する別の方法 115 ランドマークをアクションに関連付ける方法 ランドマークを再登録する方法 117 118 ロボットポジショニングシステム - ベストプラクティス ロボットポジショニングシステムに関する FAQ 121 122 応用例 123 正確性が必要な備品にパスを配置する 123 信号 125 信号の操作 125 内部信号 127 信号の作成 130 信号の割り当て 132 内容 3 Intera 3.3 I/O デバイス 135 コントローラ I/O 135 I/O 配線図 138 外部 I/O 140 安全定格コントローラ 143 信号およびその定義 148 用語 148 信号のタイプ 149 タスク要素の詳細 151 信号 152 タスク 152 サブタスク 154 グリップアクション:ピック、プレイス 155 その他のアクションホールド 156 FAQ - 信号およびその定義 157 Sawyer のメンテナンスおよびサポート Sawyer の適切な電源オフ 161 161 Sawyer のメンテナンス 161 Sawyer のクリーニング 161 ソフトウェアのアップグレード 162 タスクのインポートおよびエクスポート 162 ロボットからタスクをエクスポートする方法 163 ロボットへタスクをインポートする方法 164 混乱している Sawyer を助ける お楽しみください! 付録 A:用語集 ***** 用語集 166 167 168 168 付録 B:サポートおよび保証 169 付録 C:インテグレーター向けの情報 171 インテグレーター向けの情報 リスク評価 171 内容 171 4 Intera 3.3 ユーザーの考慮事項 172 エンドエフェクタ 173 設置 173 PPE 173 一般的な安全性 173 SOP およびトレーニング 174 周知 174 有用なリファレンス 175 付録 D:定格 176 電源定格 I/O 定格 環境定格 : 176 176 177 付録 E:警告および注意 警告および注意 内容 178 178 5 Intera 3.3 Sawyer の概要 Sawyer の設定 ロボットを設置し操作する前に、必ずこの文書にある安全ガイドを確認してください。 Sawyer を設定するには: • • ロボットと共に出荷されるインストールカードを探します。指示に従って台座 (注文している場合) を組み立て、Sawyer を台座または代わりの作業面に取り付 けます。 グリッパーキットに含まれている説明書に従って、グリッパーを取り付けます。 最新の情報については、次のアドレスにある当社の wiki のサポートリソースのセクションを参照 してください:mfg.rethinkrobotics.com/wiki/Support_Resources。 電源 Sawyer は、アース端子を組み込んだ取り外し可能な電源ケーブルを同梱して出荷されます。Sawyer の電源ケーブルは、ロボットの動作中に簡単にアクセスできる、装置のそばに取り付けられたアー ス付き電源コンセントに接続する必要があります。必ず Rethink 純正電源ケーブルを使用してくだ さい。Sawyer は、100VAC - 240VAC 単相電源に接続できます。 Sawyer の概要 6 Intera 3.3 電源断 通常の状態では、Sawyer は Intera のナビゲータコントロールのシャットダウンオプションを選択 することで電源を切ることができます。 Sawyer は E-Stop 装置を同梱しており、緊急時に Sawyer のアクチュエータから電源をきるために 使用できます。E-Stop 装置は、ケーブルで Sawyer のコントローラボックスに接続するので、柔軟 に配置できます。E-Stop 装置は、Sawyer の作動中にオペレータのアクセスが難しくなる方法で配 置しないでください。 緊急時には、Sawyer の電源コードを交流コンセントから取り外すことで、システム全体の電源を切 ることができます。」電源プラグは、Sawyer の作動中にアクセスが難しくなるコンセントに接続し ないでください。 アーム終端ツール 「アーム終端ツール」とは、ロボットのアームの終端に取り付け、ロボットと環境の中にあるパーツ の相互作用を可能にするものを意味する用語です。Rethink では、電気パラレルグリッパーキット や真空グリッパースターターキットなど、Sawyer で使用するオプションアクセサリを販売していま す。これらのアクセサリを Sawyer に接続する方法については、関連する Rethink Robotics ガイド を参照してください。また、カスタム製やサードパーティ製のアーム終端ツールを Sawyer に取り 付けることも可能です。 重要:アーム終端ツールをロボットに取り付ける場合、長さと重量を正確に設定することが必須で す。そうすることで、ロボットの性能と信頼性を最大化できます。以下のステップに従って、選択 したアーム終端ツールを設定してください。 アーム終端ツールの取り付け Sawyer のエンドプレートは、ISO 9409-1-40-4-M6 標準ボルトパターンに従って、M6 ボルトで取 り付けるように設計されています。サードパーティ製やカスタム製のアーム終端ツールを取り付け る場合、このプレートに直接取り付けることができます。 Sawyer の概要 7 Intera 3.3 Rethink アーム終端ツール (いわゆる、「Baxter グリッパー」) を使用する場合、まず、Sawyer と共 に出荷されるアクセサリボックスに収納されているアダプターツールプレートを取り付ける必要が あります。次に、Rethink グリッパーをアダプタープレートに取り付けます。 Rethink Robotics グリッパーキットに含まれている指示に従って Rethink Robotics グリッパーを取 り付けてから、グリッパーを設定する必要があります。 グリッパー - 設定 Rethink グリッパーを取り付けると、ロボットがグリッパーのタイプを自動的に検出し、設定に関 するプロンプトを表示します。画面上の指示に従い、グリッパーの長さと重量を入力します。グリッ パーの設定プロセスでは、Baxter グリッパーアダプタープレートならびにアーム終端ツールによる 追加の長さおよび重量を入力することが重要です。 Intera ユーザーインターフェース (UI) でアーム終端ツールを設定するには、[Settings (設定)] > [Configure End Effectors (エンドエフェクタの設定)] と移動します。グリッパーの長さと重量を入力 する必要があります。 アーム終端ツールを取り外さずにそのコンポーネントを変更する (真空カップへの延長の追加など) に は、[Settings ( 設定 )] > [Hardware Settings ( ハードウェア設定 )] > [Configure End Effectors ( エンド エフェクタの設定 )] と移動して、再設定します。これを行わないと、ロボットがピック、プレイ ス、ホールドのために達成されているトレーニング済み位置に到達できない可能性があります。 Sawyer のエンドインストールに真空グリッパーを装備する場合は、必ず清潔な空気が Sawyer の空 圧システムに供給されるようにし、最大空気圧が 90 PSI を超えないようにしてください。 真空グリッパーを設定する方法: 1. グリッパーが物体をつかんでいるなら、その物体を放します。 2. まだオープンでないなら、[Main Screen (メイン画面)] > [Settings (設定)] > [Hardware Settings (ハードウェア設定)] > [Configure End Effectors (エンドエ フェクタの設定)] とスクロールします。 Sawyer の概要 8 Intera 3.3 3. 立っている位置に応じて、グリッパーの設置や調整が必要なら、[Behind (後方)] または [Front (前方)] を選択します。Sawyer が、自動的にハンドを、正面または 後方の離れた側面のどちらかへ移動させます。 注意:また、手動でアームの位置を変更させて、グリッパーへアクセスすることもでき ます。 4. [Length (長さ)] を選択してから、測定するべき場所を図示している下の図に基づ いて、グリッパーの長さを入力します。 注意:独自のアダプターツールプレートを使用している場合、必ず設定時にそのサイズ や重量を考慮してください。 Sawyer の概要 9 Intera 3.3 5. [Done (完了)] をクリックしてから、真空カップの [Weight (重量)] アイコンを選択 します。 6. グリッパーの重量を入力し、[Done (完了)] をクリックします。 Sawyer の概要 10 Intera 3.3 7. [Train (訓練)] をクリックします。 Sawyer が学んだとおりに、グリッパーが回転します。 電気パラレルグリッパーを設定する方法: 電気パラレルグリッパーは、真空グリッパーと同様に設定します。ただ、グリッパーの長さと重量 を入力するだけです。 1. まだオープンでないなら、[Main Screen (メイン画面)] > [Settings (設定)] > [Hardware Settings (ハードウェア設定)] > [Configure End Effectors (エンドエ フェクタの設定)] とスクロールします。 2. 立っている位置に応じて、グリッパーの設置や調整が必要なら、[Behind ( 後方 )] または [Front (前方)] をクリックします。Sawyer が、自動的にハンドを、正面ま たは後方の離れた側面のどちらかへ移動させます。また、手動でアームを移動し て、グリッパーへアクセスすることもできます。 Sawyer の概要 11 Intera 3.3 以下は、電気パラレルグリッパーキットの各コンポーネントに関する重量と長さです: コンポーネント 重量 (キログラム) 長さ (ミリメートル) フィンガーなしの電気パラレル グリッパー ワイドショートフィンガー ナローショートフィンガー 0.3 Kg 43 mm 0.02 Kg 73 mm 0.01 Kg 73 mm ワイドロングフィンガー 0.02 Kg 112 mm ナローロングフィンガー 0.02 Kg 112 mm 注意:独自のアダプターツールプレートを使用している場合、必ず設定時にそのサイズ や重量を考慮してください。 3. [Length (長さ)] を選択してから、測定するべき場所を図示している図に基づい て、グリッパーの長さを入力します。 注意:Rethink 電気パラレルグリッパーの長さと重量を入力する画面は、Rethink 真空グ リッパーの入力画面と同じです。 4. [Done (完了)] をクリックしてから、グリッパーの [Weight (重量)] アイコンを選択 します。 5. グリッパーの重量を入力し、[Done (完了)] をクリックします。 6. [Train (訓練)] をクリックして、グリッパーの設定を完了します。 カスタムグリッパーの設定 また、たとえば外部 I/O で起動する空圧式グリッパーなどのカスタムグリッパーを Sawyer に取り 付けることも可能です。この場合でも、Rethink グリッパーの設定、トレーニングで使用したのと 同じ画面を使って、このグリッパーを設定、トレーニングする必要があります。 1. [Main Screen (メイン画面)] > [Settings (設定)] > [Hardware Settings (ハードウェア 設定)] > [Configure End Effectors (エンドエフェクタの設定)] とスクロールします。 2. グリッパーを、Sawyer のアームの端に設置します。立っている場所に応じて、 [Behind (後方)] または [Front (前方)] をクリックします。Sawyer が、自動的にハ ンドを、正面または後方の離れた側面のどちらかへ移動させます。 注意:また、手動でアームの位置を変更させて、グリッパーへアクセスすることもでき ます。 Sawyer の概要 12 Intera 3.3 3. [Length (長さ)] を選択してから、グリッパーの長さを入力します。(測定するべき 場所が図に示されています。) 4. [Done (完了)] をクリックしてから、グリッパーの [Weight (重量)] アイコンを選択 します。 5. グリッパーの重量を入力し、[Done (完了)] をクリックします。 6. [Train (訓練)] をクリックして、グリッパーの設定を完了します。 注意:起動していないグリッパーを使う場合、使用性と性能を向上させるために、必ず重量および 長さを適切に調整します。 グリッパーの設定の復元 Rethink グリッパーを取り外して、再度取り付ける場合、再設定のプロセスは不要です。この機能 により、グリッパーを取り付けて、速やかに作業に戻ることができます。グリッパーを再取り付け する場合、Sawyer がそのタイプの最後のグリッパーの情報を表示して、確認を依頼します。 注意:[Restore Gripper Configuration (グリッパー設定の復元)] 機能は、Rethink 以外の アーム終端ツールでは動作しません。 以前と同じグリッパーを設置する場合、[Yes (はい)] を押して、ロボットに保存されているエンドエ フェクタ設定値を使用します。異なるグリッパーを使用する場合は、[Configure (設定)] ボタンを選 択します。グリッパーに適した長さおよび重量の値を入力すると、Intera UI がエンドエフェクタ設 定画面をガイドします。 注意:カスタムフィンガーの長さがサポートされていて、ソフトウェアに入力すること はできますが、現在のソフトウェアではカスタムの幅はサポートされていません。 Sawyer の概要 13 Intera 3.3 Sawyer の概要 Sawyer ロボットのハードウェア概要 Sawyer の概要 14 Intera 3.3 寸法 Sawyer の概要 15 Intera 3.3 Sawyer のリーチ Sawyer の概要 16 Intera 3.3 Sawyer の用語 作業スペースおよびロボットのジョイントの制限 所定の場所で Sawyer がアクションを実行できる能力は、アームの物理的な制限によって影響を受 けます。アクションのトレーニングを行う場合、以下を考慮してください: • • • J6 以外のロボットの各ジョイント、リスト/トレーニングカフは、最大で 350 度 回転できます。こうした限度の角度に近づくほど、ロボットがアクションのト レーニングをできなくなる可能性が高くなります。 Sawyer が場所に到達していないことに気付いた場合は、場所をロボットに近づけ るか、場所を再トレーニングしてください。 トレーニングカフは 540 度回転できます。トレーニングの際、トレーニングカフ の方向がその制限近くまでひねられている場合、ロボットはタスクの実行が困難 になります。 Sawyer の概要 17 Intera 3.3 ロボットの最大に利用可能な作業スペースの端に近づくほど、アクションが可能な垂直方向の範囲 が狭くなります。 また、ロボットのソフトウェアは、衝突回避を含めて、アームの移動や能力を制限できます。たと えば、アームが自分で損傷しないようにするため、ロボットを間違えてトレーニングすることはで きません。また、ディスプレイの左側のビジュアル表示には、ジョイントの制限に達したことが示 されます。 ヘッド Sawyer の「ヘッド」は、ロボットの上部に位置する LCD ディスプレイです。そこにはグラフィカ ルユーザーインターフェース (GUI) があり、これを通じて、Sawyer のメニューや目の表現を確認し たり、画面やタスクマップなどを変更したりすることができます。また、ヘッドには、ロボットの 状態を知らせるカメラやライトもあります。 ヘッドは、後方へ移動させることもできます。内部にモーターがあり、ロボットの電源がオンであ るかどうかに関わらずヘッドを物理的に移動させることができます。ヘッドは、それが移動するの と同じジョイント/軸に沿って移動させることができます。合計で、約 350 度回転します。 ヘッドの移動には、パッシブとアクティブの 2 種類があります。パッシブとは、ヘッドを手動で移 動させることを意味します。アクティブモードでは、ヘッドはトレーニングカフの動きに従って自 動的に移動します。 重要:ヘッドを移動させることは比較的簡単です。指で軽く触れるだけで移動させることができる ので、ヘッドを移動させる際に力は不要です。抵抗を感じたら、移動をやめてください。 コントローラ コントローラは、コンピュータ (Sawyer を制御する Intera ソフトウェアを実行します )、I/O、真空接 続、壁コンセントへの電源のためにあります。コントローラは Rethink Robotics Sawyer の台座、 あるいはたとえば棚などの台座の付近に配置することができます。 Sawyer を設置するときは、コントローラの空気取り入れ口や排気ファンポートをブロックしないよ うにしてください。コントローラが適切に換気されるように、これらのポートを塞がないようにし てください。 Sawyer の概要 18 Intera 3.3 右側: 左側: - 1 イーサネット ポート - 電源ボタン - エアフィルター - 2 USB ポート 底面図 入力 出力 - 電源 - (4x) エア - エア - 電源およびデータ - ビデオ Sawyer の概要 19 Intera 3.3 内面図 • ターミナルユニット (8 X デジタル入力、8 X デジタル出力) • • 安全定格コントローラ (2x) ソレノイドバルブ • (1) イーサネットポート (将来使用するために設置済み) • (2) USB ポート ナビゲータ ナビゲータとは、ロボットの 2 つの物理的インターフェースのことであり、1 つは前腕部にあり、 もう 1 つは胴部の後面にあります。それぞれのナビゲータは、インジケータライト、5 つのボタン のセット、セレクタノブで構成されています。ナビゲータを使うと、画面のスクロールや、オプショ ンの操作などができます。セレクタノブ (またはカフのアクションボタン) で [OK] ボタンを押すと、 ナビゲータのインジケータライトが点灯します。 Sawyer の概要 20 Intera 3.3 1 5 1. [Back (戻る)] ボタン 2. セレクタノブ 3. ゼロ-G ボタン 2 4. X ボタン 3 6 5. Rethink ボタン 6. 四角ボタン 4 1. [Back ( 戻る )] ボタン:このボタンを押すと、現在の画面が 終了して、前の画面へ戻ります。また、 最後のアクションをキャンセルします。 2. セレクタノブ:ノブをスクロールして、画面上のオプション間を移動します。ノブ (OK) を押して、 クリック可能なオプションを選択します。 3.ゼロ-G モードボタン:このボタンを押し続けると、アームが「ゼロ-G」モード (トレーニングカフを掴 むのと同じ) になり、アームを動かしやすくなります。 4. X ボタン:このボタンを押すと、タスクオーダー画面とタスクマップが切り替わります。 5. Rethink ボタン:押すと、現在の画面のオプションが表示されます。 6. 四角ボタン:押すと、ヘッドの動きのパッシブとアクティブで切り替わります。 Sawyer の概要 21 Intera 3.3 トレーニングカフ トレーニングカフとは、ロボットのリストのジョイントであり、ゼロ G モードボタン、掴みボタン、 アクションボタンなどを含む物理的インターフェースです。トレーニングカフは、ロボットにタス クの実行のトレーニングを行う時に使用する主要なインターフェースです。アームを移動させ、設 置されたグリッパーの状態を変更し、画面オプションを選択するために使用されます。 トレーニングカフの詳細は、25 ページの「トレーニングカフの使用」で詳しく説明します。 • ゼロ G ボタン - このボタンを押し続けると、ゼロ重力モードが有効になります。 • 掴みボタン - このボタンを押すと、アームの端に取り付けられた Rethink Robotics グリッパーの状態を切り替えることができます。 アクションボタン - タスクのトレーニング中にこのボタンを押すことで、追加の メニューの表示、新しいアームのポーズの保存、場合によってアクションの作成 ができます。 • ブレーキ このロボットには、J1、J2、J3 ジョイントの位置 (ページ 17 を参照) にブレーキが装備されており、 アームが作業スペースにある備品に落下することを防ぎます。ブレーキは、以下の場合に有効にな ります: • アームのモーターがオフになるとき • E-停止が有効になったとき • ロボットの電源が失われるか、電源がオフになったとき Sawyer の概要 22 Intera 3.3 アクティブ衝突回避 Rethink ロボットは、自分の一部と衝突することがないように、いつでも、アームのジョイント、 ヘッド、胴体がどこにあるか「知っている」ように設計されています。Baxter の場合、これは 1 つ のアームが他のアーム、胴体、ヘッドと衝突しないことを意味します。Sawyer の場合、アームは胴 体やヘッドと衝突しません。 付属しているアクセサリ: • • ツールプレート アダプターツールプレート (Baxter エンドエフェクタ用) • • 電源コード E-停止ボタンおよび 10-フィートのケーブル • Robot ポジショニングシステムで使用するランドマーク #1-4 111 ページの「ロ ボットポジショニングシステム」を参照してください。 ツールプレート Sawyer ロボットアームのツールプレートは、ISO 9409-1-40-4-M6 仕様に適合するように設計され ています。 このロボットのツールプレートには、アーム終端ツールをロボットに取り付けるための M6 ネジ穴 が 4 つあります。ネジ穴は 9 N m で締める必要があります。アーム終端ツールを非常に正確に再配 置する必要がある場合のために、Ø6 mm 穴がピン付きで提供されています。 注意: 1. アーム終端ツールが適切に、しっかりボルト留めされていることを確認してください。 2. 予期せず部品を落下させて危険な状況となることがないように、アーム終端ツールを構築、設定 してください。 Sawyer の概要 23 Intera 3.3 オプションのアクセサリ: • Rethink Robotics 電気パラレルグリッパーキット • Rethink Robotics 真空カップグリッパーキット • Sawyer 台座 • ランドマーク #5-20 - Robot ポジショニングシステム向けページ 111 を参照して ください。 Sawyer の概要 24 Intera 3.3 Sawyer の操作方法 トレーニングカフの使用 トレーニングカフを使用して、アームを移動させ、グリッパーの状態を操作します。また、アクショ ンボタンで画面上のオプションを選択することもできます。 トレーニングカフ:カフで示されている場所でこのスイッチを絞ると、アームがゼロ G モードになり、 ロボットのアームが移動します。このスイッチを絞ると、アームのボタンにあるインジケータライトが 点灯します。 掴みボタン:このボタンを押すと、Rethink パラレルグリッパーが開閉するか、Rethink 真空グリッパー のオン、オフを切り替えることができます。 アクションボタン:このボタンを押すと、ディスプレイ画面で項目を選択できます。ウェイポイントの 作成、ホールドアクション、タスクマップでのアクションの選択、コピー、移動、新しいサブタスクの 作成、ランドマークの追加/作成。 物体を掴む トレーニングには、物体をピック、プレイスする方法を Sawyer に示すことが含まれます。 物体を掴むには:グリッパーを物体に配置し、[Grasp (掴む)] を押します。 物体を放すには:物体がロボットのハンドにある状態で、[Grasp (掴む)] を押します。 ピックやプレイスを作成することなく、グリッパーを開閉するには:ハンドに物体がない状態で、 [Grasp (掴む)] を 2 回素早く押します。 Sawyer の概要 25 Intera 3.3 Sawyer の操作 Sawyer は、目の表現、ライトリング、雲マークによってコミュニケーションを行います。 目の表現 Sawyer は、何を行っているか、あるいはその環境で何が起こっているかに対応して、さまざまな 目の表現を表示します。 Sawyer の概要 中立 集中 混乱 通常、タスクの実行 を待っているとき に、Sawyer はこの モードになります。 Sawyer は、実行し ているタスクに集 中し、次の移動の 方向を見ています。 Sawyer は、部品が 見つからないか、 次のステップを実 行できません。 26 Intera 3.3 驚き 悲しい スリープ Sawyer は何かに驚いて います。たとえば、電 源ボタンが押されて電 源がオフになった、誰 かが作業スペースに 入った、など。 電源がオフになる、ス リープになる、あるい は E- 停止ボタンが押 されたとき、Sawyer は悲しくなります。 Sawyer はスリープ モードであり、タス クの合間です。 Sawyer のライトの色および状態 さまざまなライトの色や状態、カフのライトによってロボットの状態を伝えます。 Sawyer の概要 カフライト 意味 白色の点灯 アームがゼロ G モード 白色の点滅 パスまたはアクションが変化 オレンジ色の点滅 ゼロ G 無効なポーズ オレンジ色の点灯 アクション 無効なポーズ 緑色の点滅 信号待ち 赤色の点灯 エラー状態 ライトの状態 意味 緑色の点灯 Sawyer は動作中 白色の点灯 ユーザーが Sawyer をトレーニ ング中 黄色の点灯 混乱、ヘルプが必要 紫色の点灯 Sawyer はスリープ中 赤色の点滅 エラー状態 27 Intera 3.3 混乱している顔のメッセージ Sawyer が混乱すると、ディスプレイに考えられる説明と解決策が表示されます。 「電球」のヒント 「電球」の記号 が画面に表示されている場合、これはその機能を使用するためのヒント ( 複数の場合 あり ) があることを意味しています。電球を選択して、ヒントを表示してください。( これらのヒントは、 [Modify Waypoints ( ウェイポイントの変更 )] 画面、[Advanced ( 詳細 )] 画面、[Action Practice ( アクション 練習 )] 画面でも利用できます。) Sawyer の概要 28 Intera 3.3 安全上のシンボル 注意:機械的な危険や電気的な危険が装置に存在しており、スタッフ は使用中は注意して、標準的な安全実務を行う必要があります。この 文書に、潜在的な危険の性質と、そうした危険を回避するために取る べき動作に関する情報が記載されています。装置を操作する前にこの 文書全体を読んでください。 「インテグレーター向けの情報」および「警 告および注意」のセクションや特定の安全情報を参照してください。 危険な電圧:危険なライブ電圧がコントローラボックスの内部に存在 します。コントローラボックスにはエンドユーザーがサービス可能な 部品はありません。整備や修理が必要な場合は、代理店または Rethink Rethink Robotic にご連絡ください。 Sawyer の概要 29 Intera 3.3 Sawyer クイックスタート・チュート リアル すぐにタスクを実行する このチュートリアルを利用する前に、必ず「ステップガイド」(Sawyer 購入時のアクセサリボック スにあります) に従ってロボットをセットアップし、このガイドの前半で説明されているステップに 従ってアーム終端ツールを設置、設定する必要があります。 このチュートリアルは、Sawyer を速やかに起動し、動作させるのに役立ちます。このユーザーガイ ドの大部分は、Sawyer のパーツ、用語、さまざまなタスクの実行方法、パスの作成等を詳細に説明 していますが、Sawyer をどのように操作するかの非常に基本的なアイデアはここから始まります。 Sawyer をオンにする コントローラの電源ボタンを押して、放します。ヘッドのライトが点灯し、Sawyer のディスプレイ にメイン画面が表示され、以下の画面を含めて、ロボットの起動シーケンスが始まります: Sawyer クイックスタート・チュートリアル 30 Intera 3.3 ロボットが実際にそれぞれのジョイントがどこにあるかを理解、認識するために、アームがホーム シーケンスを実行します。このシーケンス中に、各ジョイントは約 5 度動きます。ホームシーケン スを開始するには、ロボットのアームにあるセクレタノブを押します。アームが、各ジョイントを 動かします。 Sawyer クイックスタート・チュートリアル 31 Intera 3.3 ホーム移動中に、ディスプレイの左側に沿って、ジョイントのリミットインジケータが素早く垂直 方向に移動しながら表示されます。ジョイントがしっかりとひねられると、インジケータが緑色で 点灯します。まだ十分にひねられていないジョイントでは、グレーの表示になります。 注意:また、物理的に各ジョイントを 5 度動かして、手動でアームをホームへ移動させ ることもできます。 アームの移動 ロボットには、ロボットを操作し、タスクのトレーニングを行うために使用される物理的なインター フェースが 3 つあります:2 つのナビゲータと 1 つのトレーニングカフです。 ナビゲータの 1 つは Sawyer のアームにあります。もう 1 つは胴体にあります。ナビゲータとは、 Sawyer での選択を行うために使用するボタンやノブのセットです。また、選択は Sawyer のディス プレイにも表示されます。詳細な説明は、20 ページの「ナビゲータ」を選択します。 トレーニングカフは、Sawyer のアームの端で、リストとアーム終端ツールの間にあります。 Sawyer のアームに沿って掴み、少し押すと抵抗を感じます。これは、まだアームの準備ができてい ないためです。ここで、ボタンの上のトレーニングカフの意図する場所を掴んで、少し押しこみま す。これでアームが柔軟になり、操作しやすくなります。これを、 「ゼロ G」モードと呼んでいま す。Sawyer に、タスクの実行のトレーニングを行うモードです。アームがゼロ G モードであると きに、モーターが起動されると、ロボットに重力の影響がかかります。 また、ナビゲータで O ボタンを押して、ゼロ G モードを有効にすることもできます。 Sawyer クイックスタート・チュートリアル 32 Intera 3.3 アクションボタン トレーニングカフ (ここを押しこみます) 掴みボタン トレーニングカフを放すと、アームは再び (軽く) 固くなります。アームは、トレーニングカフを押 しこむのを停止した状態の場所、方向を維持することに注意してください。アーム (ショルダー、エ ルボー、リストなど) の場所および方向を、ポーズと呼びます。 新しいタスクを作成する ロボットに実行をトレーニングするジョブをタスクと呼びます。タスクには、たとえば作成しよう としているピックやプレイスなどの非常にシンプルなタスク、あるいは複数の場所のピックやプレ イス、さまざまなポーズ、他のマシンやデバイスとの間での信号の送受信を含む少し複雑なタスク があります。 このモジュールでは、セレクタノブを使って、Sawyer のディスプレイでオプションをスクロール し、押して選択します。スクロールノブを押して選択を行うことを「[OK] ボタンを押す」、時には 「ナビゲータで [OK] を押す」といいます。 前の画面に戻りたい場合は、ナビゲータで [Back (戻る)] ボタンを押します。 [New Task (新規タスク)] アイコンにアクセスするには、ノブをスクロールしてメインボタンバーを 表示させます。 Sawyer クイックスタート・チュートリアル 33 Intera 3.3 ナビゲータで [OK] ボタンを押します。Sawyer は、空白のタスクマップを表示します。 Sawyer クイックスタート・チュートリアル 34 Intera 3.3 タスクマップとは、Sawyer 作業スペースの (いわゆる、作業エンベロープ) の上面図です。 • 青色のアイコン - アームの端の場所。 • ダークグレーの影付きエリア - アームが到達できる範囲。 • 左側のインジケータ - それぞれのジョイントの現在の状態を、それぞれのハード ストップの限度との関係で表示しています。下部のインジケータは、ロボット のベース (J0) に最も近いジョイントを表しています。上部のインジケータは、 トレーニングカフ (J6) です。他の 5 つのジョイントは、カフとベースの間で順 番に表示されます。 右側のバー - タスク名。 • いずれかの [Zero G (ゼロ G)] ボタンを押し続けると、Sawyer のアームがゼロ G で動きます。アー ムの動きに対応して、画面で青色のアイコンが移動するのを見てください。 ジョイントがそのリミットに近付くと、インジケータのラインがグレーから赤色に変わります。イ ンジケータが完全に赤色になると、ジョイントのリミットに到達しています。青色のアームのアイ コンがグレーに変わると、アームをより良い位置へ移動させるまで、アクションをトレーニングす ることはできません。これは、ジョイントの 1 つがハードリミットにあるからであり、これにより ロボットはアクションを実行できなくなります。 また、グレーのアームのアイコンは、アームがヘッドに近すぎることを意味しています。ロボット には、ロボットが自分と接触することを防ぐ、衝突防止ソフトウェアがあります。これは、ゼロ G の ときにアームの端をヘッドの方へ押すことで確認できます。アームの端にあるライトも赤色に変わ り、ジョイントのいずれかがハードリミットに到達していることを示していることに注意してくだ さい。 物体を掴む これで、タスクマップの機能に習熟すると、ロボットに物体のピックやプレイスをトレーニングし、 タスクを実行することができます。 覚えておくべきこと:この演習でピックやプレイスのトレーニングを行うには、Rethink グリッパー を取り付けて、設定しておく必要があります。性能と信頼性を最大にするには、グリッパーの長さ と重量を正確に設定する必要があります。グリッパーが設置されていない場合は、8 ページの「グ リッパー - 設定」の指示を参照して、ここで設置してください。 この時点でまだ使用していない 2 つのボタンが、トレーニングカフにあります。楕円形のボタンは、 [Grasp (掴む)] ボタンと呼ばれます。丸いボタンは、[Action (アクション)] ボタンです。 Sawyer クイックスタート・チュートリアル 35 Intera 3.3 [Grasp (掴む)] ボタンは、グリッパーを開閉します。[Action (アクション)] ボタンを押すと、タスク マップに追加のメニューが表示されます。それぞれのボタンを押して、効果を確認してください。 このチュートリアル用の物体を選んで、ロボットの作業スペースに置いてください。アームがゼロ G モードである状態で、 グリッパーをパーツに配置する (真空グリッパーを使用している場合) か、 パー ツの周辺に配置して、[Grasp (掴む)] ボタンを押します。 Sawyer が物体を掴み、タスクマップで、パーツがピックされた場所に、[Pick (ピック)] アイコンが 表示されます。[Pick (ピック)] アイコンの左上隅に、1A と表示されていることに注意してください。 これは、最初のサブタスクでトレーニングした最初のアクションであることを意味しています。 ロボットのアームにパーツがある状態で、アーム (ゼロ G の状態) をプレイスしたい場所へ移動させ ます。[Grasp (掴む)] ボタンを押すと、グリッパーからパーツが離れます。タスクマップで、プレイ スをトレーニングした場所に [Place (プレイス)] アイコンが、サブタスク番号およびシーケンス文字 とともに表示されます。 Sawyer クイックスタート・チュートリアル 36 Intera 3.3 タスクマップは、次のようになります: タスクを実行する ピックをトレーニングしたスポットに、物体を戻します。ナビゲータで [Back (戻る)] ボタンを押し てメイン画面を表示させ、スクロールして、[Reset (リセット)] を選択してタスクを開始します。アー ムがピックの場所へ移動し、パーツをピックし、プレイスの場所に移動し、パーツをプレイスし、 その後自動的にリセットされます。 注意:アームの最初の動きは、ポーズから最初のアクションのアプローチポイントまでであり、必 ずタスクの残りの部分のスピードより遅くなります。これにより、最初のアクションでの動きで備 品と衝突する危険がある場合に、タスクを停止させる時間ができます。 おめでとうございます!これで、Sawyerを使用する最初のタスクのトレーニングは完了です! ナビゲータで [Rethink] ボタンを押して、[Rename (名前の変更)] を選択します。このタスクに、 「Sawyer Task 1」という名前を付けて、このガイドを進める際に後で参照できるようにします。 Sawyer のトレーニングには、まだ学ぶべきことがたくさんあります。Sawyer のタスクの構築方法 の詳細を、引き続きお読みください。 Sawyer クイックスタート・チュートリアル 37 Intera 3.3 Intera の概要 Intera とは? Intera は、ロボットのインタラクティブソフトウェアプラットフォームの名前です。Intera には、使 いやすいグラフィカルユーザーインターフェースがあり、ユーザーは速やかに使い方をマスターで きます。このプラットフォームでは、座標の代わりにコンテキストを使うことで、技術の専門家で なくても必要に応じたプログラムを作成、変更することが可能であり、デモによって Baxter および Sawyer のロボットのトレーニングを行うことができます。ROS などの最新のツールを活用して、 作業スペースの関連性や柔軟性を最大化できる拡張性のあるプラットフォームを提供し、環境の変 化に知的に対応できます。 Sawyer および Baxter に同じ Intera ソフトウェアがインストールされるので、一方のロボットの使 用法を学べば、他方のロボットも利用できます。 クイックスタートチュートリアルの章 (ページ 30) で、ピックやプレイスを実行するためにロボット にトレーニングする方法を速やかに学ぶことができます。Intera でタスクのトレーニングを行う方 法の詳細は、以下の情報を参照してください。 基本:タスクとは? 最も基本的なこととして、ロボットはユーザーによって「タスク」の実行のトレーニングを受け ます。 タスクとは、ロボットが実行をトレーニングされるジョブです。タスクは、サブタスク、アクショ ン、パス、信号などの多くのさまざまなタスクの要素で構成されます。ロボットは、メモリに多く のタスクを保存することができ、これによってユーザーは多数の保存されたジョブで速やかにロ ボットを再展開することができます。 Intera の概要 38 Intera 3.3 Intera でのナビゲーションに習熟するために、このセクションではタスクを構成する基本的要素、な らびに画面、アイコン、Sawyer のユーザーインターフェースで行う設定などを説明します。 注意:このユーザーガイドで使用されている用語の用語集は、168 ページの「付録 A:用 語集」にあります。 基本:アクションとは? ロボットが行うすべての作業の基本を、アクションと呼びます。アクションは、作業スペース内の 定義された場所で発生し、以下のいずれかです: • ピック - ロボットは、物体を掴もうとします。 • プレイス - ロボットは、物体を放そうとします。 • ホールド - タスクで、ロボットが移動する、あるいは待つ場所です。 Intera の場合、それぞれのアクションは 3 つの特定のポイントで構成されます: • • • アプローチポイント アクションポイント リトラクトポイント これらのポイントは、単にアクションを試みる際のアームの動きの順番です。 たとえば、ロボットがタスクでプレイスアクションを試みると、アームの端は、特定の距離、およ びタスクのトレーニングを行った人が指定した方向から、プレイスの場所へアプローチして、プレ イスを開始します。このポイントを、 「アプローチポイント」と呼びます。グリッパーが部品を置く と、アームの端は、トレーナーが指定した方法でプレイスの場所から格納されます。このポイント を、 「リトラクトポイント」と呼びます。 下の図は、プレイスアクションの変更パネルです。このプレイスで確認すると、3 つのポイントが あります:左から右へ、アプローチ > プレイス > リトラクトです。現在、 「アプローチ」が強調表 示されています。 Intera の概要 39 Intera 3.3 ラベリングアクション 一般に、Sawyer のタスクは、プレイスアクションが続くピックアクションを含みます。あるアク ションを他のアクションから見分けやすくするために、アクションは、タスクマップで、サブタス ク番号や文字の追加によってラベル付けされます。たとえば、サブタスク 1 にピック > ホールド > ホールド > プレイスが含まれているなら、タスクマップにあるアクションは、次のようにラベル付 けされます。 -- ピック 1A -- ホールド 1B -- ホールド 1C -- プレイス 1D そして、タスクマップは下図のようになります。現在、ピック 1A が選択されていることに注意し てください。 Intera の概要 40 Intera 3.3 基本:サブタスクとは? サブタスクとは、ロボットがタスクで実行するルーチン、あるいは一連のアクションです。タスク には、1 つまたは複数のサブタスクがあります。アクション内で、サブタスクにはカウントと信号 が関連付けられています。 Intera の概要 41 Intera 3.3 ナビゲーション:メイン画面 Sawyer が完全に起動されると、メイン画面と呼ばれる最初の画面がヘッドディスプレイに表示され ます。Sawyer のメイン画面には、2 つの構成要素があります:ボタンバーと、目の表現です。 1 4 2 3 1. 現在のタスク名 2. 現在のタスクオプション • 実行 – タスクが終了したところから、タスクを実行します。 • リセット – カウントをリセットし、タスクを始めから再起動します。 • 変更 – タスクマップを開き、タスクの要素を変更できるようにします。 3. Sawyer の目 – Sawyer は、目の表現を使って、動こうとしている方向を見るこ とで、ユーザーとコミュニケーションを行います。また、Sawyer には、そのさ まざまな状態を知らせる目の表現もあります。(26 ページの「目の表現」を参照 してください。) 4. 主なオプション Intera の概要 • 新規 – タスクを作成します。 • タスク – 既に保存されているタスクの視覚的リストであるタスクギャラリー を開きます。46 ページの「ナビゲーション:タスクギャラリー」を参照し てください。 42 Intera 3.3 • • 設定 – Sawyer の管理およびハードウェアの設定を開きます。51 ページの 「ナビゲーション:設定」を参照してください。 電源 – Sawyer の電源オプションを開きます:スリープ、再起動、シャット ダウン、ロック/ロック解除 (53 ページの「ロック/ロック解除」を参照) ナビゲーション:タスクマップ タスクマップは、上から見た視点でのロボットの作業スペース (または作業エンベロープ) のグラフィ カルな表現です。ロボットにタスクの実行をトレーニングする場合、このマップにアイコンが表示 され、タスクを含めたそれぞれのアクションが表されます。 タスクマップへのアクセスには、以下を含めていくつかの方法があります: • 新しいタスクを作成する • 既存のタスクを変更する • タスクギャラリーからタスクを選択する グレーの表示 —作業スペースと呼ばれる— は、完全に延ばしたアームが機械的に到達できる最大の 範囲を表しています。Sawyer は、このエリアでアクションを実行できます。 注意:ロボットのアームは、ロボットのセンターポイントで定義される球面内を動き、 アームが届く範囲内を動きます。任意の場所で実際にアームが到達できる範囲は、ロボッ トのアームの高さおよびジョイントの角度によって影響を受けます。したがって、アク ションはさまざまな高さやジョイントの角度で制限されることになります。アクションの アプローチおよび格納の距離は、アクションが実行される場所によっても制限されます。 Intera の概要 43 Intera 3.3 1 5 2 6 3 4 7 8 タスクマップの属性 1. Sawyer 作業スペース (ダークグレーの部分)。明るいグレーのエリアは、ベース ジョイント (J0) が動けない 10 度を表しています。 2. ジョイントのリミット表示 - それぞれのジョイントの現在の状態を、それぞれの 機械的限界との関係で表示しています。 3. 重量ラベル - 特定のアクションについて指定されたパーツの重量を表示していま す。(ここでは、.7kg という重量がピックアクション 1A に対して指定されてい ます。) 4. ホールドアクション - ロボットの作業スペース内のポイントであり、タスク実行 中に、アームの端が移動、待機します。 5. タスク名 - 現在変更されているタスクに付けられている名前です。 6. ピックアクションアイコン - ロボットの作業スペース内のポイントであり、ここ でアーム終端ツールが物体をピックしようとします。 Intera の概要 44 Intera 3.3 7. プレイスアクションアイコン - ロボットの作業スペース内のポイントであり、こ こでアーム終端ツールはピックした物体を放そうとします。 8. アーム端の場所 - アームの端の場所をリアルタイムで表すアイコンです。 タスクマップで、Rethink ボタン • を押すと、タスクマップボタンバーが開きます。 戻る – ボタンバーを閉じて、タスクマップに戻ります。これは、ナビゲータで [Back (戻る)] ボタンを押すことでも行えます。 • 実行 – 現在のタスクを、終了したところから続行します。 • オーダー – タスクオーダー画面を開きます。97 ページの「タスクおよびサブタ スクの管理」を参照してください。 名前の変更 – タスクの名前を変更します。Intera は新しいタスクを開始すると、 たとえば「タスク 7」などのデフォルトの数値によるタスクの名前を付けます。 • ヒント:一意で、説明的な名前を入力すると、タスクギャラリーでタスクを識別するの がより簡単になります。 • I/O – 信号ギャラリーを開きます。125 ページの「信号」を参照してください。 • ランドマーク – ランドマークギャラリーを開きます。(111 ページの「ロボット ポジショニングシステム」を参照してください。) 注意:Sawyer は、作成時または変更時にタスクを自動的に保存します。したがって、ト レーニング中にユーザーが意識的に保存する必要はありません。 Intera の概要 45 Intera 3.3 ナビゲーション:タスクギャラリー タスクギャラリーとは、ロボットに保存されているタスクのリストです。メイン画面からアクセス 可能であり、メニューバーからタスクを選択できます。タスクギャラリーを使って、トレーニング 中のタスクの選択、コピー、削除の詳細を表示します。 Intera の概要 46 Intera 3.3 1 3 2 1. スクロールボックスにあるこれらのオプションのいずれかを選択して、タスク ギャラリーでタスクを並べ替えます: • 名前 - アルファベット順、タスクの名前によって • 変更日時 - タスクが最後に変更された日時によって • 作成日時 - 最も最近作成されたタスク 2. すべての保存されているタスクを、それぞれのタスクの名前と共に、小さいプ レビュー画像でタスクマップに表示します。 注意:タスク名が 21 文字を超える場合、名前の最初の 13 文字と最後の 13 文字だけが、 楕円によって区切られて表示されます。タスクマップでは、タスク名がいずれかの側で 省略されます。 Intera の概要 47 Intera 3.3 3. 強調表示されているタスクの詳細を表示します。 • エンドエフェクタ固有 - タスクのトレーニングを行うために使用されたエン ドエフェクタが、そのパラメータ (重量および長さ) とともに表示されます。 • 展開されたタスクマップ表示 - この記号は、設置されているグリッパーと、表示されているタスクで 使用されたグリッパーが一致していないことを示します。 注意:タスクギャラリーは空にはできません。すべてのタスクを削除すると、空白のタス クが自動的に作成されます。 タスクをナビゲートする方法:ノブを回転させて、タスクをスクロールします。 タスクを選択し、開く方法:強調表示されているタスクまでスクロールし、[OK] を押します。タスクマッ プの大きなプレビューが左側のパネルで開き、タスクギャラリーボタンバーが画面の下部で開きます。 ギャラリーからタスクを選んで選択すると、ユーザーインターフェースにはそのタスクのサブメ ニューが表示されます。 Intera の概要 48 Intera 3.3 • 戻る – ボタンバーを閉じて、タスクギャラリーに戻ります。これは、ナビゲー タで [Back (戻る)] ボタンを押すことでも行えます。 • 開く – 選択したタスクのタスクマップを開きます。 • 名前の変更 – タスクの名前を変更します。 ヒント:後で、タスクギャラリーで簡単に識別できるように、最初に作成した時のタス ク名をより説明的な名前に変更します。 • 削除 – タスクを削除します。 注意:ロボットには、常に、最低でも 1 つのタスクが保存されている必要があります。タ スクが 1 つしか存在しない場合に、それを削除すると、ロボットは新しい「空白」のタ スクを作成します。 重要 削除が完了すると、削除されたタスクは復元できません。 Intera の概要 49 Intera 3.3 • コピー – 現在のタスクに基づいて、新しいタスクを作成します。 ヒント:複雑なタスクをトレーニングする場合、構築したタスクをコピーして、行った 変更の記録を保存します。こうしておくと、いつでも、タスクギャラリーの中のタスク の以前のバージョンに戻って参照することができます。 • 新規 – 新しい、空白のタスクを作成し、タスクマップを開きます。 また、タスクギャラリーから、ロボットのすべてのタスクを削除することもできます。 ロボットのすべてのタスクを削除するには: 1. タスクギャラリーで、[Rethink] ボタンを押します。 2. サブメニューが表示されたら、[Delete All (すべて削除)] を選択します。本当にす べてのタスクを削除するか、確認を求められます。 重要:[Delete All (すべて削除)] の使用には、十分に注意してください。以前にタ スクをバックアップしていなければ、削除することですべてのタスクがなくな ります。バックアップがなければ、復元する方法はありません。 Intera の概要 50 Intera 3.3 ナビゲーション:設定 Sawyer のバージョン情報 [Sawyer のバージョン情報] には、Sawyer ロボットに固有の情報が表示されます:シリアル番号、 IP アドレス、現在のソフトウェアのバージョン、ソフトウェアが最後にビルドされた日、現在の 時刻、このロボットの通算での動作時間 (時間および分で測定) などです。 ハードウェア設定 キャリブレーション画面 - チェッカーボードパターンが表示され、ディスプレイのサイズおよびコ ントラストについて、画面キャリブレーションを行います。 動作準備 - 動作および出荷できるように、Sawyer のアームをホーム位置へ戻します。Sawyer の シャットダウンも行われます。 エンドエフェクタの設定 - Sawyer が使用するエンドエフェクタの特徴 (タイプ、重量、長さ) を設定 します。 Intera の概要 51 Intera 3.3 Modbus の設定 - Sawyer と通信する Modbus TCP デバイスを設定します。125 ページの「信号」を 参照してください。 詳細 ソフトウェアの更新 - 最新のソフトウェアを USB スティックでロボットにインストールします。 161 ページの「Sawyer のメンテナンスおよびサポート」を参照してください。 タスクのエクスポート/インポート - タスクを FAT32 フォーマットの USB スティックへエクスポー トして、バックアップします。以前にバックアップしたタスクを、USB ドライブへインポートしま す。詳細は、162 ページの「タスクのインポートおよびエクスポート」を参照してください。 アームのキャリブレーション - 最高の性能を発揮するため、Rethink Robotics は Sawyer を構築す るときに Sawyer のアームのキャリブレーションを行います。また、Intera ソフトウェアをアップ グレードした際にも、キャリブレーションを行います。 診断 - Sawyer は、その活動を記録し、ファイルで保存します。ロボットで未確認の問題が発生した 場合、テクニカルサポートの担当者がログファイルを FAT32 USB デバイスへエクスポートし、それ を PC へダウンロードし、そのファイルを Rethink Robotics へアップロードするよう依頼すること があります。ファイルは、問題のトラブルシューティングを行い、解決するのに役立ちます。 ログファイルをエクスポートする方法: 1. [Settings (設定)] > [Advanced (詳細)] > [Diagnostics (診断)] と選択します。 2. フォーマット済みの FAT32 USB デバイスをロボットに挿入します。デバイス で、利用可能スペースが、最低でも 2 GB あることを確認してください。 3. [Export Logs to USB (ログを USB へエクスポート)] > [Export (エクスポート)] と選択し ます。 ログファイルが、USB デバイスへコピーされます。 Intera の概要 52 Intera 3.3 ロック/ロック解除 USB スティックに保存されているパスワードを使って、ロボットをロックまたはロック解除するこ とができます。 この機能は、許可を受けていない人が、ロボットに保存されているタスクを壊すことを防ぐのに役 立ちます。ロックされている場合、ユーザーがロボットでできることは、実行、リセット、エラー / 混乱のクリア、電源のオン/オフだけです。Sawyer がロックされている場合、タスクの作成、修正、 変更はできません。 ロボットがロック解除されているときは、ユーザーはロボットのすべての機能、タスク等にアクセ スできます。 この機能には、ロボットがロック用パスワードとして認識できる特定のテキストファイルを含む FAT32 USB デバイスが必要です。 このロックファイルにアクセスするには、Rethink Robotics サポート ([email protected]) までご連絡ください。 Sawyer をロック/ロック解除する方法: 1. .txt ファイルを含む USB デバイスを、Sawyer の後部にある USB ポートに挿入 します。まだ挿入していない場合、ロック/ロック解除のオプションは次のよう になります: 2. スティックを挿入したら、Sawyer のボタンバーで、[Lock (ロック)] を選択します。 3. 現在のロボットの状態に応じて、[Lock (ロック)] または [Unlock (ロック解除)] を 選択します。 Intera の概要 53 Intera 3.3 Intera でのタスクのトレーニング ピックおよびプレイスのトレーニング Sawyer クイックスタート・チュートリアル (ページ 30 を参照) を完了していれば、タスクのピック やプレイスをトレーニングする方法は既にご存知でしょう。この章では、このユーザーガイドを読ん で構築する新しいタスクを始めます。 ピックおよびプレイスのトレーニングから始めます: 1. メインボタンバーで、[New (新規)] をクリックして、新しいタスクを開始します。 2. アームにある 4 つのゼロ G ボタンのいずれかを押し続けると、ゼロ G モードが 有効になります。 3. ロボットの作業スペースで、物体をピックしたい場所へ、アームを移動させま す。電気パラレルグリッパーを使用する場合は、フィンガーのバランスをとっ て物体を掴みます。真空グリッパーを使用する場合、物体に吸盤を合わせます。 Intera でのタスクのトレーニング 54 Intera 3.3 4. トレーニングカフの [Grasp ( 掴む )] ボタンを押します。ロボットがグリッパーを 作動させて、物体を掴みます。トレーニングカフの LED が点滅し、アクションの 作成が成功したことを示します。タスクマップに [Pick (ピック)] アイコンが表示 されていることを確認します。 5. ナビゲータで [OK] ボタンを押します。 6. ピックの変更パネルで、+ ボタンを選択して、押します。 Intera でのタスクのトレーニング 55 Intera 3.3 7. [weight (重量)] アイコンを選択してパーツの重量を追加し、[OK] を押します。 重要:ピックのトレーニングを行う際は、必ずパーツの重量を入力します。このロボットはピック・ アクションの後、動きの中でパーツの重量を確認し、最も正確な軌道や配置を確保します。 Intera でのタスクのトレーニング 56 Intera 3.3 8. パーツの重量を入力し、[OK] をクリックします。入力した重量が、変更パネル やタスクマップの隣の [Pick (ピック)] アイコンに表示されます。 9. ナビゲータで [Back (戻る)] ボタンを押して、前の画面に戻ります。 10. ゼロ G で、物体を置きたい場所へアームを移動させます。 11. [Grasp (掴む)] を一度押して、パーツを放し、プレイスの場所を作成します。 Sawyer が物体を放し、タスクマップに [Place (プレイス)] アイコンが表示され ます。 Intera でのタスクのトレーニング 57 Intera 3.3 12. [Back (戻る)] を押してメインボタンバーを開き、[Reset (リセット)] または [Run (実行)] を選択してタスクを実行します。 タスクの名前の変更 次のセクションへ進む前に、タスクの名前をデフォルトの名前から「1st Task」へ変更します。 タスクマップで、[Rethink] ボタンを押して、タスクメニューを表示させます。 [Rename (名前の変更)] まで、スクロールします。 Intera でのタスクのトレーニング 58 Intera 3.3 [Rename (名前の変更)] パネルで、「1st Task」と入力して [OK] を押します。 Intera でのタスクのトレーニング 59 Intera 3.3 画面の右側の名前バーに新しいタスク名が表示されます。 新しいタスク名 ヒント:アクションを実行するときに、Sawyer のリストのジョイントがまっすぐ下を指 していない場合、アクションが垂直ではないことを意味しており、Sawyer のアームの端 を表す青色のアイコンの横に赤い丸が表示されます。 ヒント:アームのアイコンがグレーである場合、Sawyer はそのアームのポーズではアク ションを作成できません。この理由は、アームが「衝突バブル」内にあり、その場所で トレーニングを行うと、ロボットが自分と衝突する可能性があるからです。あるいは、 タスクマップの左側にあるジョイントリミットインジケータが示しているようにアーム のジョイントがそのリミットに近すぎます。 ホールドアクションのトレーニング また、信号がトリガされるまで、指定された期間の間 Sawyer を特定のポーズで待機させることも できます。この機能は、検査、スキャン、ラベル付け、塗装などで物体を特定のポーズ (または、一 連のポーズ) で保持するジョブで便利です。アームを中立の場所に移動させてマシンのサイクルや 処理の完了を待つのに使用できます。 ホールドアクションは、掴んだ状態でも、掴んでいない状態でも機能し、ポーズや方向にも関係し ません。 Intera でのタスクのトレーニング 60 Intera 3.3 ピックやプレイスのアクションと同様に、ホールドアクションにもアプローチポイントおよびリト ラクトポイントがあります。ホールドのトレーニングを行っている場合、デフォルトのアプローチ ポイントおよびリトラクトポイントは 0 cm です。これらのポイントをホールドアクションの変更 パネルで修正しない限り、[Approach (アプローチ)] > [Hold (ホールド)] > [Retract (リトラクト)] で追 加の動きは起こりません。 Sawyer のホールドの実行をトレーニングする方法 1. タスクマップで、トレーニングカフの [Action (アクション)] ボタン (丸いボタン) を押して、このサブメニューを表示させます: 2. [Hold (ホールド)] アイコンまでスクロールし、[Action (アクション)] ボタンを再度 押して、[Hold (ホールド)] を選択します。 Intera でのタスクのトレーニング 61 Intera 3.3 3. ホールドが作成されると、タスクマップにホールドアクションが表示され、ト レーニングカフの LED がしばらく点滅します。 ホールドアクションの並び替え、ホールド時間の追加 タスクによっては、ホールドアクションをタスクの順番で並び替える必要があります。 作成した 1st Task の例で、ホールドアクションは、ピックやプレイスのアクションが完了した後に なっていますが、これはタスクがトレーニングされた順番でした。ただし、パーツをボックスにプ レイスする前に、パーツをバーコードリーダーの前でホールドすることが Sawyer のジョブである 場合は、どうなるでしょうか?この新しい順番でアクションを始めて、トレーニングを行うのでは なく、このタスクで、プレイスアクションの前にホールドアクションが行われるように順番を並び 替えてみましょう。 2 秒のホールド時間を追加するには: 1. タスクマップでホールドアクションを強調表示させ、ナビゲータで [OK] を押し ます。 2. メニューで [+] ボタンを押し、[Time (時間)] アイコンまでスクロールします。 3. [OK] を押します。 Intera でのタスクのトレーニング 62 Intera 3.3 4. 2 番目のスクロールホイールを使って、2 秒を選択し、[OK] を押します。 5. [Back (戻る)] を押します。 これで、タスクを実行すると、次のアクションへ移動する前に、ホールドの場所で Sawyer のアー ムが 2 秒間一時停止します。 ホールドの順番を変更するには: 1. タスクマップで、ナビゲータの [Rethink] ボタンを選択します。 2. タスクメニューから [Order (順番)] を選択します。 3. [Order (順番)] 画面で、ホールドアクションまでスクロールし、[OK] を押します。 4. [Reorder (並び替え)] を選択して、[OK] を押します。 表示される黄色のバーは、ナビゲーションボタンをスクロールすることで移動できます。 5. スクロールし、ピックおよびプレイスのアクションの間になるように、黄色の バーの場所を変更します。 6. [OK] を押します。 順番の画面で、ホールドアクションがピックの後、プレイスの前になったことに注意してください。 7. [Back (戻る)] を押して、タスクマップに戻り、タスクを実行します。 ピックまたはプレイスのアクションのグループのトレーニング アクショングループとは、単一のシングルタスク要素に組み込まれる 2 つ以上のアクションのこと です。アクショングループは、すべての個別のアクションが高度な設定を共有できるように、個別 のピックまたはプレイスを組み合わせるために使用されます。また、アクショングループを作成す ることで、パーツの重量や信号をグループ全体に割り当てることもできます。アクショングループ の一般的な利用法は、パーツをグリッドやアレイでプレイスするボックスの梱包です。 Sawyer がアクショングループのトレーニングでの順番を覚えている場合にアクショングループは 特に便利であり、タスクの実行中にその順番で実行されます。 Intera でのタスクのトレーニング 63 Intera 3.3 1st Task で、ロボットにパーツをピックさせ、2 秒間ホールドし、パーツを単一の場所にプレイス するようにトレーニングしました。この次のジョブで、ロボットは、各レイヤーに 4 つのパーツが あるボックスへ、パーツを梱包します。 下のステップに従って、Sawyer がパーツを特定の場所、つまりボックス内の個々の場所にプレイス できるようにするアクショングループのトレーニングを行います。 アクショングループのトレーニングを行う方法 1. グループを開始するために使用したいアクションを強調表示させます。[OK] を 押します。 2. [Modify (変更)] ウィンドウで [Add (追加)] をクリックします。 3. タスクマップに、[Add (追加)] というラベルがついたアイコンが表示されます。2 番 目に希望する場所にロボットのハンドを移動させ、アクションボタンを押しま す。([OK] を押しても構いませんが、一般にアクションボタンの方が便利です。) 追加したアクションが、その場所に配置されます。 Intera でのタスクのトレーニング 64 Intera 3.3 4. 必要な回数繰り返します。(この例では、ボックスの内側に 3 つの新しいポイント を保存するだけです。) 5. 完了したら、[Back (戻る)] ボタンを押します。([OK] ボタンを押して完了させない でください。そうすると、アクショングループにさらに場所が追加されます。) 6. タスクを実行します。 注意:Sawyer のトレーニングを行う際に、物体をグリッパーに配置する必要があるが、新しいアク ションをコピーまたは追加したくない場合は、[grasp (つかむ)] ボタンをダブルクリックします。 パスの作成:パス、ウェイポイント、ポーズ パスの説明を始める前に、まず Intera でのパスの作成に関連する用語を定義します。 ポーズ とは、ウェイポイントでのロボットのアーム (ショルダー、エルボー、ハンド、リストなど) の場所および方向です。 Intera でのタスクのトレーニング 65 Intera 3.3 ウェイポイントとは、パスでのポーズです。アームの場所および/または方向の変更は、ウェイポイ ントを作成する機会です。 最後に、パスとは、タスクのアクションで移動する際にロボットが動く、一連のウェイポイント (アー ムのポーズ ) です。2 つのアクションのトレーニングを行う場合、デフォルトでは、Sawyer はこれ らのアクションの間のパスを自動的に作成します。このパスは、アームがあるアクションから別の アクションへ移動する、最も効率的なポーズのセットです。これを、デフォルトパスまたはシステ ムが生成したパスと呼びます。 Sawyer のアームがあるアクションから別のアクションへ移動する場合、パスを定義したい場合があ ります。これは、アームが直近の作業エリアにあるアイテムと衝突しないようにするために便利で す。これを達成するために、Sawyer のパスを作成します。これを、カスタムパスと呼びます。パス モード ( アクションの変更パネルで [Paths ( パス )] ボタンを選択するとアクセスできます ) でない限 り、タスクマップにはカスタムパスだけが表示されます。 下のステップに従って、パスを作成、変更します。 Sawyer のカスタムパスを作成する方法 ユーザー定義、またはカスタムのパスで、ピックやプレイスを作成します。 1. 物体に対するピックを作成します。 2. 物体がハンドにある状態で、[Action ( アクション )] ボタン ( カフにある丸いボタン ) を押します。 Sawyer は、アクションバーを表示します。 3. [Path (パス)] アイコンを選択します。 Intera でのタスクのトレーニング 66 Intera 3.3 4. アームをピックの場所の上へ上げ、必要に応じてアームおよびハンドのポーズを 行い、[Action (アクション)] ボタンを押して、最初のウェイポイントのトレーニン グを行います。これが、アクションの最初のリトラクトポイントになります。カ スタムパスを作成しているので、この最初のウェイポイントがピックのリトラク トポイントになります。リトラクトポイントとは、アクション後に Sawyer が戻 る場所およびポーズのことです。(これは、[Go Slow (スロー )] コマンドが終了し て、通常の速度に戻る場所でもあります。93 ページの「アクションに詳細な変更 を行う方法 (詳細設定画面)」を参照してください。) 「パスモード」の十字は、タスクマップ上でのリトラクトポイントの場所を示しています。 5. パスに沿って移動する際に、アームやハンドの場所を忘れないようにして、 Sawyer のアームを次のウェイポイントへ移動させます。アクションボタンを押 して、別のウェイポイントも確立させます。 6. Sawyer のアームやハンドを動かして必要なパスを作成し続け、カフのアクショ ンボタンを押して一連のウェイポイントを作成します。 プレイスアクションの前に作成した最後のウェイポイント (この例で) は、自動的にアプローチポイ ントとして設定されます。アプローチポイントはアクションに先行するハンドの場所およびポーズ です。この例で、Sawyer のアームがプレイスの場所へ向かって移動を始めるポイントです。 タスクマップでは、アプローチおよびリトラクトのポイントはオレンジ色です。 Intera でのタスクのトレーニング 67 Intera 3.3 トランジットウェイポイント とは、アクションに関連していないパスに沿ったポイントです。 Sawyer のアームをパスに沿ってガイドする場所です。タスクマップでは、トランジットウェイポイ ントは黄色で表示されます。 ピックまたはプレイスに最も近いウェイポイントが、自動的にアプローチポイントまたはリトラク トポイントになります。Sawyer はトランジットウェイポイントに沿って曲がったジョイント座標を 移動しますが、ピックまたはプレイスとアプローチポイントまたはリトラクトポイントの間では直 線の直交座標系を移動することを忘れないでください。物体をボックスに配置する場合や、2 つの コンポーネントを組み立てる場合など、グリッパーの方向へ直線に沿って Sawyer を移動させる必 要がある場合に、これは重要です。ただし、Sawyer がパスに沿って動く際にトランジットウェイポ イントのポーズは概算ですが、ピック、プレイス、ホールドのポーズは正確です。 7. [Grasp (掴む)] ボタンを押して、プレイスを作成します。 8. ここで、タスクマップボタンバーから [Run ( 実行 )] を選択して、ピックおよびプ レイスのタスクを実行します。 パスを作成する際の使用上の注意: • • • • • パスを作成する際、Sawyer は、すべてのウェイポイントについてリストの方向、 角度、座標を覚えています。 Sawyer のトレーニングを行う際に、物体をグリッパーに配置する必要があるが、 新しいアクションを作成したくない場合は、[grasp ( つかむ )] ボタンをダブルク リックします。Sawyer は、新しいアクションを作成することなく、物体を掴み ます。 パスの作成中に [Back (戻る)] ボタンを押すと、パスにあるすべてのウェイポイン トが削除されます。 タスクを実行する際、ピックの場所に戻る時、作成したパスに沿ってアームが戻 ることに注意してください。 パスを修正、再トレーニングして、ポーズの間にカスタム (ユーザー定義) パスを 追加できます。パスは、タスクマップに表示されます。これを行うには、ポーズ を修正し、[Modify Path (パスの変更)] パネルで [Path (パス)] アイコンを選択して から、パスがリードするアクションを選択します。 Intera でのタスクのトレーニング 68 Intera 3.3 ベストプラクティス:ウェイポイントの作成 • • • 一般に、パスのトレーニングで多数のウェイポイントを定義することは望ましく ありません。より多くのトランジットポイントを追加するほど、パスが長くなり、 タスクの実行にかかる時間が長くなります。 パスで比較的近いウェイポイントを多数トレーニングすると、Sawyer のアーム の動きはぎくしゃくします。 Sawyer のパスにある障害物を避けるのに必要なポイントだけをトレーニングし てください。 パスを練習する方法 1. タスクマップでアクションを選択し、ナビゲータで [OK] を押します。 Sawyer は変更パネルにそのアクションを表示します。 Intera でのタスクのトレーニング 69 Intera 3.3 2. [Path (パス)] アイコンを選択し、[OK] を押します。 Sawyer は、アクションとそのパスをタスクマップに表示します。 3. タスクマップで、練習したいパスを選択します。 Intera でのタスクのトレーニング 70 Intera 3.3 Sawyer は、選択したパスをパネルに表示します。 この図で、オレンジ色のウェイポイントは、リトラクトポイントおよびアプローチポイントを表し ています。黄色のポイントはトランジットポイントであり、ピックおよびプレイスの間のポイント です。ピックのアプローチポーズが強調表示されています。 4. [Practice (練習)] ボタンを押します。 5. 選択して、低速または高速でのパスの練習を選択します。(低速は、高速の約半分 の速度になります。) Sawyer がパスを練習します。 注意:Sawyer が練習モードである時に、カフを掴むと、アームは移動を停止します。これは、パス にあるウェイポイントや、パスに関連付けられたポーズを変更しません。 ウェイポイントを変更する方法 注意:Sawyer のアームやグリッパーの場所および方向を正確に変更する方法の詳細は、 87 ページの「ナッジ」を参照してください。 1. タスクマップで変更したいパスを選択し、[OK] を押します。 2. Sawyer は [Modify Transit (トランジットの変更)] パネルにそのパスを表示します。 3. [Modify (変更)] ボタンを押します。 Intera でのタスクのトレーニング 71 Intera 3.3 4. 変更したいウェイポイントまで、ノブをスクロールします。スクロールすると、 それぞれのウェイポイントが光の輪で強調表示されます。Sawyer のアームが、選 択したウェイポイントに到達するまで、それぞれのウェイポイントに沿って移動 します。 5. Sawyer のカフを掴み、アームの場所および/またはポーズを変更し、アクション ボタンを押します。チェックマークが短い間表示され、そのウェイポイントの ポーズが更新されます。 ウェイポイント/パスに関する注意事項: • パスにあるどのウェイポイントへもスクロールすることができます。たとえば、一 度に 1 つのウェイポイントをパスに沿ってスクロールすることができます。この 場合、Sawyer のアームは、順番にそれぞれのポイントを移動します。あるいは、 変更したいウェイポイントまで直接スクロールすると、Sawyer のアームはその ポイントまで直接スキップします。[Modify Transit (トランジットの変更)] パネル を使ってウェイポイントをスキップする場合は注意が必要です。これは、Sawyer のアームがパスから外れることがあるからです:アームが直接ポイントの間を移 動するので、備品や障害物にぶつかることがあります。 トランジットウェイポイントをナッジしてはなりません (87 ページの「ナッジ」 を参照)。 • 「電球」の記号が [Modify Waypoint (ウェイポイントの変更)] 画面に表示されてい る場合、これはその機能を使用するためのヒント (複数の場合あり) があることを 意味しています。電球を選択して、ヒントを表示してください。 • Intera でのタスクのトレーニング 72 Intera 3.3 パスを変更 (練習および再トレーニングを含む) する方法 1. タスクが既に作成されている場合は、パスが始まるアクションを選択します。 たとえば、パスがピックまたはプレイスから始まっているなら、ピックまでス クロールします。 Intera でのタスクのトレーニング 73 Intera 3.3 2. [OK] を押し、[Modify (変更)] 画面で [Path (パス)] アイコンを選択します。 Sawyer は、タスクマップを表示します。 Intera でのタスクのトレーニング 74 Intera 3.3 3. タスクマップで、 可能なパスをスクロールし、 変更したいパスで [OK] を押します。 Sawyer は、この画面を表示します。ここで、パスの練習、変更、再トレーニングを選択できます。 カスタムパスに変更を行うと、[Apply to Return (リターンに適用)] ボタンをクリックすることで、こ れらを迅速にリターンパスに適用することができます。パスの表示に戻ると、必ずこのボタンが利 用可能です。 練習 練習することで、現在のパスを完全に確認することができます。異なる 2 つの速度で練習ができま す:低速と高速です。 Intera でのタスクのトレーニング 75 Intera 3.3 再トレーニング 再トレーニングすることで、既存のパスを速やかに変更できます。[Retrain ( 再トレーニング )] を押 すと、現在のパスにあるトランジットウェイポイントが削除されますが、ピックやプレイスのアク ション、それらに関連付けられたアプローチおよびリトラクトのポイントは保持されます。(その後、 新しいウェイポイントをパスに追加できます。)また、再トレーニングは、選択したウェイポイント に関する [Modify (変更)] パネルのサブメニューのオプションでもあります。 変更 変更によって、アクション、トランジットポイント、アプローチまたはリトラクトのポイントのい ずれであるかに関わらず、一度に 1 つのポイントを変更できます。 1. [Modify (変更)] を選択します。 Sawyer は、[Modify Waypoints (ウェイポイントの変更)] パネルを表示します。 Intera でのタスクのトレーニング 76 Intera 3.3 スクロールして、[OK] を押すことで、ウェイポイントを選択します。 選択したウェイポイントの種類やパスが基づいているアクションの種類に応じてサブメニューが変 化します。 変更パネルのサブメニューのオプション [Back (戻る)] - 前の画面に戻ります。 [Remove (削除)] - 選択したウェイポイントを削除します。 [Nudge (ナッジ)] - アーム終端ツールの場所や方向を正確に動かせます。87 ページの「ナッジ」を参 照してください。 [Retrain (再トレーニング)] - 既存のパスを速やかに変更できます。[Retrain (再トレーニング)] を押す と、現在のパスにあるトランジットウェイポイントが削除されますが、ピックやプレイスのアクショ ン、それらに関連付けられたアプローチおよびリトラクトのポイントは保持されます。 [Add (追加)] - ウェイポイントをパスに追加します。 Intera でのタスクのトレーニング 77 Intera 3.3 ウェイポイントを追加するには: 1. タスクマップからパスを選択します。 2. 画面で、[Modify (変更)] を選択します。 Sawyer は、[Move Pose Mode (ポーズの移動モード)] 画面を表示します。 3. 新しいポーズ/ポイントを前に挿入したいパスのウェイポイントまでスクロールし ます。 4. [OK] を押して、ウェイポイントのサブメニューを表示します。 5. [Add (追加)] を選択します。 Sawyer は、ウェイポイント追加モードで画面を表示します。 Intera でのタスクのトレーニング 78 Intera 3.3 6. 手動で、Sawyer のアームおよびアーム終端ツールを追加したいポーズで配置し ます。 7. トレーニングカフの丸いアクションボタンを押して、新しいポーズを保存します。 8. それぞれの新しいウェイポイントに対して繰り返します。 9. 完了したら、[Back (戻る)] ボタンを押します。 Intera でのタスクのトレーニング 79 Intera 3.3 変更されたパスが表示されます。 推奨:[Practice (練習)] を使って、パスを実行し、新しいポーズを確認してください。 注意:一部の場所やポーズが無効であることに気付くことがあります。これは、ジョイントのリミッ トに近いため、Sawyer がその場所やポーズを実行できないためです。タスクマップでは、これはグ レーアウトされたアイコンで示されます。画面に、Sawyer は「ポーズの追加が失敗しました。」と いうメッセージを表示します。 Intera でのタスクのトレーニング 80 Intera 3.3 Intera でのアクションの変更 タスクマップでアクションを選択し、[OK] をクリックしてそのアクションの [Modify (変更)] パネル を表示させます。 ピックアクションの変更 ピックアクションを変更する理由は、以下を含めてたくさんあります: • ピックの場所が 0.2 in (0.5 cm) 以上変動する。 • • タスクにカウントを含めたい。 入口/出口の高さを調整する必要がある。 • タスクの一部を信号に基づいて開始したり、完了時に信号を送信したりしたい。 2 4 5 7 6 1 3 8 9 1. 戻る – 変更画面を閉じて、タスクマップに戻ります。 2. アクション – この例のアクションは (垂直から外れた) ピックです。 3. コピー – 現在のアクション ( および、すべての変更された詳細 ) をコピーします。 アクショングループを作成します。 Intera でのタスクのトレーニング 81 Intera 3.3 4. 追加 - アクショングループのトレーニングを行ないます。コピーと似ていますが、 このアイコンでは、追加の場所をオリジナルに追加して、アクショングループを 作成することができます。(63 ページの「ピックまたはプレイスのアクションの グループのトレーニング」を参照してください。)既存のアクショングループを追 加するには、グループで単一のアクションを選んでから、[Add (追加)] を選択し ます。 5. 移動 – アクションが行われる場所を移動させます。(この操作でアクションへのパ スが削除されるので、[Action Training (アクショントレーニング)] や [Modify (変更)] を使って、パスを保存しておく必要があります。) 6. パス - 変更したいパスを、タスクマップから選択します。 7. 削除 – アクションを削除します。削除の確認を求められます。いったん削除する と、アクションを復元することはできません。 8. 機能の追加 – さらに詳細を調整できます: • カウントの追加 – アクションを完了させる回数を指定します。 • 信号の追加 – 付加したい信号を指定します。 • 重量の追加 - Sawyer がタスクでホールドする物体の重量を指定します。 • ランドマークの追加 - ロボットポジショニングシステムで使用するランド マークを作成します。(111 ページの「ロボットポジショニングシステム」を 参照してください。) 9. ポーズのアプローチ、リトラクト、アクションを練習または変更します。また、 アプローチやリトラクトの際に Swayer のアームが移動する距離を変更したり、 アプローチやリトラクトの際のアームの速度を遅くしたりすることもできます。 85 ページの「アクションを変更/練習する方法」を参照してください。 プレイスアクションの変更 ピックの場合と同様に、以下を含めて、プレイスを変更する多数の理由があります: • • プレイスの場所を変更する。 特定の数 (カウント) の物体をプレイスする。 • • ドロップの高さを調整する。 ドロップからプレイスへ切り替えたり、ドロップの高さを変更したりする。 Intera でのタスクのトレーニング 82 Intera 3.3 2 4 5 6 7 1 3 9 8 1. 戻る – 変更画面を閉じて、タスクマップに戻ります。 2. アクション – この例のアクションは (垂直から外れた) プレイスです。 3. コピー – 現在のアクション (および、すべての変更された詳細) をコピーします。 4. 追加 – コピーと似ていますが、このアイコンでは、追加の場所をオリジナルに追 加して、アクショングループを作成することができます。既存のアクショング ループを追加するには、グループで単一のアクションを選んでから、[Add (追加)] を選択します。 5. 移動 – 現在のアクションを別の場所へ移動させます。(この操作でアクションへの パスが削除されるので、[Action Training (アクショントレーニング)] や [Modify (変 更)] を使って、パスを保存しておく必要があります。) 6. パス – タスクマップからパスを選択して変更します。 7. 削除 – アクションを削除し、タスクマップから削除します。削除の確認を求めら れます。いったん削除すると、アクションを復元することはできません。 Intera でのタスクのトレーニング 83 Intera 3.3 8. 機能の追加 – 以下のように、プレイスの詳細を調整できるサブメニューを表示し ます: • カウントの追加 – アクションを完了させる回数を指定します 85 ページの 「カウントの変更」を参照してください。 • 信号の追加 – 付加したい信号を指定します。 • ランドマークの追加 – ロボットポジショニングシステムで使用するランド マークを作成します。(111 ページの「ロボットポジショニングシステム」を 参照してください。) 9. ポーズのアプローチ、リトラクト、アクションを練習または変更します。また、 アプローチやリトラクトの際に Swayer のアームが移動する距離を変更したり、 アプローチやリトラクトの際のアームの速度を遅くしたりすることもできます。 85 ページの「アクションを変更/練習する方法」を参照してください。 プレイスの場所を移動させるには: 1. [Modify (変更)] 画面で [Move (移動)] をクリックします。場所の一時的な「ゴースト」 コピーが、[Move (移動)] アイコンとともに表示された状態で、タスクマップが開 きます。 2. アームを移動させて、希望する新しい場所へゴーストをドラッグします。 ヒント:アームのポーズの調整を維持することを忘れないでください。 3. アクションボタンを押すか、ナビゲータでノブをスクロールします。 プレイスの場所をコピーするには: 1. [Modify (変更)] 画面で [Copy (コピー )] をクリックします。場所の一時的な「ゴー スト」コピーが、[Copy (コピー )] アイコンとともに表示された状態で、タスク マップが開きます。 2. アームを移動させて、希望する新しい場所へコピーを再配置します。 ヒント:正しいアームのポーズの調整を維持することを忘れないでください。 3. カフで [OK] を押して、コピーを作成します。 4. 必要に応じて、ステップ 3 および 4 を繰り返します。 5. 最終的なプレイスの場所に達したら、[OK] を 2 回押します。(あるいは、[Back (戻る)] を押します。) Intera でのタスクのトレーニング 84 Intera 3.3 カウントの変更 アクション/アクショングループやタスクには、デフォルトで以下のカウントがあります: • ピックアクション – 無制限のカウント。 • プレイスアクション – カウント 1。 • アクショングループ (ピックおよびプレイスの両方で) – グループ内のそれぞれの 場所で 1 のカウント。 • タスク – 無制限のカウント (自動的にリセット)。 • サブタスク – カウントなし (1 と同様)。 これらのカウントのいずれも変更が可能であり、サブタスクにカウントを追加することできます。 アクションのカウントを変更するには: 1. [Modify (変更)] 画面で、[Add Features (機能の追加)] アイコンをクリックします。 2. 123 をクリックします。 3. 強調表示されている [Max Count (最大カウント)] ボックスを選択します。 • カウントが現在無制限であるなら、ボックスをクリックしてチェックを解除 します。 • 現在のカウントを無制限にするには、ボックスをチェックします。 4. カウントホイールで、最初の数字までスクロールし、[OK] を押します。それぞれ の数について、最大で 9999 まで繰り返します。 5. すべての数を入力したら、画面で [OK] を押します。 6. カウント画面で [Done (完了)] をクリックします。新しいカウントが、[Add Features (機能の追加)] ボタンの横、ならびにタスクマップのアクションに対し て表示されます。 アクションを変更/練習する方法 アクションのトレーニングを行った後、[Modify Action (アクションの変更)] パネルで設定を変更す ることができます。 1. タスクマップでアクションを選択します。 Intera でのタスクのトレーニング 85 Intera 3.3 2. 歯車のアイコンまでスクロールし、 [OK] を押します。 Sawyer は、[Modify Action (アクションの変更)] 画面を表示します。 3. [Modify (変更)] ボタンまでスクロールし、押します。Sawyer は、[Modify Action (アクションの変更)] パネルを表示します。 Intera でのタスクのトレーニング 86 Intera 3.3 4. アプローチ、アクション (この例では、プレイス)、リトラクトのポイントまでス クロールします。Sawyer のアームおよびハンドが、スクロールしたポイントま で移動します。 5. Sawyer のカフを掴み、ポーズおよび/または場所を調整し、カフのアクションボ タンを押します。画面にチェックマークが短い間表示され、新しいポーズ/場所が 登録されます。 注意:また、手動でポーズを調整する代わりに、アプローチ、アクション、リトラクト のポイントを選択してから、より正確にポーズをナッジすることも選択できます。 6. 完了したら、[Back (戻る)] ボタンを押します。 [Practice ( 練習 )] ボタンを押して、Sawyer に新しいアクションを練習させることができます。特定 のアクションに重量を割り当てている場合、ロボットは練習でその重量を確認します。信号ありで 練習するか、または信号なし (出力信号のみ) で練習するかを選ぶようにプロンプトが表示されます。 信号ありで練習すると、タスクの実行時に信号が送信されます。 ナッジ [Nudge ( ナッジ )] 機能では、アーム終端ツールの先端の場所や方向を正確に調整することができま す。メリット:ピック、プレース、ホールドのアクションを行うときの位置、方向、角度を正確に 定義できます。 また、この機能を使って、アクションが垂直でない場合に、アクションのリトラクトおよびアプロー チのポイントをナッジすることもできます。垂直アクションのアプローチおよびリトラクトのポイ ントはナッジすることはできません (特に、詳細設定画面で、[Snap to Vertical (垂直へスナップする)] チェックボックスがマークされている場合)。 ポーズをナッジする方法 1. タスクマップでピック、プレイス、ホールドのアクションを選択します。 Intera でのタスクのトレーニング 87 Intera 3.3 Sawyer は、アクションの [Modify (変更)] パネルを表示します。 2. 歯車のアイコンを選択します。 [Modify (変更)] パネルが表示されます。 Intera でのタスクのトレーニング 88 Intera 3.3 3. [Modify (変更)] ボタンをクリックします。 4. 場所を変更したいアクションを選択します。これはアクション自体であるか、ア クションが垂直でない場合はアトラクトまたはリトラクトのポイントです。 [Back (戻る)] および [Nudge (ナッジ)] ボタンが表示されます。 5. [Nudge (ナッジ)] を選択します。 Sawyer は、現在定義されているポーズへアームを移動させ、ポーズをナッジする方法関するオプ ションを表示します。 Intera でのタスクのトレーニング 89 Intera 3.3 カフまたはロボットの関係でのナッジ 上の図で示されているように、トレーニングカフとの関係で、あるいは下に示すようにロボット自 体 (ロボットのベース) との関係でアームをナッジすることができます。 ロボット/カフのアイコン (画面の左上) を強調表示させ、[OK] を押して、カフとロボットのベースを 切り替えます。 この図には、特定のフレームの X、Y、Z 軸を示す 3 つのペインがあります。また、軸に沿った動き をミリメートル単位で、軸の回りでの回転を角度で表す、対応する矢印もあります。 さまざまな軸をスクロールし、[OK] をクリックし、ナッジしたい方向を選択します。 Intera でのタスクのトレーニング 90 Intera 3.3 大小の増分でのナッジ ジョイントのリミットに当たるまで、任意の方向でナッジできます。ナッジは、大きい増分 (2mm または度) または小さい増分 (.5mm または度) で行うことができます。 6. [Rethink] ボタンを押して、大きい増分でのナッジと、小さい増分でのナッジを切 り替えます。 ディスプレイの右上のドットのサイズは、選択に応じて変わります。ナッジの長さまたは度は、右 下に数字として表示されます。 Intera でのタスクのトレーニング 91 Intera 3.3 7. オプションを選択してから、スクロールノブを使って距離または度のダイアルを 回します。 Sawyer のアームが、新しい場所または角度まで移動します。 8. 完了したら、[Save (保存)] ボタンを押します。 ナッジに関する注意事項 • • • • • 垂直ポーズをナッジする場合 (特に、詳細設定ウィンドウで [Snap to Vertical (垂 直へスナップする)] がマークされている場合)、トレーニングカフの角度をナッジ することはできません。これは、垂直でないポーズに対して垂直ポーズが変化し ないことを保証するのに役立ちます。 ナッジモードに入る前 に、アームを動かす必要があります。ナッジモードである 間は、トレーニングカフを押しこんでアームを移動させることができます。通常 は、アームを移動させるのはゼロ重力で行います。アームを移動させた後、[Save (保存)] ボタンを押すと、これがナッジが行われる更新済みのポーズとなります。 アクションをナッジする場合、リトラクトおよびアプローチは比例してナッジさ れないことを忘れないでください。これは、アプローチ/リトラクトの距離がゼロ であるホールドを含めて、あらゆるナッジに当てはまります。したがって、ホー ルドの場合、ナッジを行うなら、必ず詳細メニューへ移動し、アプローチ/リトラ クトゼロの距離を適切に調節してください。 手動でアームを新しいポーズへ移動させた後、アクションボタンを押しても、 ポーズは保存されません。 トランジットウェイポイントはナッジできません。 Intera でのタスクのトレーニング 92 Intera 3.3 アクションに詳細な変更を行う方法 (詳細設定画面) 1. [Modify Action (アクションの変更)] 画面 (たとえば、上の図の) で、[Advanced (詳 細)] ボタン を押します。 Sawyer は、詳細設定画面を表示します。 2. 下で説明するように、必要な調整を行い、完了したら、[Done (完了)] を押します。 アプローチ距離 – たとえばピックなどのアクションにアプローチする場合に、Sawyer のアームが移 動する距離。(より技術的にいうと、これは、アクションへとベクトルに沿って移動させる前の場所 へ移動するアクションの場所からの、カフジョイントの位置に垂直なベクトルに沿ったポイント です。) リトラクト距離 – たとえばプレイスなどのアクションからリトラクトする場合に、Sawyer のアーム が移動する距離。(より技術的にいうと、これは、アクションへとベクトルに沿って移動させる前の 場所へ移動するアクションの場所からの、カフジョイントの位置に垂直なベクトルに沿ったポイン トです。) Intera でのタスクのトレーニング 93 Intera 3.3 ヒント:アプローチ、アクション、リトラクトを調整するには、アプローチおよびリト ラクトの値を「0」に変更し、[Done (完了)] をクリックします。これで、3 つのポーズが調 整されます。ここで、詳細設定へ戻り、アプローチおよびリトラクトを必要な値に調整 します。 異なる方向へアプローチやリトラクトを移動させたいケースは多数あるはずです。たと えば、棚から水平に物体をピックアップする場合、アプローチはテーブルと並行になり ますが、リトラクトはテーブルに垂直になります。このような場合、変更を使って、ま ず 0 に設定してから、アプローチおよびリトラクトの大きさおよび方向を調整します。 低速でアプローチ – ここで、アクションがより正確になるように、アームを低速で動かすアプロー チのポーズとアクションのポーズの間のポイントを定義できます。また、これはエンドエフェクタ がアクションと連携するポイントでもあります。したがって、アプローチ全体に対して「低速」がオ ンであれば、エンドエフェクタの方向は問題ではありません。アプローチ (または、「低速でリトラ クト」の場合はリトラクト) の非常に早い段階でアクションと連携します。これに対して、アプロー チ全体に対して「低速」がオフであれば、アクションに到達するまで、エンドエフェクタは徐々に変 化します。 低速でリトラクト – ここで、アクションの実行から安全に離れているので、アームが低速移動を完 了するアクションのポーズとリトラクトのポーズの間のポイントを定義できます。また、これはエ ンドエフェクタがアクションと連携するポイントでもあります。したがって、リトラクト全体に対 して「低速」がオンであれば、エンドエフェクタの方向は問題ではありません。リトラクトの非常に 早い段階でアクションと連携します。これに対して、リトラクト全体に対して「低速」がオフであれ ば、リトラクトするまで、エンドエフェクタは徐々に変化します。 垂直へスナップ – 垂直から 5 度以内で実行されるアクション、アプローチ、リトラクトを真に垂直 にしたい場合、このボックスをチェックします。複数レイヤーのボックスを梱包する場合、あるい は穴へペグを挿入する場合などに、これが便利です。(ロボットのアプローチ、アクション、リトラ クトのポーズが調整されていて、有効にするこの機能に関して垂直から 5 度以内になっていること に注意してください。) 少し垂直から外れたアクションを保存したい場合、必ずこのボックスを チェック解除してください。ポーズ ( アクション、アプローチ、リトラクト ) が垂直から 10 度以内 であれば、チェックボックスを切り換えることができます。 注意:リトラクトの距離の下にある、上記のヒントを参照して、詳細設定画面を使って、 アプローチ、アクション、リトラクトのポーズを調整する方法を学んでください。 Intera でのタスクのトレーニング 94 Intera 3.3 非垂直のアクションは、「ドット」記号で識別されます。これらの記号は、アクションが強調表示さ れている場合、あるいはアクションの変更パネルに表示されている場合に、タスクマップに示され ます。 非垂直 (左) および垂直 (右) のプレイスアクションのアイコンの例 アクションコントロール設定 – ここで、Sawyer がアクションを実行する場合のコントロールを選択 します。オプションは: • • 場所で – ロボットが、トレーニングを行ったポジションに到達すると、ロボット はパーツを掴む、または放します -- 物体からの力を感じた場合や、真空密封を達 成した場合ではありません。 最初 – ロボットは最初に接触したと感じた時 ( 電気パラレルグリッパー使用時 )。 真空密封が有効であると感じた時 (真空カップグリッパー使用時)、トレーニング した場所に到達した時のいずれか最初の時にパーツを掴むか、放します。 • 接触を感じなかった場合や、トレーニングした場所に到達しなかった場合は、 エンドポイントを 2cm 超えて移動するだけです。これは意図されたものであ り、ロボットが偶発的に作業スペースにある他のパーツと衝突しないように するためです。 • 接触 (電気パラレルグリッパーのみ) – ロボットは、パーツや作業面からの力を感 じた時に、パーツを掴むか、放します。 • ロボットは、パーツと接触して掴むまで、アプローチの動きを続けます。こ の設定は、スタックを作成する場合に便利です。 • 検知 (真空グリッパー、ピックアクションのみ) – ロボットは、真空密封を検知す るとパーツを掴みます。 • ロボットは、パーツで真空密封を検知して掴むまで、アプローチの動きを続 けます。この設定は、スタックを作成する場合に便利です。 • 混合 – アクショングループを変更する場合、アクショングループの個々の場所に 他の設定が混在している場合 -- たとえば、最初の場所が「接触」で、二番目の場所 が「場所」であるなど -- 設定は「混合」となります。 Intera でのタスクのトレーニング 95 Intera 3.3 注意: 「混合」を他の設定に変更することはできますが、他の設定を「混合」に変更するこ とはできません。言い換えれば、たとえば「場所」など、「混合」を他の設定に変更すると、 そのグループに属しているすべてのアクションが「場所」でピックしますが、グループのど のアクションにどの設定を割り当てるかを指定することはできないので、他の設定を「混 合」へ変更することはできません。 デフォルトのアクションコントロール設定 - ピック: • 電気パラレルグリッパー - 場所 • 真空グリッパー - 最初 デフォルトのアクションコントロール設定 - プレイス: • 電気パラレルグリッパー - 場所 • 真空グリッパー - 場所 ドロップの高さ – ここで、Sawyer がプレイスを実行する、ゼロからの高さを定義します。垂直プレ イスアクションの場合のみ。 モーションプリセット - Sawyer のアームがパスのウェイポイントをたどる際の正確性を定義しま す。「継承」は、プリセットがタスクレベルから継承されることを意味します。105 ページの「モー ションプリセット」を参照してください。 注意:「電球」の記号 が詳細画面に表示されている場合、これはその機能を使用するための ヒント (複数の場合あり) があることを意味しています。電球を選択して、ヒントを表示してください。 Intera でのタスクのトレーニング 96 Intera 3.3 タスクおよびサブタスクの管理 [Task Order (タスク順番)] 画面を使って、現在のサブタスクの順番を表示し、サブタスクの並び替え や結合を行います。また、この画面を使って、タスクの設定を管理したり、カウントや信号をタス クやサブタスクへ追加したりすることもできます。 [Task Order (タスク順番)] 画面を開くには、タスクマップで、[Rethink] ボタンを押して、[Order (順 番)] をクリックします。 1 2 1. すべてのサブタスク (実行の順番で番号付き) 、およびそれぞれのサブタスクに 関するすべての対応するピック、プレイス、および/またはホールドのアクショ ン (アクショングループを含む) の視覚的リストを表示します。 2. 選択したタスクに対してタスクマップを表示し、その下に、タスクまたはサブタ スク全体に対応する信号を表示します。この例では、レディ信号を確認できます。 タスク全体を変更するには、上部にあるバーを選択します (図を参照)。サブタスクを変更するには、 サブタスクを選択して、[OK] を押します。そのタスクまたはサブタスクのボタンバーが表示されます。 Intera でのタスクのトレーニング 97 Intera 3.3 タスクボタンバー • 戻る – ボタンバーを閉じて、タスク順番画面に戻ります。 • カウント – タスクのカウントを変更します。 • 信号 – サブタスクに信号を追加するか、削除します。(105 ページの「モーショ ンプリセット」を参照してください。) • モーションプリセット – アームがパスのウェイポイントをどのようにたどるかを 定義します。こうしたプリセットが、Sawyer がさまざまなタスクを完璧に行う のに役立ちます。(105 ページの「モーションプリセット」を参照してください。) • クリアアクション – すべてのサブタスクを削除します。これは、信号、タスクの 設定などに影響を与えることなく、サブタスクをリセットできるので、タスクの 再トレーニングを迅速に行うことができます。たとえば、既にセットアップの済み の場合などです。アクションはクリアされますが、以下は再トレーニングされま す:タスクに対してセットアップされた信号やランドマーク、タスクの設定 (例、 エンドエフェクタの設定、カメラの設定 (103 ページの「カメラの設定」を参照 )、 アームのリセットの際の動き、ドロップ/ミスしたピックのカウント)、モーション プリセット、タスクレベルのカウントや信号。 詳細オプション – エンドエフェクタの設定にアクセスします (100 ページの「グ リッパーのパラメータの変更」を参照)、カメラの設定、さらに Sawyer がピック を試みる回数を調整します (104 ページの「物体のピックを試みる回数の変更」を 参照)。 • Intera でのタスクのトレーニング 98 Intera 3.3 サブタスクボタンバー 一番上の行、左から右へ: • 戻る – ボタンバーを閉じて、タスク順番画面に戻ります。 • カウント – サブタスクのカウントを追加します。 • コピー – サブタスクおよびそのすべての詳細を、タスクマップの同じ場所へコ ピーします。コピーされたサブタスクは、タスクマップのオリジナルのすぐ下に 表示されます。 信号 – サブタスクに信号を追加するか、削除します。(125 ページの「信号」を参照 してください。) • 二番目の行、左から右へ: • 名前の変更 - 選択したサブタスクの名前を作成、変更します。 • 結合 – 1 つのアームの 2 つのサブタスクを 1 つのサブタスクに結合します。強調 表示されているサブタスクが、下にあるサブタスクに移動します。 順番の変更 – サブタスクの順番を変更します。または、不完全なサブタスクを統 合することもできます。 削除 – 現在のサブタスクを削除します。 • • サブタスクに名前を付ける/名前を変更する方法: 1. [Order (順番)] 画面で、名前を付けたいサブタスクを強調表示させて、[OK] を押 します。 2. タスクメニューから [Rename (名前の変更)] を選択します。 3. テキストホイールを使って、選択したサブタスクの名前を作成します。 4. [OK] を選択します。 また、サブタスクの名前を変更、削除することも可能です。 Intera でのタスクのトレーニング 99 Intera 3.3 サブタスクの結合 サブタスクを結合すると、ロボットはタスクのパーツを完了するタイミングを判断します。たとえ ば、3 つのパーツをトレイへ移動させる必要があるが、順番は問題ではない場合、それぞれのサブ タスクを 1 つの大きなサブタスクへ結合することが可能であり、Sawyer がサブタスクを完了する 順番を決定します。 1. 2 つのうち最初のサブタスクを選択します。 2. サブタスクの順番ボタンバーで、結合のアイコンをクリックします。選択したサ ブタスクが、1 つ下で結合されます。 注意:結合したサブタスクを分割することはできません。 サブタスクの順番を変更するには: 1. サブタスクボタンバーで、並び替えのアイコンを選択します。 2. 上下にスクロールします。黄色のラインが表示されて、新しい場所を示します。 3. [OK] を押して、サブタスクの移動、結合を行います。 グリッパーのパラメータの変更 カスタムグリッパーの設定を適用して、幅広い種類の物体でグリッパーのパフォーマンスを最適化 します。 注意:これらの設定は、Rethink Robotics グリッパーおよびカスタムグリッパーの両方に適用され、 それらのタスクのアームでのすべてのアクションに適用されます。 設定を変更するには: 1. タスクを作成します。 2. タスク順番画面に移動します。 Intera でのタスクのトレーニング 100 Intera 3.3 3. 画面の上部にあるタスクバーを選択し、[OK] を選択します。 4. [More Options (詳細オプション)] アイコンをクリックします。 5. [End Effector Settings (エンドエフェクタ設定)] アイコンをクリックします。 6. 設定を変更します。 電気パラレルグリッパーの設定: • グリップ速度 (%):グリッパーが閉じる速度、最大に対するパーセンテージ。 • リリース速度 (%):グリッパーが開く速度、最大に対するパーセンテージ。 Intera でのタスクのトレーニング 101 Intera 3.3 • 物体検出力 (%):物体検出のスレッシュホールド — ロボットが次のアクションへ 移る前に、物体を掴む場合の検出に必要な力の量。 注意:力の設定が高すぎると、グリッパーで柔らかい物体を検出できない可能性があります。 最初は高い値に設定し、グリッパーが物体を壊す場合は、弱めてください。 真空カップグリッパーの設定: • ブローオフ時間 (秒):物体を放す場合に、真空グリッパーがエアをブローする時 間の長さ。(この機能を使用するには、追加の「配管」が必要です。) • グリップ検出スレッシュホールド (%):真空センサーがピック成功を検出できる スレッシュホールド。この設定は、カスタム真空カップグリッパーおよび/または サードパーティ製の真空カップを対象としており、真空カップ機構の機械的特性 に依存します。 例: • • • 一枚の紙で、多孔性の場合、低いスレッシュホールドを設定します。そう することで、Sawyer に材料が多孔性であることが指示され、グリッパー のセンサーが低いスレッシュホールドで起動されます。 剛体の孔が少ない物体の場合は、必要な真空は少ないので、より高いス レッシュホールドを設定します。より高いスレッシュホールドを設定する と、グリッパーにある物体が早くトリガされなくなります。 カスタムの真空グリッパーを使用する場合は、より高いパーセンテージで 始めて、必要に応じて値を下げるとよいでしょう。 Intera でのタスクのトレーニング 102 Intera 3.3 • グリップ試行タイムアウト (秒):真空エンドエフェクタが、試行を止めるまでに 物体を掴もうとする期間。 カメラの設定 Sawyer のカメラの設定を変更して、作業エリアで Sawyer が認識できる光の量や品質を調整するこ とができます。(技術的注意:調整が適用されるのは、主にゲイン、ホワイトバランス、露出などの 照明変数です。)シンプルなスライダーで調整を行うか、[Auto (自動)] チェックボックスを選択して、 Sawyer にカメラの照明設定を任せることも可能です。この機能は、タスク毎に利用できます。 注意:新しいタスクを作成する場合、以前に開いていたタスクに基づいて、現在のカメラ設定が継 承されます。 SAWYER のカメラの照明設定を変更する方法 1. タスク順番画面で、タスクを強調表示させ、[OK] を押して、タスクバーボタン を表示させます。 2. [More Options (詳細オプション)] アイコン 3. カメラの設定ボタン Intera でのタスクのトレーニング を選択します。 を選択します。 103 Intera 3.3 ライブカメラの画像の下にスライダーがあります。スライダーで、[Auto (自動)] オプション、[Back (戻る)] ボタン、[Done (完了)] ボタンをスクロールします。([Auto (自動)] が有効であれば、スライダー は不要であるので、強調表示されません。) 4. [OK] を押して、スライダーを有効にします。 5. スクロールして、スライダーを左右に移動させます。 左へスクロールすると、カメラに入る光の量が減ります。右へスクロールするとさらに光が入りま す。(これを、それぞれゲインを増減するとも言います。) 6. ライブ画像が満足できるものになったら、[Done (完了)] を押します。 物体のピックを試みる回数の変更 Sawyer は、デフォルトでは、特定の物体のピックを 2 回試みます。(最初に失敗すると、再度試み、 もう一度失敗すると、Sawyer は停止します。) この設定は、1 から 99 までの回数に変更できます。 また、この設定は、たとえば、Sawyer のハンドが倒すパーツにも適用されます。 この設定は、アクションレベルではなく、タスクレベルで変更します。 この設定を変更するには: 1. タスク順番画面でタスクを強調表示させ、詳細設定のアイコンを選択します。 Intera でのタスクのトレーニング 104 Intera 3.3 2. 結果として表示されるメニューで、[Attempts (試行)] までスクロールします。 デフォルトでは、試行は 2 回です。 3. スピンボックスを強調表示させます。 4. 試行回数を希望する回数に変更します。(また、チェックボックスで、物体が落下 した場合にただちに Sawyer を停止させるオプションもあります。) 5. [Return (リターン)] ボタンを押して、そのタスクへの変更を行います。 この設定は、ドロップとミスの両方に適用されます。別個にカウントされますが、適用される回数の指定は一 度です。 モーションプリセット モーションプリセットは、Sawyer のアームがパスのウェイポイントをどのようにたどるかを定義します。 こうしたプリセットが、Sawyer がさまざまなタスクを完璧に行うのに役立ちます。 4 つのタイプのプリセットがあります: • 高速 (「高速、ダイレクト」) - デフォルトのプリセット。これは、Sawyer が過去に パスに沿ってウェイポイントをたどった方法です。( 以前のバージョンのソフト ウェアからタスクをアップグレードした場合、これのプリセットが選択されます。) • 中速 (「中速、計画的”) - Sawyer は、密接で、コントロールされた方法でウェイ ポイントをたどります (つまり、「高速」や「エクスプレス」より密接で、コントロー ルされた方法になります)。 Intera でのタスクのトレーニング 105 Intera 3.3 • • エクスプレス (「高速、最もダイレクト」) - Sawyer は、特定のヒットするター ゲットより密接にウェイポイントをガイドとして利用してたどります。このプリ セットでは、Sawyer は他のプリセットより高速でアクションを完了できるよう に最適化されます。サイクル時間が重視され、パスの精度は重要でない場合に、 このプリセットを使用します。 低速 (「低速、最も計画的」) - タスク全体、あるいは個々のアクションを、非常に 低速で実行することで、必要な最終的速度で、事前に期待した経路をロボットが 正確に行動することが保証されます。 信号、カウント、詳細設定について、プリセットはタスクレベルで設定しますが、アクションレベ ル (例、ピック、プレイス、ホールドなど) でそれらを上書きできるオプションもあります。 タスクレベルでモーションプリセットを変更する方法 1. タスク順番画面で、タスクを強調表示させます。 2. [OK] を押して、メニューボタンバーを表示させます。 3. [Motion presets (モーションプリセット)] アイコンを選択します。 現在のモーションプリセット、またはデフォルトのモーションプリセットが、次のように表示され ます: 4. モーションプリセットのオプションをスクロールし、プリセットを選択します。 5. [OK] を押します。 Intera でのタスクのトレーニング 106 Intera 3.3 アクションレベルでモーションプリセットを変更する方法 1. タスクマップでピック、プレイス、ホールドのアクションを選択し、[OK] を押 します。 2. [Modify Action (アクションの変更)] 画面で、 3. 変更画面で、[Advanced (詳細)] アイコン 面を表示させます。 アイコンを選択します。 を選択して、詳細アクション変更画 アクションのデフォルト設定は、「継承」です。これは、設定がタスクレベルと同じである、継承さ れることを意味します。 4. [Motion Presets (モーションプリセット)] アイコンを選択して、個々のアクション に対するモーションプリセットを変更します。 5. オプションをスクロールします。 6. [OK] を押していずれかのプリセットを選択してから、[Done (完了)] を押して保存 します。 Intera でのタスクのトレーニング 107 Intera 3.3 モーションプリセットに関する重要な注意事項 目的アクション -- アームがパスに沿って移動するアクション -- に、モーションプリセットが適用 されます。たとえば、Sawyer のアームをコントロールされた、計画的な方法で、ホールドからピッ クへ動かす必要がある場合、ピックに関する詳細画面を開いて、[Explicit (明示的)] を選択します。 物体およびカスタムグリッパーの重量の指定 アームのパフォーマンスを最適化するため、Sawyer が扱う物体の重量、ならびに使用するカスタム グリッパーの重量を指定することができます。この機能によって、Sawyer が重量を認識し – それに 応じて調整し – アームの動きをより滑らかで、効率的にすることができます。たとえば、グリッパー の重量に 3 ポンド (1.4 kg) のペイロードを入力すると、Sawyer がその重量を認識するので、Sawyer のアームを動かすようにトレーニングカフを絞った場合、実質的に重量がないように感じ、パフォー マンスが向上します。( ただし、カスタムグリッパーの重量を調整し、その変更を指定しないと、 Sawyer のアームのパフォーマンスは低下します。) Sawyer は最大 4 kg まで支えることができます。エンドエフェクタはプレートおよびそのアタッチ メント (電気グリッパーまたは真空、フィンガー ) で構成されています。 カスタムグリッパーの設定を行うときは、アダプタープレートの重量および長さを忘れないでくだ さい。 注意:4 kg の限度には、Sawyer が扱う物体の重量と、エンドエフェクタ自体の重量の両方が含ま れるので、グリッパーの総重量を指定するときに注意してください。 Intera でのタスクのトレーニング 108 Intera 3.3 物体の重量を指定する方法 1. タスクマップでアクションまたはアクショングループを選択し、[OK] を押して、 タスクマップのウィンドウを表示させます。 2. 追加機能の [+] ボタンを選択し、[OK] を押して、タスクボタンバーを表示させます。 3. 重量のアイコンを強調表示させ、[OK] を押して、重量入力画面を表示させます。 Intera でのタスクのトレーニング 109 Intera 3.3 4. スピンボックスを選択し、希望する重量を入力して、[OK] を押します。 5. [Done (完了)] を押して、重量を確定させます。 6. [Back (戻る)] ボタンを一度押して、タスク変更画面に戻ります。 追加機能のボタンとともに、重量が重量ウィンドウに表示されます。 7. 再度、[Back (戻る)] ボタンを押して、タスクマップに戻ります。 Intera でのタスクのトレーニング 110 Intera 3.3 ロボットポジショニングシステム 概要 協調型ロボットは、人間のそばで動作し、あるタスクや作業セルから素早く他へ展開できるように 設計されています。この設計にはメリットがありますが、同時にロボティクスにとって新たな課題 ともなります。たとえば、ある作業セルから別の作業セルへロボットを移動させると、タスクのピッ ク、プレイス、ホールドのアクションの場所を新しい作業エリアで調整する必要が起こります。 そして、人間のオペレータがテーブル、コンベヤ、あるいはロボット自体と偶発的にぶつかる場合 は、ロボットがアクション実行を期待される場所が移動されます。こうすると、ロボットはタスク の実行を失敗します。 こうした理由から、我々はロボットポジショニングシステムを設計しました。この機能を活用する 新しいワークフローでは、オペレータが迅速にロボットを作業スペースに再登録して、タスクの再 トレーニングや、以前にトレーニングしたタスクの微調整に時間を費やすことなく、作業を継続す ることができます。 現在は、ロボットポジショニングシステムはタスクのセットアップ中だけ機能することを覚えてお いてください。ロボットがタスクを実行する際に、動的に調整することはできません。また、この ロボットポジショニングシステムは、タスクのロードや、どのアクションを実行するかの判断では 使用されません。 ランドマークの例 ロボットポジショニングシステム 111 Intera 3.3 ランドマークは、基準ポイントとして使用される、画像システムの視野内に配置されるデザインま たはマークです。さまざまな画像を整列させて印刷する際に使用される登録マークと似ています。 Rethink Robotics では、現在、裏面が接着性の陽極処理されたアルミニウムのランドマークを提供 しています。これらのランドマークは、作業エリアのモジュールの表面に配置します。 偶発的であるか否かを問わず、Sawyer やアクションが行われるランドマークを含んでいる表面が移 動した場合、ロボットポジショニングシステムの機能を使用して、元の場所を基準にアクションを 再登録し、タスクに関して速やかに Sawyer の方向を修正できます。 この機能は、比較的小さい場所の変化用に設計されていることに注意してください。元の場所と、再 登録される場所の間の距離が、+/- 50mm および/または 10 度の回転以内であるようなケースです。 重要: • 以前に関連付けたランドマークを再登録する場合、アームを元の場所から動かさ ないことが重要です。動かすと、関連するアクションでエラーが発生する原因とな ります。したがって、Sawyer の胴体の [OK] ボタンを押すことを推奨いたします。 • タスクによっては、作業スペースに対してランドマークを機械的に固定すること が必要です。たとえば、表面が非常に熱くなるタスクでは、熱がランドマークの 接着剤に影響し、ずれることがあります。 ロボットポジショニングシステムを使用する場合 この機能は、アクション (通常はピックまたはプレイス) の場所の変化が予想され、Sawyer を速や かに新しい場所に再登録する必要がある場合に便利です。 場所の変化は、以下によって発生します: • Sawyer がある作業セルから出て、また戻る場合。 • • たとえば、テーブルにぶつかるなどの偶発的なオペレータのエラー。 たとえば、作業セル全体を移動して、工場フロアの新しい場所へ移動するなどの、 ロボットの計画的な動きやセットアップ。 ロボットポジショニングシステム 112 Intera 3.3 重要: • • • タスクのすべてのアクションにランドマークを割り当てます。 それぞれのモジュールやアームに、一意のランドマーク番号を使用します。 同じタスクでランドマーク番号を再使用しないでください。 ヒント:正確性が必要な場合、ランドマークを、可能な限りアクションが行われる場所へ近づけて ください。 ランドマークを作成する方法 重要: • • • • エンドエフェクタとランドマークの間に障害物がないことを確認してください。 ランドマークが平らで、水平な表面に配置されていて、ランドマークを配置する 前に表面が十分清掃されていることを確認してください。 ランドマークがアクションから離れているほど、ロボット再登録時の正確性が低 下します。ランドマークは、関連するアクションから 50 cm 以内に配置すること を推奨します。 Sawyer の画像システムがランドマークを確認できるように、エンドエフェクタ のカメラをランドマークの上約 20cm の位置で、ランドマークが視野の中央に なるように配置してください。また、ゲインを調整して、十分な照度があるこ とも確認してください。 アクションボタンでランドマークを作成するには: 1. タスクマップで、トレーニングカフのアクションを押してから、サブメニュー で [Landmark (ランドマーク)] を選択します。 2. Sawyer のアームを、ランドマークの上約 20cm の位置で、ランドマークがカメ ラの表示の中央になるように配置します。 Sawyer がランドマークを認識し、緑色の枠で強調表示するはずです。 下の例のように、Sawyer がランドマークを見付けられない場合は、以下のいずれかを行います: • カメラがランドマークの上 20cm の位置であることを確認します。 • ゲインを調整して、画像を明るく、または暗くします。 ロボットポジショニングシステム 113 Intera 3.3 • • カメラの視野の中央に近付くように、ランドマークモジュールを移動させます。 エンドエフェクタを取り外します。 認識の強さは、画面の中央の垂直で緑色のバーの高さとブライトネスで表示されます:高くて、明 るいほど、認識が強いです。下の例で示されているように、枠が緑色で、ランドマーク番号が付い ているメッセージが表示されれば、ランドマークは認識されています。 ロボットポジショニングシステム 114 Intera 3.3 3. [Save (保存)] を選択するとランドマークが保存されますが、カメラが動かないよ うに、胴体の [OK] ボタンを押します。 ランドマークを保存すると、画面にはチェックマークおよびランドマークの番号が表示されます。 ランドマークを作成する別の方法 また、次のようにしてランドマークを作成することもできます: 1. [Rethink] ボタンを押します。 2. ランドマークギャラリーのアイコンを選択します。 ロボットポジショニングシステム 115 Intera 3.3 3. [Create New (すぐに作成)] を選択します。 これで、以前と同じように、ランドマーク作成画面が表示されます。 4. 胴体のボタンを使って、前と同じようにランドマークを保存します。 ロボットポジショニングシステム 116 Intera 3.3 ランドマークをアクションに関連付ける方法 1. タスクマップでアクションを選択します。 を選択します。 2. 3. を選択します。 [Associate Action to Landmark (アクションのランドマークへの関連付け)] 画面が表示されます。 4. アクションのランドマークを選択します。 この例では、ランドマーク 7 がピック 1B と関連付けられています。 5. [OK] を押します。 注意:また、[ReThink] ボタンおよびランドマークアイコンを押して、ランドマークギャラリーを表 示させ、複数のアクションを単一のランドマークに関連付けることもできます。ランドマークに関 連付ける必要があるアクションが複数ある場合には、これが効率的なアプローチです。 ロボットポジショニングシステム 117 Intera 3.3 ランドマークを再登録する方法 1 つまたは複数のアクションの場所を削除した場合、それがロボットの移動、備品との不適切な衝 突、Sawyer の不適切な移動などのいずれの理由であれ、再トレーニングするより、ロボットポジ ショニングシステムを使用してアクションを再登録する方が簡単です。 注意:以前に関連付けたランドマークを再登録する場合、アームを元の場所から動かさないことが 重要です。動かすと、関連するアクションでのエラーの原因となります。 ランドマークを再登録する方法: 1. [Rethink] ボタンを押します。 2. ランドマークギャラリーを選択します。 3. 再登録するランドマークを選択します。この例では、ランドマーク 8 です。 4. [Reregister (再登録)] を選択します。 5. [Start (開始)] を押します。 ロボットポジショニングシステム 118 Intera 3.3 アームが、元の場所へ移動します。 グレイの輪郭は、ランドマークが保存されていた元の場所を示しています。 ランドマークの新しい場所が元のランドマークの場所から 50mm および/または 10 度の回転以上に 離れていなければ、Sawyer は新しい場所を認識します。 新しい場所が離れ過ぎている場合、緑色の枠が表示されるまで、Sawyer またはモジュールを動かし ます。 6. [Reregister (再登録)] を押します。 ロボットポジショニングシステム 119 Intera 3.3 ランドマークが再登録 (チェックマークに注意) され、元のタスクの場所と整列されます。Sawyer ロボットポジショニングシステム 120 Intera 3.3 ロボットポジショニングシステム - ベストプラクティス • • • • • • • おおよそ元の場所に Sawyer を簡単に戻せるようにするため、特にロボットを定 期的に動かす場合、フロアで Sawyer の作業場所をマークしておくことが便利で あると、多くの顧客が実感しています。 ランドマークを登録する場合、登録する前にアームを少し落ち着かせます (経験 的には 5 秒程度)。同じことは、再登録の場合にも当てはまります。 ロボットをランドマークに登録する場合、ロボットのアームの、ヘッドのすぐ下 にある、ベースジョイントにあるナビゲータの [OK] ボタンを使います。アーム のナビゲータを使うことも可能ですが、アームを動かさないために [OK] ボタン を押す時に注意してください。 ロボットポジショニングシステムを使用して再登録する場合、カスタムパスは再 定義されないので、ロボットにより柔軟性を与えるために、ウェイポイントの数 を制限し、アプローチおよびリトラクトのポイントから比較的離してください。 障害物を避ける必要があるなら、パスを使う代わりに、一連のホールドを使って ランドマークに関連付けて、障害物を回避してください。 ランドマークがある平面を水平に保ってください。 グリッパーの重量が、Sawyer のアームの動きの正確性に影響を与えることがあり ます。グリッパーを取り付けて、タスクのランドマークを登録する場合は、再登 録の際も必ずグリッパーを取り付けてください。逆に、登録時にグリッパーを取 り付けていない場合は、再登録の際も取り付けないでください。 ロボットポジショニングシステム 121 Intera 3.3 ロボットポジショニングシステムに関する FAQ Q:ランドマークを再登録しようとしましたが、「複数のランドマークが表示されています」という メッセージが表示されます。どうすればよいですか? A:ロボットが、複数のランドマークを見ているようです。1 つだけ認識されるまで、手でランド マークの 1 つを覆ってください。次に、[Save (保存)] を押して、必要なランドマークが保存される まで、他のランドマークを手で覆います。 Q:ランドマークを登録しましたが、削除したいです。どうすればよいですか? A:ランドマークを削除したいアクションを選択し、上で説明しているようにランドマークギャラ リーのパネルへ移動します。このギャラリーで、 を選択すると、そのアクションからランドマー クが解除されます。 Q:ロボットの場所を移動させると、カスタムパスは消去されますか? A:いいえ。パスは同じままですが、エンドポイント (つまりアプローチ/リトラクト) が新しい場所 へ移動します。 Q:アクショングループがある場合、それぞれのアクションをランドマークに関連付ける必要があ りますか?それともアクショングループ全体をランドマークに関連付ければよいですか? A:アクショングループがあり、すべてのアクションをランドマークに関連付けたい場合は、1 回の ステップでアクショングループ全体を関連付けてください。 Q:ランドマークを使用する場合、特別な照明の要件がありますか? A:いいえ。ロボットには、Cognex カメラと内蔵の照明があります。最高の結果を得るには、スラ イダーメニューを使って、照明のブライトネスを変更してください。 Q:ピックまたはプレイスのアクションと同じ方向で、ランドマークをトレーニングする必要があ りますか? A:いいえ。Sawyer がコンベヤでオフバーティカルの方向でピックする場合でも、コンベヤのフ レームに対してランドマークを水平に取り付けてください。 ロボットポジショニングシステム 122 Intera 3.3 Q:ランドマークをホールドと関連付けることができますか? A:はい。 Q:ランドマークが壊れた時は、どうすればよいですか? A:新しいランドマークと取り替えて、ランドマークギャラリーの上書き機能を使ってください。作 業スペースから削除する前に、ランドマークを上書きすることを忘れないでください。 Q:パスにあるウェイポイントを、ランドマークに関連付ける必要がある場合、どうすればよいで すか? A:現在は、パスをランドマークに関連付けることはできません。したがって、ウェイポイントをラ ンドマークに関連付ける必要があるか、確実に確認したい場合は、これらのウェイポイントをホー ルドに変えて、ランドマークに関連付けてください。 応用例 正確性が必要な備品にパスを配置する タスクの説明 Sawyer は、その日実行するタスクが何であるかに応じて、頻繁に移動される備品があるベンチの付 近で作業を行います。これらの備品は、配置する際に非常に高い正確性が必要であり、エンジニア は備品の交換はできますが、毎回タスクの再トレーニングを行うことはできません。 ロボットポジショニングシステム 123 Intera 3.3 解決策 正確性を高めるため、ランドマークをなるべくアクションの近くに配置します。 1. ピックおよびプレイスのトレーニングを行います。 2. アクションに近い備品に、一つのランドマークを配置します。 3. それぞれのアクションを、関連するランドマークについてトレーニングします。 完了です。 ロボットポジショニングシステム 124 Intera 3.3 信号 信号の操作 Intera 3.3 (Sawyer および Baxter) で動作しているロボットは、当社のマシン以外からのデジタル信 号 (on/off, true/false, yes/no) を送信 (out) または受信 (in) することができます。Sawyer には、8 つ の入力と 8 つの出力が組み込まれています。別のリモート・ターミナル・ユニットを使って、これ を最大で 99 入力および 99 出力まで拡張することができます。 ロボットは、以下の信号を送信、認識します: 注意:他に説明がない場合、レベル信号は真の時アクティブであり、エッジ信号は偽か ら真への遷移を探します。 Sawyer は、信号ライブラリでそれぞれの信号について本文中で説明しているので、状況に応じて使 いたい信号が不明であれば、これらの説明が役立ちます。 信号 125 Intera 3.3 • • • • • • In Skip (レベル) – サブタスクの場合、タスクが次のサブタスクまでスキップする べきことを示す信号です。この信号が考慮されるのは、サブタスクがアクション のシーケンスの間である場合だけです。ホールドアクションの場合、一定の時間 が経過するまで待つ代わりに、ただちにホールドアクションを終了させます。 In Do Subtask – より簡単に Sawyer に、何を、いつ実行するかを指示できます。 タスクのすべてのサブタスクに Do Subtask 信号が割り当てられている場合、そ れぞれのサブタスクは「リスニング」モードになります。任意の時点で Do Subtask 信号を送信して Sawyer に特定のサブタスクを実行させ、次の信号で Sawyer に どこに移動して何を実行するかを指示するまで待たせることができます。こうす ることで、レディ信号で動作する際の柔軟性を高め、PLC のラダーロジックを減 らすことができます。すべてのサブタスクに 「Do Subtask」 信号が関連付けられ ていない場合、Sawyer は通常「Do Subtask」が関連付けられているが、アサート されていないサブタスクをスキップし、そのタスクを実行します。 Reset In – Sawyer は、PLC が Sawyer をトリガして、そのタスクを最初のアク ションから開始させる場合、Reset In 信号を受信できます。これは、実質的には、 Sawyer を停止させて、リセットボタンを押すのと同じです。すべてのカウント が 0 に戻ります。 • Reset Count – 真であると、カウントをリセットします。 • Out Done (レベル) – この信号は、Sawyer がアクション、サブタスク、タスクを 完了したことを意味します。つまり、カウントは完了です。この信号は、任意の 時間の長さで真のままとどまることができますが、0.5 秒未満にはなりません。 • Out Count (エッジ) – Sawyer が、カウントを変化させたアクションを実行したこ とを示す信号です。 Out Error ( レベル ) – Sawyer に問題があり、タスクの実行を停止したことを示す 信号です。 • 信号 In Ready (レベルおよびエッジ) – 外部の世界がアクションの実行準備ができたこ とを知らせる、Sawyer への信号。場合によって、In Ready 信号は、Sawyer にカ ウントのリセットを指示します。レディ信号は、ゲートまたはイネーブルとして 設定することができます。134 ページの「Ready 信号:ゲートまたはイネーブル として設定する」を参照してください。 In Error (レベル) – 外部のマシンまたはデバイスにエラーがあったことを Sawyer に知らせる信号。Sawyer は停止し、In Error が偽になるのを待って、オフになっ たところで再開します。 In Pause – 真になると Sawyer がフリーズします。(In Pause は、場合によって In Error 信号より便利です。この信号で、Sawyer は混乱した表情を表示するので、 誰かが Sawyer にエラーの原因となった信号を「解除」する必要があります。) 126 Intera 3.3 • • Out Confusion (レベル) – Sawyer が材料またはヘルプを必要としていることを示 す信号です。ユーザーの介入が必要です。 Out Action Started (エッジ) – Sawyer がアクションまたはサブタスクを開始して いる、つまり、アームがアクションのアプローチポイントに達したことを示す信 号です。言い換えれば、サブタスクの最初のアクションのアプローチポーズでの 開始パルスです。パルスの期間は、最長で 5 秒、あるいは最短で .5 秒に定義で きます。デフォルトでは、1 秒です。 • Out Action Ended (エッジ) – Sawyer がアクションまたはサブタスクを完了した ことを示す信号です。たとえば、サブタスクで最後のアクションのリトラクト ポーズでのパルスなど。パルスの期間は、最長で 5 秒、あるいは最短で .5 秒に 定義できます。デフォルトでは、1 秒です。 • Reset Out – ユーザーが Sawyer の UI で 「Reset」を押すと、Sawyer は Reset Out 信号を送信して、PLC をリセットすることができます。すべてのカウントが 0 に 戻ります。 Hold Active – Sawyer のアームがホールド位置に到達すると、送信されます。 Sawyer のアームがホールドポーズで停止すると、アクティブ信号が送信され、 5 秒、30 分、無期限のいずれか定義された期間の間、真のままになります。こ の時間が経過すると、Sawyer は次の場所へ移動し、次の信号を待ちます。 • 注意:アクティブ信号の期間は、次のいずれか長い方になります:設定された ホールド時間、またはパルス幅。 内部信号 内部信号は、Sawyer と外部のデバイスの間の通信には関係しません。むしろ、ロボット自体の内部 の通信には既存の信号システムを使用します。 セットアップするには、内部信号の入力と出力が同じラインにあり、入力のトリガーロジック (ゲー ト/イネーブル) が出力の幅で動作する必要があります。つまり、ゲートは 0.5 秒の幅で機能します が、イネーブルには通常より長い幅が必要となります。 注意:Sawyer は、入力信号に対して対応する出力信号が同じラインにない場合、混乱し ます。 信号 127 Intera 3.3 信号ギャラリー タスクマップで、[Rethink] ボタンを押して、[I/O] をクリックすると信号ギャラリーにアクセスでき ます。この画面を使って、使用可能な信号を表示したり、新しい信号を追加したりすることができ ます。 初めて信号ギャラリーにアクセスすると、まだ信号を作成していない場合は、上の図のように空白 で表示されます。ギャラリーに信号があれば、次の図のように表示されます。 信号 128 Intera 3.3 1 2 3 1. 信号の作成 – 信号をギャラリーに追加します。 2. 現在のタスクに対して定義されているすべての信号のリストを表示します。 3. 選択した信号の詳細を表示します。 信号 • 信号の名前 • デバイス名およびライン番号 • タスクに信号が追加される場所の数 • 作成される信号のタイプ (例、In Ready) の数 129 Intera 3.3 信号の作成 信号をセットアップするには、まずデバイスを取り付け、設定し (135 ページの「I/O デバイス」を 参照)、次に信号を作成して、信号ギャラリーに保存します: 1. 信号ギャラリーで、[create signal (信号の作成)] アイコンをクリックします。 2. [add signal (信号の追加)] 画面で、信号のタイプをクリックします。「入力」信号の アイコンは右下を向いた矢印(下図の 1 行目と 2 行目)であり、「出力」信号のアイ コンは左上を向いた矢印 (下図の 3 行目と 4 行目) です。 信号の名前がチームにとって分かりにくい場合は、[configure signal ( 信号の設 定)] 画面で変更し、正しいデバイス、ライン番号を指定します。 3. 完了したら、[Done (完了)] をクリックします。後で、戻って、詳細を変更するこ ともできます。 信号 130 Intera 3.3 ラッチ信号 [Latching (ラッチ)] ボックスにチェックを入れると、その出力信号は、別の信号によって他の指示が 与えられるまで、高または低の状態を保ちます。極性を使って、高または低になるタイミングを指 定できます。 この機能は、信号を使ってグリッパーを開または閉の状態に保てるので、サードパーティ製のグリッ パーを使用する際に便利です。 たとえば、掴むために一定の信号状態が必要であるサードパーティ製のグリッパーを取り付けてい る場合、信号を反転させることで放すことができます。以下のステップを実行します: 1. ピックとして機能するホールドを作成します。 2. デバイス 1、ライン 2 で、このホールドに対してアクティブ信号を設定し、 [Latching (ラッチ)] ボックスにチェックを入れます (上の画像を参照)。 3. [Association (関連付け)] パネルで、極性を「高」に設定します。これでグリッパー は掴みます。低と指定するまで、信号は高のままになります。 4. パーツを置きたい場所に別のホールド (次のホールドまたは別のホールドになり ます) を作成します。 5. アクティブ信号を、デバイス 1、ライン 2 のこのホールドに関連付けます。極性 を低に切り替えて、パーツを放します。 信号 131 Intera 3.3 信号の割り当て 信号を割り当てるには: 1. アクション、タスク、サブタスクを選択します。 2. 変更画面で、[+] ボタンを選択します。 3. サブメニューで、信号を選択します。 Sawyer が、[Associate Signal (信号の割り当て)] 画面を表示、この画面で信号の定義および割り当て の両方を行うことができます: 4. プラス (+) ボタンを選択して、信号およびその属性を定義します。 5. 完了したら、画面の [Back (戻る)] アイコンをクリックします。 入力信号の状態の表示、出力信号のテスト [Association ( 関連付け )] パネルで、それぞれの信号の横にあるライトは、信号がアクションと関連 付けられたときの信号の状態を示します。 信号 132 Intera 3.3 入力 · グリーン = 信号を受信しました。 · グレー = 信号は受信されていません。 · レッド = ロボットは外部デバイスと通信中です。 出力 出力をテストするには、[Association (関連付け)] パネルで、[Rethink] ボタンを押します。 · グレーのライト = 信号は偽の状態です。 · グリーンのライト = 信号は真の状態です。 信号の正しい期間の間、ライトが点滅します。 信号がラッチであれば、ライトは正しい状態に切り替わり、そのままになります。 信号に関する注意事項 • • 信号 極性の列にある信号反転のアイコン をクリックすることで、Sawyer の送 信と受信を簡単に切り替えることができます。 パルス - 外部のデバイスを統合する際に、より柔軟性を高めるため、出力信号の パルスの期間を定義することができます。最長で 5 秒、最短で .5 秒まで、設定 できます。デフォルトでは、1 秒です。 133 Intera 3.3 • • 既存の信号を無効にするには、信号の横にあるスピンボックスで「なし」を選んで から、[Back (戻る)] ボタンで戻ります。この操作で、現在のアクション、サブタ スク、タスクのレベルで信号の関連付けが解除されますが、信号自体はまだ利用 できるので、他のアクション、サブタスク、タスクのレベルへ関連付けることが できます。 内部信号のデフォルト名は、INT で始まります。(例、INT Ready 1) • Intera 3.2 では、宛先の胴体は現在のロボットであり、デフォルト名は、すべて Robot で始まります。(例、Robot, Ready) • Ready 信号の「Reset Count」ポリシーを never に設定すると、必要に応じて、個 別に Reset Count 信号を割り当てることができます。 READY 信号:ゲートまたはイネーブルとして設定する Ready 信号があるピックまたはプレイスのアクションには、Sawyer がアクションを開始した時に 真であった信号が偽になった場合に、何を行うかを Sawyer に指示できるオプションがあります。た とえば、パーツ存在信号を使用していて、パーツがなくなった場合 (信号は偽)、Sawyer に動きを継 続させるか、停止させるかを選ぶことができます。 • 信号 この信号に関してイネーブルを選んだ場合は、パーツ存在信号が消える ( 偽にな る ) と、Sawyer は停止し、アプローチに戻り、信号が真になるまで待ってから、 再試行します。 134 Intera 3.3 • この信号に関してゲートを選んだ場合は ( ゲートはアクションのアプローチとし て定義)、いったんゲートを超えると、たとえパーツ存在信号が消えても、アーム は動作を継続します。 I/O デバイス このセクションでは、Sawyer ロボットで使用できる電気インターフェースについて説明します。以 下のインターフェースが利用できます: • コントローラ I/O • 外部 I/O • 安全定格コントローラ I/O 注意:最新情報は、当社の wiki をご覧ください:mfg.rethinkrobotics.com 免責事項 Rethink Robotics 製品とサードパーティ製品の統合に関連して提供される助言は、すべて「現状」に 基づくものです。Rethink Robotics は、お客様が利用されているシステムにアクセスできず、Rethink Robotics はサードーパーティ製品との統合を実現する方法を管理できないので、Rethink Robotics はこうした限定的な助言に関して一切の責任を負いません。 コントローラ I/O Sawyer ロボットのコントローラは、外部とのインターフェースとして、Moxa ioLogik E1212 リモー トターミナルユニットを使用しています。このユニットは、Intera ソフトウェアですぐに使用でき るように事前設定されており、タスクの信号を設定すると、すぐに 「 Robot 」デバイスとして表示さ れます。 スイッチの定格および仕様の詳細については、ioLogik E1200 シリーズ ユーザー マニュアルを参照 してください : http://www.moxa.com 信号 135 Intera 3.3 Moxa ioLogik E1212 ハードウェア 仕様 デジタル入力 (8 チャネル) センサーのタイプ:ウェット接点 (NPN または PNP)、ドライ接点 I/O モード:DI またはイベントカウンター ドライ接点: • オン:ショートから GND • オフ:開 ウェット接点 (DI から COM): • オン:10~30 V DC • オフ:0~3 V DC デジタル出力 (8 チャネル) 信号 • タイプ:Sink • I/O モード:DO またはパルス出力 136 Intera 3.3 • パルス出力周波数:500 Hz • 過電圧保護:45 V DC • 過電流保護:2.6 A (4 チャネル @ 650 mA) • 温度超過シャットダウン:175°C (標準)、150°C (最低) • 定格電流:チャネル当たり 200 mA 物理的特性 • 配線:I/O ケーブル 最大 14 AWG 環境限度 • 動作温度:-10~60°C (14~140°F) • 保管温度:-40~85°C (-40~185°F) • 周囲相対湿度:5~95% (結露なし) • 高度:最高 2000 m 規格および認定 • 安全:UL 508 • EMI: • • EMS: • 信号 EN 55022; EN 61000-3-2; EN 61000-3-3; FCC パート 15, サブパート B, クラス A EN 55024, EN 61000-4-2, EN 61000-4-3, EN 61000-4-4, EN 61000-4-5, EN 61000-4-6, EN 61000-4-8, EN 61000-4-11 • 衝撃:IEC 60068-2-27 • 自由落下:IEC 60068-2-32 • 振動:IEC 60068-2-6 • エコ・プロダクト:RoHS, CRoHS, WEEE • 危険場所:UL/cUL クラス I 区分 2, ATEX ゾーン 2 137 Intera 3.3 LED インジケータ I/O 配線図 注意 それぞれの電源配線および共通配線の最大許容電流を判断してください。すべての電線 で、それぞれのワイヤーサイズの最大許容電流を順守してください。電流が最大定格を超えると、 配線が過熱して、装置に重大な損傷が起こる恐れがあります。安全上の理由から、平均ケーブルサ イズとして 22 AWG を推奨いたします。ただし、電流負荷により、ケーブルサイズの調整が必要に なることもあります (電源コネクタの最大ワイヤーサイズは 2 mm)。 信号 138 Intera 3.3 入力 入力は、チャネル DI0-DI7 です。下の図を参照して、入力デバイスと Moxa ioLogik E1212 デバイ スの接続を理解してください: ドライ接点とは、電圧を提供しない接点です。 ウェット接点は、閉時に電圧を提供する接点です。 信号 139 Intera 3.3 出力 出力は、チャネル DIO0-DIO7 です。下の図を参照して、出力デバイスと Moxa ioLogik E1212 デバ イスの接続を理解してください: 注意:回路図の「負荷」とは、電力を消費する回路のコンポーネントまたは一部です。このドキュメ ントの下図で、「負荷」は I/O ユニットに接続されているデバイスまたはシステムを意味します。 外部 I/O 注意:最新情報は、当社の wiki をご覧ください:mfg.rethinkrobotics.com Sawyer のコントローラは、8 つのデジタル入力と 8 つのデジタル出力で構成されます。さらに I/O が必要な場合は、外部イーサネット接続 Modbus TCP/IP リモート・ターミナル・ユニット (RTU) を 追加して、Sawyer が外部マシンと通信することができます。 MODBUS リモート・ターミナル・ユニット (RTU) を SAWYER に接続する Modbus デバイスの IP アドレスを169.254.#.# に設定します。ここで、# は 1 から 254 までの数で あり、サブネットマスクは 255.255.0.0 になります。(IP アドレスの割り当てに関しては、RTU メー カーの説明書を参照してください。) 1. Sawyer の電源をオフにして、デバイスを、Moxa ioLogik E1212 リモート・ター ミナル・ユニットの追加ポートではなく、コントローラで利用できるいずれか のイーサネットポートに取り付けます。 信号 140 Intera 3.3 2. デバイスの電源をオンにします。 3. Sawyer の電源をオンにします。 4. [Settings (設定)] > [Hardware Settings (ハードウェア設定)] > [Configure Modbus (Modbus の設定)] と移動します。 注意:設定の詳細は、次のリンクを参照してください: mfg.rethinkrobotics.com/wiki/Configure_Modbus Intera ソフトウェアでの Modbus 選択の設定 MODBUS TCP プロトコルを理解する このセクションでは Modbus TCP プロトコルを説明します。正しい設定の方法、外部デバイスと Sawyer のネットワーク通信、Modbus TCP を通じて送受信される情報の内容などです。Sawyer は Modbus TCP クライアント (マスター ) として設定され、外部デバイスは Modbus サーバー (スレー ブ) として設定し、Sawyer と通信を行うために Modbus TCP を使用する必要があります。 Modbus TCP INTERA は、Modbus TCP プロトコルを使用して、スレーブデバイスとして設定された外部デバイ スと通信することができます。INTERA は、modbus 通信に FieldTalk Modbus Master ライブラリを 使用し、以下のような 2 つの modbus ファクションコードを使った、離散入力および離散出力に限 定されます: 信号 • 02 - 離散入力読み取り (入力ステータス読み取り) • 05 - シングルコイル書き込み (シングルコイルを強制) 141 Intera 3.3 詳細情報は、http://mfg.rethinkrobotics.com/wiki/Modbus_TCP にアクセスしてください。 Intera ラインおよび Modbus アドレス 以下の情報は、Modbus 通信用 PLC などのデバイスと接続するためのものです。リモート・ターミ ナル・ユニット ( 例、Moxa E1212) などのデバイスは、対応するアドレスで動作するための詳細な 設定を必要としません。Intera ソフトウェアは、外部デバイスとの通信でラインを使用し、こうし たラインは Modbus アドレスとの通信のアドレスに対応します。ラインは 0 がベースであり、 Sawyer で設定された 8 つのラインはライン 0-7 となります。対応する Modbus アドレスは 1 が ベースであり、Sawyer で設定された 8 つのラインは modbus アドレスで 1-8 に対応します。 以下のアドレス指定は、デバイスで事前設定されたアドレスを持つ Modbus TCP デバイスで動作し ます。デバイスを設定して、変数を特定のアドレスに指定する必要がある場合、こうしたアドレス や変数は、Intera でデバイスを設定する前に、必ずデバイスで設定しておく必要があります。 注意:これは、一部のデバイスのためのガイドラインであり、すべてのデバイスに当てはまるわけ ではありません。詳細は、デバイスのメーカーが提供するドキュメントを参照してください。 デバイスや Intera の設定に関する支援が必要な場合、以下の情報で Rethink Robotics のサポート部 門までお問い合わせください: 866-704-7400 (米国) [email protected] あるいは http://www.rethinkrobotics.com/customer-support/ にアクセスしてください。 Modbus デバイスを設定する際に入力および出力のベースを変更することで、設定済みの Modbus デバイスライン/Modbus アドレスをオフセットして、必要なアドレスにすることができます。 信号 142 Intera 3.3 設定済みライン 入力 出力 3 3 設定済み Modbus デバイスのパラメータ 設定済みベース ライン # 入力ベース 出力ベース 3 3 0 1000 0 0 1 1050 Modbus アドレス 入力 出力 1 1 2 2 2 3 3 0 1 1001 1051 1002 1052 2 1003 1053 ネットワークおよび設定 Sawyer は、デフォルトでは、DHCP アドレス指定に設定されています。Sawyer が DHCP ネット ワークに接続されていない場合、デフォルトでの IP アドレスはリンクローカルアドレスになります。 注意:リンクローカル IP アドレスの範囲は 169.254.#.# であり、ここで「#」は 1 から 254 までの数 です。リンクローカルアドレスのサブネットマスクは 255.255.0.0 です。 Sawyer が DHCP ネットワークに接続されている場合、IP アドレスおよびサブネットマスクは接続 されているネットワークを反映するように割り当てられます。 注意:IP アドレスやサブネットが予想通りに設定されていない場合は、IP 管理者に問い合わせてく ださい。 安全定格コントローラ Sawyer ロボットのコントローラは、カスタムおよび事前に設定された Banner 安全コントローラお よび関連する配線で管理されています。この安全コントローラは、安全定格 E-Stop 機能を備え、安 全を必要とするアプリケーション向けに安全定格保護ソリューションのサポートを提供します。制 御システムが、e-stop ボタン、安全マット、インターロックガイドなどのさまざまな入力デバイ スをモニターし、ロボットのモーターに供給される電圧を制限、切断します。 信号 143 Intera 3.3 安全コントローラの定格および仕様の詳細については、Banner 安全コントローラの取扱説明書を参 照してください: http://www.bannerengineering.com/ • アナログ式電圧モニタリングを備えた、拡張不能な SC26-2e。 • バスモニターが、冗長アナログ DC 電圧入力をモニターし、電圧がプリセットレ ベルを超えるかどうかを判断します。 上下のスレッショルドは、7 V DC~14 V DC の範囲内で 0.25 V DC 単位で独立し て選択可能です。 バスモニターの入力は、最大で Cat 4/PLe および/または SIL3 までのアプリケー ションで使用できます。 モニターしている電圧の値には、イーサネットインターフェースでアクセス可能 です。 • • • 警告 • • 信号 すべての安全関連信号は冗長構成 (つまり、2 つの独立したチャネル) にする必要 があります。単一の障害で安全機能が損なわれることがないように、2 つのチャ ネルを別個に保つ必要があります。 安全関連信号は、必ず正しい機能的安全性能レベルを備えた安全関連デバイスに 接続してください。これを守らないと、安全システムが損なわれ、リスク評価に 144 Intera 3.3 基づいてアプリケーションに必要とされる保護のレベルが達成されない恐れが あります。 リスク評価の実施 RIA TR R15.306:2014 には、リスク評価実施の詳細な方法論が記載されています。電力および力が 制限される協調型ロボットの場合、ISO TS 15066 および ANSI R15.06/ISO 10218-2 に、評価の適 切な側面が記載されています。ロボット自体だけでなく、すべてのツール、備品、パーツ、エンド エフェクタ、機械などロボットセル内のすべてを含め、ロボットアプリケーション全体を評価する ことが重要です。意図した操作およびインタラクションの状況の両方、ならびに意図しない、予測 不能な誤用の状況も含めて、通常の操作でのすべての危険を考慮すると、危険を発生する可能性、 負傷の危険の重大度、発生する頻度、回避可能性に基づいてスコア化する必要があります。 危険およびそのリスクを判断した後、規格では、ユーザーが許容レベルを排除または低減するよう 試みることが求められています。最重要課題である危険の排除から始まり、最終レベルでの保護具 の使用に至るまで、検討するべきステップの階層があります。危険を排除または低減するために作 業セルに変更を適用した後、それぞれの危険のリスクを再度スコア化して、最終的なリスクレベル を判断し、作業セルがリスクの必要なレベルを満たしていることを示す必要があります。 特定の制限や、標準化され、再現可能で、正確な力/圧力の測定技法がない場合、顧客はこうした危 険に関してロボットの性能をテストし、常識を活用して負傷の重大性を判断する必要があります。 取り扱っているパーツにリスクがあるか、協調作業セルの一部の装置に危険がある場合、対応して いるロボットや機械の近接で何かを検出した場合、ロボットを速度低下、一時停止、停止させる保 護手段を追加する必要があります。 信号 145 Intera 3.3 配線の例 信号 146 Intera 3.3 仕様 安全 カテゴリ 4, PL e (EN ISO 13849) SIL CL 3 (IEC 62061, IEC 61508) 製品性能規格 業界の該当する米国および国際規格のリストは、操作説明書にある規格および規制のセクションを参照してください。 EMC IEC 61131-2, IEC 62061 Annex E、Table E.1 (イミュニティレベルの強化)、IEC 61326-1:2006、および IEC61326-3-1:2008 にあるすべ ての EMC 要件に適合、または上回ること 変換可能 I/O · 電流電源:最大 80 mA (過電流保護) テストパルス · 幅:最大 200 μs · レート:通常 200 ms 認定 · 認定保留中 取り外し可能ネジターミナル · ワイヤーサイズ:24~12 AWG (0.2~3.31 mm²) · ワイヤーストリップ長さ:7~8 mm (0.275 in ~ 0.315 in) · 締め付けトルク:0.565 N·m (5.0 in-lb) 取り外し可能クランプターミナル · 重要:クランプターミナルは 1 線専用です。複数のワイヤーをターミナルに接続すると、ワイヤーが緩んだり、ターミナル から完全に切断されて、ショートすることがあります。 · ワイヤーサイズ:24~16 AWG (0.20~1.31 mm²) · ワイヤーストリップ長さ:8.00 mm (0.315 in) 安全入力 (および、入力として使用する場合の変換可能 I/O) · 入力オンスレッショルド:> 15 V DC (保護オン)、30 V DC 最大 · 入力オフスレッショルド:< 5 V DC および < 2 mA、–3 V DC 最小 · 入力オン電流:24 V DC で通常 5 mA、24 V DCでのピーク接点クリーニング電流 50 mA · 入力リード抵抗:最大 300 Ω (リード当たり 150 Ω) · 4 線安全マットに関する入力要件: o プレート間の最大容量:0.22 μF o ボトムプレートと接地間での最大容量:0.22 μF o 1 つのプレートの 2 つの入力ターミナル間での最大抵抗:20 Ω ソリッドステート安全出力 24 V DC で最大 0.5 A (最大低下 1.0 V DC)、最大ラッシュ 1 A · 出力オフスレッショルド:通常 1.7 V DC (最大 2.0 V DC) · 出力リーク電流:最大 50 μA 、開 0 V · 負荷:最大 0.1 μF、最大 1 H、リード当たり最大10 Ω レスポンスおよびリカバリ回数 · 入力から出力へのレスポンス時間 (入力停止から出力オフ):変動するため、PC インターフェースの設定サマリーを参照して ください。 · 入力リカバリ時間 (停止から実行): · 構成による 信号 147 Intera 3.3 · 安全出力 SO..a~SO..b 起動差異 (ペアとして使用、分割なし): · 通常 6~14 ms、最大 ±25 ms · 出力 SOx~出力 SOy 起動差異 (同じ入力、同じ遅延): · 3 スキャン時間 +25 ms 最大 · 安全出力 オン/オフ 遅延許容範囲: · ±3% 出力保護 · すべてのソリッドステート出力(安全および非安全) は、過電流条件を含めて、ショートから 0 V または +24 V で保護されます。 電流機能 ID · SC26-2evm 信号およびその定義 このセクションでは、使用可能な信号およびその正確な定義を説明します。Sawyer および Baxter の両方のロボットに適用されます。 用語 信号:信号は、なんらかの情報を伝達します。信号はバイナリであり、オンまたはオフのどちらか だけです。信号は、外部ソースから Intera によって受信される入力信号か、Intera から外部ソース へ送信される出力信号です。 極性:バイナリ信号は、真か偽のいずれかです。デフォルトでは、Intera が入力信号を読み取ると、 偽であれば 0 として、真であれば 1 として解釈します。逆に、出力信号を送信する場合、偽に対し て 0 を、真に対して 1 を送信します。0 と 1 がどのように現実世界に対応するかは、外部デバイス がどのように配線、設定されているかによります。 反転:Intera には、入力または出力の信号を反転できるオプションがあります。反転された信号は、 単純にデフォルトとは反対に解釈されます。つまり、0 が真とみなされ、1 が偽とみなされます。 信号クラス:Intera は、主に次の 2 タイプの信号を使用します: レベル:情報は、信号の現在のレベルとしてだけ保持されます。これが、何かの状態を表し ます。たとえば、パーツが存在するか、操作が完了したかなど。入力レベル信号は、2 つの 方法のいずれかで使用されます: 信号 148 Intera 3.3 • ゲート ( 入力 ):Intera は、タスクの特定のポイントで、ゲート信号が真になるのを 待ちます。真になると、タスクのそのポイントに再び達するまで、ゲートの値は無視 されます。信頼できると認識されるには、ゲートが最低でも 0.5 秒の期間である必要 があります。 •イネーブル (入力):Intera は、イネーブル信号が真になるのを待って特定のアクショ ンを実行し、イネーブル信号が真のままであることを要求するか、可能な限り速やか にアクションを中断します。 パルス (出力)、エッジ (入力):情報は、信号が偽から真に変化することで保持されます (信号 の立ち上がりエッジ)。信号がどれくらい続くかは問題ではありません。これは、イベントの 発生を表します。たとえば、アクションが開始されると、パルスが送信されます。 •信頼性をもって認識されるには、エッジ入力が最低でも 0.5 秒続く必要 があります。 •パルス出力は、最低でも 0.5 秒の間、真になります。 •その他の注意事項 高度な応用方法では、パルス出力をレベル入力に接続したり、レベル出力を エッジ入力に接続したりすることが意味を持つことがあります。工夫した例 では、Done (出力レベル) 信号を Task Reset (入力エッジ) へ接続し、Done 信 号が真になったときにタスクをリセットすることができます。 タスク要素:タスク要素は、タスクの一部であり、信号を割り当てることができます。要素に含ま れるもの:全体的なタスク自体、サブタスク、アクショングループ、個別のアクション。アクショ ンのシーケンスもタスクの要素ですが、直接信号を割り当てることはできません。 信号のタイプ:Intera には、一連の事前に定義された信号のタイプがあります。信号を定義するに は、タイプを選択し、名前を付け、特定の入力または出力と関連付ける必要があります。定義され ると、信号は同じタイプのタスク要素の入力か出力にしか接続できません。 信号のタイプ Intera には、一連の事前に定義された信号のタイプがあります。タイプにはある程度高レベルの意 味がありますが、信号の動作の詳細は、信号が付与される要素によります。主なタイプを、以下で 説明します。 信号 149 Intera 3.3 入力 Ready (エッジおよびレベル):真であれば、タスクの要素が実行準備完了であることを示します。多 くの場合、Ready 信号のエッジは、接続されている要素のカウントやエラー状態をリセットするた めにも使用されます。 Skip (レベル):真であれば、Intera を現在の要素から移動させます。 Task Reset In (エッジおよびレベル):タスクのポーズ (レベル) およびリセット (エッジ) を行います。 Error In (レベル):タスクを停止します。 Pause (レベル、およびイネーブル):アサートされると一時停止します。 Do Subtask (レベル):真であれば、対象が実行可能であることを知らせます。 Reset Count (エッジ):関連するタスク要素のカウントをリセットします。 出力 Done (レベル):特定のタスク要素のカウントに到達。カウントがリセットされるまで、真のままです。 注意:Done がレベルである間は、カウントの自動リセットのため、多くの場合は短い期間だけ保持 されますが、少なくとも 0.5 秒は必要です。 Increment Count (パルス):特定のタスク要素のカウントがちょうど変更された。これが発生するの は、要素が成功した場合だけです。 Start (パルス):タスク要素を開始している。 End (パルス):タスク要素を完了している。 Task Reset Out (パルス):タスクがリセットされた。 Error Out (レベル):タスクに内部エラーがある。 Confusion (レベル):タスクが混乱状態である。 信号 150 Intera 3.3 Active (パルス):関連するホールドを現在実行中である。 READY および CONFUSION の相互作用 たいていの場合、Ready 信号をタスク要素へ接続すると、タスク要素が混乱する (したがって、 Confusion 信号が真に設定される) ことを抑えられます。特に、タスクが現在アクションを実行し ていない場合、Intera は、Ready 信号が真になることで、タスクを進められるか、Ready の立ち上 がりエッジでカウントまたはエラー状態がリセットされるかを判断しようとします。そうであれ ば、Intera は混乱信号を抑制します。 タスク要素の詳細 アクション アクションとは、作業スペースの特定のポーズで実行されるピック、プレイス、ホールドのことで す。信号は、アクショングループの一部ではない単一の信号に付与できます。 アクショングループ アクショングループは、通常は共通のパラメータで、作業スペースにあるポーズのグループに適用 されるピックまたはプレイスです。信号を適用できるのは、アクショングループ全体に対してだけ であり、グループ内の個々のアクションに対してではありません。入力信号の場合、信号はそれぞ れのアクションに個別に付与されるようになります。出力信号の場合は、特定の信号タイプに対し て何が意味をなすかに応じて、Intera はアクションのそれぞれから出力の論理的 OR または論理的 AND を生成します。たとえば、すべてのアクションが完了している場合 (論理的 AND) だけ Done 信 号が真になるのに対して、アクションのいずれかが生成する場合 (論理的 OR) は、パルス (例、Start) が発生します。 アクションのシーケンス アクションのシーケンス (「AS」) は、AS が開始されるたびに定義された順番で実行されるアクショ ンの 5 つのリストで構成されます。リストは、以下のとおりです: 1. 0 以上のホールド、順番に実行 2. 1 以上のピック、いずれか 1 つを選択 3. 0 以上のホールド、順番に実行 4. 1 以上のプレイス、いずれか 1 つを選択 5. 0 以上のホールド、順番に実行 信号 151 Intera 3.3 単一の AS があるサブタスクで、ピックが実行可能であると AS が開始されます。複数の AS がある サブタスクでは、ピックとプレイスの両方が実行可能であれば、AS が開始されます。通常は、アク ションのシーケンスは、開始されると、完了するまで実行されます。ただし、ピックが完了する前 に開始条件が偽になると、AS は中断されます。AS がパーツをピックしたが、実行できるプレイス がない場合、AS は実行を続け、プレイスが使用可能になるまで待ちます。 サブタスク サブタスクは、1 つ以上のアクションのシーケンスで構成されます。 サブタスクは、実行中のアクションのシーケンスがなくなり、以下のいずれかになると終了するよ うに定義されます: a. サブタスクにあるすべてのアクションのシーケンスのすべてのアクションで、すべてのプレイス のカウントがフルになるか、 b. Skip 信号が真になる。 エラー (例、ピックまたはプレイスの失敗) によってサブタスクが終了することはなく、カウントは 増えません。したがって、エラーによってアクションが実行できず、カウントが満たされないなら、 サブタスクは決して終了しません。 信号 Intera には、信号を付与できるタスクの要素が多数あります。これらには、全体的なタスク、サブ タスク、アクショングループ、ならびに個々のアクションが含まれます。信号の意味は、そのタイ プおよび信号が接続される場所の両方によって決まります。以下で、信号をサポートする場所のそ れぞれ、およびそれらがサポートする信号のそれぞれを検討します。 タスク これらの信号は、タスク順番画面でアクセスできます。まとめられたタスクでは、これらの信号を 全体的なタスクに付与します。 信号 152 Intera 3.3 入力 • • • • • Ready (レベル (ゲート)):タスクの最初のサブタスクを開始する前にチェックされ ます。真であれば、タスクを開始できます。 Task Reset In (エッジ、レベル):エッジとして、タスクをリセットします。リセッ トはただちに行われ、すべてのカウントがリセットされ、実行中であれば、タス クは最初から開始されます。レベルとしては、真である間、タスクは一時停止の ままになります。 •メニューで [Reset ( リセット)] を押したように動作しますが、まだ実行中で ない場合、タスクを開始させることはありません。 •アームが、タスクのリセットの時点で物体を掴んでいるなら、タスクは実行 されることはなく、Intera は混乱を示します。 Error In (レベル):真であれば、ロボットは停止します。ユーザーは、実行または リセットのボタンを押す必要があります。Error In 信号は、タスク実行の任意の ポイント、またはトレーニングの間にアサートすることができます。 •Error In 信号は、アームのタスクに付与できますが、いずれかのタスクに信 号をアサートするとアームが停止します。 Pause ( レベル ):タスク実行の任意のポイントで、pause 信号がアサートされる と、pause 信号がクリアされるまでタスクの実行は一時停止されます。 Reset Count (エッジ):Reset Count パルスが検出されると、タスクのカウントが リセットされます。 出力 • • 信号 Done (レベル):タスクが完了すると真になります。つまり、カウントによって指 定されたサイクル数を完了しています。 •タスクがリセットされると、ただちに偽になります。 •タスクが「完了」とみなされるのは、 指定されたカウントのサイクルを完了 した場合だけです。エラー状態によりタスクを完了できなかった場合は、カ ウントは増加しないので、「完了」しません。 Increment Count (パルス):タスクが最後のサブタスクを完了し、タスクカウント が増加されると送信されます。 •エラーのためにサブタスクを完了できない場合は、タスクは完了せず、この 信号が送信されることはありません。 •カウントが完了するか、リセットされないか Skip がアサートされたために、 すべてのサブタスクが完了すると、サブタスクが実行を開始するまで、タス クカウントが速やかに増加されます。この場合、Task Increment Count 信号 は特に便利ではありません。 153 Intera 3.3 • Error Out (レベル):タスクの実行を妨げるエラーがあると、真になります。 •EStop を含む UI からアラート停止メッセージがあると、Error Out がアサー トされます。 •まとめられていないタスクでは、アームに対するタスクに個別の Error Out 信号がありますが、通常はどちらも同じです。( タスクエディタを使って FailureStrategy を Stop に設定すると、アームでのアクションの失敗によっ て、他のアームではアサートすることなく、そのアームで Error Out on をア サートすることができます。) •ピックやプレイスの失敗などのタスク関連の原因で Error Out 信号が発生し た場合、タスクがリセットされた時点でリセットされます。ハードウェアま たは外部のエラーで信号が発生した場合は、エラーの状態自体がクリアされ るまで、リセットを通じてアサートされたままになります。 •エラー以外の条件については、次の「Confusion」を参照してください。 • • Confusion (レベル):ロボットが混乱を示すと、真になります。 •まとめられていないタスクでは、他のアームが実行を継続していても、混乱 のためあるアームのタスクが一時停止することがあります。 Reset (パルス):なんらかの方法でタスクがリセットされると、信号のパルスが真 になります。 サブタスク 入力 • • • 信号 Ready ( エッジ、ゲート ):真であれば、サブタスクを開始できます。タスクが、 Ready 信号が偽であるサブタスクに到達すると、信号が真になるまでタスクは一 時停止します。Ready の立ち上がりで、ただちにサブタスクのカウントがリセッ トされます。 Skip (gate):真であれば、可能な限り早くサブタスクを完了させ、タスクは次の サブタスクを続けます。 •Skip 信号が確認されるのは、アクションのシーケンスの間だけです。アク ションのシーケンスの間は、サブタスクは決して終了しません。 •カウントが 1 であるサブタスクが開始しようとしているときに Skip が真で あると、サブタスクはスキップされます。 •スキップされたサブタスクではカウントが増加し、Increment Count 信号を 送信します。 Do Subtask (レベル):関連付けられると、実行が発生するサブタスクに対して信 号がアサートされるはずです。 154 Intera 3.3 • Reset Count (エッジ):Reset Count パルスが検出されると、サブタスクのカウン トがリセットされます。 出力 • • Done (レベル):サブタスクが完了すると真になります。つまり、カウントによっ て指定されたサイクル数を完了した。 Increment Count (パルス):サブタスクが完了し、タスクカウントが増加されると 送信されます。 Start (パルス):サブタスクの実行が開始されると、信号パルスが真になります。 • End (パルス):サブタスクの実行が終了すると、信号パルスが真になります。 • グリップアクション:ピック、プレイス 入力 Ready ( イネーブル、エッジ ):偽であると、アクションは実行されません。真で ある場合、すべての他の条件 (例、カウント) が満たされていれば、アクションを 実行できます。さらに、Ready の立ち上がりエッジで、リセットの常に/完全の設 定に応じて、アクションのカウントがただちにリセットされます。 •アクションの実行中に Ready が偽になり、アクションがまだ行われていな い場合 (つまり、パーツがまだピックまたはプレイスされていない)、アクショ ンはただちに中断されます。アクションが実行されていれば、通常は Ready の状態に関わらず完了されます。 • Reset Count (エッジ):Reset Count パルスが検出されると、アクションのカウン トがリセットされます。 • 出力 • Done (レベル):アクションのカウントに到達すると、真になります。 •カウントの自動リセットにより、Ready 信号が接続されていない場合は、 Done が短い間オンになることがありますが、0.5 秒未満ではありません。 •内部的には、Intera はピックまたはプレイスで利用可能なパーツの数をカウ ントします。したがって、ピックのカウントが減り、利用可能なパーツの数 が 0 になると、Done がアサートされます。ピックが続けて一定の回数 (通常 は 2 回) 失敗すると、2 つのアクションの 1 つが行われます: 1. ピックがエラー状態になり、カウントがそのままになり、Done はア サートされません。これが、デフォルトです。 信号 155 Intera 3.3 • • 2. SoftFailureLimitAction 属性が EMPTY に設定されていると、カウント が 0 に設定され (空白状態を検知)、その結果として Done がアサートされ ます。 Increment Count (パルス):アクションが成功し、カウントが増加されると送信さ れます。 •アクションが正常にパーツをピックまたはプレイスし、カウントが変化する と、パルスが送信されます。これは、リトラクトのモーションが完了した後 であるのが通常ですが、リトラクトの間にアクションが中断された場合は、 もっと早くなります。たとえば、ユーザーがカフを掴んだ場合など。 •エラーが発生した場合、内部カウンターは変化しないので、increment count 信号のパルスは発生しません。 Start (パルス):アクションがアプローチを開始すると送信されます。 •アクションを再試行するたびに、1 つのパルスが送信されます。 • End (パルス):アクションがリトラクトを完了すると送信されます。 •アクションが完了すると、成功か失敗かに関わらず、通常はリトラクトの モーションの後にパルスが送信されます。 •アクションを再試行するたびに、1 つのパルスが送信されます。 その他のアクションホールド 入力 • • 信号 Ready (レベル (イネーブル)):偽であると、アクションは実行されません。真であ る場合、すべての他の条件 (例、カウント) が満たされていれば、アクションを実 行できます。 •ホールド時間が終わる前に Ready が偽になると、ホールドはただちに中断 され、Ready が真になるまで待ってから、アクションのシーケンスはホール ドを再開します。 •アクションのシーケンスでのホールドは順番に実行されるので、Ready 信号 が偽であるホールドがあると、タスクは一時停止されます。 Skip ( レベル ( ゲート )):ホールド期間中に真であると、ホールドは待機時間が完 了したように動作します。 •ホールドは、Skip 信号に関わらず、常にアプローチとリトラクトを実行し ます。ただし、Skip 信号でホールド時間を実質的にゼロまで短縮することが できます。 156 Intera 3.3 出力 • Done (レベル):適用されません。 • Increment Count (パルス):適用されません。 • Start (パルス):ホールドがアプローチを開始すると送信されます。 • End (パルス):ホールドがリトラクトを完了すると送信されます。 • Active (パルス):ホールドがアクティブである / 現在、ホールドポーズでホールド 中である場合、アクティブ信号のパルスが真になります。 アクショングループ アクションがグループにある場合、信号を付与できるのはアクショングループだけであり、グルー プ内の個別のアクションには付与できません。アクショングループに入力信号が付与されると、グ ループ内のそれぞれのアクションに個別に付与されているように機能します。出力信号がアクショ ングループに付与されると、いずれかの個別のアクションの出力が真であると真になり、それ以外 の場合は偽になります (すなわち、個々のアクションの出力が OR で結合されている)。 FAQ - 信号およびその定義 Q:タスク、サブタスク、アクションを完了した後、Done 信号はどれくらいの期間、真のままにな りますか? A:一般に、Done 信号は、要素のカウントがリセットされるまで真のままになります。自動リセッ トを使用する場合、つまり Ready 信号を使用していない場合は、含まれているサブタスクが終了す るとアクションのカウントがリセットされますが、サブタスクのカウントがリセットされるのはタ スクの完了時です。自動リセットのためです (たとえば、プレイスアクションが 1 つだけあるサブタ スクでは、カウントが満たされるとサブタスクが終了し、ただちにカウントがリセットされます )。 Done 信号が真にとどまるのは短い間だけのことがありますが、いかなる場合でも 0.5 秒未満ではあ りません。 信号 157 Intera 3.3 Q:Ready 信号は常に真なのに、どうしてアクションが二度目は実行されないのでしょうか? A:カウントは Ready の立ち上がりエッジでのみリセットされるので、カウントをチェックしてく ださい。したがって、カウントが 1 で、Ready が真のままであると、アクションは一度しか実行さ れず、カウントは決してリセットされません。Ready を使ってピックをコントロールしているなら、 カウントを無限に設定してください。Ready を使ってプレイスをコントロールしていて、複数のサ ブタスクを使用している場合は、カウントを無限に設定し、Skip 信号を使用して次のサブタスクへ 進むか、Ready を偽から真にしたときにカウントがリセットされることを確認してください。 Q:信号および外部 PLC を使って、順番以外のアクションのシーケンスを実行するにはどうすれば よいですか? A:信号を使って、外部 PLC を使用し、順番以外のシーケンスを実行するには、次の 2 つのアプ ローチがあります: 1. タスク順番画面の複合操作を使用して、複数のアクションのシーケンスを単一のサブタスクに配 置します。ピックの Ready 信号を使って、どのアクションのシーケンスを実行するか選びます。 a. 単一のサブタスクは決して終了することがなく、シーケンスは外部的にコントロールされる ので、すべてのピックおよびプレイスに対してカウントを無限に設定する必要があります。 b. アクションが完了するまで、ピックの Ready 信号を真のまま保ちます。信頼できる同期の方 法は、Increment Count 信号をモニターし、それを使って Ready をクリアすることです。別の アプローチは、対応するプレイスで Increment Count を使い、パーツが落下した場合にピックを 繰り返せるようにすることです。どちらのアプローチが適しているかは、アプリケーションによ ります。 2. それぞれのアクションシーケンスを独自のサブタスクに配置し、Subtask Skip 信号を使ってどの サブタスクを実行するかを選びます。 a. すべてのサブタスクに、独自の Skip 信号を接続する必要があります。アイドルケースでは、 すべての Skip 信号を真にする必要があります。 信号 158 Intera 3.3 b. 特定のサブタスクを実行するには、PLC はサブタスクの Skip 信号を偽に設定する必要があり ます。信頼性のある操作のために、サブタスクが開始されたことを示すポジティブな確認を PLC が受信するまで、信号を偽のままにする必要があります。たとえば、これは、最初のアクション の Start 信号で可能です。 c. アクションのシーケンスが完了しても、サブタスクがただちに再度開始されないために、シー ケンスが開始した徴候を受信したら、すぐに Skip をクリアする必要があります。Skip が調べら れるのは、アクションのシーケンスを実行していない場合だけなので、これにより現在のシーケ ンスを完了させ、再開されないようにすることができます。 d. サブタスクの Ready 信号は使用しません。 Q:出力信号を反転し (例 Done)、タスクを開始していない場合、出力はどのようになり、反転され るのはいつですか? A:タスクで変更が保存されるとすぐに反転が発生し、変更が十分システム全体に広がることができ ます。通常は、1 秒程度です。 Q:HOLD -> PICK -> PLACE の場合、PICK READY が有効でなければ、ロボットが最初のホールド になぜ戻らないのですか? A:アクションのシーケンスは、利用可能なピックがない限り開始しないように定義されています。 これによって、より良い選択がある場合に、シーケンスで止まることを、回避できます。たとえば、 Skip 信号はサブタスクを終了させようとしますが、アクションのシーケンス中には発生しません。 Q:2 つの入力信号が、同時に真になる場合 (例、Pick Ready および Subtask Skip)、何が起こるか 予測できますか何が選ばれる可能性が高いかを理解する方法はありますか? A:このケースで、ロボットの動作に依存するのは、基本的に不安定なシステム設計です。これは古 典的な同期の問題であり、どの信号が優先されるかを予測する方法は基本的にありません。どれも、 Intera が最初に行う可能性があります。手続き的な言語であっても、ある信号をチェックし、次に どれを行うか決める場合、文字通り同時に変化するなら、最初にどれに気付くかを予測することは できません。 信号 159 Intera 3.3 信号がほぼ同時に変化する状況で、予測可能な動作を定義し要求するなら、PLC および両方の信号 を調べて、不明瞭な判断を行うウィンドウを作成するロジックを使用し、これを通信し、必要なア クションを表す信号をアサートすることで、Intera と同期させることを強く推奨します。 Q:信号、Intera、その他 Sawyer に関する最新情報は、どこで入手できますか? 当社の Wiki にアクセスしてください:mfg.rethinkrobotics.com 信号 160 Intera 3.3 Sawyer のメンテナンスおよびサポート Sawyer の適切な電源オフ 1. ロボットの周囲のエリアから不要なものを取り除きます。 2. メンテナンスを行う場合は、トレーニングカフをつかむか、ノブを回して、ヘッ ドを横へ移動させます。(ボタンを押すとタスクが実行されたり、リセットされる ことがありますので、カフをつかむか、ノブを回すのがより安全です。) ロボッ トに電源が供給されていない場合は、ヘッドを手で慎重に移動させてください。 3. ロボットの台座にある白いボタンを押します。 すべてのライトや LCD 画面の電源が完全にオフになれば、シャットダウンプロ セスの完了です。 壁のコンセント / 電源から電源コードを外します。電源を落とす前に、コントロールボックスから 音が聞こえないことを確認してください。 Sawyer のメンテナンス コントローラの空気取り入れ口およびファン排気口に取り付けられたダストフィルタは、コント ローラが適切に換気できるように定期的な点検が必要です。 Sawyer のクリーニング Sawyer のクリーニングを行うには、きれいで、湿った布で定期的に拭いてください。研磨剤や溶剤 は使用しないでください。 コントローラボックスのファンフィルターを定期的にチェックし、必要であればクリーニングを 行ってください。 Sawyer のメンテナンスおよびサポート 161 Intera 3.2 ソフトウェアのアップグレード Intera 3.3 は Sawyer ロボットにインストールされる最初のソフトウェアであるため、バージョン 3.3 に適用されるソフトウェアのアップグレード手順はありません。ただし、今後のソフトウェア リリースへアップグレードする際に守るべき一般的なルールがあります: 重要:アップグレードする際の注意事項については、FTP サイトにある「Read Me First ガイド」を参 照してください。 • • 最新版の Intera ソフトウェアへアップグレードする前に、必ずすべてのタスクを エクスポートしておいてください。 最低でも 4GB の記憶容量がある USB スティックを使用することを推奨いたし ます。 アップグレード方法: 1. Sawyer で、[Main Screen (メイン画面)] > [Settings (設定)] > [Advanced (詳細)] > [Update Software (ソフトウェアのアップデート)] と移動します。 2. ソフトウェアアップグレードが収録されている USB ドライブを挿入し、デバイ スが認識されるまで待ちます。 3. インストールするソフトウェアのバージョンを選択します。 4. 確認ダイアログで、[Yes Continue (はい、続行します)] を選択します。 ソフトウェアがロードされると、ステータス画面が表示されます。 5. ソフトウェアのインストールが完了したら、Sawyer を起動します。 タスクのインポートおよびエクスポート あるロボットからタスクをコピーし、USB メモリースティックを使って別のロボットへ転送するこ とができます。タスクの詳細も転送されます。必要なことは、参照されるデバイスを更新するだけ です。工場で同じタスクを実行するために複数の Sawyers を使用する場合に、この機能が便利です。 タスクを他のロボットに転送する場合、ロボットや起点の変化は考慮されません。 注意:同じ USB スティックに複数回タスクをエクスポートした場合、最後にエクスポートされたタ スクがインポートされます。 Sawyer のメンテナンスおよびサポート 162 Intera 3.2 ロボットからタスクをエクスポートする方法 1. FAT32 としてフォーマットされている USB デバイスを、Sawyer の USB ポート に挿入します。 2. Sawyer で、 3. [Main Screen (メイン画面)] > [Settings (設定)] > [Advanced (詳細)] > [Export/ Import Tasks (タスクのエクスポート/インポート)] と移動します。 4. [Export (エクスポート)] まで、スクロールします。 Sawyer のメンテナンスおよびサポート 163 Intera 3.2 5. [OK] を押します。Sawyer にタスクが表示されます。デフォルトでは、すべての タスクが選択されています。 6. 特定のタスクを選択するには、そのタスクまでスクロールし、強調表示されてい る時に [OK] を押して、選択または選択解除します。 7. エクスポートしたいタスクが強調表示されている時に、ナビゲータの [Rethink (再 考)] ボタンを押し、[Export (エクスポート)] を選択します。 USB へのエクスポートの進行状況がバーに表示されます。 注意:エクスポート処理中に [Back (戻る)] ボタンを押すと、エクスポートはキャンセルされます。 ロボットへタスクをインポートする方法 1. エクスポートされたタスクが含まれている USB デバイスを、Sawyer の USB ポートに挿入します。 2. コピーされたタスクを受け取る Sawyer で、 3. [Main Screen (メイン画面)] > [Settings (設定)] > [Advanced (詳細)] > [Export/ Import (エクスポート/インポート)] と移動します。 4. [Import (インポート)] まで、スクロールします。 5. ナビゲータで [OK] ボタンを押します。 Sawyer のメンテナンスおよびサポート 164 Intera 3.2 インポートの進行状況がバーに表示されます。 注意:インポート処理中に [Back (戻る)] ボタンを押すと、インポートはキャンセルされます。 コピーされたタスク Sawyer のタスクギャラリーに既に「Task1」という名前のタスクがある場合、新しく作成される名前 には「 .1」が追加され、「Task1.1」というようになります。 タスクのインポートおよびエクスポートに関するトラブルシューティングの チェックリスト タスクがインポートされる Sawyer と、コピーされたタスクがエクスポートされる Sawyer の 2 つ の Sawyer の物理的な世界は同一ではないので、こうしたタスクの修正が必要になります。以下は、 発生する可能性があるトラブルシューティングの状況のチェックリストです: • • • • グリッパーが一致しない。 Sawyer の高さが異なる – タスクは実行されますが、台座の高さが異なる (ホイー ルが調整されていたり、元の Sawyer がテーブルに置かれているため) などのため に、ロボットがピックやプレイスを実行できない。 タスクは実行されますが、作業面からの Sawyer の位置が、距離や角度において 異なる。 タスクは実行されますが、なんらかの点で作業スペースが元の作業スペースと異 なる。この場合、オペレータは作業スペースのレイアウトや Sawyer のアームの パスを微調整する必要があります。 Sawyer のメンテナンスおよびサポート 165 Intera 3.2 混乱している Sawyer を助ける Sawyer は、問題が発生した場合、通常は停止して、画面にメッセージが表示されます。 こうしたタイプのメッセージが表示された場合は、画面の指示に従って問題を解決してください。 それ以外のタイプの「混乱」画面は、外部デバイスが接続されていない、内部信号が完全に定義さ れていない、エンドエフェクタが設定されていないなどを示しています。 Sawyer をシャットダウンして、再起動しても、こうした問題が解決されない場合は、テクニカルサ ポート担当までご相談ください。 Sawyer のメンテナンスおよびサポート 166 Intera 3.2 お楽しみください! これは、 「Sawyer ユーザーガイド」の中心的な内容です。次の場所にある当社の wiki を定期的にご 確認ください: mfg.rethinkrobotics.com Rethink Robotics チーム一同が、お客様が Sawyer ロボットで成功され、貴社の事業に最適なソ リューションを見つけられますようお祈りしております。 Sawyer のメンテナンスおよびサポート 167 Intera 3.2 付録 A:用語集 用語集 • • • • • • • • GUI - グラフィカルユーザーインターフェース。ロボットの「ヘッド」ディスプレ イ、ここに Sawyer のメニュー、目の表現が表示され、画面、タスクマップなど を変更できます。 UI - ユーザーインターフェース。たとえば、重量および長さの入力、画面のスク ロール、選択などのロボットのソフトウェアとの相互作用を行う手段。 アクション - ピック、プレイス、ホールドのいずれか。 アクションコントロール - グリッパーを動作させるためにロボットに指示するた めのパラメータ。 アプローチポイント - アクションの直前のポーズ。 ウェイポイント- アームがパスに沿って移動する、空間内の場所。 カスタムパス - 特定のウェイポイントや、関連するポーズをロボットのパスに 沿って定義するパスです。 サブタスク - グループ化され、順番に実行される、1 つまたは複数のアクション。 • タスク - Sawyer のアーム ( または Sawyer ロボットの 1 つまたは両方のアーム ) 上の 1 つまたは複数のサブタスクで構成されます。タスクには、ロボットが実行 のためにトレーニングされるすべてが含まれます。 • タスクマップ - ロボットの作業スペースの上面図、しばしば「作業エンベロープ」 とも呼ばれます。 デフォルトパス - ロボットがパスに沿って自動的にウェイポイントを作成でき るパスです。 • • • パス - 2 つのアクションの間でのアームの動き。 ポーズ - ある場所での、ロボットのアームの位置と方向。 • ホーム画面 - Sawyer を起動した際に表示される画面。次に、ロボットが各ジョ イントが実際に位置している場所を認識できるように、アームはホーム移動の シーケンスを実行します。このシーケンス中に、各ジョイントは約 5 度動きます。 モーションプリセット - Sawyer のアームがパスの Web サイトウィポイントを たどる際の正確性を定義するパラメータ。 リトラクトポイント - アクションの直後のポーズ。 • • 168 Intera 3.3 付録 B:サポートおよび保証 Sawyer ロボットは、1 年間の限定保証の対象となります。 ロボットに何か問題があり、お客様が解決できない場合、ロボットをシャットダウンし、再起動し てください。それでも問題が解決しない場合は、認定 Rethink Robotics サービスプロバイダの技術 サポートを受けてください。問題の説明の際に、モデル番号およびシリアル番号が必要になります。 これらの番号は、ロボットの背面の電源ボタンの近くに記載されています。 製品の保証期間が満了している場合、認定 Rethink Robotics サービスプロバイダが技術サポートま たは修理コストのお見積りをいたします。 169 Intera 3.3 170 Intera 3.1 付録 C:インテグレーター向けの情報 インテグレーター向けの情報 リスク評価 Sawyer は他の装置と組み立てて、完全な機械を形成するために出荷され、それ自体は完全な機械で はありません。このためインテグレーターは、一般作業場安全規則および、設置場所、周囲、スタッ フの訓練および能力、および一般安全文化を考慮した、安全標準に基づいて、応用リスク評価を実 施する必要があります。リスク評価の目的は、地域の規制当局が確立した職業安全衛生要件に従っ て、ユーザーへの危険を排除または最小化することです。リスク評価プロセスのガイダンスは以下 の標準に記載されています ( これらに限定されません ): • ISO 10218-2:2011 ロボットおよびロボット装置 - 安全要件 - 第 2 部産業用ロ ボットシステムおよびインテグレーション RIA TR R15.306-2014 産業用ロボットおよびロボットシステム用技術レポート 安全要件、タスクベースのリスク評価方法 ISO 12100:2010 機械の安全性 - 設計の一般原則 - リスク評価およびリスク低減 • ANSI B11.0-2010 機械の安全性 : 一般要件およびリスク評価 • • リスク評価では、通常の使用および予見可能な誤用での、オペレータとロボットの間のすべての接 触の可能性を考慮するべきです。オペレータの首、顔面および頭は接触を考慮して露出させないよ うにするべきです。 171 Intera 3.3 Sawyer の協調型動作に関連するリスクは、Rethink Robotics が採用している本来的な安全設計手法 と、インテグレーターおよびエンドユーザーが実行する、安全実務 / リスク評価を通じて合理的に 実践可能なレベルまで低減します。設置前のロボットに残る残存リスクがある場合は、それをイン テグレータおよびエンドユーザーにこの文書で伝えます。特定の応用方法に関するインテグレー ターのリスク評価で、容認できないレベルのリスクがあると判断された場合は、追加のリスク低減 措置を実施する必要があります。 Sawyer では、必要に応じて、速度を落とした動作、カテゴリー 0 の E-stop および保護停止機能な ど、さらにリスクを低減するために追加機能を提供します。しかし、インテグレーターが以下の事 項に責任を負います : • すべての危険は、適切な手段を使用して最終設置までに排除または最小化する こと • • リスクを合理的に実践可能なレベルまで低減すること 残存リスクをエンドユーザーに伝えること 下の節には、リスク評価と Sawyer の使用に関する多数のトピックに関するベストプラクティスの ガイドがあります。 ユーザーの考慮事項 Sawyer の協調型使用では、安全保護具または存在検知器を使用しないことが想定されており、この ため、スタッフと Sawyer またはそのエンドエフェクタ / パーツとの予期される / 予期されない接触 は容認されないリスクとはなりません。作業場の他の物体 ( 装置、表面、コンベアなど ) との予期さ れる / 予期されない接触も、同様に、容認されないリスクとはなりません。インテグレーターのリ スク評価で危険が特定の応用方法に存在し、ユーザーへの容認されないリスクとなると判断された 場合は、インテグレーターは適切なリスク低減措置を講じて、それらの危険を排除または最小化し、 容認できるレベルまでリスクを低減する必要があります。適切なリスク低減が必要な場合に、その 前に Sawyer を使用することは、安全でないと見なされます。 Sawyer を安全に使用するには、インテグレーターとユーザーが Rethink による Sawyer の設置およ び取り付け指示に従う必要があります。 172 Intera 3.3 Sawyer は、爆発性雰囲気の中、または該当する電気規則で危険な場所と指定されている環境で使用 することを意図していません。 Sawyer を周囲保護具無しで使用する場合は、たとえば、危険が鋭いエンドエフェクタ / パーツの使 用や有毒物またはその他の危険物の取り扱いに関わるかなど、関係する危険が容認されないリスク となるかどうかを判断するためにリスク評価が必要です。インテグレーターは、リスク評価でこう した危険やそれらに関連するリスクレベルを考慮して、リスクを容認できるレベルまで低減するた めに、適切な措置を識別して講じる必要があります。 エンドエフェクタ インテグレーターは、危険を低減 / 排除するために、Sawyer で使用するエンドエフェクタの選択に 責任を負います。 設置 インテグレーターは、ISO TS 15066 および Rethink 設置資料で指定されているガイドラインに従っ て Sawyer を設置する必要があります。 Sawyer のアームは、必ずその台座に垂直にしっかりと取り付ける必要があります。または適切で安 定した表面に垂直にしっかりと取り付ける必要があります。 Sawyer は、他の作業場や搬送路から分かれるように配置する必要があります ( 無関係な人が作業場 に入る機会を制限するためです )。 スタッフが Sawyer の近くで作業する場合は、常に Sawyer が見えるように障害物のない視界を確 保する必要があります。 PPE 他の産業用装置での一般的な実務と同じように、Sawyer とやりとりするスタッフは、安全メガネ ( ラップアラウンド型 ) を着用する必要があります [ 必須 ]。 一般的な安全性 Sawyer とやりとりするスタッフは、ゆるいアクセサリを着用したり、ゆるい衣服を着用したりして はならず、長髪は固定する必要があります。 Sawyer は、損傷したり異常動作したりする場合は、動作させてはいけません。 173 Intera 3.3 SOP およびトレーニング インテグレーターはトレーングおよび手順書を作成し、Sawyer の使用を管理する必要があります。 インテグレーターは、電源断指示書を作成し、オペレータをトレーニングする必要があります。 インテグレーターは、SOP を作成し、Sawyer の使用およびそれとのやりとりについてスタッフを トレーニングする必要があります。トレーニングは、ロボットと直接作業するスタッフと、ロボッ ト作業場の近くで作業するスタッフの両方に行う必要があります。セルへのアクセスは、トレーン グを受けた職員に限ることをお勧めします。 インテグレーターとユーザーは、電源オンに関する指示およびトレーニングを、Sawyer を操作しや りとりするスタッフに与える必要があります。指示およびトレーニングには、電源オン時の Sawyer の動作に関する説明を含めます。スタッフには、アームの動作による危険について通知する必要が あり、ユーザー主導のシーケンスでは Sawyer から離れるように指示します。 インテグレーターは、Sawyer のブレーキ リリース機能の操作に関するトレーニングおよび手順書 を開発する必要があります。 インテグレーターは、リスク評価で決定されたとおりに、ロックアウトおよびタグアウト (LOTO) ガ イドラインに従い、Sawyer を操作しやりとりするスタッフに LOTO に関するトレーングを行います。 ユーザー文書、マニュアルおよび安全情報は、印刷または電子的な形態で、必要なときにスタッフ が使用できるようにする必要があります。 周知 インテグレーターは、Sawyer が通常の速度で動作さしていることをスタッフに示すステータスラン プを備えることができます。 ユーザーには、セカンドリンク (L1) が回転しているとき、ヘッドディスプレイの下角のいずれかが アームのそばにあるときに挟み込みの危険があること、またアームとディスプレイの角の間にでき た隙間に手や指を入れるべきでないことを通知する必要がある。 インテグレーターおよびユーザーは、Sawyer の使用に関係する潜在的な危険を知らせるサイネージ や掲示板を設置し、それらの意味を知らせるためにスタッフをトレーニングする必要があります。 インテグレーターおよびユーザーは、作業場が関係者専用であることを無関係な人に明確に知らせ るサイネージや掲示板を設置し、それらの意味を知らせるためにスタッフをトレーニングする必要 があります。 インテグレーターは協調作業エリアにマーキングする必要があります。 174 Intera 3.3 有用なリファレンス ANSI B11.0:2010 機械の安全性:一般要件およびリスク評価 EN 60204-1:2005、機械の安全性 - 機械の電気装置 - 第 1 部:一般要件 IEC 61010-1:2010、測定、制御および試験用途の電気装置の安全要件 - 第 1 部:一般要件 IEC 10218-1:2011 ロボットおよびロボット装置 - 安全要件 - 第 1 部産業用ロボット IEC 10218-2:2011 ロボットおよびロボット装置 - 安全要件 - 第 2 部産業用ロボットシステムおよび インテグレーション ISO 12100:ISO 2010:2010 機械の安全性 - 設計の一般原則 - リスク評価およびリスク低減 IEC 13849-1:2006、機械の安全性 - 制御システムの安全関係の部品 - 第 1 部:設計の一般原則 IEC 13849-1:2012、機械の安全性 - 制御システムの安全関係の部品 - 第 2 部:検証 RIA TR R15.306:RIA TR R15.3062014 産業用ロボットおよびロボットシステム用技術レポート - 安 全要件、タスクベースのリスク評価方法 175 Intera 3.3 付録 D:定格 電源定格 電源 コントローラボックス 電源入力 電圧 周波数 電流 定格 100VAC ~ 240VAC 47 ~ 63 Hz 4A I/O 定格 I/O SMC シリーズ SY5000 ソレノイド バルブ 最大圧力 エンドエフェクタ接続 電源出力 電圧 電流 定格 90 PSI 24VDC 最大 1A 5VDC 最大 1A 176 Intera 3.3 環境定格 : パラメータ 環境 高度 動作温度 相対湿度 電源の電圧変動 一時過電圧 汚染度 定格 屋内使用 最高 2000 メートル 5 ℃ ~ 40 ℃ 31 ℃ まで 80%。ここから線形に減少し 40 ℃ で 50% 定格電圧の最大 ±10% 過電圧カテゴリ II 2 177 Intera 3.3 付録 E:警告および注意 警告および注意 Sawyer を Rethink Robotics が指定した以外の方法で使用する場合は、装置で与えられている保護 が損なわれます。 FCC 第 15 部の通知 : この装置は、FCC 規則の第 15 部に適合しています。動作は以下の 2 つの条件の対象 となります : (1) この装置は有害な干渉を起こしません (2) この装置は、好ましくない動作を起こしうる干渉を含めて、有害な干渉に耐えるこ とができます IC この装置は、インダストリーカナダ ICES-003 標準に適合しています。動作は以下の 2 つ の条件の対象となります : (1) この装置は有害な干渉を起こしません (2) この装置は、好ましくない動作を起こしうる干渉を含めて、有害な干渉に耐えるこ とができます CAN ICES-3 (A)/NMB-3(A) Sawyer は、電気および電子装置廃棄物 (recast) [WEEE] に関する EU 委員会指令 2012/ 19/EU における「電気および電子装置 (EEE)」と見なされ、非充電式硬貨型電池を内蔵 しています。製品寿命後に、装置を一般廃棄物として処分しないでください。ユー ザーは他の廃棄物と分けて WEEE を処分することが奨励されます。地域の電子装置廃 棄物管理当局から処分に関する指示を受けてください。 178 Intera 3.3 このアイコンは、コントローラケーブルプラグの位置を示します。コントローラケー ブルは電源と I/O の両方を兼ねています。 179 Intera 3.3 最終更新 2016 年 3 月 25 日 Sawyer ユーザーガイド - リビジョン F