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M985170
「上巻」の目次に戻る
卒業論文
電子機器を利用した選挙システムの
現状と課題に関する考察
提出日
2002 年 01 月 08 日
学部:経営情報学部
指導教員:草薙信照
学籍番号:M985170
4年Q組
樋口勝彦
【目次】
はじめに
第1章
第2章
第3章
第4章
第5章
1
現在の選挙制度の基本原則
1
1-1 選挙人名簿の登録・対照
1
1-2 投票
1
1-3 開票
2
1-4 開票結果の報告
2
現在利用されている電子機器の現状と今後の方向
3
2-1 不在者投票システム
3
2-2 投票管理システム
3
2-3 記号式投票用紙読取機
4
2-4 自書式投票用紙読取機
5
2-5 市町村選管と都道府県選管とのオンラインシステム
5
2-6 投票集計システム
6
2-7 開票集計システム
6
2-8 候補者管理システム
7
電子投票システムについて
8
3-1 電子投票システムとは
8
3-2 電子投票の手順
8
3-3
電子投票のメリット
9
3-4
諸外国における電子投票システムの現状
11
3-4-1 ベルギーの電子投票システムについて
11
3-4-2 オランダの電子投票システムについて
13
3-4-3 ブラジルの電子投票システムについて
14
3-4-4 アメリカの電子投票システムについて
15
日本に電子投票を導入するにあたっての課題とその解決法
17
4-1 二重投票の防止
17
4-2 秘密投票の実現
17
4-3
信頼性のあるセキュリティの構築
17
4-4
費用対効果に対する国民の納得
19
今後の日本の選挙システムに関する考察
20
電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
はじめに
以前から選挙にあまり関心がなかった私が卒業論文のテーマを「電子機器を利用した選
挙システムの現状と課題に関する考察」と定めた背景には、2000 年のアメリカ大統領選挙
の影響があった。投票後 5 週間にわたって決着がつかないという異例の事態となり、日本
でも毎日のようにニュースで報道されていた。そのニュースで初めて電子投票制度を知り、
日本でも電子投票制度を導入しようという動きがあることがわかった。そこで、なぜ先進
国である日本がまだ導入していないのかということに興味を持ち、調べてみようと考えた。
第1章
現在の選挙制度の基本原則
選挙における投開票事務を、(1)選挙人名簿の登録・照合、(2)投票、(3)開票、(4)開
票結果の報告の各段階に区分し、そこで採用されている基本原則について概要を整理する
とともに、電子機器を導入するにあたっての問題点を整理した。
1-1
選挙人名簿の登録・対照
選挙人名簿の登録・対照は、定型、大量反復業務が中心となる事務であり、電子機器
導入に馴染みやすい分野である。
選挙人名簿の登録とは、選挙当日に投票を行う者が、本当に公職選挙法の用件を満たし
ている選挙人であるかどうかを個別に審査することは事実上不可能であることから、あら
かじめ選挙権の有無を調査して有権者を登録しておくことで、投票事務を円滑に行うこと
ができるとともに、二重投票等の不正行為の発生を防ぐことにある。
また、選挙人名簿との対照は、投票しようとするものが、選挙人名簿に登録されている
選挙人本人であるか確認するためのものである。
平成9年の改正前の公職選挙法では、選挙人名簿の様式としてカード式名簿主義が採ら
れていて、磁気ディスクによる調整は認められていなかった。しかし、同年の改正により
磁気ディスクを含めカード式以外の調整の方法が認められ、選挙人名簿の登録・対照事務へ
の電子機器の導入の問題については法的な整備が図られている。
1-2
投票
投票に関する基本原則には以下のようなものがある。
①投票主義
選挙は、選挙人の投票によって行うことを原則としている。投票は、選挙人の数が極め
て多数である現在の選挙において、最も合理的な方法である。
②一人一票主義
投票は、各選挙につき、一人一票に限るものとされている。
1
電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
③秘密投票主義
投票用紙には、選挙人の氏名を記載してはならないこととされている。また、何人も被
選挙人の氏名等を陳述する義務はない。
④投票当日投票所投票主義
選挙人は、選挙の当日、自ら投票所に行き、選挙人名簿の対照を経て、投票しなければ
ならない。
⑤選挙人名簿登録主義
選挙人名簿に登録されていない者は、原則として投票することができない。
⑥投票用紙公給主義
投票用紙は、選挙の当日、投票所において選挙人に交付するものとされている。
⑦単記自書投票主義、投票箱投函主義
選挙人は、投票所において、投票用紙に当該選挙の公職の候補者一人の氏名を自書して、
これを投票箱に入れなければならない。
⑧不在者投票
選挙人で選挙の当日各号に掲げる事由に該当すると見込まれるものについては、不在者
投票管理者の管理する投票を行わせることができる。
投票行為に電子機器を導入するためには、④投票当日投票所投票主義、⑥投票用紙公給
主義、⑦単記自書投票主義、投票箱投函主義、⑧不在者投票の原則について、それぞれ変
更する必要がある。
1-3
開票
開票とは選挙人の行った投票を点検し、その有効無効を決定し、各候補者等の得票数を
計算することであり、公開で行われる。開票の在り方は、投票の段階において電子機器が
導入されるか否かによって大きく異なってくるものであるが、現行制度を前提にした場合
においても、候補者ごとの投票の分類・集計事務に電子機器を導入することができないか検
討の余地はある。
1-4
開票結果の報告
開票管理者は、投票の点検の結果を直ちに選挙長に報告しなければならない。開票結果
の報告は、電子機器の活用が期待される分野であり、現に、総選挙・通常選挙の際には全
ての都道府県選管が中央選管とオンラインで結ばれ、開票結果の報告の迅速化が図られて
いる。ただ、市町村選管と都道府県選管の間については、ほとんどの都道府県においてオ
ンライン化されておらず、今後の課題となっている。
2
電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
第2章
現在利用されている電子機器の現状と今後の方向
〔電子機器を利用による選挙システム研究会中間報告書〕より引用
2-1
不在者投票システム
①システムの概要
選挙人にバーコードを割り付け、投票入場券に添付して発送し、不在者投票の際に入場
券を持参してもらい、バーコードをバーコードリーダーで読み取る。バーコードを読み込
むことにより選挙人の情報がパソコンの画面に表示されるので、投票用紙が交付済みか等
の確認を行う。読み込みと同時に投票区等事務処理に必要な事項が印字されたシールが出
力されるので、当該シールを不在者投票用外封筒に添付する。入場券を忘れた場合は、キ
ーで入力する。
②導入の状況
不在者投票管理システムは次に述べる投票管理システムと併せて導入されていることが
多い。平成 12 年1月1日現在、107 市町村が不在者投票システムを導入しており、うち
18 市町村が試行中である。このうち、投票管理システムを導入せず、不在者投票システム
のみを導入しているのは 60 市町村で、うち8市町村が試行中である。
③システム導入のメリット
バーコードにより選挙人を検索できること、事務処理に必要な事項がシールで出力され
ること、時間別投票状況等各種集計表が正確かつ簡単に作成できることから、不在者投票
に関する事務の負担が軽減される。また、不在者投票所の複数化も容易となる。
④システム導入の問題点
初期の機器購入費が多額となること。また、機器が正常に作動しなくなったときの対応
が必要となる。
⑤今後の方向
不在者投票システムは、不在者投票にかかる事務を迅速化・効率化するものであり、平
成9年の公職選挙法の改正により、不在者投票の数が急増している現状を考慮すれば、こ
のシステムの普及を図っていく必要がある。
2-2
投票管理システム
①システムの概要
不在者投票管理システムと基本的には同じで、不在者投票管理システムの端末を投票所
ごとに置き、バーコードで選挙人の情報を読み取って瞬時に表示し、受付事務を迅速に行
おうとするもの。
②導入の状況
前節で述べたとおり、投票管理システムは不在者投票管理システムと併せて導入されて
おり、平成12年1月1日現在、不在者投票管理システムに加え、投票管理システムも導
入しているのは、47市町村であり、うち10市町村が試行中である。
3
電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
③システム導入のメリット
投票待ち時間の短縮、投票終了後の処理時間の短縮、各種統計資料の作成時間等が短縮
できる。
④システム導入の問題点
不在者投票管理システムと同じ。
⑤今後の方向
投票管理システムは、不在者投票管理システムと併せて導入した場合、投票当日に使用
する選挙人名簿の抄本への消し込み作業を省略することができ、不在者投票事務を効率化
するものであるので、不在者投票管理システムの一環としてその普及を図っていく必要が
ある。また、将来、同一選挙区内のいずれの投票所においても投票が可能となる制度を構
築するとすれば、二重投票を防止するためにはこのシステムが不可欠となってくる。
2-3
記号式投票用紙読取機
①機器の概要
記号式投票及び最高裁判所裁判官国民審査の投票用紙に記入された「○」又は「×」の印の
有無及び記入された欄の位置を瞬時に読み取り、分類・集計の作業を高速(毎分500枚)
で自動処理するもの。有効と認められているものだけを認識し、疑義のあるものは排除す
るように設定されている。読み取りの正確性については、手作業と同程度かそれ以上との
評価がなされている。
②導入の状況
平成12年1月1日現在、633市町村が導入しており、うち67市町村が試行中であ
る。
③機器導入のメリット
処理時間の短縮及び事務量の削減に伴う職員の負担の軽減及び職員数の削減が可能とな
り、従事職員不足の解消、人件費の節減等が図られる。
④機器導入の問題点
1台あたりの導入経費は安価とは言えないため、地方選挙に記号式投票を導入していな
い団体にとっては、衆議院総選挙と同時に行われる国民審査のみの利用となり、費用対効
果とういう面で導入に消極的とならざるを得ないとの意見がある。
⑤今後の方向
記号式投票における開票事務を軽減する方策として、この機器を導入することは有効で
あり、記号式投票を採用している団体においては、この機器の導入を図っていく必要があ
る。
4
電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
2-4
自書式投票用紙読取機
①機器の概要
候補者名又は政党名等を事前に登録することにより、人の書いた文字を機械で読み取り、
分類・集計を自動処理(毎分240枚)する。記号式投票用紙分類機をバージョンアップした
もので、記号式投票用紙の分類にも対応できる。候補者名又は政党名等を事前に登録する
ためには、3日程度の期間が必要である。
②導入の状況
平成12年1月1日現在、25市町村が導入しており、うち15市町村が試行中である。
③機器導入のメリット
機器の信頼性が確立されれば、開票作業においてかなりの効率化が図られる。
④機器導入の問題点
この機器は平成11年の統一地方選挙で導入されたばかりで、その信頼性は、現時点に
おいては確立されていない。また、読み取りの正確性についても、人間の読み取り能力に
は及ばないとの評価が一般的である。機器の導入経費についても、記号式投票用紙分類機
に比較してもさらに割高となっている。
⑤今後の方向
現行の投票方法を変えないで、開票事務の迅速化を図ろうとする場合、自書式投票用紙
読取機の活用が最も有効な選択肢の一つと考えられる。現時点においては、機器が開発さ
れて間もないこともあり、その技術的な評価が確定していないので、将来の技術改良の可
能性を見極める必要がある。
2-5
市町村選管と都道府県選管とのオンラインシステム
①システムの概要
市町村選管と都道府県選管とをオンラインで結び、国政選挙及び都道府県選挙等におけ
る投開票データを迅速に集計し、各種速報値発表用の帳票等の出力を行う。
②導入の状況
都道府県選管と市町村選管をオンラインで結んでいる都道府県は、平成12年現在で、
栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、岐阜県、愛知県、大阪府、香川県、福岡県、
鹿児島県の11団体である。また、北海道、山梨県、三重県、和歌山県の4団体が都道府
県選管と都道府県の出先機関とをオンラインで結んでいる。
③システム導入のメリット
投開票集計及び速報の効率化、迅速化及び正確性の確保を図ることができる。
④システム導入上の問題点
都道府県選管において市町村選管とのオンライン化を進めるか否かの問題は、当該都道
府県における市町村数等の要因に左右される面もあるが、経費的な民が一つのネックとな
っている。
5
電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
⑤今後の方向
都道府県選管と市町村選管のオンライン化により、国政選挙及び都道府県選挙における
投開票集計及び速報の事務について、効率化、迅速化及び正確性の確保が図られることは
確実であり、その促進を図ることが速報体制の信頼性を確保し、選挙の結果をより早く正
確に選挙人に知らせるという要請に応えるものである。ただ、国、都道府県及び市町村の
オンライン化については、行政事務の効率化・迅速化、多重投資の抑制及び住民サービスの
向上を目的として総合行政ネットワーク構想の調査研究が進められているところであり、
この構想との整合性を図る必要がある。
2-6
投票集計システム
①システムの概要
投票者数や投票率の算出を自動計算でき、各種情報の算出や帳票の作成も可能となる。
②システム導入のメリット
作業時間の短縮や正確性の向上に一定の成果を上げることができる。
③システム導入の問題点
特に無し。
④今後の方向
作業時間の短縮や正確性の向上に一定の成果を挙げることができ、選挙事務の効率化と
いう観点からは有効であるので、未導入の団体においては、その導入の是非について検討
を行う必要がある。
2-7
開票集計システム
①システムの概要
あらかじめ準備した投票用紙結束用バーコードをバーコードリーダーで読み込むことに
より、投票数を順次自動集計するもので、各種情報の算出や帳票の作成が可能となる。
②システム導入のメリット
作業時間の短縮や正確性の向上に一定の成果を挙げることができる。
③システム導入の問題点
機器の購入にある程度の経費が必要である。また、事前に候補者等に対応する多種・多様
のバーコードを作成する事務が必要である。
④今後の方向
事前の事務が必要であるが、開票事務の効率化・迅速化に一定の効果があるので、未導入
の団体においては、その導入の是非について検討を行う必要がある。
6
電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
2-8
候補者管理システム
①システムの概要
候補者データを一度入力することにより、必要な書類を迅速かつ正確に作成することが
できる。届出の終了後は、自動的に開票集計システムに移行する。
②システム導入のメリット
候補者関係書類の作成・読み合わせ等にかかる人員の削減が可能となる。
③システム導入の問題点
特に無し。
④今後の方向
投開票事務の効率化・迅速化に寄与する度合いは高くないが、選挙事務の効率化という
観点からは有効である。特に、候補者数が多い場合は、事務の効率化に寄与する面が大き
いので、比例代表選挙等において多数の候補者の情報を管理する場合には、その導入を進
める必要がある。
表 2-1
現行制度における電子機器利用の現状
(平成 12 年 1 月 1 日現在)
電子機器等の種類
採 用 団 体 数 [比 較 ]
投票所入場券へのバーコード利用
うち不在者投票についてのみ導入
記号式投票・国民審査用読取集計機
う ち 試 行 中 [比 較 ]
18 [0.6%]
107
[3.3%]
60
[1.8%]
8
[0.2%]
633 [19.5%]
67
[2.1%]
自書式投票用読取集計機
25
[0.8%]
15
[0.5%]
都道府県と市町村との間のオンライン
11 [23.4%]
0
[0.0%]
投票集計システム
361 [11.1%]
36
[1.1%]
開票集計システム
197
[6.1%]
24
[0.7%]
79
[2.4%]
17
[0.5%]
投票用紙自動交付機
1,117 [34.3%]
92
[2.8%]
投票用紙計数機
2,812 [86.5%]
17
[0.5%]
13
[0.4%]
候補者管理システム
投票用紙票束機
190
[5.8%]
〔出典〕電子機器利用による選挙システム研究会中間報告書
7
電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
第3章
3-1
電子投票システム
電子投票システム
社会の各分野において情報の電子化が進み、ネットワークが飛躍的に社会に浸透してい
る背景のもと、選挙業務に対しても、選挙運動、投票事務など選挙に関する作業一般を電
子化することで、投開票の稼動を削減するとともに、開票時間を短縮することが期待され
ている。そこで、開発されたシステムが電子投票システムである。
電子投票システムとは、タッチパネルや押しボタンを利用して、投票行為そのものを電
子化し、投票をデジタルデータとして取り扱う直接記録式投票を実現したシステムである。
システムとしては、1992 年に日本で最初に開発され、2000 年末でも技術的には世界で最
高水準である。
3-2
電子投票の手順
電子投票の手順は以下の通りである。
図 3-1
①
電子投票の手順
選挙人名簿で本人確認後、投票カード発券機から発券
された投票カードを受け取る。
②
投票カードを電子投票機に挿入すると、候補者の名前
が画面に表示される。
③
投票したい候補者の名前に指で触れ、選択する。
④
確認画面と右手の印字で投票を確認する。投票ボタン
に触れると投票完了、変更する場合は変更ボタンに触
れると変更できる。
⑤
投票が終了すると投票カードが排出される。
⑥
選挙人は投票カードを投票所出口で返却する。
〔出典〕電子投票普及協業組合ホームページ「電子投票の手順」
8
電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
3-3
電子投票のメリット
①投票空間の拡大
電子投票は、選挙人名簿をネットワークで結べば、遠隔地からでも本人の確認が可能と
なるため、誰もが指定された投票所以外でも投票できるようになる。例えば駅前や職場近
くの投票所での投票が可能となる。また、島、山間等の僻地や洋上、海外など、現行の方
式では投票が困難な、又は選挙の執行に著しいコストを要する地域での選挙が容易になる。
②投票所
大勢の係員を動員して選挙人名簿を照合しなくても、電子的に本人確認ができるので、
受付係員、投票用紙交付係員を削減できる。また、投票箱も必要ないため、狭い場所でも
投票所を開設できる。
③投票時間
一台の端末で全ての投票が可能であり、操作も簡単なため、秒単位の投票が可能である。
④開票所
投票データは暗号化され、フロッピーディスク又は通信回線で集計センターに直接運送
されるため、投票箱輸送・開票所が必要ない。
⑤選挙結果の迅速な公表
電子投票では、投票用紙の開票・分類・点検確認・集計などの作業が一部を除き不要と
なり、投票終了後すみやかに、かつ正確に開票結果が得られる。そのため、国民や候補者
に対して、現在のように多くの時間を待たせることなく選挙結果を知らせることができる。
⑥有権者の投票意思の正確な反映
電子投票は、選挙人が投票する候補者や政党を文字だけでなく、顔写真や政党のシンボ
ルマーク、さらに経歴や政策などを画面で確認してから投票するため、意識的な白票以外
の無効票、疑問票は発生しない。それにより、有権者の意思がより正確に投票結果に反映
される。また、疑問票の減少により、開票・集計事務の大幅な減少につながる。
⑦バリアフリー化
電子投票は、音声や目線による入力機等を活用することにより、さまざまな障害を持つ
人々にとってより利用しやすい投票制度となる。例えば、視覚障害者には音声の案内によ
る投票専用の点字キーボードを、手が不自由な人は足でスイッチを、耳が不自由な人はピ
ンディスプレーで投票できる。高齢あるいは重度の心身障害者はモニターが組み込まれた
眼鏡で投票する等のシステムがある。これらのシステムは、ワシントンの国際選挙制度財
団の展示会で大いに注目され、海外での評価は高い。
9
電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
⑧投票率の向上
近年、若者を中心に政治的無関心層が増えており、投票環境の向上を図りながらも、若
年層においては投票率の低い状況が続いている。こうした中で、電子投票制度は有権者が
利用しやすい投開票制度として若者にも積極的に受け入れられていくことが期待できる。
10
電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
3-4
諸外国における電子投票システムの現状
日本で電子投票システムを導入しようとする場合、諸外国で導入されている電子投票シ
ステムの現状を把握しておく必要がある。海外ではすでに電子投票に関する研究開発が進
み、2000 年末までに 12 ヶ国で導入、42 カ国が導入準備、10 カ国が導入を検討中である。
この章では、現在、電子投票システムを導入しているベルギー、オランダ、ブラジル、
アメリカのシステムを紹介する。
図 3-2
電子投票普及「世界地図」
2000 年 1 月現在
〔出典〕電子投票普及協業組合ホームページ
3-4-1
ベルギーの電子投票システムについて
(1)電子投票システムを導入した目的・背景
ベルギーの選挙は、投票管理者に判事や裁判所職員が任命され、それらの者が事務従事
者を任命する制度である。しかし、仕事の拘束時間が長く、報酬も低額であることから、
投開票の事務従事者のなり手が少なく、特に都市部において人員の削減要請が高かった。
また、ベルギーは二つの公用語があり、複雑な選挙制度、さらに多数政党制であったこと
から、投票用紙が非常に大きなものとなるため、集計が複雑になり、時間もかかるため、
ミスを多発していた。
11
電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
(2)システムの概要
投票用端末(ディスプレイ付きコンピュータ)、磁気カード読み取り機、投票管理者用端
末(ディスプレイ付きコンピュータ)により構成されている。
(3)投票手順
① 選挙人が身分証明書を提示し、投票所入場券と引き換えに磁気カードを受け取る。そ
の際、投票管理者用端末で磁気カードの初期化を確認し、投票者数をカウントする。
② 選挙人が選挙ブースに入り、投票用端末に磁気カードを挿入する。
③ タッチペンにより、言語(フランス語・オランダ語)、選挙の種類、政党名、候補者名、
を選択する。個々の選択は磁気カードに記録される。
④ 全ての選択を完了した後、磁気カードを投票用端末から取り出す。
⑤ 磁気カードを読み取り機に挿入する。ここで、投票結果は読み取り機に読み取られ、
磁気カードは読み取り機下部の箱状の部分で保存される。
(磁気カードは読み取り機故
障の場合にも対応できるよう、保存される。)
⑥ 読み取り機ごとに投票結果、投票者数が記録されているフロッピーディスクを開票所
ごとに集め、集計する。
(4)現在の電子投票システムが採用されるまでの経緯
1989 年から内務省が検討のための部局を設け、調査を開始した。1991 年に、地方選挙
の小規模な投票所において、ボタン式の機器による実験を行った。1994 年4月には、法改
正が行われ、国王により指定された市町村において、電子機器を用いた投票が行われるこ
ととなった。1994 年以降は、現在のタッチペン式の機器が用いられている。
タッチペン式が採用されたのは、ペンを用いる点で従来の投票方法に近く、また、候補
者を表示する画面が大きいことから、有権者になじみやすいものと考えられたことによる
ものである。1994 年の欧州議会議員選挙では全有権者の約 20%が、1999 年の国政選挙で
は全有権者の約 40%が利用した。
(5)今後の方向
利用有権者数の拡大傾向は続くものと見込まれるが、当初から都市部の投票所への導入
を予定していたことから、拡大のペースは鈍ることが予測される。
各投票所と開票所のオンライン化については、セキュリティの問題があることから、考
えられていない。
12
電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
3-4-2
オランダの電子投票システムについて
(1)電子投票システムを導入した目的・背景
オランダの選挙制度は、名簿登載者個人に投票を行う比例代表制であり、開票作業が複
雑であったことから、投開票事務の簡素化を目的として導入した。
(2)電子投票システムの種類
ボタン式の投票機(直接記録方式)で、1 台で 6000 人の投票が可能であるが、実際には1
投票所に1台設置され、1400~1500 人が投票している。
(3)投票手順
① パネル上に政党及び候補者一覧が表示されており、選挙人が候補者を選択し、ボタン
を押す。
② 確認又は取り消しのボタンを押す。(取り消しの場合は再度選択する)
③ 全ての選挙人の投票終了後、機器から投票結果を紙に出力し、投票結果を保存したフ
ロッピーディスクとあわせて開票所に集める。
④ 開票所で電子的に集計する。なお、病気などの正当な理由により投票所に行くことが
できない者には、代理人による投票が認められている。
(4)現在の電子投票システムが採用されるまでの経緯
1965 年から投票機器が使用されており、1993 年から現在の方式の機器が使用されてい
る。ベルギーのようなタッチペン方式の電子機器は、コストが割高なうえ、システムが複
雑なため、故障のリスクが高くなることから、現在の方式の機器の方が有効と考えられて
いる。
(5)今後の方向
現在は全市町村の約 80%で利用されており、導入するかどうかは市町村議会が決定する
ため、電子投票機のコストが下がり、技術的信頼性が向上すれば、利用率は高まるものと
推測される。
各投票所と開票所とのオンライン化については、検討されていない。
3-4-3
ブラジルの電子投票システムについて
(1)電子投票システムを導入した目的・背景
はじめの有権者が何も記載せずに投票用紙を持ち出し、投票所の外でその用紙に特定の
候補者を選択し、それを次の有権者が投票所に持ち込んで投函し、自分の投票用紙には何
も記載せずに持ち出し、さらに次の有権者に渡すという連鎖的な不正行為が行われていた
ことから、そのような不正行為を効果的に防止する方法の導入が強く求められていた。
13
電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
(2)電子投票システムの種類
ボタン式の投票機で、信頼性の高さを実証するため、個々の投票結果を容易に打ち出せ
るような機能を有している。
(3)投票手順
① 選挙人が投票所の係官に選挙人登録証又は身分証明書を提示し、係官は機器に登録証
番号を入力する。
② 投票機で、選挙の種類ごとに候補者及び所属政党に対応する番号を選択し、ボタンで
入力する。
③ 投票機のモニターに選択した候補者の写真、氏名、番号、所属政党名が表示される。
④ 確認又は取り消しのボタンを押す。(取り消しの場合は再度選択する)
⑤ 全ての選挙の投票を完了した後、選挙人登録証又は身分証明書が返却される。個々の
投票結果は、投票が終了するたびに出力され、投票機の後ろに設置された黒い袋の中
に自動的に保存される。
⑥ 機器ごとに投票結果を保存したフロッピーディスクを、開票所ごとに集め、集計する。
(4)現在の電子投票システムが採用されるまでの経緯
不正防止の観点から 1995 年 1 月に政府による見当が始まり、9 月末に導入が決まり、
12 月に機器の仕様を公開した。1996 年 1 月に入札が行われ、10 月の導入のための準備が
進められた。
1996 年 10 月の統一地方選挙では、リオデジャネイロ、サンパウロなど 57 の主要都市
で導入され、全国の有権者約 1 億人のうち 3300 万人が対象となった。
(5)今後の方向
まずは統一地方選挙において利用されたが、他の選挙においても利用されることが予定
されている。不正防止の観点から導入され、評価を得ていることから、利用対象は拡大し
ていくものと推測される。
各投票所と開票所や各投票所間のオンライン化については、国土の広大さによる回線保
守の困難さ等から、想定されていない。
14
電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
3-4-4
アメリカの電子投票システムについて
アメリカの投票方法は各地域で個別に選択されている。投票の方法として、パンチカー
ド式、レバー式、OMR 方式、混合方式(レバー式の小レバーの代わりにボタンにより個々
の候補者を選択し、最後に大レバーを倒して投票を確定するもの)、ボタン又はタッチパネ
ル方式、その他の方法が採られている。
地域的な傾向としては、パンチカード式、OMR 方式は主に西海岸地域で、レバー式は
主に東海岸地域で、ボタン又はタッチパネル方式は主に東海岸地域の都市部でそれぞれ利
用されている。
(1)パンチカード式
1、システムの種類・特徴
カード(投票用紙)にパンチするための機器やテンプレートとカードリーダーにより構成
されている。
2、投票手順
①
投票しようとする候補者のボタンを押すことにより、投票用紙にパンチする。
②
パンチカードを投票所に集め、カードリーダーで読み取って集計する。
(2)レバー式
1、システムの種類・特徴
大型で、個々の機器が日本の投票記載台に相当する投票用ブースとなる。
2、投票手順
①
ボードに候補者名、政党名が印刷されており、それぞれの欄に設けられた小レバーを、
選挙人が選択して倒す。
②
全ての選挙についての選択が終了したら、当該選挙人の投票を確定するための大レバ
ーを倒し、大レバーを倒すことにより、各候補者の得票数が加算される。
③
個別の投票時に内部にあるカウンターで投票結果が自動的にカウントされているため、
全投票が終了した時点でカウンターが示している数値を所定の用紙に記録するだけで
その機器を使用した選挙人の投票の集計は終了する。
(3)OMR 方式
1、システムの種類・特徴
投票読み取り機は小型で軽量(電話帳2冊程度)。
2、投票手順
① 投票用紙に候補者名、政党名が印刷されており、それぞれの欄を選挙人が選択して塗
りつぶす。
② マークシートを OMR により読み取らせることで投票を行い、その結果は磁気カード
に記録される。
③ 磁気カードを投票所に集め、開票作業を行う。
15
電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
(4)ボタン又はタッチパネル方式
1、システムの種類・特徴
レバー式に類似している。大型であるが、持ち運びを可能にするような工夫が進められ
ている。
2、投票手順
① レバー式のレバーをボタン又はタッチパネルに変えたもの。投票結果はカートリッジ
等に記録される。
② カートリッジ等を開票所に集め、開票作業を行う。
今後の方向
登録有権者数に占める各種投票方法の割合は、主にパンチカード式、レバー式が主流で
あるが、低下傾向にあり、それに代わって OMR 方式、ボタン又はタッチパネル方式が増
加傾向にある。今後も信頼性のある OMR 方式、ボタン又はタッチパネル方式が増加して
いくと考えられる。
16
電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
第4章
4-1
日本に電子投票を導入するにあたっての課題とその解決法
二重投票の防止
【課題】
投票は、公職選挙法第36条で、各選挙につき一人一票に限ると規定されている。電子
投票制度の実施にあたっては、一人一票の原則から、一枚の投票カードで二回投票する、
偽造投票カードを作成して密かに投票所に持ち込むなどの二重投票が行えないための防護
措置がとられていることが必要である。
【解決法】
二重投票を防止する有効な方策として、トークンカード(入場管理権)方式がある。この
方式は、投票所入場券に記載されている、有権者個人の選挙権情報を受付時にカード入力
し、投票権を管理するもので、投票所の受付で投票人にトークンカードを渡し、これを投
票機に挿入することにより投票を可能とするシステムである。
トークンカード方式を単に投票権の管理機能のみに限定せず、カードを投票機に挿入す
る時点で投票情報を読み込み、投票機に蓄積する方式を採用することも考えられる。これ
により、投票する際に、すでに蓄積された情報とカード情報との不一致が検証できるため、
なりすまし投票を防止することができる。
4-2
秘密投票の実現
【課題】
秘密投票は、憲法第 15 条で保証された基本原則である。しかし、電子投票によって投
票情報から投票者が特定され、秘密投票が損なわれる危険性がある。そのため、秘密投票
を損なうことなく、投票情報を識別する手段を実現する必要がある。
【解決法】
① 投票ブースは、投票人以外のものに入力情報が漏れることがない構造にする。
② 入力情報については、いかなる経路を通じても誰からもモニターできないようにする。
③ 投票データの点検や集計、管理の過程において、投票人に関するデータが残らないシ
ステムにする。
4-3
信頼性のあるセキュリティの構築
【課題】
電子投票の宿命的な弱点として、現行の自書式投票に比べて、データの加工(改竄、水増
し等)が容易なことや、システムの構造が脆弱になりやすいことがあげられ、制度導入に向
けては、十分なセキュリティ対策を講じて安全性、信頼性を確保しておく必要がある。
【解決法】
投票データの安全性や信頼性を確保するにあたっては、システムのソフト・ハードのみ
の対応では完璧を期すことは難しく、投・開票所の管理人や立会人、システム運用に携わ
る職員等の役割も含めた、運用面についての措置が重要である。
セキュリティ対策としての留意事項は、以下のとおりである。
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電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
(1)システムの管理
① ソフト・ハードのシステムの構造は、単純・明解かつ堅牢なものとする。
② システムサイドからのミスが発生する可能性は 100%除去するように努める。しかし、
システムの完璧性を求めることは難しいことから、リスク管理を万全にするなどのバ
ックアップ体制を整える。
③ システムへの侵入、データの改竄などに対する禁止規則・罰則規定を新たに設ける。
(2)投票データの管理
① 投票データには一切修正がかけられないよう、パスワード等による通常のアクセス管
理レベルではなく、暗号技術の利用や、複数の投・開票用プログラムを作り、ランダム
に使用することで不正アクセスを防止するなど、高度なセキュリティ対策を行う。
② 投票データについては、最終の集計結果がまとまるまでの間、情報を開示しない仕組
みを取り入れることで、情報の秘密保持や、改竄の防止を図る。
(3)システムの運用
① 投・開票所の管理者や立会人、システム管理の委託先企業職員など選挙に携わる人の
役割や責任、義務を明確化する。
② システム運用責任者の配置と、その権限や義務、責任を明確化する。
③ システムそのものの公正性、信頼性を確保するための運用管理や、選挙制度の変更に
伴うソフトの仕様改善などへの対応のための、システム管理のための運営委員会を設
置する。
④ 災害、不正使用への安全対策や、緊急障害時の措置についてのマニュアル等を作成す
るなど、日常的な緊急事態への体制を整備する。
(4)システム故障時のバックアップ
① 一定数のバックアップ機、無停電装置を配備するとともに、人的なバックアップ体制
を整備する。
② 導入初期の段階では、緊急時の対策として、例えば自書式投票用紙に切り替える方式
など補完措置を整備する。
(5)記録媒体
① 記録媒体としては、フロッピーディスクを使用することが一般的と考えられるが、上
書きが容易であることなど脆弱な面があり、電子投票では不向きであるという意見も
あった。
② CD-R は上書きができないという利点があるが、安定性や使い勝手の面で欠点を残し
ている。
18
電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
4-4
費用対効果に対する国民の納得
【課題】
電子投票制度導入の効果については、第 3 章第 3 節で触れているが、国政選挙や地方選
挙など各種別ごとの選挙は3~4年に 1 回、全体を通しても年に1~2 回行われる程度で
あることから、他の行政事務と比べ、選挙事務にのみ着目すればシステム導入に投資した
効果が早急にあげにくいため、以下のような点に十分注意し、国民の納得が得られるよう
努めなければならない。
【解決法】
① 可能な限り特別の仕様によらずに、その時点で広く利用され、十分に安定している技
術を採用することにより導入経費の軽減を図る。
② システムの詳細な考え方を提示することにより、開発経費を極力圧縮する。
③ 国政から地方までどの選挙にも使える、汎用性のあるシステムを開発する。
19
電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
第5章
今後の日本の選挙システムに関する考察
現行の自書式投票制度が長年定着し、国民の信頼を得ていることを考えると、電子投票
制度を国民に定着させるにはまだ時間がかかってしまうであろう。電子投票制度に対する
国民の理解を求めていくためには、前章で挙げた多くの課題を克服するとともに、電子投
票システムを使った住民意識調査などのモデル実験を実施し、システム利用の実績を積み
ながら信頼を得ていく必要がある。公職選挙法などの法制度の見直しなど主要な課題につ
いては、国の取り組み無くしてその解決はありえない。しかし、電子投票制度を導入して
いくことは、デジタル化の進展の中で、選挙人の利便の向上を図るためには避けることの
できない流れである。
近い将来、国民の信頼を得られる電子投票システムが普及され、コンビニや旅行先、携
帯電話、各個人のパソコンからの投票が可能となれば、近年低下している投票率も飛躍的
に上昇し、国民の政治的関心が高まっていくであろう。また、第2章で挙げたような電子
機器の利用により、これまでかかっていた投開票事務におけるコストが大幅に削減される
ものと考えられる。
ITの急速な進展から、世界規模で産業や生活のすみずみにまで影響を与え、社会生活
に大きな変革をもたらしている近年、日本政府も、電子政府の構築や日本型IT社会の実
現を目指そうとしている。こうしたIT革命の波が、今後、選挙制度にも影響を与え、電
子投票制度にとってまさに追い風となっていくことを期待している。
反省点
論文のテーマとした電子投票制度についての書籍が少なく、資料収集はほとんどインタ
ーネットのホームページや研究報告書などによった。反省点としては、現在の選挙制度に
関する勉強不足から、それを補うために時間がかかってしまったこと、本文の構成が難し
く、ページの余白が多くなってしまったことが挙げられる。しかし、今回の論文で電子投
票制度の今後の動向には大変興味が沸いたので、これからも情報を収集していきたいと考
えている。
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電子機器を利用した選挙システムの現状と課題に関する考察
参考資料・文献
文献
岡本竜明
「図解
暗号と情報セキュリティ」
日経BP社
1998 年 8 月
資料
電子機器を利用による選挙システム研究会「中間報告書」
東京都電子投票制度検討研究会「中間報告書」
白石旭
平成 12 年 8 月
平成 12 年 11 月
田中利清「投票所方式による電子投票システム」
1999 年
ホームページ
電子投票普及協業組合
NEC
http://www.evs-j.com/
KOKYO ひろば http://www.sw.nec.co.jp/kokyo/tech/tohyo/body1.html
産経新聞
http://www.sankei.co.jp/databox/paper/9610/paper/1029/miraisi.html
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