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新しい人材育成マスタープラン
資料2 新しい人材育成マスタープラン ∼ 人事制度改革の基本方針 目 Ⅰ ∼ 次 ㌻ 人事制度改革の必要性について 1 県を取り巻く環境の変化と対応の必要性・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2 人事制度に関する課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 3 なぜ人事制度改革が必要なのか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 4 人事制度改革の方向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 Ⅱ 新しい県庁の創造に向けて 1 県庁の組織像・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 2 県庁の職員像・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 Ⅲ 今後の人事施策の方向 1 チャレンジ精神にあふれた「プロフェッショナル」の育成・・・・・・ 6 2 より公平で信頼性の高い人事制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 3 人が育ち活躍できる組織の構築・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 Ⅳ 職員と組織の役割 1 一般職員・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 2 管理監督者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 3 人材育成部門(所属、部局、人事担当部門、研修担当部 門)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 平 成 21 年 10 月 - 0 - 18 Ⅰ 人事制度改革の必要性について 1 県を取り巻く環境の変化と対応の必要性 ⑴ 地方分権の推進に向けた先進的な役割 <背景> ○ 本県においては、これまでも国の施策に先駆けた独自条例の制定のほか、市町 村への権限移譲を積極的に推進するなど、分権型社会に向け、先進的な取組を進 めてきました。 ○ また、今後、地方分権に向けた動きが一層加速化されることが考えられます。 ⑵ ○ 本県は、国からの権限の移譲・事務移管にいつでも対応できるよう、その能 力を一層充実させる必要があります。 ○ さらに、本県は広域自治体として、市町村とのパートナーシップを尊重しな がら総合的な調整力を発揮し、積極的に対応する必要があります。 新たな行政課題に対応可能な組織の構築 <背景> ○ 今後、本県においても、これまで経験したことのない人口減少社会を迎える中 で、社会構造の変化などにより、これまで想定していない新たな行政課題の発生 が考えられます。 ○ ⑶ 現在の政策、組織執行体制にとらわれない、創造性あふれた柔軟かつ弾力的 な組織を構築していく必要があります。 行政需要の多様化への対応と効率的な組織運営 <背景> ○ 社会の複雑化や雇用の流動化、個々の価値観の多様化など、複雑・多様化する 県民ニーズに対応した先進的で発信力のある多様な政策が求められています。 ○ これまでのように行政の取組だけではなく、NPOなど民間との協働が重要 になっており、こうした新しい関係を構築できる柔軟な発想と高度な調整力 が 求められます。 ○ さらに、様々な課題に効果的かつ迅速に対応するため、県庁全体が少数精鋭 の 組 織 と し て 、 業 務 遂 行 の 効 率 性 を 重 視 し 、業 務 プ ロ セ ス を 徹 底 し て 見 直 す な ど、機動力の高い組織を創り上げていく必要があります。 - 1 - 2 ⑴ 人事制度に関する課題 職員の意欲と主体性の尊重 <背景> ○ これまでの人事制度は、職員にとって、中長期的な視点に立った、自分の将来 像や、能力や適性に基づくキャリアプランを考えにくいものになっていました。 ○ その結果、多くの職員が自らの適性や能力を意識しづらく、自らの「キャリア (県職員として退職するまでの職務経歴・能力)」を考える意識が希薄な状況が続 いてきたと考えられます。 ○ 今後、県を取り巻く環境の変化に、機敏に対応できる組織にしていくために は、職員の主体性やチャレンジ精神を高めつつ、職員一人ひとりの個性の 発揮 や、自己実現による意欲の向上を図ることを目指して、人事制度に職員の 主体 性をより強く反映させる仕組を構築していく必要があります。 ○ また、職員一人ひとりが自らの適性を踏まえ、その能力を最大限発揮できる よう環境を整備していく必要があります。 ⑵ 人事制度の透明性の向上 <背景> ○ 現在、人事評価システムの評価結果に基づき、勤務成績を人事上の処遇に反映 させていますが、職員が意欲をもって遂行していくためには、昇任・昇格の基準 や手続、人事異動のねらいを明らかにするなど、人事制度の透明性を高めること が求められます。 ○ 人事評価システムの評価基準をはじめ、人事制度の周知・明確化を図るとと もに、評価結果や人事上の処遇に関して十分に説明するなど、職員が納得 でき る制度としていく必要があります。 - 2 - ⑶ 人材育成を重視した組織の構築 <背景> ○ 職員数の削減や組織の集約化による所属規模の拡大などにより、所属間及び所 属内におけるコミュニケーションが不足しており、課題意識・目的意識の共有や OJTの充実を阻む原因になっています。 ○ コミュニケーションを活発にする職場環境を整備し、組織としての一体感、 課題意識・目的意識の共有化を推進していく必要があります。 ○ また、人材育成を重視し、組織としてのチーム力の向上を図るため、実践的 なOJTや研修を推進する体制を整備する必要があります。 3 なぜ人事制度改革が必要なのか ○ 県を取り巻く環境の変化に対応し、本県が少数精鋭の組織として、県民に対して 責務を果たしていくためには、職員一人ひとりが高度な専門性と課題発見・解決力を 発揮して、先進的で発信力のある多様な政策を立案し、着実に実行していく必要が あります。 ○ そのために、職員には、県民に信頼される「プロフェッショナル(県職員としての 強い使命感を持ち、自らの意思で専門を決め、その専門性を高め、職務に活かして いく者)」となることが求められ、組織には、県庁全体が高いマネジメント力を持ち、 職員の意欲や能力を最大限引き出していくことが求められます。 ○ その実現のためには、今日的視点を取り入れながら、現行制度を根本から見直し、 職員の意識改革を図りながら、新しい人事制度を創り上げていく人事制度改革を、 今、行う必要があります。 4 人事制度改革の方向 ○ 職員の主体性を重視し、職員一人ひとりが、自らの能力と適性に応じ、主体的に 自らのキャリア開発に取り組み、チャレンジ精神にあふれた「プロフェッショナル」 になることを目指します。 ○ 多くの職員が納得して職務に努めることができるように、より公平で信頼性の高 い人事制度を目指します。 ○ 職場のコミュニケーションの活性化や、業務を通した人材育成の重視など、人が 育ち活躍できる組織の構築を目指します。 - 3 - Ⅱ 新しい県庁の創造に向けて 1 県庁の組織像 (1)課題発見・解決力のある組織 社会の変化に対応し、多角的な視点から新たな課題を発見する力である課題発見力 と、優先順位を決めて調整を図りながら総合力で課題を解決していく力である課題解 決力のある組織を目指します。 (2)チャレンジする活力ある組織 時代や社会のニーズを先取りして、県政が直面する新たな行政課題を解決していく ため、これまでの方法にとらわれず、県としての主体性、創造性を発揮する活力ある 組織を目指します。 (3)職員の意欲を高め自己実現を支援する組織 職員が自らの仕事に誇りと高いモチベーションを持って職務を果たしていくよう、 職員の主体性を重視するとともに、自らの能力を高めるための自己研鑽を積極的に支 援していく組織を目指します。 (4)公平で信頼性の高い人事を実行する組織 人事評価システムの適切な運用を図り、その結果を処遇に的確に反映することによ り、人事制度に対する信頼性を高める組織を目指します。 (5)人が育ち活躍できる組織 日々のコミュニケーションやOJTを通して人を育て、県民に貢献していく組織を 目指します。 - 4 - 2 県庁の職員像 高 い 専 門 性 と 使 命 感 を 持 つ 「プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル 」職 員 自ら主体的に課題を発見し解決に向けて行動するチャ レンジ精神にあふれた職員 ⑴ ○ 一般職員 県民の視点に立つ県行政の実現に向けて、県民の信頼に応え、県民全体の奉仕 者として誇りと自覚、時代認識をしっかりと持つことを定めた職員行動指針を踏 まえ、県職員として強い使命感を持ち、さらに、能力と適性に応じて、自ら進む べき道を選択し、「プロフェッショナル」として専門性を高めていく。 職員のイメージ 自らの仕事に誇りを持ち、誠実に職務を遂行する 県民や市町村等の声を聴き、思いを感じ、連携・協力できる 時代や社会の動きを先取りし、前例にとらわれない 現場から課題を見つけ出し解決する 高い専門性を備え、ねばり強く課題に取り組む よき社会人として地域に貢献する ⑵ 管理監督者 ○ リーダーシップを発揮し、明確な目標を示し、職員がやりがいを持って能力を 最大限に発揮する組織運営ができる、マネジメント能力、人材育成能力を持つ。 ○ 監督職にあっては、それぞれの道の「プロフェッショナル」であることに加え、 管理職を補佐しつつ、所属の方針を踏まえ、多角的な視点から適切な判断を行う。 ○ 管理職にあっては、県全体の施策や社会情勢を踏まえ、将来を見据えた適切な 判断を行う。 - 5 - チャレンジ精神にあふれた「プロフェッショナル」の育成 ⑴ キャリア選択型人事制度の導入 一人ひとりの職員が専門性と使命感を持つ「プロフェッショナル」として、能力や 適性に応じて自らキャリアプランを立て、それに基づき中長期的な視点から、主体 性を持ってキャリア開発(能力開発や職務経験)に取り組む仕組が必要です。 今後の方向 キャリア選択型人事制度の導入 職員の主体性を重視し、意欲を持って、積極的にキャリア開発に取り組むこと ができるよう、職員が専門とする職務分野を選択するキャリア選択型人事制度を 導入します。 ② 人材育成計画の作成 県が求める専門性を明確にし、人材育成の道筋を示し、プロフェッショナルと しての活躍の場を示すため、職務分野ごとに人材育成計画を作成します。 ① 【参考】キャリア選択型人事制度のイメージ ∼ 全ての 職員 が「プ ロフ ェッシ ョナ ル」に ∼ 職 専門性に配慮 した位置付け 専門人材 ○○ 系事業・ 企画調整 退 管 さらに県 庁内外に 通じる 高い専門性を身に付ける 理 職 【管理職登用試験】 全 ての職員 が「 プロフェ ッシ ョ ナル」とし て、様々な 職場 で 活躍 【専門能力の認定】 マネジメント能力を 身に付ける プロ フェッ ショ ナルと して の今後 の進 路の選 択 パ ー ト 各職務 分野の人材育成計画に 従って、他分野の 仕事も経験しながら専門 性を向上。 どの職 務分野も、課題発見・ 解決力など、政策 形成に係る能力の習得を 図る。 コース 変更の機会も設ける。 職 務 分 野 を 決 定 (プロフェッショナルの第一歩) 様々な職務を経験 ・ ・ ・ 異なる分 野の職務を 経験。 職員は 、県庁全体 の仕事の 把握にも 努める 。 分野 選択 を支 援す る ため の研 修の 実施 や相 談体 制の整備 を行う。 (主に一般事務) 採 ○○技能 築 ・・・・ 建 木 公衆衛生 土 コース選択 情報政策 10 年目 キ ス 用地・財産管理 務 ○ ○ ○ エ 法人・企業経営 税 財務・経理 訟務・法令 事 業・企画 調整 ○ ○系 政策プ ロデ ュース 組織・ 管理支援 組織マ ネジメント 政 策 ) 1 今後の人事施策の方向 ( Ⅲ 用 - 6 - 技術職・現業職 等 については、人 材 育成計 画に基 づ き人材育成・人 事 配置を行う。 独 自 分 野 ⑵ 職員の主体性を重視する「キャリア開発支援制度」の構築 これまでの、主に対象職員を指定して実施する研修から、一人ひとりのキャリア プランに基づき、職員の主体的なキャリア開発を総合的に支援していく制度を構築 する必要があります。 今後の方向 キャリア開発支援制度の構築とキャリア開発支援センター(仮称)の設置 キャリアプランの作成・点検・見直しの支援、OJTや管理監督者による助言 指導、職務能力向上のための研修の実施、自己研鑽に対する支援など、職員のキ ャリア開発に係る総合的な支援制度である、「キャリア開発支援制度」を構築し ます。また、キャリア開発支援の拠点として「キャリア開発支援センター(仮称)」 を設置します。 ② キャリア相談体制の整備 キャリア相談窓口を設置するなど、職員、所属等からのキャリア相談を受ける 体制を整備し、キャリアプランの作成・点検・見直しに係る相談やキャリア開発 に係る情報提供などを行います。 ③ 昇任・昇格前の研修受講への転換 一定の研修の受講を昇任・昇格の要件とし、上位の職に必要な能力や知識を昇 任・昇格前に身に付けるようにします。 ④ 専門研修の充実 職員の専門性を向上させるために、キャリア選択型人事制度の職務分野ごとの 専門研修を強化します。 ⑤ 研修を受講できる環境の整備 業務の繁忙により研修の機会が損なわれないよう、職員が計画的に受講し、キ ャリア開発に取り組むことができる環境を整えます。 ⑥ 研修の効果の検証と活用 効果測定を実施して研修の成果を確認するとともに、その結果を職員や職場に フィードバックし、その後のキャリア開発などに活用していきます。 ⑦ 若手職員の育成 採用から 10 年間は集中的に能力向上の機会を与えることにより、「キャリア開 発」に対する意識を高めます。さらに意欲を高める取組として、早い段階から困 難な業務や新しい業務にもチャレンジできるようにします。 ⑧ 民間との連携によるキャリア開発支援 職員の主体性を重視したキャリア開発を支援するために、「キャリア開発支援 センター(仮称)」で行う研修について、民間委託を活用して充実するとともに、 民間の外部研修を活用し、多様な研修メニューを用意します。 ⑨ 自主的にキャリア開発に取り組む職員の支援 修学支援制度や、自主参加の講座の設定など、自主的に専門性を高め、意欲と 高い目的意識を持つ職員を支援します。 ⑩ 派遣研修の充実 職員としての視野を広げるとともに、職務分野の専門性を高めるために、国、 都道府県、市町村、民間企業等への研修派遣や職員交流の充実を図ります。 ① - 7 - 【参考】キャリア開発支援制度のイメージ キャリアプラン の作成、点検、 見直し ・職務分野の選択 ・キャリアプランの 人材育成担当者 による助言・指導 作成・点検・見直し ・研修受講計画の策定 職場経験を通し たキャリア開発 ・観察指導者、助言指導者 ・OJT ・キャリアプランを 重視した人事異動 ・部局人事担当 ・キャリア開発支援セン ター キャリア開発支援 センター(仮称) ○研修の実施 ○キャリア相談 ○キャリア開発に 係る情報の提供 研修結果 のフィードバック 研修(OFF-JT) ・研修効果を測定 ・ 集合研 修 ・専 門研 修 ・派 遣研 修 ・自 主研 修(自己 啓発) ・職員や所属で活用 ・その後のキャリア開発 に活用 - 8 - ⑶ 管理職登用試験の導入 一人ひとりの職員が、職務に対する意欲と能力を高め、活力のある組織にしてい くためには、管理職としての使命感を持ち、組織マネジメント力が高い職員(管理 職のプロフェッショナル)が組織を管理していくことが大変重要です。 そのため、管理職の登用にあたっては、管理職としての能力、適性及び意欲を多 様な方法で評価する制度を導入するとともに、管理職登用についての客観性、透明 性を高める必要があります。 今後の方向 ① 管理職登用試験の導入 管理職の適任者を的確に選抜する管理職登用試験を導入します。 試験の内容については、日頃の職務の中で発揮してきた能力や実績、管理職に 必要な能力、適性、意欲を多様な方法で評価するものにします。 ② 多様な職員がチャレンジできる仕組 管理職登用試験の受験対象者は、管理能力育成期の職員だけではなく、能力活 用期の職員も受験できるようにし、多様な職員がチャレンジできる仕組としま す。 【参考】 ■ 管理職登用試験制度のイメージ 受 験 資 格:事前にマネジメント研修を修了している管理能力育成期の 職員 管理能力育成期の人事評価の結果を複数年みることが可能 となる時期にあること <能力活用期の職員がチャレンジできる試験制度> ○ ○ 受 験 資 格:事前にマネジメント研修を修了している能力活用期の職員 能力活用期の人事評価の結果を複数年みることが可能となる時期に あること 合格後の処遇:上位の職を段階的に経験した上で管理職に登用する。 - 9 - ⑷ 多彩な人材の確保 県職員は県政を担う貴重な財産であり、また、現在、30 代前半以下の若手職員が 極端に少ない職員構成にある中で、専門性と使命感を持つプロフェッショナルとな る人材を確保していくことが大変重要な課題になっています。 今後の方向 ① 多彩な人材を確保するための職員採用試験のあり方の検討 県民感覚を持ち、向上心と意欲にあふれ、行動力のある多彩な人材を確保でき る職員採用試験のあり方について検討していきます。 ② 即戦力となる人材の確保 経験者や専門分野の人材について、多様な任用方法を活用し、即戦力となる人 材を確保するとともに組織の活性化を図ります。 ⑸ 公募型制度の活性化 職員の主体性、積極性を活かすために公募型制度の活性化を図ります。 今後の方向 ① 庁内公募等の活用 職員が自ら希望する仕事にチャレンジできる「庁内公募」、自ら希望する部署 にチャレンジする「人事異動希望通告制度(庁内FA)」及び職員が上位の職務・ 職責にチャレンジする「ポストチャレンジ」を活用し、キャリア選択型人事制度 とともに、職員の意欲を重視する人事制度の充実を図ります。 ② 職員提案型制度の活性化 職員のやる気とアイデアを活かす職員提案型制度の一層の活性化を図ります。 - 10 - 2 より公平で信頼性の高い人事制度 ⑴ 人事評価システムの運用の見直し 人事評価システムについては、評価結果が人事上の処遇(昇任・昇格、昇給、勤勉 手当の成績率)に反映されることから、職員とのコミュニケーションの機会を確保し、 評価結果について十分に説明するとともに、人材育成やキャリア開発にも活用してい くことが重要です。 今後の方向 ① 評価結果の説明と活用 キャリア選択型人事制度の導入など新しい人事制度を踏まえ、評価結果の説明 や能力向上に向けた助言を行うなど、職員に対する説明責任を果たすとともに、 人材育成につなげていきます。 ② 人材育成等を重視した管理監督者の人事評価のあり方 管理監督者の人事評価については、「職員を育てる、職員の意欲を高める、職 員の能力を引き出す」ことを、より重視します。 また、施策事業の立案や実施の成果のみならず、見直し・廃止や、事務の効率 化等の業務改善に取り組んだ職員を高く評価できるような評価制度の運用を図 ります。 ③ 人事評価システムの理解を深める取組 人事評価システムについて、評価を行う側と受ける側の双方が、評価制度や基 準の理解を共通にし、深めていくため、研修や周知の機会の充実を図ります。 ⑵ 管理職登用試験の導入(再掲) ⑶ マネジメント・サポート・システムの充実 管理監督者のマネジメント能力の向上を図り、人事に対する職員の信頼を高めてい くため、上司からの評価や指導だけではなく、部下が上司のマネジメントの水準をチ ェックするマネジメント・サポート・システムの活用についても検討する必要があり ます。 今後の方向 ① マネジメント・サポート・システムの対象者の拡大 管理監督者のマネジメント能力の向上を図るため、所属職員がマネジメントの 水準をチェックする「マネジメント・サポート・システム」の対象者について所 属長以外の管理監督者にも拡大します。 - 11 - ⑷ 新しい人事制度に対応した人事管理システムの構築 職員が専門とする職務分野を選択するキャリア選択型人事制度などの新しい人 事 制度において効果的に人材育成や人事管理を行っていくため、人事管理システムの 再構築が必要です。 また、人材育成を担当する管理監督者等は、職員の人材育成に関して必要な情報を 把握できる仕組も必要です。 今後の方向 ① 人事管理システムの構築 キャリア選択型人事制度、キャリア開発支援制度、人事評価システム、目標管 理等を総合的に管理する人事管理システムを構築します。 ② 人事管理システムの活用 キャリアプランの作成やキャリア開発に必要な情報については、職員本人がい つでも活用できるようにします。 また、職員の人材育成を担当する管理監督者等は、当該職員の研修歴や所属歴 等の人材育成に必要となる情報を活用することができるようにします。 - 12 - 3 ⑴ 人が育ち活躍できる組織の構築 目標管理の導入 職員がやりがいを持って職務を進めるためには、組織としての使命、目標を明確 にして共通の目的意識を持った上で、年間の業務目標・計画を定め、進捗状況の管 理や実績評価を行っていく必要があります。 また、職員のモチベーションや次の仕事に対する意欲を高めるために、目標を達 成したチームや職員へ多様な方法できめ細かに顕彰することも重要です。 今後の方向 ① 人材育成のための目標管理の導入 年度当初に所属、細部組織、職員の年間の業務目標・計画を明確にし、進捗・ 達成状況を確認していく仕組を導入します。 ② 目標を達成した職員等の顕彰 職員の意欲を高め、所属内のコミュニケーションの向上を図るため、所属長な どの身近な立場から職員等の業績を顕彰する仕組を検討します。 ⑵ チーム力の発揮とコミュニケーションの強化 上司と部下、あるいは同僚同士が定期的にコミュニケーションを図り、目的意識 を共有するとともに、目標達成に向け柔軟な対応を行うことが可能な仕組を整備す る必要があります。 また、チームワークの強化を図りつつ、常に業務を点検し、不祥事・事故の未然 防止や積極的な業務改善を図れる組織づくりを進める必要があります。 さらに、コミュニケーションの強化により、職員の健康管理に配慮していくこと も重要です。 今後の方向 ① チーム単位の担当制の導入 組織内のコミュニケーションを強化するとともに、不祥事・事故防止の観点か らも、現行の主任・副主任制を見直し、複数名からなるチーム単位での担当制と し、チームリーダーが進行管理や業務指導を行うようにするなど、個人が特定業 務を抱え込まず、業務情報の共有化を図り、事務量の偏在の解消が可能となる仕 組を検討します。 - 13 - ⑶ 職場経験を通した実践能力の向上 「人を育てる組織」として、職場の経験を通した人材育成であるOJTを着実に実 行するための仕組を整備するとともに、職員のキャリアプランに配慮した人事異動 を行う必要があります。 今後の方向 ① OJTの充実 OJTマニュアルを作成し、業務実績や指導すべき事項を記録する簡易なOJ Tシートを作成、定期的な話し合いの場の設置、助言内容等の記録など、各職場 においてOJTが確実に機能する仕組を導入します。 ② 職場経験を通したキャリア開発を意識した人事異動の実施 様々な職場を経験することによって能力の向上が図られるとともに、本人の適 性を見極める「気づきの機会」とするためにも、職員のキャリアプランを踏まえ、 キャリア開発を意識した人事異動を行います。 ③ メンター制度の導入 新規採用職員に対し、気軽に相談に応じ、助言を行うため年齢・職位等身近な 立場にある者をメンター(助言者)として指定し、新規採用職員の育成の充実を 図ります。 ⑷ 効果的な組織マネジメント体制の構築 管理監督者の目が行き届いた人材育成、組織管理・運営を行うために、組織のあ り方について検討する必要があります。 また、メンタルヘルスの視点からも、管理監督者が良好な職場環境づくりに取り 組むことができるようにすることが重要です。 今後の方向 ① 人材育成の視点からの組織のあり方 OJTの充実や目標管理の導入を踏まえ、人材育成や良好な職場環境をつくる ための組織管理・運営の視点から、組織規模や執行体制のあり方を検討します。 ② 柔軟な人事配置 業務の繁閑の状況に応じた柔軟な対応や、緊急的な事案への機敏な対応が可能 となるよう、柔軟な人員配置を行います。 ③ マネジメント能力の高い管理職の育成 組織マネジメント能力を高めるためのマネジメント研修の充実や、マネジメン ト・サポート・システムの対象者を所属長以外の管理監督者にも拡大するなど、 マネジメント能力の高い管理職の育成を図ります。 - 14 - ⑸ 多様な人材が活躍できる環境の整備 多様な人材が活躍し、組織の力を最大限に引き出すためには、子育てや介護に携 わる職員も、その能力を最大限発揮できる環境を整えることが重要です。 ワークライフバランスの推進を図り、男性の子育てや介護等への参加促進も進め、 職員の生活を充実させながら意欲の向上に繋げていくことが必要です。 また、重要な組織構成員である非常勤職員、臨時的任用職員、再任用職員等につ いても職務能力の向上を図るための仕組を検討する必要があります。 今後の方向 ① 女性職員の登用 子育てや介護に関わる職員が、時間的な制約等を受けながらも、幅広い職務経 験を積むことができる環境を整えます。 その上で、女性職員の活躍の場の拡大を図るため、幹部職員(課長級以上)に おける女性の割合の目標値を定めます。 目標値:平成 26 年度を目途に 20%とすることを目指します。 ② 育児休業や休職等から復帰する職員のキャリア開発支援 育児休業や休職から復帰する職員が、復帰後のキャリアプランを立てて、それ に基づき意欲を持って職務に従事し、キャリア開発に取り組むよう、相談・指導 体制を整備します。 ③ 非常勤職員等の職務能力の向上 非常勤職員等について、資質や能力、役割を明確にするとともに、OJTの充 実や職務に必要な研修に参加させるなど、職務能力の向上を図ります。 - 15 - (1)キャリア選択型人事制度の導入 (2)職 員 の 主 体 性 を 重 視 す る キ ャ リ ア 開発支援制度の構築 1 チャレンジ精神にあふ れた「プロフェッショ ナル」の育成 (3)管理職登用試験の導入 (4)多彩な人材の確保 今 (5)公募型制度の活性化 後 の (1)人事評価システムの運用の見直し 人 (2)管理職登用試験の導入(再掲) 事 施 2 より公平で信頼性の高 い人事制度 (3)マネジメント・サポート・システム の充実 策 の (4)新 し い 人 事 制 度 に 対 応 し た 人 事 管 理システムの構築 方 向 (1)目標管理の導入 (2)チ ー ム 力 の 発 揮 と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョンの強化 3 人が育ち活躍できる組 織の構築 (3)職場経験を通した実践能力の向上 (4)効 果 的 な 組 織 マ ネ ジ メ ン ト 体 制 の 構築 (5)多 様 な 人 材 が 活 躍 で き る 環 境 の 整 備 - 16 - Ⅳ 1 職員と組織の役割 一般職員 (1) キャリアプランの作成 自らのライフプランを見据えながら、自己の能力・適性を把握し、「プロフェッシ ョナル」としてのキャリアプランを主体的に作成します。 キャリアの節目ごとに、自己の能力・適性を見つめ直し、必要に応じてキャリアプ ランを見直します。 (2) 主体的なキャリア開発 「プロフェッショナル」として、主体的に自己のキャリア開発に努めます。 (3) チームワークの重視 所属内外の職員と積極的なコミュニケーションを図り、チームワークの形成に努め ます。 2 管理監督者 (1) マネジメント能力の向上 OJT、マネジメント研修、マネジメント・サポート・システムなどにより、マネ ジメント能力の向上に努めます。 (2) 職員の能力・適性の的確な把握 人材の育成と活用を図るため、職員の能力・適性の的確な把握に努めます。 (3) 職員の指導育成とキャリア開発の支援 OJTにおいて職員を効果的に指導・育成することに努めるとともに、職員が主体 的に行うキャリア開発の積極的な支援に努めます。 (4) コミュニケーションの活性化とチーム力の向上 チームの目標を示し、コミュニケーションを高め、職員の意欲と能力を引き出すこ とで、チーム力を最大限に発揮できるように努めます。 - 17 - 3 人材育成部門(所属、部局、人事担当部門、研修担当部門) (1) キャリア開発の支援 職員の主体的なキャリア開発を支援するため、多様な研修機会の確保や情報提供に 努めます。 「キャリアプラン」の作成のための助言や職務経験に応じた研修情報の提供など、 キャリア開発を支援するための相談体制を整備します。 職務能力向上に向けて、人事評価システムと連携した研修機会の整備に努めます。 キャリア選択型人事制度の下で、職員の主体的なキャリア開発への意欲に応えられ るよう、職務分野に求められる能力を身に付ける機会の確保に努めます。 (2) 研修結果の検証とフィードバック 研修効果を測定し、その結果を職員や所属にフィードバックして、OJTやキャリ ア開発に活用します。 より効果的で魅力のある研修の実施に努めます。 (3) 能力を効果的に伸ばし発揮できる人事配置 職員のキャリアプランを踏まえつつ、一人ひとりの職員の能力や適性を活かす人事 配置に努め、様々な職員の能力を効果的に組み合わせ、組織として最大限に力を発揮 できる組織づくりに努めます。 - 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