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2. 教育研究上の組織

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2. 教育研究上の組織
2.大学・学部等の現状とその評価
2. 教育研究上の組織
2.1 大学・大学院の現状
大学の教育理念,教育目標の実現に向けた教育活動は,活発で充実した研究活動に支えられている。
本学の教育研究上の基本組織は,経済学部(2学科),工学部(5学科),文学部(4学科。ただし
学生募集を停止した文化学科を除く。),法学部(2学科)の4学部と,工学研究科(5専攻),経済
学研究科(1専攻),法学政治学研究科(2専攻),文学研究科(3専攻),経営学研究科(1専攻)
の5研究科で構成されている。
5研究科のすべての専攻には博士課程が設置され,学部,博士前期課程,博士後期課程をとおした万
全な教育研究体制が整えられている。
また,4学部のうち,経済学部,文学部,法学部には,学術の研究およびその普及を目的とした学部
独自の学会が設置され,当該学部に所属する教授・助教授・講師などを会員として,研究会・講演会の
開催,学会誌の発行などの研究活動が行われている。
その他,附属機関として,図書館,情報処理センター(2002年10月1日より学園情報センターに統合
された),アジア太平洋研究センター,国際交流センターが設置され,教育研究の一翼を担っている。
以上の学部,研究科,附属機関のすべては武蔵野市吉祥寺の単一キャンパス内に位置し,教育研究上
の交流が活発に行われている。
この様なすべての教育研究機関が都心に近い同一のキャンパスに集約されている好環境は,他大学に
例をみないものである。
なお,学部,研究科の概要は,表2.1の通りである。
22
教育研究上の組織
表2.1 学部・研究科の概要
[学 部]
学部
経
済
学
部
学 科
経済学科
経営学科
1968
(昭和43)
1968
(昭和43)
小 計
機械工学科
工
学
部
開設年度
電気電子工学科
1962
(昭和37)
1962
(昭和37)
入学定員 収容定員 在籍者数 学 位
266
1,112
1,360
191
782
919
457
1,894
2,279
77
314
373
77
314
404
学 士
2002年5月1日現在
備 考
臨時的定員の延長(1999∼2004)
(経済学) 290名→250名
学 士
臨時的定員の延長(1999∼2004)
(経営学) 200名→185名
学 士
臨時的定員の延長(1999∼2004)
(工 学) 80名→75名
学 士
臨時的定員の延長(1999∼2004)
(工 学) 80名→75名
2001年4月1日,工業化学科を
応用化学科
1962
(昭和37)
77
314
364
学 士
応用化学科に名称変更
(工 学) 臨時的定員の延長(1999∼2004)
80名→75名
2001年4月1日,経営工学科を
経営・情報工学科
1962
(昭和37)
77
314
394
学 士
経営・情報工学科に名称変更。
(工 学) 臨時的定員の延長(1999∼2004)
80名→75名
物理情報工学科
1989
(平成元)
小 計
60
240
315
368
1,496
1,850
学 士
2001年4月1日,計測数理工学
(工 学) 科を物理情報工学科に名称変更。
臨時的定員の延長(1999∼2004)
英米文学科
文
学
部
1965
(昭和40)
123
538
621
学 士
(文 学)
166名→160名
2000年4月1日,恒常化定員40
名を国際文化学科及び現代社会
学科へ振替(恒常定員120名)
日本文学科
文化学科
1965
(昭和40)
1965
(昭和40)
89
377
442
募集停止
180
271
学 士
臨時的定員の延長(1999∼2004)
(文 学) 100名→83名
学 士
2000年度より募集停止
(文 学)
英米文学科の振替定員と文化学
国際文化学科
2000
(平成12)
104
318
390
学 士
科の定員により開設。
(文 学) 恒常的定員の延長(2000∼2004)
110名→100名
英米文学科の振替定員と文化学
現代社会学科
2000
(平成12)
104
318
392
学 士
科の定員により開設。
(文 学) 臨時的定員の延長(2000∼2004)
110名→100名
小 計
法
学
部
法律学科
政治学科
小 計
学 部 合 計
1968
(昭和43)
1968
(昭和43)
420
1,731
2,116
262
1,084
1,428
148
616
768
410
1,700
2,196
1,655
6,821
8,441
学 士
臨時的定員の延長(1999∼2004)
(法 学) 280名→250名
学 士
臨時的定員の延長(1999∼2004)
(政治学) 160名→140名
23
2.大学・学部等の現状とその評価
[研 究 科]
2002年5月1日現在
研究科 課 程
工
学
研
究
科
専 攻
開 設 年 度 入学定員 収容定員 在籍者数 学 位
(昭和41)
博士前期課程 電気電子工学専攻 1966
8
16
27
修士(工 学) 2 0 0 1 年4月1
応用化学専攻
1966
(昭和41)
16
32
32
修士(工 学) 日,工業化学専
機械工学専攻
1966
(昭和41)
16
32
24
修士(工 学) 攻を応用化学専
情報処理専攻
1972
(昭和47)
8
16
22
修士(工 学) 攻に,計測数理
(平成 5)
物理情報工学専攻 1993
8
16
17
修士(工 学) 工学専攻を物理
小 計
56
112
122
情報工学専攻に
博士後期課程 電気電子工学専攻 1968
(昭和43)
4
12
1
博士(工 学) 名称変更。
応用化学専攻
1968
(昭和43)
4
12
4
博士(工 学)
機械工学専攻
1968
(昭和43)
4
12
0
博士(工 学)
情報処理専攻
1974
(昭和49)
4
12
1
博士(工 学)
(平成9)
物理情報工学専攻 1997
2
6
2
博士(工 学)
18
54
8
小 計
経 研 博士前期課程
済究
学 科 博士後期課程
経済学専攻
1970
(昭和45)
6
12
7
修士(経済学)
経済学専攻
1972
(昭和47)
3
9
2
博士(経済学)
博士前期課程
法律学専攻
1970
(昭和45)
8
16
10
修士(法 学)
政治学専攻
1972
(昭和47)
4
8
2
修士(政治学)
12
24
12
法
学
政
治
学
研
究
科
文
学
研
究
科
経
営
学
研
究
科
研
究
科
全
体
24
備 考
小 計
博士後期課程
法律学専攻
1972
(昭和47)
4
12
6
博士(法 学)
政治学専攻
1973
(昭和48)
2
6
9
博士(政治学)
6
18
15
小 計
博士前期課程
英米文学専攻
1971
(昭和46)
8
16
3
修士(文 学)
日本文学専攻
1971
(昭和46)
8
16
10
修士(文 学)
(昭和47)
社会文化論専攻 1972
8
16
6
修士(学 術)
24
48
19
小 計
博士後期課程
英米文学専攻
1998
(平成10)
4
12
9
博士(文 学)
日本文学専攻
1991
(平成 3)
4
12
8
博士(文 学)
(平成 3)
社会文化論専攻 1991
4
12
7
博士(学 術)
12
36
24
10
20
19
小 計
博士前期課程
博士後期課程
経営学専攻
経営学専攻
1972
(昭和47)
1973
(昭和48)
3
9
4
博 士 前 期 課 程
108
216
179
博 士 後 期 課 程
42
126
53
計
150
342
232
修士(経営学)
博士(経営学)
2 0 0 0 年4月1
日,博士前期課
程の収容定員増
6名→10名
教育研究上の組織
2.2 経済学部
a 経済学部の教育研究上の組織の適切性,妥当性
[現状の説明]
経済学部は経済学科と経営学科の2学科編成である。専門担当の教員はいずれかの学科に所属し,
同時に各学科を基礎とする経済学研究科ないし経営学研究科の大学院担当の教員となっている。そ
の他に,学部に所属する,語学,体育,および一般教養科目の担当者は兼担として,他学部の科目
も担当している。その他に情報教育助手(大学情報処理センター出向)
,教育研究補助助手,および
嘱託助手がそれぞれ1名づつ学部に所属している。学部生は入学当初から経済・経営学科のいずれ
かに所属する。
専門担当教員は各学科の専門科目を中心として担当し,教養担当教員は学科横断的に,教養科目,
情報・数理科目を担当している。国際社会コースは学科横断的に開設されている。さらに他学部と
共通開講している科目として総合科目がある。また,学生にとっては,他学部の専門科目は各学科
の専門科目として履修が16単位まで認められている。他学科(他学部を含む)科目の履修は24単位
まで認められている。国際社会コースの科目および専門科目の担当者として毎年半期間外国人特別
教員を招聘している。
教員構成の面では,語学,体育,一般教養,専門のバランスが保たれ,専門の担当者も理論,実
証,歴史的研究の分野の研究者が配置され,教育内容に即して,十分な配慮がなされている。
コンピュータを利用した情報処理教育は主に全学的な成蹊大学情報処理センターの施設(視聴覚
設備を含む)で所員(助手)の支援のもとに学部教員および非常勤講師により行われている。海外
留学については全学的な国際交流センターを通じて協定留学,認定留学,短期語学研修が行われて
いる。図書館も全学的設備であるが,図書予算は全学共通予算以外の部分は各学部別に配分され,
そのなかで,学生用の予算措置も講じられている。
学部内の教育上の諸問題は経済・経営・教養合同で開かれる教授会で,また教授会で承認された
各種委員会で必要に応じて企画・調整される(カリキュラム検討委員会など)
。学生の就学上の問題
(履修,留学,進学,成績不振)および精神的な悩みなどの相談に応じ,必要に応じて指導を行う
ために,教務委員や学生部委員などを中心としてAAB(Academic Advisary Board)が組織されてい
る。
学年暦や海外留学制度,試験における不正防止制度などの教務事項はおおむね全学的に決定され
る。クラブ活動や大学祭・運動会などについても同様である。また,学部間だけでなく,大学間の
交流もなされている。四大学運動競技大会(成蹊,学習院,成城,武蔵)などはこの一例である。
体育施設の面では戦前からの伝統もあり,本学は有利である。学内陸上競技大会を可能とする
400mグランドや,また他大学には比較的少数の例しかない,学内競漕大会を可能とする埼玉県戸田
のボート施設などにその例がみられる。
全学的な研究機関としては成蹊大学アジア太平洋研究センターがあり,学内教員および他大学教
員との共同研究の助成を行っている。また,別途に,学術研究助成検討委員会が組織され,一般的
なテーマについての共同研究および個人研究の助成を行っている。学部内では学部所属の全教員に
より経済学部学会が組織され,年2回の学部論集の発行,学生向け講演会,教員向け研究会・セミ
ナーを開いている。
25
2.大学・学部等の現状とその評価
[前回指摘した問題点の改善状況ないし改善に向けた方策の実施状況]
前回の報告書では「金融やメーカーなどの実務経験に富み,制度的事情にも詳しい教員が,現在
のところ欠けている」との指摘があったが,2002(平成14)年度には野村証券による人材派遣の寄
附講座が実施され,実務経験のある講師によって資産運用と証券投資に関する実践的な講座が提供
された。この講座はしばらく継続される予定である。また,前回の報告書では大衆化した大学は「学
生のスクリーニング機能を果たしているだけで」
,「勉学意欲のない多数学生と,専門分野の中には
研究レベルと教育レベルが乖離し教員側でも意欲をなくしつつあるという事情も加わって,その教
育が空洞化している。
」との厳しい一般的な教育論が展開された。情報化,国際化が進展する中で,
大学における教育内容も社会的な要請の変化に対応して,相応の変化をしている。確かに,古き良
き時代の「象牙の塔」の中で,少数のエリートのための学問の懊悩を極める専門教育的な要素は希
薄化してはいる。しかし,日本の厳しい社会情勢の中で,学生は大学での学習活動を重視しており,
成蹊大学経済学部の学生の学習意欲は極めて高い。また,教員は学生の現代的な問題意識を共有し,
その勉学意欲に答えるべく,十分な準備と質の高い教育を提供している。学生の授業評価によると,
経済学部における学習に対する評価はおおむね良好である。
[点検・評価,今後の(残された)課題]
経済学部の教育研究の組織はおおむね適切,妥当と判断されよう。各教員ならびに学生の個性と
自主性は尊重され,のびのびとした教育研究環境が実現しているといえる。
2004(平成16)年度からの学科統合にあたって,5つの各コース科目の担当者をバランス良く配
置する必要があり,現在,新規採用にあたっては新たな教育内容に即した採用人事を進行させてい
る。また,学科統合後は,大学設置基準のいわゆる大綱化の精神に則り,従来の一般教養と専門の
科目のしきりはなくなるため,教員の配置も,全学的な調整も踏まえて,再考が必要となっている。
上のような大きな制度変革は教員により自発的に行われており,そのため,教員のアドホックな
改革のための行政的な作業量が膨大となっており,本来教育と研究に向けられるべきエネルギーが
制度改革のために費消されている。大学の事務部門のスタッフがこのような改革作業の一端を担え
るような質を備えたレベルに向上することが望まれる。
2.3 工学部
a 工学部の教育研究上の組織の適切性,妥当性
[現状の説明]
工学部は現在,機械工学科,電気電子工学科,応用化学科,経営・情報工学科,物理情報工学科
および教養担当部門とから構成されている。各学科の教員構成は,機械工学科,電気電子工学科,
応用化学科,経営・情報工学科が教授,助教授,講師を合わせた定員が各9名,物理情報工学科は
8名である。教養担当教員は,自然科学系教員が5名と語学および保健体育担当教員が各1名であ
る。臨時定員増の廃止に伴い,工学部においては2002年4月をもって教員1名の減少となった。ま
た,各学科に助手が5名から6名配置されており(応用化学科では助手3名,嘱託助手4名),実
験科目・卒業研究の安全な実施と研究推進など様々な業務において,大いに貢献している。
文部科学省の設置基準大綱化の方針を反映して,教養課程の数学や物理学,化学などの基礎科目
26
教育研究上の組織
については,単なる教養としての授業から専門科目の基礎という位置づけに変わり,専門科目との
継続性を重視するように改められ,専門科目に配当されているが,引き続き教養担当教員によって
教育がなされている。語学教育については,国際共通語としての英語教育,特に技術英語や英会話
など役立つ語学教育について,外国人教員など多数の要員を確保し,その充実に努力しているとこ
ろであるが,工学部所属の専任英語担当教員は1名のみで,多くの非常勤講師に依存している。
[前回指摘した問題点の改善状況ないし改善に向けた方策の実施状況]
機械工学科,電気電子工学科,応用化学科,経営・情報工学科の講師以上の教員定員は9名であ
るが,物理情報工学科の定員は8名であるため,定員の欠員補充が適わない場合学科構成上の問題
がでる危惧がある。また,臨時定員増終了後に講師以上の教員定員が1名減となること,語学教育
の専任教員が1名のみでその運営に当たっており,圧倒的に多数の非常勤講師に頼らざるを得ない
現状など,多くの問題がある,と指摘されていた。これらの問題については,経営上の問題から,
解決されていない。上述のようにすでに臨時定員増の廃止に伴い教員1名の減少が実行されており,
状況は悪化している。現在,この問題の解決に向けて,工学部の組織の検討なども含めて,議論が
進んでいる。
現代の科学技術の進展や動向をよく見極め,学科の教育内容,研究活動をつねに時代に則した形
で磨きあげる努力は不可欠である,と指摘されていたが,2001年度にこれまでの工業化学科は応用
化学科に,経営工学科は経営・情報工学科に,計測数理工学科は物理情報工学科にそれぞれ学科の
名称変更を行い,教育内容も見直し改善し,時代に則したものとした。
授業についても学科の枠を取り払った共同開講や,他大学との単位互換制度の制度化などの努力
を行うべき,とされていたが,大学として武蔵野地域5大学間の単位互換制度が制定され,2002年
度から実施されている。
[点検・評価,今後の(残された)課題]
大学設置基準の大綱化に従って基礎教養科目の内理工系の科目は専門科目へ組み込まれ,その教
育は教養担当教員によって行われており,工学基礎教育の充実にとって適切と考えられる。しかし
今後入学学生の基礎学力の変化が想定され,ますます基礎教育の充実を図る必要があると思われ,
それに対応できる体制を考える必要があろう。物理情報工学科の教員定員8名の状況,英語教員1
名の状況は改善される必要がある。
2.4 文学部
a 文学部の教育研究上の組織の適切性,妥当性
[現状の説明]
教員の組織
文学部は,2000年度以後,それまでの3学科(英米文学科・日本文学科・文化学科)を再編成
して,英米文学科・日本文学科・国際文化学科・現代社会学科の4学科により構成されている。
そして,学科とは別に,全学の各学部に関わる教職課程の教員も文学部教授会の構成員となって
いる。
27
2.大学・学部等の現状とその評価
また,文学部は,兼任の教員(兼担,非常勤講師)にも多く依存しており,専任・兼任をあわせ
て教員数を示せば,次の表のごとくになる。
表2.2 文学部教員の配置状況
専 任
教 授 助教授 講 師
英米文学科
専
日本文学科
国際文化学科
門
現代社会学科
兼 担
計
教 授 助教授 講 師
非常勤
計
講 師
9
0
0
9
2
1
0
3
31
6
1
0
7
0
0
0
0
29
6
1
1
8
1
0
0
1
29
8
1
1
10
0
0
0
0
24
人 文
0
1
0
1
0
0
0
0
6
社 会
0
0
0
0
2
0
0
2
3
自 然
0
0
0
0
5
1
0
6
3
学 際
0
0
0
0
5
1
0
6
18
一 英 語
般 ドイツ語
教 フランス語
育 中 国 語
スペイン語
0
4
0
4
0
0
0
0
18
1
0
0
1
0
0
0
0
6
1
0
0
1
0
0
0
0
7
0
0
0
0
1
0
0
1
8
0
0
0
0
1
0
0
1
3
ロシア語
0
0
0
0
0
0
0
0
1
スポーツ&フィットネス
1
0
0
1
0
0
0
0
5
情報処理
0
0
0
0
0
0
0
0
2
特 設 科 目
0
0
0
0
0
0
0
0
2
教 職 課 程
2
0
1
3
2
0
0
2
9
計
34
8
3
45
19
3
0
22
204
教員数と入学定員ならびに在籍者数
1学年の入学定員(収容定員)は,英米文学科120(480)名,日本文学科83(332)名,国際文
化学科100(400)名,現代社会学科100(400)名,となっている。上記の学生数に対する各学科
の専門の教員数と,設置基準上の必要教員数及びその充足度は,次の表の通りである。
また,現代社会学科の「基準上の定員」は,広領域の学科ではないとの前提による数である。
現在の「教員数」は,設置申請の際に,広領域学科と判定されるかもしれないとの想定のもとに
配置された数である。
表2.3
28
基準上の定員
教 員 数
充 足 度
英米文学科
7
9
+2
日本文学科
6
7
+1
国際文化学科
6
8
+2
現代社会学科
6
10
+4
教育研究上の組織
助手の配置
文学部には,専任助手1名と非常勤助手若干名が配置されており,専任助手と合わせて常時2
名の勤務態勢となっている。4学科には単独の学科研究室は置かれておらず,また単独の助手も
配置されていない。文学部の研究室は2室あるが,1室は学部共同の共同研究室で教育事務用に,
1室は書架および机・椅子を置いて学生用の研究室として使用している。
専任助手は教員系列に属するが,実質は事務助手として勤務している。なお,大学院博士後期
課程に在籍する学生を対象とした,ティーチング・アシスタント制度を設け,学部学生および大
学院博士前期課程の学生に対する教育活動の補助に当らせている。
教員の年齢構成
文学部の教員の年齢構成は,表2.4のごとく,比較的高い年齢層に片寄っている。なお,( )
内は,女性教員数を内数で示したものである。
表2.4 文学部教員の年齢構成
(2002.10.1現在)
年 齢 20∼24 25∼29 30∼34 35∼39 40∼44 45∼49 50∼54 55∼59 60∼64
65∼
教 授
6(1) 34
(10) 55.67歳
1
助教授
講 師
助 手
計
(
5 3) 11
(3)
7
(
4 3)
(
1 1)
平均年齢
1
(
5 1)
(
2 1)
(
8 2 ) 37.37歳
(
1 1)
1
1
(
3 1 ) 38.0 歳
(
1 1)
0
計
(
1 1 ) 29.0 歳
(
2 1)
(
6 1)
(
4 1)
(
5 3) 11
(3)
7
(
4 3)
6(1) 46
(14)
[前回指摘した問題点の改善状況ないし改善に向けた方策の実施状況]
上にも記したように,2000年度から文学部の学科は4学科になった。これにより,各学科の教員
数および学生の入学定員・収容定員における,それまでのアンバランスがかなり解消された。
教員の年齢層に関しては,依然として高年齢層に集中している傾向にある。また,教授数と助教
授・専任講師数との比率においても,依然として教授数の占める割合が高い。しかし,外国教員と
女性教員の登用に関しては,4学科設立に係る新任教員人事の際に払った配慮の結果,ある程度成
果を挙げつつあると言ってよい。 助手に関しては,4学科体制に対応する増員が必要であるが,増員は果されていない。ただし,
文学部学会に係る事務処理要員として文学部学会が採用しているアルバイター(1名)が必要に応
じて専任助手を補助している。
[点検・評価,今後の(残された)課題]
前項に記したように,学科間の教員数・学生定員・収容定員のバランス,外国教員・女性教員の
登用,助手の増員に関しては,改善の方向にある。この配慮・努力は認めて然るべきであろうし,
今後もこの配慮・努力は継続する必要があろう。
しかし,教員の年齢層に関しては,4学科体制に移行する際の人事要件(博士後期課程論文指導
有資格者に関する要件も含む)が関わっていて,改善が困難であった。ただし,今後数年間内に定
年退職者(特別任用教授も含む)が多く予定されている。その時の新任人事が改善のよい機会にな
29
2.大学・学部等の現状とその評価
るであろう。これは,教授数の占める割合を妥当な割合に改善するよい機会にもなり得る。ただし,
どの程度の割合が妥当かについての検討も必要であろう。
助手の増員に関しては,上記の方法はあまり正当なものではなく,窮余の方法であった。したがっ
て,今後は専任助手の増員に向けて粘り強い努力を続ける必要がある。
文学部の教員数は,設置基準上必要とされる数は一応充足している。しかし,学生の入学定員の
臨時増の解消に関わって教員の1名減が行われたこと,各種教育事務の負担増が益々拡大しつつあ
ること,非常勤講師への依存度が他学部に比してかなり高いことなどを勘案すれば,専任教員の増
員は不可欠である。これは難しい問題だが,実現に向けての格別の努力が必要である。
2.5 法学部
a 法学部の教育研究上の組織の適切性,妥当性
[現状の説明]
法学部は法律学科と政治学科の2学科制を採用している。両学科とも講座制を採用していないが,
専門科目や教養科目および外国語科目などの開講科目との関連で十分な教員を配置するよう努力し
ている。また,本学部では1994年度に新カリキュラムを導入し,授業科目を基幹科目,関連科目,
関連教養科目に区分し直すことによって,専門科目や教養科目および外国語科目の相互連関を図っ
ている(2001年度にカリキュラムをさらに改正したが,上記区分は踏襲)
。
法学部には,専任教員が41名いる(客員教員を含む)
。設置基準との関係では,法律学科が13名に
対し18名,政治学科が10名に対し13名(ただし,1名は法学部籍を離れているため,事実上12名)
と上回っているが,この13,10は学生定員各250,140に対する数字で,学生の実数に対する18,12
は必ずしも十分とはいえない。入学者の多かった2002年度に至っては(379,218)
,教員1人あたり
学生数は21,18と基準の19,14を大きく上回っている。
非常勤教員は113名(他学部主体開講科目10名を含む)であり,専任(海外研修3名,専務理事1
名を除くと37名)を含む全体の75.3%を占めている。しかし,担当コマ数では専任計178.7コマ,非
常勤計184.8コマで,著しくバランスを欠いているわけではない。このことを授業科目別の構成割合
で見てみると,表2.5のようになる。
表2.5
専 任
非常勤
専門教育科目
127.0
40.0
外国語科目
29.0
110.5
保健体育科目
5.5
15.0
関連教養科目
12.0
19.0
教 職 課 程
1.0
0
[前回指摘した問題点の改善状況ないし改善に向けた方策の実施状況]
前回,外国語科目の専任教員担当比率が低いことが指摘された。カリキュラム再改正により,選
30
教育研究上の組織
択必修となった外国語科目の専任教員担当比率は,必修単位数の減少によってもかなり高まった。
[点検・評価,今後の(残された)課題]
臨時定員増が2003年度をもって終了する機会に,専任教員1人あたり学生数が「少人数教育」に
相応しいものになるよう努める。2学科の存続を前提に選択的コース制を,また,法律・政治・教
養の枠組みに必ずしも囚われない科目設置,科目担当,人事を検討してもよいのではないかと思わ
れる。語学の講義も学部別にではなく,全学的に統一したカリキュラムと教員連絡組織のもとで提
供することを検討してもよいのではないかと思われる。
2.6 工学研究科
a 工学研究科の教育研究上の組織の適切性,妥当性
[現状の説明]
工学研究科は現在,電気電子工学専攻,応用化学専攻,機械工学専攻,情報処理専攻,および物
理情報工学専攻の 5専攻から構成されており,いずれも博士前期課程,博士後期課程を有している。
このうち,情報処理専攻および物理情報工学専攻は各学科からの卒業生を横断的に受入れることを
建前に発足したものである。当研究科では,基礎を深く理解し自ら考える力と柔軟な研究能力を持
ち,科学技術の発展に寄与できる技術者と研究者の養成を目指して継続的な努力を行っている。
本学では,工学研究科プロパーの教員はおらず,工学研究科の構成員は学部との兼任の一人二役
であり,授業や論文指導,研究面での実態に違いはあるものの,組織上で学部との間に明確なボー
ダーは存在しない。ちなみに,大学院における授業担当資格,指導資格については研究実績や教育
経験実績などを勘案して基準が設けられ,研究科委員会の審査,議を経て認定される。一般教養所
属の教員も多くの者が大学院教育や研究に参画している。
[前回指摘した問題点の改善状況ないし改善に向けた方策の実施状況]
学部では一般教養所属で専門学科所属ではないが,大学院においては専攻の教育,指導に参画貢
献している教員がおり,その立場は必ずしも明確とはなっていないゆえ,大学院専任の教員配置を
考えるとともに,予算配分についても再考をする必要がある,と指摘されていた。この問題は予算
配分に関する困難もあり,検討されずにきている。
[点検・評価,今後の(残された)課題]
研究教育上からみて現在の工学研究科の組織は概ね問題はないが,一般教養所属教員の研究科教
育への関わりに関して,制度的に明確にする必要がある。
31
2.大学・学部等の現状とその評価
2.7 経済学研究科
a 経済学研究科の教育研究上の組織の適切性,妥当性
[現状の説明]
本研究科の教育研究上の意思決定は,経済学部経済学科所属の専任教員(全員)で構成される「経
済学研究科委員会」(年間15回程度開催)で行っており,研究科長(経済学部長または評議員など
が兼任)
,および経済学研究科専攻主任(経済学部経済学科主任が兼任)が実務上の責任者となって
運営にあたる。各教員別の教育資格の認定,授業編成,担当者の決定,指導教授の指名,入学者の
選考など,運営に関する全般の事項は当委員会で決定されている。
[前回指摘した問題点の改善状況ないし改善に向けた方策の実施状況]
本研究科の収容定員数(1学年あたり,博士前期課程6名,後期課程3名)は少ないが,入学者
数はそれを下回る年が多い(前期課程入学者数は,1998(平成10)年度が3名,以下,2002(平成
14)年度に至るまで3名,3名,1名,4名である。後期課程入学者は2000年度,2002年度にそれ
ぞれ1名あったのみであるが,数年間入学者ゼロの状態であったことと比較すると大幅な改善であ
る)
。これが学生一人一人に対する密接な個人的指導を容易にしている面はあるが,他方では教員と
学生との個人的関係に過度に依存して大学院が運営される懸念がある。これを排除するため,かね
てから,できるかぎり多くの教員が実際に授業を担当して学生と日常的に接触することに努めてき
た。
具体的には,開講する授業科目を比較的少数の基礎的科目に限定し,初学年においては学生全員
にそれらを履修せしめ,教員側は1科目2名の分担講義形式を標準的な形態として授業を実施して
きた。これにより,授業内容の標準化,教員側の当事者意識の確保,学生と教員の接触頻度の向上
などは相当程度に実現しており,それが翌年度における修士論文作成のために必要な密接な個人的
指導の実現にもよい影響を与えていると思われる。
このような授業形態は,基本的に妥当なものと考えるが,これをより効率的に実施するためには,
在籍学生数の増加が強く望まれる。現在の授業形態は1学年10名程度の学生数には十分対応可能と
思われるし,学生の学習意欲向上のためにもそれが必要である。2003(平成15)年度から「総合エ
コノミストコース」をスタートさせるが,これまでの研究者養成から高度職業人の育成に重点を移
すことで入学者数の増加を図ることが第1の目的である。また,「総合エコノミストコース」では,
修士論文に変わって課題研究が課され,これにより学生と複数の教員との接触の機会がより頻繁に
なることが期待される。
一方,博士後期課程には現在2名の在籍者がいるが,学生指導にあたっては,指導教授による論
文指導だけに留まらず,開講されている講義をできうる限り履修させ,さらに経済学総合研究や非
公式に開かれる勉強会などへの参加を通じて,複数の教員との接触が可能となるよう指導を行って
いる。
[点検・評価,今後の(残された)課題]
上記の点検で見られる問題点の解決は,入学者数の増加によって対処するほかはない。「学生の
受け入れ」と「研究科の教育課程」の項で述べるように,2003(平成15)年度からスタートする「総
32
教育研究上の組織
合エコノミストコース」は,入学者選抜方式とカリキュラムの改善を図ることにより,高度職業人
養成に対する社会的要請と学生の能力向上願望に応えることを意図している。このような対応によ
り,入学者が増加することが期待される。
2.8 法学政治学研究科
a 法学政治学研究科の教育研究上の組織の適切性,妥当性
[現状の説明]
法学政治学研究科は法律学専攻と政治学専攻の2専攻制を採用している。両専攻とも開講科目と
の関連で十分な教員を配置している。
法学政治学研究科の教員組織は,法律学専攻で17名の専任と1名の客員,政治学専攻で13名の専
任,計31名から成っている。博士前期課程では多数の教員が開講するが,後期課程は学生が少なく,
指導が一部の教員に集中する傾向がある。それは,本研究科の特色をなす分野という側面もあり,
一概に否定できない。
[前回指摘した問題点の改善状況ないし改善に向けた方策の実施状況]
とくになし。
[点検・評価,今後の(残された)課題]
法科大学院設立に伴って多数の教員が移籍するため,研究科の法律学専攻は手薄になること必至
である。博士後期課程は事実上募集を停止するが,法科大学院に進学せず,各種試験,教員試験を
志望し,また民間企業志望でもスキルアップしたい学生が入ってくる前期課程の教育方法・システ
ムを,修士論文を修了要件にしないことや1年制も含めて検討すべきである。
2.9 文学研究科
a 文学研究科の教育研究上の組織の適切性,妥当性
[現状の説明]
教員の組織
文学研究科には博士前期課程と博士後期課程とが置かれており,英米文学専攻,日本文学専攻,
社会文化論専攻の3専攻に分れている。教員は,全て文学部及び教職課程教員の兼担であって,
研究科の専任教員は配置されていない。
文学研究科教員の配置状況は次表のごとくである。
33
2.大学・学部等の現状とその評価
教 授
助教授
計
非常勤講師
計
9
2
11
3
10
前 英米文学専攻
期 日本文学専攻
9
6
1
7
課 社会文化論専攻
程
計
16
1
17
31
2
33
5
38
17
後 英米文学専攻
期 日本文学専攻
8
8
2
10
6
6
2
8
課 社会文化論専攻
程
計
9
9
23
23
9
4
27
単位互換
学生の多様な研究課題及び研究の幅をより拡大するために,下記するような他大学大学院と単
位互換の協定を結んでいる。なお,太字の協定校は前回報告書(1998年度)以後に加わった協定
校であることを示す。
(1)本研究科としての単位互換協定校
武蔵大学大学院人文科学研究科
成城大学大学院文学研究科
(2)専攻科単位の単位互換協定校
1)日本文学専攻
青山学院大学大学院文学研究科日本文学・日本語専攻
実践女子大学大学院文学研究科国文学専攻
中央大学大学院文学研究科国文学専攻
東京女子大学大学院文学研究科日本文学専攻
2)社会文化論専攻
茨城大学大学院人文科学研究科
駒澤大学大学院人文科学研究科社会学専攻
埼玉大学大学院文化科学研究科
専修大学大学院文学研究科社会学専攻
淑徳大学大学院社会学研究科社会学専攻
創価大学大学院文学研究科社会学専攻
千葉大学大学院文学研究科行動科学専攻
中央大学大学院文学研究科社会学専攻,社会情報学専攻
都留文化大学大学院文学研究科社会学地域社会研究専攻
東京外国語大学大学院地域文化研究科
東京国際大学大学院社会学研究科応用社会学専攻
東洋大学大学院社会学研究科
常磐大学大学院人間科学研究科
日本女子大学大学院人間社会研究科現代社会論専攻
34
教育研究上の組織
法政大学大学院社会化学研究科社会学専攻
武蔵大学大学院人文科学研究科社会学専攻
明治学院大学大学院社会学研究科社会学専攻
明治大学大学院政治経済学研究科政治学専攻
立教大学大学院社会学研究科社会学専攻
立正大学大学院文学研究科社会学専攻
流通経済大学大学院社会学研究科社会学社会学専攻
[前回指摘した問題点の改善状況ないし改善に向けた方策の実施状況]
前回指摘された問題点は下記のごとくである。
(1)研究担当教員全員が学部と兼担であり,学部・大学院相互の発展のためには大学院専任の
教員を置く必要がある。
(2)この気運を高めるためにも,収容定員に達していない現状の打開と学生の質の向上を図る
べきである。
上記の(1)に関しては,教員枠の拡大が不可欠であり,枠の拡大には学園の財政的な理解がま
た,必要不可欠である。学園側への働きかけを怠っているわけでは必ずしもないが,学園側の姿勢
は依然として極めて厳しい。
(2)に関しては,指導の強化,単位互換協定校の増強等の対策を図っ
てきたが,漸増しつつあった大学院への受験者が逆に漸減しつつあるという残念な現象の見られる
ことが現状である。このような現状の打開策として,現在文学研究科設置の意義の見直しも視野に
入れたカリキュラムの改訂・改革を進めている。また,集中講義の導入可能な予算措置を要求する
ことを考えている。
[点検・評価,今後の(残された)課題]
(1)に関しては,今後も引き続き種々の機会を捉えて学園側への働きかけの努力を行う必要があ
る。その機会の一つとして,大学院専任の教員を主体とする法科大学院設立の計画がほぼ確実になっ
た(2002年10月現在)ことがあげられる。また,現在併任が通常になっている,学部の学科主任と
大学院の専攻主任とを分離させることによって,学科及び専攻の合理的な運営が期待されるので,
主任分離の実現に努力すべきである。
(2)に関しては,上記の改革計画を早期に確定することと共に,その他の方策も一層検討する必
要がある。 2.10 経営学研究科
a 経営学研究科の教育研究上の組織の適切性,妥当性
[現状の説明]
経営学研究科は,学部経営学科の教員組織を基礎として構成されている。経営学研究科委員会で
は,現在経営学科に所属する14名すべてが博士前期課程の授業の担当資格を持ち,その内の11名が
研究指導担当が可能になっている。博士後期課程については,7名が授業および研究指導担当資格
を認定されている。
35
2.大学・学部等の現状とその評価
運営・意思決定は,本研究科の構成員からなる「経営学研究科委員会」によって行われている。
委員会では,授業編成,担当者決定,入学者の選考など運営全般を扱っている。
[前回指摘した問題点の改善状況ないし改善に向けた方策の実施状況]
1学年あたり定員数にくらべ指導教員が多く,若干定員を増加しても教育の質が維持されるため,
定員増加の可能性を考えるとの指摘があった。これについては2000年度からは博士前期課程の入学
定員を,それまでの6名から10名に増加し,入学者・在籍者も増加してきている。
なお学生指導は,各指導教授により個別的に行われていたが,2002年度からは演習Ⅰについては,
経営学,会計学の研究分野でそれぞれまとめて受講させることとした(2002年度は会計学の入学者
はいない)
。以前は,演習が場合によっては学生と指導教員のマンツーマンで実施され,一方通行的
になりがちな場合もあった。このため学生同士の刺激,意見交換を増やすために演習Ⅰについて各
分野にまとめるという変更を行った。演習Ⅱは従来と同じく各教員の専門に細分され,研究指導が
おこなわれる予定である。
[点検・評価,今後の(残された)課題]
定員数の増加もあり,在籍者が増加している。この傾向を保持するとともに,今後は経済学研究
科とともに推し進めている改革の推進で,高度職業人を目指す学生にとって,より魅力のあるカリ
キュラムの充実,組織運営に努める。
36
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