...

有機被膜トランジスタ - 神戸大学連携創造本部

by user

on
Category: Documents
20

views

Report

Comments

Transcript

有機被膜トランジスタ - 神戸大学連携創造本部
有機薄膜トランジスタ
氏名 北村 雅季
所属 工学研究科
1.研究の概要とキーワード
有機半導体を用いたデバイス応用の研究を行っています。特に,有機薄膜トラン
ジスタの高速動作・高性能化を目指し研究を進めています。また,有機トランジスタ
はCMOS回路への応用が可能であり,回路応用についての研究も進めています。
2.他の研究との相違点・新規な点
有機半導体は基板を加熱せずに製膜できるためプラスチックなどのフレキシブル
基板上にトランジスタを作製できることから,フレキシブルな回路やディスプレイへの
応用が考えられます。我々は特に実用的な応用に耐えうる性能の有機トランジスタ
の実現を目指し研究を進めています。
3.内容
有機PMOSと有機NMOSを組み合わせることにより有機CMOS回路の作製に成
功しています。図1は有機PMOSとNMOSの断面図です。このような薄膜トランジス
タを実際にCMOS回路に応用したのが図2です。図2の上側がPMOS,下側がN
MOSです。この回路は7個のCMOSインバータから成り,電圧を供給すると発振
します。図3にはその出力波形で約200 kHzで動作しています。例えば,RF-ID tag
のデータの伝送速度は100 kHz程度のためそのような応用も考えられます。
図4は実際にフレキシブル基板上に有機トランジスタを作製した例です。
図1 有機PMOSとNMOSの断面図
図2 有機CMOS回路
図3 有機CMOS回路からの出力波形
図4 プラスチック基板上に作製した
有機トランジスタ
4.研究の適用分野
CMOS回路,フレキシブルエレクトロニクス,フレキシブルセンサー
氏名 北村 雅季
所属 工学研究科 電気電子工学専攻
◇研究歴
1994-1996
• 半導体量子ドットの結晶成長および光学特性に関する研究。
1997-2000
• 量子光学や光物性についての理論的な研究。特に,光の統計
性や多体問題を含む素励起についての研究。
2000-現在
• 有機半導体に関する研究に従事。特に,有機トランジスタ,有機EL,有機フォトニック
結晶に関する研究。
◇専門分野
•
•
•
•
半導体デバイス
有機エレクトロニクス
電気電子材料
ナノ量子エレクトロニクス
◇代表的な研究論文
• M. Kitamura, Y. Kuzumoto, S. Aomori, and Y. Arakawa, “High-Frequency
Organic Complementary Ring Oscillator Operating up to 200 kHz”, Appl. Phys.
Express 4 051601 (2011)
• M. Kitamura and Y. Arakawa, “High Current-Gain Cutoff Frequencies above 10
MHz in n-Channel C60 and p-Channel Pentacene Thin-Film Transistors”, Jpn. J.
Appl. Phys. 50 01BC01 (2011)
• L. Esaki, M. Kitamura, S. Iwamoto, Y. Arakawa, “Esaki diodes live and learn”,
Proceedings of the Japan Academy, Series B 86 451 (2010)
• M. Kitamura and Y. Arakawa, “Pentacene-based organic field-effect transistors”,
J.Phys.: Condens. Matter 20 184011 (2008).
• M. Kitamura and T Tokihiro, “Squeezed states of light in a cavity with a local
two-photon absorber”, J. Optics B: Quantum Semiclass. Opt. 1 546 (1999).
• M. Kitamura, M. Nishioka, J. Oshinowo, and Y. Arakawa, “In situ fabrication of
self-aligned InGaAs quantum dots on GaAs multiatomic steps by metalorganic
chemical vapor deposition”, Appl. Phys. Lett. 66 3663 (1995).
◇発明名称と特許出願番号
•
•
•
•
有機薄膜トランジスタおよびその製造方法(特許公開2010-161312)
有機薄膜トランジスタ(特許公開2010-135542)
湿式製膜可能な有機EL素子製造用材料及び有機EL素子(特許公開2007-63489)
有機トランジスタの製造方法、及び有機トランジスタ(特許公開 : 2005-72188)
◇興味のある共同研究分野
バイオセンサー,薄膜太陽電池
連絡先:神戸大学 連携創造本部 TEL:078-803-5945 FAX:078-803-5947
E-mail:[email protected] URL:http://www.innov.kobe-u.ac.jp/
Fly UP