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「広域連携型地域ポータルICT 利活用モデル事業」
平成23年度版 総務省 地域ICT利活用事例 地域ICT利活用広域連携事業 事業テーマ:地域活性化 「広域連携型地域ポータルICT 利活用モデル事業」 実施団体:株式会社美唄未来開発センター (実施エリア:北海道内) 事業概要 ①地域ポータルサイトの運営、②農産品・特産品販売管理システムの提供を実施。 美唄ファンポータル「PiPa」を中心とした地域情報ポータル事業。平成19年度総務省事業「地域ICT利活用モデル構築事業」に て整備した同ポータルに販売管理システムを連携させ、地域産品の生産者情報の可視化及び、日々の販売状況の生産者への 通知を実現し、美唄ファンの更なる獲得及び交流人口の増加、地域産品販売増を図った。 事業の経緯・背景 地域課題 ①豊富な観光資源と評価の高い食材や物産品がありながらメジャー(地域活性化の起爆剤)にならない。 ②札幌や新千歳空港から車で1時間程度と、地の利に恵まれているものの通過型観光として訪れる方が多い。 ③地域活性化の取組みが地域の各々の主体で行われているが、連携が少なく、市外や観光客の方々に伝わっていない。 ④地域の農産品、特産品を購入する場を増やし、効率化したい。 取組内容 美唄市において、平成19年度から構築を進めている「地域ICT利活用モデル構築事業」(総務省)の美唄ファンポー タル「PiPa」で掲載している記事の内容が、テレビ、ラジオや有名検索サイトに取り上げられるだけではなく、各種情 事業 報へのアクセス数等、かなりの成果を上げている。一方、美唄市内にある観光地や観光施設、直売所などの交流拠 実施前 点施設に訪問した観光客等は、施設自身が行うイベントや販売などの情報がよくわからない、近くに何があるのか、 行きたい場所があったとしても具体的にどこにあるのか、ほとんどわからず、まっすぐ帰途に着く、という状況が数多く 見受けられていた。 本事業の結果、交流拠点施設への来訪者の増加や美唄ファンの獲得に貢献することができ、これまで美唄を素通 事業 りしていたバスツアー等が美唄のアンテナショップに立ち寄ることで観光客の農産品、特産品の購入が促進されるよ 実施後 うになった。 サービス内容 「情報提供・収集・ブログサブシステム、農産品・特産品販売管理サブシステム」により、地域の観光資源や特産物等の情報が 一元化され、かつ、観光客が美唄に立ち寄り、産品を購入することができるようになり、認知度アップ、交流人口の増加、観光目 的の美唄来訪が可能となった。 サービスのイメージ サービスの詳細 ■サービス内容 情報提供・収集サブシステム(閲覧者向け) ブログサブシステム(コンテンツ作成者向け) ■実施期間 24時間365日サービス ■対象者 インターネットユーザ、地域住民 ■利用方法 会員登録することで、画像、動画、文章等による記事投稿が可能(CMS)。閲覧は一 覧より選択、もしくは検索して表示。 ■サービス内容 農産品・特産品販売管理サブシステム ■実施期間 直売所開店時間帯10時~18時 (システムは24時間可能) ■対象者 販売店店員、生産者 ■利用方法 生産者がPCを利用して商品ラベルの印刷、貼り付けして商品を陳列。レジにて読み 込みすることで情報をサーバに蓄積、一定時間で生産者に売り上げ情報を送付する。 ポータル直売所サイトに現在売れ行きのベスト10、販売商品の一覧を表示する。 1 平成23年度版 総務省 地域ICT利活用事例 「広域連携型地域ポータルICT 利活用モデル事業」 実施団体:株式会社美唄未来開発センター システム概要 システム全体概要図 PC端末、機器、回線(POS直売所)、その他は既存PC端末の活用。 システム活用イメージ 美唄ポータルサイト インターネット上のポータルイメージ。 美唄市内アンテナショップ 特産物や地域情報の発信拠点。 アンテナショップ内POS端末と生産者、ショップ運営者への情報提供 アンテナショップの売上状況を時間単位で生産者にメール発信し、美唄ポータルに登録した生産者向けに売上状況 を集計している。 2 QRコードの読取イメージ アンテナショップでの商品に付与さ れているQRコードの読取イメージ。 平成23年度版 総務省 地域ICT利活用事例 「広域連携型地域ポータルICT 利活用モデル事業」 実施団体:株式会社美唄未来開発センター 導入概算費用等 有効活用した既存資源・コスト削減要素 • H19年度地域ICT利活用モデル構築事業で導入したPC 端末、機器、回線(POS直売所)、その他は既存PC端末 の活用。 • 北海道庁が構築し現在はNPOが運用するポータル「北 海道人」のサーバに当該クラウドシステムを乗せている。 データセンター費用はNPOにより負担。 ・導入費用:約4,464万円 内訳:システム基本設計238万円、システム実装4,175万円、サーバ導入費147万円 ・運用費用:約95万円/年 内訳:通信・光熱費用35万円、システム保守費用60万円 導入効果(アウトカム)と導入規模(アウトプット) 導入効果(アウトカム) 導入規模(アウトプット) ポータルサイトアクセス数 前後 地域イベント・交流情報件数 33件増加 (前)平成23年6月:137件 (後)平成24年3月:170件 前後 サイト上での情報発信数 :466件 (平成23年8月~平成24年3月までの累計) ポータルサイトリピート率 直売所来店者の平均滞在時間 :36% (平成23年8月~平成24年3月までの累計) (前)平成23年6月:2分39秒 (後)平成24年3月:6分47秒 前後 :3,608,951件 (平成23年8月~平成24年3月までの累計) 156%増加 農産物・特産品販売管理システムの利用件 数 :14253件 (平成23年8月~平成24年3月までの累計) 農産物・特産品の売上増加率 (前)平成22年3月:279万円 (後)平成23年7月:377万円 同システム利用者の販売商品数 :447品種 35%増加 (平成23年8月~平成24年3月までの累計) ※本効果は事業成果の抜粋であり、全ての効果を掲載しているわけではありません。 事業実施体制 事業主体 サービス提供対象 :美唄未来開発センター :インターネット利用者、地域住民 本事業の構築にあたっては、広域連携自治体、事業連携先と なる留萌観光連盟、アドバイザーとしての特定非営利活動法人 HEARTを組み込んだことで、事業推進体制を構築できた。 事業実施体制 事業実施相関図 凡例 :実施主体等 :協力団体 インターネット利用者 :ベンダ等 地域住民 サービス提供 美唄未来開発センター(事業主体) 美唄未来開発センター 広域連携型地域ポータル協議会 協議会 運営 留萌市 北海道 留萌振興局 システム 構築事業者 助言 協力 美唄市 美唄ファン ポータルPipa サポーター POST 広域連携型 地域ポータル協議会 留萌市 留萌 観光連盟 美唄市 NPO法人 HEART 留萌 観光連盟 3 助言協力・ 運用サポート システム 構築 NPO法人 HEART システム 構築事業者 助言 協力 北海道 留萌振興局 美唄ファン ポータルPipa サポーター POST 平成23年度版 総務省 地域ICT利活用事例 「広域連携型地域ポータルICT 利活用モデル事業」 実施団体:株式会社美唄未来開発センター 事業主体のコメント・エンドユーザの声 株式会社美唄未来開発センター 山田 貴之 氏 事業実施後の評価等 本事業で構築したクラウド型ポータルシステムは、変更をほとんど必要とせず他地域への適用が可能で、各地域の特色を失う心 配がなく、多くの地域ポータルサイトが連動することで露出が高まり、それぞれの地域に貢献できるモデルといえる。ゆえに本システ ムは他地域への展開可能性が高いものと考えられ、それぞれの地域が持つ美しい環境や歴史文化などによる郷土資源を活用した 事業プランの展開を地域のICT人材育成などと併せて推進していくことができるものと思われる。 利用者の声① これまで地域のリアルな情報について知る手 段はあまりなかったが、美唄ポータルにより、東 京にいながらにして、美唄の今を知ることができ るようになった。 利用者の声② 情報発信、共有を行うプラットフォームとしてよ いサービスと思われる。今後は、フェイスブック やツイッターとの連携を深めていくことで更なる 共有が図れるのではないかと思う。 (東京美唄会会員(35~54歳:男性)) (会員(30~34歳:男性)) 事業成功のポイント 過去の事業経験を活かした検討 事業実施前に同センターで7年間類似事業を推進しており、その際、一貫して当該業務を担当していた担当者にナレッジが蓄積 され、その経験をシステム開発に活かせた。 地域の基幹産業を同事業の主体とした 地域の基幹産業(農業)を同事業へ組込むことにより地域(市長、役所、住民)の協力を得やすくした。 民間事業者による協議会の運営 民間事業者が主体となり地域のステークホルダーを多く取り込んだ協議会を発足できたことで、官民がより協力して事業に取り 組むことができた。(役所と地域の2人のキーマンと外部有識者が密接に連携し3ヶ年推進できた。) 横展開を想定したポータルサイトのクラウドシステム化 地域ポータルに必要な機能(アンケート機能、ブログ機能等々)をモジュール化し、クラウド環境にて提供できる設計とした結果、 実際の他地域展開(留萌地域ポータル)を実現できた。 今後の課題 • 留萌、美唄以外の地域や事業者にもサービス提供の幅を広げることで、事業モデルの拡大と安価で自立度の高い運営を行って いく。 • SEO、事業存在の周知、マンネリ感を打破する話題性を持続させることや他のSNSツールの台頭に対応していくことなど、現在 のポータルサイトアクセスを維持、拡大するための策をどのように持続的、継続的に講じていけるかが課題となっている。 <本件に関する問い合わせ先、導入検討・視察の相談等> 株式会社美唄未来開発センター 営業部 電話: 0126-65-2121 E-mail: eigyou [atmark] bmc.net-bibai.co.jp ※スパム対策としてメールアドレスを一部変更して記載してあります。 eメールを御送付の際は、「[atmark]」を「@」に変えてご利用ください。 4