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組織文化の測定

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組織文化の測定
Kobe University Repository : Kernel
Title
組織文化の測定(Measurement of Organizational
Culture)
Author(s)
加護野, 忠男
Citation
国民経済雑誌,146(2):82-98
Issue date
1982-08
Resource Type
Departmental Bulletin Paper / 紀要論文
Resource Version
publisher
DOI
URL
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/00172736
Create Date: 2017-04-01
組
織
文
化
の
加
測
護
定
野
忠
男
Ⅰ 序
組織文化 とは,ある組織の成員に よって共有されている価値観や行動規範な
らびにそれ らを支えている信念である。組織文化は,公式的な組織構造や管理
システムとならんで,組織内の人び との相互作用の規定国である。組織文化は,
公式的な組織構造や管理 システムが有効ではないあいまい性状況下でち,人び
との相互作用を制御 し,公式的な組織構造や管理 システムよりもは るかに強力
な統合手段 となるときがある (
Mi
l
e
s
,1
9
8
0
)
。
公式的な組織構造や管理 システムと異なるのは,組織文化が簡単には とらえ
がたい 目に見えない現象であるとい うことである。組織文化の重要性が指摘 さ
れなが らも,その研究があま り進展 しなか った理由の 1つはここにある。 この
とらえがたい組織文化を測定する方法 と手段を確立す ることは,組織文化の研
究に とって重要な課題 となっている。
本稿では,様 々な組織が もっている組織文化の特徴を とらえるためには,何
を どのように測定 しなければならないか とい う問題を考えるo ここでい う測定
とは単に,数量的な尺度を用いた定量的測定だけではな く,名義的なカテゴリ
ド-の分類,定性的な叙述を も含む。
組織文化は,組織の戦略的展開の促進あるいは阻害要因 として重要な意味を
もっている (ど-クーズ,1
9
8
0;シュワル ツ&ディビス,1
9
81;野中他,1
9
8
1;
榊原,1
9
81;奥村,1
9
8
2
)が, この ような観点か らの組織文化の研究課題は次
の 2群に大別できる。第 1は,組織文化の違いを生みだす要因は何か,様 々な
技術,市壕条件,戦略に適合 した組織文化は どの ようなものか,様 々な組織文
組 織 文 化 の 測 定
8
3
化は どの ような特徴をもった相互作用を生みだすかな どの課題群である。 これ
らの研究課題に答えるためには,横断面的な比較分析が必要である。 こ うした
研究を通 じて,組織文化が技術,市場環境,戦略に適合 しているか否かについ
ての診断,変革 目標 となる文化の明確化を行 うための理論的な指針が得 られ る
であろ う。
第2
一
は, どの ようなメカニズムを通 じてある組織文化が生みだされて人び と
に共有 されてい くのか,様 々な組織過程はこの メカニズムといかに関連 しあっ
ているかな どの課題群である。 これ らの研究課題に答えるには,組織過程につ
いての経時的分析が必須である。それを通 じて,組織文化の形成,維持,変革
のために どの ような手段を とらなければな らないか とい う疑問に答えるための
理論的な根拠が得 られ るであろ う。
この 2つの問題群は実践面では緊密に結びついている。 しか し, 2つの問題
群についての分析を行 うための理論的な視角は大 きく異なるであろ う。第 1群
の研究では, コソティソジェソシー理論が有用な分析視角を提供 しうるであろ
う。伝統的に, コンティンジェンシー理論は組織構造,管理 システムあるいは
管理者行動な ど, 目に見える組織属性に焦点を合わせてきたが,第 1群の研究
は,それが組織文化 とい う見えざる組織属性にまで拡大 されたものであ り,育
後にある理論それ 自体に大 きな変化はない といえ よう。 これに対 して,第 2群
の研究の理論的支柱 となるのは,認知的組織論であ り,その理論志向は, コン
ティンジェンシー理論の基礎にある構造機能主義 とは大 きく異なっている (
加
護野,1
9
81;1
9
8
2
)
。
組織文化の測定がいずれの群においても重要な問題であることに変 りはない
が,理論志向の違いは,測定についての議論にも影響す る。第 1群の研究では,
伝統的な実証主義的な測定が問題 となる。 これに対 して,後者の認知的 アプロ
ーチのなかには,行為者の視角か らの分析を主張 し,伝統的な実証主義的測定
を否定す る論者 (
た とえば, シルバーマン,1
9
7
0;シュワル ツ&ジェイ コブス,
1
9
7
9
) も少な くない。 ここでは,前者の立場か らの測定 とい う問題を考えよう。
8
4
第 146 巻
第
2 号
この場合に も,認知的 アプローチの様 々な命題は有益な示唆を与える。
c
l
i
ni
c
al
) あるいは発
組織文化についての これ までの経験的研究は,臨床的 (
見的な性格を持 った ものが多 く,体系的な測定手段を用いた研究はほ とん ど存
在 しない。 さらに,新 しい概念が必然的に持つ混乱のゆえに,様 々な論者が組
織文化 として注 目している特性 も微妙に異なっている。 この ような概念的な混
乱を取 り除 くことが,測定手段 と測定方法を考え るための出発点 である。 とく
に問題 となるのは,塀似概念 との関係のあいまいさである。
本稿では, まず, 同 じく鼠織の とらえがたい側面を さす組織風土 とい う概念
との関係を検討す ることに よって組織文化の概念の明確化を行 うことに しよ う。
Ⅱ 組 織 風 土
組織風土の概念 も同様に混乱にみちている (シュナイ ダー,1
9
7
5;ペイ ン&
ビュー,1
9
7
6;野中他,1
9
7
8
)
o Lか し, 組織風土 の概念は, 概念の操作化 と
理論的な照射角の明確 さとい う点 では より先進的な概念 である。
組織風土の研究にたい して最 も大 きな影響をお よぼ しているのは, リ トウィ
ソ&ス トリンジャーの研究 (
1
9
6
8
) であろ う。彼 らは,組織風土を 「仕事環境
で生活 し活動す る人が直接的に, あるいは,間接的に知覚 し,彼 らのモチべ ショソお よび行動に影響をお よぼす と考え られ る一連の仕事環境の測定可能な
1
9
6
8;p.1
) と定義 してい る。 この一般的な定義か ら,彼 らが プラグマ
特性」(
ティックな問題 として関心をもっているのほ,組織成員のモチベーションとく
に,後述す る達成モチベ ーションをいかにたかめ るか とい う問題 であった こと
がわかる。
リ トウィソ&ス ト1
)ソジャーの研究 の基礎にな ってい るのは, マ ク1
)-ラソ
ドや ア トキ ンソソのモチベーシ ョン理論 である。 ア トキ ンソソ ・モデルに よれ
ば,喚起 され るモチベーションは,基本的な動機の強 さ (
〟), 目標達成の期待
(
E)
,特定 目標の知覚 された誘 因値
(
I
)の積 として示 され る。 この うち,動
機の強 さとは, 目標を志向 して努力 しよ うとす る態度である。 リ トウィソ&ス
組 織 文 化 の 測 定
85
トリソジャーは, マ クリ-ラン ド (
1
961
) の分類に したがって,個人の動機を
達成動機 (
達成その ものが もた らす満足を得 ようとす る動機)
,親 和 動 機 (
衣
好的な仲間関係を得 ようとす る動機)
,権力動磯 (
他者への影響力を得 よ うと
す る動機)の 3種叛に区別 しているOそれぞれの動横の強 さは,個人のパ ーソ
ナ1
)ティに根 ざす ものであ り,組織は動機の強 さそのものに影響をお よぼす こ
とはできない と考え られている。
それに対 して,期待
(
E)と誘因
(
I
)は,動機の引き金をなす ものであ り,
個人を とり囲む環境状況に よって異なる。個人は環境状況の知覚をもとに,期
待 と誘因をかたちづ くる。⊥達 の期待 と誘因に対応 して, どの ような動機が喚
起 されるかが決定 され るのである。 しか しなが ら,期待 と誘因は主観的な性格
を持つために,動機 の喚起は,短期の予測できない要因の影響を うけやすい。
とくに,測定が微視的であればあるほ ど, これ らの要因の影響が大 きくなって
しま う。 より巨視的な状況変数の測定を行えば,動機の喚起についての予測可
能性は高まるであろ う。 この巨視的な状況変数が組織風土なのである。か くし
て,組織風土の概念は, よりシャ-プに 「期待および誘因のセ ッ トない し群を
記述 し,環境のなかの個人が直接的にあるいは間接的に知覚する環境の特性を
あ らわす もの」(
p・30) と定義 されることになる。 この定義は,組織風土に関
す る理論的な定義であるといえ よう。
この定義に対応 して,達成動機,親和動横,権力動枚のいずれかの喚起に関
係す る組織風土の次元 として,次の 8次元があげ られ る.
(
1) 構造 と制約 (
組織の規則,手続の制約の強 さについての知覚)
(
2) 個人的責任 (
個人の自律性についての知覚)
(
3) 暖かい支持的な雰囲気 (
作業環境における友好性や相互援助の可能性が
どの程度まで存在するかについての知覚)
(
4) 信賞 と必罰 (
失敗に対する罰ではな く成功に対する賞が どの程度まで期
待できるかについての知覚)
(
5) 対立への許容度 (
対立意見が どの程度まで許容され るか に つ い て の 知
8
6
第 146 巻
第
2 号
義-1 組織風土と3つの動機との関係についてのリトウイン&ス トリンジャ-の倣説
(1
)7
.
ウイン&ストリ'
/ジャ-,吉沢 p・64 より転載)
覚)
(
6) 業横基準 と期待 (どの程度高い業績水準が期待 され てい るかについての
知覚)
(
7) 組織一体感 とグル ープ忠誠心 (
集 団- の一体化が どの程度期待 され てい
るかについての知覚)
(
8) リス クへ の挑戦 (
作業環境 において挑戦の機会が どの程度存在す るかに
ついての知覚)
1
) トウィソとス トソジャ-は
,
組織風土 の次元 とモチベーシ ョンの喚起 との
関係についての仮説を表-1の よ うに示 してい る。 彼 らは各次元についての測
定尺度を もとに, この仮説が どの程度支持 で きるか, さらに,様 々な l
)-ダー
シ ップ ・スタイルが組織風土の知覚に どの よ うな影響 をお よぼすかを,実験や
実地調査に よって明 らかに してい る.
リ トウィソ&ス トリンジャーの研究において,組織風土 の概念は理論的に も
操作的に もきわめて明確に定義 され てお り, それ は, 個 々人が知覚す る組織 の
特性 である。 この意味で リ トウィソ& ス トリンジャーの組織風土の概念はあ く
まで も個人 レベルの概念 である。 しか し,彼 らの経験的研究の多 くが,
/集団あ
るいは組織 とい う集計 レベルで行われ てお り, その解釈にあた って も,彼 らが
組織風土を,個 々人の知覚か ら独立 した実体 として議論 した ことが後に大 きな
組 織 文 化 の 測 定
8
7
混乱を もた らす ことにな った。つ ま り組織風土は,個人の知覚を さす 個人 レベ
ルの概念なのか, それ とも集団あるいは組織の実体的な特性を さす集団あるい
は組織 レベルの概念 なのかについて混乱が生 じてきたのである。その後行なわ
れた研究のなかでは, とくに,組織風土 と成員の満足や組織 の業績 との間の経
験的な関係を追求す る研究者たちが,組織風土を組織の特性 とい うレベルで定
義す ることが多い。
た とえば,ペイ ン& ピュ-
(
1
9
7
6
)は組織風土を 「社会 システムの成員に浸
透 している価値,規範,態度,行動,感情の内容 と強 さを反映す る巨視的概念
p.
であ り,成員の知覚 あるいは観察や客観的手段を通 じて測定 され る も の」 (
11
41
) と定義 してい る。 この定義 では,組織風土は,成員の知覚 とは独立 した
組織特性だ と考え られているO
もちろん,組織成員が組織特性をかな り正確に知覚 してい るとすれば,組織
風土を個人の知覚の レベルでとらえるか,組織の特性 として とらえるか とい う
問題はそれほ ど重要 ではない。 しか し,現実には,個人が同一の特性を異なっ
て知覚す ることを暗示す るデータは多い。た とえば, リ トウィソ&ス トリンジ
ャー
(
1
9
6
8;pp・7
2
7
5
)は,5
2
人のMBAの学生を対象に,彼 らが理想 と考え
る職場の風土 と彼 らの達成動機,権力動機,親和動機 との関係を分析 してい る。
その結果は,個人の動機の強 さつ ま りパ -ソナ リティと,理想 とす る組織風土
との間には緊密な関係が存在す ることを示 している。理想 とす るものが異 なる
人 々は同一 の組織特性を異なった風土 として知覚す るであろ う。 ジ ョンス トソ
(
1
9
7
6
)ち, 同一組織 の成員が組織風土を異なって知覚す るとい うデータを も
とに, 「
組織風土は個人な らびに組織 の双方の属性である」 とい ってい る。
シュナイダー
(
1
9
7
5
)紘,知覚 された組織風土の差異を生みだす原因を探求
す ることは,組織風土研究の重要な課題 となると示唆 してい る。 この よ うに考
えるな らば,組織風土は,組織構成員に知覚 された組織特性 として,個人 レベ
ルの概念 として とらえる方が よ り生産的であろ う。
これに対 して,組織文化の研究では, このよ うな個人差ではな く,む しろ,
8
8
第 146 巻
第
2 号
価値 ・規範 ・信念の共有 とい う側面が重要になって くる。組織を構成す る人び
との問に多様な個人差があるに もかかわ らず,一定の価値 ・規範 ・信念が共有
され るとい う側面が重要なのである。
Ⅰ
Ⅱ 組織風土と組織文化
リトウィソとス トリンジャーの定義 した組織風土 と 「
組織成員に共有 された
価値,'
規範, な らびに信念」 としての組織文化 とは異なることが,以上の議論
か ら明らかになった であろ う。 この点を明瞭に指摘 しているのは, シュワル ツ
&デイ ビス (
1
9
81
) である。
「
風土は文化ではない。風土は,組織における仕事が どの ような ものでな
ければな らないか とい うことについての人 々の期待がみた されているか ど う
かの測定尺度である。 ・
・
・
・
-それに対 して,文化は組織成員に共有 された信念
と期待のパ ターンである。 この信念 と期待は,組織内の諸個人や諸集団の行
動を形づ くる規範を生みだす。つ ま り,風土は期待がみた されているか どう
」(
p.33)
かを測定す るのに対 し,文化は期待そのものの性質にかかわ る。
組織風土の研究者の一部は, この ような主張に反操を示すか もしれないが,
リトウィソ&ス トリンジャーの風土概念 とその背後にある理論を考慮に入れれ
ば, この主張は妥当な ものといえるであろ う。われわれは,次の 3点に関 して,
組織風土 と組織文化を概念的に区別す る必要があると考える。
第 1は, プラグマティヅクな文脈の違いである。組織風土に関す る議論の背
景にあった実践的問題は,組織成員のモチベーシ ョンの改善 とい う問題 であっ
氏.人 々のモチベーシ ョンをたかめるためには, どの よ うな リ-ダ-シップ ・
スタイル,組織構造を生みだ さねばな らないか とい う問題に答えるための仲介
変数 となっているのが組織風土の概念である。 これに対 して,組織文化は よ り
マ クロ的,戦略的な文脈において問題 となることが多い (
野中他,1
9
81;榊原,
1
9
81;奥村,1
9
8
2;ディール&ケネディ,1
9
8
2
)
。様 々な戦略の策定や戦略の実
行を促進す るよ うな価値観,行動規範, ものの見方,考え方 とは どのよ うな も
組 織 文 化 の 測 定
89
のか, それをいかに して浸透 させ るか, あるいは障害 となるものをいかに して
変革す るか,組織構造や管理 システムだけでは統合が困難なあい まい性状況で
いかに して組織的統合を達成す るかな どの問題が組織文化についての研究のプ
ラグマティックな文脈になっている。
それに対応 して,理論的な背景に も違いがみ られ る。 リトウィソ&ス トリン
ジャー流 の組織風土 の研究 の理論的な支柱になっていたのほ, モチベーション
理論 である。人 々のモチベーションの喚起が,人 々の環境知覚 といかにかかわ
っているかを明 らかにす ることが,組織風土の研究の理論的課題 であった。 こ
れに対 して,組織文化の研究の理論的な支柱になっているのは, よりマ クロ的
な志向を もつ コンティンジェンシー理論 あるいは認知的組織論 (
加護野,1
9
8
1;
1
9
8
2
)である。 モチベーシ ョン理論は,個人の内部でモチベーシ ョンが喚起 さ
れ るメカニズムを追求す るのに対 し, コンテ ィンジェンシー理論は異な る価値,
規範,信念が生みだ され る原田を探求 し,認知的組織論は価値,規範,信念が
共有 され る組織過程を究 明す るのである。
第 3は,分析 レベルの違いである。 1
) トウィソ&ス トリンジャー流 の組織風
土 の研究は, あ くまで も個人 レベルの分析に焦点をあわせ る。個人の風土知覚
が,個人 のモチベ-ショソの喚起にいかなる影響を及ぼすかを分析す るために
は,個人 レベルのデータが理論的には最適である。 もちろん, これは集計 レベ
ルの分析が まった く無意味だ とい うことを意味す るのではない。他の条件に違
いがない とすれば,友好的な組織風土の存在を より強 く知覚 しているグループ
は, そ うでない グル二 プよ りも,平均的に よ り強い親和 モチベーションが喚起
され るであろ うとい う立論 も可能である し,個 々人のモチベーシ ョンに対す る
ランダムな影響を と り除 くとい う意味では, この ような立論が仮説検証の方法
として より有効にな ることもあろ う。 しか し,組織風土の研究に とっては,集
団 レベルでの分析は必須ではないのであ る。
これに対 して,組織文化の研究 では, 個人を超えた より上位の分析 レベルで
の分析が必須である。個人間の相違を超えて,共通の価値,規範,信念が分有
9
0
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第
2 号
されているとい うことが組織文化の分析に とって不可欠の前提なのである。
Ⅰ
Ⅴ 組織文化の構成要素
それでは, 「
組織の成員に よって共有 されている価値観や行動規範な らびに
それを支えてい る信念」 としての組織文化は どの ような構成要素を持 っている
のであろ うか。組織のなかで共有 されてい る価値,規範,信念はきわめて多様
であ り,それを列挙 していけば,研究対象は際限な くひろが って しま う。生産
的な研究を行な うためには, どのような価値,規範,信念が重要な意味を もつ
かについて, あ らか じめ展望を もたなければな らない。その立脚点 となるのは
既存の研究成果である。組織文化についてのこれ までの研究は臨床的あるいは
発見的に行われてきたので,組織文化が どの ような構成要素を持つかについて
体系的に議論 した研究はほ とん どない。 しか し,組織論 のさまざまな分野の研
究のなかには, どの ような構成要素が重要かを暗示 してい るもの も存在す る。
第 1は,組織風土についての諸研究であるO リトウィソ&ス トリンジャー流
の組織風土の概念が,組織文化の概念 と明 らかに異なってい ることは既述 した
とお りであるが,その後の研究のなかには組織風土 とい う概念を用いなが ら,
組織文化を論 じてい る論者 も少な くない。た とえば, カ ッツ&カーン
(
1
9
7
8
)
は, 「
それぞれの組織が生みだす独 自の価値や理念」(
p.50)を組織風土 と呼ん
でい るが, これは 1
) トウィソ&ス ト1
)ソジャ-流の組織風土の概念 よりほ,わ
れわれの組織文化の概念に近い。 同様に,既述 したペイ ン& ビューの組織風土
の概念には, 「
組織内に浸透 した価値,規範」が含め られてい る。 したが って,
組織風土の研究のなかには, 組織文化の構成要素について示唆を与えるものも
存在 してい るであろ う。 しか しなが ら,組織風土研究の多 くは,成員の満足や
モチベーションとい う視点か ら,価値や規範を照射 してい るので,そ こで用い
られている分類法や次元がそのまま組織文化の研究に転用 できるわけではない。
組織文化は,成員の満足や モチべ-シ。ソとい うレベルの問題 よりは,戦略 レ
ベルでの問題に焦点を合わせ るか らである。
組 織 文 化 の 測 定
9
1
た とえば, キ ャンベルほか (
1
9
7
0
)は,組織風土についての様 々な研究を展
望 し,組織風土を次の 4次元に集約できると主張 している。
(
1
) 個人の自律性
(
2) 職位に課せ られた構造上の制約
(
3) 報酬志向
(
4) 配慮,温かさ,支持
これ らの次元に組織の価値,規範,信念を対応させることは可能である。た
とえば,第 1次元は,個人の自律性が どの程度重視され るべ きかについての価
値観を反映 した もの と考えることができるし,第 4次元は,対人関係の価値観
や行動規範を反映 した もの とも考えることができる。 この次元に従えば,組織
文化は,個人の自律性 (
あるいは集団の和)
,規則の遵守,報酬,対人関係の 4
種塀の価値 ・規範 ・信念を含む ことになるO
これ らは,組織文化の重要な構成要素には達いないが,組織文化はこれだけ
で くつ くせ るものではない。 これ らは,個人の満足やモチベーションの影響因
にあま りに も傾斜 しすぎている。組織文化の他の重要な構成要素について示唆
を与えてい るのは コンティンジェンシー ・セオ リス トの研究である。
われわれの研究は,組織内におけるコンフ リク ト解消に関する行動規範,部
門間の発言力や部門の重要性に関する信念が,公式的な組織構造以上に,組織
成果に大きな影響をお よぼす ことを示唆 している (
加護野,1
98
0
)
。 これ らも,
組織文化の重要な構成要素だ と言え よう。
同 じく, p-レンス& ローシュ (
1
9
6
7
) ち,組織文化あるいは組織の下位文
化 とも呼ぶべ きものに注 目している。彼 らは,組織内の部門間で,成員の志向
に違いがみ られ ることに注 目し,志向の相違を,対人志向, 目標志向,時間志
向の 3次元でとらえている。 この うち,対人志向は,対人関係にかんす る行動
規範を人格的結合 と機能的結合の どち らに より大きな価値をお くか とい う観点
か らとらえた ものである。 目標志向は様 々な 目標に置かれ る価値の違いを, 普
た,時間志向は,人 々が妥当だ と考える思考の時間フ レームについての信念を
92
第 146 巻
第
2 号
知 ろ うとした もの といえ よう。彼 らの仮説に よれば,組織の下位部門は, それ
ぞれのタス ク特性に対応 した下位文化を生みだすのである。分化 と統合 の同時
極大化 とい う彼 らの理論は,下位 タス クの多様性に対応 して下位文化の多様性
が生みだされ,それが うま く一つの上位文化に統合 されているときに,組織の
有効性が高い とい うことを主張 した もの と解す ことができる。 同様に,技術特
性に対応 して組織の 目標志向が異なるとい うペ ロー (
1
9
6
7) の仮説 も,組織の
価値や信念が技術に よってかたちづ くられ ることを主張 した ものである。 コン
テ ィソジェソシー理論は,組織における情報 プロセ ッシング活動に焦点を合わ
せているが, 以上の構成要素は,組織におけ る情報 プロセシング活動への影響
因 とい う観点か ら,経験的に抽出された ものであるといえ よう。
以上を要約す ると,様 々な 目標に付与 された価値,対人関係の規範, 個人の
自律性についての価値や信念,規則遵守に関す る規範, コンフ リク ト解消につ
いての規範,部門の重要性についての信念,報酬についての信念や規範な どが
組織文化の重要な構成要素 として注 目されてきた といえるであろ う。組織文化
に関す る最近の研究 (ど-クーズ,1
9
8
0;野中他,1
9
81;奥村,1
9
8
2)におい
ても, これ らの要素の重要性が示唆 されている。
これ らの要素は経験的に抽 出された ものであ り,体系性に欠け る。そのため,
これ までの研究では注 目され ていなか ったが,潜在的な重要性を もつ構成要素
が無視 されて しま う危険がある。 この危険を避け るためには,構成要素を体系
化す る枠組が必要であろ う。
、体系化のための 1つの範例を与えているのほ, シュワルツ&デービス (
1
981
)
の 「
蔽織文化 マ トリックス」 である。 これは,人 々に共有 されてい る価値,規
戟,信念を,組織内の相互作用 のタイ プと,組織内のタス クのタイ プの 2次元
か らなるマ トリックスで整理 しようとした ものである。彼 らは,組織内の相互
作用を,組織全般,上司 一部下問, 同僚間,部門間の 4種掛 こ分け, タス クを,
革新,意思決定, コ ミュニケーシ ョン,組織編成,実行 の監視,評価 と報酬の
6種類に分けている。両者の組合せか ら得 られ る2
4
個のセルの各 々についての
組 織 文 化 の 測 定
9
3
義-2 組織文化マ トリックス
(
シュワルツ&デービス (
19
81)
pp・3
6
-3
8をもとに一部修正して作成。
価値, 規範, 信念 を調査す るこ とに よって, 組織文化 の定性的な測定が可能に
な る。 (
表-2)
組織が人 々の相互作用 を通 じて, 一定 の タス クを遂行す るため の ものであ り,
組 織文化が人 々の相互作用 か ら形成 され またそれを規定す ることに よって タス
ク遂行に影響 を及ぼす ものであ る ことを考 えれば, 相互作用 とタス クとい う 2
次元に よる体 系化は注 目に値す る。 もちろん, 個別的にみれば, 相互作用 の タ
イ プが組織 内に限 られ てい る ことや, タス ク問に重複がみ られ ることな ど, 改
善 の余地 は存在す るが, この 2次元を も とに した精教化 は生産的 であ る と思わ
れ る。
この よ うな マ′
トリックスは, 組織文化 の定性的な測定をめ ざ した ものであ る
が, それ を も とに した定量化 も可能 とな る場合 が あ るか も しれ ない。
Ⅴ 組織文化の測定方法
組 織文化 は どの よ うに して測定 され るべ きか とい う問題 は, 研 究者を悩 ま し
9
4
第 146 巻
第
2 号
続けてきた問題の一つである.組織文化は文化人類学者が用いる参与観察ある
いは言語分析に よっては じめて解 明できるものなのか, それ とも通常の意識調
査手法が適用 できるのか とい う問題は論争 の種にはなってきたが, 明確な解答
はい まだに得 られ ていない。 とくに, この点に対す る伝統的な実証主義者 と認
9
6
4;シ
知的 アプローチを とる一部の論者 との対立は深刻である (シクレル,1
ュワルツ& ジェイ コブス,1
9
7
8
)
。 しか し,伝統的な実証主義の立場において
ち,測定方法の妥当性に関 して,確定的な結論が得 られてい るわけではない。
ここでは,伝統的な観点か らの測定にあた ってまず問題 となる 2つの点につい
て検討を加えることに しよ う。第 1は,組織文化測定の手がか りを何に求め る
のが最 も生産的か とい う問題である。第 2は,組織内の下位文化をいかに取扱
うべ きか とい う問題 である。
組織文化は,人 々の意識のなかに内在 し, 人 々の行動に反映 され る。 したが
って, それを測定す る手がか りにな るのは, 人 々の意識あるいは言動である。
意識を調査す るた糾 こは面接調査あるいは質問票調査が有効な方法 となるであ
ろ うし, 言動を調査す るためには観察あるいは記録の分析 とい う方法を とらね
ばな らない。 どち らの手掛 りが よ り生産的であるかについては,意見が分かれ
てい る。た とえば カ ッツ&カーン (
1
97
8
) は, 「ある組織の文化は,組織成員
が活動や事象を理解す るための準拠枠を与え るが,人 々は この準拠枠を正確に
表現す ることはできないであろ う。 --準拠枠を決定す る多 くの意識 されない
微妙な要因は,直接に質問 してもわか らない。 したが って,典型的なサ ーベイ
1
」 (
pp.50
-51
)
, と述べて
よりも,観察の方法が組織文化を よ り明確にできる。
い る。価値,行動規範,信念は通常は意識下に沈潜 してい る (
バーガー&ル ッ
9
6
7
) とい う事実を考えれば, この主張は妥当だ といえるのか もしれ
クマ ン,1
ない。
しか しなが ら, ホーソン実験で行われた よ うな行動の観察を通 じてその背後
1 本文中では組織風土 となっているが,既述 した ように彼らの議論では風土は, 「それぞれの組織
が生みだす独特の価値や規範」をさしているので,ここでは混乱をさけるために文化 と訳 した。
組 織 文 化 の 測 定
95
にある価値,規範,信念を把握す るとい う方法は観察の対象範囲が制約 され る
ために,大規模な複合組織 の文化を とらえるとい う点では弱点を もってい るこ
ともまた確かである。大規模複合組織 の場合には, ドキ ュメン トの分析でそれ
を補完す ることが必要だろ う。 ドキ ュメン トは単に公式的な記録だけに とどま
るものではない。大規模組織の文化を知 る上 で有効な手がか りにな りうるのは,
1
9
8
2
)で,組織は
組織の文化を伝 える間接的な手段 である。われわれは前稿 (
その文化を伝承す るための手段を持つ ことを明 らかに した。理念,制度,人の
配置,時間配分,物 と空間,儀式 と武勇伝な どが, それである。 これ らの詳細
な分析は,組織文化を知 るための重要な手がか りになる。 しか し,観察あるい
は ドキュメン トの分析は, その解釈過程に,研究者の窓意が介入 しうるとい う
問題が存在す ることを忘れてはな らない。客観性を確保す るためには,組織成
員の意識調査を遂行 して進めることが必要 となるであろ う。
意識調査は, カツツ&カーソが主張す るほ どには無力ではない。人 々は, 自
己が所属す る組織について比較的単純化 されたイ メージを持 ってい る場合があ
る。社会的認知理論では, これをステ T
lタイ プ化 (
- ミル トン,1
9
8
1
) と呼ん
でい るが,組織が大 き くな り,人 々の相互作用の範 囲が限定 されて くると,人
々は所属組織全体についてのステ ロタイ プ化 されたイ メージを共有す ることが
多い。 この ようなステ ロタイ プも,組織文化を知 る重要な手がか りになる。
組織文化を構成す る規範についての研究は,組織理論におけ る新 しい問題 で
はない。それはホー ソン研究以来の集団 レベルの組織論の古典的な問題であっ
9
5
0
)
. それに もかかわ らず,規範にかんす る研究が,長 ら
た (
ニューカム,1
く集団 レベルを超えたひろが りを見せなか ったのは,組織 レベルでの分析では,
下位文化の発生 とい うや っかいな問題が派生す るか らである。下位文化が存在
す る場合には, その複合体である上位文化をいかに して抽出す るか とい う問題
が生 じて くるのである。 しか し,問題は この ような上位文化の抽 出 とい うとこ
ろだけにあるわけではない。既述 した ロー レンス& T
,-シュ (
1
9
6
7
)の研究が
暗示 しているように,分業に ともな って必然的に派生す る下位文化の多様性は,
9
6
第 146 巻
第
2 号
組織の環境適応能力に とって重大な意味を持 ってい る。下位文化の発生 と保持,
下位文化間の接触 とコンフ リク トは,組織の環境適応能力の分析の焦点 となる
問題である (ウェイ ク,1
96
9)
。
下位文化の存在を認知 した場合には,測定方法は,次の条件をみたす必要が
ある。第 1は,下位文化の多様性 と組織文化の特性 とを同時に とらえ うる測定
方法でなければな らない とい う条件である。組織風土の研究は,個人 と集団の
2つの レベルに またが る個人間差異の分析を進めている (ジョンス トン,1
97
6)
が,組織文化の研究においては,組織 と集団 とい う2つの分析 レベルに またが
る測定方法 の開発が必須である。既述 した 「組織文化」 マ トリックスは,集団
内の対人関係 と下位集団問の関係 とを区別 し,組織文化を測定 しようとしてい
るとい う意味でこの条件をそなえているが,下位文化間の相違を知 るとい う意
味ではまだ不十分である。
第 2の条件は,上位文化 と下位文化の性格の違いに注 目して,上位文化な ら
びに様 々な下位文化の特徴 と相互関係を測定す る必要があるとい う条件である。
1
981
) は,不確実な相互作用を行いなが ら,長期的かつ
モ ック& シーショア (
間接的な利益を期待 して, あいまいな価値-貢献 してい る複数の人び とが存在
す るときに規範が発生す ると主張 している。分業 あるいは成員の出 自の多様性
か ら生 じる下位文化問に潜在す るコンフ リク トは,組織内の不確実性の源泉 と
なる。 この よ うな不確実性に対処す るとい う役割は組織の上位文化において よ
り重要な地位を占めるであろ う。 したが って,組織文化は,下位文化の単純な
集計でもなければ,その平均像でもない。 この点を考慮に入れた測定が必要で
あろ う。
ⅤⅠ 結
び
本稿では,主 として横断面的な比較 とい う観点か ら,組織文化の測定につい
て検討 してきた。組織風土 と組織文化の違い,組織文化の重要な構成要素 とそ
の潮定方法についての以上の議論は,組織文化の測定手段の開発の出発点であ
組 織 文 化 の 測 定
9
7
る。具体 の測定手段 の開発は,組織構造, リ-ダ-シップな どの概存概念 の測
定手段 と同様に逐次的な過程を通 じて改善 されなければな らないであろ う。
組織文化 の基本的な問題 の 1つは,環境 あ るいは戦略 と組織文化 との適合 と
い う問題 であ る。組織文化が, 組織 内の情報 プロセ シング活動を規定 し,戦略
遂行 の成否 を決定す るか らであ る。 この問題に関す る命題 の開発は, 多分に発
見的な性格を持 ってい る。発見を できるだけ体系的に行 な うためには,体系的
な測定手段を準備 し,経験 的にそれを集約 してい くとい う作業が必要 であ る。
組織文化 の研究には多様な分析パ ラダイ ムが適用 できる。測定の方法や手段は,
分析パ ラダイ ムに依存す るので, 測定についての本稿 の議論は,組織文化につ
いてのすべ ての研究領域に妥当す るものではない。 と くに, 組織文化 の形成 ・
変革 プ ロセスの研究においてほ, 異な った測定方法,場合に よっては組織文化
その ものについての異な った見方が必要にな って くるであろ う。
参
考
文
献
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