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持続的陽圧呼吸が有用であった特発性乳び胸の 1 例

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持続的陽圧呼吸が有用であった特発性乳び胸の 1 例
130
日呼吸会誌
●症
37(2)
,1999.
例
持続的陽圧呼吸が有用であった特発性乳び胸の 1 例
野田
剛
栗原 英明
秋葉 直志
山崎 洋次
要旨:成人の両側特発性乳び胸(Idiopathic chyrothorax ; IC)の 1 例を経験した.患者は 21 歳の女性で,
呼吸困難を主訴に来院し,胸部 X 線写真で両側胸水を認めて入院した.胸水の性状より両側乳び胸と診断
した.保存的治療が奏効しないため,胸管切除を施行したが胸水は減少しなかった.胸腔−腹腔シャントを
作製したが,術後 14 日目でチューブの閉塞が生じた.また同時期に肺炎を併発し呼吸不全を生じたため,
気管内挿管をして持続的陽圧呼吸(continuous positive pressure ventilation ; CPPV)を施行したところ,
胸水は著明に減少した.本邦では CPPV が IC に有効であったという報告はないが本症例では著効したと考
えられた.CPPV は難治性の乳び胸の治療に有用と考えられ,さらに術後の一定期間の併用は再発防止に寄
与する可能性があると思われた.
キーワード:特発性乳び胸,持続的陽圧呼吸,胸腔−腹腔シャント
Idiopathic chyrothorax,Continuous positive pressure ventilation,Pleuroperitoneal shunt
緒
言
特発性乳び胸(Idiopathic chyrothorax ; IC)の報告は
いまだ少なく,特に成人の IC はまれで,その治療法も
養(TPN)を開始した.その後,2 度にわたり合計 2 l
の穿刺排液を行った.しかし,胸水は再貯留して自覚症
状が改善しないために手術を目的として,同年 5 月 20
日に外科に転科した.
確立していないのが現状である.われわれは,治療に難
入院時 現 症:身 長 155 cm,体 重 42 kg,血 圧 120 70
渋した成人の IC を持続的陽圧呼吸(continuous positive
mmHg,脈拍 120 分,整.体温 36.2℃.眼瞼 結 膜 に 貧
pressure
血はなく,口唇にチアノーゼを認めなかった.触診上,
ventilation ; CPPV)により治癒できた 1 症例
を経験したので,若干の考察を加えて報告する.
症
例
体表のリンパ節は触知せず,聴診上心音は清で,両下肺
野の呼吸音は減弱していた.
入院時検査成績:肺機能に著しい混合性機能障害を認
患者:21 歳,女性.
主訴:労作時の呼吸困難および全身倦怠感.
既往歴:生後 3 カ月に脾血管内皮腫で脾摘術をうけて
いる.2 歳時に肺炎球菌性髄膜炎に罹患している.外傷
や激しい運動の既往はない.
家族歴:特記すべきことなし.
現病歴:1991 年 4 月より全身倦怠感が出現して近医
を受診したが, 胸部 X 線写真では異常を認めなかった.
同年 9 月より食欲不振と体重減少を自覚し,1992 年 1
月より息切れが出現した.同年 4 月 2 日に当院内科を受
診し,胸部 X 線写真(Fig. 1)で両側胸水を認めたため,
同日に入院した.
入院後の食事は脂肪制限食とした.4 回の胸腔穿刺を
施行し,排液量の合計は約 3 l におよんだが,胸水が再
貯留したために,4 月 21 日より絶食にして中心静脈栄
〒105―0003 東京都港区西新橋 3―25―8
東京慈恵会医科大学外科
(受付日平成 10 年 4 月 24 日)
Fig. 1 Chest X-ray film on admission showing pleural
effusion in both lung fields.
特発性乳び胸の 1 例
131
Table 1 Laboratory findings on admission.
Peripheral blood
Blood chemistry
WBC
9,600 /μl
TP
7.8 g/dl
RBC
5.37×104/μl
Alb
4.7 g/dl
Hb
15.7 g/dl
ChE
5.07 IU/L
Ht
45.5 %
GOT
17 IU/L
Plt
37.8×104 /μl
GPT
10 IU/L
Na
140 mEq/L
LDH
236 IU/L
K
4.6 mEq/L
T-Bil
0.6 mg/dl
Cl
103 mEq/L
BUN
9.0 mg/dl
Serology
Cr
0.5 mg/dl
CRP
0.1 mg/dl
TCh
181 mg/dl
Blood gas analysis
TG
137 mg/dl
PaO2
68.7 Torr
FG
56 mg/dl
PaCO2
37.2 Torr
Pleural effusion
pH
7.383
color
milky
Pulumonary function tests
S.G.
1.022
VC
0.73 L
TP
5.5 g/dl
%VC
23.9 %
Alb
3.5 g/dl
FEV1.0
0.72 L
LDH
244 IU/L
FEV1.0%
23.6 %
Sug
109 g/dl
ADA
20.8 U/L
Sudan Ⅲ
(+)
Rivalta reaction (+)
TCh
100 mg/dl
TG
811 mg/dl
FG
21 mg/dl
Fig. 3 Chest CT image after lymphangiography showing contrast medium near mediastinum with parabronchial and para-aortal lesions.
Fig. 4 Chest CT image after lymphangiography showing leakage into pleural space.
リンパ管造影:右足背よりリピオドールを用いてリン
パ管造影を施行した.胸管および副胸管が左静脈角付近
まで描出されたが,明らかな漏出部位は認めなかった.
またリンパの流速は著明な遅滞を認めたが,リンパ管腫
やリンパ管平滑筋腫症などの所見は明らかではない
(Fig. 2)
.
CT 検査:リンパ管造影後の経時的 CT 検査では,気
管気管支や縦隔の大血管周囲に造影剤が流入している像
を認め,頸部近傍からの漏出が示唆された(Fig. 3)
.ま
た胸腔においても両側の胸水への造影剤の漏出を認めた
(Fig. 4)
.腹部 CT で腹水は認めなかった.
以上より,両側乳び胸と診断し,保存的治療が無効と
判断して手術を施行した.
手術所見および術後経過;1992 年 5 月 25 日に手術を
施行した.手術の 2 時間前に患者に牛乳 200 ml を経口
Fig. 2 Lymphangiogram revealing the thoracic duct.
No rupture was evident.
摂取させた.手術は左鎖骨上に皮切を加えて静脈角を露
出した.同部位の拡張した胸管と白色のリンパ液の漏出
があり,この部位からの漏出も原因の可能性があると判
めた(Table 1)
.胸水の性状は乳状でトリグリセライド
(TG)が高く,ズダン染色陽性であった.
断して,拡張した胸管を結紮切除し,同部位にリンパ液
の漏出のないことを確認して手術を終了した.切除した
132
日呼吸会誌
37(2),1999.
Fig. 5 Clinical course.
胸管には病理学的に腫瘍性病変や平滑筋の増生などは認
ブドウ球菌性肺炎を併発した.7 月 11 日に肺炎が悪化
めなかった.しかし術後,左胸腔ドレーン量の減少は認
したために人工呼吸器管理とし,のちに CPPV を施行
められず,1 日平均で 1,761 ml の胸水の流出を認めた
した.なお,胸水の流出量は CPPV を施行してから著
(Fig. 5)
.
明に減少し,3 日目から 1 日胸水量は 1,000 ml 以下,5
1992 年 6 月 15 日に 2 回目の手術を行った.胸腔鏡下
日目には 500 ml 以下となった.8 月 1 日に人工呼吸器
に左胸腔を観察すると,フィブリン様物質を多量に認め,
より離脱して,8 月 10 日に TPN を中止して,食事を再
壁側胸膜は浮腫状に肥厚し,白色のリンパ液が 10 数カ
開したが胸水は増加せず,8 月 20 日に胸腔ドレーンを
所より漏出していた.約 10 cm の小開胸を加えて胸腔
抜去した.術後 5 年を経過した現在も胸水の再貯留を認
鏡併用下で胸膜の漏出部位を絹糸で縫縮し,胸管を下部
めず経過良好である.
で 6 cm 結紮切除し,さらに横隔膜の直上で胸管を含め
て集合結紮した.フィブリン糊を胸腔内に散布して手術
考
察
を終了した.術中に生検した肺の病理では,平滑筋の増
乳び胸の分類で,阿部ら1)は外傷性,非外傷性,特発
生は認めなかった.以上より原因不明と考えて,IC と
性の 3 つに分類している.そのなかで IC には,新生児
診断した.
や乳児に発症する先天性乳び胸と成人の IC がある.先
術後,左胸腔ドレーンよりの胸水流出量は減少せず,
天性乳び胸は出産時における過伸展などの外力により胸
術後 9 日間で 1 日平均 3,746 ml にも達した.胸水の補
管の破綻をきたすことが原因として指摘されている2).
正に困難をきたしたため,1992 年 6 月 24 日に,未手術
成人の IC は非常にまれで,本邦での報告例もわれわれ
側で癒着が少ないと考えられる右胸腔に対して,胸腔―
が検索したところ 18 歳以上の IC は 25 例にすぎなかっ
腹腔シャントをファイコン社製の腹腔―大静脈シャント
た(本症例を含む)
.報告例の内訳は,平均 35.6 歳で,
チューブ(排液ポンプ付き)
(pleuroperitoneal
男女比は 6 : 19 で女性に多く,病側は両側 7 例,右 11
shunt ;
PPS)を用いて作製した.PPS 挿入後は左胸腔ドレーン
からの胸水流出量は徐々に減少した.腹囲は増大はした
例,左 6 例,不明 1 例であった.
IC の原因は不明であるが,なんらかの原因で胸管の
が,利尿剤の使用でコントロール可能であった.しかし,
内圧が上昇して胸管の破綻をきたすと考えられてい
定期的に皮下の強制排液ポンプを圧迫して胸水の強制排
る3).なお,咳嗽やボディービルが原因となった可能性
液を施行しなければ,胸水が再貯留した.
を示唆する報告もあり4)5),原因の究明に詳細な問診は欠
7 月 8 日に PPS が閉塞したため,これを抜去し右胸
かせない.また,本症例のように若い女性の場合は,リ
腔ドレーンを挿入した.また,同時期にメチシリン耐性
ンパ管平滑筋腫症なども鑑別すべき疾患の一つであ
特発性乳び胸の 1 例
133
る6).本症例は明らかな外傷がなく,原因となりうる腫
まることによる側副路の形成と,その破綻による漏出が
瘍性病変や感染もないため,IC と診断した.
引き起こされている可能性もあり,壁側胸膜より漏出を
乳び胸の診断は,胸水中の TG が血中の値に比べ高値
認める症例では胸管結紮だけでは不十分の可能性が高
7)
であることが重要である .本症例も,胸水中の TG が
い.本症例の開胸所見でも壁側胸膜より多数の漏出がみ
血中の 5.9 倍と高値を示したため乳び胸と診断した.
られたが,これは頸部の胸管の結紮術以前に漏出してい
乳び胸の検査として,リンパ管造影検査は重要であ
た可能性もあるが,胸管の結紮により胸管内圧がさらに
8)
る .胸管の走行も個人差があることが知られており ,
高まり,側副路の破綻を助長させた可能性が高い.さら
胸管結紮術などの手術を施行する際に,リンパ管造影で
に胸部の胸管結紮術後にも改善がみられなかったのは,
胸管の走行を確認することが必要である.
側副路よりの漏出をコントロ−ルできなかったことが原
4)
本症例のリンパ管造影では静脈角付近まで胸管が造影
因の一つと考えられる.
されたが,漏出部の特定はできなかった.しかし,著明
PPS は,胸水のドレナージ量に対する,輸液補正量
なリンパ流の遅滞を認め,狭窄や閉塞部位がある可能性
の減少を可能にさせた.小児による PPS の報告16)や,
が示唆された.また,リンパ管造影後の経時的な CT 検
胸腔―腹腔,腹腔―静脈シャントによる,胸管結紮まで
査は漏出部の特定に有用であると思われる.本症例でも
の準備手術としての胸水コントロールの有用性の報告5)
縦隔内に上方からの造影剤の流入を認め,頸部近傍から
もあるが,フィブリン様物質による閉塞をきたしやすく,
の漏出を疑い手術を施行した.また,胸水への造影剤の
長期間の使用は困難と思われた.また,静脈血栓症によ
流入は,胸膜等からのリンパの漏出を描出していると考
る乳び胸に対し胸腔鏡下クリッピングによる胸管結紮術
えられた.これらより,CT の併用は漏出部の特定の一
の報告17)もあり,本症例でも胸腔鏡は胸腔内の観察や治
助になると考えられる.
療方針の決定,治療に有用であり今後も考慮される方法
乳び胸の治療は,保存的治療と手術的治療がある.保
の一つであろう.
存的治療には,胸管内のリンパ流量の減少を目的として
本症例において,もっとも有効であったのは CPPV
の,脂肪制限食や中鎖脂肪療法9),さらに絶食と TPN
であったと考えられる.渡辺ら18)は食道癌術後乳び胸で
などがある.また,胸水の減少と胸膜の癒着による漏出
その有用性を報告している.CPPV は胸腔内圧の上昇に
部の閉鎖を目的としての胸腔ドレナージがある.
よる漏出量の減少や,漏出部の圧迫閉鎖,さらに癒着の
乳び胸の手術の適応はいまだ確立されていないが,
10)
促進に有用である.本邦において IC に対する,CPPV
Selle ら は外傷性乳び胸の手術適応を,成人で 1,500 ml
の報告はない.本症例において,CPPV を施行して 3 日
日以上,小児で年齢×100 ml 日以上の乳びの流出を認
目には胸水量は著明に減少し,その有用性が証明された.
める場合や,2 週間にわたり持続排液と食事療法を施行
今後も,IC に対しての治療は,胸管結紮術が主体と
しても乳びの流出量に減少がみられない場合と述べてい
なるであろう.しかし,再発症例が少なくないことを考
る.しかし,IC の場合,保存的療法が無効の場合が多
慮すると,術後に胸水が減少するまでの一定期間は,
い.本邦の報告例で記載のあった症例では,保存的治療
CPPV を継続して施行するべきと考える.さらに,開胸
期間は 11 日から 8 カ月で,平均で 63.7 日におよんでい
所見で胸膜より多数の漏出部がみられる症例などは,側
た.またドレナージで喪失するアルブミンなどの補正も
副路の破綻が考えられ,胸管結紮や漏出部閉鎖では無効
その量が多量になることもあり,いたずらに手術時期を
のこともあり,術後一定期間の CPPV の併用は,特に
11)
遅らすことは避けるべきで,Robinson ら も積極的な
手術療法を提唱している.しかし,手術療法が無効なこ
とが多いとする報告もある10)12).本邦の報告例で手術は
18 例(72%)に施行され,そのうち再手術は 3 例(16.7
%)であり,本症例も手術療法だけでは治癒困難であっ
たことからも慎重に手術の適応や術式を選択すべきと考
文
献
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えられる.
手術療法では胸管結紮術,漏出部結紮術,胸膜剥離術
などがある.現在は胸管結紮術
有用性が高いと考えられる.
が多く用いられ13),本
邦の報告で記載のある手術術式でも,胸管結紮術が 14
例(77.8%)に施行されていた.またタルクや OK-432
などの胸腔内散布を併用している論文もある14)15).
IC では胸管からの漏出だけでなく,胸管の内圧が高
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Abstract
Idiopathic Chylothorax Successfully Treated by Continuous
Positive Pressure Ventilation
Tsuyoshi Noda, Hideaki Kurihara, Tadashi Akiba and Yoji Yamazaki
Department of Surgery, The Jikei University School of Medicine, Tokyo Japan
A 21-year-old woman was admitted to our hospital for evaluation of pleural effusion in both lungs. The diagnosis was chylous pleural effusion. Because the effusion was resistant to conservative therapy, we performed thoracic duct resection surgery at locations in the the neck and mediastinum. However, the amount of pleural effusion did not decrease. For improved drainage, a right pleuroperitoneal shunt tube was implanted but it was occluded in 14 days. Pneumonia and respiratory failure then developed. The patient was placed on mechanical ventilation with continuous positive pressure. After this treatment, the amount of pleural effusion decreased and the
patient was weaned from ventilation. To our knowledge, this is the first report of idiopathic chylothorax which in
both lungs to be successfully treated by continuous positive pressure ventilation.
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