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繭の作り方、繭の構造竝びにそ の二三の性質

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繭の作り方、繭の構造竝びにそ の二三の性質
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イラガの繭について : (繭の作り方、繭の構造竝びにそ
の二三の性質)
篠崎, 壽太郎
低温科學, 10: 127-135
1953-03-25
DOI
Doc URL
http://hdl.handle.net/2115/17550
Right
Type
bulletin
Additional
Information
File
Information
10_p127-135.pdf
Instructions for use
Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP
]
u
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a
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o SHINOZAKI 195
3
: On t
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e Cocoono
fS
l
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gMoth. Low Temperature
J
.(
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hresum
岳p
.133)
S
c
i
e
n
c
e,U
イ ラ が の 繭 に つ い て
繭の作 h方,繭の構法並びに告の二三の性質水
篠
白書太郎
¥
1
(
1
民古川千sJ!研究所 生物議官i
l
門
〕
t
昭和
37 年 S
Jl受理)
イラガ C
仏叩
I
I
z
l
μ
仇
d
附
o
J
去「時訂に繭を刊作ミり' その仁11 で叶白血m の jjJ~態、のまま越冬する。したがって冬中直接袈試,風雲にさら
されるわけで, イラガ前畑の j
J
l
ミさに封ずる抵抗力は大きいものと忠われます。とのイラガ前隔
の耐i
l
!
[
'
1
主に闘する研究の一環として,自然に沿いて,繭が如何なる生態態的意義を有している
かを 7
:
1
1るため,繭の作り方,繭の柿誌t
!と,その通気性及びi
l
iJJ¥.牲を調べた。
1
. 繭の構造
げ) 繭の作り方
繭が如何にして作られるかが I切らかになれば,繭の大休の打4.ぜよをまIIl1q~するととができる。摘の
作り方を観察するために,野外から J来集してきたX)J溢をー聞が 1ijtì[-~R りで、上聞が金網張りにな
c
っている木の H
iの中で、飼一育した。併は紅末あるいは楓の葉で, i
主についたまま H
iに入れ,此の:伎
左持日取り換えた。若いときには,??岡に背紫色の J
X
H
i
立を有する線色 jう至武株色であった体色は
1
1工のような感じになる。との
繭乞作る直前になるとやや透明になり,色は多少柄色がかつて抵抗市1
1
1r!休を校と共にとり
ような1
I
Hしてその繭の作り);を肉限あるいは j
)
(
.l
I
l
{
顕微鏡の "
fで観察した。
xM
訟はまや繭を作るに泊した場所在:選定する。此の際市n
ドρ 校の場合には校が二宮しあるいは
J
f
・を恕ぶととが多い。又.
F
l
U也聞に務ちてから幹に 1
l
i
JいJ
.り,その部に繭を作る
三メに分れた P
nu
こ溺り取るとのと
場合もある o 吋
[J
ゐ・式 r
t
12) 及 び [
1
1村めによると,幼品は繭をれよる場j
リ?の枝
l
とであるが,札IIIJもではこのような現象は稀で、あった。場所を選定した幼品はその;場に静止した
ままでいる。次いで、幼溢は赫を吐きながら繭の土議となる網格子を作りつつゆっくり前進する
(
第 1[
i
'
{
i
,l 1
)
。晶体のほぼ全長がとの網裕子中に入ってしまうと,品は突然体を 1
8
0 廻l
i
噂させて
0
逆向となり,網格子の未定成部を完成させる(!1'
D附
, 2
)
。以後此の *
I
L
H
各民子をと土査に頭部を
8の
'
I
:に運動させて赫 B
とI
U
:きながら繭をと作って行く。との場合幼品は出来つつるる師j
の中1,e,背1,e
ÆiY{JI//,i に反らせたう冬勢で、~\ìJ いまわっ:て方向を縫えながら,腹部で繭壁を!t\J~ してその形を整えてゆ
後北海道大経位協f
'
I
.i}主研究所業絞第 J
5
9
.
;
)
}
e
.
低温科率第1
0刺
r
r
'
i
HU2
8'
1
三
128
篠
111:~
詩太郎
く(第 1嗣
,3
)
。とのようにして,繭の去婦の網目が相蛍
絡になり,内部の品が外 1~.h カ・らやや見詰[,い欣態になると
誌は i
江!勺から白色液を
mして,腕の内聞に肢臨を以って
塗りつける。此のi
夜は同品・武 f
:
l
1
2
) も指摘しているよう
に
レピギー氏管の分花、物で
'"7J
ピギ{氏管及び直腸
'"7J
!
-
のj
活動収縮により紅!Jr
J
から I
Hされる。との液は針f[ん六角
杭欣の結 r.T11~と合んで、いて,ささえ刊!では蓮やかに i旋回する。
との結品は Urate と云われている。白色液を識が繭の内
聞に塗附ナる際,将来斑紋となる 1
i
.
tにはあまり附かや,
斑紋が~ß~柄色I'C. j手びでてくる。との斑紋の生示、る椴械は
現在のととろ I
l
f
jらかで、はない。かかる操作を持返すとと
により繭は段々 I
手くなってゆくと同時に斑紋は黒味右づ脅
1
札札後に述べるように繭は
し明瞭となる(第 1
4
J
母か
i-の生成はJーに述べたと
らできている。第 1Jrr 及びU~ 2A
4
なりであるが,第 3
J
l
f
以下の生成は外部から見るととが
できないため,はっきりしたととは判らないが,前者と
4
1
、われる。繭
だいたい同じような五訟で、作られるものと J
第 1 函 繭 の 作 り 方 ( 模 式U
:
.
i
l
)
(
:
>
1
'
;
:文
参!日:n
廷はほとんど、材、のみから柿成されている。
の以内 J
繭1i::作る j
返
さ
は
1
1
>
'
,1
休により坦控がるるが,だいたい作
り始めてから約 1~1 ふ時lI \í で:;;rnl品J , 1(
7
.
.
)
!
V
(態になり,
との日立後品は 1
8
00 姐 l悼し ,1
.5--2時間
で 2の欣態となって, 2.5~3 時Ii'tJ で 3 の;状態に挫する。 JxE紋はだいたい 3--3.5 時 l iIJ位で淡純白
に浮びJ
二ってくる。
5時 11
]
も
お1
っと繭は i
'
f
J
世に聞くなる。
繭を作り始めてから 2
'
"
'
'
a日付:の伽i
休を繭からIl H~ てイîn..r.~ifÿ,品 11: 1 V
乙入れて必くと赫を 1
I
上く。とのととから繭の完成には 4 日位かか
るものと瓜われる。
制 酔j
の)(きさと 1
;
l
h
;
i
}
1
:
繭の形は附治場所によりいくぶん :);::g~があるが,繭の i去に附訴している部分は,
h
l
d
L
J
'
-になっ
たり怨んだりしているが, I
稿 の全休の形は大雑把に >
oて組ji曝焔 J
l
i
l休とええる。イロrJr'ii
c
なら繭の横
断聞は l
i
l形をなしているからである。
斑主主については [ì(;] 品,':rfï:[II2 J
の ;Hi;I~-がある。
紋を有する繭はお1¥い:i
tに多く,保紋がなく全休が糾色がかったものは幹に多い。
I リj 昧な怯
,
・
s
fC9~10 mmで
上 記 2I-ç によると,鹿児品地方のイラガの繭の大きさは長{S~ 12-14mm,匁1
繭壁の J
r
;
之さは樹に附許している部分を除いて千 i
与
がjO.:jmmである。
~iÍ~し tc<<:\'(!
l
Hi,長純
土
キUl見近主主の ~1!J について ìJ!lJ
1
2
.
5:
t:Umm(
2
0
1
1
1
ド
,¥
'
:
1
:
[
,1
),告
¥
5
.
.
任8
.
8:
t2
.
8mm(
2
0,
'
[
1H
'
-均
)
,
0
.
0
4mrn(
1
5
1
[
1
,
1
千均)で鹿児山のものよりやや小型に思われ るが,
f
I
T
.
:
!
Q設の!以さ
との ì!!lt~ は活気性,
0
.
2
9
]
邑J
K
性
の測定にJIjいたI捕について行ったもので,資PJ~~依 1'[ニ乞簡単にするため,なるべく形の整ってい
イラガの繭について
1
2
9
るものを選んだ結果(形の整っている繭は小型のものが多い), I
舗の大きさの平均が小さい方へ
づれたE行î~'1主が充分にあるのでi付地方の隔の大きさはだい fこいせ;しいとみてを支えない。
繭壁 l
工4庶から成り(第 1i
t
,
,
¥
!
版
, 1
),古Cl降{故外 j
奇)は批も部く斑紋はとの庶にあって,とれ
に結く;;r~
2l
J
副主 i
はも厚く繭の主要部を成し,いくぶん栴色の色素を含んでいる。第 1居と第 2
1廷のill!絡は?f~で阪別も間期iで、ある。第 3 肝はやや!字く色宗左多量に令み他府から明瞭に匝別で
きる。 2貯と 3J
汗の J
妾若も年寄で,此の柄居は締眠時迭を認め掛o
[く綴 V
Nである。第 4庶(最内肝)
はわりあい路く綜のみからできていて,此の庇はピンセットで簡単に剥離できる。繭にはイラ
ガが将来羽化して繭を IH る際に,はやれ去る査が ìl!~ì紘献の刻忠良によって明瞭に陸別できる。と
の刻紘は~i1に繭壁がくび、れ込んで、いるに過ぎない(箔 1 同版,
1
)
。
繭の去商,事問とも Neopark でJ;~ると, I
l
J
jf
l
去に綜航柿誌!ょが認められる。去商に沿いて,斑紋
部は色主主こが沈荒しているため白色部よりも赫が明瞭に認められる。内面は表商よりも赫が統で
,
i
,
J
¥
版
, 2
;
及
び
、3
)
。
ある(第 1f
1I.繭の遇策性
第2
!
品l
の装置をrJJいがj
の通気性を調べた。査部主と除いた駒を,民室用コンバウンドでそ点i
!
l
管
のた端の漏-'I"欣部に接清し,コックを 1の){た態にして沿いて畏室ポンプでl
汲t
l
l
L,油常な民主(約
7m mHg) になったときコックを,訟に 2の!
J
J
¥態にすると
ビ長室計
控訴が繭壁を過して装置内へ入るため内部の脱が増加す
る。此の ~rt.1j鑓化な読み,迅抵性を測定した。接j;t;:{f\1 の
良否引紅めるために繭の代りに繭型に作った冊子.
D
c
lを!
;
i
]
ーコンバウン r で装置に取りつけてお&}[\J~ してみたが
4
i弐
岱三試の漏i
沌
史
知J
は主ないとみてよしい、。
からの Z
j訟による測定原児は次の通りである。
との )
ブ
コックをと
フ
1
0
;
,
;
生
産
2の t
l
k
'
I
患にした n
!
i
;の装置ド) (面白も合めて)の容も'
lをこに装
'
UJP,
位内の出力を P とし,民験温度l'¥, K)に jなける l
容も's.f' り 2さえLの口 )j:乞 111 とする。 'ffll~主i試のう庁i& は惚i\tJ!J::
態で 1.2~18 g
/
iであるから
1Molのさき誌の日方は 2
8
.
9
8g
である B
o
y
l
e
C
h
a
r
l
e
sの法則により次式が成主ずる。
第 2図 ;
並
立i
恒般を測定した銭涯
(
1
)
主腕温度 T を む に 保 持 す れ ば
RT
.
1
¥
..
=
-一一一一一
ι28.98
z
f
時i
山
i
甘
削
日
i
i
徐り数世内の回
篠
1
3
0
1
与議太郎
と;s-くととができる。よって (
1
)式は
y
山一
k
一
一
P
(
2
)
となる。賢験中 Fの縫化は民主主計r:/1の水銀が毛布日管を上下するだけで、組めて {
i
l
'
iかで、あるから,
とれを -<J~ と;Jきえても荏支えない。したがって (2) 式左時!日J tにつき微分すると
dP
d
t
K dm
V d
t
(
3
)
となる。摘の友商杭(測定の I
lIl繭の空気に f
紛れる部分の間航)を S, J
,r:
Jさを hとし,繭の草枕去
商もli をと dt 時 I~Jl に通過する空気の長 dlll は繭の内外の frV~力の勾 ~il'.に比例するものと考えれば
.~ .
P
d
-P
凶
.
.
:
:
:
.
.
_
e
_
_
d71l
(
4
)
h
d
t
が成立する。但し P
cは繭の外側の岱試の眼力即ち大筑間,Pは時刻 tl
LJ
なける繭内部の眼力で
ある。止は比例常数で週末~'I豆菰〔と呼ぶととにする。 (4) を (3) に代入すると
dP
d
t
。
P
e
P
.
t
o
f
f
f
i
字
此S
V
h
一一 (
Pe-P)
(
5
)
となる。との式を砧分し , t=
=
-0の 時
0.08
P=P
日
,とすればすく式が符られる。
7
l
n
J
:
e-Po
_= K是s
n一一一一ニ
t
Pe-P Vh
6
(
6
)
W
l
設以外の l
1
I
1
は
,
(
6
)式に沿いて通試t
s
総て宜iJ!IJし f~J るので止を求めるとと
ができる。もし此の式がj[ミしければ,
+
Pe-P"
Pc-P
n 一一~~~を時!日J tに 到 し て と れ ば
J
古車:Jf~iJ ~得られるはやであり,此の也
記
J
tの tl
!
i
l
!
l
l
Lf
M
する傾きから容易に止
2
の {Ifi.を求めるととができる。苛~ 4,
;
1
[1
(
は賢~!!IJの一例であって,
J
J
:
l
l
iの方訟
の安常性を説 I
l
f
jするものである。
.
3
0
60
第 3園
7
0
1
2
0
り
1
8
0
崎期待少)
近l 気般理HWl 定のー!~Jj
繭のこ友l
断続…2
.
2
8cm2
筑 験i
,
H
f
i
'.2
7
8
.
6K
1
5
0
厚さ… 0
.
0
3
3cm
j
¥
I
!
気
恨
野
r
x
:1
.
7
6x1
0
-4
'lsec-1巴m-2(atmcm-')-l
巴m
N
k
J
Lは 5a
Jの i
W
l
i
Eの之r'i
t
c
j
谷繭につきそれぞれ 5回づっ測定
をと行い,
その平均から油会、~:tlî.敢を求
めた。その {
l
f
U工出 1去にまとめであ
o。
伽
7
1
l
!
:
.
の{
I
f
[カ,ら見て解る通り,似りに
イラガの繭について
1
3
1
!
l
l
i.力勾配が 1atmcm-1 あ っ て も 油 気 長 は 組 め て 小 さ く , 貫 際 問 題 と し て と の よ う な 眼 力 勾 配
の生やるととはないので,空気は繭墜を殆んど迅らぬと :1うえでも栄支えない杭度である。但し
第 1表
との fll'lは制球 ~1たまぬ繭の下三!三分で、得たも
通気 f
豆級殺 l
X1
0-4巴m3s
e
巴一 1c
m-2(
a
t
mcm-1)-1]
ので, ~!1l 蓋刻 *J~部の通年Z'tt は恐らく,との
a
1
.
7
5(x1
0
-4cm3sec-1cm-2 (atmcm-1)-1) と
1
.
30
1
.
18
0
.
8
7
1
.6
5
1
.
76
2
.
8
5
0
.
9
7
2
.
2
9
いうも¥
1よりは大きいものと忠われるので,
1
.6
4
2
.
7
6
2
.
0
8
0
.
9
8
との部を合んだ上午分については改めて踏
める必要がある。
2.
4
7
司 主J
'1
.7
ラ土 0
.
6
6
2i
持組気 f
亘J
}
J
t
れ ま 毎 軌 繭 の 表 面 の 毎 cm
:latmcm-1
の自宅カ勾聞のときに j
Ul過する空気の符絞 (
t
f
i
ii
(
!
i
l
l
た
3
'
J
Lわしたものである。
態)を巴m で J
7
I
II.趨
水性
遁i
完
試
t
氏
t
士
廿
1
性
'
l
1
1
kユ
工:犬し た
ζが,趨常な刀法が見1-1せなカ,ったので,次のような簡単な );訟で定性的な測定を行
った。
まづ腕];r~こ t~~:l;主せぬようにはやし,繭の内部 IC\i'i燥した CaCI 2 又は CoCI 2 で染色乾燥した ì1r~
紙パーを光明した後再び、正i.をパラフイン・ワセリンで接荒してからシャワヶの下に放置,その前
後の盟主主から木の透過古t をiJ!iJった。主Jl\司宜験として,附子.F}j(で同』:去の寅lE五~~三行い接7官官日から
7J\.の主主入のないととをご lîtl: めた。 2箔{布'~ 2夫は遇ノ水'J(
I
性
'
l
し7
ζ
d
日
時
寺
剖
│
市
間
i
日
i
日
H
は
凶
3
主
;
半
が
約
〈
句J2
1時
A
寺I
J
¥
J
で
で
、 あ る。
第
組
繭前身の目方
(
符
)
2
表
景
7
J
'
(
.
吸水による繭白│
笈険絞了時の 1 1
繭自身の目方│身の目方の噌力日│週
水
民
(
( % ) 宮 )
繭の表面積
巴
(m)
0
.
1
3
1
0142
8
0
.
0
5
0
2
.
7
0
.
1
2
5
0
.
1
2
8
2
0
.
0
3
2
2.
5
3
0
.
0
9
6
0
.
1
0
3
7
0
.
0
3
5
4
0
.
0
7
6
0
.
0
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1
7
勺0
20
2
.
2
5
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.
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8
6
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.
0
9
3
8
0
.
0
9
7
2
.
2
6
0
.
1
7
2
0182
6
0
.
0
6
2
2
.
9
2
後繭l
当身の I
成*による目方の明加を差引いた億
ほとんどー克夜;
J
'
えを詑いで、沿いても,透過水分 f
r
tは版めて慌かであり,自然界に 1
ないでとの
i
l
l
i
J(泣しになっているようなととは非常に少ないので,自然欣態では 7
J
'
(は殆んど泊
ように長時 l
は
よ1
"均 s%でるる。
らないと考えて諜:支えないと云えよう o 繭自身の吸水による日方の士宮力n
I
V
. 断熱性(熱の俸導度)
r
.
1
!
jが小さいとと。長!日の形が.f:':Rでないととなどのため,繭壁の熱体導度を正確に測定するとと
篠崎慈太郎
1
3
2
は頗る困難なので未だ行っていない。然しほとんど同じ保件の下で,最の冷却 r
l
f
i
*
)
H
:
:
:①熱電封
を繭の外側に接欄させた場合と,@繭に穿けたヲしに熱電岳Hこ挿入して晶体に也接接í~品させた場
合と i
f
t
l
J
定したととろ,冷却蓮皮にはさして控呉は認められなかった。とのことから蹄壁の断熱
能はあまり大きいものとは考えられない。然し臨壁の~\体導度は小さくとも,その尽さが滞い
(
0
.
3min)ため断熱能が小さいのかも知れない。とにかく繭懸の熱伴埠度の i
!
:械な i
W
J定は浅され
た問題である。
V
.
繭の生態撃的意義に闘する考察
前jA;のように繭は空気を殆んど組さない。したがって,繭壁を空気が出入して,換言すれば
風により庇接掻休が熱を奪われるととはほとんどなく,晶体の冷却は主として繭主主を過しての
t
f
主がとのように小さいととから,品の
熱の体導及び稿射により起るものである。又繭壁のill13i(
繭内にゐける呼吸が問題になる。 呼吸に関しては米だ詳細な検討は行われていないが, Warburg
の装置で、 i
f
t
l
t
j
屯してみたととろ, Nを素消費はほとんど認められないので,カ!~気呼吸が行われてい
ると思われる。との貼については将来くわしく調べる必要がある。
7
J¥.もまた繭壁をとほとんど油らない。 7J¥.が凍結する際その中心となる核が必要なととは衆知の
~1\-震でるり,或る U~の昆品で、は休去に水、百iiが附悲していると過冷却が1 L く 1illZれるととがう,\1られ
ている (
S
a
l
t,
'3
G
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'
り。イラカ。の前畑でも同校の現象が認められる J
〉イラガは繭に入って居る限り,
7]\摘が休去に附ー着するようなととはなく,その 12:味で、践は~冷却されるのには都合の良い 1~1'j::
の一つを繭から提供されているものと云えよう。
更に晶は繭により乾燥から守られていると云うととは繭壁が空気, 7
J¥.を共に過さぬととから
Hした品を也接室支えにさらして必くと東宝を減じ死ぬ{同体も
容易に想像されよう。寅際繭から I
しばしばはられる。
冬期比.\j,品が裸でIü;j妄寒冷な空気に慣れるよりは,繭に入っていた方が熱の ~<íf:.われ方は少な
いであろうが,前述の湿り繭壁の断熱能は割合小さいらしく,繭は,晶体が侍器, !ト高射により
冷却されるのを防ぐにはあまり役立っているとは;Jきえられない。
本研究を御指導下さった青木教段批び、に節々の御授Jl)J を給った朝比奈助教段に f,?~く感謝す泊る。
摘 要
イラガの繭の作り方,繭の椛誌t
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主主びに繭の通気性及び、ill1ノ'
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1:について観察,測定を行い, f
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せてその生態接的意義を簡単に;:号、察した。
繭の形は,樹に岱!する繭の附清都を 1!!~ni見すれば,ほぼ廻1体時同休とみなしうる。
繭を作るとき幼散はうヒづ;血設な i
尋問を選定し,与えいで、繭の土嘉となる網格子な自己の休をと包
むように排える。その後,聞を 8:j'二肢に運動させて締を吐き自己の休の
mりに赫を隙Ii日なく劫
ぐ。との際品は繭の~ドで休の方向を絶えや縫化させ腹商で縞壁を IljI~し形を整える。とのように
イラガの繭について
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して体が外からやや見書1,い粍度になると,品は 1
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Jからマルピギ{氏管の1.1
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と繰起して繭は完成される。
慌に捻り附ける。との時明に斑紋は部以色に i
繭壁は 4)母より成る。外から数えて,お1hまは此も~\jj.く,お 2)昔は最も I'JL く ft は鍛斡である。
第 3}奇は此れに次ぐ!立さ主こ布し,色素 を多元:
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繭壁の活気恒数(長)は1.7
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を過さないと云うととができる。また 7
1¥.もほとんど泊らないとみてよい。
断熱能は非常に小さいようである。
文 献
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f木 版・篠崎j:W;f;太郎~ 1
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3 イラガ制服の過冷却に及ぼす冷却法度の塁手轡, i
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3.2月縦, pp.8~9.
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