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児童虐待 - 愛媛県教育委員会
Ⅲ 児童虐待に関すること 児童虐待の防止と早期発見・早期対応 1 ねらい 児童虐待の現状を知り、児童虐待防止と早期発見・早期 対応に努め、通告 までの流れを知る。 2 児童虐待の現状 児童虐待とは、保護者によって児童(18 歳未満の者)に加えられた行為で、 以下のように分類されるが、多くの場合、それらが重複して起こる。ある行 為が虐待であるかどうかは、保護者の意志とは無関係であり、児童自身が苦 痛を受けているか、児童にとって有害であるかどうかで判断される。 身体的虐待 ネグレクト(保護の怠慢・拒否) 衣 食 住の 世話 をせ ず、放 置 する 病 気 やけ がを 治療 しない 病 院 を受 診さ せな い 乳 幼 児を 家に 残し て外出 す る 車 内 に放 置す る 登 校 させ ない 、家 に閉じ 込 める 保護者以外の同居人の虐待を放置 する など 殴る・蹴る 物を投げる、棒でたたく たばこの火を押しつける 逆さづりにする、戸外に締め出す 異物を飲ませる、溺れさせる 縄で縛る、投げ落とす など 心理 的虐待 性 的虐待 言 葉 でお どす 脅 迫 する 、罵 声を 浴びせ る 無 視 する 、拒 否す る 兄弟姉妹と極端に差を付ける 児童の前で配偶者に暴力をふるう (D V ) など 性 行 為を 強要 する 性 器 を触 るあ るい は触ら せ る 性 器 や性 行為 を見 せる 児 童 ポル ノの 被写 体にす る など 厚生労働省による と、全国の児童相談所 に寄せられた児童虐 待に関係しての相談 件数は、年々増加して いる。以前と比べ、児 童虐待が認識された 結果、隣人等からの通 報、親族や学校からの 相談の増加と 併せて、 実際の虐待件数も増 加していると考えら れる。 児童虐待相談対応件数(厚生労働省) 全 国 (件 ) 愛 媛 (件 ) 70,000 速報値 334 60,000 317 317 282 50,000 180 20,000 34,472 33,408 400 350 300 272 40,000 30,000 59,862 ※56,384 312 42,664 44,211 261 40,639 37,323 250 223 23,274 23,738 26,569 112 124 17,725 98 93 200 全国 愛媛県 150 100 11,631 10,000 50 0 0 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 (年度) ※東日本大震災の影響により、福島県を除いて集計した数値 20 3 こんなことで見分けよう ―児童虐待チェックリスト ― 児童(18歳未満)について □ 不自然な外傷(傷・あざ・打撲あと・やけどなど )がある □ 極端な栄養障害 、低身長・低体重などの発達の遅れがある □ 顔・体や服が汚れていたり、季節に 合わない物を着ていたりする □ 朝食抜きで登校したり、給食をむさぼるように食べたりする □ 言動が乱暴で、他の子とよくトラブルを起こす □ 弱い子を執拗に攻めたり、動物をいじめたりする □ 表情に乏しく活気がない □ 保護者を避けようとする □ 家出を繰り返したり、家に帰りたがらなかったりする □ 深夜まで遊んでいたり、徘徊したりしている □ おどおどしたり、大人の顔色をうかがったりする □ 成績が急に落ちたり、字や文章が雑になったりする □ 持ち物や文房具が傷んでいたり、そろわなかったりする □ 自分の思いをうまく話せないなど、言語能力の発達が遅い □ 授業中によく居眠りをし、眠そうである □ 担任や養護教諭に体調不良を訴えてくる □ 教師や関係者に甘え、過度のスキンシップを求める □ 正当な理由もなく学校や園を休みがちである 保護者について □ 気分の変化が激しく、精神的に不安定である □ しつけと称して体罰を加えている □ 子どものけがなどについて不 自然な説明をする □ 子どもに対して拒否的あるいは否定的なことを言う □ 育児への考えや知識が不足していたり、偏っていたりする □ 夫婦関係や家族関係に問題がある □ アルコールや薬物の依存症・経済的困窮などの問題がある □ 隣人や親族との交流がなく、孤立している □ 子どもへの態度が厳し過ぎ、かんしゃくを爆発させることが多い □ 子どもへの接し方に不自然さがある □ 子どもの泣き叫ぶ声や保護者の怒鳴り声がよく聞こえる □ 親が記述する提出物や集金が遅れたり、出なかったりする □ 子どもを家に置いたまま、長時間の外出をする 21 4 児童虐待の通告 児童虐待が疑われる事象を発見した場合、 市町の児童福祉担当課や児童 相談所等に通告する義務がある。(児童虐待防止法 第6条 第1項) もしかしたら「虐待」かもしれない 3つの「変」を見逃さない ○ 子どもの 様子が「変 」だ な 攻撃的・乱暴、不自然なあざや傷、表情が乏し い身体接触を極端に嫌う、衣服や身体が非常に不 潔 など ○ 保護者の 様子が「変 」だ な 子どもの状態に関して説明が不自然、子どもに 会わせない、地域で孤立、転居歴が多い など ○ 親子 の様 子 、状況が 「変」だ な 親子が目線を合わさない、子どもに罵声を浴び せる、親の顔色を気にする など 何か変だ? 虐待へのサインの気 付き 児童からの申告、 担任や養護教諭の 気 付 き 等 で 、虐 待 が 疑 わ れ る 場 合 、管 理 職に報告する。 必要に応じて児 童 と 話 し た り 、保 護 者 と 話 し た り 、家 庭 訪問をしたりする。 児童から話を聞 く 場 合 は 、安 心 し て 話せる場所や時間 に 、信 頼 関 係 の あ る 者 が 行 う 。児 童 の 前 で保護者批判は行 わない。 ◆ 情 報の収集 ・記録 5W1Hを正確に記す 具体的な言動の内容を残 す ◆ 児 童虐待対 応チーム の編成 校内の関係者(管理職、担任、学年主任、養護教諭、 生徒指導主事、教育相談担当者、スクールカウンセラ ー等)を集め、状況を把握・分析し、通告や相談の要 否を検討し、今後の対応方針などを 組織として決定 児童から得た情 報を保護者に直接 確 認 す る こ と は 、絶 対にしてはならな い 。学 校 に 虐 待 を 指 摘 さ れ る と 、保 護 者 が児童の登校を止 め た り 、児 童 に 口 止 め を し た り 、よ り 暴 力をふるったりと、 深刻化する場合も ある。 「虐待」と思われる 「虐待」 と思われる 発 見 し た 時 期 、虐 待 の 状 況 、児 童 に つ いての情報、保護 者・家 庭 に つ い て の 情 報 、通 告 者 (学 校 ) についての情報等 を伝える。 「虐待」に違いない 確証がなく ても通告 虐待の通告 市町児童福祉担当課 東予・中央・南予児童相談所 県福祉事務所 市町教育委員会 (参 考 資 料 ) 人権教育課ホームページ 「幸せへの道」 (http://ehime-c.esnet.ed.jp/jinken/88/top88.htm) 文部科学省 研修教材「児童虐待防止と学校」 子 ど も の 虹 情 報 研 修 セ ン タ ー ホ ー ム ペ ー ジ (http://www.crc-japan.net) 22