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No.06 サーベイランスのためのガイドライン(PDF:78KB)

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No.06 サーベイランスのためのガイドライン(PDF:78KB)
この資料は業務の参考のための仮訳です。利
用者が当情報を用いて行う行為については、
利用者の責任でお願いいたします。
横浜植物防疫所
公布 No.6
1997年11月
植物検疫措置に関する国際基準
サーベイランスのためのガイドライン
国際植物防疫条約事務局
国連食糧農業機関
1998年、ローマ
この刊行物において採用した名称および資料の提示は、あらゆる国、領土、
市または地域のあるいはその当局の法律上の地位に関して、あるいはその
国境または境界の画定に関して、国連食糧農業機関側のいかなる見解の表
明を意味するものでもない。
全ての権利を留保する。この刊行物のいかなる部分も、電子的、機械的方法、写真複写その
他のいかなる方法であれ、いかなる形態であれ、著作権者の事前の許可無しに複写し、検索
システムに保存し,伝送してはならない。かような許可の申請は,複写の目的および範囲に
関する説明を添えて国連食糧農業機関情報局局長に提出するものとする。
© FAO 1998
目
承認
見直し及び改正
配布
次
1
2
3
序論
適用範囲
参照
定義と略語
必要条件の概要
4
4
4
4
6
必要条件
7
1. 一般サーベイランス
1.1 情報源
1.2 情報の収集、保存及び検索
1.3 情報の使用
7
7
7
7
2. 特定調査
2.1 有害動植物の調査
2.2 品目若しくは寄主の調査
2.3 標的標本採取及び無作為標本採取
7
8
8
9
3.
良好なサーベイランスの実行
9
4.
公共診断事業の技術的要件
9
5.
記録保持
9
6.
透明性
10
サーベイランスのためのガイドライン
1
承認
植物検疫措置に関する国際基準は、国際植物防疫条約事務局により、植物検疫分野の政策
及び技術援助に関する国連食糧農業機関の地球規模プログラムの一部として作成される。
このプログラムは、貿易を促進すること、及び不適切な措置が貿易障壁として利用されな
いよう図ることを目的として、植物検疫措置の国際的調和を達成するための基準、ガイド
ライン及び勧告を FAO加盟国及びその他関係者に提示するものである。
以下の基準は、1997年11月にAO総会の第29会合によって承認された。
Jacques Diouf
事務局長
国連食糧農業機関
サーベイランスのためのガイドライン
2
見直し及び改正
植物検疫措置に関する国際基準は、定期的な見直し及び改正の対象である。この基準の次
回の見直し日は、2002年又は植物検疫措置に関する委員会で合意される他の日である。
基準は必要に応じて更新され再発行される。基準保持者は、この基準の最新版が使用され
るよう図ること。
サーベイランスのためのガイドライン
3
配布
植物検疫措置に関する国際基準は、国際植物防疫条約事務局により、全ての FAO加盟国に
加えて、以下の地域植物防疫機関の幹部及び技術事務局に配布される:
−
アジア太平洋地域植物防疫委員会
−
カリブ海地域植物防疫委員会
−
南米南部地域植物防疫機関
−
アンデス地域共同体
−
ヨ−ロッパ地中海地域植物防疫機関
−
中央アフリカ植物検疫会議
−
北米植物防疫機関
−
中米地域農牧防疫機関
−
太平洋地域植物防疫機関
サーベイランスのためのガイドライン
4
序論
適用範囲
この基準は、有害動植物の発見を目的とする調査及びモニタリングシステムの構成要素、
並びに病害虫危険度解析、病害虫無発生地域の設定並びに適切な場合、病害虫の一覧表の
作成に用いるための情報の提供について記述する。
参照
衛生植物検疫措置の適用に関する協定、1994 年、世界貿易機関、ジュネーブ。
バイエルコードシステム、1996 年。ヨーロッパ・地中海地域植物防疫機関、パリ。
植物検疫用語集、1997 年。ISPM 刊行物 No.5、FAO、ローマ。
国際植物防疫条約、1992 年。FAO、ローマ。
国際貿易に関する植物検疫の原則、1995 年。ISPM 刊行物.No.1、FAO、ローマ。
病害虫無発生地域の設定のための必要条件、1996 年。ISPM 刊行物.No.4、FAO、ローマ。
定義と略語
地域
area
公的に定められた国、国の一部、又は数ヶ国の全部若しく
は一部
品目
commodity
貿易又はその他の目的のために移動されている植物、植物
生産物又はその他の物品の種類。
品目病害虫リスト
commodity pest list
ある特定の品目に関連のある地域において発生している有
害動植物のリスト
境界設定調査
delimiting survey
ある有害動植物に寄生されているか又は付着していないと
考えられる地域の境界を設定するために行われる調査
発見調査
detection survey
有害動植物が存在するかどうかを決定するために、ある地
域において行われる調査。
寄主有害動植物リスト
host pest list
全世界的に又はある地域内においてある植物種に寄生する
有害動植物のリスト。
寄主範囲
host range
自然条件下で、ある特定の有害動植物の生命を維持するこ
とのできる植物種
国際植物防疫条約
IPPC
1951 年ローマの FAO で批准書を寄託し、その後改正され
た国際植物防疫条約。
モニタリング
monitoring
植物検疫状態を確認するために公的に継続して実施される
手順。
モニタリング調査
monitoring survey
有害動植物個体群の特性を確認するために継続して実施さ
れる調査
サーベイランスのためのガイドライン
国家植物防疫機関
National Plant Protection
Organization
IPPC で規定されている職責を果すために政府によって設
立された公的機関
発生
occurrence
土着若しくは侵入していると公的に報告されている有害動
植物、及び/又は根絶されたとは公的に報告されていない有
害動植物のある地域での存在
公的な
official
国家植物防疫機関によって制定され、権限が付与され、又
は履行された
経路
pathway
有害動植物の入り込み又はまん延を許すあらゆる手段
病害虫(有害動植物/ペス 植物若しくは植物生産物に有害な植物、動物又は病原体の
あらゆる種、ストレイン若しくはバイオタイプ
ト)
pest
病害虫無発生地域
Pest Free Area
ある特定の有害動植物が発生していないことが科学的な証
拠により証明され、必要に応じて、この状態が公的に維持
されている地域
病害虫危険度解析
Pest Risk Analysis
ある有害動植物が規制されるべきかどうか、並びにその有
害動植物に対してとられるすべての植物検疫措置の強さを
決定するための生物学的あるいは他の科学的及び経済的証
拠を評価する手順
サーベイランス
surveillance
調査、モニタリング又はその他の手続きによって、有害動
植物の発生又は無発生に関するデータを収集し、記録する
公的な手順
調査
survey
ある有害動植物の個体群の特性又はある地域内にいかなる
種の有害動植物が発生しているかを決定するために一定期
間に渡って実施される公的な手続き
5
サーベイランスのためのガイドライン
6
必要条件の概要
植物検疫措置に関する国際基準「国際貿易に関する植物検疫の原則」の下で、各国は、自
らの植物検疫措置を病害虫危険度解析に基づいて正当化するよう要求される。これらの原
則はまた、「病害虫無発生地域」の概念を支持する。それについては、国際基準「病害虫無
発生地域の設定ための要件」で説明されている。これらの概念は、世界貿易機関の「衛生
植物検疫措置の適用に関する協定」でも言及されている。有害動植物情報の収集と記録は、
これら全ての概念にとって本質的に重要である。国家植物防疫機関(NPPO)は、検疫有害動
植物の無発生若しくはは限定的分布の宣言を有効にする立場にある。
サーベイランスシステムには、以下の二つの主要な型式がある:
-
一般サーベイランス
特定調査。
一般サーベイランスとは、ある地域にとって懸念される特定の有害動植物に関する情報が
入手可能で NPPO の利用に供される場合に、それを多くの情報源から収集するための手順
である。
特定調査は、ある地域の特定の場所で懸念される有害動植物に関する情報を、NPPO が所定
の期間にわたって入手する手続きである。
入手され確認された情報は、ある地域内の又は寄主若しくは品目上の有害動植物の存在又
は分布を調査するために、あるいは (病害虫無発生地域設定及び維持の場合)ある地域にお
ける有害動植物の不在を調査するために使うことができる。
サーベイランスのためのガイドライン
7
必要条件
1. 一般サーベイランス
1.1 情報源
各国には多くの有害動植物情報源がある。これらの情報源は以下のものを含む: NPPO、
他の国家及び地方政府機関、研究所、大学、科学学会 (アマチュア専門家を含む) 、
生産者、顧問、博物館、一般大衆、科学及び業界誌、未発表データ及び現在の観察記
録などである。さらに NPPO は、 FAO や地域植物防疫機関(RPPO)などの国際的情報
源から情報を得ることもできる。
1.2 情報の収集、保存及び検索
これらの情報源からのデータを活用するため、懸念される特定の有害動植物に関する
適切な情報を収集、確認、編集する体系を NPPO が開発することが推奨される。
このような体系の構成要素は、以下を含むべきである:
-
NPPO 又は NPPO に指定された他の機関であって、植物に対する有害動植物記
録の国立の保管場所としての役割を果たすもの
記録保持及び検索体系
データ確認手続き
情報源から NPPO への情報伝達経路。
このような体系の構成要素は、以下を含んでもよい:
-
以下のようなものとしての報告の奨励策:
法的義務 (一般大衆又は特定の機関に対する)
協力協定 (NPPO と特定の機関の間の)
NPPO から NPPO への伝達経路を強化する連絡員の使用
公共教育/意識向上計画
1.3 情報の使用
このような一般サーベイランスを通じて収集された情報は、以下のために使われるこ
とが最も多い:
-
有害動植物無発生の NPPO の宣言を裏付けるため
新たな有害動植物の早期発見を助けるため
RPPO 及び FAO など他の機関への報告なため
寄主及び品目別の有害動植物一覧表並び分布記録の編纂
2. 特定調査
特定調査は、発見調査、境界設定調査又はモニタリング調査である。これらは公的な調査
であり、NPPO の承認した計画に従うべきである。
調査計画は、以下を含むべきである:
-
目的 (例えば、早期発見、有害動植物無発生地域の保証、品目別の有害動植物の一覧表
ための情報) の定義並びに満たすべき植物検疫上の要求事項の明細書
対象有害動植物の特定
適用範囲 (例えば、地理的範囲、生産システム、季節) の指定
サーベイランスのためのガイドライン
-
8
適切な時期 (日付、頻度、期間)の特定
品目別有害動植物の一覧表の場合、対象品目
統計的根拠 (例えば、信頼度水準、標本数、場所の選定と数、標本採取の頻度、仮定) の
表示
以下の説明を含む、調査方法論及び品質管理の記述:
-
-
標本採取手続き (例えば、誘引トラップ、全植物採取、目視検査、標本収集及
び実験室解析) ; 当該手続きは有害動植物の生態及び/又は調査の目的によって
決定される
診断手続き
報告手続き。
2.1 有害動植物の調査
特定の有害動植物に対する調査が提供する情報は、主に、
-
有害動植物無発生の NPPO の宣言を裏付けのため
また
新たな有害動植物の早期発見を助けるため
RPPO 及び FAO など他の機関への報告のため
にも使われる。
適切な調査場所の選定は、以下によって決定される:
-
以前に報告された当該有害動植物の存在及び分布
当該有害動植物の生態
当該有害動植物の寄主植物の分布並びに特に当該寄主植物の商業的生産地域
当該有害動植物にとってのその場所の気候の好適性
調査手続きの適切な時期は、以下によって決定される:
-
当該有害動植物の生活環
当該有害動植物及びその寄主の生物季節学(Phenology)
有害動植物管理計画の適時性
当該有害動植物の発見に最適なのは作物の生長期かそれとも収穫後か。
最近の侵入の結果としてのみ存在しそうな有害動植物の場合、適切な調査地点の選定
は、以上に加えて例えば、可能性のある入り込み地点、可能性のあるまん延経路、輸
入品目の市場、輸入品目が栽植として使われる場所などにも関係する。
調査手続きの選定は、当該有害動植物を認識しうる標徴若しくは病徴の種類によって、
並びに当該有害動植物の検定に使われる技法の精度若しくは感度によって決定される
こともある。
2.2 品目若しくは寄主の調査
特定の品目の調査は、特定の栽培慣行下で生産される品目毎の有害動植物一覧表にと
って有用な情報を提供することができる。調査はまた、一般サーベイランスからのデ
ータが不足している場合の寄生別の有害動植物一覧表の作成にも用いることができる。
サーベイランスのためのガイドライン
9
適切な調査地点の選定は、以下によって決定される:
-
生産地域の地理的分布及び/又は規模
有害動植物管理計画 (商業地と非商業地)
存在する/している品種
収穫された品目の集荷地
調査手続きは、作物の収穫に関係して時期が決定され、また収穫された品目の種類に
適した標本採取技法の選定に依存するだろう。
2.3 標的標本採取及び無作為標本採取
調査は通常、懸念される特定の有害動植物の発見を助けるために計画されるべきであ
る。しかし、予想外の事柄を発見するため、多少の無作為抽出も当該調査計画に含め
るべきである。ただし、ある地域における有害動植物の発生率を量的に表示する必要
がある場合、標的調査の結果は偏りがあるので、正確な評価を提供しないかもしれな
い、ということに留意するべきである。
3. 良好なサーベイランスの実行
一般サーベイランスに関わる者は、植物防疫及びデータ管理の適切な分野で十分な訓練を
受けているべきである。調査に関わる者は、標本採取法、同定用標本の保存及び輸送、標
本に伴う記録の保持について適切な訓練を受け、場合によっては監査を受けるべきである。
適切な設備機器及び消耗品を使用し、適切に維持するべきである。用いる方法論は、技術
的に妥当であるべきである。
4. 公共診断事業の技術的要件
NPPO は、一般サーベイランスと特定調査の活動を支援するための適切な公共診断事業を提
供し、又はそのような事業を利用できるよう保証するものとなるべきである。診断事業の
特徴は、以下を含む:
-
有害動植物 (及び寄主) の同定に関連する学問分野での専門知識
適切な施設及び用具
必要な場合、確認のための専門家との接触
記録保持のための施設
証拠標本の処理及び保管のための施設
適切かつ利用可能な場合、標準実施手続きの使用。
他の公認当局による診断の確認は、調査結果の信頼性の向上になるだろう。
5. 記録保持
NPPO は、一般サーベイランス及び特定調査から導かれた適切な記録を保持するべきである。
保持される情報は、例えば、特定の有害動植物危険度解析の裏付け、有害動植物無発生地
域の設定、及び有害動植物一覧表の作成など、目的にふさわしいものであるべきである。
適切な場合、証拠標本を寄託すべきである。
記録内の情報は、可能な限り以下を含むべきである:
-
有害動植物の学名及びあればバイエル( Bayer)記号
科/目
寄主の学名及びあればバイエル( Bayer)記号並びに寄生部位又は、収集方法 (例えば誘
サーベイランスのためのガイドライン
-
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引トラップ、土壌試料、捕虫網)
場所、例えば、位置記号、所番地、座標
収集日及び収集者名
同定日及び同定者名
確認日及び確認者名
もしあれば、参考文献
更なる情報、例えば、寄主関係の性質、感染状態、寄生された植物の生育段階、又は温
室内のみでの発見。
品目上の有害動植物発生の報告は、場所若しくは確認についてそれほど明確である必要は
ないが、品目の正確な種類、収集者、収集日、及び適切なら収集手段について正確に言及
するべきである。
有害動植物の新たな発生の報告には、とられた措置に関する情報も含めるべきである。ま
たこのような報告を要請に応じて利用可能にすべある。
6. 透明性
NPPO は、要請に応じて、一般サーベイランス及び特定調査から得た有害動植物の存在、分
布、若しくは不在の報告を配布するべきである。報告は病害虫発生との関係で適切に参照
されるべきである。
サーベイランスのためのガイドライン
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植物検疫措置に関する国際的な基準、ガイドライン及び勧告についての詳細情報並びに現
行刊行物の完全リストについては、下記にご連絡下さい:
国際植物防疫事務局
郵便:
IPPC Secretariat
Plant Protection Service
Food and Agriculture Organization of the United Nations (FAO)
Viale delle Terme di Caracalla
00100 Rome, Italy
ファックス:
Eメール:
+ (39) (06) 57056347
[email protected]
またはウェブサイト閲覧先:
http://www.fao.org/WAICENT/FaoInfo/Agricult/AGP/AGPP/PQ/Default.htm
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