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"花のソコが知りたい!" vol.25 アルストロメリア編

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"花のソコが知りたい!" vol.25 アルストロメリア編
花弁に特徴的な模様をもつ、華やかな姿のアルストロメリア。
花色は赤やピンク、オレンジ、黄、白など豊富な種類があり、
カジュアルなアレンジからブライダルまで様々な場面で活躍します。
基本情報
➤学名
Alstroemeria
➤分類
アルストロメリア科
アルストロメリア属
1753 年に、南米旅行中の
リンネが種子を採取し、
以前はユリ科・ヒガンバナ科に
友人の植物学者である
属していましたが、現在は
アルストロメールにちなんで
アルストロメリア科とされています。
名づけられました。
➤原産地
南アメリカ
チリやブラジルを中心とする南米に、約 100 種の原種が分布します。
自生地の環境は種によって様々で、熱帯雨林の低地からアンデス山脈の高地、さらに湿地から砂漠まで
多岐に渡っています。
かつてインカ帝国が栄えた地域に生息し、
ユリの花に似ていることから、
英名では Lily of the inca(インカのユリ)
インカ帝国が栄えた地域
と呼ばれています。
和名は百合水仙(ユリズイセン)です。
日本には 1920 年代(大正時代末)に渡来しましたが、当時はあまり普及しませんでした。
本格的に栽培されるようになったのは改良種が入ってきた 1970 年代以降です。
栽培
アルストロメリアの栽培は、主にオランダ産の苗を導入し、3~4年ほど据え置きで栽培されます。
採花後も新しい茎が
どんどん生えてきます!
※地中冷房は使用しない場合もあります
アルストロメリアは地下茎が冬の低温に遭遇した後、春から夏にかけて連続して開花します。
しかし、高温で休眠する性質が強く、夏の高温を受けると秋には開花が止まってしまいます。
地中冷房とは
冷凍機で冷やした冷却水を、循環ポンプで
地下茎周辺に埋設したパイプを通して循環
させ、地温を 20℃程度に維持します。
冷却水タンク
冷気が伝わり
地温が下がる
地温の上がる時期に使用することで、
開花を連続させ、周年出荷を可能とします。
秋から冬に多日照で、ハウス内の温度と地熱が 25℃を大きく上回らない地域が栽培適地であり、
寒冷地や冷涼地、地中冷却によって地温を制御した海洋性気候の地域で盛んに栽培されています。
主な産地は長野県、愛知県、山形県、北海道などです。
1年中楽しめるアルストロメリアですが、
気温が上昇し始める 3 月頃に、
最も品質の良い状態で出荷されます。
また、3 月は品種のバリエーションも
多くなるためお勧めの季節です!!
多彩な品種
ラブリー
ビューティー
スピリット
アルストロメリアの特徴
ハニーソフィア
グリーンデイ
スポット
アルストロメリア最大の特徴ともいえる、花弁の条斑(スポット)。
これは、花粉を運んでくれる昆虫を呼び寄せるためであると言われています。
現在は品種改良によって、スッポトをもたない“スポットレス品種”が生み出されています。
スポット
アイスクリーム
ポエム
これまでとは一味違う!新しいタイプの品種
ブライズメイド
品種名のブライズメイドとは、
結婚式で花嫁の付き添いを務める女性
のこと。
小さく可愛らしい花を咲かせることが特徴です。
花粉をもたず、夏場でも日持ちが良い品種です!!
白いタイプも!!
パラディソ
スコーピオン
丸弁の品種が主流だったアルストロメリアのイメージを
覆す、細弁で尖ったタイプの“スコーピオン”
その姿と色彩は、まさにサソリのようです!
2014 年からの新しい品種で、
<2015 年度 FLOWER OF THE YEAR OTA 特別賞>
を受賞しました!
最近では花色だけでなく、様々な花姿の品種開発が試みられています。
これからどのような品種が登場するのか楽しみですね!!
アルストロメリアは非常に日持ちの良い花です。
約1週間~2 週間楽しむことができ、
季節によっては20日以上日持ちすることもあるそうです!!
ただし 20℃以上の高温下では、茎葉の黄化や花弁の落下が
起こりやすくなるため注意が必要です。
アルストロメリアの花言葉は、「持続」
「幸福な日々」
「エキゾチック」「未来への憧れ」
「持続」の花言葉は、アルストロメリアの花もちの良さに由来しています。
お部屋に飾るだけでなく、プレゼントにもぴったりのお花です!!
多彩な品種の中から是非お気に入りの花を見つけてくださいね。
参考文献
宇田明
桐生進
宍戸純
長塩由実
著
「花屋さんが知っておきたい花の小事典」
著「花屋さんの花材が全てわかる アレンジ図鑑」
椎野昌宏 小森谷慧 編著「世界の原種 球根植物 1000」
今西英雄
他編集
「花の園芸辞典」
(株)大田花き
品質カイゼン室
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