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クラウド コンピューティング - NECマネジメントパートナー 研修サービス

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クラウド コンピューティング - NECマネジメントパートナー 研修サービス
於:NEC研修センター
クラウド
コンピューティング
2009年6月5日
浜松大学
ビジネスデザイン学部
経営情報学科
向井 和男
クラウドコンピューティング鳥瞰
超大型データセンタ
(H/W、S/W、APP)
高可用性
高度なセキュリティ
アウトソーシング
SaaS
PaaS
HaaS
グリーンIT
コンピュータ群
コンピュータ群
コンピュータ群
(≒電力削減)
H/W高性能化
仮想化
クラウド
ディスク
トップ
PC
ノート
PC
PDA
ゲーム機
ネットワーク
(高速、セキュリティ)
インターネット
スマート
フォン
携帯電話
モバイル
端末
© 2009 Mukai
2
目 次
クラウドコンピューティングとは
2. コンピューティングの歴史
3. アウトソーシング
4. クラウドコンピューティングとその類似語
5. クラウドコンピューティングの基礎技術
6. クラウドコンピューティングのビジネス
(サービス)
7. クラウドコンピューティングの課題
8. まとめ
1.
© 2009 Mukai
3
クラウドコンピューティングとは
4
クラウドコンピューティング関連の発言
エリック・シュミットの投稿
出所:
Eric Schmidt of Google 、Economist特別号「The World In 2007」、2006
Don’t bet against the internet
Today we live in the clouds. We’re moving into the era of “cloud”
computing, with information and applications hosted in the diffuse
atmosphere of cyberspace rather than on specific processors and silicon
racks. The network will truly be the computer.
 Cloud computing is hardly perfect: internet-based services aren’t always
reliable and there is often no way to use them offline. But the direction is
clear. Simplicity is triumphing over complexity. Accessibility is beating
exclusivity. Power is increasingly in the hands of the user.

「今日、われわれは雲の中に住んでいる。われわれ
は、クラウドコンピューティングの時代に移りつつあ
り、それは特定のプロセッサやシリコン・ラックの上に
ではなく、拡散したサーバースペース大気圏の中か
ら、情報もアプリケーションと共に、提供される。ネッ
トワークが真のコンピュータになる。」
© 2009 Mukai
5
クラウドコンピューティング関連の発言
エリック・シュミットの発言
出所: http://www.google.com/press/podium/ses2006.html
August 9, 2006 Search Engine Strategies Conference
Conversation with Eric Schmidt hosted by Danny Sullivan

What‘s interesting [now] is that there is an emergent new model, and you all
are here because you are part of that new model. I don’t think people have
really understood how big this opportunity really is. It starts with the
premise that the data services and architecture should be on servers.
We call it cloud computing – they should be in a “cloud” somewhere.
And that if you have the right kind of browser or the right kind of access, it
doesn‘t matter whether you have a PC or a Mac or a mobile phone or a
BlackBerry or what have you – or new devices still to be developed – you can
get access to the cloud. There are a number of companies that have benefited
from that. Obviously, Google, Yahoo!, eBay, Amazon come to mind. The
computation and the data and so forth are in the servers.
「データ・サービスとアーキテクチャはサーバにある
との約束を始まりとし、サーバは“雲(Cloud)”のどこ
かにある。われわれはこれをクラウドコンピューティ
ングと呼ぶ。」
© 2009 Mukai
6
クラウドコンピューティング関連の発言
グレッグ・パパドポラ/サンマイクロシステムズCTO
出所:
http://blogs.sun.com/Gregp/entry/the_world_needs_only_five (Friday Nov 10, 2006)
「世界にコンピュータは5つあれば足りる」




のBlog
THE WORLD NEEDS ONLY FIVE COMPUTERS
And, no, I'm not paraphrasing something that I bet Thomas J. Watson never
uttered in 1943 anyway. But he should have because, ultimately, he might turn
out to have been right.
Let's see, the Google grid is one. Microsoft's live.com is two. Yahoo!,
Amazon.com, eBay, Salesforce.com are three, four, five and six. (Well, that's
O(5) ;)) Of course there are many, many more service providers but they will
almost all go the way of YouTube; they'll get eaten by one of the majors. And,
I'm not placing any wagers that any of these six will be one of the Five
Computers (nor that, per the above examples, they are all U.S. West Coast
based --- I'll bet at least one, maybe the largest, will be the Great Computer of
China).
I'm just saying that there will be, more or less, five hyperscale, pan-global
broadband computing services giants. There will be lots of regional players, of
course; mostly, they will exist to meet national needs. That is, the network
computing services business will look a lot like the energy business: a halfdozen global giants, a few dozen national and/or regional concerns, followed by
© 2009 Mukai
wildcatters and specialists.
7
クラウドコンピューティング関連の発言
ニコラス・G・カー : クラウド化する世界
【原題】The Big Switch: Rewiring the World, From Edison to Google
第2部 Living in the Cloud

産業革命のインフラの電力と情報革命のインフラのコンピ
ュータのアナロジー

電力[発電]



コンピュータ(コンピューティング)[情報処理]



当初は発電は自社で行っていた。
その後、交流が開発され送電が可能となり、電力は各社で作るの
ではなく買うようになった。
当初は自社でコンピュータを所有していた。
巨大で効率的な情報処理プラントを建設し始めている。
規模の経済が働いている

コストの削減、非コア業務のアウトソーシング
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8
「新情報革命“クラウド”の衝撃」
NHKのクローズアップ現代
1.
2.
(2008年10月15日放送)
ソフトウェアはもういらない。クラウドコンピューティングでは、インタ
ーネット上のコンピュータが全ての処理を行ってくれる。コンピュー
タは手元にあるのではなく、クラウドにある。多額な資金を投じてソ
フトを買う、ソフトを作るから、システムを使う時代になった。クラウド
ではソフトは低コストで使える。
クラウドコンピューティングでは、手元にはキーボードと表示器があ
ればよい。データの保存と処理はクラウドで行ってくれる。
セールスフォース・ドットコム
このソフトは営業支援ツール(CRM : Customer Rerationship
Management)である。
CEOのマークベニオスはクラウドコンピューティングのカリスマとい
われている。
サービスを利用するユーザは、世界4万8000社で、年率5割で成
長している。ここでは、1日に世界中から送られてくる1億5000万
のアクセスを処理している。
コンピュータはSUNのサーバを使用している。
出所: 「新情報革命“クラウド”の衝撃」 NHKのクローズアップ現代(2008年10月15日放送)
© 2009 Mukai
9
クラウドコンピューティングの定義
米ガートナーの定義

米ガートナーでは、2008年1月ころから担当のアナリスト
を集め、それまで見解が分かれていたクラウドコンピュー
ティングの定義について議論を交わしたという。

そこで決まったのが、「膨大なまでに拡大できる、IT
によって可能になる能力が、インターネット技術
を使って外部の顧客にサービスとして提供され
るというコンピューティング・スタイル(A style of

computing where massively scalable IT-enabled
capabilities are delivered as a service to external
customers using Internet technologies)」という定義だっ
た。
「アナリスト個人の見解ではまだ細かな相違があるが、こ
の定義にひとまず決まった」(ビットマン氏)。
出所:【Symposium/ITxpo 2008】「クラウド・コンピューティングは自然の流れ」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080410/298693/
© 2009 Mukai 10
クラウドコンピューティングの特徴

インターネット経由



端末はWebブラウザの切り口


ハードウェアは地上のどこにでも設置可能
ネットワークも進化
パソコン系、携帯電話系
サービスとして提供(利用)


インフラ・コストは変動費、従量課金制 (初期投資不要)
多様なサービス形態(アプリ、プラットフォーム、H/W)


拡張性に富んでいる (高度にスケーラブル)


SaaS、PaaS、HaaS
インフラの容量は増・減ともに極めて弾力的
抽象化されたITリソース


仮想化 (H/W、OS)
マルチテナンシー
© 2009 Mukai 11
理想的なコンピューティング環境
コンピュータは偉大な道具である !
 Who :誰でも
 What :何でも (どんな処理でも)
 When :いつでも (故障なく)
 Where:どこでも (アクセス方法を問わず)
 Why :やりたいことを
 How :いろいろなアクセス方法で
実装においてはアクセス
 How much:非常に安価に
デバイス等の問題がある
 瞬時に、高速で、処理できる
-----------------------------------------
多様なI/Fで、大記憶容量で、高速で、高い信頼性で処理してくれる
© 2009 Mukai
12
コンピューティングの歴史
13
主要な情報技術の発展
1940年
1950年
1960年
1970年
1980年
・パンチカードシステム
・コンピュータ誕生
・商用コンピュータ登場
・オンライン技術
・データベース技術
1990年
2000年
・Web2.0
・クラウド
・パソコンの台頭
・通信の規制緩和
・ダウンサイジング
・マルチメディア
・インターネット
・携帯の普及
コンピュータのスピードは50年で20万倍に
出所:小沢他、『経営情報システム』 に加筆
© 2009 Mukai 14
コンピューティング・パラダイムの変遷
1990
メインフレーム
2000
C/S
2010
Web
クラウド
1964年
IBM System 360
1981年
IBM PC
1991年
1983年
WWW
パソコン台頭
1993年
インターネット商用化 コンピュータ関連技術の集大成
仮想化技術
ブロードバンド
JAVA
© 2009 Mukai 15
経営情報システムの変遷

経営情報システムとは、経営活動を支援するすべての
情報システムである。
人
間
の
労
力
支
援
人
間
の
脳
力
支
援
創造支援
・情報創造 ・エージェント
経営戦略支援・形成
・SIS
経営者支援・意思決定支援
・MIS
・DSS
業務活動支援
・BPR
・EDPS ・オンラインシステム ・ネットワークシステム
時間
出所:小沢行正、情報論とその教育、浜松大学研究論集、2005、pp361-375 に加筆
© 2009 Mukai 16
分解点の変遷(メインフレームからクラウドへ)1
MF
メインフレーム
(MF)
MF
処理
処理
(データ)
(データ)
処理
ネット
ワーク
MF
処理
ローカル
(伝送)
バッチ
ローカル
(伝送)
入力
出力
入力
出力
ダム端末
(ASR33)
ダム端末
ネットワーク
© 2009 Mukai 17
分解点の変遷(メインフレームからクラウドへ)2
サーバ
MMリンク
(マイクロメインフレームリンク)
[パソコンとメインフレームで
データを共有]
MF
データ
ネット
ワーク
サーバ
データ
ネット
ワーク
データ
ネット
ワーク
サーバ
処理
ネット
ワーク
サーバ
データ
データ層
ネット
ワーク
サーバ
アプリケーション層
処理
受注処理
顧客管理
ネット
ワーク
入出力
+処理
GUI+
処理
GUI
GUI
PC
MMリンク
2層型
C/S
3層型
C/S
多層型
C/S
クライアント層
© 2009 Mukai 18
分解点の変遷(メインフレームからクラウドへ)3
データ
ネット
ワーク
処理
ネット
ワーク
端末
ネットワーク
ターミナル
データ
ネット
ワーク
処理
ネット
ワーク
端末
Thin
Client
データ
ネット
ワーク
処理
ネット
ワーク
端末
Web
ブラウザ
© 2009 Mukai 19
分散処理技術
情報処理と端末1
メインフレーム
メインフレーム
サーバ
サーバ
DB層
(データ)
サービス層
(処理)
プレゼンテーション層
(表示)
入出力
機器
ダム端末
PC
MMリンク
PC
PC
C/S(クライアント/サーバ)
© 2009 Mukai 20
分散処理技術
情報処理と端末2
ネットワーク
コンピューティング
クラウド
コンピューティング
サーバ
DB層
(データ)
サービス層
(処理)
プレゼンテーション層
(表示)
入出力
機器
Web
ブラウザ
ネットワーク端末
PC
Thin client
Web
ブラウザ
クラウド端末
© 2009 Mukai 21
クライアント/サーバ システム
プリンタ
データ
ベース
ファイル
ディスク
Web
サーバ
インター
ネット
ルータ
プリント
サーバ
データ
ベース
サーバ
ファイル
サーバ
ディスク
サーバ
クライアント
クライアント
メール
サーバ
ファイア
ウォール
サーバ
LAN
(Ethernet)
クライアント
クライアント
© 2009 Mukai 22
集中処理/分散処理
集中処理
プリンタ
データ
ベース
分散処理
データ
ベース
データ
ベース
データ
ベース
LAN
(Ethernet)
クライアント
クライアント
クライアント
クライアント
© 2009 Mukai 23
LAN上
共有(メール、処理、ドキュメント、データ、機器)
高速
プリンタ
ファイル
(ドキュメント)
データ
ベース
アプリケーション
(処理)
メール
LAN
(Ethernet)
クライアント
クライアント
クライアント
クライアント
© 2009 Mukai 24
WAN上(=インターネット上)
共有(メール、処理、ドキュメント、データ)
LANからWANへ
背景 :ネットワークの高速化
インターネット(プロトコル)の使用
ファイル
データ
ベース
アプリケーション
(処理)
どこても同一
プロトコル
メール
WAN
(Ethernet)
クライアント
クライアント
クライアント
クライアント
© 2009 Mukai 25
多様な端末によるアクセス(情報共有)
場所、用途に応じたアクセス
背景 :Webブラウザの使用
データ
ベース
ファイル
アプリケーション
(処理)
メール
WAN
(Ethernet)
ディスク
トップ
PC
ノート
PC
PDA
スマート
フォン
携帯電話
© 2009 Mukai 26
インターネット・データセンタ(iDC)
データセンタで管理
ファイル
データ
ベース
アプリケーション
(処理)
メール
サーバは企業所有
サーバはDC所有
WAN
(Ethernet)
クライアント
クライアント
クライアント
クライアント
© 2009 Mukai 27
コンピュータ・ビジネス
プレーヤーの変遷
要素 プレーヤ
メインフレーマ
(IBM、DEC)
アプリケーション
アプリケーション
運用管理SW
ユーティリティSW
運用管理SW
ユーティリティSW
データベース
言語
データベース
言語
ミドルウェア
OS
ネットワーク
ディスク
CPU
各社
(代表例)
SAP(ERP)
日立(JP1)
ユーティリティSW
Oracle
クラウドコンピュー
ティング提供者
アプリケーション
運用管理SW
ユーティリティSW
言語
データベース
言語
ミドルウェア
ミドルウェア
ミドルウェア
OS
ネットワーク
ディスク
CPU
Microsoft
Cisco
シーゲート、WD
Intel、AMD
OS
ネットワーク
ディスク
CPU
集中
分散
(ユーザI/F)集中
© 2009 Mukai
28
アウトソーシング
29
ITリソース・アウトソーシングの形態
運用
(HW、SW)
ソフト
(サービス)
インフラ
(HW、OS)
設置場所
(電源、ネットワーク)
アウトソー
シング
アウトソー
シング
自社
自社
アウトソー
シング
自社
自社
アウトソー
シング
アウトソー
シング
自社
アウトソー
シング
アウトソー
シング
アウトソー
シング
自社保有
ハウジング
自社
自社
自社
(コロケーョン
サービス)
アウトソー
シング
マネッジド ホスティング
サービス
ASP/
SaaS
© 2009 Mukai 30
クラウドコンピューティング・データセンタ
アウトソーシング・サービスの形態
ソフトウェア
アプリケーション
所有
所有
所有
利用
所有
所有
利用
利用
所有
利用
利用
利用
自社保有
HaaS
PaaS
SaaS
プラットフォーム
ミドルウェア
(開発環境)
ハードウェア
インフラ
(HW、OS)
SaaS : Software as a Service
PaaS : Platform as a Service
HaaS : Hardware as a Service
© 2009 Mukai 31
データセンタ活用の利点

セキュリティ



物理的
人的
ネットワーク
電源(無停電:自家発電、無停電電源装置)
 耐震構造
 二重化
 データ・バックアップ(遠隔地)

© 2009 Mukai 32
データセンタ活用の利点
初期費用は零
 サービスレベルを下げれば安価
 役務は費用で代替



情報システム作成
運用・保守
中小企業に、特に起業時に、メリットがある
© 2009 Mukai 33
ASPの定義

ASPICS(ASP・SaaSインダストリ・コンソーシアム)による
ASPの定義=『特定及び不特定ユーザーが必要とするシ
ステム機能を、ネットワークを通じて提供するサービス、あ
るいは、そうしたサービスを提供するビジネスモデル』
出所:

http://www.aspicjapan.org/asp/about/index.html
ASP とSaaS を特に区別せず、「ASP・SaaS」と連ねて呼
称することとする。また、ASP・SaaS といった形態で提供
されるサービスを「ASP・SaaS サービス」と呼び、ASP・
SaaS サービスを提供する主体を「ASP・SaaS 事業者」と
呼ぶこととする。
出所: ASP・SaaS における情報セキュリティ対策ガイドライン、
平成20年 1月30日
© 2009 Mukai 34
最近いわれているSaaSとASPの違い
見方を変えると SaaS はこうあるべき

マルチテナント方式 : 規模の経済が働く




SaaS
・・・
当初からSaaSとして設計・製造


管理費が安価
運用が容易(バグ修正が容易、APP&OS)
同時に機能向上(バージョンアップ)
OS
その他
のS/W
カスタマイズが容易(メタデータの利用)
・・・
他のアプリケーションとの連携が容易

他のSaaSあるいは既存アプリと連携して動作すること
を前提に設計、DB/APIの公開
© 2009 Mukai 35
コンピュータ開発・運用業務
とアウトソーシング





企画
分析
設計
製造・テスト
保守




故障対応(H/W、S/W、N/W)
能力不足対応(効率低下への対応)
新機能対応(環境変換への対応)
環境対応(設置場所、電源、熱・音)
運用
 コスト管理、要員管理

© 2009 Mukai 36
クラウドコンピューティング
と
その類似語
37
ユーティリティコンピューティング


情報処理資源(Computer Resource:CPUやストレージな
ど)を電気、水道、ガスのような公共サービス(=ユーティ
ティ)のような感覚で使うこと。料金は使用した分だけ支
払う。 (利用形態に主眼)
1961年にジョン・マッカーシーがマサチューセッツ工科大
学の100周年にあたって語った中で「ユーティリティコン
ピューティング」ということばが使われた。

If computers of the kind I have advocated become the
computers of the future, then computing may someday
be organized as a public utility just as the telephone
system is a public utility… The computer utility could
become the basis of a new and important industry. - John
McCarthy, MIT Centennial in 1961
© 2009 Mukai 38
グリッドコンピューティング


広域ネットワーク上の存在する複数のコンピュータ資源
を一つのコンピュータシステムとしてサービスを提供する
仕組みである。 (物理的構成を主眼)
対象:




演算資源(CPU、メモリなど)の仮想化
データの仮想化
 データベースレベル、ファイルレベル、ブロックレベル
サービスの仮想化(ビジネス)
経緯



1990年頃 メタ・コンピューティング
1997年9月 The Grid
1998年
The Grid: Blueprint for a New
Computing Infrastructure
(編者:Ian Foster , Carl Kesselman )
電力送電網
(パワー・グリッド)
© 2009 Mukai 39
コンピュータ活用の方向
当初は軍用
 次に企業
 次に個人

最近の傾向 (個人所有のコンピュータの増加)
 企業→個人 (従来)
 個人→企業 (最近)


Web2.0
クラウドコンピューティング
© 2009 Mukai 40
CC : Cloud Computing
企業業務とCC化の難易度
アプリケーション例
情報系
基幹系
(業種非依存)
基幹系
(業種依存)
CC化容易 戦略性小 利用者多
メール
グループウェア
SNS
人事管理
物流
購買
SCM
ERP
業種特化
生産管理
技術管理
CC化困難 戦略性大 利用者少
© 2009 Mukai 41
クラウドコンピューティング
クラウドコンピューティング
ユーティリティコンピューティング
(利用形態)
+
グリッドコンピューティング
(物理的構成)
© 2009 Mukai 42
サービス内容からのクラウドの分類
1.
2.
3.
4.
SaaS (Software as a Service)
PaaS (Platform as a Service)
HaaS (Hardware as a Service)
IaaS (Infrastructure as a Service)
DaaS (Data as a Service)
XaaS (Everything as a Service)
© 2009 Mukai 43
利用者から見たクラウドの分類
1.
Personal Cloud (個人向け)
2.
Enterprise Cloud (企業向け)
Business Cloud (ビジネス向け)
© 2009 Mukai 44
サービス提供者から見たクラウドの分類
1.
2.
3.
Public Cloud [パブリック・クラウド]
(サードパーティによる保有・運用)
[データセンタの活用]
Private Cloud [プライベート・クラウド]
(利用組織による保有・運用)
[自社マシーンをクラウド化(仮想化)]
Hybrid Cloud [ハイブリッド・クラウド]
(両者の組合せ)
© 2009 Mukai 45
企業におけるクラウドの比率は?
①各企業の業務内容により、使用場所(クラウド)が異なる
②データの個人持ちは残る。
③場合によってはアプリも個人持ちは残る。
データ
センター
自社運用
パブリック
クラウド
活用
プライベート
クラウド化
© 2009 Mukai 46
企業におけるクラウド上のアクセス
①プライベートクラウドへ直接
②プライベートクラウドへ間接(プライベートクラウド上)
③パブリッククラウドへ直接
④パブリッククラウドへ間接(プライベートクラウド経由)
プライベートクラウド
APP
②
APP
①
ハイブリッドクラウド
パブリッククラウド
④
APP
APP
APP
APP
③
APP:アプリケーション
パブリッククラウド
端末
© 2009 Mukai 47
クラウドコンピューティング
の
基礎技術
48
クラウドコンピューティングの構成要素
グリッドコンピューティング (構成面)
 仮想化技術
ゼン



サーバ仮想化 (Xen、VMware)
ハドゥープ
分散処理 (Hadoop)
ネットワーク技術
 サーバ(コンピュータ)
 運用技術




運用の自動化
負荷分散
無停止でのHW増加・削減
© 2009 Mukai 49
従来の仮想化技術
 仮想化の目的


不足分の補完 (性能を犠牲)
安価に実現 (コストを犠牲)
 仮想メモリ
: 主メモリの仮想化
 仮想OS : OSの仮想化
 仮想マシーン : コンピュータの代替
 仮想ドライバ(プリンタ) : 機器の代替
 仮想ネットワーク : VPN
© 2009 Mukai 50
コンピュータ能力の向上
コンピュータの仮想化
1.
2.
3.
4.
CPU単体の能力の向上
1枚のボードに複数のCPU
複数のボード
複数のコンピュータ
仮想化
© 2009 Mukai 51
コンピュータの構成 (仮想化)
運用・保守
アプリケーション
アプリケーション
アプリケーション
ミドルウェア
ミドルウェア
仮想化
OS
ミドルウェア
・・・
CPU、メモリ
OS
CPU、メモリ
OS
仮想化ソフト
HW(CPU、メモリ)
HW(CPU、メモリ)
© 2009 Mukai 52
クラウドコンピューティング
の
ビジネス(サービス)
53
クラウドコンピューティング
プレーヤと商品
1.
クラウドコンピューティング・センター
1.
2.
3.
2.
コンテナ
1.
2.
3.
新規プレーヤ :Amazon、Salesforce.com、Google
既存ITベンダ :IBM、HP、Microsoft
既存DC事業者 :データセンター運営者
Sun(Project Blackbox)、
HP (POD:Performance Optimised Data Center) など
SIサービス
1.
2.
3.
IBM、HP
SIer
コンサルティング・サービス
© 2009 Mukai 54
クラウド時代のビジネス
主な収入は企業から
 個人は無償に慣れているがスポーンサ不在
(金融バブル崩壊)


クラウド・ビジネス (DC事業者)



クラウドサービス提供
ユーザへのシステム提供
H/W提供 (H/Wベンダー)

コンテナ
N/W提供 (N/Wベンダー)
 端末提供 (PCメーカ、携帯電話業者)

© 2009 Mukai 55
クラウドコンピューティング
の
課題
56
クラウドの普及を阻む10の課題
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
10.
サービスの可用性
ロックイン(データの囲い込み)
データの秘密と監査
データ転送の限界
性能が予測不可能
ストレージの拡張性
大規模分散システムのバグ
迅速な規模変更(拡大/縮小)
悪い評判
ソフトウェアライセンス
出所: Michael Armbrust et al., Above the Clouds: A Berkeley View of Cloud Computing, 2009.2.10, pp14-19
http://www.ventureaccess.com/service/tech_sample.phtml
© 2009 Mukai 57
クラウドを普及させる10の機会
1.
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ビジネス継続のために複数のクラウドを使用
APIの標準化
暗号化、VLAN、ファイアウォールの使用
WANルータの低コスト化、LANスイッチ高速化
仮想化マシーン、フラッシュ・メモリの改善
拡張性のあるストレージの作成
分散VM用デバッガーの作成
マシーンの自動的に規模変更
電子メールなどで悪評を防止するサービスの作成
従量制(使用量に応じた)ライセンス
出所: Michael Armbrust et al., Above the Clouds: A Berkeley View of Cloud Computing, 2009.2.10, pp14-19
http://berkeleyclouds.blogspot.com/2009/02/above-clouds-released.html
© 2009 Mukai 58
クラウドコンピューティング
構成時の考慮点 (DC事業者)
 低コスト化



ソフトはオープンソフト
ハードはコモディティ(汎用コンピュータ)
遠隔管理(管理幅の拡大)
 グリーン化

低消費電力 → これはコスト削減もつながる
 信頼性向上(可用性向上)


=365日24時間サービス提供
無停止でのHW、SWの追加・削除
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まとめ
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まとめ
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クラウドコンピューティングは始まったばかりであ
る。本格化は2、3年後である。
クラウドコンピューティングは従来のコンピュー
ティングの延長上にある。
クラウドコンピューティングの基礎技術は、仮想
化、可用性向上技術である。
パブリック・クラウドコンピューティングのみには
ならない。大企業にはプライベート・クラウドコン
ピューティング(エンタープライズ・クラウドコン
ピューティング)は残る。
即ち、企業にとって、データのセキュリティおよび
高可用性は重要である。
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まとめ (続)
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クラウドコンピューティング・データセンタでは低コ
スト化のために、HWは汎用コンピュータ、SWは
オープンソースを使っている。
グリーンITを考慮したクラウドコンピューティング・
データセンタになる。
データセンタは、危険分散、電力確保などのため
分散された場所設置される。
クラウドコンピューティング関連ビジネスのプレー
ヤには、従来のHWメーカ、SWベンダおよび新規
参入者がいる。
クラウドコンピューティングを意識した新しいビジ
ネスも生まれている。
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まとめ (クラウドコンピューティングとは?)

ユーザの広がりは個人から企業へ(最近の傾向)

Web2.0と同様
 クラウドコンピューティングは従来の延長
レンタル、インターネット、仮想化、分散処理
 ユーザは表示機器のみ保有



コンピュータ(H/W)とアプリケーション(S/W)は借りる時
代に
心配なもの[情報、稼働]は身近に


プライベートクラウドコンピュータ
(ハイブリッドクラウド)
コストとのトレードオフ
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提言
クラウドコンピューティングにおいても競争は必
要である。
 また、クラウドコンピューティング間において移行
が容易であることが必要である。
 クラウドを選択するにあたっては、クラウドの内容
(構成)を知っておくべきである。

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ご清聴有難う御座いました
© 2009 Mukai 65
参考文献
書籍 :
城田真琴、「クラウドの衝撃」、東洋経済新報社、2009/2/6
ニコラス・G・カー(Nicholas Carr)、 訳:村上 彩、“The Big Switch: Rewiring
the World, from Edison to Google”、『クラウド化する世界』、翔泳社、 2008/10/10
日経BP社出版局編、「クラウド大全」、日経BP社、2009/4/27
西田 宗千佳、『クラウドコンピューティング ウェブ2.0の先にくるもの』、朝日新書、
2009/1/13
小池 良次、『クラウド グーグルの次世代戦略で読み解く2015年のIT産業地図、インプレス
R&D 、2009/2/26
林 雅之、『「クラウド・ビジネス」入門 -世界を変える情報革命』、創元社、2009/2/21
雑誌 :
Eric Schmidt, ”Don’t bet against the internet”, The Economist誌 特別号
「The World in 2007」, 2006年初め
The Economist誌 2008/10/23号
日経コンピュータ、「エンタープライズ・クラウド」特集、2009/1/1号
© 2009 Mukai 66
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