Comments
Description
Transcript
日本版スチュワードシップ・コードに係る当社方針
2016年11月21日 株式会社かんぽ生命保険 日本版スチュワードシップ・コードに係る当社方針 株式会社かんぽ生命保険(以下「当社」といいます。 )は、 「責任ある機関投資家」の諸原則《日 本版スチュワードシップ・コード》 (以下「本コード」といいます。 )につき、その趣旨に賛同し、 これを受け入れ、当社方針を公表しております。 当社では、これまで株式の運用について、信託銀行や投資顧問会社等の運用受託機関(以下「運 用受託機関」といいます。 )への委託により実施しておりましたが、今般、これに加え、自家での 運用を開始することといたしました。 これに伴い、当社はこれまでの方針を改定し、本コードの各原則について、今後、以下の方針 で取り組んでまいります。 (原則1)機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを 公表すべきである。 [自家運用における取組み] ○ 当社の国内株式自家運用においては、中長期的な視点で株式投資を行い、投資先企業の状 況把握、目的を持った対話および議決権行使を通じて投資先企業の中長期的な企業価値向上 を促すことを目的としてスチュワードシップ活動を行ってまいります。 ○ 上記の目的を果たすために以下のようなスチュワードシップ活動を行う方針です。 【スチュワードシップ活動の内容】 ① 投資先企業の状況把握 企業訪問や実地調査を含む情報収集を通じ、投資先企業の経営戦略、業績や財務状況、 資本政策、株主還元の方針、コーポレート・ガバナンスの状況等を的確に把握するよう 努めます。 ② 目的を持った対話 中長期的な視点に立って投資先企業の企業価値向上を促すために、投資先企業と建設 的な「目的を持った対話」を継続的に実施します。 ③ 議決権行使 議決権行使においては、議決権行使を行うための基本的な考え方を定めた「株主議決 権行使方針」にのっとり、適切に議決権行使を行ってまいります。 [委託運用における取組み] ○ 当社は、運用受託機関に対し、原則として本コードを受け入れることを期待し、受け入れ 1 ない運用受託機関に対しては、その理由につき十分な説明を求めます。 ○ 当社は、本コードの各原則に関する方針や実施状況につき報告を求め、運用受託機関の状 況を把握するとともに、これを運用受託機関の選定および定期的に実施している評価におけ る一要素として考慮することなどを通じて、当社のスチュワードシップ責任を果たしてまい ります。 (原則2)機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、 明確な方針を策定し、これを公表すべきである。 [自家運用における取組み] ○ スチュワードシップ活動を行うに当たって、当社株主や保険契約者の利益が不当に損なわ れることがないよう、議決権行使等に係る判断は、運用部門で独立した意思決定(※)を行 い、投資先企業との取引関係の有無に関わらず、適切な判断を下します。 ※ 子会社・関連会社・戦略的提携先等を除く [委託運用における取組み] ○ 当社は運用受託機関に対し、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反へ の対応方針について定期的に報告を求めるとともに、利益相反と見られる事象が発生した場 合は速やかな報告を求めます。 (原則3)機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果 たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。 [自家運用における取組み] ○ 当社は中長期的な企業価値向上の観点から、運用担当者が企業訪問や実地調査を含む情報 収集を通じ、投資先企業の状況を的確に把握するよう努めます。 ○ 投資先企業の調査・分析の際には経営戦略、業績や財務状況、資本政策、株主還元の方針、 コーポレート・ガバナンスの状況等の項目を重視し、投資先企業の状況を把握するよう努め ます。 【主な調査項目】 ① 経営戦略 … 中期経営計画の内容や実現性、進捗状況 ② 業績・財務状況 … 事業環境、収益性、財務安定性 ③ 資本政策 … 投資計画や資金調達計画、M&A ④ 株主還元の方針 … 配当性向、総還元性向 ⑤ コーポレート・ガバナンス … 取締役会の構成、監査機能 ⑥ その他非財務項目 … ESG(※)に対する取組み ※ ESG … Environment(環境)、Social(社会)および Governance(企業統治)の頭文字をと ったもの 2 [委託運用における取組み] ○ 投資先企業の状況把握は運用受託機関が行うことになります。当社は運用受託機関に対し、 投資先企業の状況把握への取組みについて報告を求めます。 (原則4)機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業 と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。 [自家運用における取組み] ○ 中長期的な視点に立って投資先企業の企業価値向上を促すために、投資先企業と建設的な 「目的を持った対話」を継続的に実施します。 ○ 具体的には、企業訪問等を通じて投資先企業と「目的を持った対話」を行い、経営戦略、 資本戦略および株主還元策、コーポレート・ガバナンス、情報開示方針等について認識を共 有し、企業価値向上に資すると考えられる場合には当社から問題解決に向けた取組みを促す ことで中長期的な企業価値向上を図ります。 【目的を持った対話における視点】 ① 中長期的な経営戦略 … 中期経営計画や長期ビジョンの進捗と実効性 ② 資本戦略や株主還元策 … ROE(※)改善の施策、株主還元、有効なキャッシュ活用 ③ コーポレート・ガバナンス … コーポレート・ガバナンス強化への取組み、ESG 項目 への取組み ④ 情報開示方針 … 適切な情報開示、対話に対する取組み、ESG 情報などの非財務情報 ※ ROE = 自己資本利益率 [委託運用における取組み] ○ 投資先企業との対話等は運用受託機関が行うことになります。当社は運用受託機関に対し、 投資先企業との対話等の方針と対話の実施状況について報告を求めます。 (原則5)機関投資家は、議決権行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議 決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業 の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべきである。 [自家運用における取組み] ○ 当社は、議決権行使を行うための基本的な考え方として「株主議決権行使方針」を定めて おり、その内容を当社 Web サイトに公表しています。 ○ 当方針が投資先企業の企業価値向上に資するものとなるよう、当該方針は定期的に見直し ます。 ○ 個別議案の行使判断においては中長期的な企業価値向上の観点から企業との対話の結果も 活用します。 3 [委託運用における取組み] ○ 当社は、個別の議決権行使を運用受託機関に委ねますが、その際、「株主議決権行使方針」 を踏まえ作成した「株主議決権行使ガイドライン」を運用受託機関に提示します。運用受託 機関はガイドラインの趣旨を踏まえて議決権行使に関する方針を策定し、これにのっとって 議決権を行使するものとします。 (原則6)機関投資家は、議決権行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしてい るのかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。 ○ 当社は、スチュワードシップに関する取組状況および議決権行使結果について、自家運用 分と委託運用分をとりまとめて、定期的に当社 Web サイトに掲載いたします。 (原則7)機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等 に関する深い理解に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を 適切に行うための実力を備えるべきである。 [自家運用における取組み] ○ 当社は、投資先企業の中長期的な企業価値向上に資するよう、スチュワードシップ活動を 行うため、実務経験、各種研修会への参加、勉強会の実施などを通じ、専門性の高い人財の 育成に努めます。 ○ 常に高いレベルのスチュワードシップ活動を目指すため、社会の動向等を踏まえ、スチュ ワードシップ活動方針の定期的な見直しを行っていきます。 [委託運用における取組み] ○ 本コードへの取組みに関する運用受託機関へのヒアリングや評価を通じて、好ましい取組 事例を蓄積し、これらを運用受託機関と共有することなどを通じて、当社と運用受託機関の スチュワードシップ活動への取組みの向上を図ってまいります。 4