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Vol.16(2013年3月発行)

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Vol.16(2013年3月発行)
関西から 波多野 裕典/工業設計 28 期
平成 24 年9月より、支部長を仰せ付かりました
工業 28 期の波多野です。これまで、約8年ほど
関西支部の活動に携わらせて頂いております。
関西支部自体は、私が関わり始める以前より、支部
の運営側の若返りを計って参りました。それも一重に、
同窓会自体を幅広い層に活用して頂きたいという想いからです。
なかなか、
「同窓会」や「総会」と言われると、畏まったイメー
ジで参加しにくいと思われている方々が沢山いると思います。実
際のところ、そういった部分も運営上多少は存在しますが、実は
とてもフレンドリーでフランクな会です。歴代の支部長や前任の
環境 16 期の近藤さんからしても、私自身はかなり若輩ではあり
ますが、1期生の方から新卒、在校生まで、すべての世代が楽し
める様な支部活動にしたいと考えています。
関西支部では、毎年3月下旬から4月上旬に、大阪城公園で花見
の開催、2年に一度、8月から9月に総会を開催予定です。昨年
の総会では、大学より津田さんにゲストでお越し頂き、
「森の木
琴」の裏話などをご紹介頂きました。通常の活動でも、それらの
2012 年度 通常総会レポート 2012 年度事業の決算報告は、議案通り、可決いたしました(詳
細は HP で確認ください)
。
・収入総額 7,985,665 円 *うち前年度繰越金 5,678,180 円
・支出総額 7,985,665 円 *うち次年度繰越金 4,444,925 円
会費徴収がままならず、繰越金の激減傾向が見え始めており、
2013 年度事業計画は圧縮予算での運用となります。今後の「総
会案内の郵送を中止」する他、会員の御理解とご協力が必要と
なりました。詳細については、本号記事をご参照ください。
渾沌会
渾沌会
りの
ぶ
し
さ
おひ
(九州大学芸術工学部
・九州芸術工科大学 同窓会)
九州大学芸術工学部・九州芸術工科大学
同窓会
渾沌マークは芸術工学のシンボル。
そのデザインは、数年に渉り、幾度か微調整されたが
最終的には創設期の原型に戻った。
●●●●●●● 懇親会 ●●●●●●●
今回は 21 名のなつかしい面々が顔を揃えました。なじみの名誉
教授から近況報告を頂いたり、
関西支部からは<渾沌会> T シャ
ツの即売会を企画してもらったり、あっという間の 2 時間でし
た。ただ、学園祭の前夜祭でもあり、現役参加はゼロ。卒業生
と交流し合える数少ないチャンスですので、万障繰り合わせて
の参加を、次回は期待したいものです。
活動以外でも、若い層に参加してもらいやすい企画や幅広い世代
の方々に興味を持って頂ける様な企画を実行していこうと思って
いますので、軽い気持ちで一度顔を出してもらえれば嬉しいです。
また、数年前から、関西支部オリジナルの渾沌会 T シャツも
制作、販売していて、多方面からなかなかの好評を頂いていま
す。今後もこういった活動を通じて、同窓生同士の絆を深めつつ、
同窓会誌
12
同窓会誌 16
あの日を伝える「タイル絵」と「記念碑」/大橋キャンパス 2012.11.23
Facebook や Web サイトといったツールも上手く利用して、関西
支部のネットワークと活動を盛り上げていきたいと思っています
い
ま
す
よ
う
、
お
願
い
し
ま
す
。
ので、関西在住の同窓生の方々のご協力をよろしくお願いしま
す!!!
細
に
つ
い
て
は
別
途
ご
案
内
を
ご
参
照
く
だ
さ
範
囲
で
の
ご
寄
付
を
賜
り
た
く
存
じ
ま
す
。
詳
き
ま
す
れ
ば
、
諸
事
情
ご
推
察
頂
き
、
可
能
な
会
費
﹄
を
納
入
い
た
だ
い
て
お
り
ま
す
が
、
で
な
お
、
こ
れ
ま
で
会
員
の
皆
様
か
ら
は
﹃
永
年
た
だ
た
だ
、
お
願
い
す
る
ば
か
り
で
す
。
節
約
を
選
択
し
ま
す
。
ご
理
解
と
ご
協
力
を
、
明
日
の
た
め
に
、
私
た
ち
は
こ
れ
ま
で
以
上
の
ま
す
︵
裏
表
紙
﹁
総
会
レ
ポ
ー
ト
﹂
参
照
︶
。
が
、
諸
事
情
あ
っ
て
財
政
が
逼
迫
し
つ
つ
あ
り
の
寄
付
を
募
る
こ
と
な
く
進
め
て
参
り
ま
し
た
お
知
ら
おせ
願と
こ
れ
ま
で
渾
沌
会
の
運
営
に
つ
い
て
は
、
平
時
る
べ
き
姿
を
創
意
工
夫
し
て
参
り
ま
し
た
。
い
で
す
。
学
卒
業
の
新
た
な
会
員
を
受
け
入
れ
つ
つ
、
あ
九
州
大
学
の
統
合
以
来
、
本
同
窓
会
も
九
州
大
二
〇
〇
三
年
一
〇
月
、
九
州
芸
術
工
科
大
学
と
活動報告/本部
2011.11.19 2011 年度通常総会・懇親会の開催
2011.03.01 同窓会報「リメンバー」第 15 号の発行
3
随時 会費管理・徴収検討(在学生名簿の入手事情で督促不能状態)
名簿メンテナンス
2011 年度芸術工学座談会「シゴト道」企画・実施サポート
渾沌会 WEB 活用の活性化∼ F ブックページ立ち上げ
若年層への活動参加促進
活動報告/関東支部
2011.04.04 2011 年度関西支部「定期総会」出席
2011.11.19 2011 年度本部通常総会出席
2011.09.10 新 社会人懇親会開催;キャンプファイヤー&バーベキュー
随時 2012 年度関東支部「定期総会」準備
活動コミュニケーション手法の強化:F ブック「渾沌会関東支部」
活動報告/関西支部
2011.11.19
随時
2011 年度本部通常総会出席
関西支部 Web サイト更新と会員ネットワークの構築
「 新卒者歓迎会」
、
「お花見懇親会」の準備
「 渾沌会 T シャツ」の企画制作∼頒布
みんなで創るWeb 版リメンバー
本部、関東支部、関西支部ともに、リンクしてます
現況(勤務先・住所などの登録情報)は、WEB から更新可能です
今度の総会は 11月開催予定
ご注意◉従来の「案内ハガキでの連絡無し」です メール連絡& 10月の HP をお見逃し無く!
役員改選しますので自薦他薦受付中!『懇親会』だけの参加も大歓迎です!
九州大学芸術工学部・九州芸術工科大学同窓会会報 16 ■同窓会事務局発行 2013.3.1 ■編集長 佐伯 正繁(画像2期)
■取材&写真協力 OB 先生他オールスタッフ
お
名
前
の
公
表
や
領
収
書
の
ご
要
望
に
は
、
個
別
対
応
で
き
ま
す
。
た
し
ま
す
。
ご
協
力
頂
い
た
結
果
は
総
会
に
て
報
告
予
定
で
す
。
な
お
、
寄
付
の
入
金
方
法
な
ど
は
、
メ
ー
ル
お
よ
び
HP
に
て
後
日
ご
案
内
い
寄
付
に
ご
協
力
く
だ
さ
い
2
写
メ
&
ア
ク
セ
ス
で
き
ま
す
。
こ
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コ
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ド
か
ら
サ
イ
ト
閲
覧
は
メ
ー
ル
登
録
や
自
動
的
に
﹁
決
議
権
の
委
任
と
み
な
し
﹂
判
断
さ
せ
て
頂
く
こ
と
に
な
り
ま
す
。
こ
れ
に
伴
い
、
総
会
欠
席
で
、
か
つ
特
に
ご
連
絡
の
な
い
方
は
、
HP
掲
示
と
電
子
メ
ー
ル
連
絡
に
な
り
ま
す
総
会
他
の
案
内
は
﹁
郵
送
を
中
止
﹂
し
1
メ
ル
ア
ド
未
登
録
の
方
は
同
窓
会
サ
イ
ト
﹃
渾
沌
会
﹄
で
ご
登
録
く
だ
さ
い
。
申
し
込
み
要
領
は
二
〇
一
四
年
二
月
に
、
メ
ー
ル
連
絡
&
HP
発
表
予
定
で
す
。
同
窓
会
サ
イ
ト
﹃
渾
沌
会
﹄
で
お
申
し
込
み
く
だ
さ
い
︵
有
償
頒
布
︶
。
な
お
、
印
刷
版
の
入
手
を
ご
希
望
の
方
は
本
誌
は
、
今
後
と
も
ウ
エ
ブ
版
で
ご
愛
読
い
た
だ
け
ま
す
。
こ
の
会
報
の
﹁
郵
送
を
中
止
﹂
し
ま
す
明
日
の
た
め
に
。
「混乱こそ我が墓碑銘」
と深紅の王は言った。
(
「渾沌こそ」とは 遂に言わなかった)
。
工業 25 期、元「九州大学・芸術工学東京サイト」職員 津留 敬文
最初に。2007 年 3 月 30 日∼ 2011 年 12 月まで「九州大学・
芸術工学東京サイト(以下「東京サイト」
)
」という施設が、東京
六本木の東京ミッドタウンのタワー 5F「東京ミッドタウン・デ
ザインハブ(以下「ハブ」
)
」というところ(東京ミッドタウン
とは何か、ハブとは何かはそれぞれの WEB サイト http://www.
tokyo-midtown.com、http://www.designhub.jp をご参照下さい)
にありました。以下の文章を書いているのは、その東京サイト
で 5 年間働いていた者です。東京サイトでは大学 - ハブ間の調整
や、東京サイトにおける色々なイベントのサポート、九州大学
が企画・運営を担当する回のハブ企画展における諸々の業務な
どを担当していました。 そしてまた、1996 年に九州芸術工科大
学芸術工学部工業設計学科を卒業した者です。
2011 年 12 月に東京サイトがハブを卒業して(正確には「閉所」
なので「卒業」という言葉には違和感もあり、また、何かが終
わる事に対するある種その功罪を良くも悪くも美しく(そして
戻った様な気分に成る事も有りました。
そして多分一生忘れられないのは、東日本大震災を東京サイト
間の相対化の要求をも前提として含んでしまうので、余計に自
で経験した事です。ミシミシと音を立ててあの高い建物が揺れ、
ミッドタウンのガーデンエリアが避難した人で溢れかえる光景
信は無くなってしまうというものです)
、出来るだけ視野狭窄を
起こさず(が幾分かは倒錯的になってしまう事も不可避的に含
んでしまう訳ですが)
、兎に角振り返ってみたいと思います(こ
こまでにこれだけの字数を使ってしまうという事自体、相対化
への無意識の抑圧が働いている、ということになりますね。ま
た何をもって「思い出」とするかを定義したい欲望/神経症的
な不安に駆られますが、字数を考慮して割愛します)
。
先ず、東京サイトとはどういう施設かという事を確認しておき
曲表現を要請するというスパイラル構造を持つ)が無意識的に
蔓延する現代社会に於ける手垢に塗れた嫌いのあるこの言葉を
使う事への抵抗も有るからです。と、こう書くと何やら理屈っ
「九州大学・芸術工学東京サイト ( 愛称 :G-PARN)」は九州大学の
故にノンポリに近い立ち位置になるというか・・・。これも団
て錯乱、時々静寂、そして残りは平穏という中で過ごし、そこ
では芸工の先生方、事務の方々、卒業生、現役の学生さん、デ
ザイナーを初め様々な形でハブに関わる方々など本当に多くの
人との出会いが有りました。密度の濃い 5 年間であった事を改
めて実感します。芸工の先生のセミナーなどは、自分が学生に
とここまで書くのに意外に文字数を使ってしまっている(然も
自動筆記的に書いてしまっている)事を考慮し、残りの紙幅を
使い東京サイトの 5 年間をどれ程思い出として相対化出来るか
判りませんが(そしてそれはそこで働いていた自分自身の 5 年
政治的に)隠蔽してしまう、かつ抑圧的に過剰な婉曲表現を良
しとする昨今の風潮(しかも、それはその婉曲表現が更なる婉
ぽく左翼的な感じがすらしますが、私自身は極端な左翼思想は
(勿論極端な右翼思想も)持ち合わせておらず、選挙に於ける投
票行動くらいのアンガージュマンは行います。が、基本的には
ノンポリに近い、いやノンポリに近いという事によりポリティ
カルであろうとするというか、あるいはポリティカルであるが
を伝えられるかを試行錯誤するという日々を、熱狂と狂躁そし
塊ジュニアとしてモラトリアム教育を受けて育った弊害でしょ
うか違うでしょうか。閑話休題。が、大学のお話ということで
なので「卒業」で良しとしましょう)1 年余が経ちます。
ます。
芸術工学研究院が中心となって、UI(University Identity)の確立
に向け、先端的かつ高次のデザインをテーマに、首都圏におい
て戦略的なプログラムに基づく広報および交流活動を行うこと
を目的として東京ミッドタウンに開設されたデザイン戦略拠点
です (
「九州大学・芸術工学東京サイト」web より)
単に九大芸工のサテライトオフィスという位置付けではなく、
戦略拠点である!ぐわし!(© 楳図かずお)という事です。気
合いを感じます。
そんな東京サイトは、2007 年 3 月 30 日の東京ミッドタウン
のオープンに、( 財 ) 日本産業デザイン振興会(現・公益財団法
人日本デザイン振興会)
、( 社 ) 日本グラフィックデザイナー協
会と共にハブの一員としてスタートしました。春の気持ち良い
天気の中、ミッドタウン自体も出来たばかりという事も手伝い、
これから新しい事が始まる。という新学期のようなそわそわし
た感じが懐かしいです。
その後は、九大担当の企画展やハブ合同の企画展(余談ですが、
展示物の搬入作業等で使うミッドタウン・タワーの搬入用エレ
ベーターの階の釦の多さとその待ち時間は驚きます)
、オープン
キャンパス(東京版)等を通じ、東京に如何に「芸工」の感じ
は衝撃でした。その日六本木から 5 時間近く歩いて帰宅した事、
地震発生時家族が全員バラバラでなかなか連絡が着かない不
安、帰宅後に知る東北の津波の被害、週明けの通勤電車の大混乱、
企画展の日程や会期の変更、節電やコンビニから物やミネラル
ウォーターが無くなった事、その後の放射線量を気にしながら
の生活等、2011 年の春から夏の出来事はこれからも大きく自
分に影響すると思います。
以上、全体的に圧縮気味で(勿論その中でまた一部は冗長に過
ぎる、という事は自覚が有ります)ハブでの 5 年間を振り返り
ました。
下のアドレスにて東京サイトの情報と活動の一部は、部分的に混乱
を含む(その情報を管理していたのは私な訳ですが)墓碑銘として、
今も閲覧する事が出来ます。
http://www.design.kyushu-u.ac.jp/g-parn/
本部&支部が総力を結集した会員同士の相互支援システム!
あなたのパートナーを、Web でリメンバーできます!
!
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緊急
集
母校で学び、社会で鍛えたそのパワー。 募
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なにはさておき、全員集合!
ガクセイのガクセイによるガクセイのためのトークバトルへ。
工業設計学科 テーマ
シゴトをえらぶこと、つくること
語り部:平野 由記氏(工業 36 期)& 中村 俊介氏(情報伝達 23 期)
フリーランスのグラフィックデザイナーとして活躍されているウフ
ラボの平野由記さんをお招きして開催した『シゴトをえらぶこと、
つくること』。工業設計学科の担当回ではありましたが、「働き方」
にスポットを当てた横断的な内容となりました。
トークは三部構成。第一部は平野さんの学生時代∼これまでのシゴ
トの話。工業設計学科を卒業してグラフィックデザイナーになる、
という少し変わったルートをたどっている平野さん。直接デザイン
事務所へ行ったという独自の就職へのアプローチ、そして「頼まれ
ていないことをやる」ことが仕事をつくることだという言葉が印象
的でした。
第二部は昨年芸情の回のゲストとして来ていただいた、株式会社し
くみデザインの中村俊介さん(平野さんの学生時代のバイト先の恩
師だそうです)を特別ゲストとしてお招きして対談形式で行われま
した。ともにフリーで活動されているお二人のお話は、特に就活を
控えた学生にとっては興味深いものとなったのではないでしょうか。
うなイベントにはなっていたと思いますし、その点は満足していま
す。シゴト道も今回で 3 回目なので、そろそろその名前も浸透し
てきた頃だと思います。次回はよりたくさんの人に来ていただける
会になることを期待します。
ミサイトでも話題になる程の人気機能となっている。音で世界を変
える、音で人を驚かせたいという目標に向かって、道なき道を進む
のが自分のシゴト道だと語ってくれた四童子さんの信念が伺えた。
実はこの日、一言目に飛び出したのは「今日付けで所属が変わった
んですよ。」という言葉だった。音声の重要性、汎用性を自ら上司
に売り込んだ結果だと言う。これも、企業で働くうえでのひとつの
鍵なのかもしれない。
レポート/嶋田 研人(デザインストラテジー専攻・修士 2 年)
環境設計学科テーマ
新しいまちづくりのススメ
対話から生まれる地域活性化
語り部:山口 覚氏(環境 21 期)
若者が離れ、お年寄りばかり、誰も住まない家々、全国にはこ
のような過疎地域が沢山あります。福津市の津屋崎もかつては
その一つでした。しかし、今はそこに暮らす人たち一人一人が
活き活きとしていて、とても過疎地域であったとは言えない様
な豊かな生活があふれています。その津屋崎に暮らす一人であ
る山口覚さんこそが今回のゲスト。山口さんは大学卒業後、大
手ゼネコンの鹿島建設に入社。仕事で全国の過疎地域の現状を
目の当たりにして、このような地域のために何かしたいと思い
立ち、鹿島を辞め NPO 地域交流センターへ。その後地元福岡
に戻り、今は津屋崎を中心に「対話の力」を使って様々なこと
に挑んでいます。
「あっという間に終わる」
「今日の話は多分あっという間に終わっちゃうよ!」
「人生あっ
という間なんだから、苦労してることもあっという間に終わっ
ちゃうよ!」講演中、山口さんがこうおっしゃっていたのが凄
く印象に残りました。人生は短い、だからこそただお金を稼ぐ
だけの仕事をやっていいのだろうか。山口さんの話す姿を見て
いると、この方は「仕事」ではなく「私事」をしている、そう
私の目には映りました。
嘉山啓さんは、VOCALOID ™の開発秘話を語ってくれた。所属する
研究開発センターではこれからの製品に生かせるような要素技術、
つまり最先端の研究と開発を行っている。VOCALOID ™は、2000
年より開発をスタートした。他社よりも 使える 歌唱合成技術を
目指して開発が進められ、2004 年に発売となる。この開発から発
売に至るまでの道のりも決して平坦ではなかったそうで、会場では
そんな裏話も語ってくれた。こちらに記載できないのが非常に残念
だが、これもシゴト道ならではの来場特典といえるだろう。今や一
大ムーブメントを巻き起こしたこの製品は、演奏するという本来の
楽しみ方に留まらず、聴く楽しみ、共有する楽しみまで人々に与え
ている。歌唱合成というひとつの技術が結果的にひとつの文化を創
り出してしまったのだ。
シゴト道 2012
そして第三部はワークショップ形式で、「自分の仕事をつくる」を
テーマにチームごとに自分たちの特技を活かした会社を作りプレゼ
ンしました。どのチームもぶっとんだ(良く言えば個性的な)会社
となって、楽しみながら仕事に対する考え方を深められたのではな
いかと思います。
今回のシゴト道では、(個人的には)「新たな視点」をキーワードに
人選を行いました。「三年生になったら就活するもの」「卒業したら
会社に入るもの」と考える学生は多いと思います。しかしそれがす
べてではないはずです。今回お越しいただいたフリーで活躍するお
二人の話を通して、「仕事は自分でつくることもできる」というく
らいの柔軟な考え方をもってくれればと思います。
昨年はインハウスデザイナーのゲストをお迎えしましたが、今年は
フリーランスで活躍されているデザイナーの方お二人ということで、
昨年とはまた違ったシゴトとの向き合い方を感じることができたの
ではないかなと思います。去年、今年と両方聞いた方はその違いも
結構楽しめたのではないでしょうか。
今年は工業の担当と合わせてシゴト道のリーダーをさせて頂きまし
た。ゲストにしろ広報手段にしろ、とにかく自分たちが面白いん
じゃないかと思えることを提供していこうとしましたが、魅力を伝
えて人を集めるというのはやはり難しいなぁというのが正直なとこ
ろです。ただ、来て見た人には「おもしろい」と感じてもらえるよ
山口さんのいう「新しいまちづくり」とは?「対話」の持つ力
とは?参加者とのやりとりを交えながら話を伺いました。
「ホンネ」
「取り繕わないで本音で言ってください」最初、笑顔で山口さ
んは今回のイベントに来た理由をそう聞き始めました。現在の
仕事の半分ぐらいは「対話の研修講師」をやっていて、会社の
会議難航の解消や組織改革など対話が重要視されるような内容
の仕事も数多くこなされているそうです。その仕事の根幹には
やはり「本音」というものが大事だと考えているようです。会
場全員の本音の自己紹介が終わっただけで、参加者全員の話を
聞く姿勢みたいなものが同じ方向を向き始めて、これが対話の
掴みなのか!と実感しました。
「発明でまちづくり!」
津屋崎での様々な取り組みで、より新しい暮らし方をどのよう
に提案しているのか?これまた山口さん独特の手法で、
「前提
を疑え」
「何かと何かを足して発明をする」という概念を元に
部活カフェを作ったり、副業を推進したりして、今までにはな
いまちづくりの提案をされています。
シゴト道シリーズ五学科分に全て参加させて頂きましたが、み
なさんに共通しているのは「世間の常識を疑って、シゴトを
自ら作り出している」ということです。誰もしてないことをす
ることは大変怖いです。しかし、たった一度の人生ならそれく
らいやってみてもいいのではないか、どうせあっという間に終
わってしまうのだから。そう私自身のシゴト観をかなり変えて
くれた意義深いイベントでした。
レポート/河村 友(環境 4 年)
音響設計学科テーマ
ボーカロイド TM と AV 機器のウチガワ
音声ってすばらしい
語り部:嘉山 啓氏(音響 24 期)& 四童子 広臣氏(音響 34 期)
多数の卒業生が活躍する 音 の現場ヤマハ ( 株 ) より二人の卒業生
をお招きして開催された本年度のシゴト道。エンジニアというシゴ
ト、企業で働くということ、そしてそこに生きる芸工スピリットを
感じ取ることができた。
これまでに薄型 TV 用 AV 機器の音声信号処理アルゴリズムの開発
と実装を担当されてきた四童子広臣さんは、音響 3 年生が通る鬼門、
口頭試問の勉強をきっかけに音声の面白さに目覚めたという。いい
音とは?という問いに、台詞が聞き取りやすいことなのでは?とい
う視点で機能を提案したのも音声への思い故であろう。最初の社内
会議では却下されるも屈することなく、とっさの判断でデモンスト
レーションを行うなど、2時間にも及ぶ説得を行った。その努力の
末、開発許可を勝ち得たのだ。こうして世に出されたものは、口コ
企業の中で新しいことをするときは必ず否定されるもの、とお二人
は言う。しかし、自分が考え抜いた答えを信じ、逆境にめげずに突
き進んだ二人にエンジニアとしての意地と誇りを感じた。エンジニ
アのシゴトに芸工で学んだことが生きているか?というのがやはり
在学生の気になるところで、パネルディスカッションではそんな質
問が飛び出す。専門的な学びと、演奏や聴能形成などの様々な 音
の経験により、演奏者の視点を持ち合わせて開発することができた
り、ミュージシャンなど使い手の要望をエンジニアリングの言葉に
変換できたりと、強みは多いそうだ。技術開発のウチガワをのぞく
ことができた今回の講演で、学業、遊び、シゴトという三つの点が
つながって見えた学生も多いのではないだろうか。音響生よ、多い
に遊び、多いに学べ!まだまだ世の中には音に関する課題がたくさ
んある。恵まれた 音 の機会を十二分に活用して欲しい。
レポート/荒木 彩可(音響 4 年)
画像設計学科テーマ
コマドリストのシゴト
語り部:竹内 泰人(画像 36 期)
YouTube を通して世界中で話題となった、写真を使った2重コ
マ撮り「オオカミとブタ」
。公園を 24 時間ぐるぐる歩いて写真
撮影された「公園一日」
。フリーランス映像作家として活躍され
ている竹内泰人さんのこれらの作品は、現在画像設計学科に通
う学生ならば、授業で一度は観たことがあるはず。竹内さんは
他にも、武蔵野美術大学の修了作品「魚に似た唄」
、OLYMPUS
PEN Giant の CM、スターバックス 15 周年サンクスメッセージ
等多くの作品を制作されています。
触れて、つながる
語り部:馬場 哲明氏(芸情 3 期)
12 月 15 日土曜日、シゴト道の芸術情報設計学科パートは「触
れて、つながる」をテーマに芸術情報設計学科 3 期生である馬
場哲明さんを講演者に招き、大学教員の業務と馬場さん自身の
研究についてお話を伺いました。
フリーランスで働く人が増えてきているなか、自分たちの年代
に近い人のシゴトの話を聞きたい。そんな思いから、本年度は
竹内泰人さん(CM 制作会社キラメキ)をゲストとしてお迎えし、
馬場さんは、1999 年に九州芸術工科大学に入学し、2003 年に
講演をして頂きました。学部1年生から院生まで、幅広い層の
九州大学芸術工学部芸術情報設計学科を卒業。その後 2008 年
学生が参加していたのが印象的な講演会でした。
より首都大学東京システムデザイン学部助教に就任され、芸術
学生時代は Bugproject に所属し、スカパー 110 というチャンネ
工学をキーワードに、テクノロジーとアートを融合した新しい
ルで放送される映像の5分間の枠を担当していたそうです。昔
ものづくりを目指した研究を行われています。他にも身体接触
から工作は好きだったそうですが、
絵を描くのは苦手な子供だっ
をインターフェースに応用した作品群フレトリックプロジェク
たとか。アイデアで勝負出来て、一人で作れるもの。それがコ
トでは、人間のスキンシップを楽器演奏やゲームインターフェ
マ撮りを作るコマドリストの始まりでした。竹内さんが映像を
イスに取り入れたユニークな作品を発表されています。
作る上で大切にしているのは、見終わった人が腑に落ちる映像
講演は、堅苦しい雰囲気ではなく冗談を交えた緩い雰囲気の中
になるようにオチを作ること。映像の世界にルールを作り、最
で行われました。FabLab というアーティストがエンジニアに、
後にそのルールを破ると、オチとしてインパクトがあるものに
エンジニアがアーティストになりうる時代の中、自分たちで身
なるそうです。
の回りの物をすべて自分たちで作り上げる、大量生産のものを
フリーランスで海外でも活躍している竹内さん。仕事を依頼さ
安く買い幸せになるのではなく、自分好みに作り出し、カスタ
れるようになったきっかけは、YouTube にアップした「オオカ
マイズするという話は、芸工生にも通ずるものがあり、芸工の
ミとブタ」が翌日オススメ動画として世界に配信され、10 日間
設備がもしもっと整えば、ものづくりの幅が広がるのではない
で 100 万回の再生を記録し話題となって、雑誌やテレビの取材
かと感じました。講演の終盤では、馬場さんの最新の研究であ
を受けたことでした。そうして始まったフリーランスでのシゴ
る「Gocen」を見せていただきました。これは、紙に書いた五
ト。監督の奥さんが「オオカミとブタ」の動画を見ていたこと
線譜及び音符をデバイスで読み取り、記述された楽曲を演奏す
がきっかけでシゴトの依頼がきたこともあったそうです。今の
るという研究でした。大人になってから音楽を楽しもうとして
学生がフリーランスとして活躍する為にはどうしたらよいのか。
も五線譜が読めないことを障害にするのではなく、楽譜だけで
一つは、コンテストで大きな賞を取り、名前を広めること。そ
演奏できるシステムを作り、簡単に音楽に触れ楽しんでもらえ
して、多方面で活躍されている芸工の OB に作品を持って営業
れば、もっと音楽を経験することを楽しんでもらえるとご紹介
に行くことも効果的だと、竹内さんはおっしゃっていました。
頂きました
学生時代の活動。
「オオカミとブタ」をはじめとする作品の制作
秘話。武蔵野美術大学と芸工の違い。フリーランスでシゴトを
するということ。ここには書ききれないほど、たくさんのお話
を伺うことが出来ました。最後に、竹内さんから頂いた芸工生
へのお言葉を紹介します。
「芸工生は構造をきちんと考えて、設
計して作っている。理性的だが、ある意味感情に訴えられない
ことがある。生き残る為には、作品に今までにない新しい価値
を付けて作ること。芸工生の強みは、技術の習得だけではなく
幅広い知識を学べ、学んだ上で戦略を立てられることにあると
思う。世の中にないものは何なのか。それを模索して作品を作っ
ていくのが、作品を目立たせる一つの手だと思う。
」
情報パン
イ
フラ
芸術情報設計学科テーマ
講演会後の懇親会で馬場さんは、いつか小学校でも大学のよう
な講義をやってみたい。今の学生よりももっと若い世代に自分
がやっていることをわかりやすく説明できたら、また新たな発
見ができるかもと話されました。講演以外でも面白い話が聞け、
とても貴重な経験になりました。
来年度、またこのような企画が開催されるならば、ぜひ学生の
みなさんには参加してほしいと思います。特に芸術情報設計学
科の卒業生の方々は、様々な方面で活躍している方が多くおら
れるので、自分がこれからどうしたいかを考える、良い機会に
なると思います。
レポート/大屋 佐和子(画像4年)
レポート / 中塚 千裕(芸情 4 年)
会での議決権はない)と位置づけ、会員同様のサービスを提供し
本部から 高祖 智明/画像設計 10 期
ITの活用で、コミュニケーションの
活性化とコストダウンを目指します
2012 年は、コミュニケーションデザインに関わる
私達にとっては、大きな変革の年となりました。離れた人とのコ
ミュニケ−ンツールが、手紙から電報・電話に変わり、さらに電
話から電子メールや NET を介したデータ通信へと移行していく
中、Twitter や Facebook、LINE といった新しいコミュニケーショ
ンツールが次々と登場。日常生活の中では、手紙やはがきを書く
機会は、本当に少なくなってしまいました。
インターネットとのアクセスも、スマートフォンが主流になるに
つれ、よりダイレクト・リアルタイムなコミュニケーションが求
められるようになってきました。渾沌会会員は 1 期生の最年長の
先輩方でさえもまだ 60 代前半。現役ばりばりでネットを使いこ
なす方がほとんどです。
渾沌会としても、これまでの ReMember とハガキという紙メディ
アによるコミュニケーションが主体だったものを変革するタイミ
ングに来たのではとの判断から、先の総会で今後の連絡方法につ
いて提案。2013 年度案内より、電子メールなどに移行すること
を確認いただきました。
渾沌会の Facebook ページも 2012 年より運
用を開始しました。総会の案内やシゴト道の
案内、関東・関西の支部総会やイベント情報
の他、OB の活躍情報などを発信しています。
http://www.facebook.com/kontonkai
中には、総会の出欠連絡を、Facebook のメッセージ機能で送って
くる強者の会員も現れて、それはそれでうまく活用いただいてい
るようです。ウォールへの投稿も大歓迎です。ホームページだけ
でなく、
Facebook等の IT を活用して、
会員同士のより活発なコミュ
ニケーションを支援します。
役員改選のお知らせと立候補の受付
今年は、本部役員任期満了に伴う改選の年です。会員の皆様から
の積極的な立候補をお待ちしています。同じく、改めてご案内差
し上げます 2013 年度総会は、新役員指名ならびに承認の場でも
ありますので、総会への出席もお願いいたします。
九大連合会への加盟を検討してます
王鷲 治雄/環境設計 8 期
本年度の渾沌会の総会 第3号議案で「九州大学同窓会連合会へ
の加入」についてご検討頂きました。結果、連合会との協議、お
よび加入の申し込みを、役員会に一任頂くことをご承認いただき
ました。
募集中
2.加入検討の背景
加入の検討理由は、<新入生の名簿入手が困難>になった現状を
改善したいからです。渾沌会は、新入生を入学と同時に準会員(総
1.
九州大学同窓会連合会とは
九州大学の同窓会は、各学部に同窓会組織があり、その上位団体
として連合会があります。連合会は、10 学部 5 学府の<学部学
府別同窓会>の他に、学部を横断した東京、福岡や学生寮などの
<地域別同窓会>等から構成されています。なお、連合会に加入
していない学部もあります。
ています。入学時に準会員登録とともに、入会金および永年会費
を納入頂いております。統合前は、新入生の名簿データは同窓会
が直接管理できていましたが、統合後は大学管理となり、新入生
の名簿が入手できなくなりました。そのため、入学時に手続きを
完了しなかった未登録の新入生については同窓会で名簿入手がで
きず、卒業後も正会員としての登録も連絡先の把握もできません。
今後の卒業生名簿の整備すら困難です。会費納入についての督促
にも支障を来し、結果として渾沌会の財政ひっ迫を招いています。
こうした中で、九州大学同窓会連合会では全学部の入学者名簿を
管理しており、加入することで学部名簿を共有できることがわか
りました。
3.検討内容
連合会の口頭説明では「会費は無料で、寄付金や協賛金もない」
そうです。しかし、連合会会則第 14 条には、会費納入義務が明
記され、その会計収入が、寄付金・協賛金で賄われている実態から、
将来的には寄付や協賛を求められることも予感できます。
詳細は、http://doso-rengo.jimu.kyushu-u.ac.jp/index.html を参照ください。
事実、数年前の九州大学 100 周年記念事業の時には、連合会への
加入と寄付の協力要請がありました。役員会としては、本来の目
的(会員相互の親睦や、芸術工学の発展に寄与)以外の協力要請
に注意しながら、連合会へ加入をしたいと考えています。今回の
活動結果は、改めて報告させて頂く予定です。
関東から 有座 雅彦/環境設計 7 期
平成 24 年 10 月 27 日の渾沌会関東支部総会で、支
部長に選出された環境 7 期の有座です。私は、7 期
生で、もう卒業生としては古参に入り、大学として、
芸術工学がこの世に生まれてから 45 年も経ち、これか
らは若い同窓生を中心に、同窓会を引っ張って行って貰いた
いとは思っていますが、同窓会一桁世代として、若い人材及び新
鮮な考えを引き出し、生かす支部長として、邁進したいと思います。
本支部は、情報及び意見を遠い拠点である福岡に発信し、今後と
も芸術工学部が発展していくのを援助すると共に、それぞれの卒
業生の人々にとって、その人生において、芸術工学に集った同士
の深い絆で結ばれた気づきの場と云う「認識」を深め、生きた証
をお互い認識し合い、みんなでコミュニケーションを深める場だ
と思います。
1 期生から 5 期生に掛け、すでに 60 歳を過ぎ、社会も高齢化社
会に入り、60 歳以上の今は退職した同窓生を応援する同窓会に
もしたいと考えています。今後は 60 歳を過ぎても、定年後も生
き甲斐を求める人が増えて行く中、人生の生き甲斐を求める同窓
生を、同窓会が支援する役目を持つべきでは?、と思っています。
同時に、経験のある同窓生が、若い社会人を、機会あるごと、サ
ジェッション(Suggestion : 示唆)を与える場を設け、お互いを高
め合う機会を提供できる場としたいとも考えています。
そして、老若男女の個々人のコミュニケーションを深める場を提
供する同窓会に、皆が結集することによって、己自身がこの世に
生まれてきたと云う「生(:せい)
」を考え、個々人の生き方と云
う「使命」を考える機会にし、
「生き甲斐」を共有出来るコミュニ
ケーションの場として、同窓会を活用出来るようにしたいと思っ
ています。
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