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【ペリー提督来航後の資料】
『亜国渡来一件記』 〔刊行年不明〕４冊 写本
Akoku torai ikkenki
（The Coming of Americans）
Manuscripts. 4 vols. Date uncertain.
ペリーは来航するにあたり、和親条約と併せて通商条約の締結を考えていたが、和親条約締結交渉の過
程で通商条約の交渉は後年に見送るとの判断を下していた。
本書は、1856（安政3）年8月3日
（太陰暦7月3日）
に着任して日米修好通商条約締結の交渉にあたったタ
ウンゼント・ハリス初代合衆国駐日総領事と幕閣が、1857（ 安政4）年8月から翌年8月2日
（太陰暦6月23日）
に
かけて交渉を行った記録が収められたものである。詳しくは、水戸家をはじめ諸大名の幕府宛建白書やハリ
ス一行の接待・交渉の記、京都における中山忠能や諸公卿の建白書、江戸京都間の連絡折衝、江戸町触
から伊勢神宮への祈祷文等々が記されているが、編者は未詳である。また、成立年代も明確ではないが、
1858（ 安政5）年以降の幕末期に筆写編集されたものと推測できる。
また、巷間で歌われた戯歌なども収録されていて、当時の世相の一端を窺うことができて興味深い。ちな
みに2、3点紹介すると、
「日本を茶かしに来たか蒸気船たった四はいて夜るも寝さゝす」、
「武具馬具司あめり
かさんとそっと言」、「諸国の大名出し手がないアメリカ殿なら無理もない」。
なお、日米通商条約が締結された1858（ 安政5）年は、奇しくもペリーが63歳で逝去した年であった。
English translation, p.41.
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