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第1章 地域福祉の現状と課題

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第1章 地域福祉の現状と課題
第1章 地域福祉の現状と課題
七尾市地域福祉計画
�Ⅰ 七尾市地域
���地域福祉��福 祉 計 画
地域福祉の現状と課題
1.地域福祉を推進するしくみづくり
【現 状】
地域のつながり
少子高齢化や核家族化、高齢者世帯の増加、利己主義の広がり、価値観の多様化、生活不安の
増大、犯罪や事件の深刻化などを背景に、地域社会のつながりが希薄化し、地域に対する関心が
低下しています。
個人情報
災害時の支援や平時の見守りのための個人情報は、本人の同意を得た上で、町会長や関係者な
どに情報提供を行なっています。
しかし、支援が必要な人の情報がまだまだ不足しています。特に、新興住宅地やアパート暮ら
しの方の情報を、把握することが困難になってきています。いざという時に適切な支援を行なえ
ず孤立する恐れがあります。
緊急連絡体制
まだまだ防犯組織、防災組織が十分に整っていません。
また、体制づくりに必要な各種関係機関との連携が十分にとれていない状況です。
【地区懇談会・作業部会での意見】
○民生委員や地域福祉推進員など、限られた人だけでは支えきれない問題である。
○各町で情報を共有することが大事
○本来は集まる人ばかりでなく、逆に集まらない人をどうするか考えることが大事
【課 題】
人口減少や少子高齢化の進行から、地域のコミュニティ活動が低下する傾向があります。近所
付き合いをはじめとした地域のつながりが弱くなっている状況です。
地域福祉を進めるには、市民一人ひとりのつながりを強め、お互いの信頼関係を築くことが重
要です。地域コミュニティの活性化を図りながら、お互いが支え合えるネットワークづくりを、
更に進めることが必要です。
また、ネットワークから外れた人をネットワークの中へ入れることや、支援が必要にもかかわ
らず、声も出せない人を早期発見し支援につなぐ取り組みも必要です。
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七尾市地域福祉計画
第1章
七尾市地域福祉計画
2.適切な福祉サービスの利用促進
【現 状】
わかりにくい福祉サービス
多くのニーズに応えるため、サービス内容の充実と情報提供に努めてきました。
しかし、福祉サービスの内容が分かりにくい、誰に相談したらよいか分からないといった声が
引き続きある状況です。
福祉サービスに対する苦情
事業者に対してサービス利用者が、苦情や不満を言いにくいため、そのようなときにどこへ行
けばよいのか分からないことがあります。
福祉の総合窓口
障害者・高齢者・児童といった各福祉分野で、総合的な相談が受けられるしくみづくりが進ん
できています。
しかし、各分野の相談窓口が連携した、福祉の総合相談窓口の体制としては十分とは言えませ
ん。
要支援世帯
無収入であったり、病気であったりするにも関わらず、
各種制度の対象とならないいわゆる「制
度の隙間」にいる要支援世帯が存在します。
【地区懇談会・作業部会での意見】
○相談窓口を明確にするための広報活動を続けていくことが必要、特に障害分野
○とりあえず困ったら、連絡する場所が分かればいいと思う。
【課 題】
市民の生活様式や考え方が多様化するとともに、
市民が求める福祉サービスも多様化する中で、
市、事業者、ボランティアやNPOなどによる、さまざまな福祉サービスが提供されています。
しかし、どのようなサービスがあり、どのようにすれば利用できるかなど、利用者側に必要な
情報が伝わっていません。「利用者主体」という考えのもと、情報提供のあり方も含めて、より
利用しやすいしくみを引き続き整えていく必要があります。
また、サービスを利用する側とサービスを提供する側は、対等な立場です。利用者側が、不利
益を被らないよう福祉サービスの質の向上や、苦情処理体制の整備が必要です。利用者の権利擁
護への配慮も欠かせません。
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【現 状】
保育ニーズの多様化
核家族化などから、子どもを生み育てることについては、若い世代を中心に負担感があります。
仕事と子育てを両立する上で、保育園の乳幼児保育や、放課後児童クラブでの学童保育の充実が
求められています。
子どもの居場所
地域の中で、子どもたちの世代間交流や、子どもがともに過ごし一緒に遊ぶ時間が少なくなっ
てきています。
また、地域で子どもを育てていくという連帯意識が、希薄になってきています。
育児相談
親になったときに子どもとの関わり方がわからない、困ったときに相談したり育児の悩みを聞
いたりしてくれる人がいない、相談に行きたくとも行けない、行き先がわからないといった声が
あり、育児相談体制の充実が求められています。
要保護児童
児童虐待は、核家族化などによる地域からの孤立、経済的問題、配偶者間の暴力、心身の障害
や慢性疾患などの問題が子育て不安と重なり、複雑化、深刻化しています。
また、引きこもりや不登校といった、特別な配慮が必要な児童も依然として多い状況です。
障害児を抱える家庭の問題はさまざまであり、子どもが地域でいきいきと生活し、健常な子ど
もとともに成長できるような、ノーマライゼーション(※ 1)を基盤とした環境づくりが求められ
ています。
小児救急医療体制
市内小児科医の輪番制による休日の小児救急医療体制が、医師会の協力のもとで実施されてい
ます。
※ 1 ノーマライゼーション
障害のある人を特別視するのでなく、一般社会の中で普通に生活を送れるような条件を整えるべきであり、ともに生
きる社会こそが自然な状態であるという考え方。福祉の最も重要な理念
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七尾市地域福祉計画
3.安心して生み育てられるしくみづくり
子育て家庭の孤立化
七尾市地域福祉計画
核家族化やプライバシーに対する過剰意識、人間関係を構築する力の低下により、地域の人と
なじめず、身近に話をする人がいない、育児を手伝ってくれる人がいないなどにより、育児不安
や育児ストレスを一人で抱えてしまう状況がみられます。
防犯体制
犯罪などの被害から守るため、地域ぐるみの防犯体制が求められています。
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○地域での居場所として町内会の集会場がいつも開放されていれば、集まれる場所になるので
はないか。
○子どもの下校時に巡回をしている。継続することが大切。
○住宅街ではあるが、子ども会の廃品回収も出来ない状況である。
○世間では、いじめや不登校、自殺、虐待のニュースがある。困ったときにどこに相談すれば
いいのかわからない。
【課 題】
子どもを取り巻く環境は少子化・核家族化・共働き家庭やひとり親家庭の増加など大きく変化
しています。
一方で、家事や育児は母親の役割という慣習が根強く残っています。
また、育児不安などに対する相談機能や育児に関する情報提供の充実、子どもの居場所づくり
や要保護児童などへの社会的支援などさまざまな課題があります。
こうした状況の中、価値観の多様化など生活意識の変化とあわせ、人と人との結びつきや、地
域で子どもを育てていくという連帯意識が希薄となってきています。
男女が対等に責任を負い、仕事と子育てを両立していくためのしくみづくりが必要であり、多
様化する保育ニーズに対応して、保育サービスのより充実が求められています。
子どもを生み育てる基本的な責任は、家族、とりわけ保護者にあるとの認識のもと、次代を担
う子どもが安全安心な環境で健やかに生まれ育てられるよう、子どもと家庭を地域全体で応援し
ていくしくみづくりが必要です。
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七尾市地域福祉計画
【地区懇談会・作業部会での意見】
七尾市地域福祉計画
4.安心して暮らせるまちづくり
【現 状】
ひとり暮らし高齢者 ( 老夫婦世帯 )
ひとり暮らしの高齢者や老夫婦世帯が、年々増加しています。
元気な高齢者の居場所
高齢化社会の進行とともに、元気な高齢者も増加しています。多くの高齢者は、
生きがいを持っ
て地域で暮らし続けることを望んでいます。
虐待や消費者被害
介護疲れや経済的問題などによる家庭や施設内での虐待などについて、その実態は把握しにく
く潜在的に存在することが予想されます。
また、振り込め詐欺などの消費者被害にあってしまう高齢者といった新たな問題も出てきてい
ます。
地域での孤立化
高齢になると閉じこもりがちになり、孤独感や疎外感を感じやすいものです。年齢を重ねると
ともにその傾向は強くなり、地域とのふれあいや活動の機会も少なくなってしまいます。
また、自宅で介護する家族、障害者、失業などによる生活困窮者も同様の傾向があると思われ
ます。
自立した暮らし
従来あった家族による介護力が低下していく中で、介護保険制度、障害者福祉制度が地域での
自立した生活を支える福祉サービスの充実に移行してきました。
しかし、実際に地域で生活するためには地域で支え合う力が重要ですが、そういった力が現実
には弱まってきています。
【地区懇談会・作業部会での意見】
○近所に高齢者がいるが、普段から声を掛け合っているせいか何かと気になるもの。
ちょっとした様子も気になり見に行くこともある。気配り心配りが大切だと思う。
○見守りの対象が顔なじみの場合はいいが、顔も知らない、行事にも参加しないような人の見
守りは困難だ。
○外に出にくい人を、支援していかなければならない。地域の人が、ボランティアで協力して
欲しい。
○昔に比べると、近所づきあいの関係が薄れてきている。10年後はどうなっているか心配だ。
○障害のある人は、施設が拠点になるなど活動の場が限定されてしまう。
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【課 題】
時には助け合えるような地域コミュニティの形成が望まれます。
また、家族が仕事などに出かけ昼間は、高齢者だけになる世帯も多くみられます。
公的な支援サービスが受けられないような世帯への支え合いのサービスを、どう行っていくか
が地域福祉において重要になってきます。
元気な高齢者が集い交流できる場を設けることは、介護予防にもつながり、高齢者の社会参加
という観点からも必要です。
多くの市民は、住み慣れた地域で暮らすことを望んでいます。支援が必要な人を地域で特別視
するのではなく、社会の一員として町会など地域社会への積極的な参加を促すことが重要です。
また、安心して暮らすためには、さまざまな問題が発生したときに早期発見し相談、援助がで
きるような体制づくりが必要です。
(高階公民館 お達者クラブ
保育園児との焼き芋づくり)
(高階公民館 スカットボール)
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七尾市地域福祉計画
高齢化が進行していく中で、元気な高齢者が支援を必要としている高齢者を支え、何かあった
七尾市地域福祉計画
5.人にやさしい環境づくり
【現 状】
生活環境
障害者や高齢者などすべての人が安心して生活し、社会参加できるようにするための道路、公
共交通機関、建築物等のバリアフリー(※ 1)環境の整備がまだまだ整っていない状況です。
交通手段
市中心部、市周辺部に関わらず、地域活動を行う際には、移動の足となる交通手段の不足に悩
まされています。特に、車の運転ができない障害者や高齢者などにとっては、地域で生活する上
で重要なポイントになります。
【地区懇談会・作業部会での意見】
○外に出にくい人を、支援していかなければならない。
○高齢化が進み運転免許証の自主返納を奨励している一方、交通機関が減少し、病院などに行
くのも非常に不便となっている。高齢者の足となる交通手段が少ないため、孤立化の原因のひ
とつとなっているのではないか。
○バスの本数も減って、へき地の人たちが特に困っていると思う。
【課 題】
高齢者や障害者などが地域で生活するためには、交通手段、道路、施設利用時の不便さの解消
が重要な課題です。
※ 1 バリアフリー
障害のある人が社会生活を送っていく上で障壁となるものを除去すること。道路、建物、交通手段など物理的なもの
だけでなく、社会的、制度的、心理的なものも含めた全ての障壁をなくし、全ての人が自由に社会活動に参加できる社
会をめざすこと。
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【現 状】
生活習慣病の増加
食生活の乱れ、運動不足、ストレス、喫煙、飲酒などの日常生活習慣を原因とした生活習慣病
(悪性新生物・脳血管疾患・心疾患・糖尿病など)が、引き続き増加する傾向にあります。
生活習慣病の原因
学童や成人・高齢期に肥満傾向がみられ、成人の健康診断で循環器系の異常が認められる人が
約30%を占めます。
肥満が原因と考えられる高血糖の人が引き続き増加する傾向にあります。
生活習慣の変化
朝食を欠食したり、牛乳・乳製品・野菜・果物の不足やおやつ・甘い飲み物の取り過ぎなど、
食品の取り方に偏りが見受けられます。
また、子どもの身体を使った遊びの機会が減り、車社会ゆえの運動不足が、どの年代にも当て
はまります。
そして、社会構造の著しい変化によるストレスを感じている人が増加しています。
【課 題】
子どもから高齢者までが、生涯にわたって健康を増進し、健やかな人生を送るためには、一人
ひとりが生活習慣への関心を深め、自分の健康状態を知り、健康づくりに取り組むことが必要で
す。
市は、その取り組みを支援するために、公的サービスの提供に加え、食産業や運動施設などの
民間企業をはじめ、関係機関との連携が重要になります。
また、市民が日頃の暮らしの中で、運動習慣、食生活改善などの健康づくりを実践しやすくす
るため、自主的な健康づくりグループへの支援や、健康まちづくり推進員 ( ※ 1) とともに地域ぐ
るみで健康づくりを行えるような支援体制の整備が必要です。
※ 1 健康まちづくり推進員
健康づくり推進員、食生活改善推進員、健康運動普及推進員の3つの健康づくりに関するボランティア組織で、健康
のための良い生活習慣と環境づくりに取り組んでいる。
健康づくり推進員は、健康のための良い生活習慣と環境づくりのために栄養・運動・休養指針にそって、健康まちづ
くり活動に取り組んでいる。
食生活改善推進員は、生活習慣病の予防や健康の保持・増進のため、各個人や地域の栄養課題に見合った望ましい食
生活の普及活動や食環境づくりを行っている。
健康運動普及推進員は、運動を通して市民の健康に対する関心を高め、健康増進に向けた主体的な活動を行っている。
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七尾市地域福祉計画
6.健康づくりの支援
七尾市地域福祉計画
7.地域福祉を支える人づくり
【現 状】
地域を支える力
ボランティア保険の個人加入者が毎年増加していることから、何らかの形で世の中の役に立ち
たいという意識が広がってきていることがわかります。
しかしながら、何をしたらいいのかわからないという思いを持っている人がおり、実際の活動
につながらない状況にあります。
担い手
地域活動をリードする町会役員や民生委員などのなり手が不足しています。
活動情報の共有
個々のボランティア活動相互の情報が共有化されていないことから、連携した幅のある活動に
結びついていない面がみられます。
元気な高齢者
団塊の世代が定年を迎え、地域においては元気な高齢者が増えています。まだまだ高齢者と呼
ぶには早いこの年代は貴重な人的資源 ( ※ 1) になりえますが、地域における受け皿がない状況に
あります。
【地区懇談会・作業部会での意見】
○町会長や、民生児童委員のなり手がいない。
○世話人になるのを嫌がり、自分の跡継ぎがいない。自分は複数の役を兼務している。
○一番知識があり時間に余裕のある世代は、定年退職後から65歳くらいまでの方、その世代
に焦点をあてて地域の活動について考える場を作ってはどうか。
【課 題】
地域活動を進めていくためには、活動を担う人材や、活動の中心となるリーダーを育てるとと
もに、市民がボランティア活動や地域活動について学んだり、体験したりする機会が必要です。
市社会福祉協議会は、地域福祉を推進する中核的団体として地区社会福祉協議会と緊密に連携し、
幅広い市民の参画を得て地域福祉を推進していく必要があります。
※1 人的資源
すぐれた研究員や熟練した労働者がもつ能力の経済的価値を、ほかの物的資源と同じように生産資源の一つとみなし
ていう言葉
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【現 状】
地域の支え
多くの人々は、高齢になっても障害があっても、誰もが住み慣れた地域で安心した生活を送る
ことを望んでいます。
また、自分の能力を最大限に生かしながら地域の活動に参加し、地域の人々と交流することを
希望しています。
しかしながら、地域で助け合う取り組みが充分とは言えない状況です。
差別や偏見
障害者に対する差別や偏見はまだまだ根強く残っています。それが原因で障害者自身も、閉じ
こもりがちな傾向にあり、ふれあいの機会が少ない状況があります。
【地区懇談会・作業部会での意見】
○住民は、福祉のことに関心を持っているように思えるが、実際は一部の者しか関心を持って
いない。子どもから高齢者まで福祉に関心を持てるような福祉教育を、積極的に取り組むこと
によって、お互いを支えあう気持ちが育まれるはずである。
○福祉について深く考える機会を、提供するような取り組みが必要
○地域の人の理解と協力がないと、高齢者や障害者が地域で生活しつづけることは難しい。
【課 題】
地域福祉は、一人ひとりがそれぞれの生き方を尊重しながら、誰もが対等な関係で住み慣れた
地域で暮らしていくものであるという意識のもと、全ての市民が地域社会に参加できるようなし
くみづくりが必要です。
そのためには、小さい頃からの福祉教育や体験の機会を設けることも重要になってきます。
また、障害のある人とない人との間の「心の壁」を取り除くことが大切であり、一人ひとりが
障害や障害のある人への理解と関心を深めることが欠かせません。
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七尾市地域福祉計画
8.支え合う意識づくり
七尾市地域福祉計画
9.こころのレクリエーション
【現 状】
子どもから高齢者までの生涯学習
少子高齢化社会や国際化・情報化社会、社会経済の変化により、子どもから高齢者までの生涯
学習の必要性が重要視されています。
また、核家族化による家族機能の低下、地域の連帯意識の希薄化などを背景におこる、児童や
高齢者虐待、在宅生活の不安などを防ぐためにも、地域や家庭の福祉力、教育力の再生が問われ
ています。
社会教育、生涯学習をとりまく環境も大きく変化しており、地域ぐるみで子どもを育てていく
ことが求められるようになってきています。
【課 題】
全ての市民が生涯にわたって意欲や興味に応じて、いつでも、どこでも、自由に学ぶことがで
きる機会や学習環境の充実を図らなければなりません。そのためには、家庭・学校・地域などの
協力、連携をより一層深める必要があります。
また、市民一人ひとりが学習活動に参加する意識を高めていくために、情報提供や啓発を積極
的に行っていくことが課題です。
(サンライフプラザで作品展示)
(竹で干支のうさぎづくり)
(ねんりんピック石川2010卓球会場)
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【現 状】
ボランティア活動の拠点
市民のボランティア活動は、市社会福祉協議会内のボランティアセンターがその拠点となり、
各種ボランティア団体の連携を図っています。市民への周知活動として、ホームページの開設な
ど情報発信に努めてきましたが、活動を行っていない市民にはまだあまり知られていない状況が
あります。
地域活動の拠点
日頃の生活範囲内での身近なふれあいの場、話し合いの場があまり無い状況です。
【地区懇談会・作業部会での意見】
○何歳であろうと、高齢者が活躍できる場を作ることが大切である。
○人が集まると日常の情報交換ができ、近辺の状況もわかり有意義だと思う。
○同じ人ばかりが集まるのではなく、そこに行けば自分が何かできると思えるような、楽しくて、
また行きたいと思えるような集いの場所がたくさんあればいいと思う。
○町会の集会所がいつも開放されていれば、集まれる場所になるのではないか。
【課 題】
地域福祉活動を推進するために欠かせないひとつが、地域活動の拠点です。とりわけ小さい規
模の拠点を多く設けることが望まれており、
適当な場所の確保と継続的な運営が大きな課題です。
運営方法、経費、中心的なリーダーなどの問題を克服していかなければなりません。
また、地域福祉活動を支援してきたボランティアセンターは、長年の知識や技術を生かし、具
体的な活動への助言を行っていく必要があります。
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七尾市地域福祉計画
10.地域活動の拠点づくり
七尾市地域福祉計画
11.就労・雇用の推進
【現 状】
高齢者の雇用
高齢者は、健康で生きがいを持って暮らすことを望んでおり、退職後も社会に貢献できるよう
な仕事を求めています。
障害者の雇用
障害者が、地域社会で自立して暮らしていくためには、生活していくだけの収入が必要です。
しかし、支える社会環境は、まだまだ十分ではありません。
【地区懇談会・作業部会での意見】
○障害者には、さまざまな就労制度があるが、そもそも受入れが可能な事業所が少ないため活
用しきれていない。
【課 題】
高齢化の進行とともに、支援を必要とする人が増えることが予想されます。
その一方で、第一線を退いた豊かな知識・技術を持った多くの高齢者が地域社会の構成員になっ
てきます。景気の低迷により、雇用状況は大変厳しい現実が続いているものの、勤労意欲がある
高齢者は貴重な財産であり、高齢者自身の健康保持や生きがいづくりの観点からも、活用してい
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かなければならない社会資源(※ 1)です。
また、障害者の雇用機会の確保も求められており、情報提供も含めたしくみづくりが課題です。
(授産施設における花づくり)
※1 社会資源
福祉ニーズを満たすために活用される施設・機関、個人・集団、知識、制度などの総称のことであり、警察、消防、
社会福祉施設、医療機関、学校、公民館、郵便局、ボランティア、企業などが考えられる。
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七尾市地域福祉計画
この力を、地域においてどう生かしていくかが課題です。
七尾市地域福祉計画
12.地域交流の推進
【現 状】
世代間交流
地域でのつながりが薄くなっていく中、世代間交流ができる行事が大切です。
しかし、実際は年代を超えたふれあいや話し合い等の場が少なくなっている傾向があります。
当事者同士の交流
お互いに尊重し合い支え合って行くためには、年代や国籍、障害を超えた交流を図ることが必
要ですが、現状では、当事者や家族など同じ悩みを抱える仲間との出会いの機会がまだまだ不足
しています。
【地区懇談会・作業部会での意見】
○障害者と地域住民とが、話し合う懇談会があっても良いのではないか。
○行事を通じて住民同士の交流が出来るので、参加してもらうことが大事
○地区の祭りなどは住民の顔ぶれもわかり、とても良い交流の場なので大事にしたい。
○地域の福祉施設と定期的に交流している。
【課 題】
人口減少や近所付き合いが希薄になる傾向から、地域のつながりが弱くなってきています。高
齢化が進み高齢者が増えてきているにもかかわらず、老人クラブの加入者数は減少しています。
このような状況の中で、助け合いやつながりを強める取り組みとして、世代間交流の活動の場
づくりが必要です。
また、地域での居場所を作り、お互いの悩みを相談しあえるような関係作りの取り組みが必要
です。
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