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高齢者ほど室温低下によって血圧上昇しやすい

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高齢者ほど室温低下によって血圧上昇しやすい
最高血圧[mmHg]
高齢者ほど室温低下によって血圧上昇しやすい
居住者属性によって
室温低下時の血圧上昇量が異なる
室温10℃低下時の血圧上昇量
[mmHg]
属性別に
※1
室温10℃
室温 ℃低下時の血圧上昇量を比較
低下時の血圧上昇量
20
*
15
180
160
140
120
血圧上昇量
室温10℃低下
100
0
5
10
15
居間室温[℃]
20
**
10
5
0
-5
*p<0.05, **p<0.01
-10
40歳未満
(n=26)
※1 一元配置分散分析
40代
(n=29)
50代
(n=42)
60代
(n=54)
70歳以上
(n=46)
※2 動脈に中性脂肪がたまって硬くなり、弾力性/柔軟性を失った状態
慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室
(海塩 渉・安藤真太朗)
1
家の寒さで血圧が上がりやすい他の因子
室温10℃低下時の血圧上昇量[mmHg]
60歳以上の居住者の個人属性、生活習慣別に血圧上昇量を比較
20
飲酒
冷え※
p<0.20
p<0.20
脳血管疾患
精神疾患
p<0.20
30
*
25
15
腎臓病
p<0.10
20
10
15
5
10
5
0
0
-5
-5
飲酒なし 飲酒あり 冷えなし 冷えあり
(n=25) (n=69) (n=40) (n=38)
なし
あり
なし
あり
なし
あり
(n=96) (n=1) (n=89) (n=8) (n=94) (n=3)
飲酒、脳血管疾患、腎臓病は動脈硬化の危険因子
動脈硬化が進行しているほど血圧の上昇量が大きい可能性
※ 手足の冷えを感じる頻度が、「よくある」「たまにある」と回答した人を「冷えあり」、「めったにない」「ない」と回答した人を「冷えなし」と分類
慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室
(海塩 渉・安藤真太朗)
2
動脈硬化が進行している人ほど
室温低下で血圧が上がりやすい
室温10℃低下時の血圧上昇量[mmHg]
動脈硬化と正の相関がある脈圧※1別に、室温10℃低下時の血圧上昇量を比較※2
25
*
分類[3]
20
脈圧
40未満
15
至適
10
正常
40~45
正常高値
45~50
軽症
50~60
中等症
60~70
重症
70以上
5
0
-5
*p<0.05
-10
動
脈
硬
化
[3] 日本高血圧学会, 「高血圧治療ガイドライン」, 2009
正常
軽症、中等症
重症
(脈圧50未満) (脈圧50~70) (脈圧70以上)
(n=99)
(n=82)
(n=16)
※1 脈圧=最高血圧-最低血圧
※2 全対象者での分析結果
慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室
(海塩 渉・安藤真太朗)
3
住み替えによる血圧低下量の検証
実測調査から、各断熱性能の居間室温※1の最低値※2を算出
16
*
*
***
モデルによる予測結果
(イメージ)
160
14
12
約5.2℃
10
H11基準
無断熱
170
*
最高血圧[mmHg]
居間室温の最低値※[℃]
18
Ⅱ度高血圧
150
Ⅰ度高血圧
140
約19 mmHg
130
正常高値血圧
正常血圧
8
6
120
*p<0.05 ***p<0.001
無断熱 S55基準 H4基準 H11基準
(n=20) (n=19) (n=7)
(n=9)
至適血圧
110
5
10
15
室温[℃]
20
※1 山口県調査の最低外気温日における起床時の居間室温 ※2 起床時は1日のうち最も室温が低下するため、室温の最低値を分析に使用
慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室
(海塩 渉・安藤真太朗)
4
住環境改善による循環器疾患の発症抑制効果検証
文献調査に基づき、最高血圧と循環器疾患発症の関係を定量化イメージ
× 70
80
心疾患(心筋梗塞, 狭心症)
70
脳血管疾患
発症率[/(1000人・年)]
発症率[人/(1000人・年)]
60
50
40
30
20
60
50
無断熱
40
30
20
10
10
0
0
最高血圧
<120 120-129 130-139 140-159 160-179 180≦
[mmHg]
慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室
H11年基準
S55年基準
H4年基準
最高血圧 110 120 130 140 150 160 170 180 190
[mmHg]
(海塩 渉・安藤真太朗)
5
良好な住まいとコミュニティも健康長寿の秘訣?
住宅
音・光環境
室内温熱環境
清潔さ
危険
コミュニティ 注
自然環境
安全・衛生環境
交通・移動
生活サービス施設
健診・予防施設
付き合い・交流
身体活動
健康
活動量
主観的
健康感
注) 自治体・地域団体等の活動により形成される地域社会等のソフト的要素や、建築・都市・自然環境等のハード的要素の集合体
文1) Stewart G.Trost et al., Correlates of adults’ participation in physical activity: review and update, Medicine &
Science in Sports & Exercise, Vol.34, pp.1996-2001, 2002.12
慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室
(柳澤 恵・安藤真太朗)
6
暖かい家に住んでいる人ほど身体をよく動かす
*
4000
4000
3000
Ex歩数[歩/日]
Ex歩数[歩/日]
n.s.: not significant, *: p<0.10
n.s.
2000
1000
3000
2000
1000
0
0
高(n=15)
低(n=19)
居間で、冬 暖房が効かずに
寒いと感じる頻度
高(n=12)
低(n=22)
寝室で、冬 寒くて眠れない頻度
寒さを感じる頻度が少ない⇔ Ex歩数が多い
注1) 常勤でない、1日の在宅時間が3/5以上の対象者 注2) 有:よくある、たまにある/無:めったにない、ない の合計
慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室
(柳澤 恵・安藤真太朗)
7
魅力的なまちに住んでいる人ほど身体をよく動かす
*
**
5000
4000
Ex歩数[歩/日]
Ex歩数[歩/日]
5000
3000
2000
1000
0
4000
3000
2000
1000
0
悪い
良い
(
n=21)
( n=37) ( n=23)
( n=13)
健診に利用しやすい医療機関の充実度
*: p<0.10, **: p<0.05
*
**
悪い
良い
( n=7) ( n=27) ( n=52) ( n=30)
興味がひかれるきれいな、楽しい景観
コミュニティの質が高い⇔Ex歩数が多い
注) 在宅時間5以上の対象者を除く
慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室
(柳澤 恵・安藤真太朗)
8
良好な住まいとコミュニティも健康長寿の寄与
評価(4段階)が1増加すると
身体活動を行う確率が2.4倍
強い身体活動の有無
住宅
影響度※
コミュニティ
※個人属性(性別、年齢、居住年数、在宅時間、移動手段)による影響を調整
慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室
(柳澤 恵・安藤真太朗)
9
初年度の冬季調査と宿泊
初年度の冬季調査と宿泊体験プログラム
宿泊体験プログラムの
体験プログラムの目的
住民と協同したアクションリサーチ
① 自宅の環境
自宅の環境と健康の関係について知る!
の環境と健康の関係について知る!
② モデル住宅と、自宅の違いについて知る!
住民と
共に実施
研究者だけでなく、梼原町の
、梼原町の住民
と共に
実施
研究者だけでなく
、梼原町の住民
健康推進員は、
調査で明らかになったことを町全体に普及する“語り部”
調査で明らかになったことを町全体に普及する“語り部”に!
“語り部”に!
住まいと住まい方の改善に
住まいと住まい方の改善による
住まい方の改善による
健康長寿の
健康長寿の実現
長寿の実現!
実現!
慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室
10
環境と健康に配慮した体験型木造モデル住宅
モデル住宅(梼原町下組)2010年
年2月完成
月完成
モデル住宅(梼原町下組)
モデル住宅(梼原町松原)2010年
年2月完成
月完成
モデル住宅(梼原町松原)
健康文化の里・環境モデル都市ゆすはらモデル住宅パンフレット(2010年5月発行)より
慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室
11
モデル住宅での体験宿泊学習(2013.2.15-26)
参加者への説明
室内の様子
下組モデル住宅(標高520m)
松原モデル住宅(標高260m)
血圧測定の様子
慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室
宿泊体験アンケート
(安藤真太朗・海塩 渉・柳澤 恵)
12
自宅訪問による温湿度・熱画像・血圧・心拍等測定
自宅訪問
温湿度計の設置①
熱画像の撮影
温湿度計の設置②
慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室
13
モデル住宅の方が自宅よりも起床時血圧が低下
170
起床時の最高血圧[mmHg]
165
最高血圧[mmHg]
160
155
150
6mmHg
145
自宅(室温最低日)
モデル住宅
160
150
140
130
120
110
100
140
0
モデル住宅
5
10
15
20
25
自宅
血圧測定時の居間室温[℃]
慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室
(安藤真太朗・海塩 渉・柳澤 恵)
14
自宅とモデル住宅の脱衣所・浴室の熱画像測定
浴室床表面温度 10.5℃
自宅の脱衣室・浴室
浴室床表面温度 20.7℃
モデル住宅の脱衣室・浴室
慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室
(安藤真太朗・海塩 渉・柳澤 恵)
15
温度差の少ない住宅では入浴時の負担が軽減
(70代の男性の結果)
20%増
%増
40%増
%増
室温の低い自宅での入浴時には、心拍が急上昇している
慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室 (海塩 渉・安藤真太朗)
渉・安藤真太朗)
16
自宅とモデル住宅の寝室の熱画像測定
寝室床表面温度 7.2℃
自宅の寝室
寝室床表面温度 21.0℃
モデル住宅の寝室
慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室
(安藤真太朗・海塩 渉・柳澤 恵)
17
モデル住宅では起床時の心拍上昇が抑制
(70代の男性の結果)
10%増
%増
30%増
%増
モデル住宅では、起床直後の急激な心拍上昇が生じていない
慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室 (海塩 渉・安藤真太朗)
渉・安藤真太朗)
18
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