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非専門家の予測は専門家の予測とどう違うか?

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非専門家の予測は専門家の予測とどう違うか?
ESRI Discussion Paper Series No.227
非専門家の予測は専門家の予測とどう違うか?
飯塚信夫・河越正明
November 2009
内閣府経済社会総合研究所
Economic and Social Research Institute
Cabinet Office
Tokyo, Japan
ESRIディスカッション・ペーパー・シリーズは、内閣府経済社会総合研究所の研
究者および外部研究者によって行われた研究成果をとりまとめたものです。学界、研究
機関等の関係する方々から幅広くコメントを頂き、今後の研究に役立てることを意図し
て発表しております。
論文は、すべて研究者個人の責任で執筆されており、内閣府経済社会総合研究所の見
解を示すものではありません。
The views expressed in “ESRI Discussion Papers” are those of the authors and not those
of the Economic and Social Research Institute, the Cabinet Office, or the Government of
Japan.
非専門家の予測は専門家の予測とどう違うか?*
(社)日本経済研究センター
飯塚信夫
内閣府経済社会総合研究所
河越正明
2009 年 11 月
概要
予測を専門としないエコノミストに対し、2007 年 10―12 月期、2008 年 1−3 月期、2008
年度の実質GDP成長率、CPI上昇率について、ESPフォーキャスト調査と同時期に
予測値を尋ね、双方の結果を比較した。極めて短期の予測や統計の癖のような特殊要因の
把握では専門家の方が優れているが、年度予測値といった大きな不確実性がある場合には
むしろ非専門家の方が優れていた。非専門家は足元の延長として予測する傾向があるもの
の、使用する情報集合の異質性のためか、予測のバラツキが大きい。こうした結果は、実
質GDPのように不確実性の大きな変数や期間の長い予測については、非予測専門家がも
つ異質な情報を活用することにより、専門家の予測から作成されるコンセンサス予測の精
度が向上する可能性を示唆するものと考えられる。
*
本稿は、平成 19 年度内閣府経済社会総合研究所委託調査報告書の中の 1 章として準備されたものに、加
筆・修正を加えたものである。本稿の作成過程では、期待形成等研究会(座長:小峰隆夫法政大学教授)
や ESRI セミナー(2009 年 3 月 30 日)において頂いたコメントに感謝する。とりわけ、ESRI セミナーにおけ
るコメンテイター 村澤康友氏(大阪府立大学)に感謝する。もちろん、残された誤りは全て著者たちの
責任である。
1
“How Different Are Non-specialists’ Forecasts from Specialists’?”
Nobuo IIDUKA
Senior Economist, Japan Center for Economic Research
Masaaki KAWAGOE
Special Fellow, Economic and Social Research Institute, Cabinet Office, Government of Japan
Abstract
This paper conducts a survey asking economists, but not specialists of forecasting, to submit
their forecasts of real GDP growth and CPI inflation rates for 2007Q4, 2008Q1 and FY 2009,
and compares the responses with the corresponding results of the ESP forecasts, a monthly
survey of professional forecasters.
The specialists turn out to be superior to the non-specialists
in foresting for very short time period, especially predicting changes due to time specific factors.
The non-specialists seem to tend to extrapolate recently available data, but their heterogeneous
information sets are likely to make their forecasts scatter wider apart than specialists’.
This
may imply a possibility that the heterogeneous information held by non-specialists could
improve accuracy of the consensus forecasts calculated from specialists’ forecasts.
2
1.はじめに
コンセンサス予測は、概して個々のフォーキャスターの予測よりも優れた成績を残すこ
とが多い。これは、米国データについて成立する経験的事実である。この理由は、理論的
にはポートフォリオ理論の分散投資と同じである。すなわち、完全な予測というものはな
く、各予測にはそれぞれ見逃している点があるので、種々の予測を組み合わせることはリ
スク分散を図ることに他ならない1。
この経験的事実は、日本においても確かめられる。経済企画協会が実施している「ES
Pフォーキャスト調査」(以下、「ESPF」と呼ぶ。)の発足後5年間のデータをみると、
各年度ともコンセンサス予測の成績は参加者 40 人弱の中で 10 位以内の順位となる2。ただ
し、河越 (2007a) によれば、コンセンサス予測の成績が比較的良好なのは、これが常に大
きく間違わないことに起因し、実現値は予測値の集合からみるとしばしば「外れ値」のよ
うな結果になっている。この結果を素直に解釈すると、予測専門家の予測にはバイアスが
あるので、もっと異質な情報を取り込むことにより予測パフォーマンス改善の余地がある
ことになる3。筆者達の経験では、エコノミストの間では一般の人の予測が役に立つかどう
かという点については懐疑的な見方が強くあるように感じる。しかし、米国では専門家と
一般の人の CPI 予測は、
同じように正確であるという結果が得られている(Mankiw, Reis, and
Wolfers, 2004)。こうしたことから、予測の専門家以外の人の見方がどれ位役立つか検討す
ることには一定の意義があるものと考えられる。
本稿の目的は、具体的には、予測専門家の予測がもつバイアスを非専門家の予測によっ
て小さくできるかどうかを検討することである。具体的には、予測専門家以外の者に対し
てサーベイ調査を行い、彼らの予測値が予測専門家の予測値とどう異なるのかを検討し、
予測専門家がもつ情報集合に異質な情報を加えることによってコンセンサス予測の精度を
向上させる可能性があるか否かを探る。
本稿の構成は、次節で関連する研究を展望し、それに基づく非専門家へのサーベイ調査
の調査票の設計を検討する。第3節はサーベイ調査結果を分析する。第4節は分析結果を
まとめ、残された課題を整理する。
2.調査票の設計
2.1 関連分野の展望
2.1.1 コンセンサス予測の意義付け
もし、世の中に完全な予測というものがなく、コンセンサス予測が優れたパフォーマン
スを示す理由が分散投資と同じであるならば、調査対象を狭く限定することは賢明でない。
1
例えば、Armstrong (2001) などを参照せよ。なお、組み合わせる際のウェイトについては算術平均ではな
く、最適ウェイトを理論的には求めることが可能であるが、経験的には単純な算術平均の方がしばしばよ
い成績となる。Timmermann (2006) のサーベイを参照せよ。
2
例えば、2004∼08 年度のコンセンサス予測のパフォーマンスを参加エコノミストの中で評価すると、そ
れぞれ 5 位、8 位、6 位、9 位、7 位である(経済企画協会 HP 参照)。ESPF の経験については、Komine, Ban,
Kawagoe and Yoshida (2009)を参照せよ。
3
もうひとつの含意は、コンセンサス予測がもつ不確実性は、予測専門家の提出する点推計値の集計から
は過小評価される傾向があることである。この点を踏まえESPFにおいては、2008 年 6 月調査から、コ
ンセンサス予測のもつ不確実性を表せるような調査方法の改善が行われた。詳しくは河越(2008)を参照
せよ。
3
専門家のみならず広く一般に意見を求めれば、これまで見逃されていた情報も捉えられる
かもしれない。もちろん、その情報をもつ人の予測には大きな誤差があるかもしれないが、
誤差同士を相殺することは可能である4。これが調査対象を拡大することを正当化する議論
である。
実際、多くの人の意思決定を集約した結果が割合正確である例は多数ある。こうした例
は、「大衆の叡智」(原題の直訳5)と題された Surowiecki (2004)に数多く収められている。
株式市場の効率性の例としては、市場がチャレンジャー号墜落事件の原因を正しく予測し
たと分析している Maloney and Mulherin (2003)が興味深い。
株式投資を行うのに資格制限があるわけではなく、株式市場は広く情報を集めた上で価
格形成を行う場となっている。この場合は、市場において成立する価格が、情報を持って
いる投資家に保有する情報を提供する誘因を与える。この点においてサーベイ調査では正
しい情報を出す誘因にかけるが、例えばパフォーマンス評価結果を公表すれば、名声
(reputation)を通じた効果で、誘因の不足をある程度補うことが可能性かもしれない。ただし、
株式市場の効率性は予測誤差が独立であることが必要であり、投資家の期待が一方向に振
れるような状況(バブル、大暴落)にはこうした前提が成立しないことに注意が必要であ
る。
2.1.2 予測市場
予測市場(prediction markets)とよばれるマクロ経済変数を対象にした一種の賭け市場が存
在している6。2002 年 10 月にドイツ銀行とゴールドマン・サックスが導入した Economic
Derivatives 市場がその代表的なものである。Gurkaynak and Wolfers (2006)によれば、データ
の蓄積が不十分で小サンプルのため統計的に有意とまではいえないものの、幾つかの指標
でみてサーベイ調査によるコンセンサス予測と同等若しくはそれを上回る精度を示してい
る。予測市場では実際に金銭の取引があることがコンセンサス予測より優れた結果を残す
一因となっているかもしれない。
2.1.3 サーベイ調査
限られた専門家ではなく、広く一般に個々人の意見を集めるサーベイ調査は色々ある。
内閣府が実施しているものだけでも、消費動向調査、ウォッチャー調査、国民生活モニター
調査などが存在する。Hori and Shimizutani (2003, 2005) は国民生活モニター調査を分析して
いるが、彼らの問題意識は期待物価上昇率7にどのような要因が影響しているかであり、実
現値からみて期待物価上昇率がどの程度よい予測値であるかということは検討していない。
そこで、消費動向調査が尋ねる1年後の物価見通しについて期待物価上昇率を試算する
4
その程度は誤差の分散共分散行列次第である。
邦訳書の題名は『「みんなの意見」は案外正しい』とかなり意訳されている(小高尚子訳、角川書店 2006
年)。
6
予測市場については、Wolfers and Zitzewitz (2006)、竹田(2007)、水田(2008)などを参照せよ。
7
モニターは、日頃よく購入する財・サービスが 1 年間にどの程度上昇するか、という問に対して数値で
回答することを求められている。なお、サーベイ調査では、回答者は通常、選択肢で示される幅を選ぶこ
とが多く、数値で回答するのは本調査の特徴となっている。
5
4
と8、図表 1 が示すように足元の実績値9を少し上回ってほぼ平行に推移しており、期待形成
が足元の物価動向に大きく左右されていることがうかがえる。期待物価上昇率を1年先の
実績値と比較すると、両者にあまり相関がない。2008 年の原油価格の高騰による物価上昇
は、やはり期待を上回るものであったことが確認できる。さらに、2007 年半ばまでほぼ一
貫して1%程度の物価上昇率を予測しており、合理的とはいえない期待形成が長期にわ
たって持続していたことがわかる。
(図表1
CPI上昇率:実績値と消費者動向調査による予測値の比較)
この統計の例が示すように、広く意見を集約することによって、常に予測を改善できる
とは限らない。しかも Hori and Shimizutani (2003, 2005)が示しているように、0%近傍に回
答が集中している10。つまり、広く一般の消費者に尋ねたからといっても多様な意見が集ま
るとは必ずしも言えない。
他方、Mankiw, Reis, and Wolfers (2004) によれば、Michigan Survey of Consumer Attitude and
Behavior、Livingston Survey、Survey of Professional Forecasters の3つのサーベイ調査の物価
上昇率の予測は、どれも同程度に正確であった。Michigan Survey は一般の人、Survey of
Professional Forecasters は予測専門家を対象にしており、Livingston Survey は予測専門家のみ
ならずより幅広いエコノミストを調査対象にしている。
こうしたことを踏まえれば、幅広く意見を求めることにより予測専門家の見方を補完で
きるかどうかを検討することは意義あることと考えられる。そこで、予測専門家の情報集
合にはない異質な情報を取り込む試みの第一歩として、予測以外の分野を専門とするエコ
ノミストに予測を尋ね、その結果がどのように ESPF と異なるのかを検討することとした11。
2.2 調査票の具体的設計
上述のような問題意識から、エコノミストの中でも経済の実態の動きに興味のある学者
やビジネス界のエコノミストを対象とすることとし、具体的には景気循環学会の個人会員
171 名を対象とした12。
調査の実施に当たっては ESPF の結果との比較可能性を考え、ESPF の 2007 年 12 月、08
年 1 月、2 月の3回の調査と同時に調査票を配布・回収することとした。調査票は、回答者
の属性を尋ねるとともに、質問項目は回答者の負担を考えて ESPF よりもかなり絞り込み、
実質GDP成長率、CPI(生鮮食品除く総合。以下、「コアCPI」と呼ぶ。)上昇率、
金融政策の変更の 3 項目とした。
8
同調査では、
「▲5%以上低下」、「▲5%未満▲2%以上低下」、「▲2%未満低下」、「変わらない」、「2%未
満上昇」、「2%以上 5%未満上昇」、「5%以上上昇」の 7 つの選択肢から回答を選ぶことを求められる。そ
れぞれの選択肢を▲5%、▲3.5%、▲1%、0%、1%、3.5%、5%に数値変換して、総世帯の回答割合(
「分
からない」という回答は他の7つの選択肢に按分)をウェイトにした加重平均を期待物価上昇率とした。
9
厳密には、回答時点では当月の実績が出ていないので実績の見込みというのが正しい。
10
これは”digit preference”と呼ばれ、サーベイ調査ではよく見られる。たとえば Curtin (2006)などを見よ。
11
なお、Hori and Kawagoe (2009)では消費動向調査の個票を用いて一般の人による物価上昇率の予測を検
討している。
12
景気循環学会の詳細については、学会 HP(http://www.jabc.jp/c01.html)を参照せよ。本アンケート調査の
実施に当たり、同学会理事会からご了解頂いたことに対しここに謝意を表する。
5
実質GDP成長率については、2007 年度後半の 2 四半期(07 年 10∼12 月期、08 年 1∼3
月期)について季節調整済年率の成長率、翌 2008 年度の成長率の 3 項目のみを尋ねた。コア
CPI上昇率についても同様の 3 項目(ただし、四半期予測は前年同期比)のみとした。
金融政策の変更については、利上げまたは利下げが何月に行われるかを質問した。
さらに回答者の負担軽減のために、最初の 2 項目の質問の際には、回答時点直近までの
実績を示すとともに、回答については選択肢を示してマル印を付けてもらうようにした。
実際の調査票の例として、第 1 回目(2007 年 12 月調査)の調査票を最後に付録として示して
いる。
3
非専門家と専門家の予測特性
3.1 回答者の属性
本調査では、回答者に対して、経済予測の担当の有無をあわせて尋ねている。具体的に
は、(イ)現在、経済予測を担当している(以下、「予測担当中」と呼ぶ。)
、(ロ)以前、経
済予測を担当していたが、現在は担当していない(以下、「予測経験者」と呼ぶ。)、(ハ)
経済予測を仕事として行った経験はない(以下、「予測未経験」と呼ぶ。)――の中からひ
とつを選択する。
(図表2
回答者の属性)
図表2に示したように、計3回の調査における非専門家の回答率は3割強。この中で、
何らかの形で経済予測に関わったことのある回答者(=予測担当中+予測経験者)は、2007
年 12 月調査、08 年1月調査、08 年 2 月調査ともに 32 人。回答者に占める比率は、それぞ
れ 59.3%、54.2%、55.2%と、予測実務に詳しいと考えられる回答者が半数近くを占めてい
る。このように、同じ非専門家であっても、予測実務に詳しい回答者と、未経験者の回答
には違いが出る可能性がある。以下では、回答者全体、回答者の中の予測担当中+予測経
験者(以下、
「非専門家(予測経験あり)」と呼ぶ。
)、回答者の中の予測未経験者(以下、「非
専門家(予測経験なし)
」と呼ぶ。)に分けてデータ分析を行う。
3.2 実質GDP成長率の予測
3.2.1 平均値の比較
実質GDP成長率について、2007 年 12 月、2008 年1月、2008 年2月の各調査時点につ
いて、専門家と非専門家の見通し平均を比較すると、2007 年 10−12 月期については最初の
2回では両者の平均見通しはほぼ同じである(図表3(1))。しかし、2008 年2月調査では専
門家平均 1.36%に対して非専門家平均 0.89%と違いが現れ、
この差について検定を行うと、
10%有意水準で平均が等しいという帰無仮説が棄却された13(図表4(1))。
(図表3
13
予測値の平均)
図表4の検定結果については、その前提となる諸条件が必ずしも満たされていないことに留意が必要で
6
(図表4
平均の差の検定結果)
2008 年 2 月調査においては、専門家は超短期経済予測と呼ばれるGDP成長率の事前予
測を実施していることが影響していると思われる。これは、内閣府のGDP推計方法にで
きる限り近い形で、生産など様々な基礎統計の情報を積み上げるものであり、景況感から
成長率を見通すというよりも、データの積み上げの要素が大きい。07 年 10−12 月の各種基
礎統計には、意外と堅調な数値が少なくなかった。例えば、鉱工業出荷指数は前期比 2.0%
上昇し、07 年7−9月期の同 2.1%上昇とほぼ変わらぬ伸びであった。ここから類推すると、
07 年 12 月 7 日に公表された 07 年7−9月期の四半期別GDP速報(2次速報)は年率 1.5%
であったので、2008 年1月調査時点で専門家、非専門家ともに予測していた年率1%程度
という伸びは、やや弱いと判断できたであろう。こうした様々な基礎統計の情報を織り込
んだ結果、専門家の 07 年 10−12 月期成長率見通し平均は、08 年2月調査で前月調査 1.01%
から 1.36%と上方修正された。
一方、非専門家は 08 年2月調査で 07 年 10−12 月期の成長率見通しを前月調査の 1.03%
から 0.89%に下方修正しており、これは調査時点で急速に悪化していた景況感を受けて予
測を変えたものと思われる。超短期経済予測というややテクニカルな予測手法に慣れてい
るか否かで非専門家の中でも違いが出てきそうであるが、08 年2月調査では非専門家(予
測経験あり)
、非専門家(予測経験なし)ともに、07 年 10−12 月期の成長率見通し平均は
下方修正している。
2008 年1−3月、2008 年度の見通しについてはどの調査時期でも、非専門家見通しが専
門家の見通しをはっきりと下回っている。平均の差の検定を行うと1%有意水準で帰無仮
説が棄却される。さらに、非専門家(予測経験あり)と非専門家(予測経験なし)の見通
しには統計的に有意な違いがないが、どちらも専門家の見通しとは有意に異なっている
(1%有意水準)。
こうした差が生じた要因として、以下の二つが考えられる。まず、改正建築基準法の影
響についての見方の違いである。改正建築基準法の施行の影響もあって 07 年 10−12 月期
の住宅着工戸数は年率約 100 万戸へと大きく減少した。その後の 08 年1−3月について、
非専門家は、景気減速もあってここから回復しないと考えているのに対し、専門家は改正
建築基準法のマイナスの影響が減衰して住宅投資が持ち直すことを織り込んでいると推測
される。なお、ESPF2008 年2月調査で新設住宅着工戸数が 2007 年 7−9 月期実績であ
る年率 120 万戸に回復する時期を尋ねる特別調査を実施したところ、2008 年度前半までに
回復すると見ている者とそれ以降にずれ込むと見ている者は、それぞれ半数であった14。非
専門家(予測経験あり)の者は、専門家の中の悲観派に属している可能性も示唆される。
もう一つの、そしておそらくより重要な要因として、「うるう年要因」が考えられる。う
るう年調整をしていないので QE は高めになるという見方が予測に携わっているエコノミ
ストの間では多かったが、非専門家にはあまり認識されていなかったのではあるまいか。
ただし、これについては3つの留意点がある。まず我々の解釈では、非専門家の中で予測
ある。以下、本文中の同図表に係る記述について同様であり、詳細は同図表の注を参照せよ。
14
有効回答者 30 人のうち、2008 年4−6月期、7−9月期はそれぞれ 11 人、4人と併せて半数であった。
なお、2009 年中に回復しないという悲観的な回答者も6人いた。
7
経験のある者であってもうるう年要因を見逃していることになるが、これが妥当かという
問題である。次に、一般のメディアでもうるう年が成長率に与える影響について事前に報
道しているので、予測の非専門家でも情報を入手することは可能であったと考えられるこ
とである。最後に、QE を作成・公表している内閣府経済社会総合研究所国民所得部の見解
は、そもそも QE にはうるう年による明確な影響が認められないのでこの要因を調整してい
ない、というものである15。
3.2.2 予測誤差
以上を踏まえ、予測平均の誤差の大きさ(絶対値)を見てみよう。なお、誤差を計算す
る際の実績は、一番最初に利用可能となる公表値を用いることとした16。07 年 10−12 月期
については非専門家の平均見通しの方が 2007 年 12 月調査で 0.17 ポイント、2008 年 1 月調
査で 0.02 ポイントだけ誤差が小さかった。特に、非専門家のうち予測経験なしのものの平
均値のパフォーマンスは、専門家を 2007 年 12 月調査で 0.59 ポイント、2008 年 1 月調査で
0.15 ポイントも上回った。しかし 08 年1−3月期については、おそらくうるう年要因など
を織り込んでいた点で優位に立つ専門家が、3回の調査を通じて1ポイント程度非専門家
よりも小さい誤差となっている。
2008 年度の実績値は▲3.5%と、金融危機による世界同時不況によってマイナス成長と
なった。特に年度後半は二桁のマイナスであり、後で検討するように、これほど悪い経済
の姿を調査対象期間中に予測することは極めて困難だったのではないかと思われる。結果
的には、3回の調査とも約 0.5%ポイント低い成長率を予測していた非専門家の方がよい成
績となった。
予測誤差からわかることは、まず、専門家の予測が常に優れているわけではない。実際、
9回中5回で非専門家の方が誤差が小さい。ここには、第1節で論じたような「分散投資」
の効果があらわれている。具体的には、MAE(mean absolute error)を専門家と非専門家それ
ぞれについて計算すると、2007 年 10−12 月期で非専門家の優位は 2007 年 12 月調査で僅か
に 0.03 ポイントであり、2008 年 1 月調査では専門家より悪い成績である17。それにもかか
わらず、平均値で見ると非専門家の方が誤差が小さくなる点が重要である。
3.3 コアCPI上昇率の予測
3.3.1 平均値の比較
15
ただし、うるう年の要因の大きさについては、色々な考え方がある。斉藤(2006)は、うるう年要因は成
長率を 0.5 ポイント程度押し上げる可能性を示唆している。また小峰(2008)の事後的な分析によれば、08
年1−3月期の実績 3.3%からうるう年要因を除くと 2%程度と、1ポイント程度の修正幅になる。
16
実質 GDP 成長率については、1次速報の後、何回も事後改訂が行われ、かつその改訂幅が大きいこと
から、何が「実績」かというのは実は難しい問題である。2002 年 7 月から 2007 年 2 月までに公表された
1次速報 24 の事後修正を分析した河越(2007b)によれば、1次速報の平均値が 2.5%のところ、2次速報へ
の修正の MAE は 0.7 ポイント、サンプル期間における最新値への修正の MAE は 2.1 ポイントであった。
ただ、市場が注目するのは一次速報であること、また、専門家は一次速報を当てようと予測をしている
ことから、年に1回行われる ESPF の参加フォーキャスターのパフォーマンス評価においては一次速報を
実績として用いている。本稿もそれにならい、実績としては一次速報を用いる。
17
2007 年 12 月は専門家 2.684、非専門家で 2.658 であり、2008 年1月はそれぞれ 2.688 と 2.872 である。
8
コアCPI上昇率についても同様の比較を行おう。ただし、08 年2月調査では、調査票
配布時点で実績が判明していた 07 年 10−12 月期見通しは尋ねていない。
07 年 10−12 月期は、実質GDP成長率と異なり、07 年 12 月調査、08 年1月調査ともに
専門家と非専門家の予測に統計上有意な違いがある(図表3(2)、4(2))。07 年 10 月、11 月
の実績値が判明していた 2007 年1月調査段階でも両者の見通し平均に有意な差があったの
は、07 年 11 月から 07 年 12 月にかけてのコアCPI上昇率の変化が大きかったことに一因
があると考えられる。
四半期のコアCPI上昇率は、月次統計の積み上げで比較的正確な予測が可能である。
07 年 12 月のコアCPI上昇率は、石油製品の値上がり幅拡大を主因として、11 月の 0.4%
から 0.8%と 0.4 ポイントも高まった。こうした上昇率の加速は、11 月時点で利用可能な東
京都区部中旬速報により、専門家にはある程度予測可能であったと思われる。実際、東京
都区部の 12 月中旬速報は 0.3%で 11 月確報の 0.1%から 0.2 ポイント高まった。さらに 10
月までは東京都区部と全国の乖離が 10 月までは 0.1 ポイント程度であったのが、11 月に 0.3
ポイントに拡大している。地方ではエネルギー消費が大きい18ことからこの乖離がまだ続く
と考え、仮に 12 月の全国の値を 0.6%と予測した場合は、10−12 月期は 0.4%(=
(0.1+0.4+0.6)/3)となるので、「0.25∼0.5%」のレンジにモードが移るのはきわめて自然であ
る。つまり、非専門家においては先行指標となる東京都区部中旬速報の情報を活用してお
らず、それは予測経験のあるなしにかかわらず共通に見られる現象であった。
一方、08 年1−3月期見通しは、07 年 12 月調査、08 年1月調査では専門家と非専門家
で有意な違いがあったが、08 年2月調査では両者の違いがなくなっている。専門家見通し
平均は 0.76%、非専門家見通し平均は 0.75%で、07 年 12 月実績の 0.8%とほぼ同水準であ
る。07 年 12 月のコアCPI上昇率の拡大が大幅だったことで、08 年 1 月から3月の先行
き3ヵ月の月次の上昇率により一層大きな上昇を見込むことが困難となり、専門家と非専
門家のコンセンサスが近づいた可能性があろう。この中でも、非専門家(予測経験なし)
が 0.26%から 0.80%へと大きく上方修正しており、大胆に予測を修正するという特徴が現
れている。
さらに、08 年度見通しは 07 年 12 月調査、08 年1月調査では、専門家と非専門家に有意
な違いはないが、08 年 2 月調査で専門家と非専門家の違いが有意になった。非専門家の見
通し平均は 0.79%と、08 年1−3月期見通しの 0.75%とほとんど違いがないのに対し、専
門家の 08 年度見通しは 0.51%と、08 年1−3月期の 0.76%よりも低くなっている。
つまり、
四半期予測の上方修正については専門家と非専門家の間でさして大きな差はなかったが、
これを年度平均の上方修正とすることについては、専門家は非専門家に比べて慎重であっ
た。これは非専門家が足元の状況の延長で年度平均を考えがちであるのに対し、専門家は
サプライズに対してこれが一時的なショックなのか、それとも永続的なものなのかを見極
めようとし、これが慎重さにつながっているのかもしれない。結果として、足元の石油製
品による押し上げがはく落する要因を、専門家は重く見ていたことになる。
3.3.2 予測誤差
18
例えば、2007 年 11 月 27 日開催の月例経済報告等に関する関係閣僚会議での配布資料を参照せよ。
9
以上から予測平均の誤差の大きさをみると、コアCPI上昇率については、同時期の実
質GDP成長率でみられた非専門家の優位性があまりみられない。これは非専門家の予測
からコンセンサス予測を計算する際に得られる「分散投資」のメリットを、専門家のもつ
情報の優位性が上回った結果と解釈できる。07 年 10−12 月期、08 年1−3月期を通じて
計5回とも専門家より非専門家の誤差が大きい。
ただしそれでも 08 年1−3月期については、2008 年 2 月調査において非専門家(予測経
験なし)のコンセンサス予測が最も誤差が小さい点が注目される。前述した通り、この時
期に予測の不確実性が高まっていたと推察され、分散投資効果が発揮されたと考えられよ
う。実際、MAE では非専門家(予測経験なし)0.284 と専門家 0.244 よりも悪い成績だが、
平均値では逆に 0.04 ポイント下回っている。
非専門家の役割が期待されるのは、不確実性の大きくなる年度予測についてである。2008
年度の実績は 1.2%と高い上昇率となった。07 年 12 月調査では専門家の誤差が小さいが、
これに続く2回、とりわけ大きな上方修正の見られた2月調査には非専門家の方がよい成
績を収めた。MAE をみると、08 年1月調査では非専門家の方が専門家よりも大きいが、予
測値平均では非専門家の方が 0.28 ポイントより正確である。また、08 年2月では非専門家
の優位性は MAE では 0.15 ポイントであるが19、予測値の平均では 0.28 ポイントとより大き
くなっている。
以上をまとめると、非専門家が専門家を上回る成績を収めたのは8回中2回であり、こ
れが非専門家(予測経験なし)では8回中4回となった。
3.4 標準偏差および回答分布の比較
3.4.1 実質GDP成長率予測
次に、専門家と非専門家の見通しの標準偏差や回答の分布全体を比較することで、平均
値からは得られない両者の予測の特性をつかむことにしよう。
まず実質GDP成長率見通しの標準偏差をみると、いずれの調査時点、どの予測対象に
ついても、専門家見通しより非専門家見通しの標準偏差が大きい。これは、我々の想定す
るとおり、非専門家見通しの予測がより異質な情報を取り込んでいる可能性を示唆するも
のと考えられる(図表6(1))。
2007 年 10−12 月期見通しの分布をみると、2007 年 12 月調査では平均の差から推測され
るように非専門家(予測経験なし)の見通しは、専門家や非専門家(予測経験あり)より
も右側に分布している。2008 年 2 月調査では専門家と非専門家(予測経験あり)は分布が
ずれており、専門家の方が全般的に高めの予測をしていたことが確認できる。しかも、非
専門家(予測経験あり)の予測は「0.75%超 1.25%以下」に3分の1が集中しており、超短
期経済予測の知識が意見の集約をもたらしたと思われる。結果的にはこれによって専門家
との分布の差が統計的に有意となった(Kormogorov-Smirnov test)(図表6(1))。
しかし、平均値でみても分布全体でみても有意な差はないが、専門家と非専門家(予測
経験なし)の分布はあまり似ていない。非専門家(予測経験なし)の予測分布は 07 年 12
月、08 年1月調査よりも 08 年2月調査で山が低くなり、ばらつきが大きくなっている。非
19
MAE は非専門家 0.555、専門家 0.701 である。
10
専門家(予測経験なし)は超短期経済予測の知識は十分にないこともあり、景気が急減速
する中で 07 年 10−12 月期の見方が大きく分かれたと推察される。
(図表5
図表6
予測値の標準偏差)
実質GDP成長率見通し分布の変化
(1) 2007 年 10−12 月期
(2) 2008 年1−3月期
(3) 2008 年度
2008 年1−3月期については、平均値での観察と同様、専門家と非専門家の予測分布の
違いが鮮明であり、この違いは統計的にも有意である(図表6(2))。専門家は2%台の見通
しが多く、減速が見込まれた 2007 年 10−12 月期の成長率が、2008 年1−3月期にリバウ
ンドすると考えていたようだ。しかし、非専門家は、このリバウンドをあまり見込まない
上にばらつきが大きく、マイナス成長という回答も多い。なお、専門家では 2007 年2月調
査になって 2.5%超の予測が大きく減った。これは、2007 年 10−12 月期成長率が上方修正
された影響だけでなく、景気の先行きに対して専門家も弱気になってきたことを映じてい
ると思われる。
非専門家を予測経験ありと予測経験なしにわけてみると、多くの場合、分布が双峰型に
なるなどばらつきが大きい点が特徴的であるが、分布全体として両者に有意な差はない。
2008 年度成長率をみると、モードが 07 年 12 月及び 08 年1月調査では専門家、非専門家
とも「1.75%超 2.25%以下」で同じであるなど、見方はある程度似ているが、専門家の見通
しが狭いレンジに集中しているのに対して、非専門家の見通しはばらついていることが特
徴的である(図表6(3))。この集中度の違いから、両者の分布の差は統計的に有意なものと
なっている。非専門家の内訳をみると、予測経験の有無にかかわらずバラツキが大きく、
分布に大きな違いは無い。実績値は▲3.5%であったが、マイナス成長を予測していたのは、
専門家では皆無であり、非専門家では 2007 年 12 月調査で3人、08 年 1 月調査で2人、08
年 2 月調査で1人存在しているにすぎない。
3.4.2 コアCPI上昇率予測
コアCPI上昇率についても、見通しの標準偏差は専門家より非専門家の方が大きいと
いう傾向があり(図表5(2))、これは分布をみても明らかである(図表8)。この大きなバ
ラツキが、専門家と非専門家の分布が有意に異なる一因となっている。
さらに、2007 年 10−12 月期見通しについては、専門家と非専門家のモードの違いがはっ
きりしている(図表7(1))。これは、2008 年 1−3月期見通しの 2007 年 12 月、2008 年1月
調査でも同様の傾向があった(図表7(2))。しかし、2008 年2月調査では専門家、非専門家
の予測がともに上方修正され、モードが「0.75%超1%以下」で致している。すでに述べた
ように、07 年 12 月のコアCPI上昇率の急上昇という実績値の情報が、こうした回答分布
の変化をもたらした一因と考えられよう。
11
図表7
コアCPI上昇率見通し分布の変化
(1) 2007 年 10−12 月期
(2) 2008 年1−3月期
(3) 2008 年度
2008 年度見通しについても専門家と非専門家の違いが、分布から明らかである(図表
7(3))。2007 年 12 月調査、2008 年1月調査、2008 年2月調査のいずれにおいても、分布は
大きく異なる。専門家予測では「0.25%超 0.5%以下」に回答が集中している一方、非専門
家の予測は大きくばらついており、時間の経過とともに上方の裾が厚くなって予測値が上
方改定されている。この結果、平均値においても 2007 年 12 月調査、2008 年1月調査では
専門家と非専門家に有意な違いはないが、2008 年2月調査では有意な差が生じている。
3.5 金融政策
金融政策の変更については、専門家と非専門家の意見の違いが割合明瞭に出た。図表8
においては、左になるほど経済の先行きに強気ですぐ金利引上げが必要と考える回答、右
になるほど先行きに弱気ですぐ金利の引下げが必要となる回答を、それぞれ配置して、金
融政策変更に関する結果をまとめている。
非専門家には、07 年 12 月、08 年1月の両時点で次回の金融政策の変更は「金利引下げ」
と考える者が1割強存在した。この割合は、08 年2月に3分の1程度まで急増し、しかも
そのうち6割程度が2ヶ月以内の引下げを予測するというように、大きな期待の変化が見
られた。これに対し、専門家の方は期待の変化といっても金利の引上げのタイミングを先
延ばしにする者が大半であり、「金利引下げ」という回答は、最初の2回は皆無、3回目で
1名という状況であった。
現実に政策はどう動いたかというと、07 年 2 月 21 日に 0.25%から 0.5%に引上げられた
無担保コールレートの誘導目標は、08 年 10 月 31 日に 0.3%へ、12 月 19 日に 0.1%にそれ
ぞれ引下げられた。この結果、引下げを正しく見通していたのは非専門家の方が多いこと
となった。ずばり「正解」の人数を数えれば、07 年 12 月に非専門家1名、08 年1月に非
専門家2名、08 年2月に専門家1名であった。総じて専門家は意見に差がないためにほぼ
全員が見誤ったのに対し、非専門家の方が経済の見方にバラツキがあることから相対的に
よい結果になったと解釈できる。
(図表8
金融政策の変更)
4.まとめと考察
4.1 専門家・非専門家の予測特性とその要因
以上の考察を踏まえると、07 年 12 月、08 年1月、08 年2月という限られた回数の調査
結果ではあるが、専門家と非専門家の予測には以下のような特性があることがわかる。
第1に、確かに専門家の優位性は存在し、それはもう少しで実績が判明するような極め
12
て短期の予測や、統計の癖のような特殊要因の把握において表れた。
ここでいう「極めて短期の予測」とは、1∼2週間後に公表される四半期の実質GDP
成長率や、一部月次の実績が出ている四半期のコアCPI上昇率の予測を指す。コアCP
I上昇率については、毎月の実績値や先行指標としての東京都区部の速報値をどれだけ綿
密に観察し、どの程度こまめに予測値を更新しているかが、パフォーマンスの良し悪しに
反映されていると考えられる。つまり、毎月観察されるデータと四半期値の関係が恒等式
で結びついているので、専門家の情報上の優位性が発揮されやすい。これは 07 年 10−12
月期、08 年1−3月期の両方で見られた結果である。
ところが実質GDP成長率では、基礎統計と四半期別GDP成長率の関係が極めて複雑
であり、また、実質GDP成長率自体四半期ごとの変動が大きい。これが専門家の情報に
基づく優位を減殺している可能性があり、実際、07 年 10−12 月期において、基礎統計が出
揃った時点である僅か公表1∼2週間前の2月調査時点にならないと、専門家の予測が優
れているとは言い切れない。
特殊要因の把握という点では、08 年1−3月期の実質GDP成長率予測におけるうるう
年要因が挙げられる。専門家の方が非専門家よりも高めの予測となっており、この特殊要
因について認識の程度に差があったものと推測される。
第2に、非専門家見通しの方が、専門家よりもばらつきが大きいという特徴がある。こ
れは調査項目(実質GDP成長率、コアCPI上昇率、金融政策)、調査時点、対象期間の
いかんに関わらず当てはまる。
ここから、非専門家は専門家とは異なる情報集合に基づく様々な意見を持っていること
がうかがえる。これは、国民生活モニターの個票において物価上昇期待に見方にバラツキ
がなかったとする Hori and Shimizutani (2003, 2005)の発見とは異なることを強調しておこう。
多様な意見を集められたことは調査の狙い通りであったが、これがどの程度、調査対象の
選び方に依存しているのかなどはまだ明らかではない。
このような見方の多様性は、いわば「分散投資」によるメリットの存在を示唆する。実
際、非専門家の平均は、実質GDP成長率(2007 年 10―12 月)では直前予測を除く2回で
専門家の平均を上回る成績を収めた。非専門家(予測経験なし)ではその傾向がより鮮明
である。2008 年度については、実質GDP成長率、コアCPI上昇率ともに非専門家の成
績の方がよかった。金融政策についても金利引き下げの先見の明があったのは非専門家と
いえる。これらは不確実性が高い予測における「分散投資」のメリットを示唆するもので
ある。
第3は、非専門家と専門家の予測の仕方の違いである。非専門家は、足元の状況の延長
として予測を作る傾向があるようであり、かつ、足元の状況が変化した場合には柔軟に見
方を変える。これはコアCPI上昇率については、2007 年 10―12 月期予測で 12 月の上昇
率の高まりを過小評価した点、足元の強い数字から比較的速やかに 2008 年度平均を上方修
正している点からうかがえる。実質GDP成長率においても 2008 年度に比較的弱い見方が
多いのは、足元の住宅投資の減少がそのまま回復しないとみている可能性がある。これは、
第2節で見た消費動向調査の期待物価上昇率の分析結果と整合的である。
これに対して、専門家はデータと計算にもとづく予測といえよう。データに基づく点は
上述の通りであるが、「計算に基づく」とは、ナイーブに足元の状況がそのまま続くと考え
13
ずに、ショックの性格が一時的なものか永続的なものかを見極めつつ、それが予測対象期
間にどの程度反映するかを考えるという意味である。コアCPI上昇率の 11 月、12 月の強
い数字、住宅投資の 10−12 月期の弱い動きなどが、どのように年度予測に織り込まれるか
に関わる問題である。非専門家ほどすぐ反応せず、慎重な動きが見て取れる。
また、データに基づく専門家予測は、データが揃った時点である程度の合意が生まれる
(ある程度の幅に収斂する)傾向がある。したがって、実質GDP成長率の四半期予測に
見られるように、予測期間が短くなるほどばらつきは小さくなる。しかし、同一の予測時
点において、年度予測値の方が四半期予測よりもばらつきが小さいのはなぜであろうか。
今回の調査期間においては株価が大幅に下落し、消費者マインドが急速に悪化するなど、
景況感の大きな変化が起きていた。こうした時期には、見通しのばらつきが拡大すること
が自然であろう。しかし、図表5、図表6(3)が示すように、専門家見通しは非専門家見通
しに比べてはるかにばらつきが小さかった。そこには、新しく入ってきた実績値を始めと
する情報の処理に当たって、すぐ反応せずしないでショックの性格を見極めようとする慎
重な姿勢が寄与していると推測する20。こうした慎重な姿勢は、QE1次速報は大きく事後
修正される、すなわち大きな測定誤差を含む noisy なデータであるということからすると合
理的な行動である21。
第4は、予測専門家のスキルは退化しやすいようだ、ということである。非専門家で予
測経験の有無によって回答の分布が統計的に有意に異なることはなく、総じて非専門家(予
測経験あり)のパフォーマンスは、専門家はもちろん、非専門家(予測経験なし)よりも
劣っていた22。例えば 2008 年1−3月期では、うるう年要因の考慮について、非専門家で
あれば予測経験の有無はあまり予測に違いがなかった。生兵法は怪我のもとということで
あろうか。ただし、もう一つの可能性として、非専門家(予測経験あり)に悲観派が多く
含まれていてサンプルが歪んでいた可能性もあるかもしれない。そうであれば、コアCP
I上昇率や実質GDP成長率の 2007 年 10―12 月期の予測で 08 年2月時点で下振れしたこ
ともある程度説明が可能である。
4.2 非専門家予測の活用可能性と今後の課題
最後に、非専門家の予測をどのように活用することが考えられるかを考察しよう。専門家
の強みはデータに基づく予測であり、また新しい情報の取り込みや新しい状況の変化に対
してはやや慎重な面もあった。これを補完するために非専門家の予測を使うとすれば、そ
の意見の多様性が重要であり、また足元の状況に流されがちという面もあるものの新しい
情報に対する感度は優れているようであり、この面を活かすことも重要である。
そう考えると、非専門家の予測を用いるのは、
「分散投資」のメリットが享受できるよう
20
飯塚(2007b)はESPFの実質GDP成長率の年度見通しを用いた分析から、専門家の予測の同質性
を確認、各機関がコンセンサスを意識しつつ、強気派、弱気派という立ち位置を考慮しながら予測を修正
している可能性を示している。
21
河越(2007b)の推計によれば、事後修正は1次速報で有意に予測可能である。
非専門家(予測経験あり)の平均が専門家の平均を上回る成績となったのは実質 GDP 成長率
では9回中3回、コア CPI 上昇率は8回中1回であり、非専門家(予測経験あり)のそれぞれ
5回、4回に比べて少ない。
22
14
な不確実性の大きなデータや状況であろう。例えば、実質GDP成長率のようにデータ自
体の変動が大きく、専門家であっても完全に推計をトラックすることが難しい高度な加工
統計の場合が考えられる。また、為替レートや株価などの予測においても活用の余地は大
きいかもしれない。予測期間としては、データが揃わない長い期間のものが考えられる。
逆に、十分データが揃う期間の短い予測においては、非専門家予測を活用する余地はほ
とんどない。これは予測実務において、いわゆる超短期予測が「見通しを行う」というよ
りも「統計を当てにいく」という要素が強いことを想起すれば、技術的な側面も含めて多
くの情報を持つ専門家が有利な立場にあることは頷けよう。
問題は、データに基づく専門家予測のメリットが、非専門家予測から生まれる分散投資
のメリットを陵駕するのはいつの時点か、ということである。実質 GDP 成長率の予測にお
いては、年度予測では後者の方が上回り、さらに四半期予測でも 2008 年 10−12 月期の 2008
年1月調査においてはなお後者のメリットが大きかったと考えられる。しかし、2008 年1
−3月期についてはうるう年要因を適切に考慮した専門家の優位を、最後まで覆せなかっ
たようである。
さらに、データの特性から専門家の優位性が発揮されるコアCPI上昇率の予測につい
ても、2008 年2月調査における 2008 年1−3月期見通しでは非専門家(予測経験なし)の
コンセンサスが最も誤差が小さくなった。年度全体でも非専門家の方が正確であった。エ
ネルギー価格の上昇などで不確実性が高まったときに非専門家予測の分散投資のメリット
が発揮された好例といえよう。
振り返ってみると、本調査期間であった 2007 年 12 月から 2008 年2月は、米国を中心と
した海外経済が急変し、為替レートや株価も大きく変動し、日本経済に対する見方も変わっ
た時期であった。さらに景気の転換点を過ぎてまもなくであった可能性が高いので、専門
家の意見はあまりばらつかずに相互に似かよったものとなっていた時期であったのかもし
れない23。したがって、この調査時期はたまたまであるが、非専門家の予測の活用余地が比
較的大きい時期であったかもしれない。
23
飯塚(2007a)は、日本経済研究センターが 1968 年から行っている民間調査機関見通しの集計結果を
基に、政府と民間調査機関の実質GDP成長率予測が、景気の転換点、とりわけ景気の山付近でほぼ一致
するという規則性があることを示している。
15
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17
図表1
%
4.0
CPI 上昇率:実績値と消費動向調査による予測値の比較
期待物価上昇率
実績(12ケ月ラグ)
3.0
実績(ラグなし)
2.0
1.0
0.0
-1.0
(注)1. 消費動向調査から期待物価上昇率を計算する方法については、脚注8を参照せよ。
2. CPI上昇率の実績値は、持ち家の帰属家賃を除く総合。
図表2 回答者の属性
調査時期
2007年12月 2008年1月 2008年2月
回答者数
予測担当中
予測経験者
予測未経験
無回答
予測経験あり比率(%)
回答率(%)
54
59
58
4
28
22
0
59.3
31.6
6
26
26
1
54.2
34.5
6
26
26
0
55.2
33.9
18
200901
200810
200807
200804
200801
200710
200707
200704
200701
200610
200607
200604
200601
200510
200507
200504
200501
200410
200407
200404
-2.0
図表3 予測値の平均
(%)
2007年12月 2008年1月 2008年2月
(1) 実質GDP成長率
<2007年10−12月期>実績:3.7
専門家
1.02
1.01
1.36
非専門家
1.19
1.03
0.89
予測経験あり
0.91
0.83
0.72
予測経験なし
1.61
1.26
1.10
<2008年1−3月期>実績:3.3
専門家
2.05
2.10
1.65
非専門家
0.93
0.99
0.70
予測経験あり
0.94
0.93
0.83
予測経験なし
0.91
1.06
0.54
<2008年度>実績:▲3.5
専門家
1.98
1.92
1.74
非専門家
1.35
1.49
1.23
予測経験あり
1.37
1.37
1.21
予測経験なし
1.33
1.64
1.25
(2) コアCPI上昇率
<2007年10−12月期>実績:0.5
専門家
0.16
0.27
−
非専門家
0.07
0.16
−
予測経験あり
0.05
0.15
−
予測経験なし
0.10
0.16
−
<2008年1−3月期>実績:1.0
専門家
0.37
0.48
0.76
非専門家
0.19
0.29
0.75
予測経験あり
0.17
0.31
0.72
予測経験なし
0.22
0.26
0.80
<2008年度>実績:1.2
専門家
0.37
0.39
0.51
非専門家
0.32
0.40
0.79
予測経験あり
0.28
0.38
0.74
予測経験なし
0.39
0.43
0.86
調査時期
19
図表4 予測値平均の差とその検定結果
比較対象
専門家
調査時点
非専門家 非専門家
非専門家 (予測経験 (予測経験
あり)
なし)
2007年12月
2008年1月
2008年2月
(1) 実質GDP成長率(=X1-Y1)
<2007年10−12月期>
X1
Y1
X1
Y1
X1
X1
<2008年1−3月期>
Y1
X1
X1
Y1
X1
X1
<2008年度>
X1
Y1
X1
Y1
X1
X1
<2007年10−12月期>
Y2
X2
X2
Y2
X2
X2
<2008年1−3月期>
X2
Y2
X2
Y2
X2
X2
<2008年度>
Y2
X2
X2
Y2
X2
X2
Y1
Y1
▲ 0.17
0.11
▲ 0.59 *
▲ 0.70 *
▲ 0.02
0.18
▲ 0.25
▲ 0.43
0.47 *
0.64 **
0.26
▲ 0.38
1.12 ***
1.11 ***
1.14 ***
0.03
1.11 ***
1.17 ***
1.04 ***
▲ 0.13
0.95 ***
0.82 ***
1.11 ***
0.29
0.63 ***
0.61 ***
Y1
0.65 ***
Y1
0.04
(2) コアCPI上昇率(=X2-Y2)
0.43 ***
0.55 ***
0.28 ***
▲ 0.27
0.51 ***
0.53 ***
0.49 ***
▲ 0.04
Y2
Y2
0.09 **
0.11 ***
0.06
▲ 0.05
0.11 **
0.12 ***
0.11 *
▲ 0.01
Y2
Y2
0.18 ***
0.20 ***
0.15
▲ 0.05
0.19 ***
0.17 ***
0.22 ***
0.05
Y2
Y2
0.05
0.09
▲ 0.02
▲ 0.11
Y1
Y1
▲ 0.01
0.01
▲ 0.04
▲ 0.05
0.01
0.04
▲ 0.04
▲ 0.08
▲ 0.28 ***
▲ 0.23 **
▲ 0.35 ***
▲ 0.12
(注)1. ***は1%水準、**は5%水準、*は10%水準でそれぞれ有意に平均値が等しいという帰無仮説を棄却。
2.この検定結果をダミー変数を用いた回帰分析で行った場合、残差が(1)実質GDP成長率の1ケース
を除いて正規性、(2) 実質GDP成長率では6ケース、コアCPI上昇率では3ケースを除いて均一分散
という帰無仮説が棄却される。
20
図表5 予測値の標準偏差
調査時期
2007年12月 2008年1月 2008年2月
(1) 実質GDP成長率
<2007年10−12月期>
専門家
1.00
0.92
0.60
非専門家
1.46
1.59
1.45
予測経験あり
1.41
1.77
1.69
予測経験なし
1.47
1.36
1.06
<2008年1−3月期>
専門家
1.04
0.96
0.84
非専門家
1.15
1.10
0.94
予測経験あり
1.12
1.01
0.94
予測経験なし
1.23
1.20
0.93
<2008年度>
専門家
0.33
0.32
0.35
非専門家
0.78
0.73
0.77
予測経験あり
0.83
0.82
0.73
予測経験なし
0.72
0.59
0.83
(2) コアCPI上昇率
<2007年10−12月期>
専門家
0.11
0.11
−
非専門家
0.23
0.24
−
予測経験あり
0.12
0.16
−
予測経験なし
0.32
0.32
−
<2008年1−3月期>
専門家
0.14
0.14
0.21
非専門家
0.36
0.30
0.35
予測経験あり
0.20
0.31
0.38
予測経験なし
0.52
0.30
0.30
<2008年度>
専門家
0.18
0.13
0.13
非専門家
0.47
0.48
0.57
予測経験あり
0.48
0.53
0.55
予測経験なし
0.45
0.43
0.59
21
-0.75%以下
非専門家
35%
35%
35%
35%
30%
30%
30%
30%
25%
25%
25%
25%
20%
20%
20%
20%
15%
15%
15%
15%
10%
10%
10%
10%
5%
5%
5%
5%
0%
0%
0%
0%
-0.25%∼…
実績
専門家
非専門家(予測経験あり)
実績
(注)Rは2つの分布が同じという仮説がKolmogorov-Smirnov testにより5%の有意水準で棄却される、NRは棄却されない
専門家
非専門家(予測経験なし)
実績
専門家
5%
0%
0%
0%
0%
35%
35%
30%
30%
30%
30%
25%
25%
25%
25%
20%
20%
20%
20%
15%
15%
15%
15%
10%
10%
10%
10%
5%
5%
5%
5%
0%
0%
0%
0%
専門家
KS test (NR)
非専門家(予測経験あり)
非専門家(予測経験あり)
実績
実績
実績
40%
40%
3.75%超
3.25∼3.75%
2.75∼3.25%
2.25∼2.75%
1.75∼2.25%
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
0.25∼0.75%
-0.25%∼…
-0.75∼-0.25%
非専門家(予測経験あり)
3.75%超
5%
3.75%超
5%
非専門家(予測経験なし)
3.25∼3.75%
10%
5%
非専門家(予測経験なし)
3.25∼3.75%
10%
2.75∼3.25%
専門家
-0.75%以下
3.75%超
3.25∼3.75%
2.75∼3.25%
2.25∼2.75%
1.75∼2.25%
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
40%
2.75∼3.25%
10%
2.25∼2.75%
15%
10%
2.25∼2.75%
15%
1.75∼2.25%
15%
1.75∼2.25%
20%
15%
1.25∼1.75%
25%
20%
0.75∼1.25%
25%
20%
1.25∼1.75%
25%
20%
0.75∼1.25%
25%
-0.25%∼…
30%
0.25∼0.75%
30%
-0.25%∼…
30%
-0.75∼-0.25%
KS test (NR)
-0.75%以下
3.75%超
3.25∼3.75%
2.75∼3.25%
2.25∼2.75%
35%
30%
0.25∼0.75%
KS test (R)
KS test (NR)
-0.75%以下
40%
1.75∼2.25%
35%
-0.25%∼…
■ 専 門 家 vs 非 専 門 家 ( 予 測 経 験 な し)
-0.75∼-0.25%
40%
3.75%超
45%
40%
実績
3.25∼3.75%
(回答比率)
45%
1.25∼1.75%
40%
2.75∼3.25%
非専門家(予測経験なし)
実績
2.25∼2.75%
(回答比率)
45%
0.25∼0.75%
40%
1.75∼2.25%
専門家
0.75∼1.25%
KS test (NR)
非専門家(予測経験なし)
1.25∼1.75%
45%
0.75∼1.25%
(回答比率)
45%
-0.25%∼…
(回答比率)
45%
0.25∼0.75%
(回答比率)
-0.25%∼…
45%
0.25∼0.75%
専門家
-0.75%以下
(回答比率)
45%
-0.75∼-0.25%
KS test (NR)
-0.75%以下
(回答比率)
45%
-0.75∼-0.25%
3.75%超
3.25∼3.75%
2.75∼3.25%
2.25∼2.75%
(回答比率)
-0.75∼-0.25%
3.75%超
1.75∼2.25%
■ 専 門 家 vs 非 専 門 家 ( 予 測 経 験 あ り)
-0.75%以下
3.75%超
3.25∼3.75%
2.75∼3.25%
40%
3.25∼3.75%
実績
2.25∼2.75%
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
実績
2.75∼3.25%
2.25∼2.75%
35%
-0.25%∼…
0.25∼0.75%
非専門家(予測経験あり)
1.75∼2.25%
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
-0.75%以下
-0.75∼-0.25%
40%
1.75∼2.25%
35%
-0.25%∼…
0.25∼0.75%
非専門家(予測経験あり)
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
(回答比率)
KS test (R)
-0.25%∼…
専門家
0.25∼0.75%
KS test (NR)
-0.75%以下
3.75%超
3.25∼3.75%
専門家
-0.75∼-0.25%
2.75∼3.25%
KS test (NR)
-0.75∼-0.25%
3.75%超
3.25∼3.75%
2.25∼2.75%
1.75∼2.25%
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
■ 専 門 家 vs 非 専 門 家
-0.75%以下
3.75%超
3.25∼3.75%
2.75∼3.25%
2.25∼2.75%
35%
-0.25%∼…
0.25∼0.75%
実績
2.75∼3.25%
実績
2.25∼2.75%
1.75∼2.25%
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
40%
1.75∼2.25%
非専門家
非専門家
1.25∼1.75%
35%
-0.25%∼…
0.25∼0.75%
-0.75%以下
-0.75∼-0.25%
40%
0.75∼1.25%
0.25∼0.75%
-0.75%以下
-0.75∼-0.25%
22
-0.75∼-0.25%
図表6(1) 2007年10−12月期 実質GDP成長率見通し分布の変化
(2007年12月調査)
■ 非 専 門 家 ( 予 測 経 験 あ り) vs 非 専 門 家 ( 予 測 経 験 な し)
(回答比率)
45%
KS test (NR)
(2008年1月調査)
非専門家(予測経験なし)
(回答比率)
45%
KS test (NR)
(2008年2月調査)
(回答比率)
45%
KS test (NR)
-0.75%以下
非専門家
35%
35%
35%
35%
30%
30%
30%
30%
25%
25%
25%
25%
20%
20%
20%
20%
15%
15%
15%
15%
10%
10%
10%
10%
5%
5%
5%
5%
0%
0%
0%
0%
-0.25%∼…
実績
専門家
非専門家(予測経験あり)
実績
(注)Rは2つの分布が同じという仮説がKolmogorov-Smirnov testにより5%の有意水準で棄却される、NRは棄却されない
専門家
非専門家(予測経験なし)
実績
専門家
35%
35%
30%
30%
30%
25%
25%
25%
25%
20%
20%
20%
20%
15%
15%
15%
15%
10%
10%
10%
10%
5%
5%
5%
5%
0%
0%
0%
0%
専門家
KS test (R)
非専門家(予測経験あり)
非専門家(予測経験あり)
実績
実績
実績
40%
40%
3.75%超
3.25∼3.75%
2.75∼3.25%
2.25∼2.75%
1.75∼2.25%
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
0.25∼0.75%
-0.25%∼…
-0.75∼-0.25%
非専門家(予測経験あり)
3.75%超
0%
3.75%超
0%
非専門家(予測経験なし)
3.25∼3.75%
0%
非専門家(予測経験なし)
3.25∼3.75%
5%
0%
2.75∼3.25%
専門家
-0.75%以下
3.75%超
3.25∼3.75%
2.75∼3.25%
2.25∼2.75%
1.75∼2.25%
40%
2.75∼3.25%
10%
5%
2.25∼2.75%
10%
5%
2.25∼2.75%
10%
5%
1.75∼2.25%
15%
10%
1.75∼2.25%
15%
1.25∼1.75%
15%
0.75∼1.25%
20%
15%
1.25∼1.75%
25%
20%
0.75∼1.25%
25%
20%
-0.25%∼…
25%
20%
0.25∼0.75%
25%
-0.25%∼…
30%
-0.75∼-0.25%
KS test (R)
-0.75%以下
3.75%超
3.25∼3.75%
2.75∼3.25%
35%
30%
0.25∼0.75%
40%
2.25∼2.75%
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
KS test (R)
-0.75%以下
KS test (R)
1.75∼2.25%
35%
30%
-0.25%∼…
■ 専 門 家 vs 非 専 門 家 ( 予 測 経 験 な し)
-0.75∼-0.25%
45%
3.75%超
(回答比率)
45%
実績
3.25∼3.75%
(回答比率)
45%
1.25∼1.75%
40%
2.75∼3.25%
非専門家(予測経験なし)
実績
2.25∼2.75%
(回答比率)
0.25∼0.75%
40%
1.75∼2.25%
専門家
0.75∼1.25%
KS test (R)
非専門家(予測経験なし)
1.25∼1.75%
45%
0.75∼1.25%
(回答比率)
45%
-0.25%∼…
(回答比率)
45%
0.25∼0.75%
(回答比率)
-0.25%∼…
45%
0.25∼0.75%
専門家
-0.75%以下
(回答比率)
45%
-0.75∼-0.25%
KS test (R)
-0.75%以下
(回答比率)
45%
-0.75∼-0.25%
3.75%超
3.25∼3.75%
2.75∼3.25%
2.25∼2.75%
(回答比率)
-0.75∼-0.25%
3.75%超
3.25∼3.75%
1.75∼2.25%
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
■ 専 門 家 vs 非 専 門 家 ( 予 測 経 験 あ り )
-0.75%以下
3.75%超
40%
2.75∼3.25%
40%
3.25∼3.75%
実績
2.25∼2.75%
35%
30%
-0.25%∼…
0.25∼0.75%
実績
2.75∼3.25%
2.25∼2.75%
1.75∼2.25%
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
-0.75%以下
非専門家(予測経験あり)
1.75∼2.25%
35%
30%
-0.25%∼…
0.25∼0.75%
非専門家(予測経験あり)
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
KS test (R)
-0.25%∼…
専門家
-0.75∼-0.25%
40%
0.25∼0.75%
KS test (R)
-0.75%以下
3.75%超
3.25∼3.75%
専門家
-0.75∼-0.25%
2.75∼3.25%
KS test (R)
-0.75∼-0.25%
3.75%超
3.25∼3.75%
2.25∼2.75%
1.75∼2.25%
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
■ 専 門 家 vs 非 専 門 家
-0.75%以下
3.75%超
3.25∼3.75%
2.75∼3.25%
2.25∼2.75%
35%
-0.25%∼…
0.25∼0.75%
実績
2.75∼3.25%
実績
2.25∼2.75%
40%
1.75∼2.25%
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
40%
1.75∼2.25%
非専門家
非専門家
1.25∼1.75%
35%
-0.25%∼…
0.25∼0.75%
-0.75%以下
-0.75∼-0.25%
40%
0.75∼1.25%
0.25∼0.75%
-0.75%以下
-0.75∼-0.25%
23
-0.75∼-0.25%
図表6(2) 2008年1−3月期 実質GDP成長率見通し分布の変化
(2007年12月調査)
■ 非 専 門 家 ( 予 測 経 験 あ り ) vs 非 専 門 家 ( 予 測 経 験 な し)
(回答比率)
45%
KS test (NR)
(2008年1月調査)
非専門家(予測経験なし)
(回答比率)
45%
KS test (NR)
(2008年2月調査)
(回答比率)
45%
KS test (NR)
非専門家
専門家
非専門家(予測経験あり)
専門家
(注)Rは2つの分布が同じという仮説がKolmogorov-Smirnov testにより5%の有意水準で棄却される、NRは棄却されない
非専門家(予測経験なし)
専門家
60.0%
30.0%
30.0%
30.0%
20.0%
20.0%
20.0%
20.0%
10.0%
10.0%
10.0%
10.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
非専門家(予測経験あり)
3.75%超
KS test (R)
3.25∼3.75%
40.0%
2.75∼3.25%
非専門家(予測経験あり)
2.25∼2.75%
40.0%
3.75%超
3.25∼3.75%
2.75∼3.25%
2.25∼2.75%
1.75∼2.25%
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
非専門家(予測経験あり)
1.75∼2.25%
40.0%
1.25∼1.75%
(回答比率)
60.0%
0.75∼1.25%
専門家
0.25∼0.75%
60.0%
-0.25%∼0.25%
KS test (R)
-0.75∼-0.25%
(回答比率)
70.0%
-0.75%以下
3.75%超
3.25∼3.75%
2.75∼3.25%
2.25∼2.75%
1.75∼2.25%
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
0.25∼0.75%
-0.25%∼0.25%
-0.75∼-0.25%
-0.75%以下
3.75%超
3.25∼3.75%
2.75∼3.25%
2.25∼2.75%
専門家
0.25∼0.75%
50.0%
3.75%超
3.25∼3.75%
2.75∼3.25%
2.25∼2.75%
1.75∼2.25%
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
0.25∼0.75%
-0.25%∼0.25%
-0.75∼-0.25%
-0.75%以下
3.75%超
3.25∼3.75%
2.75∼3.25%
2.25∼2.75%
1.75∼2.25%
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
0.25∼0.75%
-0.25%∼0.25%
-0.75∼-0.25%
-0.75%以下
3.75%超
3.25∼3.75%
2.75∼3.25%
2.25∼2.75%
1.75∼2.25%
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
0.25∼0.75%
-0.25%∼0.25%
60.0%
-0.25%∼0.25%
KS test (R)
KS test (R)
-0.75%以下
0.0%
1.75∼2.25%
-0.75%以下
-0.75∼-0.25%
■専門家 vs 非専門家(予測経験なし)
-0.75∼-0.25%
(回答比率)
60.0%
3.75%超
非専門家(予測経験なし)
3.25∼3.75%
0.0%
1.25∼1.75%
非専門家(予測経験なし)
2.75∼3.25%
専門家
2.25∼2.75%
0.0%
0.75∼1.25%
60.0%
1.75∼2.25%
10.0%
0.0%
0.25∼0.75%
KS test (R)
1.25∼1.75%
10.0%
-0.25%∼0.25%
(回答比率)
70.0%
0.75∼1.25%
10.0%
-0.75%以下
専門家
0.25∼0.75%
20.0%
10.0%
-0.75∼-0.25%
3.75%超
3.25∼3.75%
(回答比率)
80.0%
70.0%
60.0%
50.0%
40.0%
30.0%
20.0%
10.0%
0.0%
-0.25%∼0.25%
50.0%
KS test (R)
-0.75%以下
30.0%
20.0%
3.75%超
2.75∼3.25%
2.25∼2.75%
1.75∼2.25%
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
0.25∼0.75%
■専門家 vs 非専門家(予測経験あり)
-0.75∼-0.25%
KS test (R)
3.75%超
非専門家(予測経験あり)
3.25∼3.75%
30.0%
20.0%
3.25∼3.75%
非専門家(予測経験あり)
2.75∼3.25%
(回答比率)
60.0%
2.25∼2.75%
専門家
1.75∼2.25%
30.0%
20.0%
2.75∼3.25%
60.0%
1.25∼1.75%
40.0%
30.0%
2.25∼2.75%
KS test (R)
0.75∼1.25%
40.0%
1.75∼2.25%
(回答比率)
70.0%
0.25∼0.75%
40.0%
1.25∼1.75%
専門家
-0.25%∼0.25%
50.0%
40.0%
0.75∼1.25%
-0.25%∼0.25%
(回答比率)
80.0%
70.0%
60.0%
50.0%
40.0%
30.0%
20.0%
10.0%
0.0%
-0.75∼-0.25%
50.0%
0.25∼0.75%
-0.75%以下
-0.75∼-0.25%
KS test (R)
-0.75%以下
3.75%超
3.25∼3.75%
2.75∼3.25%
非専門家
2.25∼2.75%
50.0%
-0.25%∼0.25%
非専門家
1.75∼2.25%
1.25∼1.75%
0.75∼1.25%
50.0%
0.25∼0.75%
50.0%
-0.75∼-0.25%
60.0%
-0.25%∼0.25%
-0.75%以下
24
-0.75%以下
(回答比率)
80.0%
70.0%
60.0%
50.0%
40.0%
30.0%
20.0%
10.0%
0.0%
-0.75∼-0.25%
■専門家 vs 非専門家
図表6(3) 2008年度 実質GDP成長率見通し分布の変化
(2007年12月調査)
■非専門家(予測経験あり) vs 非専門家(予測経験なし)
(回答比率)
70.0%
50.0%
KS test (NR)
40.0%
30.0%
20.0%
10.0%
0.0%
(2008年1月調査)
非専門家(予測経験なし)
(回答比率)
70.0%
KS test (NR)
(2008年2月調査)
非専門家(予測経験なし)
(回答比率)
70.0%
50.0%
40.0%
KS test (NR)
30.0%
非専門家(予測経験なし)
図表7(1) 2007年10−12月期 コアCPI上昇率見通し分布の変化
■専門家 vs 非専門家
■専門家 vs 非専門家(予測経験あり)
■専門家 vs 非専門家(予測経験なし)
■非専門家(予測経験あり) vs 非専門家(予測経験なし)
(2007年12月調査)
80%
70%
60%
60%
60%
50%
50%
50%
50%
40%
40%
30%
30%
20%
20%
10%
10%
0%
0%
実績
40%
専門家
30%
20%
20%
10%
10%
実績
非専門家(予測経験なし)
専門家
実績
専門家
非専門家(予測経験あり)
実績
1.5%超
1∼1.5%
0%
-0.5%以下
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0.25∼0.5%
0∼0.25%
-0.25∼0%
-0.5∼0.25%
-0.5%以下
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0∼0.25%
0.25∼0.5%
-0.25∼0%
-0.5∼0.25%
0%
非専門家(予測経験あり)
KS test (NR)
40%
30%
-0.5%以下
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0∼0.25%
非専門家
0.25∼0.5%
-0.25∼0%
-0.5∼0.25%
-0.5%以下
60%
0.75∼1%
KS test (R)
(回答比率)
KS test (NR)
0.5∼0.75%
70%
70%
0∼0.25%
80%
0.25∼0.5%
80%
-0.25∼0%
KS test (R)
70%
(回答比率)
(回答比率)
80%
-0.5∼0.25%
(回答比率)
非専門家(予測経験なし)
(2008年1月調査)
(回答比率)
80%
KS test (R)
70%
70%
60%
60%
60%
50%
50%
50%
50%
40%
40%
30%
30%
20%
20%
10%
10%
0%
0%
非専門家
実績
専門家
40%
30%
20%
20%
10%
10%
実績
専門家
(注)Rは2つの分布が同じという仮説がKolmogorov-Smirnov testにより5%の有意水準で棄却される、NRは棄却されない
非専門家(予測経験なし)
実績
専門家
非専門家(予測経験あり)
実績
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0%
0.5∼0.75%
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0.25∼0.5%
0∼0.25%
-0.25∼0%
-0.5∼0.25%
-0.5%以下
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0.25∼0.5%
0∼0.25%
-0.25∼0%
-0.5∼0.25%
0%
非専門家(予測経験あり)
KS test (NR)
40%
30%
-0.5%以下
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0.25∼0.5%
0∼0.25%
-0.25∼0%
-0.5∼0.25%
25
-0.5%以下
60%
0.25∼0.5%
KS test (R)
0∼0.25%
70%
-0.25∼0%
KS test (R)
70%
(回答比率)
80%
80%
-0.5∼0.25%
(回答比率)
80%
-0.5%以下
(回答比率)
非専門家(予測経験なし)
図表7(2) 2008年1−3月期 コアCPI上昇率見通し分布の変化
■専門家 vs 非専門家
■専門家 vs 非専門家(予測経験あり)
■専門家 vs 非専門家(予測経験なし)
■非専門家(予測経験あり) vs 非専門家(予測経験なし)
(2007年12月調査)
80%
70%
60%
60%
60%
60%
50%
50%
50%
50%
40%
40%
非専門家
実績
専門家
40%
30%
30%
20%
20%
10%
10%
非専門家(予測経験あり)
実績
非専門家(予測経験なし)
専門家
実績
専門家
非専門家(予測経験あり)
実績
1.5%超
1∼1.5%
0%
-0.5%以下
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0∼0.25%
0.25∼0.5%
-0.25∼0%
-0.5∼0.25%
-0.5%以下
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0.25∼0.5%
0∼0.25%
-0.5∼0.25%
-0.25∼0%
0%
-0.5%以下
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0%
0.5∼0.75%
10%
0%
0∼0.25%
10%
0.25∼0.5%
20%
-0.25∼0%
20%
-0.5∼0.25%
30%
-0.5%以下
30%
40%
KS test (NR)
0.75∼1%
KS test (R)
(回答比率)
KS test (R)
0.5∼0.75%
70%
0∼0.25%
80%
70%
0.25∼0.5%
80%
-0.25∼0%
KS test (R)
70%
(回答比率)
(回答比率)
80%
-0.5∼0.25%
(回答比率)
非専門家(予測経験なし)
(2008年1月調査)
非専門家
実績
30%
20%
20%
10%
10%
実績
非専門家(予測経験なし)
専門家
実績
0%
専門家
非専門家(予測経験あり)
実績
1.5%超
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0.25∼0.5%
0∼0.25%
-0.5%以下
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0.25∼0.5%
0∼0.25%
-0.25∼0%
-0.5∼0.25%
0%
非専門家(予測経験あり)
KS test (NR)
40%
30%
-0.5%以下
1.5%超
専門家
50%
1∼1.5%
0%
40%
60%
0.75∼1%
0%
70%
0.5∼0.75%
10%
80%
0.25∼0.5%
10%
1∼1.5%
20%
0.75∼1%
20%
0.5∼0.75%
30%
0.25∼0.5%
40%
30%
0∼0.25%
40%
-0.25∼0%
50%
-0.5∼0.25%
50%
-0.5%以下
60%
50%
非専門家(予測経験なし)
(2008年2月調査)
(回答比率)
80%
KS test (NR)
70%
70%
60%
60%
60%
50%
50%
50%
50%
40%
40%
30%
30%
20%
20%
10%
10%
0%
0%
非専門家
実績
専門家
40%
30%
20%
20%
10%
10%
実績
専門家
(注)Rは2つの分布が同じという仮説がKolmogorov-Smirnov testにより5%の有意水準で棄却される、NRは棄却されない
非専門家(予測経験なし)
実績
専門家
非専門家(予測経験あり)
実績
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0%
0.5∼0.75%
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0.25∼0.5%
0∼0.25%
-0.25∼0%
-0.5∼0.25%
-0.5%以下
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0.25∼0.5%
0∼0.25%
-0.25∼0%
-0.5∼0.25%
0%
非専門家(予測経験あり)
KS test (NR)
40%
30%
-0.5%以下
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0.25∼0.5%
0∼0.25%
-0.25∼0%
-0.5∼0.25%
60%
0.25∼0.5%
KS test (NR)
0∼0.25%
70%
-0.25∼0%
KS test (NR)
70%
(回答比率)
80%
80%
-0.5∼0.25%
(回答比率)
80%
-0.5%以下
(回答比率)
-0.5%以下
26
60%
60%
0∼0.25%
KS test (R)
(回答比率)
KS test (R)
-0.25∼0%
70%
70%
-0.5∼0.25%
80%
-0.5%以下
80%
-0.25∼0%
KS test (R)
70%
(回答比率)
(回答比率)
80%
-0.5∼0.25%
(回答比率)
非専門家(予測経験なし)
図表7(3) 2008年度 コアCPI上昇率見通し分布の変化
■専門家 vs 非専門家
■専門家 vs 非専門家(予測経験あり)
■専門家 vs 非専門家(予測経験なし)
■非専門家(予測経験あり) vs 非専門家(予測経験なし)
(2007年12月調査)
実績
専門家
非専門家(予測経験あり)
実績
(回答比率)
非専門家(予測経験なし)
専門家
実績
専門家
非専門家(予測経験あり)
実績
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0.25∼0.5%
0∼0.25%
-0.25∼0%
KS test (NR)
-0.5∼0.25%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
-0.5%以下
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0∼0.25%
0.25∼0.5%
-0.5∼0.25%
-0.25∼0%
KS test (R)
-0.5%以下
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0∼0.25%
0.25∼0.5%
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0∼0.25%
0.25∼0.5%
-0.25∼0%
-0.5∼0.25%
非専門家
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
KS test (R)
-0.5∼0.25%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
KS test (R)
-0.5%以下
(回答比率)
(回答比率)
-0.5%以下
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
-0.25∼0%
(回答比率)
非専門家(予測経験なし)
(2008年1月調査)
非専門家
専門家
非専門家(予測経験あり)
実績
(回答比率)
非専門家(予測経験なし)
専門家
実績
専門家
非専門家(予測経験あり)
実績
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0.25∼0.5%
0∼0.25%
-0.25∼0%
KS test (NR)
-0.5∼0.25%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
-0.5%以下
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0∼0.25%
0.25∼0.5%
-0.25∼0%
-0.5∼0.25%
KS test (NR)
-0.5%以下
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0∼0.25%
0.25∼0.5%
-0.25∼0%
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0.25∼0.5%
実績
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
KS test (NR)
-0.5%以下
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
0∼0.25%
-0.25∼0%
-0.5∼0.25%
-0.5%以下
(回答比率)
(回答比率)
KS test (R)
非専門家(予測経験なし)
(2008年2月調査)
(回答比率)
非専門家
実績
専門家
非専門家(予測経験あり)
実績
専門家
(注)Rは2つの分布が同じという仮説がKolmogorov-Smirnov testにより5%の有意水準で棄却される、NRは棄却されない
実績
専門家
非専門家(予測経験あり)
実績
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0.25∼0.5%
0∼0.25%
KS test (NR)
-0.25∼0%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
-0.5∼0.25%
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0∼0.25%
非専門家(予測経験なし)
0.25∼0.5%
-0.25∼0%
KS test (R)
-0.5%以下
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0∼0.25%
KS test (R)
(回答比率)
-0.5%以下
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
0.25∼0.5%
1.5%超
1∼1.5%
0.75∼1%
0.5∼0.75%
0.25∼0.5%
0∼0.25%
-0.25∼0%
-0.5∼0.25%
KS test (R)
-0.25∼0%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
-0.5∼0.25%
(回答比率)
-0.5∼0.25%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
-0.5%以下
(回答比率)
-0.5%以下
27
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
-0.5∼0.25%
(回答比率)
非専門家(予測経験なし)
図表8
金融政策の変更
金利引上げ時期
0∼2
3∼5
6∼8
9+
金利引下げ時期
小計
小計
9+
07/12調査
6
15
9
15
45
7
1
うち経験あり
3
9
3
13
28
4
1
うち経験なし
3
6
6
2
17
3
0
(参考) ESPF
8
3
12
7
30
0
0
08/01調査
7
13
14
14
48
8
2
うち経験あり
4
7
6
8
25
6
2
うち経験なし
3
6
8
6
23
2
0
(参考) ESPF
0
6
21
6
33
0
0
08/02調査
2
8
4
24
38
20
0
うち経験あり
1
7
1
12
21
13
0
うち経験なし
1
1
3
12
17
7
0
(参考) ESPF
0
0
4
26
30
1
1
(注)「時期」とは調査時点から何ヶ月後に金融政策の変更が行われるかを示す。
28
6∼8
3∼5
0∼2
回答
総数
1
1
0
0
2
1
1
0
2
2
0
0
5
2
3
0
4
3
1
0
5
3
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
13
8
5
0
52
32
20
30
56
31
25
33
58
34
24
31
(付録)景気循環学会会員に配布した調査票(2007 年 12 月調査)
景気循環学会会員アンケート調査質問表
内閣府委託調査
「多数の予測機関、エコノミスト等の経済に関する予測を用いた期待形成の研究」
第1回: 平成19年12月調査
(回答の送付期限:11月30日)
送付先(お問い合わせ先)
〒105-0003 港区西新橋1-4-10 西新橋3森ビル7F
〈社)経済企画協会 担当:吉田 博
電話: 03-3592-3881、Email: [email protected]
回答者名
0. 予備調査項目
現在のお仕事についておうかがいいたします。以下の3つの記述の中から、一番当てはまるもの一つに○をおつけ下さい。
記 述
回答欄
現在、経済予測を担当している。
以前経済予測を担当していたが、現在は担当していない。
経済予測を仕事として行った経験はない。
以下の項目の予測をお尋ねいたしますので、一番適当と思われる数値の欄に○印をつけてください。
適当な数値がない場合は、数値欄に具体的な数値を記入いただいても構いません。
質問は、「1.実質GDP」、「2.消費者物価指数」、「3.日銀の金融政策」の3項目です。
1.実質GDP(増加率、%)
・年度実績
年度
実績
2001
-0.8
2002
1.1
2003
2.1
2004
2.0
2005
2.4
2006
2.0
・四半期実績(季節調整済・年率)
2006年
四半期
実績
2007年
1-3月期 4-6月期 7-9月期
2.2
2.1
-0.2
10-12月期
5.5
1-3月期 4-6月期 7-9月期
2.6
-1.6
2.6
◎ 上の実績を参考に以下の予測値をご記入ください。
四半期
07年10-12月期
予測
08年1-3月期
-4.0
-3.5
-3.0
-2.5
-2.0
-4.0
-3.5
-3.0
-2.5
-2.0
-1.5
-1.0
-0.5
0.0
0.5
-1.5
-1.0
-0.5
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
4.5
5.0
5.5
3.5
4.0
4.5
5.0
5.5
6.0
6.5
7.0
7.5
8.0
6.0
6.5
7.0
7.5
8.0
8.5
9.0
9.5
10.0
10.5
8.5
9.0
9.5
10.0
10.5
数値欄(上の欄に適当な数字がない場合)
年度
予測
数値欄(上の欄に適当な数字がない場合)
2008年度
-1.4
-1.2
-1.0
-0.8
-0.6
-0.4
-0.2
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4
1.6
1.8
2.0
2.2
2.4
2.6
2.8
3.0
3.2
3.4
3.6
3.8
4.0
4.2
4.4
最も適切な欄に
○印をして下さい。
または、数値欄に数
値を記入して下さ
い。
数値欄(上の欄に適当な数字がない場合)
29
年率換算の伸び率
をお答えください。
例えば、4-6に100、
7-9に101の場合、伸
び率は1四半期に
1%ですから、年率で
は4%となります。
最も適切な欄に
○印をして下さい。
または、数値欄に
数値を記入して下
2. 消費者物価指数(生鮮食品除く総合)(騰落率、%)
・年度実績
年度
実績
2001
-0.8
2002
-0.8
2003
-0.2
2004
-0.2
2005
0.1
2006
0.1
・四半期及び月次実績(対前年同期比)
2006年
四半期
実績
月次
実績
2007年
1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-3月期 4-6月期 7-9月期
0.0
0.0
0.3
0.1
-0.1
-0.1
-0.1
07年4月 07年5月 07年6月 07年7月 07年8月 07年9月
-0.1
-0.1
-0.1
-0.1
-0.1
-0.1
◎ 上の実績を参考に以下の予測値をご記入ください。
四半期
07年10-12月期
予測
08年1-3月期
-1.5
-1.4
-1.3
-1.2
-1.1
-1.5
-1.4
-1.3
-1.2
-1.1
-1.0
-0.9
-0.8
-0.7
-0.6
-1.0
-0.9
-0.8
-0.7
-0.6
-0.5
-0.4
-0.3
-0.2
-0.1
-0.5
-0.4
-0.3
-0.2
-0.1
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
1.1
1.2
1.3
1.4
1.0
1.1
1.2
1.3
1.4
数値欄(上の欄に適当な数字がない場合)
年度
予測
数値欄(上の欄に適当な数字がない場合)
2008年度
-1.5
-1.4
-1.3
-1.2
-1.1
-1.0
-0.9
-0.8
-0.7
-0.6
-0.5
-0.4
-0.3
-0.2
-0.1
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
最も適切な欄に
○印をして下さい。
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
または、数値欄に数
値を記入して下さい。
1.0
1.1
1.2
1.3
1.4
数値欄(上の欄に適当な数字がない場合)
3.日銀の金融政策
日銀の次回金利引上げ(または引下げ)の時期をいつ頃と予想していますか。
1箇所だけに"○"(引下げの場合は"●")を入れてください。
無担保コールレート(オーバーナイト物)の目標値が変更される時期を月別にお答えください。
07年12月頃 08年1月頃
2月頃
3月頃
4月頃
次回金利引上げ
(○)(または引下げ
(●))の時期
5月頃
6月頃
7月以降
8月頃
9月以降
以上で設問は終わりです。
ご協力ありがとうございました。
30
最も適切な欄に
○印をして下さい。
または、数値欄に数
値を記入して下さ
い。
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