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様式第三 認定事業再構築計画の内容の公表 1.認定した年月日 平成12年3月24日 2.認定事業者名 株式会社ゼクセル、株式会社玉製作所 3.認定事業再構築計画の目標 (1)事業再構築に係る事業の目標 株式会社ゼクセルは現在、燃料噴射装置事業と車両用空調装置事業を基軸とし、専門メーカー として市場のニーズに応えるような地位を築いてきた。一方、近年の自動車業界の動向を展望す ると、技術や資本の提携、買収、合併といった世界規模での再編が急速に進展しており、同時に ワールドワイドな部品調達の動きも活発化し、メガコンペティションの時代に入った。 このような経営環境に鑑みて、ゼクセルは燃料噴射装置専門メーカーとして生き残りを図るこ とを選択し、玉製作所は既存製品よりもゼクセルが分離する車両用空調装置事業の方が高い収益 力を有するとの判断の下ゼクセルから当該事業を譲り受けることを選択して、両社で各事業を中 核的事業として強化することとした。 こうした事業構造の再構築のため、ゼクセルは玉製作所への追加出資後に車両用空調装置事業 を譲渡し、専業化を図る。それによって、両者はそれぞれの事業に特化することとなり事業の経 営責任を明確化すると同時に投入する経営資源のより効率的な運用を進め、これまでのように両 事業への資源配分を勘案することによる設備投資機会の逸失等を生じさせることなく、単一事業 として最高の成果が得られるような資源配分及び迅速な意志決定等を可能とし、事業の持つ技術 の特性等を踏まえながら、利益の拡大、ROEの向上を図る。 (2)生産性の向上を示す具体的指標 2002年度には、1998年度に比べて自己資本当期純利益率(当期純利益/自己資本)を、 ゼクセルはマイナス値から約4%に、玉製作所はマイナス値から約5%に向上を図ることを目標 とする。 4.事業再構築の内容 (1)事業再構築に係る事業の内容 中核的事業 ゼクセル 燃料噴射装置事業 玉製作所 車両用空調装置事業 選定理由 選定した理由は、ゼクセルはボッシュ社、玉製作所はヴァレオ社という技術力・資本力の ある世界的リーディング企業と提携し得るとともに,提携企業との経営資源の相互補完が図 られる事業分野であること等による。 内容 ・ゼクセル まず、ゼクセルは、玉製作所を増資したうえで、同社に対して車両用空調装置事業を譲渡 する。車両用空調装置事業を営業譲渡した後、設備の集約化と会社創立以来のボッシュ社と の協業をさらに深める事で燃料噴射装置事業を強化する。そして、地球環境保護の視点で設 置された排気ガス規制に世界水準に適応した新型噴射装置(コモンレール式)の技術をボッ シュ社から導入し、グローバルな視点からカーメーカーのニーズに合わせて商品化すること で市場への積極的な浸透を図る。 そして、既存の分配型噴射装置については、東松山工場において生産する加工、組立ライ ンを、工法の改良により多品種生産を可能とし、改造して生産能力を増大させた上でライン を統合し、稼働率を2000年3月時点から2002年3月迄に適正稼働率に引き上げる。 同時に、燃費効率の良さなどから今後急激に販売量の増加が予想されるコモンレールを始 めとする新型噴射装置については、ラインの再編を行いつつ新規に設備を導入して生産能力 を増強させながら設備能率を向上させる。具体的には、工程間の仕掛品搬送ルートの再編を 行い、仕掛品の流れを直線的かつ短縮化した上で、仕掛品の滞留する場所と量を最小化し、 効率的かつ平準的な生産を目指す。この工程間のサイクルタイムの短縮により、1製品当た りに要する加工時間を短縮し、能率向上を図る。 以上の設備の能率向上等による原価低減により、1998年度に比べて2001年度には 製造原価率を低減する。 ・玉製作所 他方、ゼクセルからの車両用空調装置事業を譲り受けて、当該事業の強化を図ることこそ 最高のパフォーマンスを達成し得ると判断した玉製作所は、既存製品の生産に代えて、競争 力強化の為に車両用空調装置事業の革新を進める。まず、2000年度にはヴァレオ社と技 術・資本提携関係を構築することにより、新技術の導入、新製品(ノンフロンエアコン)の 開発、新納入方式(モジュール化)への移行、生産・供給体制の国際的な補完による新顧客 の獲得が可能となり、グローバルレベルでの事業機会を捉えたビジネスの拡大を図る。同時 に、製造ラインを統廃合する事によって、能率向上をはかる。 具体的には、車両用空調装置の主要部品であるコンデンサーに関し、多品種生産に対応が 可能なラインへの改造や熟練工が必要な工程を自動機械に置きかえること等によって、設備 稼働率を1998年度から2001年度には向上させ、現行の焼入れ炉を減らして1ライン 当たりの生産可能台数を増やす。また、今後市場投入される新型コンデンサーでは、上の方 策と併せて新規設備の導入により台当たりの加工に要する時間を旧型から短縮する。 以上の設備の能率向上等による原価低減により、1998年度に比べて2001年度には 製造原価率を低減する。 今般の事業再構築のためにゼクセルが出資を行う増資により玉製作所は以下の要領で新 株式を発行する。 - 発行新株式数 額面普通株式 161,000株 - 発行価額 1 株につき 100,000円 - 発行価額の総額 16,100百万円 - 資本組入額 1 株につき 50,000円 - 申込期日 平成 12 年 3 月28日 - 払込期日 平成 12 年 3 月28日 - 割当先及び株式数 株式会社ゼクセル 161,000株(100%) (2)事業再構築を行う場所 株式会社ゼクセル 本 社 東京都渋谷区渋谷三丁目 6 番 7 号 江南工場 株式会社玉製作所 本社工場 篠塚工場 (3)関係事業者 なし。 (4)特定関係業者 なし。 (5)事業再構築を実施するための措置 別表1のとおり。 (6)事業再構築に伴う設備投資 別表2のとおり。 埼玉県大里郡江南町大字千代字東原 39 群馬県邑楽群邑楽町大字篠塚 1538 群馬県邑楽郡邑楽町大字篠塚 1955 (7)事業再構築の開始時期及び終了時期 開始時期 2000年3月 終了時期 2003年2月 5.事業再構築に伴う労務に関する事項 (1)事業再構築の開始時期の従業員数(2000年3月初) 株式会社ゼクセル 4,735人 株式会社玉製作所 475人 (2)事業再構築の終了時期の従業員数(2003年2月末) 株式会社ゼクセル 3,192人 株式会社玉製作所 1,360人 (3)事業再構築に充てる予定の従業員数(2000年3月初) 株式会社ゼクセル 1,650人 株式会社玉製作所 575人 (4)上記(3)中、新規採用される従業員数 株式会社ゼクセル 250人 株式会社玉製作所 125人 (5)事業再構築に伴い出向又は解雇される従業員数 出向 株式会社ゼクセル 1,400人 株式会社玉製作所 0人 解雇 株式会社ゼクセル 0人 株式会社玉製作所 0人 6.その他 なし。 <別表1> 事業再構築の措置の内容 実施する措置の内容及びその実施する時期 措置事項 期待する支援措置 事業構造変更 営業又は事業に必 株式会社玉製作所は株式会社ゼクセルより車両用 第 34 条 資金の確保(日本政 要な資産の譲受け 空調装置事業を譲受け、当事業の強化を図る。 による中核的事業 譲受けに要する資金の調達を目的として、株式会社 策投資銀行の融資) の開始、拡大又は能 玉製作所は株式会社ゼクセルへの第三者割当増資を 租税特別措置法第 80 率の向上 行う。 条 資本金 1,050 百万円 1999 年 3 月末 勧告等によってする 増加額:8,050 百万円 2000 年 3 月下旬 登記の税率の軽減 新株発行による株式会社ゼクセルへの第 3 者割当増 資(増加率:+666.7%) 附則第 14 条 同時に、事業に係る固定資産(土地、建物、構築物、 地方税法の一部改正 機械及び装置、車両運搬具、工具器具備品その他)(不動産取得税の軽減) 等も株式会社ゼクセルから譲受ける 2000 年 3 月 下旬 第 11 条 営業譲渡の場合の債 権者の異議の催告等 営業又は資産の譲 株式会社ゼクセルは株式会社玉製作所に車両用空 渡による事業の縮 調装置事業を譲渡し、燃料噴射装置事業に特化する。 株式会社ゼクセルは、譲渡に際して玉製作所が行 小又は廃止 う資金の調達を目的とした増資を引き受ける。 資本金 1,050 百万円 1999 年 3 月末 増加額:8,050 百万円 2000 年 3 月下旬 新株発行による株式会社ゼクセルへの第 3 者割当増 資(増加率:+666.7%) 同時に、事業に係る固定資産(土地、建物、構築 物、機械及び装置、車両運搬具、工具器具備品その 他)等も株式会社玉製作所へ譲渡 2000 年 3 月下旬 事業革新 第2条第2項第2号 ゼクセルは、分配型噴射装置については、東松山工 口 場において生産する加工、組立ラインを、多品種生産 を可能とし、生産能力を増大させた上でラインを統合 し、稼働率を2000年3月時点から2002年3月 迄に適正稼働率に引き上げる。 同時に、燃費効率の良さなどから今後急激に販売量 の増加が予想されるコモンレールを始めとする新型噴 射装置については、ラインの再編を行いつつ新規に設 備を導入して生産能力を増強させながら設備能率を向 上させる。具体的には、工程間の仕掛品搬送ルートの 再編を行い、仕掛品の流れを直線的かつ短縮化した上 で、仕掛品の滞留する場所と量を最小化し、効率的か つ平準的な生産を目指す。この工程間のサイクルタイ ムの短縮により、1製品当たりに要する加工時間を短 縮し、能率向上を図る。 以上の設備の能率向上等による原価低減により、1 998年度に比べて2001年度には製造原価率を低 減する。 玉製作所は、車両用空調装置装置の主要部品である コンデンサーに関し、設備稼働時間を延長させながら 多品種生産に対応が可能なラインへの改造や熟練工が 必要な工程を自動機械に置きかえること等によって、 設備稼働率を1998年度から2001年度には向上 させ、現行の焼入れ炉を減らして1ライン当たりの生 産可能台数を増やす。また、今後市場投入される新型 コンデンサーでは、上の方策と併せて新規設備の導入 により台当たりの加工に要する時間を旧型から短縮す る。 以上の設備の能率向上等による原価低減により、1 998年度に比べて2001年度には製造原価率を低 減する。