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20 代の女性看護師の喫煙に関連する要因の研究: 喫煙

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20 代の女性看護師の喫煙に関連する要因の研究: 喫煙
Kobe University Repository : Kernel
Title
20代の女性看護師の喫煙に関連する要因の研究 : 喫煙
状況,人格特性,喫煙動機,ストレス状態に焦点をあて
て(Factors Related to Smoking of Female Nurses in
Their Twenties With Smoking Customs, Personality,
Smoking Motives and Stresses)
Author(s)
小門, 美由紀 / 松田, 宣子
Citation
神戸大学医学部保健学科紀要,19:1-13
Issue date
2004-03-25
Resource Type
Departmental Bulletin Paper / 紀要論文
Resource Version
publisher
DOI
URL
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/00406541
Create Date: 2017-04-01
神 大 保 健 紀 要 第1
9巻
,
2
0
0
3
1
2
0
代の女性看護師の喫煙に関連する要因の研究
一喫煙状況,人格特性,喫煙動機,ストレス状態に焦点をあてて一
小 門 美 由 紀 松 田 宣 子2
要 旨
2
0
代の女性看護師の喫煙に関連する要因を明らかにするため、神戸市内の 3病院に勤務
する 2
0
代の女性看護師3
2
2名(喫煙看護師 6
5名、非喫煙看護師 2
5
7名)を対象に、本人および周囲の喫
本研究は、
煙状況、ニコチン依存、喫煙動機、人格特性、ストレス状態からなる自記式無記名式調査票を用いて
調査し、喫煙看護師と非喫煙看護師の比較分析を行った。その結果、喫煙看護師は非喫煙看護師より
も外向性が強い傾向にあることや、友人や職場の喫煙状況に強く関連していることが明らかになっ
た。また、喫煙看護師は陰性感情の除去、無意識的操作、快楽・習慣、知覚運動操作という喫煙動機
を有していることも判明した。これらの結果から、今後は人格特性や喫煙動機を考慮した個別の禁煙
支援とともに、友人や職場の同僚などの仲間からの影響を絶ち切るためにも職場全体での喫煙対策の
必要性が示唆された。
索引用語:2
0
代の女性看護師、喫煙状況、人格特性、喫煙動機、ストレス状態
緒
妊薬のピルとタバコの併用では、ピル併用の喫
E司
煙 者 に お け る 循 環 器 疾 患 の 危 険 が3
9
倍も高ま
喫煙は、がんや虚血性心疾患などの健康問題
と の 関 連 が 明 ら か と な り 11、 現 在 DSM-Ntl
る日)ことからも、若い女性の喫煙行動の実態を
明らかにする必要がある O
や ICD-lQ:
l
l にも喫煙がニコチン依存として分
一般成人女性の喫煙率よりもさらに高い喫煙
類、記載されている O さらに、本人の喫煙のみ
率で知られているのが女性看護師である円。同
ならず、受動喫煙も呼吸器疾患や乳幼児突然死
じ医療従事者の中で比較した場合も女性看護師
症候群などの危険を高めることが明らかにされ
の喫煙率は高く、女性の栄養士や薬剤師の喫煙
ている九わが国の喫煙状況に目を移すと、
2
0
率は一般成人女性に比べて低い 101 という報告も
歳以上の男性の喫煙率は 5
4
.
0
%で、他の先進国
ある O 国立病院に勤務する女性看護師の喫煙率
に比べて高率ではあるものの経年的には漸減傾
0
代よりも 3
0
代の方が高く、喫煙が習慣づ
では 2
向にある一方で、女性の喫煙率は 1
4
.
5
%と全体
いた年齢は 20~24 歳が最も多い品)ことから、特
2
0
代・ 3
0
代の若い女
に若い女性看護師における喫煙の広がりが危倶
では横ばい傾向にあるが、
2
0
代あるいはそれ以前での喫
性の喫煙率は依然として上昇し続けている九
されると同時に、
若い女性の喫煙は、本人の健康問題であるばか
煙対策が重要視されている O このような実態を
りか、妊娠、出産を控えた年齢であることを考
受けて、女性看護師の喫煙については、これま
慮すると、胎児や乳幼児の健全な発育にも大き
でも、喫煙状況調査や喫煙に対する意識調査、
く関与することは明らかである O また、経口避
喫煙と看護師という職業に対する考えとの関係
1.和歌山市福祉保健部
2
. 神戸大学医学部保健学科
2
の明確化を試みた研究8.9.1ト 13) がなされ、その結
神依存や身体依存へ発展していく喫煙習慣の形
果、新人看護師や看護学生の喫煙は家族や友人
成モデル 27) を示し、日本でも、森田が喫煙行動
などの周囲の喫煙状況と強く相関していること
モデルにおいて、喫煙行動の重要な維持要因と
が明らかにされている O しかし、看護師の喫煙
して、人格、職場環境、喫煙動機、ストレス状
行動を誘発、維持する要因を分析した研究は少
態という心理社会的要因を考察しているお
o
以上のように、看護師の喫煙については、喫
ない。
喫煙行動を誘発、維持する要因としては、従
煙に関する意識調査や喫煙と看護師という職業
来、ニコチン依存をはじめ、人格特性やストレ
に対する考えとの関係を明らかした研究はある
ス、さらには喫煙の動機が注目されてきた。ニ
ものの、喫煙行動を誘発、維持する要因と考え
コチン依存に関しては、ニコチンがカフェイン
られるニコチン依存の状態や人格特性、ストレ
の1
2倍の精神依存作用を有することから、喫煙
ス状態、喫煙動機という側面から看護師の喫煙
者はニコチンによる快感を求めて喫煙し続ける
に取り組んだ研究は見当たらない。そこで、本
と考えられている 14.1日。このような喫煙に関す
研究は、近年喫煙率の上昇が危慎されている 2
0
る実験的研究がある一方で、喫煙を保健行動と
代女性の代表である 2
0
代の女性看護師を対象と
して捉え、喫煙者のパーソナリティや行動特性
し、喫煙状況を明らかにするとともに、喫煙看
に焦点を当てた研究も行われている O アイゼン
護師と非喫煙看護師で、は人格特性、ストレス状
ク (Eysend
,
正 H
.J
.
) は、喫煙者の性格特性に
態、健康意識、周囲の喫煙状況にいかなる違い
ついて、外向的な性格が強いため、喫煙やその
があるのかを検証することを目的とした。
l と述べてい
他 の 刺 激 物 を 求 め る 傾 向 に あ るω
対象と方法
るO また、小川も、わが国の成人男性の喫煙者
、「多弁」等の外向
には、「積極的 j、「勝ち気J
的性格特性があると報告している
l
さらに、
1.対象およびデータ収集方法
喫煙者の日常の保健行動は非喫煙者に比べて健
調査の対象は、神戸市内の国立 K大学付属病
康的ではなく、生活も不規則で、がん検診への
している者に喫煙量が増えることや、ストレッ
2つの私立病院に勤務する 2
0
代の女性看護
5
3名である このうち、 4
0
5名から回答が得
師4
られた(回収率8
9
.
4
0
%
) が、記入不備例 6
6名
と禁煙者(以前は喫煙していたが最近 6ヶ月は
7名の合計8
3名を分析対象か
禁煙している者) 1
2
2
ら除外したため、最終的な有効回答者数は 3
名(有効回答率 7
1
.0
8
%
) となった。その内訳
サーが加わった結果生じたと考えられる心身症
5名
は、喫煙看護師(現在喫煙している者)が6
状や不安は喫煙と関係することが知られてい
る22 却。中でも、医療従事者の職場におけるス
(
2
0
.
1
9
%)、非喫煙看護師(喫煙経験のない
者)が2
5
7名 (
7
9
.
8
1%)であり、喫煙看護師は
トレスに関しては、看護師が、病者との対応、
解析の対象として、非喫煙看護師は対照として
死への直面という看護の特殊性や交替勤務によ
用いた。なお、禁煙者を解析対象から除外した
る生活リズムの乱れ、医師など他職種との人間
のは、過去に喫煙経験があるものの、彼らの喫
関係等を通じたストレスにさらされていること
煙状況等についての回答は 6ヶ月以上前の喫煙
から 24-26)、看護師の喫煙とストレスには関連が
当時の記憶に頼らねばならず、回答の正確性に
あると予想される O 最後に、喫煙動機に関して
疑問が残るためである o
受診や日常的運動習慣が少ないといった喫煙者
特有の保健行動特性も明らかにされており、喫
煙者の健康意識の低さが指摘されている山110
次に、ストレスと喫煙の関係については、スト
レッサーとして働くライフイベントを多く経験
院と
O
R
u
s
s
e
l
l,M. A
. H.) が、受動的
は、ラッセル (
調査は平成 1
2年 7月に実施した。調査期間は
な喫煙動機から始まる喫煙がニコチンによる精
3病院ともに 2週間で、調査票の配布と回収は
3
以下の手順による O 調査票の配布は、調査者が
2)喫煙動機
各病棟の師長に依頼し、師長が対象者に調査票
喫煙動機については、欧米の研究でしばしば
と調査協力の依頼書(調査の主旨、調査方法の
o
r
n
-W
a
i
n
g
r
o
wS
c
a
k
ω を和訳
用いられている H
説明、調査者の連絡先等を記載)が入っている
して用いた。各質問の回答は、「まったくそう
封筒を配布した。依頼書を読み、本調査への協
だ」から「まったくそうでない Jの 5段階で、
力を承諾した者は、調査票の「回答のしかた」
それぞれに 4、 3、 2、 l、 O点を配し、その
を参考にしながら、調査票に記入した後、もと
合計点を喫煙動機の得点とした。
の封筒に入れて糊で封をし、各病棟に設置した
3)人格特性
回収袋に投函した。調査者は回収日時に訪問し
人格特性については、小田ら幻)が喫煙者の自
て回収袋を回収した。なお、調査票は無記名式
己愛性や外向性、口愛性、依存性、過敏性、劣
とし、さらに記入後は封筒に入れて封をするこ
等感の 6つの人格特性を評定するために開発し
とで対象者の回答が漏出しないように配慮し
S
I (筑波式喫煙者調査票)を用いた。各質
たT
た
。
問の回答は、「まったくそうだ j から「そうで
ない j の 4段階で、それぞれに 3、 2、 l、 O
2
. 調査内容
点を配点し、その合計点を人格特性の得点とし
対象者には、対象者の背景(年齢、就業年数、
職位、居住形態)と喫煙状況、喫煙動機、人格
た
。
4)ストレス状態
特性、ストレス状態、健康意識および対象者を
ストレス状態については、ゴールドバーグ
とりまく周囲の喫煙状況について尋ねた。調査
(
G
o
l
d
b
e
r
g,D
.P
.
)刊 の 精 神 健 康 質 問 票 (
T
h
e
G
e
n
e
r
a
lH
e
a
l
t
hQ
u
e
s
t
i
o
n
n
a
i
r
e
)2
8項目版の日本
語 版35) (以下、 GHQと呼称)を用いた。採点
票に用いた尺度は次のようなものである O
1)喫煙状況
(
1
)こ れ ま で の 喫 煙 状
況
、 (
2
)
喫煙年数、 (
3
)主に喫煙するタバコ銘柄 l
(0-0-1-1法)を用い、
ストレス j
犬態の高低は 6-7点 を カ ッ ト オ フ
本中に含まれるニコチン量、 (
4
)
F
T
N
D(
F
a
r
g
e
r
-
点 35.361 として判定した。
5
)喫煙渇望
s
t
r
o
m
T
e
s
tf
o
rN
i
c
o
t
i
n
eD
e
p
e
n
d
e
n
c
e
)、(
5)健康意識
喫煙状況については、
4
)はファガスト
度テストの 5項目を尋ねた。 (
は 2段階評定法
健康意識については、大井田らが一般住民に
ローム (
F
a
r
g
e
r
s
t
r
o
m,K
. 0.) が 作 成 し た FTQ
おける喫煙者の健康意識と喫煙行動因子につい
(
F
a
r
g
e
r
s
t
r
o
mT
o
l
e
r
a
n
c
eQ
u
e
s
t
i
o
n
n
a
i
r
e)
2
9
) をヘ
ザ一トン (
H
e
a
t
h
e
r
t
o
n, T
.F
.
)ら
:
3 が改訂した
ての調査刊で用いた健康意識に関する質問 8項
もので、ニコチンによる身体依存を測定する尺
6)周囲の喫煙状況
0)
度である O 臨床においても禁煙指導の際に用い
目を採用した。
周囲の喫煙状況については、
(
1
)喫煙する家族
られており、合計点が 3点 以 下 の 場 合 は 低 依
員
、 (
2
)喫煙する男性の友人の人数、 (
3
)喫煙する
存、
7 点以上は高依
女性の友人の人数、 (
4
)職場で喫煙する者の人数
(
5
)はタバコの精神依存を測定
を調べた。(1)は、喫煙する家族員を選択肢から
するために森田ら 28) が作成した尺度である O 各
選ぶこととし(複数回答可)、 (2)~(4) に関して
質問の回答は「まったくそうだ」から「そうで
は、「なし」、
ない」の 4段階で、それぞれに 3、 2、 l、 O
人J
、1
6人以上」から lつを選択することとし
点を配し、その合計点を喫煙渇望(精神依存)
た
。
4~6 点では中等度依存、
存と判定したヘ
11人 J、 1
2~ 3人」、 14~ 5
の得点とした。合計点が 6点以上の場合に精神
依存があると判定した。
3
. 分析方法
年齢と就業年数、人格特性、ストレス状態に
4
ついては t検 定 を 用 い て 、 居 住 形 態 と 健 康 意
ついても 3
2
2名全員がスタッフナースと答えて
識、周囲の喫煙状況については〆検定を用い
おり、役職に就いている者は一人もいなかった
て喫煙看護師と非喫煙看護師の比較検討を行っ
ことから、喫煙看護師と非喫煙看護師の間で背
た。また、喫煙看護師の喫煙動機については、
景による差は認められなかった。
得られた調査データに対して主因子法による因
子分析を行い、喫煙動機の裏に潜む共通の因子
2
. 喫煙看護師における各尺度の結果
を抽出した。なお、以上の統計処理は、 S
t
a
t
V
i
e
w
1)喫煙実態
f
o
rWindowsv
e
r
s
i
o
n5
.
0を用い、有意水準は p
<0.05とした。
2
2名のうち、喫煙看護師は 6
5名
調査対象者3
(
2
0
.
1
8
%
)、非喫煙看護師は 2
5
7名 (
7
9
.
8
2
%
)
であった。また、喫煙看護師の内訳は、毎日吸
3名(13.35%)、ときどき吸う者が2
2名
う者が4
結 果
(
6
.
8
3
%
) であった。
2)喫煙状況(表 2)
l.調査対象者の属性(表 1)
喫煙状況のうち、平均喫煙年数は 5
.
1
2土 2
.7
5
調査対象者の背景のうち、年齢、就業年数、
居住形態については、喫煙看護師と非喫煙看護
年、主に喫煙する'鹿草銘柄 l本中の平均ニコチ
師に有意な差は見られなかった。また、職位に
ン量は 0
.
4
4:
1
:0
.26mgであった。FfND (身体
表 1 調査対象者の背景
非喫煙看護師
d
一 Aph守U
一
h
戸 u
phu
名一名
歳一年
i
月
一
つ
山
A
a 一つ中
qL 一
つ
ん
就業年数本
土一土
A
生一つ d
つ中
年齢
ハU 一 氏
2
一4
喫煙看護師
有意差
2
4
.
2
1:
:
t2
.2
6歳 2
5
7名
n
s
2
.9
9:
:
t2
.0
4年 2
5
2名
n
s
居住形態*
4
1名(6
5
.
0
8
%
)
2
0
0
名( 8
0
.
0
0
%
)
7名( 11
.11%)
1
8名( 7
.
2
0
%
)
2世帯
1
4名(2
2
.
2
2
%
)
名( 1
1
.6
0
%
)
2
9
3世 帯
名( 1
.2
9
%
)
1
名( 1
.2
0
%
)
3
6
3名 (
1
0
0
.
0
0
%
)
2
5
0
名(
1
0
0
.
0
0
%
)
1人暮らし
夫婦のみ
合計
年齢と職業年数は t検定,居住形態はが検定による。
n
s
有意差なし
*無回答例は除外
表 2 喫煙看護師の喫煙状況
項 目
喫煙看護師
平
均
:
:
:
tSD
人数
5
.
1
2士2
.7
5
6
4
ニコチン量 (mg/
本)*
O
.4
4:
:
t0
.2
6
6
1
FfN
D (身体依存)ホ
2
.
5
2土 2
.
1
2
6
4
喫煙渇望度(精神依存)
3
.9
4:
:
t3
.
4
1
6
5
喫煙状況
喫煙年数(年)事
*無回答例は除外
n
s
5
依存)の平均得点は 2
.5
2:
t2
.1
2点であり、 3点
とした。 4因子のうち、第 l因子は、「ブルー
以下を低依存と判定する1IIことから、喫煙看護
になったり、心配事から離れたいときに喫煙す
師は身体依存傾向の弱い群であることが明らか
る」ゃ「腹を立てた時にタバコに火をつける」
になった。また、喫煙渇望度(精神依存)の平
などの項目が高い因子負荷量を示したので、
.9
4:
t3
.4
1点で、 6点以上を喫煙渇望
均得点は 3
「陰性感情の除去J因子とした。第 2因子は、
があると判定するお)ことから、精神依存傾向に
「いつのまにかタバコをくわえているのに気づ
関しても弱い群であることが判明した。
くことがある j や「意識することなく自動的に
3)喫煙動機(表 3)
喫煙する」などの項目が高い因子負荷量を示し
た の で 「 無 意 識 的 操 作J因子とし、第 3因 子
喫煙動機に関する調査データに対しては、主
因子法パリマックス回転による因子分析を行っ
は、「喫煙は心地よいものだ Jや「喫煙すると、
た。因子は、固有値1.0
0以上と累積固有寄与率
楽しくてゆったりした気持ちになる」などの項
60%以上および因子負荷量の絶対値0
.
4
0以上を
基準として選別した。因子数については、 3因
子から 6因子までの分析を行い、それぞれの結
目が高い因子負荷量を示したので「快楽・習
慣」因子とした。第 4因子は、「タバコに火を
果を得たが、最適解を得たのは因子数を 4にし
どの項目が高い因子負荷量を示したので「知覚
たときであったことから、最終的に因子数を 4
運動操作J因子とした O 以上の結果から、喫煙
つけることもタバコを吸う楽しみの lつだJな
(
N=
6
5
)
表 3 喫煙動機の因子分析(パリマックス法、直交回転後の因子負荷量)
因子 1 因子 2
喫 煙 の 動 機
性
成
情
陰
コ
。
因子 3
因子 4 共 通 性
ブルーになったり、心配事から離れたい時に喫煙する
0
.
8
6
0
.
7
5
腹を立てた時にタバコに火をつける
O
.7
7
0
.
7
0
不愉快になったり、動揺した時に喫煙する
0
.
6
8
0
.
5
1
0
.
5
5
去
除 恥ずかしいことや戸惑うことがあると、喫煙する
動揺している時、タバコほど役立つものはない
ヰ斗
0
.
4
6
0
.
5
1
0
.
4
7
0
.
6
1
0
.
8
3
O
.7
8
道
鉦j意識することなく自動的に喫煙する
0
.
8
2
O
.7
0
識
的
灰皿に火のついたタバコが残っているのに気付かず、次のタバコに火をつける
0
.
6
4
0.
46
操
作
問題を解決しようとするときにタバコに火をつける
0
.
5
0
0
.
5
9
0
.
6
1
活動性が低下しないために喫煙する
0
.
4
0 I0
.
4
8
0
.
5
7
いつのまにかタバコをくわえているのに気付くことがある
喫煙は心地よいものだ
'
楽
│
夫
喫煙すると、楽しくてゆったりした気持ちになる
単なる習慣で喫煙しているだけで、どうしても必要なものではない
F気持ちを持ち上げるために喫煙する
0
.
4
0
刃
元気を取戻すために喫煙する
因子負荷量の 2乗和
因子負荷量が0
.
40
未満は省略
3
.
4
8
2
.
9
4
π.69
0
.
5
2
0
.
6
8
0
.
5
8
ト0
.
6
7
0
.
5
1
0
.
4
8
0
.
6
6
は.42
0
.
4
9
2
.
4
7
2
.
3
0
因子寄与率 (
9
V
a
)
1
9
.
3
3 1
6
.
3
3
1
3
.
7
2 1
2
.
7
8
累積因子寄与率 (
9
V
a
)
1
9
.
3
3 3
5
.
6
6
4
9
.
3
8 6
2
.
1
6
6
看護師は、「陰性感情の除去J
、「無意識的操
4.71:
1
:2.03点、非喫煙看護師の平均得点が4.24
作」、「快楽・習慣j、「知覚運動操作」の 4つの
:
:
1
:
1
.67点であり、喫煙看護師の平均得点が高い
動機を有していることが明らかになった。
傾向にあったが (pく 0.07)、両者に明らかな
差を認めなかった。
3
. 喫煙看護師と非喫煙看護師の比較
2)ストレス状態(表 4)
1)人格特性(表 4)
GHQの平均合計得点は、喫煙看護師が9.40
人格特性のうち、有意な差が認められたのは
:
1
:6.47点、非喫煙看護師が9.41:
1
:6.42点で両者
外向性であった。喫煙看護師の平均得点が7.24
に有意な差は見られなかった。しかし、 GHQ
:
1
:2.10点 、 非 喫 煙 看 護 師 の 平 均 得 点 が6.27土
の 合 計 得 点 は 6-7点 が カ ッ ト オ フ 点 で あ
2.09点であることから、喫煙看護師の平均得点
る35 制ことを考慮すると、喫煙看護師も非喫煙
0.01
)0 自
が有意に高いことが判明した (p<
看護師も共に比較的強いストレスを持つ集団で
己愛性に関しては、喫煙看護師の平均得点が
あることが判明した。
表 4 喫煙看護師と非喫煙看護師の人格特性、ストレス状態の比較
項
喫煙看護師
目
平
均
:
:
J
:
:SD
非喫煙看護師
人数
平
均
:
:
J
:
:SD
人数
P 値
人格特性 (
T
S
Iド
自己愛性
4
.
7
1:
J
:2
.
0
3
5
9
4
.2
4:
:
J
:
:
1
.6
7
2
4
6
p<0.07
外向性
7
.
2
4土2
.
1
0
5
9
6
.2
7:
J
:2
.0
9
2
4
6
p<0.01
口愛性
2
.6
6:
:
J
:
:
1
.8
4
5
9
2
.
5
5土1.7
5
2
4
6
n
s
依存性
5
.0
9:
J
:1
.7
7
5
9
5
.1
2:
:
J
:
:
1
.6
0
2
4
6
n
s
過敏性
5
.
9
0土2
.
3
0
5
9
6
.
0
5土2
.
1
6
2
4
6
n
s
劣等感
5
.7
1土2
.
5
5
5
9
5
.8
9:
J
:2
.7
4
2
4
6
n
s
9
.4
0:
J
:6
.47
6
2
9
.4
1:
J
:6
.4
2
ストレス状態*
GHQ合計点
n
s 有意差なし
2
4
9
n
s
*無回答例は除外
表 5 喫煙看護師と非喫煙看護師の健康意識の比較
質問項
目
喫煙看護師
は
し
、
(N=64)* 非喫煙看護師
いいえ
(N=256)*
し
は 、
いいえ
p{
直
健康と感じている。
67.19%
3
2
.
8
1%
71
.88%
28.12%
n
s
自分の病気が原因で健康に気を付けている。
18.75%
.25%
81
2
4
.
6
1%
75.39%
n
s
睡眠、休養を十分取るように気を付けている。
68.75%
31
.25%
79.69%
2
0
.
3
1%
p<0.07
食事、栄養に気を付けている。
48.44%
.56%
51
51
.95%
48.05%
n
s
酒をひかえている。
40.63%
59.37%
54.69%
4
5
.
3
1%
p<0.07
定期的に検診を受けている。
3
2
.
8
1%
67.19%
34.77%
65.23%
n
s
運動やスポーツをするようにしている。
31
.25%
68.75%
32.03%
67.97%
n
s
健康の情報や知識を増やすように努めている O
39.06%
60.94%
50.39%
4
9
.
6
1%
n
s
n
s:有意差なし
*無回答例は除外
7
7)、喫煙看護師の方が有意に多かった (p<
3)健康意識(表 5)
健康意識に関する質問のうち、「睡眠、休養
0.0001)。喫煙する男性の友人が「いない」と
を十分とるように気を付けている」の質問に対
答 え た 者 は 、 喫 煙 看 護 師 で は 2名 (3.13%)、
して「はい」と答えた者が、喫煙看護師では 44
非喫煙看護師で、は 38名(15.02%) と喫煙看護
名 (68.75%)、非喫煙看護師では 204名 (79.69
師に少なかった。これに対して、喫煙する男性
%)で、喫煙看護師の方が少ない傾向にあった
の友人が
1
6人以上いる j と答えた者は、喫煙
(p<0.07)0 また、「酒をひかえている」の質
看護師では 40名 (62.50%)、非喫煙看護師では
問に対して「はい」と答えた者も、喫煙看護師
75名 (29.64%) と喫煙看護師に多いことが判
では 26名 (40.63%)、 非 喫 煙 看 護 師 で は 140名
明した。喫煙する女性の友人についても(表
(54.69%) で、喫煙看護師の方が少ない傾向
7)、喫煙看護師の方が有意に多いことが判明
に あ っ た が (pく 0.07)、いずれの質問に関し
し た (p<0.0001
)0 喫 煙 す る 女 性 の 友 人 が
ても両者に明らかな差を認めなかった。
「いないj と 答 え た 者 は 、 喫 煙 看 護 師 に 2名
4)周囲の喫煙状況
(3.13%)、非喫煙看護師に 33名(12.89%) と
家族の喫煙状況(表 6)では、姉の喫煙状況
に関してのみ喫煙看護師が有意に多く
(pく
0.05)、他の家族の喫煙状況については有意差
喫煙看護師に少なかった。一方、喫煙する女性
の友人が
1
6人以上いる j と答えた者は、喫煙
看護師に 39名 (60.94%)、非喫煙看護師に 69名
(26.95%) であり、喫煙看護師の方が有意に
が認められなかった。
次に、喫煙する男性の友人に関しては(表
多かった。最後に、職場で喫煙する者について
表 6 調査対象者の家族の喫煙状況
家族の喫煙状況
父
母
吸
吸わない
吸
祖母
つ
吸わない
吸
祖父
つ
つ
吸わない
吸
つ
吸わない
吸
兄
つ
吸わない
吸
姉
吸わない
吸
弟
n
s:有意差なし
つ
吸わない
吸
妹
つ
つ
吸わない
喫煙看護師
N (%)
非喫煙看護師
N (%)
3
7
(
5
8
.
7
3
)
1
2
7
(
4
9
.
4
2
)
2
6(
41
.2
7
)
1
3
0
(
5
0
.
5
8
)
7
(
11
.1
1
)
2
0
(7
.7
8
)
5
6
(
8
8
.
8
9
)
2
3
7
(
9
2
.
2
2
)
7
(
11
.1
1
)
1
2(4
.
6
7
)
5
6
(
8
8
.
8
9
)
2
4
5
(
9
5
.
3
3
)
l
(1
.5
9
)
l
(0
.
3
9
)
6
2
(
9
8
.
41
)
2
5
6
(
9
9
.
61
)
1
3
(
2
0
.
6
4
)
14
.
01
)
3
6(
5
0
(
7
9
.
3
6
)
2
2
1
(
8
5
.
9
9
)
5
(7
.
9
4
)
5
(1
.9
5
)
5
8
(
9
2
.
0
6
)
2
5
2
(
9
8
.
0
5
)
9
(
1
4
.
2
9
)
4
2(
16
.
3
4
)
5
4
(
8
5
.
7
1
)
2
1
5
(
8
3
.
6
6
)
4
(6
.
3
5
)
1
4
(5
.
4
5
)
5
9
(
9
3
.
6
5
)
2
4
3
(
9
4
.
5
5
)
p
~直
n
s
n
s
n
s
n
s
n
s
p<
0.05
n
s
n
s
8
も(表 7)、喫煙看護師の方が有意に多かった
(pζ0.0001)。 職 場 で 喫 煙 す る 者 が 「 い な
0名 (15.63
い」と答えた者は、喫煙看護師で 1
を踏まえると、看護師の喫煙率に関しては今後
さらなる地域性の検討が必要と思われる O
次に、今回の調査では、喫煙と居住形態との
%)、非喫煙看護師では 66名 (26.09%) と非喫
関連は認められなかった。これは、新人看護師
煙看護師に多かった O 逆に職場で喫煙する者が
では、喫煙者に一人暮らしの者が有意に多いと
1
6人以上いる」と答えた者は、喫煙看護師で
の報告別とは異なる結果であった。この理由と
は25名 (39.06%)、 非 喫 煙 看 護 師 で は 5
1名
しては、本研究での対象病院が寮を完備してお
(20.16%)と喫煙看護師に有意に多いことが
り、就職後に入寮する者がほとんどであるた
め、喫煙・非喫煙にかかわらず、一人暮らしの
判明した。
者が多くなり、喫煙状況による居住形態に差が
見られなかったと考えられる o ただ、今回の調
考 察
査では、一人暮らしの者が調査対象者全体の
今回の調査における 20
代の女性看護師の喫煙
77.0%を占めていたことや、喫煙看護師は休憩
率は 20.18%であった。これは、厚生労働省国
室よりもむしろ、自宅で人目を避けて喫煙して
民栄養調査娼)による 20
代一般成人女性の喫煙率
いる則ことを考慮すると、他者の監視の目を気
1
9
:
1%よりも高いことが判明した。また、同じ
にすることのない一人暮らしという居住環境
20
代の女性看護師で比較した場合も、本調査で
は、今後、喫煙の継続あるいは喫煙の開始を促
の喫煙率は、国立病院に勤務する 20
代の女性看
す恐れのあることが危慎される O そのため、健
護師の喫煙率 1
2
.
1
1%よりも高かったヘこのよ
康教育等を通じて、看護師一人一人の喫煙に対
うに、今回の喫煙率が他の研究の喫煙率よりも
する意識改革が促進するよう支援していく必要
高い傾向にあった理由としては、近年の 20
代一
があろう
O
般成人女性の喫煙率が上昇するに伴い、本研究
今回の調査で喫煙状況を示す変数のうち平均
の対象者にも時代の様相が反映されたためと考
喫煙年数が5
.12年であることや、喫煙看護師の
えられる O また、看護師の喫煙率は都会の方が
平均年齢が24.20歳であることから、喫煙看護
高いとの報告 ω もあり、今回の対象病院もすべ
師では 20
代前半もしくは 1
0
代のうちに継続喫煙
て神戸市内に位置していることから、本研究で
が開始されたと推察できる O これは他の研究結
の喫煙率が高くなったとも考えられる O これら
果9.40) とも一致していることから、新人看護師
表 7 喫煙看護師と非喫煙看護師における周聞で喫煙する者の人数比較
喫煙する男性友人の人数(%)
な
喫 煙 看 護 師 (n= 6
4
)
本
非 喫 煙 看 護 師 (n=
2
5
3
)*
し
人
2~3 人
2
(3
.
1
3
)
4
(6
.
2
5
)
10
.
9
4
)
7(
3
8
(
1
5
.
0
2
)
3
1(
12
.2
5
)
4
0
(
1
5
.
81
)
4~5 人
P 値
6~ 人
0
(
6
2
.
5
0
)
1
1(
17
.
1
9
) 4
6
9
(
2
7
.
2
7
)
7
5
(
2
9
.
6
4
)
p<0.0001
喫煙する女性友人の人数(%)
喫 煙 看 護 師 (n= 6
4
)*
非 喫 煙 看 護 師 (n=
2
5
6
)
本
2
(3
.
1
3
)
)
5
(7
.
81
9
(
1
4
.
0
6
)
9
(
1
4
.
0
6
)
3
9
(
6
0
.
9
4
)
3
3(
12
.
8
9
)
2
3
(8
.
9
8
)
9
5
(
3
7
.
1
1
)
3
6(
14
.(
6
)
6
9
(
2
6
.
9
5
)
p<0.0001
職場で、喫煙する者の人数(%)
喫 煙 看 護 師 (n= 6
4
)*
1
0
(
1
5
.
6
3
)
2
(3
.
1
3
)
8
(
1
2
.
5
0
)
1
9
(
2
9
.
6
9
)
2
5
(
3
9
.
0
6
)
非 喫 煙 看 護 師 (nニ 2
5
3
)
6
6
(
2
6
.
0
9
)
14
.
2
3
)
3
6(
6
7
(
2
6
.
4
8
)
3
3(
13
.
0
4
)
5
1(
2
0
.1
6
)
事
*無回答例は除外
p<0.0001
9
あるいは学生の時点での防煙・禁煙指導を徹底
ローチした支援を行うことで、より効果的な禁
する必要性が示唆された。
煙支援が期待できると思われる O
健康意識に関しては、「酒をひかえている」
者や「睡眠、休養を十分とるように気をつけて
ストレス状態に関しては、喫煙看護師と非喫
煙看護師において有意な差は見られなかった。
いる J者が喫煙看護師よりも非喫煙看護師に多
しかし、喫煙看護師の GHQ平均得点が一般成
い傾向にあったが、いずれも両者に明らかな差
人女性28) よりも高いことから、喫煙・非喫煙に
は認められず、既存の報告21.3i) と異なる結果を
かかわらず、 2
0
代の女性看護師自身がもともと
示していた。これは、両者がともに看護師とい
強いストレス状態にあることが伺えた。これに
う専門職者としてのパックグランドを有してお
ついては、看護師のストレス状態が事務職員よ
り、普段から健康に留意しながら生活している
りも強い ω ことや、看護師は勤務時間が長く不
ためと推察される。
規則で、休暇時間も取りにくいなどの勤務条件
人格特性では、外向性に関して、喫煙看護師
に加えて、チーム医療での人間関係や死への直
と非喫煙看護師との聞に統計的に有意な差が認
面といった看護業務の特殊性のために強いスト
められた。これは、喫煙者が外界への刺激を求
レス状態にあり 26.43)、中でも 2
0
代、特に 2
5歳以
める性質が強いという従来の喫煙者の人格に関
下で経験年数の少ない看護師は、新しい機器に
する研究の結果 16.4]) を支持していた。その一方
未習熟であることや、臨死への直面など臨床看
で、自己愛性に関しては、喫煙看護師の方が強
護における r
e
a
l
i
t
ys
h
o
c
kの重なりによって、強
い傾向にあったものの両者に明らかな差は認め
いストレス状態を示す 44.451 ことからも裏付けら
られなかった。このことから、既存の研究が指
れる O このようにもともと強いストレス状態に
摘するような喫煙時の自己陶酔や昂揚感を追及
ある看護師がそのストレス解消の手段として喫
するお)ためというよりも、喫煙看護師は刺激を
煙を選択しないためにも、職場でのさらなる喫
求める性質が強いために、その手段の lつとし
煙対策の充実が必要と思われた。
て喫煙していることが推察された。さらに、喫
次に、本人の喫煙と周囲の喫煙状況との関連
煙動機に関して、今回の調査データの因子構造
として、家族の喫煙よりもむしろ、男女を問わ
を検討した結果、次の 4因子が抽出された。第
ず友人の喫煙と強く関連していることが明らか
1の因子は、陰性感情の除去という動機で、腹
になった。これは、女子大生や看護学生におい
を立てたり、不愉快になるなどのマイナスの感
て、友人の喫煙が本人の喫煙に影響する 46.,
I
i
l
こ
情に陥った際、気分転換のために喫煙するとい
とや、青年期女性の行動においては仲間集団が
うものである O 第 2は、無意識的操作という動
重要な関係を持つ 48) という女性の行動特性と一
機で、意識することなくいつの聞にか喫煙して
致していた。また、今回の調査の結果、友人の
いるというものである O 第 3は、快楽・習慣と
喫煙に加えて、同じ職場の人の喫煙とも強く関
いう動機で、心地よくゆったりした気持ちにな
連していることカf明らかになった。このことか
るから喫煙するというものである O 第 4は、知
ら、年上あるいは同年代の看護師の喫煙が2
0
代
覚運動操作という動機で、タバコに火をつけた
の看護師に影響を与字ていることが推察され、
り吐き出した煙を見るのが楽しみだから喫煙す
このような職場における看護師間の喫煙習慣の
るというものである。これらの動機は、先行研
引継ぎを絶ち切るためには、看護師一人一人に
究加の因子構造と比較すると、因子の名称に違
対する個別の支援と同時に、医療施設全体を視
いは見られるものの、内容では先行研究の結果
野に入れた喫煙対策の必要性が示唆された。ま
と共通していると考えられた。以上のことか
た、今後、看護師の喫煙が仲間の喫煙とどのよ
ら、今後の喫煙対策においては、個々の人格特
うに関係しているのかについてより深く研究す
性を配慮するとともに、喫煙動機に上手くアプ
ることにより、有用な防煙対策、禁煙支援に貢
1
0
p
.
4
7
1
2
3, 1
9
9
3
.
入社, p
献できると思われる O
最後に本研究の限界にも触れておきたい。第
2
. 高 橋 三 郎 , 大 野 裕 , 染 谷 俊 幸 . DSM-N
1は分析対象の代表性に関する問題である O 本
精神疾患の診断・統計マニュアル. (編)
調査は、無記名性を確保しながら、調査票の配
p
.
2
5
3
2
5
8,
金原優.東京,医学書院, p
布・回収過程におけるデータの漏出防止に細心
1
9
9
6
.
の注意を払っており、対象者の回答は信頼性の
3
.融道男,中根允文,小見山実. ICD-lO精神
高いものと考えられる O しかし、分析の対象は、
および行動の障害. (編)金原優.東京,
0
代の
神戸市内の国立及び私立病院に勤務する 2
p
.8
1
9
4, 1
9
9
3
.
医学書院, p
女性看護師であることから、結果を普遍化する
にあたっては、地域性をより強く反映した結果
であるという制約がある。これについては、今
後より大きなサンプルでの無作為化比較研究を
4
. 国民衛生の動向. (編)厚生統計協会.東
京,厚生統計協会,
p.9
2
.
5
. 平成 1
1年全国喫煙者率調査.日本たばこ産
業株式会社, 1
9
9
9
.
実施することで克服したいと考える。第 2は対
6. R
o
y
a
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o
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象施設の比較分析に関する問題である o これに
C
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ついては、今回、対象病院から事前に了解を得
t
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c
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p
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e u
s
e
r
s
.
L
a
n
c
e
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られていないため言及していないが、対象病院
8
2
1
9:5
4
1
5
4
6
.1
9
81
.
には国立および私立病院が含まれていることか
ら、施設のパックグランドが喫煙に影響を与え
7
. 森亨.医療従事者の喫煙.日本公衆衛生雑
誌 4
0:7
1
7
3, 1
9
9
3
.
ている可能性も考えられる O そのため、今後は
8
. 大井田隆,尾崎米厚,望月友美子,他.看
最後に、本
護師の喫煙行動に関する調査研究.日本公
施設別の比較検討も必要であろう
O
0
代の女性看護師の喫煙に関連する
研究では、 2
4:6
9
4
7
0
1, 1
9
9
7
.
衆衛生雑誌 4
要因として、人格特性、ストレス状態、喫煙動
9
. 大井田隆,尾崎米厚,岡田加奈子,他.看
機、健康意識、周囲の喫煙状況に着目した。し
護学生,新人看護師の喫煙行動関連要因.
かし、これら以外にも、看護師という職業観な
0:3
3
2
3
4
0, 1
9
9
8
.
学校保健研究 4
どの看護師本人が有する要因や勤務施設におけ
1
0
. 大島明,中村正和.大阪府下某職域におけ
る喫煙対策などの看護師を取り巻く側の要因も
5:5
2
7
る喫煙の実態.日本公衆衛生雑誌 3
考えられるため、これらの要因の関与について
5
3
0, 1
9
8
8
.
は今後の検討課題としたい。
11.寺島晶子,堤静香,工藤智久子,他.看護
師の喫煙に関する意識調査.日本看護学会
2
6回集録看護総合 1
0
1
1
0
3, 1
9
9
5
.
謝辞
稿を終えるにあたり、本調査にご協力いただ
1
2
. 蓑輪真澄.日本における国立病院看護師喫
きました看護師の皆様、調査に際しさまざまに
3(
3
) :3
7
0
3
7
1,
煙実態.公衆衛生研究 4
ご尽力賜りました石橋寿枝様、柴田洋子様、芝
1
9
9
4
.
見ミチヨ様、山口保子様に心より御礼申し上げ
1
3
.小林友美子.看護師の喫煙問題ヘルス
ます。なお、本稿は神戸大学大学院医学系研究
サービス・たばこのない世界を開く窓.
科保健学専攻修士論文の一部である o
(編)渡辺昌.保健同人社, p
p
.
8
3
1
0
0,
1
9
9
3
.
文
献
1
4
. 栗原久.ニコチンの精神作用に関する動物
4(
9
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喫煙と健康問題に関する報告
書 第 2版. (編)厚生省.東京,保健同
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. 栗原久,田所作太郎.動物実験でみる薬物
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健康とパーソナリティ.同朋社出版, p
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.小川浩.成人男子喫煙者の健康状態,性格,
飲酒習慣,社会的背景の特徴に関する統計
解析.京都大学数理解析研究所講究録 3
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8
. 萩原明人.ライフスタイルと嫌煙権意識,
とくに喫煙規制措置に関する法意識の知識
側面と関わりについて.日本衛生学雑誌
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行動に対する人格特性及びストレスの関
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21.加藤育子,富永祐民,松岡いずみ.喫煙者
および飲酒者の生活習慣の特徴.日本公衆
衛生雑誌 3
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) :466-467,1
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.
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喫煙,飲酒,肥満度と
パーソナリテイ.医学のあゆみ 1
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) :940-941, 1
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ストレス状況とその関連要因. Q
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(
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) :51-60,1
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5
. 永田耕司,門司和彦,竹本泰一郎他.一般
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) :186-195, 1
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6
. 古田真司,西村知子.未成年女子の飲酒と
喫煙行動の要因の検討-飲酒および喫煙
行動とその意識の相違について学校保
健研究 3
1:235-243, 1
9
8
9
.
4
7
. 村松園江.女子学生の喫煙行動と生活習慣
の係わりに関する研究(第 1報)生活およ
び喫煙対策に関する意識について,日本公
衆衛生雑誌, 3
2(
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) :675-685,1
9
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8
. 細木照敏.岩波講座
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