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内 科 学 - 慶應義塾大学医学部・医学研究科

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内 科 学 - 慶應義塾大学医学部・医学研究科
内科 学
Ⅰ.プログラムの名称
慶應義塾大学医学部内科学教室 後期臨床研修(専修医課程)プログラム
Ⅱ.基本方針
初期臨床研修医課程を修了した者で所定の手続きによる認定を受けた者は,さらに引き続き内科研
修医・専修医・助手として臨床教育を 4 年間受けることができる。
前期 2 年間の内科研修医教育課程においては,優れた内科専門医として高度な総合内科医療が提供
できるよう内科全診療科にわたる臨床訓練を受ける。後期 2 年間においては内科の各診療科のうちい
ずれかを専門領域として選択し,より専門化した訓練を受けるシステムとなっている。
Ⅲ.プログラムの指導者と参加協力施設
①プログラム指導者
1)教室統括責任者
慶應義塾大学医学部内科学教室
教室主任
鈴木 則宏 教授
(日本内科学会認定内科専門医,日本神経学会認定神経専門医,
日本脳卒中学会専門医,米国内科学会専門医)
研修医担当主任 兼 専修医担当主任
伊東 大介専任講師
(日本内科学会認定医・神経内科内科専門医・指導医,
認知症専門医・指導医、日本脳卒中学会専門医)
2)各診療科責任者
<循環器>
診療科部長
福田 恵一 教授
(日本内科学会認定医,日本循環器学会専門医)
<呼吸器>
診療科部長
別役 智子 教授
(日本内科学会認定医,日本呼吸器学会認定専門医)
<消化器内科>
診療科部長
金井 隆典 准教授
(日本内科学会認定医,日本消化器病学会指導医)
<腎臓・内分泌・代謝内科>
診療科部長
伊藤 裕 教授
(日本内科学会認定医,日本内分泌学会専門医,日本糖尿病学会専門医)
林 晃一 准教授
(日本内科学会認定医,日本腎臓学会専門医・指導医,
1
日本内分泌学会特例指導医,日本透析医学会専門医・指導医)
河合 俊英 専任講師
(日本内科学会指導医,日本糖尿病学会指導医)
<神経内科>
診療科部長
鈴木 則宏 教授
(日本内科学会認定内科専門医,日本神経学会認定神経専門医,
日本脳卒中学会専門医,米国内科学会専門医)
<血液内科>
診療科部長
岡本 真一郎 教授
(日本内科学会認定医,日本血液学会認定医・指導医)
中島 秀明 准教授
(日本内科学会認定医・総合内科専門医・指導医,
日本血液学会専門医・指導医)
<リウマチ内科>
診療科部長
竹内 勤 教授
(日本内科学会認定内科専門医、日本リウマチ学会専門医・指導医、
日本アレルギー学会専門医・指導医、日本感染症学会専門医)
<老年内科>
診療科部長
広瀬 信義 専任講師
(内科学会認定医・指導医,老年病学会認定医・指導医)
新井 康通 助教
(内科学会認定医・指導医,老年病学会認定医・指導医)
②基幹施設:慶應義塾大学病院(内科)
③参加協力施設:慶應義塾大学医学部関連病院会に属する内科学会認定教育病院,教育関連病院
Ⅳ.教育課程
前期 2 年における教育
この期間 1 年次は,慶應義塾大学病院内科において,呼吸・循環器・血液・リウマチ・消化器・神
経・腎臓内分泌代謝科 7 科を 7-8 週ずつ臨床研修し,2 年次は内科学教室教育関連病院内科において,
内科部長ないし医長の指導のもとに当該病院のカリキュラムに従い臨床訓練を受ける。
後期 2 年における教育
この期間は,慶應義塾大学病院内科の呼吸器内科・循環器内科・血液内科・リウマチ内科・消化器
内科・神経内科・腎臓内分泌代謝内科のうちいずれかを選択し,当該診療科部長の指導のもとに,さ
らに高度で専門化した訓練を受ける。
Ⅴ.教育内容
2
各診療科別後期臨床研修プログラムを参照。
Ⅵ.研究活動
各診療科別後期臨床研修プログラムを参照。
Ⅶ.学会,研究会など
各診療科別後期臨床研修プログラムを参照。
Ⅷ.評価方法など
①評価方法
後期臨床研修医前期 2 年修了時には,所定の手続きにより訓練の成果を評価し,次の課程に進むこ
との可否を決定する。
後期臨床研修医後期 2 年修了時には,全課程 4 年間の成果を所定の手続きにより評価する。評価の
手続きについては別に定める。
②プログラムの修了の認定
後期臨床研修医課程を修了した時点で上記の評価をもとに修了の認定を行う。
③プログラム修了後のコース
原則として引き続き慶應義塾大学医学部内科学教室助教として,教室または教育関連病院での医員
を続ける一方,指導医として後輩の育成に努める。
Ⅸ.身分
活動内容に応じて以下の 3 つに分かれる。
・ 医学部助教(専修医)
(診療)
:診療活動に重点
・ 医学部助教(専修医)
(出向)
:教育関連病院に出向
・ 医学部助教(専修医)
(臨床研究)
:大学院生の医学部・病院での身分
Ⅹ.その他
慶應義塾大学医学部内科学教室専修医研修プログラムに関する最新情報は,下記の内科ホームペー
ジをご覧ください。
URL:http://www.keio-med.jp
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呼 吸 器 内 科
Ⅴ.研修・教育内容
1.理念
呼吸器疾患患者に良質な医療を提供できるよう,呼吸器診療に関する知識・技能を修得する。
2.目標
呼吸器内科の研修・教育の目標として,以下が挙げられる。
① 急性期および慢性期の呼吸器疾患に対して,エビデンスに基づいた診断・治療を行うことができ
る。
② 病歴,身体所見,画像検査,呼吸機能検査などを総合的に判断して,的確な診断と治療方針の決
定ができる。
③ 人工呼吸器や非侵襲的陽圧換気による呼吸管理や栄養管理など,呼吸器疾患患者の全身管理を行
うことができる。
④ 呼吸器外科,放射線科,麻酔科,リハビリテーション科などと連携し,患者の QOL を重視した診
療を行うことができる。
3.前期 2 年間(卒後 3∼4 年目)
卒後 3 年目では内科の一般臨床を行う上で必要な呼吸器関連の診断・治療の修得を目標にする。病
棟では 10 名程度の患者を担当し,
日本呼吸器学会認定専門医を中心とする上級医による指導が行われ
る。一般診察に加えて,画像診断,生理機能検査,気管支鏡などの検査所見から的確な診断を下せる
ようにトレーニングする。また最新の EBM に準じた各種呼吸器疾患の診断,治療方針の決定の過程
を修得する。研修する疾患としては,肺癌,胸膜中皮腫,縦隔腫瘍などの腫瘍性疾患の他,慢性閉塞
性肺疾患,気管支喘息などの閉塞性肺疾患,特発性間質性肺炎,サルコイドーシス,急性呼吸促迫症
候群などのびまん性肺疾患,各種呼吸器感染症,睡眠時無呼吸症候群,慢性および急性肺血栓塞栓症
などの肺循環異常を来す疾患などがある。また病棟研修と並行して外来診療にも参加し,気管支喘息
など外来における管理が中心となる疾患の治療・管理も修得する。さらに気管支鏡検査に参加し,研
修期間中に挿入や内腔の観察など、基本的な手技をマスターすることを目標とする。当院の特徴とし
て,呼吸器外科,放射線科との連携が円滑で,胸腔鏡下手術や CT ガイド下生検,凍結療法などの幅
広い診断・治療方法に触れることができることが挙げられる。
卒後 3 年目では,当科研修期間中に以下のことが主体的に行えることを目標とする。
・診断法
胸部X線読影,胸部CT読影,呼吸機能検査,睡眠ポリソムノグラフィー,睡眠時呼吸モニター,血
液ガス分析,酸塩基平衡,気管支鏡検査,胸膜生検,右心カテーテル検査
・治療法
肺癌化学療法,閉塞性肺疾患の管理,間質性肺炎の管理,肺血栓塞栓症に対する血栓溶解療法,在宅
酸素療法(HOT)
,非侵襲的陽圧換気(NIPPV)療法,人工呼吸管理,病原体や薬剤感受性および PK/PD
理論に基づく適切な抗菌化学療法
卒後 4 年目では関連病院に出張し,内科医としての総合的な臨床研修を行う。この期間に卒後 3 年
間の臨床研修後に受験可能となる日本内科学会認定医試験に向けて,基本的な呼吸器疾患症例を中心
に臨床修錬を行う。
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4.後期 2 年間(卒後 5∼6 年目)
2 年間の内科全般の研修後,日本呼吸器学会認定専門医を目指して,呼吸器内科医としての専門的
な修錬を開始する。病棟患者の主治医として,カンファレンスなどで教授,スタッフと協議しながら,
主体的に診療を進める。また外来診療の主治医として,呼吸器内科専門外来における診療方法を修得
する。さらに臨床検査として運動負荷肺機能,気道可逆性/気道過敏性検査などの呼吸機能検査に従事
し,気管支鏡検査についても基本的操作法に加えて気管支肺胞洗浄,経気管支肺生検などの施行法・
解釈を修得する。呼吸器内科専門医になるための修練と並行して,関連領域である日本感染症学会,
日本アレルギー学会,日本臨床腫瘍学会,日本呼吸器内視鏡学会などの専門医取得を目指した研修も
可能である。以上の研修プログラムに加えて,臨床研究,基礎研究を行い,学会発表,論文作成を行
う。
Ⅵ.研究活動
専修医は自分の興味のある分野の研究グループに属して研究を行い,国内外の学会・研究会でその
成果を発表し,学位論文としてまとめる。研究内容は各種呼吸器疾患の病態生理,診断,治療法に関
連したものが中心である。
1.基礎研究
基礎研究活動は,喘息グループ,COPD グループ,肺癌グループ,肺損傷・感染症グループに分か
れて行われている。主な研究テーマとしては,気管支喘息の発症と小胞体ストレスの関連,炎症性肺
疾患に対する抗炎症性脂質メディエーターの治療効果,COPD の発症に関連する遺伝子の解析,急性
肺損傷の発症における接着分子・転写因子の役割,重症呼吸器感染症とエピジェネティクス,肺癌の
発症における DNA メチル化の関与,腫瘍幹細胞における癌抑制遺伝子の解析などがある。
2.臨床研究
臨床研究のテーマとしては,COPD 患者の併存症(肺高血圧,骨粗鬆症など)に関する研究,遺伝
子解析による肺癌・喘息の薬物感受性予測,
低侵襲な手法による肺癌患者の EGFR 遺伝子変異の検索,
薬物動態・薬力学理論に基づく各種呼吸器感染症に対する抗菌化学療法の確立,間質性肺炎患者の予
後予測因子などがある。
3.海外留学
学位取得後,自分の研究をさらに進めるために国外の研究機関への留学を奨励している。常時 10
名近くが留学中であり,最近の主な留学先としては,以下の施設がある。
Brigham and Women's Hospital, Harvard Medical School
Dana-Farber Cancer Institute, Harvard Medical School
University of Michigan Medical School
University of Pittsburgh School of Medicine
University of California, San Diego
University of Colorado, Denver
University of Chicago
Cincinnati Children’s Hospital Medical Center
National Jewish Medical and Research Center
The University of Sydney
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Ⅶ.学会、研究会など
【国内学会】
日本内科学会
日本呼吸器学会
日本肺癌学会
日本アレルギー学会
日本呼吸器内視鏡学会
日本結核病学会
日本臨床生理学会
日本呼吸療法医学会
日本救急医学会
日本集中治療医学会
日本臨床腫瘍学会
日本感染症学会
日本ショック学会
日本癌治療学会
日本睡眠学会
日本化学療法学会
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
【国際学会】
American Thoracic Society (ATS)
European Respiratory Society (ERS)
Asian Pacific Society of Respirology (APSR)
American Society of Clinical Oncology (ASCO)
American Association for Cancer Research (AACR)
International Society of Intensive Care and Emergency Medicine (ISICEM)
American Academy of Allergy, Asthma and Immunology (AAAAI)
Infectious Diseases Society of America (IDSA)
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循 環 器 内 科
Ⅴ.教育内容
a) 理念:
① 疾患だけではなく、常に全人的な見地から、患者の立場でものを考える習慣を確立する。
② 検査、治療におけるエビデンスを熟知した上で、個々の症例に対してテーラーメードに、最
善、最高の診療を行える能力を養成する。
③ 臨床および基礎研究の最新の情報にもアンテナを張り、常に病態メカニズムを意識し、診断
や治療などの新しい概念を世界に発信する環境づくりを目指す。
b) 後期研修年目:下記の研修目標を達成すべく,CCU,カテーテル検査,非侵襲的検査室,電気生
理学的検査(EPS)における基本的研修を受ける。
○各種重症不整脈に対する標準的急性期・慢性期治療
○急性冠症候群の救急外来から集中治療室におけるマネージメント
○急性心筋梗塞患者の急性期管理での的確な状況判断能力および治療の選択
○心不全急性増悪症例における血行動態管理と慢性期の治療法の選択
○冠動脈疾患,不整脈,弁膜症,先天性心疾患,心筋疾患患者の退院時リスク評価およびエビデンス
に基づいた治療法の選択
・ 診断法
心電図診断,心エコー図検査(経胸壁,経食道)
,ホルター心電図,運動負荷心電図検査,核医
学検査,心カテーテル検査,電気生理学的検査
・ 治療法
CCU における循環器急性疾患(不安定狭心症,急性心筋梗塞,心不全,重症不整脈)の管理,
冠動脈疾患に対するカテーテル・インターベンション,経皮的心房中隔欠損閉鎖術,経皮的動
脈管閉鎖術, 経皮的僧帽弁交連切開術、経皮的大動脈弁バルーン形成術等,閉塞性肥大型心筋
症に対する経皮的中隔心筋焼灼術, 慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症に対するバルーン肺動脈形成
術, 各種不整脈カテーテル・アブレーション治療,ペースメーカー治療,植え込み型除細動器
(ICD)及び心臓再同期療法(CRT),心臓リハビリテーションなど (経大動脈弁植え込み術(TAVI)
や mitral clip の施行開始準備中)。
c) 後期研修 5 年目以降:循環器専門医として病棟で多種多様な疾患に対するマネージメントを学ん
だ後、興味や適性に応じてカテーテル治療班、不整脈治療班、肺高血圧治療班、非侵襲検査班な
どのサブスペシャルティを目指した研修が用意されている。
Ⅵ.研究活動
基礎研究活動は,福田恵一教授の指導の元、世界でもトップレベルの研究が行われている。特に、
臨床へのフィードバックを意識して研究を行っているのが特徴である。
(トランスレーショナル・
リサーチ)
。既に、Cell, Nature Medicine, Nature Biotechnology, Nature Method, Cell Stem Cell, Journal of
Clinical Investigation, Circulation, Circulation Research などの世界の一流医・科学雑誌に数々の論文を
発表している。本邦の循環器内科の最高レベルの研究を行っており、その成果は学内外に広く知
られる所となっている。最近では、世界中の研究留学者も受け入れており、ラボの雰囲気は国際
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色豊かになっている。また、他大学からの国内留学者も広く受け入れ、研究室は活気に溢れてい
る。研究領域は大きく心臓発生・再生医学研究領域と成人心疾患研究領域に大別される。心臓発
生・再生医学研究領域の中心は、常に臨床応用を念頭においた iPS 細胞を用いた効率的な心筋再
生医療法の開発および遺伝性心疾患の病態解明と治療法の開発である。成人心疾患研究領域では、
心筋代謝や老化のメカニズム、心筋細胞の核内受容体に関する研究や、心臓支配神経の発生や心
不全病態における交感神経の可塑性に関する研究、弁膜症のメカニズムに関する研究などバラエ
ティーに富んだ、社会的にも影響力をもつ独創的な研究が行われており、世界的に注目を浴びる
成果をあげている。専修医は各々が興味のある分野の研究グループに属し、博士論文をまとめる
ことが出来る。その後は希望に応じ、欧米のトップレベルの研究室に研究留学することも可能で
ある。カテーテルアブレーショションや冠動脈インターベンションなどの臨床領域の留学も積極
的に取り入れている。
さらに、これらの基礎研究の成果や日常診療で得られた知見を背景に、国際的に通用する臨床エ
ビデンスを慶應から発信するため、既に他施設との共同研究を含めた大規模臨床研究を推進して
いる。
Ⅶ.学会,研究など
【国内学会】
日本循環器学会
日本心臓病学会
日本超音波学会
日本心血管インターベンション学会
日本内科学会
日本救急医学会
日本脈管学会
日本心電学会
日本心不全学会
日本高血圧学会
日本動脈硬化学会
日本不整脈学会
日本心エコー学会
【国際学会】
American Heart Association (AHA)
American College of Cardiology (ACC)
European Society of Cardiology (ESC)
Heart Rhythm Society
Society for Cardiovascular Angiography and Interventions (SCAI)
International Academy of Cardiology
International Society for Heart Research
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腎 臓 ・内 分 泌 ・代 謝 内 科
Ⅴ.教育内容
腎臓内分泌代謝内科に所属してからの専修医期間 3−4 年間で,教室員全員の,日本内科学会認定医,
総合内科専門医(旧:認定内科専門医)ならびに,各専門医の取得と医学博士号の取得を前提とした
カリキュラムを組み,「リサーチセンスを持つ臨床医の育成」を目指す。
(1)腎臓内科領域
1. 卒後 5 年目
1 年間の病棟配属により,腎臓内科学,高血圧学,副腎疾患に対する深い知識を習得する。さらに
他科との併診も行い幅広い知識を習得する。腎臓学会ならびに透析医学会専門医資格獲得のための学
会発表や論文作成を行う。同時に腎臓内科外来(1 単位程度)に配属され,外来フォロー方法を習得
する。
2. 卒後 6 年目
血液浄化透析センターにおいて,約 3 か月間透析診療を行う。維持透析患者の管理,シャント穿刺・
透析用カテーテル挿入技術などを指導医のもとで習得する。同時に腎臓内科外来(1 単位程度)に配
属される。また,腎生検の手技を,約 3−4 か月間指導医とともに行い、病理診断、治療方針の決定に
ついて行う。
3. 卒後 7 年目
腎臓内科外来(1 単位程度)に配属される。同時に,学位論文作成の仕上げを行う。
(2)内分泌・高血圧内科領域
1. 卒後 5 年目
日本内分泌学会内分泌代謝科専門医のトレーニングを開始する。内分泌代謝科専門医試験の受験資
格は,日本内分泌学会に入会して通算5年以上であり,この間に様々な内分泌・代謝疾患の外来およ
び病棟症例を受け持つ。そして,内分泌内科学(副腎疾患を中心),高血圧学に対する深い知識を習
得し,内分泌学の研究テーマを決めて,研究を開始する。
2. 卒後 6 年目-7 年目
内分泌学・高血圧の研究を継続し,内分泌関連の学会発表や論文作成などを目指す。
(3)糖尿病・代謝内科領域
1. 卒後 5 年目
糖尿病学会専門医,内分泌学会専門医のトレーニングを開始する。内分泌代謝疾患,あるいは内科
的な諸問題にて入院となった患者を中心に診療を行う。
2. 卒後 6 年目
糖尿病診療を中心とした内分泌代謝外来診療,ならびに他科からの診療依頼に対する対応を中心
に学ぶ。長期にわたる患者管理とコンサルテーションの資質を身につけることに重点をおく。
3. 卒後 7 年目
他科に内分泌代謝疾患以外の問題で入院中の患者(併診患者)に主としてかかわり,外科系の手術
前後の管理,高カロリー輸液時の血糖などの管理,妊娠糖尿病もしくは糖尿病合併妊娠の管理など特
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殊な病態における内分泌代謝疾患管理を中心に研修する。同時に,学位論文作成の仕上げを行う。
(4) その後の進路
各人の適性,希望,実績を考慮して,国内・国外を問わず留学して研究に数年集中する機会が与えら
れる場合と,腎臓・透析専門医あるいは糖尿病専門医として関連病院へ就職する場合とがある。
Ⅵ.研究活動
臨床医学教室での研究の目標はあくまで,
高度先進医療の実践力を有した有能な医師の養成にある。
すなわち,あくまで個々の患者を診ることを基盤にして臨床の場での発見を第一に考え,研究成果を
実験医療に引き上げる高い臨床的見識と開拓的態度を有した SCIENTIFIC CLINICIAN の育成が重要
であると考えている。腎臓内分泌代謝内科では,基礎医学との有効な連繋に基づく高度先進医療の実
践を目指し,「未病と再生への挑戦」を研究の主要テーマとしている。各研究グループに分かれて研
究活動をおこなっている。微小循環・メタボリックシンドロームグループ、高血圧発症病態グループ、
腎臓・血管再生グループ、肥満・2 型糖尿病発症・予防グループ、免疫・腸管代謝グループ、副腎内
分泌グループ。
<研究姿勢>
生活習慣病(高血圧症,糖尿病,高脂血症,高尿酸血症など),メタボリックシンド
ロームおよびその腎臓,血管合併症の分子病態の解明とくに新しい生理活性物質の意義の解析と,新
規治療法開発をめざしたトランスレーショナルリサーチ。生活習慣病発生予防と抗加齢に関する内分
泌学的アプローチ。
Ⅶ.学会など
【国内学会】
日本内科学会,日本糖尿病学会,日本内分泌学会,日本肥満学会,日本腎臓学会,日本透析医学会,
日本高血圧学会,日本循環器学会,日本心血管内分泌代謝学会,日本甲状腺学会,日本免疫学会
など
【国際学会】
American Society of Nephrology (ASN), American Society of Hypertension (ASH), American Heart
Association (AHA),
European Society of Hypertension (ESH),
Endocrine Society (ENDO), International
Society of Endocrinology, International Society of Hypertension (ISH),
International Society of Nephrology
(ISN),
American Diabetes Association (ADA),
European Association for the Study of Diabetes (EASD),
International Diabetes Federation Western Pacific Region Congress (IDF-WPRC), American Thyroid
Association (ATA), American College of Sports Medicine (ACSM), International Diabetes Federation (IDF) な
ど
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消化器内科
Ⅴ.教育内容
病棟業務を中心とした研修となっており、消化器内科専修医(卒後 5−7 年目)とペアーを組み、
5∼10 症例の入院患者を担当する。疾患は多岐にわたるが、主体的に診療に携わることで消化器内
科領域の主たる疾患につき診断および標準的治療が自力で行えるようになることが目標となる。な
お、比較的頻度の高い疾患は以下の通りである。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病、腸管ベーチェットなど)
悪性腫瘍(食道癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌、肝臓癌など)
肝硬変とその合併症(食道静脈瘤、肝性脳症など)
ウイルス性肝炎
劇症肝炎
アルコール性臓器障害
膵炎
消化管出血
複数の疾患を有する症例や難治例が多く含まれるのが施設としての特徴だが、専門性を有する上級
医から適宜アドバイスを受けられる体制が整っており、また、症例の偏りについても配慮がなされ
る。
また、当科では学生教育を非常に重要視しており、診療参加型実習を行っている医学部生の指導
も病棟業務のなかに含まれる。これは、指導のために学習することが自らを臨床医として高めるこ
とに繋がるという半教半学の精神に基づくものである。
外来については、週一回上級医の外来診療をサポートしながら外来診療を学んでいくシステムに
している。
検査については、担当症例の腹水穿刺や肝生検は無論のこと、希望者は週一回上部消化管内視鏡
検査の研修を受けることができる。内視鏡シミュレーターを用いたトレーニングも並行して行える
ため、内視鏡検査の基礎を比較的短期間で習得することが可能となっている。
カンファレンスについては消化器内科全体のカンファレンスがある他、炎症性腸疾患、臨床主要、
肝臓、膵臓、上部消化管の各診療グループでのカンファレンスが毎週行われているため、担当症例
の診療について専門医と十分な意見交換をしながら最先端の知見を学ぶことができる。
Ⅵ.研究活動
研究内容は,食道・胃・腸・肝臓・膵臓・胆管疾患の病態整理に関する臨床的ならびに基礎的
研究を行っている。主な研究テーマとしては
1.
胃潰瘍,胃粘膜障害の発生機序に関する研究(ヘリコバクター感染や癌化との関連を含めて)
2.
腸管の消化・吸収・運動に関する研究
3.
炎症性の腸管障害の発生機序に関する研究(クローン病・潰瘍性大腸炎の病態生理の解析や癌
化機序の解析を含めて)
4.
炎症性腸疾患に対する新たな治療法の開発(臨床試験を含めて)
17
5.
消化器癌に対する新たな化学療法の確立を目指す基礎研究および臨床研究
6.
肝移植を含めた劇症肝炎に対する治療法の確立に関する臨床研究
7.
肝炎および肝硬変症(ウイルス性・自己免疫性)の病態と治療に関する研究
8.
アルコール性臓器障害(消化管,肝・膵)に関する研究
9.
肝臓癌発生のメカニズムに関する臨床的および分子生物的研究
10. NASH・脂肪肝のメカニズムに関する基礎的・臨床的研究
11. 肝・消化管の再生および分化に関する基礎的研究
12. Cancer stem cell の同定と機能解析
13. 膵線維化の機序に関する基礎的研究
14. 自己免疫性膵炎に関する臨床・基礎研究
などが挙げられ,いくつかの研究グループに分かれて行っているが,その活動は上記以外にも
多岐にわたっている。興味を持った分野についてはスタッフとともに実際に基礎・臨床研究に参加
し,各種専門学会(日本消化器病学会・日本肝臓学会・日本消化器内視鏡学会など)にその成果を
報告することも可能である。
Ⅶ.学会,研究など
【国内学会】
日本内科学会
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会
日本肝臓学会
日本消化器免疫学会
日本微小循環学会
日本消化吸収学会
日本アルコール・薬物医学会 日本癌学会
日本リンパ学会
日本免疫学会
日本成人病学会
日本自律神経学会
日本臨床免疫学会
日本心脈管作働物質学会
日本臨床電顕学会
日本脈管学会
日本臨床腫瘍学会
【国際学会】
全米消化器病学会
世界消化器病学会(OMGE)
アジア太平洋消化器病学会
アジア太平洋肝臓学会
全米肝臓病学会
国際粘膜免疫学会
国際アルコール医学生物学会 国際リンパ学会
世界微小循環学会
国際肝臓学
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神 経 内 科
Ⅴ.教育内容
後期臨床研修(卒後 3─4 年目)
卒後 3 年目では,神経内科のローテーションとしては,将来,どのような専門分野にすすんでも,
内科医として最低限必要な神経内科領域の Common Disease の臨床的な診断と治療を行えることを目
標とする。一般診察に加えて神経学的診察を行い,神経学的所見を正確に把握できること,診察所見
から得られた所見から,部位診断,さらに鑑別診断を行えるようにトレーニングする。そして,鑑別
診断から必要な画像診断,神経生理学的な検査を抽出し,各検査の特徴を理解し,検査結果を元に確
定診断に至る。さらに文献調査を含めた EBM に則り治療方針を決めていく診療課程を修得する。神
経内科疾患のうち,頭痛やめまいなど外来診療が中心となる疾患に関しては,毎日行われている初診
外来を中心に外来診療に付き,その診断と治療法を修得できるようにする。
卒後 4 年目では関連病院に出張し,内科医としての総合的な臨床研修を行う。この期間に卒後 3 年
研修後に受験資格が与えられる日本内科学会認定医資格認定試験に向けて,基本的な神経疾患症例を
中心に臨床トレーニングを行う。
後期臨床研修(卒後 5─7 年目)
2 年間の一般内科的な後期臨床研修の後,日本神経学会認定神経内科専門医を目ざして,神経内科
医としての専門的なトレーニングを開始する。上級医として研修医と共に病棟の患者を受け持ち,チ
ャート・カンファレンス,症例カンファレンス,病棟カンファレンスなどで教授,スタッフ,研修指
導医と相談しながら,中心となって診療を進める。また,スタッフの外来に付いて,神経内科専門外
来の診療の仕方を学ぶ。教育的なプログラムとして,筋電図,脳波,神経超音波,神経放射線をロー
テーションする期間があり,神経内科専門医として必要なこれらの技術を学び,さらに,臨床のみな
らず,臨床研究,基礎研究(動物実験を含む)を行い,学会発表,論文作成を行う。さらに、subspecialty
として 5 つの専門コース(神経変性疾患、神経免疫、脳卒中、認知症、頭痛)を設けており、脳卒
中専門医、頭痛専門医、認知症専門医の取得を目指すことが可能である。また、富山大学医
学部附属病院神経内科と連携して互いの特色を生かしながら研修を行い、臨床能力を高める。
Ⅵ.研究活動
脳循環・脳卒中は当神経内科研究室の研究メインテーマのひとつであるが,これまでの研究で発展
してきた脳血管・ニューロン・グリアについての知見は,さらに広く片頭痛・認知症・神経変性疾患
の病態を解明する基礎となり,現在各分野で幅広く研究を行っている。各研究テーマを紹介する。
1. 脳循環代謝・脳卒中に関する研究
基礎研究のテーマとしては,脳微小循環障害,脳梗塞における白質病変メカニズムとオリゴデンド
ロサイトの再生,虚血性遅発神経細胞死,ニューロンのエネルギー代謝におけるアストロサイトの役
割。臨床研究として,経頭蓋エコー,頚動脈プラークイメージング,XeCT,SPECT などによる脳循
環不全の病態,遺伝子多型解析,関連病院との連携による大規模データベースの作成による脳卒中再
発因子の疫学的調査。
2. 片頭痛に関する研究
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臨床研究として片頭痛における自律神経機能,ニューロトランスミッター,リンパ球機能の検討。
基礎研究として,脳血管反応性,脳硬膜に起こる神経原性炎症,脳血管の神経支配,三叉神経刺激に
よる片頭痛の動物実験モデルによるニューロトランスミッターおよびレセプターの研究。
3. 神経変性疾患関する研究
前頭側頭葉変性症と筋萎縮性側索変性症の疾患スペクトラムを中心に、TDP-43,FUS、optineurin の
生化学的、細胞生物的解析を行っている。特に、蛋白、RNA 品質管理機構と神経変性過程の分子機構
に注目している.
4. 筋疾患・重症筋無力症に関するリンパ球(T 細胞)機能や HLA との関連,自己抗体の検出
5. 神経疾患特異的 iPS 細胞の作成と解析
神経疾患の研究における障壁のひとつは、侵襲性の高い脳生検は施行するのが難しく、死後変性に脆
弱な神経系は剖検から生化学に適した組織を得ること困難な点である. 本研究では、難治性の神経疾
患の患者から皮膚等の体組織試料を採取し、iPS 細胞を樹立、神経細胞に分化誘導し生化学的、細胞
生物学的な特性を解析する. この手法により、これまで検体採取困難だった神経疾患の原因・治療研
究において、従来にない観点からの疾患研究の発展が予測される. 特に、創薬スクリーニングには強
力な手法となりうる. また、iPS 細胞由来神経細胞の疾患特異的な現象(例えば、AD の A 42 の産生
やタウ蛋白の蓄積)を指標に、脳生検に変わる画期的な診断法の確立が期待できる. さらに、簡便な
iPS 細胞の樹立と神経細胞の分化誘導法を確立し、多くの神経疾患の iPS 細胞を作製、管理し神経疾
患 iPS 細胞バンクを設立するとともに、国内外の研究機関への提供と研究の発展に貢献することを最
終目標としている.
6. 多発性硬化症に対する髄鞘再生医薬の開発
多発性硬化症病巣には未熟な髄鞘形成細胞が残存していることが分かっている。この細胞を人為
的に分化誘導することにより髄鞘再生は増強され、後遺症からの回復が期待される。既に分化誘
導を成し遂げる為に必要となる目標分子を同定しており、培養細胞では髄鞘再生への誘導に成功
している。
Ⅶ.学会,研究など
【国内学会】
日本内科学会
日本神経学会
日本脳循環代謝学会
日本脳卒中学会
日本自律神経学会
日本微小循環学会
日本脈管学会
日本神経治療学会
日本頭痛学会
日本神経化学会
日本神経科学会
運動障害研究会
日本認知症学会
【国際学会】
Society for Neuroscience (SFN)、International Society for Cerebral Blood Flow and Metabolism、American
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Academy of Neurology (AAN) International Conference on Alzheimer's Disease (ICAD)
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血 液 内 科
Ⅴ.研修・教育内容
病棟での臨床研修では 6-10 名程度の症例を受け持ち,日本血液学会認定の指導医あるいは認定医に
よる直接指導が行われる。外来診療にも週 1 回参加する。造血器疾患の,エビデンスに基づいた全身
管理を習得することを目標とする。これにより,日本内科学会認定医・専門医資格取得のために十分
な研修が受けられる。研修内容としては以下の通りである。
造血器腫瘍の診療:急性白血病,慢性白血病,悪性リンパ腫,多発性骨髄腫,骨髄異形成症候群,骨
髄増殖性疾患,造血幹細胞移植,再発・治療抵抗例への対応,抗体療法,分子標的療法。非腫瘍性血
液疾患の診療:溶血性貧血,鉄欠乏性貧血,再生不良性貧血,特発性血小板減少性紫斑病,播種性血
管内凝固症候群(DIC)
。支持療法:好中球減少時の感染の予防および治療,その他の免疫抑制状態に
おける感染の予防および治療,輸血製剤の適正使用と副作用,oncologic emergency。検査・手技:骨
髄穿刺/生検,中央検査部との連携による形態学,細胞表面抗原,遺伝子検査。
Ⅵ.研究活動
基礎的研究活動としては,造血器腫瘍,造血幹細胞による造血制御,血栓止血疾患,骨髄移植など
に関する研究を主体として,臨床に応用できる質の高い研究がなされており、国際的にも評価されて
いる。最近の研究としては、造血幹細胞の未分化性維持機構の研究,白血病幹細胞の生成・維持メカ
ニズムの解明とそれらを標的とした分子標的薬剤の開発,人工血小板などの人工血液製剤の開発,造
血器腫瘍に対する新規分化誘導療法および分子標的療法の開発,経口投与可能なヒト血小板増加薬の
開発など血球産生促進に関する研究などが挙げられる。
また臨床研究も盛んであり,後期研修医も希望者は症例報告などの指導も受けられる。造血幹細胞
移植における独自の移植前処置による移植方法,ウイルス感染症を含めた合併症の治療法,造血細胞
移植後の免疫再構築の研究,新規薬剤を用いた医師主導臨床試験など,いずれの分野でも国内外で高
い評価を得ている。後期研修医でも意欲のある者は,研究活動への参加を多いに歓迎する。
必要に応じて,国内外の研究機関との共同研究が行われ,さらに研究を発展させるための国外留学
も盛んである。最近の留学先として MD Anderson Cancer Center, Harvard School of Public Health, National
Institute of Health, Fred Hutchinson Cancer Research Center, Memorial Sloan-Kettering Cancer Center,
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Scripps Research Institute, University of San Francisco,
Harvard University, Northwestern University,
National Institute of Health, University of Michigan などがある。
Ⅶ.関連学会
【国内学会】
日本内科学会,日本血液学会,日本臨床腫瘍学会,日本輸血学会,日本炎症再生医学会,日本癌学会,
日本血栓止血学会,日本感染症学会,日本遺伝子治療学会,日本造血細胞移植学会,日本臨床腫瘍学
会
【国際学会】
American Society of Hematology
International Society for Experimental Hematology
International Society for Stem Cell Research
American Association for Cancer Research
International Society of Thrombosis and Haemostasis
American Society of Blood and Marrow Transplantation
European Group of Blood and Marrow Transplantation
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リウマチ内科
Ⅴ.研修・教育内容
病棟での臨床研修では 5-10 名程度の症例を受け持ち,日本リウマチ学会認定の指導医あるいは専門
医による直接指導が行われる。外来診療にも週 1 回参加する。 膠原病・自己免疫疾患に対するエビデ
ンスに基づいた全身管理を習得することを目標とする。これにより,日本内科学会認定医・専門医資
格取得のために十分な研修が受けられる。研修内容としては以下の通りである。
リウマチ性疾患および膠原病の疾患概念・診断:関節リウマチ,全身性エリテマトーデス,全身性強
皮症,多発性筋炎/皮膚筋炎など膠原病および膠原病類縁疾患の診断基準と臨床病型および活動性,重
症度の評価法。病態:免疫学的病態の理解と治療選択への応用。検査・手技:理学所見による患者評
価,自己抗体の測定および評価,関節液検査,骨・関節レントゲン線写真の読影。神経内科,腎臓内
科,循環器内科,皮膚科との連携による筋生検,腎生検,右心カテーテル検査,皮膚生検などの各種
侵襲的検査。各臓器障害への対応と治療:副腎皮質ステロイド,非ステロイド抗炎症薬,抗リウマチ
薬 (免疫調節薬および免疫抑制薬),生物学的製剤の適応と実際の使用法。アレルギー性疾患:アレル
ギー性疾患の診断法,アレルギー性疾患の免疫療法の基礎と実際。
Ⅵ.研究活動
基礎的研究活動としてリウマチ・膠原病など自己免疫性疾患に関する分子細胞生物学および実験動
物を用いた研究を主体として,
臨床に応用できる国際的に評価され得る質の高い研究がなされている。
最近の研究としては関節リウマチを中心とした膠原病の病態解析および治療標的の探索、自己免疫疾
患における病因的免疫応答の解析と選択的治療法の開発,単球由来多能性細胞の分化能,遺伝子発現
の解析および再生医療への応用,ヒト血管内皮前駆細胞の機能解析とその異常に基づく疾患に対する
治療法の開発,病的線維化を抑制する新規治療法の開発,急速進行性間質性肺炎合併皮膚筋炎と関連
自己抗体の追究などが挙げられる。
臨床研究として、関節リウマチなどの疾患を対象とした新規生物学的製剤の大規模臨床試験,早期
関節リウマチの大規模コホート研究(SAKURA study : Systematic Cohort Analysis in Keio University
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- Rheumatoid Arthritis)などが積極的におこなわれている。また膠原病に伴う早期または境界型肺動
脈性肺高血圧症に対する薬剤介入効果の検討、全身性強皮症のおけるスタチン製剤の血管修復および
血流改善効果に関する検討も行われ,いずれの分野でも国内外で高い評価を得ている。国内外の研究
機関との共同研究も積極的に行われ,研究を発展させるための国外への留学もキャリアにおける選択
肢の一つである。最近の留学先としては National Institute of Health, University of Pittsburgh, Johns Hopkins
University などがある。後期研修医においても意欲のある者の研究活動への参加を多いに歓迎する。
Ⅶ.関連学会
【国内学会】
日本内科学会,日本炎症再生医学会,日本リウマチ学会,日本臨床免疫学会,日本免疫学会,日本骨
粗鬆症学
【国際学会】
American Society of Hematology, American College of Rheumatology, American Association of Immunologists,
European League Against Rheumatism, Asia Pacific League Against Rheumatism
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