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マンモグラフィと超音波検査の総合判定基準 2010/5/26 案

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マンモグラフィと超音波検査の総合判定基準 2010/5/26 案
マンモグラフィと超音波検査の総合判定基準 2010/5/26 案
マンモグラフィを参照しながら超音波検査をする場合、もしくは読影所見(超音波検査
を行うことを前提に読影されたもの*1)を参考に超音波検査を行う場合を、同時併用検診
と定義する。同時併用検診の場合、マンモグラフィで問題となっている部位を超音波でよ
り注意深く観察することにより、マンモグラフィの情報がない場合(分離併用検診)と比
べて超音波検査の信頼性が高くなる。
超音波検査において全乳房が動画で保存されていて、マンモグラフィで気になる所見が
あった時に動画を再確認できる場合も同時併用検診とする。
*1
マンモグラフィ単独や分離併用検診の場合、マンモグラフィでの要精検率がそのまま最
終的な要精検率に直結するため、FADを拾い上げすぎない(要精査とする閾値を上げる)よ
うに留意しなければ、要精検率が高くなってしまう。しかし、同時併用の場合には、マ
ンモグラフィで検出したFADを超音波検査で異常なしとすることができることが多い、し
たがって、マンモグラフィでFADを多めに拾い上げた(要精査とする閾値を下げる)として
も総合判定によって要精検率を下げることが可能となる。また感度があがることが期待さ
れる。
同時併用検診における総合判定基準
マンモグラフィで悪性所見がなく(C1、2)、超音波検査単独の所見があった場合に、マ
ンモグラフィ上乳腺実質の多い部位であれば超音波所見を優先する。その部位が脂肪性で
ある場合は超音波判定の参考にして、拾い上げすぎないようにする。
マンモグラフィで C3 以上の所見がある場合を以下の表に記載する。
マンモグラフィ所見
境界明瞭平滑(C3)
超音波所見
超音波検査所見を優先
対応するものが確認できなければ要精査*2
腫
微細分葉状(C4)
マンモグラフィ所見を優先*3
瘤
微細鋸歯状(C4)
マンモグラフィ所見を優先*3
境界不明瞭な腫瘤(C4)
マンモグラフィ所見を優先*3
スピキュラを伴う腫瘤(C5)
マンモグラフィ所見を優先
評価困難
超音波検査所見を優先
局所的非対称性陰影(C3)
正常乳腺と判断できれば C1
正常乳腺と判断できない、もしくは部位が特
定できなければ C3
腫瘤ないし非腫瘤性病変が確認できれば超音
波所見を優先
非対称性乳房組織(C3)
微小円形石灰化(C3)
FAD に同じ
マンモグラフィ所見を優先*3
石
数が少なくて超音波所見がない場合には C2
灰
としてもよい場合がある*4
化
淡く不明瞭な石灰化
マンモグラフィ所見を優先*3
*
多形性石灰化
マンモグラフィ所見を優先*3
4
石灰化がやや粗大で境界明瞭平滑な腫瘤があ
れば C2 とできる場合がある
微細線状石灰化(C5)
マンモグラフィ所見を優先
構築の乱れ(C4)
マンモグラフィ所見を優先*3
構築の乱れ疑い(C3)
FAD に同じ
*2
マンモグラフィで検出された病変が超音波検査で対応する病変として認識できない場合、
2つの可能性がある。1つはその部位を走査していない可能性、2つめは、脂肪と等エコ
ーを示すために、病変の存在する部位を検査しているにも関わらず、それとして認識でき
ない場合である。後者のなかに注意すべき疾患として粘液癌がある。実際の検診では線維
腺腫や乳房内リンパ節の場合が主である。
*3
超音波所見によっては、最終カテゴリーが C3~C5 に変わることがある。原則として C2
以下にはならない。
*4
微小円形石灰化が数も少なくてさほど密度がない場合は、通常の読影ではカテゴリー2
となるが、そこだけしか石灰化がなく背景が脂肪濃度ではない場合にはマンモグラフィ上
で唯一の癌を示唆する所見となることがある。*1と同様にやや閾値を下げることによっ
て、超音波検査時に注意深く観察することをうながすという場合である。 *5
線維腺腫の石灰化の初期像として想定できる場合など。
*6
マンモグラフィで石灰化が見えず、超音波検査で点状高エコーが指摘された場合、現状
では、マンモグラフィ所見を優先し石灰化と判断しない。ただし、欠像は考慮する。
分離併用検診の場合
マンモグラフィで指摘されている病変が超音波所見に対応していると判断できる場合には、
同時併用と同じ総合判定とする。
マンモグラフィ検査で C3 で超音波検査で C2以下にできる場合がある
例: 境界明瞭平滑な腫瘤 C3→嚢胞、明らかな線維腺腫 C2
局所的非対称性陰影 C3→周囲乳腺と同様構造 C1
非対称性乳房組織 C3→周囲乳腺と同様構造 C1
構築の乱れ疑い C3→周囲乳腺と同様構造 C1
多形性石灰化(やや粗大)C3→背景に境界明瞭平滑な腫瘤 C2
超音波検査で C3 でもマンモグラフィで C2 以下にできる場合がある。
例: 境界明瞭平滑な腫瘤で等エコーに近い内部エコーを有するもの C3→乳腺内脂肪 C2
背 景
乳癌検診における
マンモグラフィと超音波検査の
総合判定基準(案)
JABTS検診班
カテゴリー判定
• どんなシステムであっても、マンモグラフィとU
Sの所見は単独で評価しカテゴリー判定する。
• そのうえで、総合判定を行うことを推奨する。
分離併用
• マンモグラフィの情報がなくて超音波を施行し
た場合を分離併用検診と呼ぶ
– 超音波を先に行う場合
– MMGは撮影してあっても、超音波を施行する技
師がその所見を参考にできない場合
• MMGとUS検診の要精査基準はすでに作成さ
れている。
• しかし、それぞれを併用する場合、どちらかで
要精査となったものをそのまま併用検診とし
ての要精査とするのでは、無駄が生じる
• 単に足し算とするのではなく、効率よく、しか
し見落としなく、2つの異なるmodalityを利用
するために必要な、総合判定基準を提案する
同時併用
• マンモグラフィを参照しながら超音波検査を
する場合、もしくは読影所見(超音波検査を
行うことを前提に読影されたもの)を参考に超
音波検査を行う場合を、同時併用検診と定義
する
• 超音波検査において全乳房が動画で保存さ
れていて、マンモグラフィで気になる所見が
あった時に動画を再確認できる場合も同時併
用検診とする。
限局性非対称性陰影(FAD)の対応
• マンモグラフィ単独や分離併用検診の場合、
マンモグラフィでの要精検率がそのまま最終
的な要精検率に直結するため、FADを拾い上
げすぎない(要精査とする閾値を上げる)よう
に留意しなければ、要精検率が高くなってし
まう。
限局性非対称性陰影(FAD)の対応
• しかし、同時併用の場合には、マンモグラフィ
で検出したFADを超音波検査で異常なしとす
ることができることが多い、したがって、マンモ
グラフィでFADを多めに拾い上げた(要精査と
する閾値を下げる)としても総合判定によって
要精検率を下げることが可能となる。また感
度があがることが期待される。
マンモグラフィと超音波検査の
総合判定基準
• マンモグラフィの所見の認識および判定が先
にあり、それを考慮しながら超音波検査、さら
にその判定を行い、さらに総合判定を行う。
• 総合判定がその検診の精度を決定する
• ただし、超音波を施行するからといって、非対
称の部位や高濃度部分をすべて要精査とし
てよいということではなく、あくまでもマンモグ
ラフィでの所見はこれまでどおり、よく吟味す
ることは必要である。
マンモグラフィと超音波検査の
総合判定基準
• マンモグラフィの所見の認識および判定が先
にあり、それを考慮しながら超音波検査、さら
にその判定を行い、さらに総合判定を行う。
• 総合判定がその検診の精度を決定する
• ただし、超音波を施行するからといって、非対
称の部位や高濃度部分をすべて要精査とし
てよいということではなく、あくまでもマンモグ
ラフィでの所見はこれまでどおり、よく吟味す
ることは必要である。
マンモグラフィで悪性所見がなく
(C1、2)、超音波検査単独の
所見があった場合
• マンモグラフィ上乳腺実質の多い部位であれ
ば超音波所見を優先する。
• その部位が脂肪性である場合は超音波判定
を行う場合、マンモグラフィでは悪性所見がな
いということを参考にして、拾い上げすぎない
ようにする。
同時併用検診における総合判定基準
MMGカテゴリー1or2 USカテゴリー3以上
マンモグラフィでカテゴリー3以上の
所見があった場合(MMGで要精査)
MMGカテゴリー1or2
USカテゴリー3以上
US所見を優先する
• MMGの所見が腫瘤でカテゴリー3以上の場合
– 境界明瞭平滑な腫瘤や評価困難な場合は、超音波
所見を優先する
• たとえば、嚢胞や典型的線維腺腫であった場合には、超
音波所見はカテゴリー2となる。この超音波所見を優先
する
– ただし、対応するものが確認できない場合、要精査
– 微細分葉、境界不明瞭、スピキュラを有する場合に
はMMG所見を優先する
MMG カテゴリー3
境界明瞭平滑腫瘤
境界明瞭平滑な腫瘤や評価困難な
場合は、超音波所見を優先する
• たとえば、嚢胞や典型的線維腺腫であった場
合には、超音波所見はカテゴリー2となる。こ
の超音波所見を優先する
MMGでカテゴリー3以上の所見に
対応するものが確認できない場合
MMGで境界明瞭平
滑な腫瘤で嚢胞や
線維腺腫があきら
かな場合、US所見
を優先する
R
MLO
L
MLO
US カテゴリー2 嚢胞
①その部位を走査していない可能性
• その部位を走査していない可能性
• 脂肪と等エコーを示すために、病変の存在
する部位を検査しているにも関わらず、そ
れとして認識できない場合である。
18
19
20
②脂肪と等エコーを示すために
ルーチンでは検出困難
• 粘液癌
• 線維腺腫
• リンパ節
粘液癌
微細分葉、境界不明瞭、
スピキュラを有する場合
• 原則としてはMMG所見を優先するが、最終判
定はMMGとは異なる可能性はある
• US所見でよりはっきりと性状がわかれば、カテ
ゴリー判定は変更される可能性があるが、C2
以下にはならない
脂肪と等エコーのために意外にわかりにくいことがある
対応するものが確認できない場合、要精査
マンモグラフィでカテゴリー3以上の
所見があった場合(MMGで要精査)
• MMGの所見がFADあるいはABTでカテゴリー3
以上の場合
– 超音波で正常乳腺と断定できればカテゴリー1
– 正常乳腺と判断できない。もしくは部位が特定でき
ない場合はカテゴリー3
– 腫瘤あるいは非腫瘤性病変が確認できれば超音
波所見を優先する
MMGでFAD
USで正常乳腺と
断定できればカテゴリー1
右乳房C領域の乳腺組織が
あきらかに左C領域より厚い
マンモグラフィでカテゴリー3以上の
所見があった場合(MMGで要精査)
• MMGの所見がFADあるいはABTでカテゴリー3
以上の場合
– 超音波で正常乳腺と断定できればカテゴリー1
– 正常乳腺と判断できない。もしくは部位が特定でき
ない場合はカテゴリー3
– 腫瘤あるいは非腫瘤性病変が確認できれば超音
波所見を優先する
MMG
FADでカテゴリー3として要精査
腫瘤あるいは非腫瘤性病変が
確認できれば超音波所見を優先する
マンモグラフィでカテゴリー3以上の
所見があった場合(MMGで要精査)
• MMGの所見が石灰化でカテゴリー3以上の
場合
– 原則としてマンモグラフィ所見を優先する
– USでMMGでは認識できなかった腫瘤などの所見
がはっきりすれば、カテゴリー変更はありうる
– 石灰化が粗大でUSで境界明瞭な腫瘤があれば
カテゴリー2とできる場合はある
検診検出DCIS
MMGの所見が石灰化でカテゴリー3以上の場合
原則としてMMG所見を
優先する
マンモグラフィでカテゴリー3以上の
所見があった場合(MMGで要精査)
• 微小円形石灰化が数も少なくてさほど密度が
ない場合は、通常の読影ではカテゴリー2と
なるが、そこだけしか石灰化がなく背景が脂
肪濃度ではない場合にはマンモグラフィ上で
唯一の癌を示唆する所見となることがある。
FADと同様にやや閾値を下げることによって、
超音波検査時に注意深く観察することをうな
がす。
US negative
点状石灰化4個
カテゴリー3?
• マンモグラフィで石灰化が見えず、超音波検
査で点状高エコーが指摘された場合、現状で
は、マンモグラフィ所見を優先し石灰化と判断
しない。ただし、欠像は考慮する。
マンモグラフィでカテゴリー3以上の
所見があった場合(MMGで要精査)
• MMGの所見が構築の乱れでカテゴリー4以
上の場合
– マンモグラフィ所見を優先する
マンモグラフィでカテゴリー3以上の
所見があった場合(MMGで要精査)
• MMGの所見が構築の乱れの疑いでカテゴ
リー3以上の場合、FADと同じ
– 超音波で正常乳腺と断定できれば(何もない、
MMG所見はoverreadingと判断)カテゴリー1
– 正常乳腺と判断できない、もしくは部位が特定で
きない場合はカテゴリー3
– 腫瘤あるいは非腫瘤性病変が確認できれば超音
波所見を優先する
検診MMGで右乳房の構築の乱れ
カテゴリー4
USではあきらかな腫瘤
カテゴリー5
左乳房MLO撮影で乳頭の近くに
構築の乱れを疑う
CC撮影ではあまりはっきりしない
カテゴリー3
同時に行われたUSでは
Negative study
マンモグラフィでカテゴリー3以上の
所見があった場合(MMGで要精査)
• MMGの所見が構築の乱れの疑いでカテゴ
リー3以上の場合、FADと同じ
– 超音波で正常乳腺と断定できれば(何もない、
MMG所見はoverreadingと判断)カテゴリー1
– 正常乳腺と判断できない、もしくは部位が特定で
きない場合はカテゴリー3
– 腫瘤あるいは非腫瘤性病変が確認できれば超音
波所見を優先する
まとめ
精査USで
左乳房3時方向に
構築の乱れ
DCIS
分離併用検診における総合判定基準
• マンモグラフィで指摘されている病変が超音
波所見に対応していると判断できる場合には、
同時併用と同じ総合判定とする。
• ただし、この際の超音波所見は、マンモグラ
フィ所見を参考にした場合に比較し、精度が
おちることを理解して、総合判定するべきであ
る。
超音波検査単独の所見
• マンモグラフィ上乳腺実質の多い部位であれ
ば超音波所見を優先する
• その部位が脂肪性である場合は超音波判定
を行う場合、マンモグラフィでは悪性所見がな
いということを参考にして、拾い上げすぎない
ようにする
腫 瘤
• MMGの所見が腫瘤でカテゴリー3以上の場合
– 境界明瞭平滑な腫瘤や評価困難な場合は、超音波
所見を優先する
• たとえば、嚢胞や典型的線維腺腫であった場合には、超
音波所見はカテゴリー2となる。この超音波所見を優先
する
– ただし、対応するものが確認できない場合、要精査
– 微細分葉、境界不明瞭、スピキュラを有する場合に
はMMG所見を優先する
石灰化
FAD・ABT
• MMGの所見がFADあるいはABTでカテゴリー3
以上の場合
– 超音波で正常乳腺と断定できればカテゴリー1
– 正常乳腺と判断できない。もしくは部位が特定でき
ない場合はカテゴリー3
– 腫瘤あるいは非腫瘤性病変が確認できれば超音
波所見を優先する
構築の乱れ
• MMGの所見が構築の乱れでカテゴリー4以上の場合
• MMGの所見が石灰化でカテゴリー3以上の
場合
– 原則としてマンモグラフィ所見を優先する
– USでMMGでは認識できなかった腫瘤などの所見
がはっきりすれば、カテゴリー変更はありうる
– 石灰化が粗大でUSで境界明瞭な腫瘤があれば
カテゴリー2とできる場合はある
皆様のご意見をお待ちしております
– マンモグラフィ所見を優先する
• MMGの所見が構築の乱れの疑いでカテゴリー3以上
の場合、FADと同じ
– 超音波で正常乳腺と断定できれば(何もない、
MMG所見はoverreadingと判断)カテゴリー1
– 正常乳腺と判断できない、もしくは部位が特定でき
ない場合はカテゴリー3
– 腫瘤あるいは非腫瘤性病変が確認できれば超音
波所見を優先する
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