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KAITEKI Report 2014
Report 2014 〒101-8517 東京都千代田区内神田一丁目13番4号 THE KAITEKI ビル このレポートに関するお問い合わせ先 ● 総務・法務・知財部 総務グループ TEL:03-5577-0401 レポートに関する内容はホームページでもご覧いただけます http://www.medience.co.jp/kaiteki/ 本レポートは、環境に配慮した印刷工程と印刷資材を採用していま す。省エネルギーの 「UV印刷」 を採用し、揮発性有機化合物の大気 への排出が極めて少ない 「NON VOCインク」 と、適切に管理され を使用しています。 た森林からの原料を含む 「FSC® 認証紙」 KAITEKI Report 2014 株式会社LSIメディエンス (旧三菱化学メディエンス株式会社) 編集方針 三菱ケミカルホールディングス は2014年4月、三菱ケミカルホールディングスグループの新しい 事業会社として発足した株式会社生命科学インスティテュートの ループの掲げるKAITEKI実現に向けて取り組んでいます。 本レポートでは、当社グループの事業概要とCSR活動の取り組みに 三菱樹脂 ました。 ついて、 ステークホルダーの皆様に分かりやすく簡潔にお伝えできるよ 三菱レイヨン LSIメディエンスは、生命科学インスティテュートグループの中 生命科学インスティテュート ホールディングスグループのめざすKAITEKI実現に向けて、 その 一翼を担ってまいります。 LSIメディエンス エーピーアイ コーポレーション 健康ライフコンパス クオリカプス Life Science Institute の頭文字と、DNAをモチーフにして、 「人」 を表しています。また、先端はエッジを立たせ、先進性と ※Webサイト http://www.medience.co.jp/kaiteki/ 本社所在地 東京都千代田区内神田一丁目13番4号 THE KAITEKI ビル ● 臨床検査(生化学的検査、血液学的検査、免疫学的検査、微生物学的検査、 遺伝子関連検査、 病理学的検査、 その他検査) ● 予防医学関連サービス ● 医療関連サービス 体外診断用医薬品、 体外診断用機器、試薬等の開発、製造、販売及び輸出入 資本金 30億円 ● 売上高 (連結) 802億円 (2014年3月期) ● 医薬品開発支援サービス (医薬品探索支援・非臨床試験・臨床試験) 従業員数 (連結) 3,520名 (2014年3月期) ● ヒト細胞による薬効・毒性評価 ● バイオマーカー測定と解析 (タンパク質、 遺伝子) 医薬・農薬・化学品・食品添加物・化粧品・排水・環境水等の安全性評価 ・環境影響評価サービス ● ● 食の安全サポート ドーピング検査 ● ● 見守りゲイト KAITEKI 実現をめざして 5 サービス紹介 0 2 健康診断サポート 9 0 3 食の安全サポート 10 0 4 診断薬・機器 11 0 5 創薬支援 13 0 6 環境リスク評価 15 0 7 ドーピング検査における検体分析 16 つくば i-Laboratory 有限責任事業組合 世界にひろがるLSIメディエンスの事業展開 17 株式会社サカイ生化学研究所 暮らしの中のLSIメディエンス 19 参考にしたガイドライン ● 環境省 「環境報告ガイドライン (2012年版) 」 ● GRI 「サステナビリティレポーティングガイドライン2006 (第3版) 」 ● ISO26000 (社会的責任に関する手引) 2013年4月1日∼2014年3月31日 (一部内容については2014年4月以降の活動も含みます) 現しています。加えて、私たちの成長と多くの人々にKAITEKI 株式会社LSIメディエンス LSI Medience Corporation 3 7 株式会社LSIメディエンス 商号 トップメッセージ 0 1 臨床検査 報告対象範囲 主な事業内容 KAITEKI Report 2014 で本レポートとあわせてご覧ください。 成長性を強調し、新たな分野を切り拓くという企業姿勢を表 を届けたいという思いを込めています。 1 う構成しています。より詳細な情報はWebサイトで開示していますの 報告対象期間 シンボルマーク 会社概要 CONT E N T S 題にソリューションを提供することで、三菱ケミカルホールディングスグ 田辺三菱製薬 グループ企業となり、新たな社名で未来に向けてスタートを切り 核企業としてヘルスケアソリューションを展開し、三菱ケミカル LSIメディエンスグループは、ヘルスケア領域におけるさまざまな課 三菱化学 メディエンスサービス株式会社 株式会社中央臨床メディエンス 株式会社ダイヤメディカルネット 発行日 2014年12月 活動報告 マネジメント 21 レスポンシブル・ケア活動 23 ステークホルダーとともに 25 ステークホルダーの声 27 ※本レポートで 「LSIメディエンス」 「当社」 と記載している場合は、 ㈱LSIメディエンス単体を表しています。 ※本レポートには、LSIメディエンスの過去と現在の事実だけでなく、発行日時点における計画 や見通しなどの将来予測が含まれています。この将来予測は、記述した時点で入手できた情 報に基づいた仮定ないし判断であり、諸与件の変化によって、将来の事業活動の結果や事象 が予測とは異なったものとなる可能性があります。 レスポンシブル・ケアとは 化学物質を扱う企業が、化学物質の開発から製造、物流、使用、最終 消費を経て廃棄に至るすべての過程において、自主的に 「環境・安 全・健康」 を確保し、活動の成果を公表し、社会との対話・コミュニ ケーションを行う活動。 KAITEKI Report 2014 2 KAITEKI実現に向け ステークホルダーから信頼され、 成長する企業をめざします。 代表取締役社長 原 伸一 Topmessage 3 KAITEKI Report 2014 新たなスタート お客様に新たなソリューションを提供していく ステークホルダーの皆様へ 当社は、 2014年4月、 三菱ケミカルホールディングスグループ LSIメディエンスグループは、 長年にわたりヘルスケア領域に 体制は変わりましたが根本にある考えは変わりません。当 の新しい事業会社として発足した株式会社生命科学インスティ おいて幅広い事業を展開してまいりました。 これまで培った豊 社グループが目指すのはKAITEKI実現であり、 ステークホル テュートのグループ企業となりました。 それに伴い、 社名を「株式 富な経験、 実績があるからこそ、 お客様が信頼できるサービス、 ダーから信頼される企業であり続けたいと考えています。 そし 会社LSIメディエンス」に変更し、 新たなスタートを切りました。 商品を提供することができると考えております。 て、 新体制のもとでさらなる成長を確実なものとしていきます。 ヘルスケア領域を取り巻く事業環境は大きく変化していま 2014年10月、 さらなる成長に向けて組織変更を行い、臨 これまで以上に、健康で安心なKAITEKI社会の実現とい す。少子高齢化、医療費増大などを背景に、予防医療や未病 床検査と治験を融合したメディカルソリューション本部を設立し う考えを従業員としっかり共有し、一人ひとりが確固たる倫理 への対策に重点が移るとともに、 遺伝子解析などによる個別化 ました。 より効率的な運営を図るとともに、両事業の持つ技術を 観を持ち日々の業務を全うできるよう努めてまいります。 このレ 医療が進展していくことが予想され、 単に検査・分析を行うだけ 融合させていきます。 当社のコア・コンピタンスである分析技術 ポートをお読みいただき、忌憚のないご意見をお寄せいただき でなく、 その結果に応じた総合的なソリューションを提供してい 力に、 医療機関や研究機関の知見、 お客様のニーズを融合す ますようお願い申し上げます。 くことが求められると考えております。 ることで、 新たなソリューションの提供に努めてまいります。 KAITEKI Report 2014 4 KAITEKI 実現をめざして ● ● KAITEKIとは? 時を越え、世代を超え、人と社会、 KAITEKI 実現 LSIメディエンスグループ のKAITEKI 当社グループはヘルスケア領域で 事業を展開しており、私たちが提供す そして地球が心地よい状態が続いていること るサービス・製品自体が人・社会・地球 経営ビジョン ・ 経営理念 の快適につながると考えています。健 康で安心な社会を創造していくという 売上・利益を伸ばすだけではなく、効率 化などを進めコスト競争力を強化する MOT 技術の革新 技術力を高め、 それを駆使して世の中に 必要とされるサービス・製品を提供する サステナビリティ軸 MOE 財務的価値の向上 経営ビジョンのもと、 一人ひとりが何を MOS 経営方針 すべきか考え事業活動に取り組むこと 企業価値 = KAITEKI 価値 時間軸 でKAI TEK I実現をめざします。 KAI TEK I実現には、 3つの取り組み 経営戦略 が必要だと考えています。それぞれ MOS 未来を考えた活動 さまざまな社会問題の解決に積極的に 取り組む 技術経営軸 をMOE、MOT、MOSと名づけ、 3つ を図のように配置した空間にできる MOT 経営学軸 MOE 中期経営計画 ベクトルこそが私たちの企業価値で あり、 この企業価値を高めることは、 企業としての責任を果たすことにな 営業行動指針・各種規程類 ると同時に、 KAITEKI実現に近づい 行動規範・行動基準 ていることを示しています。 ● LSIメディエンスグループのMOS指標 目指す姿 経営ビジョン KAI TEK I実現に向け、具体的な貢献内容として17個のMOS指標を設け、貢献度合いを測っていきます。 Medical Scienceによる健康で安心な社会の創造に向けて Sustainability 〔Green〕 指標 Health 指標 ∼“KAI TEK I実現”への繋がり∼ 地球環境負荷の削減への貢献 経営理念 エネルギー原単位を低減する Pride 疾病治療への貢献 QOL向上への貢献 新しい診断薬を開発する 食品成分分析サービスの受託数を増加させる 新しい検査項目を上市する 見守りゲイト解析数を増加させる コンパニオン診断技術を開発する 遠隔読影施設数を増加させる 国際共同治験サービスを提供する WET※の受託数を増加させる 医薬品の非臨床試験に関わる評価技術を開発する 規制薬物検査の受託数を増加させる 体外診断機器PATHFASTの出荷台数を増加させる 疾病予防・早期発見への貢献 臨床検査の受託患者数を増加させる 健診支援サービスの利用者を増加させる Comfort 指標 ステークホルダーの満足度の向上 より信頼される企業への努力 従業員関連指標を向上させる 地域貢献関連指標を向上させる 顧客満足度を向上させる ※Whole Effluent Toxicity:生物応答を利用した排水管理手法 5 KAITEKI Report 2014 Medience Dream 私たちは一人ひとりが 「創造者」 となるべく、 LSIメディエンスグループの 一員であることに誇りを持って行動します Innovation Solution 私たちは最先端の技術革新に弛みなく挑戦し、 新たな価値を創造します 私たちは多彩なサービス・製品を 常にお客様にご満足戴ける形で提供します 3つのチャレンジ Compliance Quality 私たちは高い意識と倫理性により 法令遵守はもちろんのこと、 一企業市民として果たすべき 社会的責任を全うします 私たちはお客様の安心につながるサービス・ 製品の提供を心がけるとともに、 ご信頼戴ける 品質の一層の向上に努力します 2つのベース 2つのベースと3つのチャレンジが、私たちの経営理念です。 “Comp l i ance” と “Qua l i t y” を土台として、 “I nnova t i on” “P r i de” “So l u t i on” を もって果敢に挑戦し続けます。 Medience Dream 私たちには夢があります。 あの日描いた 同じ心で 夢はかなえるもの 人々の “3つの歓び” を実現した未来の姿が、 私たちの Med i ence Dream です。 健康である 歓び 安心である 歓び 明日に向かう 歓び 行動規範 私たちは、Med i ence Dream の実現のために “私たち自身” “私たちの生み出すもの” “人々との関わり” が どうあるべきかを常に考え、実践します。 行動基準 ・私たちは、一人ひとりはもちろん、企業としても健康であり続けます。 ・私たちは、人々の健康と安心に、自らの行動がどのように 繋がるのか考え続けます。 ・私たちは、すべてのサービス・製品に想いを込め、提供し続けます。 ・私たちは、現状に満足することなく、自らの能力を高め続けます。 ・私たちは、関わるすべての人々と共に、未来を切り拓きます。 KAITEKI Report 2014 6 01 臨床検査 サービスの特徴 Service Service 1 ラボシステム概要図 検体の流れ 情報の流れ 医療機関 検査依頼 検体 依頼書 営業所 集材 報告書 報告 LSIメディエンス 指導監督医 ラボラトリー 仕分け 受領管理プログラム 精度管理 検体受領から受付・仕分・検査・精度管理・結果報告までの全工程を統 合的に運用するラボオートメーション・システムを構築し、正確かつ迅速 な検査を実現しています。 Service 提案営業の専門チームによるサポート 提案営業の専門チームでは、医療I Tの推進 や関連業務のアウトソーシング化など、医療 監査 プログラム 報告管理プログラム 教育/安全衛生プログラム 中央総合ラボラトリーでは、臨床検査の全工程を網羅する徹底した 精度管理・品質管理を行っており、その品質保証体制は、ISO15189や CAP※などの認定取得により、国際的なレベルと認められています。 ※米国臨床病理医協会 (College of American Pathologists) Service 4 さまざまな診療支援ツール インターネットを利用して素早く、かつ安全に検査結果をご報告。きめ 細やかな医療サービスの向上に貢献しています。 医療情報システムで豊富な実績を持 な提案活動を推進しています。学術渉外では、 つ富士通社と、総合臨床検査センターと 医師・研究者の研究活動支援を目的とした検 して医療情報サービスを担う当社の技術 査技術サポートや医療情報誌 「アニムス」 の発 とノウハウが融合し、完成度の高い、 そし 行など、 さまざまな情報提供活動にも力を注 て拡張性豊かなソリューションを提案し 役立つ医療情報を精選し、 年4回お届けしています。 ています。 Highlight リューションを提供することで疾病の治療、予防・早期発見に貢献しています。疾病治療に役立つ新た 精度管理 責任者 電子カルテシステム 「m-KARTE」 機関の業務効率化を支援するためのさまざま KAITEKIの実現に向け、臨床検査の受託から検査業務支援まで、臨床検査分野で総合的なソ 検査管理プログラム Webブラウザを利用した診療支援システム 「m-Line」 3 いでいます。 検査過誤防止管理プログラム 管理者 ラボオートメーション・システム 報告書 作成 各種レビュー 各種検査 生化学検査 ● 微生物学検査 ● 血液学検査 ● 遺伝子関連検査 ● 免疫学検査 他 ● 再検査 ニーズに合わせた さまざまな報告様式を用意 臨床検査の品質保証体制 検査結果 診断 バーコード 照合 2 世界標準の品質保証体制 ラボオートメーション・システム 筑 波 大 学との共 同 運 営 方 式による臨 床 検 査センター事 業 我が国初の産学連携の試みとして、筑波大学とつくば臨床検査教育・研究センターの共同事業を2011年1月より開始しました。 な検査項目を提供するとともに、疾病の予防・早期発見にもより一層の貢献ができるよう、グループ の総合力を駆使して新たなサービス提供に取り組んでいます。 つくば臨床検査教育・研究センター事業とは つくば臨床検査教育・研究センター事業 筑波大学附属病院が起案した産学連携の試みとして生まれた、 臨 床検査分野の教育・研究・診療の支援サービスを一体的に提供する 検体検査 サービス ものです。筑波大学附属病院と当社の協働・連携のもと、臨床検査 一体的な 総合支援サービス 技師会、地域関連団体の協力を得て2つの事業組織を設立し、 サー 総合臨床検査センターとして、最先端のシステムと技術の導入に努めています 中央総合ラボラトリーは、世界水準の高度な検査技術と確かな 品質管理システムを持つ総合臨床検査センターとして、常に検査 ビスを提供しています。それが、教育・研究支援を担当する特定非営 筑波大学 附属病院 利活動法人 「つくば臨床検査教育・研究センター (TMER) 」 と、 検査セ ンター機能を担当する 「つくば i-Laboratory LLP」 です。 協働・連携 教育・研究支援 検査技師会等 関連団体 地域の 医療関係機関 技術の向上と効率化を図るとともに、最新設備の導入やさまざまな 検査を統合するシステムの構築に努めています。 医療関係企業 また、遺伝子関連検査など常に最先端の技術を導入し、 お客様に とって価値のある検査サービスを提供するとともに、次世代の医療 協力・支援 を支える取り組みを推進しています。 7 KAITEKI Report 2014 KAITEKI Report 2014 8 02 健 康 診 断 サ ポ ート 03 食 の 安 全 サ ポ ート 健 康 診 断とその 情 報 処 理を多 面 的な サービスで支援しています。 K A I T E K Iで 働きやすい職場の維持、健康増進に取 り組む企業、保険者の皆様の健康支援 活動をサポートすることにより、 すこやかで 活力ある社会の実現に貢献しています。 生産、流通から食卓、 さらに は食品取扱者の健康管理 や 衛 生 教 育 に 至 るまで 、 「食」に係るトータルサポー トサービスを提供し、安全・ 安心かつKAITEKIな食生 活に貢献しています。 Service Service 1 総合健診支援サービス 2 特定健診支援サービス Service 1 栄養成分分析 Service 2 食品取扱者の衛生管理 健康増進法第31条に基づき、弁当や惣菜など販売に供する食品には 食品取扱者を対象としたノロウイルス検査を受託しています。ノロウイ ビスを提供しています。現在、60を超える医師会にサービスを提供して 栄養表示が義務付けられています。栄養表示は消費者が食品を選択する ルスの二次感染・汚染を未然に防止し、食中毒の発生を回避するためにも おり、過去の健診結果を経年表示するサービスを開始するなど、 さまざま うえで重要な情報の一つです。 万全の取り組みが求められます。 ポートサービスを提供しています。企 なニーズに対応しています。 当社では食品の栄養成分分析を 検査受託から24時間以内とス 業の健康管理業務や保健事業にお また、国民健康保険組合向 行うことで、販売、提供時に必要 ピーディーな結果報告を行い、食 ける負 担 軽 減 だけではなく、巡回 けのサービスとして、健診の な栄養表示のサポートを行って 品取扱者の健康管理を行うこと 利用者の利便性 レディース健診※など、 受診率向上や受診者の健康 います。 で、安全な 「食」 の提供をサポート 2008年4月の特定健康診査・特定保健指導制度の導入以来、全国 全国の医師会を対象に、健診結果の電子化や報告書作成などのサー 2,300を超える健診機関・医療機関と提携し、企業、健康保険組合のさま ざまなニーズに合わせたトータルサ 向上を考えたサービスも提案してい 管理業務についてもサポー ます。 トしています。 しています。 ※一般社団法人全国健康増進協議会との連携により、ホテルや公民館などの身近 な施設で健診を受診できるサービスです。 健康診断は病気を未然に防ぐだけでなく、健康維持・増進に向けて日常生活を見直すきっか Highlight Highlight 電話による受診促進サービスを開始 お客様に合わせた検査項目をラインナップ 生産者、流通業者が安全・安心な農作物を食卓に届けるためのサポートとして、残留農薬検査 けにもなります。 しかしながら、 さまざまな理由で健康診断の受診機会を逃してしまう場合があ を受託しています。生産時に使用した農薬の実績に合わせたオリジナルのセット項目を提供した ります。これまで受診対象者の方には、ハガキによる通知サービスを行っていましたが、未受診 ことでお客様からご好評いただきました。これからもお客様のニーズに合わせた検査を提供で 者を減らしたいというお客様の想いに応えるべく、電話による通知サービスを開始しました。こ きるように日々開発に取り組んでいきます。 れからもお客様のニーズに応えられるようサービス向上と新たなサービス提供に取り組んでい きます。 9 KAITEKI Report 2014 KAITEKI Report 2014 10 04 診 断 薬・機 器 サービスの特徴 Service 1 研究開発 Service 2 大規模病院から診療所までをカバー 日本で初めて臨床検査薬を開発・製造して以来、当社は 汎用検査試薬およびラテックス技術を用いた 信頼できる製品を生み出すため研究開発に力を入れてきま 専用検査試薬と専用検査機器LPIAの自社開発 した。抗体の調製や精製をはじめとする基盤技術開発から、 以降、当社が開発した臨床検査薬と臨床検査機 新しい診断マーカーの臨床開発や診断機器の開発に至る 器は大規模病院から診療所などの小規模医療 まで、豊富な経験と技術を持っています。 機関に至るまで、迅速性と簡便性で大きな力を 発揮しています。 Service 3 サポート体制 当社の製品をより適切にご使用いただくため、 学術・技術サポート体制、 メンテナンス体制を整え ています。お客様からの問い合わせや要望への 的確かつ迅速な対応を通して、医療への貢献を めざしています。 プレセプシン PATHFASTは、化学発光法により高感度測定を実現し、全血測 敗血症に特異的なマーカーであるプレセプシンの測定キットを開 定・オールインワン試薬カートリッジの採用により、簡単で迅速な検 発しました。敗血症は救急・集中治療領域における死因の大部分を 査を可能とした体外診断用機器 占め、早期診断と適切な処置が予後を大きく左右します。プレセプ です。 コンパクトな形状も好評で、 シンを測定することで、迅速かつ特異的な敗血症の診断が可能と 日本国内だけでなく、世界40の国 なり、販売開始以来、敗血 ら機器システムまで幅広い製品群で医療社会に貢献しています。 さらに今後の医療における診断検査 と地域で使用され、高い評価を受 症の診断に有用であるとの の役割の多様化を見据え、高度な技術と豊富な経験をもとに、新たな臨床検査薬・機器システムの提 けています。 報告を得ています。 体外診断用医薬品・研究用試薬・体外診断用機器の開発・製造・販売・輸出入を手掛け、基礎バイオか (2014年1月1日保険収載) 供を通じて、 さまざまな医療現場の要望に応えていきます。 プロラスト Myco (マイコプラズマ抗原キット) 業界のリーディングカンパニーとして総合的にサービスを提供 当社は1962年、日本で初めて臨床検査薬を開発し、日本の医 療発展の原動力となりました。以来50年にわたり、世界に冠たる 実績を持つラテックス試薬など高度な検査性能を持つ試薬の開 発を基盤に、高い正確性や精度、信頼性のあるデータを提供し、 Highlight PATHFAST STACIA マイコプラズマ肺炎は小児に多く見られ、解熱後も乾性咳嗽が STACIAは、7種類の測定方法を1台に搭載したインテグレート 長く続く病気で、 イムノクロマト試薬の開発により早期診断・早期 検査機器です。時間当たり最大270テストの処理能力を持ち、24 治療が可能となりました。2014年度発売予定のプロラスト Myco 時間測定可能なため、医療現場においてさまざまな用途に応用で は、既存のイムノクロマト試薬よりも感度・特異性ともに高く、 より きます。 また、 コンタミネーション、 キャリーオーバーを回避する技術 正確なマイコプラズマ肺炎 を採用するなど、信頼性の の診断を可能とします。 高い検査結果を得る仕組み を追求しています。 医療業界のニーズに応えています。臨床検査薬は、汎用試薬から 専用試薬まで幅広くカバーし、研究用試薬においても基礎、臨床 研究に欠かせない製品を提供しています。 11 KAITEKI Report 2014 KAITEKI Report 2014 12 05 創薬支援 新薬開発における全フェーズをトータルサポート 試験研究センター、医薬品分析部 ● バイオアナリシスサービス 業界トップクラスの技術力と分析キャパシティーを持つGLP適合施設にLC/MS/MSをはじめとする最新の分析機器・ 設備を導入し、 お客様が求める感度、 スピード、 信頼性を兼ね備えた薬物濃度測定試験の受託サービスを提供しています。 探索研究 非臨床試験 臨床試験(治験) 申請 4-8 年 1-3 年 5-10 年 1-2 年 試験研究センター ● 安全性試験 上市 治験検査ラボ ● げっ歯類から霊長類までを対象とした一般毒性、特 セントラルラボサービス 治験検査ラボは、GCP体制で運営され、検査データの半永久的保存、バリデートされ 殊毒性、生殖発生毒性試験などを実施しています。遺 た検査法の維持・継続、そしてシステムバリデーションやオーディットトレイルなど、治験 伝毒性分野では一般的な試験法に加え、コメットアッ に求められる高い信頼性が確保された検査サービスを実現しています。 セイや一般毒性試験への小核試験の組み込みといっ ● た新技術にいち早く取り組んでいます。 ● 薬理試験 各種病態モデル動物を用いた薬効薬理試験の実 国際共同治験受託体制 アジアパシフィック、欧米の提携ラボと、機器・試薬の統一、品質レベルの維持・向上を 推進しています。これによりデータ処理の利便性向上、搬送リスク・コストの減少を実現 します。 績を積んでいます。安全性薬理試験では、コアバッテ リーとしてガイドラインに定められた試験のほか、 ミニ ブタやヒトiPS細胞を用いた催不整脈リスク評価を行 うことができます。 ● 薬物動態試験 げっ歯類から霊長類までを対象としたADME試験 新薬開発における全フェーズの試験、検査および分析業務をサポートし、健康でKAITEKIな社会に貢 をはじめ、代謝物構造解析試験、in vitro試験 (タンパ ク結合、血球移行、酵素阻害・誘導試験など) に加え、 献しています。試験研究センターでは、動物や細胞などを用いた医薬品、農薬および一般化学品などの 皮膚透過性試験およびトランスポーター試験を実施 非臨床試験を中心に多様なニーズに応えています。治験検査ラボおよび医薬品分析部では、先進の検 しています。 査・分析技術で創薬の最終章、治験をきめ細やかにバックアップし、多くのお客様より絶大なる信頼を いただいています。 高品質なサービスを提供するため、厳しい管理基準に基づく認証システムと徹底した AAALAC完全認証取得 監査体制のもと、業務を遂行しています。試験研究センターでは、AAALAC完全認証を 取得したGLP適合施設で医薬品などの非臨床試験を実施しており、先進的な技術と知 見、 そして長年の経験で培った総合力により高水準のデータを提供しています。 適切に動物を管理および使用していることの証明マーク 治験検査ラボおよび医薬品分析部では、GCP体制による臨床試験から、GLP体制による臨床薬理試験まで、新薬開発に求めら れる検査・分析業務の一括受託が可能です。治験検査ラボでは、 HbA1c測定値の国際的な標準となるNGSPのLevel I Laboratory 全自動EL I SAシステムによる測定開始 Gyros社のGyrolab xPを使用した、抗体医薬を含むバイオ 欧州では動物愛護の観点からイヌやサルを使った試験は易々とで 医薬品の薬物濃度測定、ADA (Anti-Drug Antibody) やバイ きなくなっています。この国際的な流れを汲み、試験研究センター鹿 オマーカー測定などの受託サービスを2013年12月に開始しま 島研究所では2013年4月にミニ した。従来のELISA法と比 ブタを使った試験環境を整え、お べ、より微量での測定が可 客様のニーズに応えています。 能となり、 サンプルマトリック Highlight 世界的な標準規格のもと、検査および分析業務を一括支援 ゲッチンゲンミニブタを用いた安全性試験の 受託開始 ス中の夾雑物の影響を最小 限に抑えることができます。 の認証と、医薬品開発関連業務の分野でISO9001の認証を取得しています。 13 KAITEKI Report 2014 KAITEKI Report 2014 14 06 07 環 境 リス ク 評 価 ドーピング 検 査における検 体 分 析 LSIメディエンス アンチドーピングラ ボラトリーは、日本で唯一の世界ア ンチ・ドーピング機構公認のドーピ ング検査における分析機関です。 これまで培った高い技術力と先進的 な設備・機器を駆使し、 アンチ・ドー ピング活動の一翼を担っています。 身の回りには多種多様な化学物 質が存在しています。化学物質は 私たちが便利で快適な生活を送 るために欠かせないものですが、 その一方で、 生態系に悪影響を及 ぼすおそれがあります。環境リス ク評価センターでは、化学物質の 安全性試験などのサービスを通じ て、 環境保全に貢献しています。 Service Service 1 安全性試験による環境影響評価 環境汚染防止を目的に制定された化審法※ 2 新規化学物質の届出支援 国内はもとより、海外各国の規制に準拠し Service 3 リスク評価・リスクマネジメント Service 1 世界水準の分析体制 Service 2 継続的な技術開発 国内外の化学物質管理制度に合わせた有 1985年にアジアで初のドーピング検査の分析機関となり、1999年の 近年、 ドーピングの手法はますます巧妙化しており、 ホルモン分泌を促 の届出・審査に必要な各種安全性試験などを た新規化学物質届出の支援を行っています。 害性評価や暴露評価を含むリスク評価の実施 世界アンチ・ドーピング機構 (WADA) 設立以降も日本唯一の公認分析 す物質、デザイナーステロイドなどの使用が問題となってきました。また 実施しています。化学物質の環境中での挙動 複数国同時申請にも対応し、試験設計から試 はもとより、化学業界や企業による化学物質 機関であり続けています。 ドーピング検査はWADAが定める世界共通 今後は遺伝子ドーピングも危惧されています。こうした状況に対応する や水生生物への影響を把握し、 より適切な化学 験実施、 コンサルティングまでをトータルにサ のリスク評価結果の公開などの自主的な取り の規定のもとで実施されており、 には、分析技術を継続的に向上 物質管理が行えるようにサポートしています。 ポートしています。 組みについてもサポートしています。 我々も定期的に審査を受け、高 させることが非常に重要であり、 い水準の分析精度を維持してい 新たな分析技術の開発について ます。また、国際的な品質規格で 日々研究しています。 あるISO/IEC17025認定を取得 し世界水準の分析体制を維持し ています。 ※化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律 ※届出支援サービスの対象国 WET (Whole Effluent Toxicity) 試験は工場排水などが環境・生態系に影響しないことを評価 多くの国際スポーツ競技大会をサポート 当社のアンチドーピングラボラトリーは、1985年の神戸ユニバーシアード夏季大会以降、長野 する試験です。すでに欧米やアジアの主要先進国では同様の手法が導入されており、日本でも環 オリンピック冬季大会をはじめ、日韓FIFAワールドカップやIAAF世界陸上競技選手権大会など、 境省を中心に導入が検討されています。当社では精度の高い試験と評価プログラム、解決手法に 多くの国際スポーツ競技大会においてWADA公認の分析機関としてドーピング検査の検体分析 関するサービスを2012年10月に開始し、CSR活動の一環として、 より先進的な環境対策・排水管 の役割を果たしてきました。 これからもスポーツの健全な発展に貢献できるよう、 アンチ・ドーピン 理のための新しい 「モノサシ」 を提供し、企業の社会貢献をサポートしています。 グ活動に取り組んでいきます。 15 KAITEKI Report 2014 Highlight Highlight WET試験受託の本格的な開始 KAITEKI Report 2014 16 バイオアナリシス・サービスの提供 徹底した品質管理のもと、 CHINA お客様が 満足する試験実施体制を中国で実現 日本で製造販売承認を受けている医薬品を中国へ輸出して現地で販売するに当たっては、定められた試験を実施する ことが義務付けられています。 これまでは、必要に応じて中国から日本へ測定検体を送り、 日本国内で分析を実施してきま したが、昨今、中国から海外への検体輸出が事実上困難になっています。 こうした状況から、中国で臨床試験を計画してい る日系製薬企業を中心に中国においても日本と同等品質のバイオアナリシス・サービスの提供を求める声が強まっていま した。 こうしたお客様の声に応えるべく、当社は北京大学第三医院と薬物動態試験などに関する契約を締結し、北京大学 第三医院の薬剤科棟内に共同でバイオアナリシス・サービス・ラボを開設しました。徹底した品質管理のもとで試験を実施 できる体制を構築し、広範なサービスを提供できるよう取り組んでいます。 放射性標識化合物合成の受託開始 KOREA 受託試験サービスだけにとどまらない、 幅広い創薬支援サービスの提供 今般、医薬品候補物質の副作用を事前に回避する手段の一つとして、代謝物の安全性評価への関心が高まっており、 17 検査部門における連携事業の契約締結 CHINA 日本で培ったノウハウを生かして中国における 臨床検査の発展に貢献 清華大学の附属病院である北京清華長庚医院(以下「清華長庚医院」) と検査部門の連携事業に取り組んでいます。清 ヒトおよび動物における代謝物情報が医薬品開発においてより重要な位置づけになりつつあります。生体試料中の代謝 華長庚医院は、北京市昌平区に2014年末に新規開院を進めている清華大学の附属病院で、清華大学と日本で臨床検査 物を定量的に確認し、 その構造を解析するには放射性標識化合物を用いることが有効です。当社でも放射性標識化合物 事業を展開する当社が協働することで、高機能かつ信頼性の高い臨床検査サービスを中国で提供することが可能となり を使用した試験に取り組んできましたが、 こうした中、韓国における放射性標識化合物合成のリーディングカンパニーで ます。 まずは、分子生物学検査室を共同で構築することにしており、当社がこれまで日本で培ったノウハウを生かして清華 あるキュラケム社と提携し、 高品質の放射性標識化合物を、 リーズナブルな価格で、 かつ短期間で提供する体制を整えまし 長庚医院の検査部門の高機能化を実現するだけでなく、新規検査項目の開発にも共同で取り組んでいく予定です。今後 た。 併せて、 最適な合成経路の提案や原料、 中間体の入手検討などのコンサルティングサービスも提供しています。 当社は、 は、分野の拡大や、 より発展した連携を検討していくことにしています。清華長庚医院がめざす先進で国際的な医療を実 創薬支援事業において非臨床試験から治験まで一貫した受託試験サービスを提供してきましたが、 それだけにとどまらず、 現させるだけでなく、双方のリソースを柔軟に活用した新たな試みを行うことで、中国における臨床検査の発展に貢献し さまざまなサービス提供を通じて、 より一層、 国内外の製薬メーカーのアウトソーシングニーズに応えていきます。 ていきます。 KAITEKI Report 2014 KAITEKI Report 2014 18 1 医師の診断をサポートする検体検査 患者から採取した血液や尿を検査することを検体検査といい、医師が患 者の状態を把握する手段として欠かせません。医療機関から患者の血液 や尿などをお預かりして検体検査を実施し、医師の診断をサポートしてい ます。 2 健康診断サポート 健康診断は病気を未然に防ぐだけでなく、日常生活を見直すきっかけに もなります。健康診断をより充実したものにするため、健康増進に取り組 む企業や保険者の健康支援活動をサポートしています。 毎日の生活の中には、LSIメディエンスのさまざまなサービスや製品が活用されており、 快適な暮らしに貢献しています。 3 食品の栄養成分分析 スーパーやコンビニで手に取るお弁当やお惣菜には、よく見るとエネル ギーやたんぱく質などの情報が書かれています。食品に含まれる栄養成 9 分分析を通じて、安心して食品を買えるサポートをしています。 7 ドーピング 検査 4 食の安全を守る衛生管理 消費者に安全な食品を提供するには衛生管理の徹底が欠かせません。食 医薬品開発 品を調理・加工する施設の衛生調査やそこで働く従業員の衛生管理サー ビスを提供し、食品の安全を確保するサポートをしています。 5 検体検査を支える診断薬 4 検体検査に使用する診断薬を開発・製造・販売しています。インフルエン 3 ザウイルスの感染を確認する検査薬なども提供しており、医師の正確な 診断や治療をサポートしています。 6 効率的な検査を実現する診断機器 衛生管理 8 検体検査に使用する診断機器の開発・販売を行っています。正確で精度 栄養成分 分析 の高い検体検査をより効率的に行えるようにサポートしています。 7 医薬品の開発をサポート 1 化学物質の 安全性 医薬品は生活に欠かせません。医薬品の候補物質の探索から、 その安全 2 性や有効性を調べる試験、市販後の調査など医薬品開発をトータルサ 健康診断 診断機器 5 診断薬 検体検査 6 ポートしています。 8 化学物質の安全性を評価 化学物質は人々の暮らしを豊かにしてくれます。化学物質がひとの健康 や生態系に悪影響を及ぼさないか、化学物質の安全性を評価する試験を 実施しており、安心して暮らせるようにサポートしています。 9 ドーピング検査における検体分析 見ている人たちに夢や感動を与えてくれるスポーツ競技。世界アンチ・ ドーピング機構が公認する日本唯一の分析機関として、数多くのスポー ツ大会でドーピング検査の検体分析を実施しています。 19 KAITEKI Report 2014 KAITEKI Report 2014 20 リスクマネジメント 事業活動を通して社会的責任を果たし、企業価値の維持・向上を図るため、 「LSIメディエンスグループ・ リスク管理規程」 を制定しています。重大なリスクの顕在化を防ぎ、 万一リスクが顕在化した場合でも、 その 損害を最小限にとどめるよう取り組んでいます。社長をリスク管理統括執行責任者としたリスク管理体制 を敷くとともに、 リスク管理統括執行責任者を補佐する機関として 「リスク管理委員会」 を設置し、年1回開 催しています。 内部監査の実施 情報セキュリティの取り組み 内部統制推進・監査部は他部門から独立した 情報セキュリティ基本方針を定め、定期的な内 組織として、 「 組織内の双方向コミュニケーショ 部監査と従業員への教育を行い、情報セキュリ ン」 「 、日常業務のモニタリング」 「 、業務遂行上の ティの維持・管理を図っています。 法的要件の把握・管理」 をテーマに内部監査を 行っています。 個人情報保護の取り組み 個人情報保護マネジメントシステムを構築し、 事業継続計画 (BCP) の策定 より高いレベルの 「プライバシーマーク」 を取得し 3つの基本方針を定め、各拠点の自治体が想 ています。各部署での日常点検による安全管理措 定している地震の発生および新型インフルエン 置の確認や監査部門の定期的な監査により、個 ザ流行の2つの事象を想定したBCPを構築して 人情報の適切な管理に努めています。 います。 コーポレートガバナンス 継続的に企業価値を高めていくためにはコーポレートガ コンプライアンス コンプライアンス推進体制 コンプライアンス教育 全 従 業 員 研 修と定 期 的な情 報 提 供の徹 底 コンプライアンス意識の向上および定着を図るために、 コンプライアンス教育を推進しています。新入 バナンスを有効に機能させることが肝要であると認識し、監 コンプライアンスの方針・プログラムを統括する決議機関 査・統制機能の強化を図れるガバナンス体制を構築すると として 「コンプライアンス委員会」 を設けています。経営会議 社員、グループリーダー、幹部といった階層別の研修以外にも、当社の事例をもとにしたグループ討議に ともに、経営の監督・監査の強化を目的として社外監査役を メンバーのほかに、透明性・信頼性確保のために社外弁護 よる全従業員研修などを実施することで一層の深化を図っています。 選任し、経営の迅速性、透明性、健全性を確保するよう取り 士1名で構成しています。 さらに、委員会の下部機関として 組んでいます。 関係会社の社長を加えた 「コンプライアンス推進会議」 を置 き、実効性を高めています。 コーポレートガバナンス体制図 株主総会 選解任 監査役会 選解任 監査 監査役 監査 取締役会 選解任 会計監査 取締役 監査補助 会計監査人 選解任・監督 監査役付 業務執行体制 法令や倫理違反を中心とするコンプライアンス違反の報 告・相談のために、内部通報制度としてコンプライアンス・ ホットラインを設置しています。内部統制推進・監査部への 専用電話・メールアドレス以外にも、社外弁護士への相談も 利用可能とし、誰でも相談しやすい環境を整備することによ 社長 経営会議 会計監査 内部通報制度 (コンプライアンス・ホットライン) 各種会議・委員会 業務執行組織 り、組織内の自浄作用・違反の抑止効果を期待しています。 また、全国に 「人権相談員」 を20名配置しています。 Topics また、 コンプライアンスに関する基礎知識を習得したいとの多くの要望から、第一法規社の 「こんぷら サポート便」 を2011年より導入し、当社情報を付加して月2回配信しています。 従業員意識調査 調査結果をもとに、役員と従業員による対話集会を実施 仕事への想いや職場環境などに対する率直な意見を広く拾うため、従業員意識調査を年1回実施して います。2012年度より仕事、上司、職場とコンプライアンスについて同時に調査し、多角的に分析してい ます。2013年度は3,914名が回答し、 コンプライアンスに対する意識としては5段階評価で4以上の高い評価を継続しています。 『組織健全 化プロジェクト』 として全社が継続して取り組んできたこと、各種研修などにより、 さらに意識が高まったものと思われます。 意識調査の中では「上司のマネジメント」や「職場の風通し」 といった点ではまだまだ課題があり、調査結果をもとに、役員と従業員によ る対話集会を全国の拠点で23回開催しました。今後も課題を捉えたうえで、解決に向けて取り組んでいきます。 詳細な取り組みはWebサイトをご参照ください 21 KAITEKI Report 2014 KAITEKI Report 2014 22 環境保全 労働安全衛生 一人ひとりのかけがえのない命を職場全体で守る安全衛 廃棄物処理法を含む環境法令の遵守と事業活動が環境に 生活動を推進しています。安全意識の啓発や現場での問題 与える負荷を軽減するための環境管理体制の構築をしてい 点の洗い出しと是正・解決に努めています。 ます。 Topics 労 働 安 全 衛 生 大 会の開 催 レスポンシブル・ケア活動 LSIメディエンスグループは保安防災、労働安全衛生、環境保全、化学品安全、品質保証を対象とするレスポンシブル・ケア (RC) Topics 廃 棄 物 管 理にQRコードを利 用 労働安全衛生法の改正により、化学物質についてリスクアセ メディカルソリューション本部では、廃棄物管理にQRコード スメントの実施が義務化されます。法改正に先だって労働基準 の利用を開始しました。QRコード色分けによる視覚的な分類、 監督署安全衛生課長を招聘し、 「リスクアセスメントの普及と定 QRコードへのマニフェスト情報追加による人為的ミス防止、 着」 をテーマに安全衛生管理体制の整備・取り進め方などにつ 顧客要望に合わせたトレーサビリティ確保への対応が可能とな いてご講演いただきました。 りました。 活動をKAITEKI実現に向けて欠かすことのできない企業活動の基盤であると認識し、今後も推進・強化していきます。 RC推進体制 保安防災 RC活動の課題を審議し、環境安全担当役員の意志決定を 「安全の確保を最優先にする」 ことを第一と考え、保安防災 補佐するために 「RC推進会議」 を設置しています。RC推進会 活動を推進しています。自然災害などによる不測の事態や事 議は担当役員を委員長とし、RC活動に関する重要な事項が 故の未然防止はもとより直面した危機に迅速かつ的確に対 審議され、その内容は必要に応じて経営会議に報告されま 応できるよう取り組んでいます。 す。各部署では、RC推進会議で承認された年間方針や活動 環境安全部はRCヒアリングを実施しています。 品質保証 法令に従い化学物質を管理するとともに、従業員の安全を 「LSIメディエンスグループ 品質方針」 をもとに、 最適な品質 考え作業環境測定、特殊健康診断を実施しています。また、 マネジメントシステムを構築し、 お客様の要望実現、過誤防止 教育訓練や、 より安全な化学物質への切り替え、使用量削減 のための活動を行っています。 に取り組んでいます。 Topics 計画に沿って業務内容に応じた活動計画を策定し、実施して います。各部署の活動状況確認と問題解決を図るため、 技術・ 化学品安全 防災訓練の実施 Topics 適 切な廃 棄 処 理の実 施 Topics 継 続 的なQC 活 動の実 施 RC推進体制図 経営会議 RC推進会議 事務局:技術・環境安全部 東日本大震災を教訓とし、試験研究センター鹿島研究所では グループ会社 アドミ部門 基盤強化部門 ICT部門 経営戦略企画部門 メディカル ソリューション本部 営業本部 創薬支援事業本部 診断検査事業本部 安全で迅速な避難行動と人員把握を行うことを目的に、地震・ 試験研究センター熊本研究所では、2014年7月、 「ポリ塩化 試験研究センター熊本研究所では、品質向上を目的とした 津波を想定した避難訓練を行いました。揺れがおさまった後の ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」 に QC活動を5年間継続してきました。指摘事例の水平展開やQC 一次避難、津波警報発令後の二次避難を行い、正確な情報を 従い、保管していた低濃度ポリ塩化ビフェニルを含む変圧器を 担当者教育を実施し、少しずつですが成果が現れています。 報告できるよう訓練を行いました。 適切に廃棄処理しました。 今後もさらなる品質向上に努めていきます。 詳細な取り組みはWebサイトをご参照ください 23 KAITEKI Report 2014 KAITEKI Report 2014 24 お客様とともに 当 社の提 供するサービス・製 品 は、いずれも 「お客様の健康を維持・ 改善するため」 に使用されます。この ことを全従業員が念頭に置いて、 よ り良い品質のサービス・製品を提供 することを心がけています。また、お 客様からの貴重な御意見に耳を傾 け、答えを出し、満足度を向上するこ とも私たちの使命です。 「お客様とと もに」 はLSIメディエンスの心からの Voice お客様満足への取り組み 従業員に対し、適切な処遇や人 お客 様からの感謝の言葉が 励みに 道350キロもあります。検査報告書の配送にも時間が掛かるので、朝早くから診療を開始する 医療機関から電話でお問い合わせをいただくことが多く、非常にご迷惑をお掛けしていました。 そういった 「早く検査結果が知りたい」 との声に応えたく、札幌営業所ではインターネットで検査 結果を報告するm-Lineの導入に力を入れてきました。 当社は、三菱ケミカルホールディングスグループの一員と してKAITEKI実現のため、 基本方針と行動規範に基づき購買 活動を行っています。 お取引先の皆様にも、当社の考えをご 理解いただき、 適切な企業活動をお願いしています。 基本方針 1 最適な原材料、および資材の調達 私たちは、健康で安心な社会の創造に向けて、お客様の安心につなが るサービス・製品の提供のため最適な原材料、および資材の調達に努 Voice 購買に関する取り組み お取引先との信頼関係構築 私たちは、 「LS Iメディエンスグループ 品質方針」 に基づき行動し ます。それは、お客様の安心につながるサービス・製品の提供を心 がけるとともに、ご信頼いただけるよう品質の向上に努力すること です。そのため、購買・物流部では関連部署と連携を取り、 お取引先 を定期訪問し、要求した品質が保たれているか確認するとともに、 不具合があれば改善を求めることになります。そのような取り組み 2オープンマインドとパートナーシップ く、お取引先との信頼関係を構築し、ひいてはKAI TEKIを実現した 私たちは、国内外のすべての企業に対し、開かれた購買姿勢で対応 いと考えています。 性を持って総合的に考慮します。 また、 すべての供給者は事業遂行のパートナーであるとの基本認識に 立ち、相互の信頼関係に根ざした購買活動に努めます。 WWW 25 LS Iメディエンスの未 来をつくる人 材 育 成 考えています。ワークライフバラン スなども大切にしつつ、職場や仕事 2013年度は、職位別研修として 「部長研修」 を新たに設けました。続いて2014年度は、 GL・営業所長クラスを対象とした 「リーダー研修」 を行います。 ともに 『ビジョン』 を部下と共 有して進むべき方向性を明らかにすることで困難を乗り越える推進力とモチベーションを 生み出すことを学び、実行へとつなげていきます。 また、将来を担う人材を対象とした 「みらい創造コース」 も 2014年度にスタートしました。ヘルスケア事業のグローバル 化や未来市場の創出など"みらい創造"という非日常的な体 験学習を通して自己の成長テーマを明確にします。 寺内 健太郎 を充実させることで、原料、資材、 サービスの品質を高めるだけでな 勢(法令、社会規範遵守への取組、環境への配慮、人権の尊重) を透明 長・働きがいを重視し支援したいと を継続しています。 めてまいります。 し、供給者の評価に当たってはコストの競争力・技術・開発力・企業姿 提供することはもちろん、個々の成 ベーションを高めていけるよう施策 スタッフ一同、仕事の励みとなっています。 お取 引 先とともに フステージに応じた生活の基盤を を通して、一人ひとりの能力やモチ 導入されたお客様からは感謝の言葉をいただくことができ、 臨床第1営業部 北海道エリア 札幌営業所 人材育成への取り組み 事諸制度の整備などを通じて、 ライ 北海道はとにかく広く、営業所から医療機関まで片道60キロは当たり前、遠いところでは片 想いです。 従業員とともに Topics 地域社会とともに 当社は、 「三菱ケミカルホールディングスグループ企業市 民活動方針」 に沿った企業市民活動に取り組んでいます。 発展途上国の子供たちへワクチンを送るエコキャップ運 動や地域とのコミュニケーションを深める取り組みを継続し て実施しています。 三菱ケミカルホールディングスグループ 企業市民活動方針 三菱ケミカルホールディングスグループは、事業活動を展開している 国々・地域の文化や習慣に対する理解を深め、事業による社会への貢 榎本 純 良き企 業 市 民として 森林を守るボランティアに参加してみませんか?はい、喜んで!同 僚の誘いを2つ返事。これが私とボランティアの最初の出会いでし た。ボランティアの目的は環境保全・森林保護。かっこよく言えばこ のようになりますが、実際の作業は、かなり地味な重労働。鍬で穴 を掘り松や檜を植林し、夏期の雑草取りなど、 コツコツと丹念に育 て、植林から森林を形成する木に育つまで50∼100年。果てしな 献に加え、良き企業市民として、社会や人々からの要請・期待に応える い未来へ資源のバトンタッチ、 とても感慨深いものです。軽い気持 活動を実施し、KAITEKIを実現します。 ちで始めたボランティアですが、社会貢献活動の満足感、他社交流 LSIメディエンスの企業市民活動方針 購買・物流部 企画管理グループ Voice ボランティア活動 1「ヘルスケア分野」 を生かせる活動を行う 2 地域や社会ニーズとマッチした活動を行う 3 従業員の自発的なボランティア活動を支援する による新しい知見、適度な運動などボ ランティア活動を満喫しています。 メディカルソリューション本部 業務運営統括部 企画部 一田 誠 詳細な取り組みはWebサイトをご参照ください KAITEKI Report 2014 KAITEKI Report 2014 26 ステークホルダーの声 LS Iメディエンスの拠 点ネットワーク 当社は、全国に60カ所以上の営業拠点や登録衛生検査所、事業所、生産 工場を擁し、一大ネットワークを形成しています。 各拠点の融合シナジーをエネルギーに、あらゆる地域で高品質なサービ 木村 聡 スの提供をめざしています。 氏 昭和大学横浜市北部病院 内科系診療センター 臨床病理診断科 教授 LSIメディエンスが検体検査に留まらず、現代人の生活をKAITEKI 今一つは、社員全員が会社の将来像に知恵を絞り、具体的な提案 にする技術を広く開発、提供してゆく大志を感じました。三菱ケミカル ができる体制が整っているかという点です。会社には将来を展望する ホールディングスグループの一員として、成長が期待される医療産業 部署がありますが、現場にしか見えない 「現実」 も存在し、新しいアイ の先陣を切り開いていただきたいものです。 デアはボトムアップが効果的な場合が少なくありません。もっと現場 さて、 ここ何年かで貴社の体制は大きく変わりました。人類史上例 から提案を募り、優秀なアイデアを評価する試みがあってよいのでは のない少子高齢化と激しい国際競争を勝ち抜くためと推察しますが、 ないでしょうか。互いをもっと知り、国内外のライバル企業を研究し あえて2つ問題提起いたします。 て、今までにない業務体系、製品やサービスを現場から提案できる仕 一つは、合併重合によるフロンティアの過剰拡大で、 「 選択と集中 組みがあるべきだと思います。 の脆弱化」 が起こっていないかという点です。歴史と実績がある組織 私は、強いバイオ産業が育たなければこの国の将来は危ういと感 が集まったため、 「社内外注」 のような意思疎通上の障壁はないでしょ じています。コンプライアンスは大切ですが、守りに入ってはいけませ うか。新生LSIメディエンスが、10年後、20年後に何を提供する会社 ん。社員が時代を先読みし、面白いアイデアを競い合う会社になるこ となっているのか、具体的な目標設定があるべきだと思います。 とを期待しています。 1 2 本社 〒101- 8517 4 5 1 3 東 京 都 千 代 田 区 内 神 田 1- 13- 4 T H E K A I T EK I ビル T EL 03( 5577) 0400 7 営業拠点 登録衛生検査所 秋元 美晴 氏 恵泉女学園大学 人文学部 日本語日本文化学科 教授 現在、日本に住んでいる外国人の数は約206万人で、総人口の約 康で安心なKAITEKI社会を実現すること>をめざしているLSIメディ 1.6%を占めるそうです。 ということは、 日本のある場所に人が100人 エンスと共通しています。 「暮らしの中のLSIメディエンス」 のページを 2 メディカルソリューション本部 3 環 境リスク評 価センター 4 生産物流センター(八千代) 〒227- 0033 〒276-0046 いると、 その中の1.6人は外国人だということになります。私はこのよ 読むと、検体検査・健康診断サポート・食品の栄養成分分析など、私た 〒174- 8555 うな日本語を母語としない人たちに日本語の学習を支援する日本語 ちの身近な生活もサポートしてくれていることがわかります。 東 京 都 板 橋 区 志 村 3- 30- 1 神奈川県横浜市 千葉県八千代市 TEL 03( 5994) 2362 青 葉 区 鴨 志 田 町 1000 大和田新田1144 T EL 045( 963) 3541 T E L 047(450)2261 教育という仕事に携わっています。日本語教育は、外国人のみならず これから2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて、 ますます 日本人もその対象とし、相互のコミュニケーション能力を育てることに 外国人が増え、日本は多文化共生の時代に入っていくことでしょう。 より、 よりよい世界、住みよい社会づくりに貢献することを目的として そういう中で、日本語を母語としない人たちにもわかりやすい表現 います。 で、LSIメディエンスの存在意義を伝えていってほしいと願っています。 社会貢献の取り組み方は異なりますが、 <快適な生活に貢献し、健 5 6 7 試験研究センター 熊本研究所 成田研究部 試験研究センター 鹿島研究所 〒289- 2247 〒314- 0255 〒869-0425 千葉県香取郡多古町 茨 城 県 神 栖 市 砂 山 14- 1 熊本県宇土市栗崎町1285 水 戸 水 戸 台 1460- 6 T EL 0479( 46) 2871 T E L 0964(23)5111 TEL 0479( 76) 3666 27 KAITEKI Report 2014 KAITEKI Report 2014 28 6