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音のレンズ - きのくにサイエンスラボ KSL
Axx (出展種別) 音のレンズ 離れた場所から、ないしょばなし? きのくにサイエンスラボ(KSL)藤田利光・坂本文博・鈴木勝実 ●どんな実験なの? 遠くにあるゴム風船の向こう側から友達 に小声で話しかけてもらいます。 こちらのゴム風船の反対側で耳を澄まし て聞いてみましょう。友達の声が聞こえ てきますね。互いに試してみましょう。 ゴム風船からはなれた場所ではどうなる かな、聞こえるだろうか? ●なぜなの? ふつう、音源から出た音は、広がって伝わると小さくなるため、遠くではほ とんど聞こえません。ところがこのゴム風船には特別なしかけがしてあるの で、遠くのゴム風船のむこう側ででている音の一部分が、こちらのゴム風船 のてまえ側に集まって、近くに音源があるかのように聞こえるのです。 光も、光源から広がって出て行くため光源から遠くはなれると弱くなります。 しかし凸レンズを使うと、レンズを通った光が集まり光源の像ができ、その 先はその像から出る光のように進みます。 そう、このゴム風船は音の凸レンズです。 光のレンズ ●どんなしかけ?どんなわけ? ゴム風船に入っているのは普通の空気 ではありません。二酸化炭素(炭酸ガス) です。音は空気中を1秒間に340メー トルくらい進みますが、二酸化炭素中で 音のレンズ は1秒間に265メートルくらいしか 進みません。光は空気中を 1 秒間に 30 万㎞くらい進みますが、ガラス中では 1 秒間に 20 万㎞くらいしかすすみません。 音も光も波です。「波は到達する時間が もっとも短いみちすじを進む」というのがフェルマの原理です。光は空気中 を直進しますが、それが光にとって最も到達時間の短いみちすじだからです。 光の反射や屈折も、同じ原理で説明できます。一様な空気中では音も直進し ます。 波の源から到達する別の地点をつなぐみちすじについて、到達時間がもっと も短いみちすじがいくつもあるときには、波はいずれのみちすじも同じよう に通ります。ですから、音源や光源から出た音や光の波の一部は、いくつも のみちすじを通っていったんはその位置に集まり、それから先は、集まった 位置に音源や光源があり、そこから波が出てゆくように進むのです。