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変容する米国証券会社 - 野村資本市場研究所

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変容する米国証券会社 - 野村資本市場研究所
資本市場クォータリー 2006 Spring
金融機関経営
変容する米国証券会社
沼田
要
優子
約
1. 米国では、証券業界の収入構成に占める株式委託手数料の割合が、2005 年は
わずか1割となった。代わりに拡大しているのが、M&A アドバイザリーやト
レーディングに伴う金利収入等を含む「その他証券関連収入」である。また
資産管理型営業への転換に伴い、投資信託販売手数料や資産運用関連手数料
等も増えており、両者の合計は、委託手数料にほぼ匹敵する水準となってい
る。
2. 引受市場においては、銀行系列証券会社の勢力拡大が著しい。これは銀行
が、資本市場からの資金調達サービスと、ローン等、自らのバランスシート
も用いた資金調達サービスの両方を総合的に提供することで、多くの案件を
獲得するようになったからである。
3. 米国では、大手証券会社の寡占化が進みつつあるものの、その一方では、特
定の産業の顧客に特化したブティック投資銀行や、証券事務をクリアリン
グ・ファームに外部委託するイントロデューシング・ファーム等も存在して
おり、それぞれの得意分野に特化しつつ、棲み分けを行っている。
パレートリー・マネージド・アカウント)等
Ⅰ.米国証券会社の収入構成の変化
の資産運用サービスから発生する手数料の比
率が高まり、2005 年は両者合わせて 11%と、
米国証券会社は、IT バブル崩壊後、順調
な回復を遂げた(図表 1)。しかし、米国証
ほぼ委託手数料に匹敵する水準となった。
発行企業を主要顧客としてきた投資銀行も、
券業界における構造変化には拍車がかかって
トレーディングや、企業のリストラクチャリ
いる。例えば、米国証券会社は従来、株式売
ング及び合併・買収に関して戦略的な提言を
買委託手数料に依存する収入構造となってい
行うアドバイザリー業務等へと、多角化を進
た(76 年 46%)。ところが、75 年の手数料
めていった 2 。また近年は、プライム・ブ
自由化を契機に、90 年代半ば以降のネット
ローカレッジ等、プライベート・エクイティ
証券の台頭等を経て、その割合は 2005 年に
やヘッジファンド等の非公募市場に関わる業
1
はわずか 11%にまで落ち込んだ(図表 2) 。
この間、証券会社のリテール部門において
務も拡大している。
M&A アドバイザリー、トレーディングに
は、委託手数料に代わる収入源を確保する手
伴う金利収入、プライム・ブローカレッジ等、
段として、資産管理型営業への転換が目指さ
新しいサービスの収入は、「その他証券関連
れた。その結果、投資信託販売や SMA(セ
業務」に含まれるが、その割合は全収入の約
80
変容する米国証券会社
図表 1 米国証券会社の収益
(億㌦)
250
(%)
60
税前利益(左メモリ)
税前ROE(右メモリ)
50
200
40
150
30
100
20
50
10
0
0
-10
1965
1966
1967
1968
1969
1970
1971
1972
1973
1974
1975
1976
1977
1978
1979
1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005(推)
-50
(出所)SIA FACT BOOK 2005
図表 2 米国証券会社収入構成
100%
80%
その他
その他証券関連
コモディティ
リサーチ
資産運用手数料
投信販売
信用取引金利
インベストメントバンキング
投資勘定収入
トレーディング
売買委託手数料
60%
40%
20%
0%
1976
1980
1982
1984
1986
1988
1990
1992
1994
1996
1998
2000
2002
2004
-20%
(出所)SIA
81
資本市場クォータリー 2006 Spring
半分を占める程に拡大した。
このような変化に伴い、証券会社の再編も
Ⅱ.個人向け業務における変化
行われた。従来、米国では、個人向け業務に
強い証券会社と、法人向け業務に強い投資銀
1.ベビーブーマーと資産管理型営業
行が並存していた。しかし、90 年代後半の
リテール部門における資産管理型営業への
規制緩和を機に、より大きな資本力を求めて
転換の背景には、投資家の裾野の拡大もある。
銀行の傘下入りを決めた証券会社が出始める
2005 年 、 米 国 で は 、 家 計 の 半 分 が 株 式
と、金融機関としての規模的な見劣り感を解
(株式投資信託を含む)を保有しており、彼
消する意味合いもあって、リテールもしくは
らの年収中央値は 6.5 万ドルである3 。また、
ホールセールに強い証券会社が、互いに手を
彼らの7割は、現役の就業者であり、その筆
結ぶ動きが相次いだ。
頭が退職を控えたベビーブーマーである。す
そして誕生したのが、現在のモルガン・ス
なわち、「余裕資金で株式投資を楽しむ富裕
タンレーや、シティグループ(傘下証券)で
層」が伝統的な顧客像であるとすれば、投資
ある。またリテール証券業の強さの指標とな
家の属性が大きく変わっているのである。
る営業マン数では、大手地銀のワコビア(傘
米国では、「株式の死」と言われた 70 年
下証券)が、モルガン・スタンレーを抜いて
代から構築されてきた小口投資家向けのイン
業界第 3 位となった。
フラが、90 年代の株式ブーム期に、投資家
こうして米国では証券会社の寡占化は進ん
の裾野を広げる上で、大きな役割を果たした4。
だ(図表 3)が、一方で、ブティック投資銀
そのインフラとは、①初心者向け商品と言わ
行が復活したり、個人向けの営業機能のみを
れる投資信託の多様化、②ディスカウント・
有するイントロデューシング・ブローカーも
ブローカーや投資信託の直販と言われる非対
活躍したりしており、それぞれが得意分野を
面チャネルの充実、③銀行、ファイナンシャ
生かして差別化をはかっている。
ル・プランナー、独立外務員等、地域に密着
図表 3 米国証券会社上位 10 社のシェア
(%)
70
60
50
19
80
19
81
19
82
19
83
19
84
19
85
19
86
19
87
19
88
19
89
19
90
19
91
19
92
19
93
19
94
19
95
19
96
19
97
19
98
19
99
20
00
20
01
20
02
20
03
20
04
40
(出所)SIA FACT BOOK 2005
82
変容する米国証券会社
した身近な対面チャネルの多様化(図表 4)、
上回っている。
④老後のための資産形成と投資を結びつけた
このような投資家の関心事は、儲かる銘柄
確定拠出年金制度や個人退職勘定(我が国の
というよりも、「どうすれば長生きしても資
確定拠出年金個人型に相当)である。
産を枯渇させないか」ということである。
とりわけ、確定拠出年金等が、投資資金の
従って、金融資産全体を見た上での最適資産
性格を、余裕資金から老後の支える生活資金
配分や途中経過のレビュー、軌道修正に関わ
へと転換させた意義は大きく、今正に、退職
るアドバイスを求めている。
こうしたアドバイスに付加価値を置く投資
期を控えたベビーブーマー達が、その運用方
5
家にとって、個別銘柄の選択は、むしろファ
法を真剣に検討している 。
ンド・マネージャーにアウトソースできる機
もちろん、2000 年の IT バブルの崩壊で、
個人投資家が痛手を被らなかった訳ではない。
能である。このような一任サービスの代表が、
ただし、これらのインフラを活用した自己責
SMA(セパレート・マネージド・アカウン
任による投資経験も積んだ上での失敗であっ
ト)であり、その残高は長期投資信託の2割
たため、現在は証券会社を嫌忌するというよ
程度に匹敵する 1.4 兆ドル(2005 年第 4 四半
りは、むしろプロの専門性を再確認している
期)を超えた 6 。これらの残高手数料型サー
ようである。実際、個人投資家の活用チャネ
ビスの浸透を目指す大手証券会社のメリル・
ルを比べると、対面チャネルのみ(41%)
リンチ収入の構成(連結ベース)を見ると、
が、非対面チャネルのみ(22%)をはるかに
既に資産運用関連手数料が 23%と、株式委
図表 4 証券サービスチャネルの鳥瞰図
チャネル
チャネル
投資アドバイス
アナリストのリサーチ
従来
従来
証券会社営業マン
◎
◎
商品
商品
価格
価格
株、債券、投信
一律
富裕層
残高
手数料制
預かり資産
現在
現在
個人向け投資顧問業者
: 3.62万人
◎
大手証券会社営業マン
: 5.6万人
◎
◎
地方証券会社営業マン
◎
: 2.26万人
独立系外務員 : 8.14万人
○
証券営業の経験が豊富
な独立系外務員
◎
△∼○
会計士、FP、等
○
△∼○
顧客
顧客
100万ドル
株、債券、
投信、変額年金
高
投信、変額
保険会社
: 4万人
○
△∼○
銀行
: 2.27万人
○
△∼○
ディスカウント・ブローカー △∼○
キカイ(PC、コールセンター)+人
年金中心
△∼○
株、債券、投信、変額年金
但し銘柄の推奨は消極的
/行わない場合も多い
低
10万ドル
数万ドル
ネット証券
×
×∼△
株 + 信用取引中心
激安
投資信託直販会社
×
×
投資信託
販売手数料
なし
(注)人数は Cerulli Edge, Feb. 2005 より
(出所)野村資本市場研究所
83
資本市場クォータリー 2006 Spring
託手数料の 20%を上回っている。
象顧客は主に有価証券の既存顧客であるため、
また、このように、証券会社のアドバイス
証券担保ローン、住宅ローン、中小企業向け
が高度化していく中で、営業担当者は証券外
ローン等が中心となる。証券会社が中小企業
務員としてのみではなく、投資顧問業者とし
向けローンまで手がけるのは、主要顧客の多
ても規制していくべきである等、証券アドバ
くは、企業オーナーでもあり、彼が意思決定
イスのあり方に関する議論も活発化しつつあ
を下すサービスは個人、法人の枠に囚われず
る。
に、一通り提供しようと考えるためである 8 。
2.銀行サービスへの参入
3.自社株管理サービスの普及
7
リテール営業の付加価値の一つが資産の最
さらに、主要顧客の多くが現役企業オー
適配分となっていったため、証券会社は一通
ナーであることを念頭に、「自社株管理サー
りの金融商品を提供するようになった。中で
ビス」も発展した。ストック・オプションや
も証券会社が 2000 年頃から注力しているの
新規公開を通じて富を築いた富裕層の多くは、
が、銀行サービスである。
資産の大半が自社株で、全く分散されていな
第一に、資産継承を視野に入れ始めたベ
い上に、これらを売却しにくい。彼らに対し
ビーブーマーのニーズに応える形で、信託
て、①自社株を保有したままで流動性を付与
サービスを充実させていった。
する証券担保ローン、②値下がりリスクを
信託サービスは従来からプライベート・バ
ヘッジするデリバティブ、③インサイダー取
ンクが提供してきたが、顧客が伝統的な世襲
引規制を遵守するための助言や売買支援、と
型の超富裕層に限定された上、通常は運用機
いったサービスを提供するのである9。
能と一体となっていた。
しかし、証券会社の顧客は既に、多様な運
Ⅲ.法人業務における変化
用商品を保有している場合が多く、必要なの
は、資産継承を可能にする信託の「器」のみ
1.投資銀行業務における銀行の台頭
である。そこで大手証券会社は器としての系
米国では、伝統的に、証券引受の墓石広告
列信託会社を設立し、地方証券会社は、各地
で主幹事としてトップに名前が載る投資銀行
に設立された独立系信託専業会社と協働する
を「バルジ・ブラケット」と呼び、エリート
ようになった。
集団企業として讃えてきた。ところが 90 年
第二に 2000 年から大手証券会社が、系列
代後半より、主幹事として銀行が名を連ねる
銀行の預金を証券総合口座に組み込み、短期
ようになり、2005 年はシティグループが多
運用資金をMMFから預金に誘導し始めた。
くの引受市場において、トップに君臨してい
すなわち期間限定で、預金にMMFよりも有
る(図表 5)。
利な金利を付与したのである。そしてその後
銀行はこの引受能力を、新規公開やアドバ
は、顧客の預かり資産に応じた預金金利を設
イザリー業務に強い、ブティック投資銀行等
定し、主要顧客との関係強化を図った。先駆
の買収によって強化した。80 年代後半から
者のメリル・リンチは、わずか1年で 500 億
証券子会社を設立して引受業務に参入したも
ドルの預金を集め、2005 年の残高は準大手
のの、一定の成功を収めたのは、信用業務と
行に匹敵する 800 億ドルとなっている。
親和性の高い証券化商品等に留まり、手数料
第三に、預金の運用手段として、ローン
を提供する動きが見られるようになった。対
84
率の厚い新規公開や合併・買収市場において
は、苦戦を強いられていたからである。
変容する米国証券会社
図表 5 米国金融機関の証券引受ランキング
証券系
米国有価証券
投資適格債
ハイ・イールド債
ABS
MBS
普通株式
新規公開
M&A
銀行系
ゴールドマ
ン・サックス
メリル・リンチ
モルガン・
スタンレー
1995
2
1
3
2000
2005
6
8
1
5
5
3
1995
5
1
3
2000
5
3
4
2005
3
7
6
1995
1
3
4
2
6
4
8
7
1995
8
1
2000
2005
10
12
7
4
9
14
(ディーン・
ウィッター)
5
7
1995
13
7
6
2000
6
5
11
3(ソロモン・スミス・バーニー)
2005
9
14
8
1995
1
2
3
10
4(スミス・バーニー)
10(ソロモン・ブラザーズ)
2000
1
4
2
2005
3
5
2
1995
1
2
4
2000
1
5
2
2005
2
6
3
1995
2
5
1
2000
1
4
3
5(ソロモン・スミス・バーニー)
2005
1
5
2
4
1995
-
-
-
2000
9
-
15
12
-
-
1995
N/A
N/A
N/A
2000
12
14
10
2005
7
13
-
バンク・オブ・アメリカ
7(JPモルガン) 11(ネーションズ・バンク)
13(チェース)
4
8
4
9
7(JPモルガン)
11(ネーションズ・バンク)
13(チェース)
2(JPモルガン・チェース)
1(ソロモン・スミス・バーニー)
8
14(バンク・ワン)
1
2
5
5(ソロモン・ブラザーズ)
11(チェース)
14(スミス・バーニー)
12(JPモルガン)
13(ケミカル)
5(JPモルガン・チェース)
8
3(ソロモン・スミス・バーニー)
15(バンク・ワン)
2000
2005
JPモルガン・チェース
5(ソロモン・ブラザーズ)
10(スミス・バーニー)
2(ソロモン・スミス・バーニー)
1
2(ソロモン・ブラザーズ)
10(スミス・バーニー)
2005
シンジケート・ローン
レバレッジド・ローン
シティグループ
3
1
5(ソロモン・ブラザーズ)
4(JPモルガン)
13(シティコープ)
6(チェース)
15(スミス・バーニー)
11(ケミカル)
1(ソロモン・スミス・バーニー)
2
1
10
9(ソロモン・ブラザーズ)
12(スミスバーニー)
15(シティコープ)
2
12(ネーションズ・バンク)
8
9
8(ネーションズ・バンク)
8
9
11
6
12(ハンブレト&クイスト) 9(モンゴメリー)
14(JPモルガン)
11(ロバートソン・スティーブン
9(フリート)
5(ソロモン・スミス・バーニー)
6
10(バンク・オブ・アメリカ)
1
3(スミス・バーニー)
10(ソロモン・ブラザーズ)
6
10
11(ハンブレト&クイスト) 7(ロバートソン・スティーブン
14(JPモルガン)
12(モンゴメリー)
9(フリート)
4(ソロモン・スミス・バーニー)
7
14(バンク・オブ・アメリカ)
1
7
10
10(ソロモン・ブラザーズ)
7(JPモルガン)
13(モンゴメリー)
11(スミス・バーニー)
7
3
1(ケミカル)
2(JPモルガン)
5(シティコープ)
7(ファースト・シカゴ)
11(チェース)
3(ソロモン・スミス・バーニー) 1(JPモルガン・チェース)
4(バンク・ワン)
3
1
11
10
3(ネーションズ・バンク)
4(バンク・オブ・アメリカ)
2(バンク・オブ・アメリカ)
6(フリート)
2
N/A
N/A
N/A
4(ソロモン・スミス・バーニー) 1(JPモルガン・チェース) 2(バンク・オブ・アメリカ)
9(バンク・ワン)
3(フリート)
3
1
2
(注)−は、上位 15 以内に入っていなかったことを示す。()は後に買収された金融機関。
(出所)Investment Dealer's Digest より野村資本市場研究所作成。
しかし、一通りの商品を揃えた銀行系証券
いては、急遽資金が必要となった企業に対し、
会社は、バランスシートを活用した案件獲得
手を差し伸べたのは、名門投資銀行ではなく
に乗り出し、そのような資金を持たない名門
銀行であったという事例も相次いだ10。2003
投資銀行が、主幹事からはずされる事例も見
年後半に発表された銀行当局の調査報告でも、
られるようになった。
不適切なタイイングの事例は見あたらないと
銀行のこのような行動は当然、ローンの供
与を条件として案件を獲得したのではないか
し、むしろ合法的なタイイングは評価してい
こうという主張となっている11。
という、いわゆるタイイング(抱き合わせ販
もちろん、こうした銀行の勢力拡大は、単
売)の懸念を引き起こした。しかし一方で、
に品揃えが増えたからではなく、法人向部門
2001 年の IT バブル崩壊直後の混乱期等にお
の業務のあり方を見直し、より顧客のニーズ
85
資本市場クォータリー 2006 Spring
に合った提言をくみ取る努力を行った結果で
門が対応することにより、重要顧客に対して
あるとの見方もある。
は、トップから現場の人間まで、接点が明確
になるようにしたという。
例えばシティグループでは、銀行部門と投
資銀行部門がそれぞれ、同じ顧客に営業攻勢
こうして現在は、むしろ顧客の方が、間接
をかける、といった弊害をなくすため、
金融と直接金融を組み合わせたパッケージ・
2003 年に顧客の整理と組織の再編を行った
サービスを求めるようになったと認識されて
(図表 6)。銀行、投資銀行部門の両サービ
いる。具体的事例は、レバレッジド・バイア
スが必要な顧客と、いずれかのサービスが必
ウトのアドバイザーが買収資金も供与する案
要な顧客とに分類し、両サービスを必要とす
件、国境を越えた買収において、アドバイ
る顧客の中でも最重要顧客に対しては、銀行
ザーが為替変動もヘッジする案件等、枚挙に
部門と投資銀行部門の重複担当制を入れたの
いとまがない12。近年、投資銀行がレバレッ
である。
ジド・ローン市場における存在感を高めつつ
すなわち、買収・合併等、経営陣が関わる
あるのも、このような変化を反映している。
戦略的提言は投資銀行部門、債券やローン等、
投資銀行は、引受市場のこうした変化に対
最高財務担当責任者が主に関わる資金調達は
応するため、自己資本の増強が喫緊の課題と
投資銀行部門と銀行部門、日々の資金繰りや
なった。実際、2005 年の自己資本ランクを
決済等の財務担当部門とのやりとりは銀行部
見ると、前年第 2 位のモルガン・スタンレー
図表 6
2003 年のシティグループ企業向け部門の改革
重複担当企業に対するフォーメーション
顧客の整理
顧客企業の意思決定者
顧客企業の意思決定者
商品・サービス
商品・サービス
取締役会
取締役会
プラチナ顧客345社、
時価総額50億㌦以上。
◆複数の商品購入企業
◆3年間で3,500万㌦以上の
収入
戦略及び
財務アドバイス
【潜在的収入>70%】
合併・買収
株式
ストラクチャード・ファイナンス
リストラクチャリング
最高経営責任者
最高経営責任者
投資銀行
投資銀行
コア顧客1,765社、
時価総額10億㌦以上。
担当者
担当者
◆複数の商品
購入企業
◆3年間で1,000∼
2,000万㌦以上の
収入
銀行部門
が担当
投資銀行
部門
が担当
【潜在的収入<70%】
商業銀行・
投資銀行部門
で重複担当
最高財務責任者
最高財務責任者
資本管理
(キャピタル・
マネジメント)
財務部長
財務部長
ターゲット顧客1,730社、
業界もしくは国ごとに担当。
商業銀行
商業銀行
担当者
担当者
副財務部長
副財務部長
◆単品購入
企業
その他顧客2,500社以上
(出所)Citigroup
86
債券
デリバティブ
ローン
証券化
アセット・ファイナンス
外国為替
人事部
人事部
(年金等を担当)
(年金等を担当)
決済
サービス等
キャッシュ・マネジメント
トレード・ファイナンス
カストディ
有価証券貸借
法人信託
オペレーション
オペレーション
Global Corporate and Investment Banking Group , 2003 より野村資本市場研究所作成
変容する米国証券会社
と 3 位のゴールドマン・サックスが、それぞ
経営者も増えつつあると言われている。
さらに、サルベンス・オックスレー法の施
れ第 1 位と 2 位にあがった。
もっとも、銀行の優位性については、懐疑
行により、新規公開コストが高まったため、
的な声もある。IT バブル崩壊後の引受市場
中堅企業は、プライベート・エクイティ・
は証券化商品が牽引しているため、これらの
ファンド等に買収されることも、資金調達手
市場に強い銀行の存在感が目立つが、手数料
段の一つとして考えるようになりつつある。
の厚い市場の案件や大型案件では、依然とし
このような中堅企業の M&A 市場の質の変化
て専業投資銀行が上位に位置するからである。
も、中堅投資銀行の存在感の高まりを、後押
ししているようである13。
2.中堅投資銀行の復活
加えて、顧客企業の業界に関わる深い見識
IV.証券会社の棲み分け
と、戦略的知見が求められるアドバイザ
リー・サービスにおいては、特定の業種に特
以上、米国証券業界の全体的な動向を紹介
化したブティック投資銀行も、再び、存在感
してきたが、証券業は高度な専門性を有する
を増している(図表 7)。
人的資本が支えているという側面が強いため、
IT バブル前後は、めぼしいブティック投
証券会社はとりわけ労働集約的な個人向け業
資銀行が銀行に買収されたこともあり、投資
務において、棲み分けを行っている。実際、
銀行市場における優位性の一つは資本力にあ
米国証券会社上位 15 社の収入タイプ別寡占
ると見られていた。しかし M&A 市場が回復
度を見ると、トレーディングや引受、新規業
基調にある現在は、大手証券会社がキャパシ
務(その他証券関連収入)等においては、上
ティの問題上、大型案件志向を強めているた
位 15 社のシェアが高いが、委託売買手数料、
め、中堅企業向けにきめ細かいサービスを提
投資信託販売手数料、金利収入等は、比較的
供するブティック投資銀行や、大手地方証券
低い(図表 9)。そこで以下では、代表的な
会社の需要が高まっている(図表 8)。
証券会社のタイプについて、その特徴を紹介
また、企業戦略の根幹に関わるアドバイス
する。
は、資金調達案件とは独立した立場の、中立
的なブティック投資銀行から受けたいという
図表 7 米国のブテッィク投資銀行
業種
エネルギー
金融
メディア
小売
ヘルスケア
ハイテク
不動産
消費財・サービス
素材
政府・自治体
製造業
食品
通信
9
4
6
4
9
8
1
9
7
1
7
3
2
上位10社に入るブティック投資銀行
ラザード
10 フーリハン・ローキー・ハワード・ズーキン
キーフ・ブルエット&ウッズ
6 ジョセフ・ペレラ
ブラック・ストーン
8 ラザード
ピーター・J・ソロモン
7 バンク・オブ・アメリカ
8 ダフ&フェルプス
ラザード
ラザード
10 スティーブンズ
ワコビア
4 バンク・オブ・アメリカ
10 フーリハン・ローキー・ハワード・ズーキン
アレン
グリーンヒル
8 バンク・オブ・アメリカ
9 ドイツ銀行
M&Aインターナショナル
3 ジェフリーズ
グリーチャー
9 ABNアムロ
10 ドイツ銀行
ラザード
5 グリーンヒル
8 ロスチャイルド
エバコア
7 グリーチャー
8 ロハティン
9 ドイツ銀行
10 バンク・オブ・アメリカ
(注)2005 年の米国買収・合併金額ランキング上位 10 社には入らないが、同業種別ランキングでは 10 位以
内に入る金融機関。
(出所)SDC
87
資本市場クォータリー 2006 Spring
図表 8 米国の M&A
20,000
2.5
金額(左メモリ)
1件あたりのM&A金額(右メモリ)
(億ドル)
16,000
2
12,000
1.5
8,000
1
4,000
0.5
0
19
80
19
81
19
82
19
83
19
84
19
85
19
86
19
87
19
88
19
89
19
90
19
91
19
92
19
93
19
94
19
95
19
96
19
97
19
98
19
99
20
00
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
0
(注)発表ベース
(出所)SIA FACT BOOK 2005
図表 9 米国証券会社上位 15 社の収入タイプ別集中度
委託売買手数料
90%
その他証券関連収入
80%
70%
60%
トレーディング
50%
40%
30%
20%
10%
0%
資産運用「手数料
投資信託販売収入
引受手数料
金利収入
(出所)SIA
1.大手証券会社
を機に、自らを「ウェルス・マネジメント会
歩合制で高コストの営業マンを抱える大手
社」と称して、富裕層特化戦略を鮮明に打ち
証券会社は、ネット証券の安価な新興チャネ
出している。具体的には、預かり資産 100 万
ルの拡大に伴い、守勢に立たされた。
ドル以上の顧客を主要顧客と規定し、信託
そこで彼らは IT バブル崩壊後のリストラ
88
サービス等、伝統的プライベート・バンクと
変容する米国証券会社
ただし、上位 3 社の顧客一人当たりの預か
の競合も視野に入れた品揃えを増やす一方で、
預かり資産 10 万ドル未満の顧客をコールセ
り資産中央値は 100 万ドル台で、JP モルガ
ンターに誘導したのである。実際、2005 年
ンに代表されるような老舗プライベート・バ
第 3 四半期のモルガン・スタンレー顧客の預
ンクの伝統的顧客と比べると、桁が一つ少な
かり資産変化(前年同期比)を見ると、100
い模様である。すなわち、証券会社は、富裕
万ドル以上の顧客の資産は 15%増となった
層市場の「マス層」を上手く取り込んだが故
一方で、10 万ドル未満の顧客の資産は 18%
に、預かり資産総額を伸ばした。
一方、伝統的顧客層に特化してきたプライ
減となった。
このような戦略が奏功したこともあり、
ベート・バンクは、対象顧客が極めて限定さ
2005 年の米国富裕層市場(預かり資産 100
れるため、規模を拡大しにくかった。名門
万ドル以上の顧客市場)の上位3社は、いず
US トラストが、ディスカウント・ブロー
れも老舗のプライベート・バンクではなく、
カー大手のチャールズ・シュワブの傘下と
証券会社となっている(シティグループは傘
なったことは、このようなジレンマを象徴し
下にスミス・バーニー証券を、UBS は傘下
ていると言えよう。
に元ペイン・ウェーバー証券を持つ)(図表
2.地方証券会社
10)。
図表 10
富裕層対応金融機関ランキング
業態
預かり資産
(1億㌦)
最低預かり 資産(万㌦)
預かり資産
中央値
(万㌦)
営業担
当者数
営業担当
者当たり
顧客数
店舗数
1
メリル・リンチ
証券
7、900
N.A.
(180)
14,420
N.A.
600
2
シティ・グループ
金融コングロマリット
7、250
N.A.
177
10、992
20∼50
538
3
UBSウェルス・マネジメント
銀行(系証券)
3,596
100
N.A.
7,474
N.A.
361
3,019
N.A.
N.A.
2,723
N.A.
315
2,980
(100)
N.A.
6,553
N.A.
544
2,630
N.A.
N.A.
1,163
125
124
《参考》チャールズ・シュワブ/U.S.トラスト
4
ワコビア
銀行(系証券)
《参考》JPモルガン・プライベート・バンク/
JPモルガン・プライベート・クライアント・サービス
チャールズ・シュワブ
ディスカウント・ブローカー
2,290
(50)
N.A.
1,154
N.A.
280
6
バンク・オブ・アメリカ
銀行系証券、プライベート・バンク部
門
2,282
10/300/5,000
N.A.
5,319
N.A.
150
7
フィデリティ
投資信託会社
2,220
100
220
190
300∼450
103
8
JPモルガン・プライベート・バンク
銀行のプライベート・バンク部門
9
ゴールドマン・サックス
投資銀行
10
ノーザン・トラスト
11
12
5
1,820
N.A.
290
300
25
20
1,300(GL)
200
N.A.
330
N.A.
12
プライベート・バンク
1,115
100/7,500
N.A.
185
N.A.
84
ウェルス・ファーゴ
銀行系証券
1,109
100
N.A.
2,432
N.A.
103
モルガンスタンレー・プライベート・
ウェルス・マネジメント
証券の超富裕層部隊
1,000(GL)
1,000
N.A.
130(US)
30∼50
10
994
N.A.
N.A.
277
N.A.
22
《参考》ドイツ銀行・アレックス・ブラウン/
DBプライベート・ウェルス・マネジメント
13
メロン
運用特化型銀行
830
100
N.A.
400
50∼75
61
14
JPモルガン・プライベート・クライアント・サービス
銀行系証券
810
100
N.A.
863
100
104
15
リーマン・ブラザーズ/ヌーバーガー・バーマン
投資銀行系投資顧問会社
790
100
(300)
383
N.A.
26
(注)預かり資産 100 万㌦以上の顧客資産のみ対象。2005 年 6 月末。最低預かり資産の「/」は、部門内で顧客
がセグメント化されていることを指す。()は昨年の数字。GL はグローバルの数字。同一グループの 2
部門がそれぞれ掲載されている場合は、合計値を<参考>として載せた。
(出所)BARRON’S Online, October 17, 2005
89
資本市場クォータリー 2006 Spring
米国地方証券会社の中でも大手は、リテー
メリル・リンチの 8 割を超えた。この預かり
ル及びホールセールのフルサービスを提供し
資産残高の 5 割は、アドバイス付きチャネル
ている。ホールセール部門においては、特定
の資産である14。
の業種や規模の企業に顧客を限定すれば、一
定の競争力を維持できるからである。また、
4.ネット専業証券
特定地域の地方債の引受に特化し、当該地域
ネット専業証券は、信用取引を駆使し、日
の個人顧客に、これを販売するといったビジ
計り商いを行う者も含め、取引頻度の高い投
ネスモデルもある。米国の地方債は、発行地
資家を主要顧客としている。年 100 回以上取
域の居住者に対して、免税措置を与えるため、
引を行うネット投資家は、取引高では全取引
富裕層向け商品と位置付けられており、地域
高の 40%を占めるが、顧客比率では 3%に
密着型の証券会社が、力を発揮し易い市場と
過ぎない15。また彼らは価格感応度が高いた
なっているからである。
め、ネット証券は、恒常的に手数料競争にさ
また、証券業界内シェアを見ると、投資信
託販売収入のシェアが突出して高いことも、
らされる。
こうした中で、IT バブル崩壊の前後から、
地方証券会社の特徴である。資産管理型営業
ネット証券の集約が進んだ。2000 年の上位
を推進していく上で、大手証券会社において
10 社の内、現在も残っているのは 5 社のみ
は、投資信託からSMAへの移行が進んだが、
である。しかもこの内の 3 社は対面アドバイ
地方証券会社は、装置産業サービス的な
スとの融合を、1社はネット・バンキングと
SMA の導入では後手に回ったこと、また地
の融合を志向しているため、純粋なネット証
方証券会社の顧客は、よりシンプルな投資信
券は、わずか 1 社を残すのみとなった。
託を好む傾向が高いこと等が、背景にあると
推測される。
5.クリアリング・ブローカーとイントロ
デューシング・ブローカー
3.大手ディスカウント・ブローカー
店舗網も有する大手ディスカウント・ブ
米国には、証券決済業務を代行するクリア
リング・ファームが存在する。もともとは、
ローカーは、ネット専業証券との価格競争に
売買の執行、精算及び決済、取引報告書送付、
おいては、守勢に立たされている。そこで彼
信用取引における信用供与、顧客資産の保管
らは近年、「ベビーブーマーの証券会社」を
管理といった、バックオフィス業務を引き受
標榜して、預かり資産 10 万ドル台の個人を
けてきたが、近年は、営業支援的なツールも
主要顧客と規定し、アドバイス機能を高めて
提供している。
いる。後述のネット証券と異なり、株式委託
一方、営業機能のみを有し、クリアリン
手数料以上に投資信託販売収入をあげている
グ・ファームに注文を取り次ぐ証券会社は、
ことも、こうした変化を象徴していよう。
イントロデューシング・ブローカーと呼ばれ
最大手のチャールズ・シュワブは、①プラ
る 。 2003 年の 調 査 によれ ば 、 全証券 会社
イベート・バンクのUSトラスト、②個人向
5,301 社の内の 9 割が、イントロデューシン
け投資顧問業者(ファイナンシャル・プラン
グ・ブローカーであるという。すなわち、米
ナー等)、③自社店舗の営業マンという、3
国においては、証券業の装置産業的な業務は
つのアドバイス付きチャネルを備えている。
クリアリング・ファームに集中させることに
IT バブル崩壊後、ほぼ毎期、預かり資産純
より、小規模で軽装備のイントロデューシン
増額ではメリル・リンチを上回り、残高でも
グ・ブローカーが、より地域に密着した営業
90
変容する米国証券会社
一方、法人向け部門においては、ベン
を行うことで、大手の証券会社と棲み分けを
行なっているのである。
チャー企業の新規公開といった華やかな話題
加えて、このイントロデューシング・ブ
は少なくなったものの、プライベート・エク
ローカーの中には、証券外務員を社員として
イティ市場が中堅・中小企業にとっての新た
ではなく、独立系外務員として所属させる業
な資金調達の場として発展しつつある。また
者が少なくない。外務員を社員として抱える
このような動きに伴い、大手以外のブティッ
大手証券会社では、営業マンの稼いだ営業収
ク投資銀行や地方証券会社の活躍の場も増え
入(委託手数料と残高手数料等)の 4∼5 割
ている。公募市場においては、債券市場が活
を割り戻すが、独立系外務員には 9 割が戻る。
況を呈しているが、これに伴い、引受主幹事
証券会社から見れば、人件費は業績と極めて
の座に異変が起きていることも興味深い。
いずれにしても、こうした新しい潮流が、
密接に連動する変動費となっているのである。
クリアリング・ファームとイントロデュー
シング・ブローカーの業務における棲み分け
今後どのような発展を遂げていくのかは、注
目に値しよう。
は、収支構造にも現れている。イントロ
デューシング・ブローカーの顧客資産の保護
預かりや彼らに対する信用供与は、クリアリ
ング・ファームが行うこともあり、彼らは金
利収入比率が突出して高い。一方、イントロ
デューシング・ブローカーの収入の 4 割は、
委託手数料が占めており、証券会社のもっと
も伝統的なスタイルを維持しているとの見方
もできる。
経費率(対支払い金利控除後の収入)を見
ても、クリアリング・ファームの人件費率は
27 % に 過 ぎ な い が 、 イ ン ト ロ デ ュ ー シ ン
グ・ブローカーのそれは 54%と、業界の平
均的な水準となっている。
Ⅴ.終わりに
以上見たように、米国の証券会社は、IT
バブルの崩壊により、大きな打撃を受けたも
のの、業務の中身を変容させることで、着実
に回復しつつある。
個人向け部門においては、低価格で誰もが
容易に参加できるネット証券取引が一世を風
靡したが、現在は、注文執行よりもその前段
階のアドバイスを付加価値とする資産管理型
営業が主流となりつつある。その代表的サー
ビスが、SMA であるといえよう。
1
Securities Industry Association Databank. 対象は、公
衆相手に業務を営むニューヨーク証券取引所会員証
券会社。2004 年、全証券会社数の4%弱を占めるに
過ぎないが、総資産の 8 割を占める。2005 年は第 3
回半期までの数字の年換算。
2
遠藤幸彦「ウォール街のダイナミズム」『野村総
合研究所』、1994 年。
3
Investment Company Institute, Securities Industry
Association, Equity Ownerships in America.” 2005.
4
ノセラ,ジョセフ。『アメリカ金融革命の群像』
1997 年、野村総合研究所参照。
5
井潟正彦、沼田優子「日本の年金改革②拡大続く
米国 401(k)プラン」『財界観測』1996 年 2 月号,野
村総合研究所
6
Cerulli Associates. 残高手数料証券口座も含む。
7
沼田優子「米国証券会社の投資アドバイス業務を
巡る議論」『資本市場クォータリー』2006 年冬号参
照。
8
沼田優子「メリル・リンチの中小企業向けサービ
ス戦略」『資本市場クォータリー』2003 年夏号参照。
9
沼田優子「米国企業経営者向けの多様な『自社株
管理サービス』」『資本市場クォータリー』2005 年
冬号参照。
10
“The Battle of the Bulge.” Institutional Investor,
August 2001.
11
淵田康之「米国における銀行のタイイング問題を
巡る動向」『資本市場クォータリー』2004 年冬号参
照。
12
ゴールドマン・サックス 2005 年年次報告書。
13
Abrams, Sandra Lea. “Life in the Shadow of the Bulge
Bracket.” Investment Dealers Digest, July 11, 2005.
14
関雄太「再評価されるチャールズ・シュワブ」
『資本市場クォータリー』2006 年冬号。
15
Opdyke, Jeff D. and Jennifer Saranow. “Discount
Brokers Fight for Investors---Even Amid Merger Talks,
Price War Continues.” Wall Street Journal, May 10, 2005.
91
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