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平成21年度
1
都市行政調査報告
会派名
新風21
2 調査日、調査地、調査項目
月
日 6月29日
(曜日) (月)
視
察
都
市
視
察
項
目
6月30日
(火)
○下関市
7月1日
7月2日
(水)
(木)
○萩市
「萩まちじゅう
「光市おっぱい都
ね!サポーター
(移動日) ズ」について
博物館の取組」
市基本構想」につ
について
いて
「下関・長門・
○岩国市
る広域観光連携」
について
(金)
○光市
「下関たベりー
美祢の3市によ
7月3日
「朝食メニュー
コンテスト事業」
について
3 視察者
小森唯永、富井司郎、栗田律子、有城正憲、横山明美、編田照茂
(移動日)
1
山口県下関市
行政視察
下関市の概要
○市制施行
1889年(明治22年)4月1日
合併:2005(平成17年)年2月13日
(下関市、菊川町、豊田町、豊浦町、豊北町)
○人口
287,785 人(平成21年5月)
○面積
716.06 ㎢
○議員数
38名
本州と九州との結節点で陸、海交通の要衝にある商業都市。源平合戦、明治維新
などの歴史の舞台。広域観光交流の促進にに向け各種施策を推進。
(1)調査日
平成21年6月30日
(2)調査項目
ア 「下関たべりーねサポーターズ事業」
下関市は、地産地消の推進のため、下関で生産された農産物、水産物を取り扱う
小売店が一目でわかる仕組みを構築し、あわせて小売店の売り上げを向上させるこ
とを目的に本事業を実施している。
事業の概要は まず協力店を募集し登録、その登録要件は
1 下関産の農水産物の販売、使用(下関の農林水産物1品以上あること、今後利用
品目を増やしていく意志があること)
2 PRグッズの店頭への掲示等で登録店は258店にのぼっている。
このほか消費者の啓発のため、協力店にのぼり、ポスター、ステッカーを配布し、
各店はこれを店頭に掲示、消費者へのPRパンフレットの配布、下関農水産物のPR
イベントを実施している。この事業のため300~400万円の予算を充当している。
下関市は平成17年、1市4町が合併した。農水産物の消費地は旧下関地区であるが、
市民は「地元の特産物を知らない」「地元のどこで食することができるか」をしらな
いという状況認識が原点にある。このため、特産物の市民へのPR地元産を取り扱う
小売店等が一目でわかる仕組み作りをすすめており、地産地消推進協力店(サポータ
ー店)を募集、登録し、市民に対するPRを徹底しておこなうとともに、下関市特産
物の特売等のイベントを実施している。 事業を開始して3年経過し、2割の加盟店が
売り上げを向上させている。
本市において、地産地消を推進し、市民に対するPRを徹底するためには、地元農産
物を使用している各小売店を組み込んだ活動が必要ではある。
イ「下関・長門・美祢の3市による広域観光連携について」
下関市、長門市、美弥市は半径約50kmの範囲に所在する3市が連携して,観光客の
増加を目的に事業を推進している。
本事業は
H20年12月、3市観光連携協定を締結、長州路観光連絡会を設立し、
次の事業を実施している。ドライブマップを作成し、標準ドライブコースのPR、湯
めぐりスタンプラリー、3市観光施設の共通チケットを販売し、エリア内の周遊旅行
を促進、JRによる巡回観光列車の運行、共通観光パンフレットの作成、観光ホーム
ページの相互リンクを行っている。
このほか3市の職員の相互派遣を実施して共通の認識での事業実施を図っている。
3市は観光客の減少の現状を打破するため、3市が連携することにより、多くの観光
施設や史跡を観光資源として、多様な要求を持つ観光客に提供できる。また自家用車
や団体バス、JRの各種移動手段にあわせた様々な観光要領を提示し、観光客の多様
なニーズを取り込んでいる。 この結果 下関市の観光客数はH19年948.6万人、
H20年963.5万人とやや増加している(+1.57%)。
観光資源が豊富とは言えない十勝においても、周辺町村を含めたJR、自家用車、バ
ス、タクシーによるモデルコースを提示し、割安な共通チケットによる観光を、観光
客(特に札幌地区、関東地区)にPRできれば有効ではないか。
2
山口県萩市
行政視察
萩市の概要
○新市制施行
2005年(平成17年)3月6日
○人口
56,196
人
○面積
698.85
㎢
○議員数
29
名
毛利36万石の城下町。明治維新胎動の地。自然や文化財・史跡に富み、
歴史的街並みが残る。
(1)調査日
平成21年7月1日
(2)調査項目
「萩まちじゅう博物館の取組について」
萩市は
萩の町全体を博物館ととらえて、観光地づくり、まちづくりの取り組みを
まちじゅう博物館構想と名付け、萩の魅力づくりの展開と活性化を図っている。
主要な事業は、「毛利藩城下町の都市遺産・文化資産の修復・保存と活用」「 観光
資源、観光インフラを整備し魅力を増大し、観光振興」「中核施設として萩博物館を
整備、地域にある資源を地域博物館として整備しネットワーク化」「 心のふるさと・
萩のおもてなし:もう一度萩に行くたいと思うようなおもてなしの実践」を骨格とす
る諸計画を実現することにより、構想の実現を図っている。
これまでの事業の経緯は、H15年に検討委員会を設立、H16年にまちじゅう博物
館条例施行、拠点施設萩博物館を開館 、H17年にワンコイントラスト運動開始、萩
博士検定の実施、H18年にワンコイントラスト1号物件竣工 、H19年に松下村塾
150年記念「萩・維新塾」開塾 、H20年 「筋名で萩を散策しよう」を開催という
経緯をたどっている。
この事業の特色は、この事業を「まちづくりの基軸として位置付け」「市民と協同」
での事業を遂行していることにある。特に次の2NPOの活動は顕著である。
○
NPO萩まちじゅう博物館(154名)の活動
・ 萩博物館の運営(年中無休)
・ 萩料理のレストラン、紙芝居・ワンコイントラストの推進
○
NPO観光ガイド協会(83名)の活動
・文化財7施設の管理とガイド
このほか「ワンコイントラスト運動」を展開し、 市民、観光客による100円信託(H
21年5月末実績2,650万円) 、都市遺産の保存、修復を実施している。
これまでの事業の成果は、ワンコイントラストによる文化財修復等文化財4物件、長
州砲の英国からの里帰り事業の実施、萩料理によるレストラン事業の黒字化のほか、観
光客数は、 H18年141万人、 内宿泊客 43.8万人 、H19年150.5万人
内宿泊客47.2万人と増加傾向にある。この事業は山口市湯田温泉等に流れがちな
日帰り客を、宿泊しての観光客の増加も期待しており、ねらい通りに増加している。
平成16年に開府400年を迎えた萩市は、開府以来の歴史、文化、産業、暮らしを見
直し再発見し、市民が一体となって保存し、市内の観光資源をネットワークにして 観光
客の増加を図っている。この際市民は、おもてなしの心を持って観光客を迎えようとい
う活動である。
本市も入植して100年余であるが、今後歴史を大事にし、各年代毎の貴重なもの
は、大事に保存し、後年に残さなければ歴史の積み重ねが見えなし、観光にも寄与で
きない事となる。
3
山口県光市
行政視察
光市の概要
○新市制施行
2004年(平成16年)10月4日
○人口
54,911
○面積
91.94
○議員数
22
人
㎢
名
県東南部、周南工業地帯の東部に位置し、白砂青松の瀬戸内海の海岸など
自然に恵まれる臨海都市、戦後、鉄鋼・薬品を中心とする工業都市として発展
、
市政は、「誕生と長寿を祝うまち」「地域と産業が潤うまち」「安らぎと安
心の まち」という3つの視点から、行政サービスを推進。
(1)
調査日
(2)
調査事項
平成21年7月2日
「光市おっぱい都市基本構想について」
光市は、おっぱい都市宣言の理念を、全ての市民が共有し、社会全体で子育てを応
援するとし、これを目的に平成20年「おっぱい都市基本構想」を策定した。
この構想に基づき、この町で暮らす全ての子育て世代が、子供を生み育てることに
夢と希望を持ち、子供たちが父母や地域の愛情に包まれて育つまちづくりを目指して
いる。
このため、「 子供が育ちやすい、子供を育てやすい、全ての人が心豊かに育つまち
づくりの推進」を事業目的として、子育てを楽しみながら家族が育つ、子育てを楽し
む家庭環境、仕事との両立、すべての子供が幸せに育つ、 地域・自然とのふれあい、
教育環境、子育てを大切にする地域が育つ、子供を育てる地域環境、子育て家庭への
支援を主要施策として構想実現に向けて活動している。
子育て支援の具体的事業 は
ア
妊娠・出産期には、不妊治療助成、子育て情報誌、おっぱい冊子配布、妊婦相談、
ハイリスク妊婦訪問、禁酒禁煙指導
イ 乳幼児期には、保育料等軽減、特別保育の実施、 病児病後児保育の実施、 乳幼
児医療費無料、新生児乳幼児訪問
ウ
小学校以降は 、子供医療費助成(小6入院)、留守家庭児童教室等であり、また、
各期を通じた共通事項としては、子育てサークルの育成、子育て家庭の交流促進、
おっぱい祭りによるおっぱい育児の推進、子育て支援の輪の拡大、パパの子育てノ
ートで 父親の子育て参加促進、母子手帳と併せて配布、子供の誕生カード 誕生写
真を家庭に送付、更に文集にして配布等の事業を実施している。
なお、光市の子育て環境は、小児科の医師数 1.3人/1万人 (帯広市8.3
人/1万人)、産婦人科の医師数
1.3人/1万人(帯広市1.06人/1万人)、
完全母乳栄養率 74.3%(全国38%)、保育環境待機児童0人、特別保育実施
率100%といった状況にある。
子育てを応援するために、医療、保険、保育の各種事業の充実をはかっているほ
かに、父親の子育て参加を促すため「パパの子育てノート」を作成配布し、「パパ
の料理教室」「パパと体操」等の講座を開催しているのは、本市の子育て支援事業
にも参考とすべき事項である。
4
山口県岩国市
行政視察
岩国市の概要
○新市制施行
2006年(平成18年)3月20日
○人口
149、125人
○面積
873.78
○議員数
34
㎢
名
山口県の東端に位置し、広島県と接する。錦川下流域の瀬戸内海に臨む,江戸時
代は岩国藩の城下町。 近代に入り、工業、観光都市として発展。米海兵隊を抱
える基地の街でもある。 新市計画では、主要道路網の整備、CATV網など情
報・通信基盤の整備、岩国基地民間空港の早期再開、子育てを支援する環境づく
りの推進などを重点プロジェクトとしている。
(1) 調査日
平成21年7月2日
(2) 調査事項
「朝食メニューコンテスト事業について」
岩国市においては、少子高齢化の進行、要介護者の増加、生活習慣病の増加等の
結果社会保障負担が増大する状況にある。このような社会を、健康で活力あるもの
とし、医療費等の社会負担を適正な水準に保つためには全ての市民が健康で活力あ
る社会を実現する必要がある。そのためには健康寿命の延伸を目指し、健康増進、
発病予防に重点をおいた健康づくりが重要である。
その一環として、特に若い年代層の朝食欠食の傾向を改善し啓発できるように、学校
単位、職場単位で、食を通じた健康づくりのための仕組みをつくり、朝食をとるこ
とを意識する人の増加、朝食摂取率のアップを目的に本事業に取り組むんでいる。
主要な事業は「朝食メニューコンテストの実施」「標語の募集」「啓発イベントで
あるスポーツフェスタを開催し、表彰、展示を実施」「ホームページへの掲載」等
を実施して市民の啓発に努めている。
現在までの主要な成果は、標語578作品、レシピ261作品の応募、(小中学
校および同関係者による応募多数)である。
今後の課題は、この事業は、全市民を対象とした事業ではあるが、現在までの広
がりは小中学校、及びその父兄が主であり、全地域、全市民への浸透は今後の活動
次第と見受けられる。
本市において、若い年代層の朝食の状況調査はなされていないが、小中学校の生
徒・児童に対する食育指導と同様に、一般市民の健康づくりの活動として、朝食の
重要性をさらに啓発する事が重要であると思料する。
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