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脳神経内科 必修問題 問 神経変性疾患の病理所見で見られる所見の

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脳神経内科 必修問題 問 神経変性疾患の病理所見で見られる所見の
脳神経内科
必修問題
問 神経変性疾患の病理所見で見られる所見の組み合わせを選べ
(1) 神経細胞の断血性変化
(2) 神経細胞脱落
(3) 血管壁への炎症細胞浸潤と血管のフィブリノイド壊死
(4) グリオーシス(アストロサイトーシス)
(5) 神経細胞萎縮
A (1), (2), (3) B (1), (4), (5) C (2), (3), (5)
D (2), (4), (5) E (3), (4), (5)
一般問題
問1
次の写真(HE 染色 X40)はとある神経変性疾患の中脳黒質に見られた異常構造物である。
これについて正しい組み合わせを選べ
(1) 発見者の名前を取って“レビー小体”と呼ばれる
(2) パーキンソン病に特徴的だが他の疾患でも認められることがある
(3) 中脳黒質のみに出現し他の部位では認められない
(4) この封入体は HE 染色で好塩基性を呈している
(5) 脳以外の臓器(嗅神経、交感神経、消化管神経)でも出現する
A (1), (2), (3) B (1), (2), (5) C (2), (3), (4)
D (2), (4), (5) E (3), (4), (5)
問2
孤発型筋萎縮性側索硬化症 (ALS)について正しい組み合わせを選べ
(1) 針筋電図での波形は持続時間が長く高振幅 (long duration, high amplitude)が特徴である
(2) 上位運動ニューロン徴候と下位運動ニューロン徴候がいずれも認められる
(3) 病理では運動神経細胞に Bunina 小体が見られることが特徴的である
(4) 脳神経核では動眼神経核の変性が強く眼球運動障害が強く満たれる
(5) 自律神経が強く障害され便秘などの膀胱直腸障害が早期から見られる
A (1), (2), (3) B (1), (4), (5) C (2), (3), (4)
D (2), (4), (5) E (3), (4), (5)
臨床実地問題
問1
68 歳女性。
1 年前より声を出そうとすると呂律がうまく回らず鼻声になることが多くなった。また、液体を飲
み込むときに気管に入りむせることが多くなった。
数か月前より手背の筋肉が小刻みにピクつくことを自覚するようになり脳神経内科を受診。
神経学的診察上、発語は呂律がうまく回らず鼻に抜ける発生であった。嚥下では液体がよく
むせることに加えて鼻に逆流してしまうこともしばしばであった。上下肢の筋力は概ね保たれ
ていたが、下顎筋、手背と下腿の筋肉は萎縮しており、安静時に筋肉がピクつく動きを認めた。
深部腱反射は下顎、上下肢いずれも亢進しており、病的反射も認めた。全身の筋肉の針筋
電図で 2 肢以上に神経原性変化所見が認められた。この患者の安静時の舌の写真を示す。
この患者の舌に関して正しい項目を選べ
A 舌は全体的に萎縮している
B 舌はクローバー状に異常収縮している
C 舌の表面がピクつく線維束性攣縮 (Fasciculation)が認められていた
D 針筋電図では急降下爆撃音(dive bomber sound)が聞こえる
E 味覚が全くわからない
問2
58 歳男性。
最近、会社の会議で発言中に右上肢が振えていることを同僚より指摘され心配になり脳神経
内科を受診。この 1 年前に歯磨きやキーボードを打つ際に右手がぎこちない感じを自覚してい
た。診察上右側優位の安静時振戦、歯車様固縮、無動症状を認めた。症状に対し l-dopa/DCI
(ドーパ脱炭酸酵素阻害剤)配合剤を投与したところ症状の改善と認めパーキンソン病と診断
し外来で経過を見ることとした。
この患者の薬物治療に適した薬剤を選べ
(1) ドパミン受容体刺激薬(ドパミンアゴニスト)
(2) コリンエステラーゼ阻害薬
(3) TRH 製剤
(4) 抗コリン剤
(5) 塩酸アマンタジン
A (1), (2), (3) B (1), (4), (5) C (2), (3), (5)
D (1), (2), (5) E (1), (3), (5)
問3
55 歳男性。
2 年前くらいよりインポテンスがあり治療を受けていたが症状は改善しなかった。1 年前より便
秘がちになるとともにいきなり起立した時に失神をするというエピソードが何回か見られるよう
になった。今年に入り呂律が回りづらくなり歩行時にバランスを崩し転倒することが増えてきた。
また上肢の動作時に腕がぶれて目的の動作がしづらくなった。このため脳神経内科を受診。
既往歴に特記すべきことなく、過剰な飲酒や有機溶剤の暴露もない。家族歴も特記すべき病
歴はなかった。
診察上血圧は臥位では収縮期 140mmHg、拡張期 80mmHg で合ったのが起立時には収縮期
70mmHg、拡張期 60mmHg と著明な血圧降下を認め倒れてしまった。また、上下肢、体幹に小
脳失調症状を認めた。本症例の橋、小脳の MRI 所見(T2 強調画像)を示す。
この患者の疾患について正しいものをすべて選べ
A 小脳症状に加えパーキンソニズムが合併する
B 今後尿閉となる可能性が高い
C 進行すると声帯の麻痺が起き気道閉塞により窒息する恐れがある
D 呼吸筋の萎縮による呼吸障害が進行し人工呼吸器装着が必要になる
E 疾患の経過最後まで l-dopa がよく効く
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