Comments
Description
Transcript
アプリケーションノート リコーのリアルタイムクロックに関する技術説明
リアル タイムクロック( ア プリケ ーションノート) リアルタイムクロックを使用するメリット ① マイコンに比べて低消費電流 時計機能は多くの場合、たとえメイン電源がダウン しても動くように、二次電池などでバックアップさ れます。 時計機能はマイコンのソフトでも実現可能ですが、 リアルタイムクロックはバックアップ回路のコストダ ウン、小型化が図れるように、マイコンに比べてはる かに小さな電流、はるかに低い電圧で動作できるよ う設計されています。 ② 専用ICは高性能、かつ、ソフト開発も容易 時計機能をマイコンのソフトで実現する場合、うるう 年、大の月、小の月の管理、60進と24進の組み合わ せなど複雑な時計/カレンダのソフト化が必要になり ます。リアルタイムクロックは専用ICなので、2099 年までの時計/カレンダの回路は内蔵されており、デ バッグも容易です。 ③ 発振回路が簡単 リアルタイムクロックには水晶振動子を除く、発振回 路周辺部品が内蔵されており、水晶振動子を外付け するだけで、発振回路を構成可能です。外付け部品が 少ないので、ノイズに弱い発振回路部分のレイアウト を容易にできます。 バックアップ時間実測例 (R2051S01) バックアップ時間 バックアップデバイス バックアップ 開始電圧(5V) バックアップ 開始電圧(3V) - 10年以上(計算値) 130日 116日 コイン型一次電池(CR2032) 電気二重層コンデンサ(1F) 電気二重層コンデンサ(0.1F) 21日 15日 20時間 12時間30分 アルミ電解コンデンサ(470μF) 2時間 1時間15分 アルミ電解コンデンサ(47μF) 12分 7分30秒 アルミ電解コンデンサ(4700μF) Oscillator 回路 OSCIN CG 32768Hz 水晶振動子 OSCOUT CD リコーリアルタイムクロックの優れた機能1 リコーのリアルタイムクロックには以下の機能が標準搭載されています。 ① 時計誤差補正回路 時計誤差補正回路は、通常32,768パルスで1秒とす るところを20秒、または、 1分に一度、 32,644~32,892パルスで1秒にすることで、 最大±189ppm(詳細モードで±63ppm)までの時 計の進み遅れを調整できる回路です。 32768パルスで1秒 32768パルスで1秒 32644∼32892 パルスで1秒 20秒または、1分に1回これを行う。 *)R2025x/R2045Sは1分に1度の補正モードはありません。 リアルタイムクロックに用いられる音叉型水晶振動子は極めて安定した固有振動周波数で発振しますが、実際には外部に付加される 基板の容量などで微妙に周波数が変わります。 そのため一般には、量産に使用する基板を用いて、外付けに付加するCG/CDなどの容量を決めるマッチング評価が必要になります。 時計誤差補正回路を用いると、このCG/CDでの調整の代わりに、レジスタの設定で時計の進み遅れを調整できるため、マッチング評 価が容易になります。 また、音叉型水晶振動子は周波数温度偏差を持っており、通常は25℃を頂点とした放物線を描きます。時計誤差補正機能を用いれ ば、外部温度センサの情報によりこの偏差を補正することも出来ます。 ∆ f/f0 (ppm) ∆ f/f0 (ppm) t (°C) 補正前 25 t (°C) 補正後 2 014 リコーリアルタイムクロックの優れた機能2 ① 時計情報の有効無効判別 *開発中 4線式シリアルインターフェース(SPIバス):R2043x/R2243x*/R2296L* 3線式シリアルインターフェース :R2033x/R2061x/R2062L/R2262x 2 2線式(I Cバス)シリアルインターフェース :R2023x/R2051x/R2221x/R2223x/R2251L*/R2286L* リコーのリアルタイムクロックにはパワーオンリセットフラグ、発振停止検知機能、バッテリチェッカ機能がついています。 これらを組み合わせることで時計データの有効無効判別、バックアップ電池の電圧低下の検出が可能です。 ・パワーオンリセットフラグ 電源がバックアップからでなく0Vから立ち上がった事をレジスタにフラグとして格納しています。 ・発振停止検知機能 発振が停止した事をレジスタに記憶します。電源が0Vから立ち上がった時、最初、直ぐには発振が開始されないため、 このレジスタで確認することができます。 ・バッテリチェッカ ある電圧を一度下回ると、レジスタに記憶されます。バックアップバッテリの電圧チェックに有効です。 ② バッテリバックアップ切換回路 4線式シリアルインターフェース(SPIバス) :R2296L* 3線式シリアルインターフェース :R2061x/R2062L/R2262x 2 2線式(I Cバス)シリアルインターフェース :R2051x/R2251L*/R2286L* 通常リアルタイムクロックは主電源が落 ちた場合に備えてバックアップ回路を必 要とします。外付ダイオードによる電圧 降下や消費電流の増加などバックアッ プ回路の構成には注意が必要です。 上 記 製 品 には バックアップ 切 換 回 路 を 内 蔵してい るので 外 付 部 品 が 不 要 で、主 電 源とバックアップ 電 源 を自動 的に切り換 えられるように2つ、 もしく は 、3 つ の 電 源 端 子を 用 意してます。 *開発中 バックアップ切換回路 二次電池 or 大容量コンデンサ 主電源 VDD SW1 SW2 VSB VCC 一次電池 VD RTC Block Serial Interface Microcontroller VSS R2062LにはVSB端子とSW2はありません。 R2262xはVSB⇒BAT端子となります。SW2はありますが、レジスタ設定でオフにした場合を除き、常時オンとなます。 ③ 高精度リアルタイムクロックモジュール 4線式シリアルインターフェース(SPIバス) :R2045S 2線式(I2Cバス)シリアルインターフェース :R2025x リコーのリアルタイムクロックには水晶振動子を内蔵した製品もご用意しています。 発振回路は工場出荷時に全数調整されており、時計の精度は常温時0±5ppmを保証しています。 これは月差に換算すると±15秒(常温時)に相当します。 リコーリアルタイムクロックのWEBサイト リコーのリアルタイムクロックをご使用いただく際に役立つ情報が満載されています。 Webサイトについては、32ページをご参照ください。 (掲載事例) ・時計誤差補正回路計算ソフト ・バックアップ切換え回路の使い方 ・発振回路周辺の設計方法 26