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児童が取り組みやすい外国語活動 ~ユニバーサルデザイン教育の視点

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児童が取り組みやすい外国語活動 ~ユニバーサルデザイン教育の視点
児童が取り組みやすい外国語活動
~ユニバーサルデザイン教育の視点を加えて~
伊丹市立笹原中学校
キーワード:特別支援教育
英語
小学校外国語活動
教諭
大和
加奈
ユニバーサルデザイン
1
問題と目的
第 1 節 問題の所在
2011 年から,全国の小学校では「外国語活動」が完全実施となった。文部科学省は,移行期間を通
して共通教材『英語ノート』や関連教材・教具を準備し,地域的なばらつきがない一定水準の教育内
容の確保を目指してきた(金森,2011)。しかし,小学校外国語活動が中学校以降の英語学習にどのよう
につながっていくのかについては,情報が不足している。今後,小学校での外国語活動が継続的に実
施されると,中学校入学段階ですでに学力差がひらいていることが考えられる。また,通常の学級に
在籍する発達障害のある児童については,日本語以外の言語を学ぶことにおいても,つまずきを見せ
ることが十分に考えられる。しかし,通常の学級に在籍する発達障害のある児童に対する英語教授法
の研究は少ない。そこで,本研究では,平成 26 年度文部科学省の指定をうけて,外国語活動に取り組
んでいる小学校で実際に行われている外国語活動に焦点をあて,授業ではどのような展開が取り入れ
られているのか,またそれに携わる教員はどのような意識をもって外国語活動を構築しているのかを
探った。さらに授業の中で行われている活動内容が,児童が新しい言語を学ぶ上で適切な配慮がなさ
れているかを探った。
第2節 学習に困難をかかえる児童生徒たちへの支援
「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する
調査結果」(文部科学省,2012)によれば,知的発達面での遅れはないものの,学習面または行動面で著
しい困難を示すと担任教師が回答した児童生徒の割合は 6.5%であった。その 6.5%の児童生徒のうち,
「聞く」
「話す」
「読む」
「書く」
「計算する」
「推論する」といった学習面での著しい困難を示す児童生
徒の割合が 4.5%に上った。この調査で対象とされた言語は日本語であるが,一般的に学習困難を示
す児童生徒の中には,新たな言語として学習する英語については,さらにつまずきを見せることが十
分に考えられる為、発達障害のある児童生徒に対する教科支援については,その障害の特徴や認知特
性を考慮した指導がより重要であると述べている (平井・石川,2006)。
発達障害のある児童生徒が英語の学習を行う場合の難しさは,
「これまで経験した発達障害の特性の
ある子どもの教科学習の難しさについて」(国立特別支援教育総合研究所,2010)の中で具体的に示され
ている。
①アルファベットを正確に読む,書くことが難しい。
②似たような文字を読み間違える。
③単語のスペルを間違える。
④単語や文章の区切りが分からない。
⑤音と文字の対応が理解できない。
⑥英語と日本語が対応できない。
⑦概要や要点を適切に聞き取ることができない。
⑧大文字・小文字・筆記体などの書き方を覚えられない。
⑨過去形や 3 人称の s の使い方が覚えられない。
⑩英単語の正しい発音,発音記号の理解が難しい。
⑪英文法が理解できない。
この調査で示されている難しさは,通常学級に在籍する他の児童生徒にも多くあてはまる。故に,
- 57 -
発達障害のある児童生徒のために考慮した支援が,同じような学習のつまずきのある他の児童生徒達
にとっても有効な支援になることが分かる。
第3節 中学校外国語科(英語)の目的
中学校外国語科(英語)の目標は,
「言語や文化についての理解を深め,積極的にコミュニケーショ
ンを図ろうとする態度の育成を図り,聞くこと,話すこと,読むこと,書くことなどのコミュニケー
ション能力の基礎を養う」(中学校学習指導要領,2008)とある。しかし,中学校外国語科(英語)では,
指導においては「聞くこと」および「話すこと」の言語活動に重点をおくとされているが,それと同
時に,
「読むこと」及び「書くこと」も取り扱うことから,4技能を一度に取り扱う点に指導上の難し
さがある(樋口・大城・國方・高橋,2010)
。
また,
「学校教育に関する意識調査」(国立教育政策研究所,2001)の中で,中学生に英語の授業がど
れくらい分かるかを尋ねた結果,
「分からないことが多い」と答えた生徒は中学校1年生で 13.9%,中
学校 2 年生で 17.1%,中学校3年生で 17.9%に上る。
この調査は小学校外国語活動が必修化される以前のものであるが,他の教科に比べて,わずか3年
間しか学んでいない英語に対するつまずきを感じている生徒が多いことを考慮すると,児童生徒が新
たな言語を習得することへの難しさがよく表れている。
第4節 小学校外国語活動の目的
小学校学習指導要領(文部科学省,2008)において,小学校外国語活動の目標は,
「外国語を通じてコ
ミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませな
がら,コミュニケーション能力の素地を養う」とある。この目標から,教科としての中学校外国語科
(英語)に引き継ぐべき土台となる「コミュニケーション能力の素地」とは,
①外国語を通じて,言語や文化について体験的に理解を深めること。
②外国語を通じて,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度育成を図ること。
③外国語を通じて,外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませること。
の 3 つの要素からなっていると読みとれる(樋口・大城・國方・高橋,2010)
。
さらに樋口らは,①の興味・関心の高まりや理解が②の「コミュニケーションへの積極的態度」に
つながり,さらに③の母語とは異なる外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませることが必須であ
り,小学生の音声に対する「柔軟な適応力」を生かして,児童に英語が分かった喜び,英語が言えた
喜び,さらに英語が通じた喜びといったコミュニケーションの成功体験をできるだけたくさん与える
ことが望まれる,と述べている(2010)。
第 5 節 小学校外国語活動から中学校外国語科(英語)への移行
小学校外国語活動では「慣れ親しむ」ことに重点をおいているのに対し,中学校外国語科(英語)
では「基礎の定着」が求められている。
小学校外国語活動と中学校外国語科(英語)の目標の違いに加えて,
「英語教育の在り方に関する有
識者会議」(文部科学省,2014)においては,小学校では中学校での学習を意識した指導,中学校では小
学校での外国語活動をふまえた指導が不十分である,と示している。
小学校外国語活動は,あくまで「聞く」
「話す」音声中心の活動であり,アルファベットなどの文字
や単語の取り扱いについては,児童の学習負担に配慮して,音声によるコミュニケーションを補助す
るものとして用いることが望ましい,と述べている(樋口・大城・國方・高橋,2010)。
一方で,樋口らは,中学校入門期の生徒の最初のつまずきとして,
「教師のあとについて発音できて
も,教科書の文を自ら音読できない。
」「単語のつづりが覚えられない」といった現状を明らかにして
おり,小学校外国語活動と中学校外国語科(英語)の移行を考えることは今後の教育課程編成上の重
要な課題である,と述べている(2010)。
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第6節 ユニバーサルデザイン教育とは
我が国では,
「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システムの構築のための特別支援教育の
推進」(中央教育審議会,2012)において,障害のある児童生徒が同じ場で共に学ぶことを追求するとと
もに,個別の教育的ニーズのある児童生徒に対しては,自立と社会参加を見据えて教育的ニーズに最
も的確に応える指導を提供し,多様で柔軟な仕組みを整備することが重要である,としている。
この流れは,ユニバーサルデザイン(Universal Design, UD)が広がってきたことにも現れている。
ユニバーサルデザインは「バリアフリー」とは異なり,文化・言語・国籍の違い,老若男女といった
差異,障害・能力の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計(デザイン)を言
う(Ronald L.Mace,1985)。
そのユニバーサルデザインの考え方を学校教育に取り入れたものが,「ユニバーサルデザイン教育」
である。これは,教室環境や授業作りに特別支援教育の視点を加味し,発達障害のある子どもが学び
やすいように教室環境や授業を改善することで,発達障害等の有無にかかわらず,すべての子どもた
ちが心地よい学校生活を送れるようにすることである,としている(京都府総合教育センター,2011・
2012)。
ユニバーサルデザイン教育の良さは,難易度を下げる・別の課題を用いる・個別指導や取り出し授
業で補填する,などの発達障害等のある児童生徒のために特化されている点ではなく,同じ空間や同
じ課題を用いながらも,発達障害等のある児童生徒も学習能力の高い児童生徒も,両者にとって分か
りやすく楽しい学校教育を目指している点にある。
第 7 節 子どもの言語習得能力
人間には言語習得装置(Language acquisition device)が備わっているとされる(Chomsky,1957)。し
かし,ある年齢を過ぎると,脳の働きに変化が起こり,母語以外の新しい言葉を覚えにくくなる時期
=臨界期(Critical Period)がやってくるとされる(白井,2012)。
松香(2013)は、子どもの言語習得能力について,言葉に多少分からないところがあっても,子ども
は言葉の分かる部分でコミュニケーションを楽しんでいる,と述べている。さらに,子どもが日本語
を話せるようになる時も,2~4 歳ごろまでに日本語をたくさん聞いて頭の中にインプットしながら言
葉の意味を理解しているからだとし,英語を習得する際もこの過程を経ることが重要である,と述べ
ている。また同時に,英語という言葉を知っている能力(文法を知っている・語彙を知っている・発音
を知っている・語法を知っている)だけ磨いても,英語を使える能力(ジェスチャーを使える・顔の表
情を変えられる・イントネーションを変えられる・声の大きさを調整できる・言葉を使おうとする積
極性がある)は伸びないとしている。
第8節 本研究の目的
本研究では,小学校外国語活動の担当者に聞き取り調査を行い,各校の規模や地域性を知った上で
授業を観察し,英語教授法の視点とユニバーサルデザイン教育の視点の両方から分析した。
まず英語教授法の視点から見た場合,小学校外国語活動は,
①各校の規模や地域性が外国語活動の展開方法に影響しているのか。
②学級集団の属性の違いは,担当教員が外国語活動の授業を構築する場合に影響しているのか。
③外国語活動の授業では,発達年齢を考慮した適切な教材が使われているのか。
という,3つの観点にどれくらい当てはまっているのかについて分析した。
次にユニバーサルデザイン教育の視点で見た場合,小学校外国語活動は,
①環境の工夫:落ち着いて遊びや学習に取り組める工夫。
②活動内容の工夫:1 人ひとりが意欲的に取り組み関わり合える工夫。
③教材教具の工夫:興味・関心をもって関わり合える工夫。
④評価の工夫:1 人ひとりの力を出し切ることができるようにする工夫。
という,4つの観点にどれくらい当てはまっているのかについて分析した。
2 本論
- 59 -
第1節
第 1 項 研究対象
聞き取り調査の協力者:
平成 26 年度「英語教育強化地域拠点事業」研究校のうち,協力を得られた4校で,外国語活動に携
わる教員に半構造化面接による聞き取り調査を行った。協力者の内訳は表 1 に示した。
倫理的配慮:事前に,筆者が各小学校に研究目的と方法について説明した上で,協力が得られた担当
教員に聞き取り調査を行った。協力者には研究協力への同意と IC レコーダーへの録音の許可を得た。
小学校
A校
B校
C校
D校
第2項 期間
平成 26 年 7月~9月
平成 26 年 7月~11 月
性別
男
男
男
男
男
女
男
女
男
表 1 協力者の内訳
担当
外国語推進担当
外国語推進担当
教務主任
外国語活動担当
5 年学級担任
3 年学級担任
6 年学級担任
英語科教員
外国語活動担当
各校勤務年数
1年
6年
6年
1年
7年
6年
2年
2年
2年
インタビュー調査
外国語活動授業観察
第3項 調査方法
聞き取り調査:協力者の属性(性別,担当,各校勤務年数)を尋ね,あらかじめ決めておいた質問項
目(第4項 調査項目に記載)にそって,半構造化面接を行った。
授業観察:協力が得られた4校 11 授業(公開授業を含む)において,小学校3年生から6年生までの
外国語活動の授業を観察した。
第4項 調査項目
聞き取り調査においては,
①学校の規模・児童数・地域性(校区の様子を含む)。
②外国語活動担当教員の英語習得度(免許の有無)。
③各校におけるこれまでの外国語活動の取り組みの歴史。
④普段の授業や学校生活で配慮が必要な児童の有無。
⑤外国語活動の中での児童への配慮。
⑥小学校の外国語活動で重視していること。
⑦中学校英語科にのぞむこと。
の7項目の聞き取りを実施した。
また,授業観察の際に着目した点は,
①配慮の必要な児童(または集団)に対しての工夫や対応。
②配慮の必要な児童(または集団)が適応していた活動。
③配慮の必要な児童(または集団)が困っていた活動。
の3項目を観察の視点とした。
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第5項 分析方法
聞き取り調査における分析は,録音したデータをおこし,各質問項目に対しての回答をまとめた。
授業観察においては,録音したデータと各授業の授業展開をもとに,児童の活動・教師の発話・教員
(JET)の働きかけ・対象となる児童または集団の様子を表記した。その授業展開をもとに,英語教授
法の視点とユニバーサルデザイン教育の視点両方による分析を行った。
3 結果
第1項 聞き取り調査(半構造化面接)
(1)各校への聞き取り調査
【A 校】
実施日:平成 26 年7月 30 日(水)
実施校:公立小学校
面接対象者:外国語活動推進担当教員 1名
【学校の規模・児童数・地域性】
全校児童数 143 名。各学年1学級の計6学級と特別支援学級2学級(肢体,自閉・情緒)。小規模校
のため,全員が小さい頃からの顔見知り。山間部にあり,自然豊か。保護者は協力的で学校への期待
も大きい。
【担当者の修得度(免許の有無など)
】
外国語活動担当 1 年目。管外地域より,今年4月に異動。中高英語免許なし。管外にて,外国語活
動の経験あり。外国語活動以外に,他教科で高学年を中心にティームティーチング(以下 TT)や支援
に入る。
【これまでの外国語活動の取り組みの歴史】
A 校では,必修化される以前から,総合学習や地域学習として外国語活動を実施。中学校配属の ALT
が,校区の小学校やこども園を訪問。昨年までは ALT が授業を組み立て,担任が TT に入る形で授業を
実施。今年度は小学校 1・2 年生で月1回,小学校3年生から6年生では週 1 時間の外国語活動を実施
し,外国語活動担当(以下 JET)が授業を組み立てている。
【配慮が必要な児童の有無】
特別支援学級の児童も含め,各学年に配慮の必要な児童あり(診断のあるなし両方を含む)。授業の
中で,集中力に欠ける,じっとしていられない,けんかになりやすい,集団としてまとまりにくいな
どの様子が目立つ。教科担任制,TT や少人数指導を積極的に実施。通級指導教員も週1回来校。
【外国語活動での児童への配慮】
幼少期から ALT と関わりがあり,英語への抵抗感がない。外国語活動は,1・2 年生は教室に大型テ
レビやプロジェクターを持ち込み,3年生から6年生は電子黒板のある英語ルームで授業を実施。授
業は JET と ALT が中心に進め,担任は気になる児童への声かけや盛り上げ役として支援。配慮が必要
な児童も,様子を見ながら同じように活動している。
【小学校の活動で重視していること】
外国語活動のカリキュラムでは,身の回りのもの・なじみ深いもの・気軽なものを採択。みんなで一
緒に分かる・できる楽しさを味わえるような活動を多く実施。配慮の必要な児童や集団では,集中力
に欠けることや,けじめがつきにくいこともあるが,一方で楽しいと感じることには全力投球できる
ため,授業中の児童の様子を見ながら,試行錯誤してカリキュラムも精選。
- 61 -
【中学校の英語にのぞむこと】
小学校よりも文法を教えなければならない分,中学校の英語は難しい。思春期の中学生には,甘い
だけではなくて,ある程度厳しさも必要。拠点事業として実施するにあたり,小学校から高校までの
12 年間の英語を考える必要が出てきた。この地域では3割の児童が,地域の高校に進学する。12 年間
の学びに道筋を作ることができたら,とても変化していくと思う。それぞれの立場だけで考えて道筋
を作るのは難しいかもしれないが,それぞれの立場でできることを試しながら,大人同士もつながっ
ていければよいと思う。
【B 校】
実施日:平成 26 年3月 26 日(火)
実施校:小中一貫校
面接対象者:外国語活動推進担当教員 1 名
【学校の規模・児童生徒数・地域性】
全校児童生徒数 107 名。児童生徒数の減少と,教育特区指定をうけ,前期課程(小学校1年生から
4年生),中期過程(小学校5年生から中学校1年生),後期課程(中学校2年生から3年生)に分類。
全学年単学級のため,小さい頃からの顔見知り。電車の沿線は近くを走っているが,自然が多く残る。
【担当者の修得度(免許の有無など)
】
外国語活動担当6年目。小学校の免許に加え,中高の外国語の免許あり。初任から外国語活動を担
当。担当した当初は小学校で通常学級の担任をしながら,中学校1年生の英語のテストを作るなどの
取り組みに苦労することが多かった。
【これまでの外国語活動の取り組みの歴史】
教育特区事業をうけてからずっと,前期課程は週1回,中期課程のうち小学校 5・6 年生は教科型で
週2回の外国語活動を継続。ALT は2週間に1回来校。前期課程は学級担任と ALT の TT,5・6 年生は
JET と ALT,中学校では従来通り英語科教員が授業を担当。カリキュラムは,季節の行事とつながりを
持たせ,他教科と乗り入れるなど総合的な学習の時間を意識した運用で実施。
【配慮が必要な児童の有無】
特別支援学級はないが,日々の生活や学習に配慮の必要な児童(診断はなし)が各学年 2~3 人あり。
具体的な支援は行っていない。
【外国語活動での児童への配慮】
授業中に配慮の必要な児童が目につかないような展開を意識。人数が少ないからこそ,おもしろい
活動やみんなが取り組める活動を探している。パフォーマンス評価を積極的に採用。小中一貫で単元
末に実施。全体で同じ評価基準(ルーブリック)を示し,ぶれない評価ができている。
【小学校の活動で重視していること】
6年前から,欧州評議会(英語版)を参考にして,ポートフォリオを作成し,全ての児童に持たせ
ている。担当者が変わるごとに,児童生徒の既習表現の伝達が滞らないように作った。本人が英語で
言えることには黄色,今できるようになったことには赤色を塗らせている。これを見れば,小学校6
年生までに,自分たちができるようになることが分かり,教員にも具体的に示すことができる。外国
語活動には多くの教員が関わるので,足並みをそろえることにも役立つ。随時,個人・グループと変
化をつけて評価の場面を設定。ALT も年度ごとに変わることがあるため,B 校独自の ALT 用の手引き書
も作成し活用している。
- 62 -
【中学校の英語にのぞむこと】
中学校の英語は高校受験があるため,Writing や Reading 中心。しかし徐々に Speaking や Listening
の力を見るためのパフォーマンス評価が必要になってきている。B 校では,Can-Do リストを全学年で
作成した。両方教えている強みを生かして,小学校6年生と中学校1年生のつなぎをどうしていくの
かを考えていきたい。小学校1年生から外国語活動を学んでいると,小学校卒業時にはある程度力が
ついている。時々他の小学校から転校して中学校から入ってくる生徒は,英語でも学力的に差がひら
きしんどさを感じている。今後ますます全員を退屈させない授業が大切になってくると感じている。
【C 校】
実施日:平成 26 年9月2日(火)
実施校:国立小学校
面接対象者:外国語活動推進教員1名,外国語活動担当教員1名、
学級担任3名
【学校の規模・児童数・地域性】
幼稚園と中学校を併設する大学の付属校。全校児童数は各学年2クラス,12 学級。幼稚園入園時に
選抜試験があり,幼稚園から3分の2近くが小学校へ進学。児童の居住地域はばらつきあり。外国語
活動の必修化に伴い,英語を習いにいく児童や,家族で海外旅行にいく家庭が増加。
【担当者の修得度(免許の有無など)
】
外国語推進担当は教務と兼任。小学校の免許に加え,中高の外国語の免許あり。市内公立小学校で
の勤務経験あり。外国語活動担当教員は1年目。専門は理科。他府県で勤務経験があるが,外国語活
動経験はなし。
【これまでの外国語活動の取り組みの歴史】
大学の付属校という利点を生かして,必修化される以前から外国語活動を実施。専属の ALT の配置
あり。毎回の授業で ALT との TT が可能。
【配慮が必要な児童の有無】
各学年に,配慮の必要な児童がいる。多動傾向のある児童や,人前での発表が苦手な児童が気にな
る。普段の授業では,自分たちで課題を見つけて,その課題を追求していくスタイルを採用している
ので,筋道をたてて意味を考え,聞いている相手が理解しているかを問う展開を取り入れている。し
かし,授業中に意図していることが分からないままだと不安になる児童が多いため,ゴールや見通し
をつけやすくしている。
【外国語活動での児童への配慮】
外国語活動の授業には,ほとんどの授業に ALT・JET・担任の3者が入っており,きめ細やかにサポ
ートできている。支援の方法は他教科と大きく変わらない。T1が授業をすすめ,T2が補助,T3
が取りかかりにくい児童の側に行って一緒に考えるなど,適時役割分担をしながら授業をすすめてい
る。他の授業では表現することが難しい児童でも,外国語活動だと,単語やジェスチャーで伝えられ
ることがあるので活躍する場面がある。
【小学校の活動で重視していること】
授業では,難しい内容で差がつく活動よりも,誰にでもできる活動を採用。しかし,C 校の児童は,
同じ展開が続くと授業にのってこない。高学年になっても積極性や意欲が衰えず,思考性のある活動
の方が積極的に参加している。しかし,週1回の授業では英語自体に触れる機会が不十分である。オ
ールイングリッシュでの授業を目指して,簡単な表現を選びながらも分かるように伝える努力をして
いる最中である。
- 63 -
【中学校の英語にのぞむこと】
英語に限らず,小学校よりも中学校の内容が難しいと感じている児童は多い。小学校では,英語は
親しむもので,中学校に入ると急に文法になるからギャップに悩んでいる。小中の接続が本当に難し
い。発音はできても書けない状況が生まれている。小学校ではフォニックスの学習が少しずつ入って
きてはいるというものの,写す作業が精一杯でローマ字中心である。国語や算数は,今までの研究の
蓄積があるから,現在ある程度の流れが確立されているが,英語はまさに今やっている実践がこの先
の流れになるのだろうと感じる。
【D 校】
実施日:平成 26 年 11 月 13 日(木)
実施校:私立小学校
面接対象者:中学部英語科教員 1名,小学部外国語活動担当教員
1名
【学校の規模・児童数・地域性】
幼稚園から大学院まで併設。全校児童数は各学年2クラス,12 学級。市内中心部から 20 分ほどの
住宅街にある。児童は公共交通機関を使って通学。中学校からは女子のみとなり,男子児童や女子児
童も半数以上が他校へ進学する。
【担当者の修得度(免許の有無など)
】
外国語活動担当教員は,中学部の英語科教員。小学校の免許に加え,中高の外国語の免許あり。海
外の大学院を卒業。外国語活動担当は2年目。他府県の高等学校での勤務経験もあり。中学校英語科
教員は市内の公立中学校で勤務経験が長く,公立校勤務時に,小学校外国語活動と中学校英語科との
小中連携プログラムを作成した経験をもつ。
【これまでの外国語活動の取り組みの歴史】
昨年までは Oxford の Let’s Go という教材を使用。Oxford のシラバスを基にして,ALT が小学校1
年生から6年生までを単独で教えてきた。また,年度当初に希望者をつのり,週1回放課後 30 分間,
1年生から3年生を対象とした歌やチャンツなど授業以外の音声を聞かせる勉強会を実施。
【配慮が必要な児童の有無】
授業を行う上で配慮が必要な児童は特にいない。学力試験で選抜されるので,ある程度均質の学力
をもった児童が入学してくる。授業中の離席や立ち歩き,関係のない私語も見られない。
【外国語活動での児童への配慮】
電子黒板を昨年から全教室で導入。Can-Do リストを作成し,それぞれの活動での達成目標を具体的
に示した。授業の最初には,必ずホワイトボードに「本時のねらい」と「授業の流れ」を書き,1 時
間の授業の見通しがたてられるように配慮。さらに,小学校 5・6 年生で外国語活動を担当していた教
員が,そのまま中学校1年生の英語を担当する取り組みを試験的に実施し,小学校外国語活動と中学
校英語へのスムーズな接続を模索している。
【小学校の活動で重視していること】
外国語活動は全学年週1回,中学校の学習内容の前倒しではなく,児童が楽しめる活動を通して外
国語活動全体の意欲を高めることを目指す。1 年生から 4 年生までは担任と ALT の TT,小学校 5・6
年生は JET と担任の TT で授業を実施。45 分の授業を【モジュール】【プレタスク】【タスク】の 3 つ
の活動で構成。
【モジュール】活動では,1 年生から 4 年生は英語絵本の読み聞かせ,5・6 年生ではア
ルファベットカードやフォニックスピクチャーカードを使った文字指導を実施。【プレタスク】では,
歌やチャンツ,ゲームなどを通じて語彙やフレーズに慣れ親しむことを目的としている。
【タスク】で
- 64 -
は自分の思いを伝えることを中心に,グループで話し合う活動を多く採用。教材は1年生から4年生
は Oxford の Let’s Go,5・6 年生は,英語ノートと以前に市が定めたカリキュラム試案を利用。
【中学校の英語にのぞむこと】
児童達は小学校の外国語活動で知った楽しさや興味関心をなくさずに,中学校にすすんでほしい。
小学校では文字指導はほとんど実施していないので,中学校にすすんで文法も含めて総合的に学ぶ中
で,言いたいことが言えたり書けたりする力をつけていってくれたら良い。今年から本校では,評価
方法を変えた。毎学期 ALT とのスピーキングテストを実施し,児童の振り返りシートを元に,ABC の
3段階評価と所見を加えたものにした。以前実施した中学校1年生対象の入学時アンケートでは,
「聞
く」
「話す」については,生徒は「ついていける」という解答が多かったのに対し,
「書く」
「読む」に
ついては,消極的な解答が多く,生徒達の『困り感』が見える結果となった。いろいろな小学校から
の入学生で構成される中学校では,今後週2回から週3回外国語活動を実施している小学校卒の生徒
と,モジュール方式で外国語活動を実施している小学校卒の生徒との間で,さらに大きな差が生まれ
てくると思う。
(2)聞き取り調査(4校)のまとめ
①学校の規模・児童数・地域性
インタビュー調査を行った4校は,幸いにも設置者が異なる学校(公立校,小中一貫校,国立校,
私立校)となった。通学している児童の生育環境には大きな差が見られた。地域にその学校しかなく,
ほとんどの児童が通う学校(A 校・B 校)においては,幼少期から同じ人間関係が続いており,地域と
の関わりが深い。児童の中には経済的にも困窮している家庭の児童が含まれる為,塾に通わせたりす
ることが難しい分,学校教育に対する保護者の期待が大きかった。一方,入学時に選抜試験がある学
校(C 校・D 校)においては,学力的には均質の児童が集まりやすいが,通学地域や生育環境にばらつ
きがあり,保護者の期待していることも様々であった。中には小学校中学年で中学生なみの英語力を
もつ児童もいると聞いた。各校の規模や児童数,地域性は,外国語活動を実施していく上でも,活動
内容の精選に大きな影響を与えていた。
②担当者の修得度
外国語活動を担当している教員は,2つのタイプがあった。まず,A 校の担当者のように,英語の
免許を持っておらず,担当になって初めて外国語活動を計画している場合(9人中5人)は,書物や
インターネットなどから情報を収集し,ALT と試行錯誤しながら,自校の児童にあう活動を 1 つ1つ
積み上げていた。もう一方は,B 校のように小学校の免許以外に,中高の英語の免許を持ち,専門知
識があることを見込まれて担当している場合(9人中4人)であった。授業の構成には英語教授法の
エッセンスを取り入れながら,高い専門性を生かして,カリキュラムや評価にも系統性を持たせる工
夫をしていた。
③これまでの外国語活動の取り組みの歴史
4校ともに,
今年文部科学省の指定を受ける以前から,外国語活動に取り組んできた歴史があった。
その背景には,昔から地域全体が国際理解に対して意欲的に取り組んでいた場合(A 校),先進的に研
究に取り組んでいた場合(C 校・D 校)
,総合的な学習の時間の中で外国語活動を柱として取り入れて
いた場合(B 校)などが含まれた。取り組んできた時間数としては,週1回〔A 校・B 校(1~4年)・
C 校・D 校〕から週2回〔B 校(5・6 年)〕程度であった。カリキュラムも,以前は英語に慣れ親しむ
ための単発的な内容が中心であったが,必修化を目指して徐々に系統性をもたせる内容に変化してき
た。
④配慮が必要な児童の有無
教員全体が把握している(診断が出ている児童を含む)場合(A 校)と,各々の教員の中では気に
- 65 -
なる児童がいるが,取り立てて特別な配慮を実施していない場合(B 校・C 校)に分かれていた。国語
や算数などの教科の授業で見られる難しさと一致している場合もあれば,一致していない場合もある
ということだった。しかし,集中がとぎれやすい児童や,多動な傾向がある児童など,発達障害の要
素をもつ児童は,どの集団にも少なからず含まれていると考えられるため,教員は自然と TT や少人数
授業など,きめ細やかな指導体制を採用してきていた(4校とも)。
⑤外国語活動における児童への配慮
英語の免許の有無にかかわらず,教員側には,配慮が必要な児童に対する外国語活動に特化した支
援方法はなかった(4 校とも)
。教員の人員を増やす(A 校・C 校・D 校),国語や算数の授業において
も実施するようなきめ細やかな対応をする(A 校・B 校),授業内容をスモールステップで積み上げて
いくように工夫する(B 校・D 校)など,一斉授業の中で実施できる配慮をしていた。他の教科では発
表しにくい児童が,外国語活動だと自信をもって言える場面がある(C 校)という例は,他校の教員
からも似たエピソードが出された。学びだして期間が浅く,「聞く」「話す」活動だと「読む」「書く」
活動よりも差が開きにくいという背景があるようだった。
⑥小学校外国語活動で大切にしていること
外国語活動に対する興味や関心がもてるように,全ての児童が一緒に参加できる分かる活動を多く
取り入れているということだった(4校とも)。身の回りのもの・馴染み深いもの・気軽に取り組める
ものを題材に取り入れている場合(A 校)
,1 回 1 回の授業に系統性を持たせて進めている場合(B 校),
すでに習った活動にプラスして思考的な要素を組み込んでいる場合(C 校・D 校)があった。英語の免
許をもつ教員が担当している場合は,Can-Do リストを整備(B 校・C 校・D 校)し,パフォーマンス評
価(B 校・D 校)なども積極的に取り入れて,児童のもつコミュニケーション能力を正当に評価しよう
とする姿勢が見られた。
⑦中学校英語科にのぞむこと
まず,小中連携は重要だと考えている担当者が多く,小学校で学んだ活動や知った表現を,中学校
で英語を学ぶなかで再認識して身につけてほしいと考えていた(4 校とも)。また,小学校では文字指
導が規定になく,アルファベットや簡単な単語を書けるようにしてやりたいと考えてはいるが,実際
には指導時間も不足しているため十分な指導ができない(C 校)と,教員がジレンマを感じている現
状も分かった。さらに,小学校で外国語を学ぶことで,すでに苦手意識が出来てしまわないように気
をつけるべき(A 校・C 校・D 校)という意見や,各校の取り組みの差によって中学校以降の児童の英
語力に差が生まれることへの懸念(B 校・D 校)があることも明らかとなった。
- 66 -
第2項 授業観察
観察した授業を,各校での聞き取り調査(半構造化面接)と授業前の担当教員からの情報をもとに
して,学級集団の属性ごとに
①特定の気になる児童がいる学級。
②複数の気になる児童や集団全体に配慮が必要な学級。
③学習規律のある学級。
の3に分類し比較検討した。重複している丸印については,両方の要素が含まれていることを示す。
授業展開は A~K の 11 授業。
表2 学級集団の属性と授業展開
授 業
特定の気にな
複数の児童+集
学習規律のある
展開
る児童有り
団全体
学級
A
○
B
○
C
○
D
E
○
○
○
○
F
○
G
H
○
○
○
I
○
J
○
K
○
第3項 英語教授法の視点
まず,小学校外国語活動の授業で取り入れられていた活動に注目して,活動の中身に差がみられた
「導入」
「展開」ごとに整理してまとめた。アルファベットは授業展開の記号。対象となる児童や集団
が積極的に参加していた場合を◎,参加してはいたが,積極性が見られない場合を○で表した。授業
中に行われていなかった活動は-で示した。
(1) 小学校外国語活動の授業における(導入)の活動
表3
特定の気になる児童がいる学級の外国語活動(導入)の例
活動
A
B
C
E
H
英語の歌
○
◎
○
-
-
前時の復習
◎
-
○
-
○
Q&A
-
-
-
○
◎
チャンツ(応用含む)
-
-
-
◎
○
特定の気になる児童がいる場合の外国語活動では、導入部分にリピートや歌,チャンツなど,まず
声を出させる活動が多く取り入れられていた。声を出すことで,気持ちをのせていく効果をねらって
いると推測された。
- 67 -
表4
複数の気になる児童や集団全体に配慮が必要な学級の外国語活動(導入)の例
活動
C
D
英語の歌
○
○
前時の復習
○
○
単語の反復
-
◎
知っている・習っている・分かる活動に対しては,集団全体の意欲が非常に高まった。しかし,影
響力の強い一部の児童が積極的に取り組むかそうでないかが,活動全体の実施に強い影響を与えてい
た。
表5
学習規律がある学級の外国語活動(導入)の例
活動
E
F
G
H
I
J
K
前時の復習
-
◎
-
◎
-
-
-
英語の歌
-
-
-
-
-
◎
-
Q&A
○
◎
-
◎
◎
-
-
チャンツ
◎
-
-
-
-
-
◎
リスニングクイズ
◎
-
-
○
-
-
-
アルファベット
-
-
◎
-
-
-
-
例文のアレンジ
-
-
-
-
◎
-
-
絵本読み聞かせ
-
-
-
-
-
◎
-
全員でのゲーム
-
-
-
-
-
-
◎
プレタスク
-
-
-
-
-
-
◎
1 つあたりの活動時間は,短いものでは 2~3 分,長いものでも 10 分以内であった。集団全体が意
欲的で,かつ今までに体験している活動の種類が多いので,その日の児童のコンディションに合わせ
て様々な活動を組み合わせて授業を行っていた。
(2) 小学校外国語活動の授業における(展開)の活動
表6 特定の気になる児童がいる学級の外国語活動(展開)の例
活動
A
B
C
E
H
予想クイズ
○
○
○
-
◎
グループ活動
◎
◎
◎
◎
-
リズムリピート
-
◎
-
-
-
ペア活動
-
-
○
-
-
発表
-
-
-
◎
-
クイズ作成(個人)
-
-
-
-
○
本時に使う表現を追加しながら,ゲームやクイズなどで浸透させていく手法が多く取り入れられて
いた。ただし,活動に入るまでの指示が短く,かつ分かりやすいものでないと集中力がとぎれてしま
っていた。
- 68 -
表7
複数の気になる児童や集団全体に配慮が必要な学級の外国語活動(展開)の例
C
活動
D
予想クイズ
○
○
グループ活動
◎
-
ペア活動
○
-
チャンツ
-
◎
Q&A
-
○
調べ学習
-
○
リズムを生かしたユニークなチャンツは典型的で,耳から入る音声を利用した活動には,どの児童
もスムーズに取り組めていた。個別の活動の方が,それぞれのペースで参加しやすいようだった。
表8
学習規律がある学級の外国語活動(展開)の例
E
活動
F
G
H
I
J
K
発表
◎
-
-
-
-
-
◎
ペア活動
-
◎
◎
-
-
-
-
ワークシート
-
○
-
○
-
-
-
グループ活動
-
-
-
-
◎
◎
◎
学習規律のある集団の授業では,気になる児童がいる学級の授業よりも圧倒的に多くの発表が取り
入れられていた。準備を入念に行ってきた発表や,役割を分担したグループ活動など,共同学習の形
が多く利用されていた。
第4項 ユニバーサルデザイン教育の視点
次に,A~K の授業展開をユニバーサルデザイン教育の視点から分類した。注目したポイントは,ユ
ニバーサルデザイン教育を構成する要素を参考にし,
①環境の工夫 ②活動内容の工夫 ③教材教具の工夫 ④評価の工夫
の4項目とした。
表9 小学校外国語活動における環境の工夫
A
使用教室
座席
B
C
D
E
特別教室
○
○
○
○
椅子机
○
○
○
○
椅子 or 机
H
○
あり
なし
○
○
I
J
K
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
1名
○
ALT,JET
指導者
G
普通教室
床
掲示物
F
○
○
JET2名
3名
○
○
○
○
○
4 名以上
○
○
○
- 69 -
使用されていた教室は、電子黒板や掲示物を常設できる特別教室の使用が目立った。多くは通常の
教室と同じように机椅子が使われていたが,各自バインダーを持参するなど机椅子の使用がない場合
もあった。視覚刺激となりやすい黒板まわりの掲示物は意外にも多く,英語のあいさつを表記してい
る学校が主だった。授業における指導者の人数は、3名で行っている場合が一番多かった。
表 10
小学校外国語活動における活動内容の工夫
A
流れ提示
B
C
D
あり
なし
○
○
○
G
H
○
○
○
グループのみ
○
I
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
K
○
○
あり
なし
J
○
○
両方
めあて提示
F
○
○
ペアのみ
学習形態
E
○
○
○
○
○
○
○
○
授業において、本時の活動内容が黒板やホワイトボードに記されていた割合は約 50%であった。学
習形態としては,個別の作業は少なく,ほとんどがペアかグループ活動であった。しかし,本時の課題
や達成すべき目標までは示していないことが多かった。
表 11
タイマー
ワークシート
ICT
絵や写真
小学校外国語活動における教材教具の工夫
A
B
C
D
E
○
○
○
○
○
あり
なし
あり
○
F
G
H
I
○
○
○
○
J
K
○
○
○
○
○
○
なし
○
○
○
○
○
○
あり
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
なし
あり
なし
授業では、一般的なタイマーの他に,残り時間が分かるタイプやインターネットアプリのタイマー
などが使用されていた。ワークシートとしては、全文を写すものではなく,本時のターゲットとなる
文章だけを書かせるために使用されていた。ICTとしては、電子黒板,iPad,拡大機などの情報機器
が使われていた。全ての学校で電子黒板は利用されていたが,テレビ型やボード型ではなく,黒板や
ホワイトボードの一部にはめ込まれている場合も見られた。英語ノートに対応したカードだけではな
く,独自に作成したものや,写真を利用している例が多く見られた。
表 12 小学校外国語活動における評価の工夫
視覚的評価
振り返りシート
授業ルール確認
A
B
C
D
○
○
○
○
あり
なし
あり
F
G
○
○
○
H
I
J
○
○
○
○
○
あり
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
K
○
○
なし
なし
E
○
○
○
視覚的評価としては、ゲームのポイントを黒板に書く,児童の答えを拡大
したシートに書き込む,ゲームで一致したカードを貼る,シートに書き込んだ答えを確認するなどが
- 70 -
あった。振り返りシートでは,提示した本時の目標をどれくらい達成しているかを,イラストや顔の表
情に○をつけさせて自己評価させ,感想を一文程度書くタイプが多く採用されていた。授業ルールの
確認は,使用されている教室に掲示してある場合,毎回授業で確認されている場合,児童の様子が落ち
着かない場合のみ使うなど,活用の方法も様々であった。
第3節 考察
第 1 項 英語教授法の視点
小学校外国語活動を授業観察した際,これまでの英語教授法として注目したことは
①各校の規模や地域性が外国語活動の展開方法に影響しているのか。
②学級集団の属性の違い(表2)は,担当教員が授業を構築する場合に影響しているのか。
③外国語活動の授業では,発達年齢を考慮した適切な教材が使われているのか。
であった。以上の3点について,それぞれ述べていく。
①各校の規模や地域性が外国語活動の展開方法に影響しているのかについて
児童数が少ない場合,全校共通の取り組みを重視し,発達年齢にあわなくても,あえて全学年同じ
歌(観察時は,アルファベットソング)を学習して共通性を生み出していた。また単学級の集団では,
児童同士がお互いをよく知っていることを生かし,相手に聞かなくても分かってしまうインタビュー
ではなく,コミュニケーションを取る必然性を意図的に仕組み,密接な人間関係を生かしたインタビ
ューが工夫されていた。さらに,学力的に均質の児童が多い場合は,児童の知的好奇心を刺激するよ
うに,以前学習したことに積み上げた活動が多く採用され,知っている知識を競う場面が随所に設け
られていた。これらの展開は,その学校の児童に対しては上手くあてはまるとしても,仮に年齢が同
じというだけで,同じ内容を他校で実施した場合,おそらく同じ展開にはならないであろう。
すなわち,授業観察により,各校の規模や地域性は確かに外国語活動の展開内容に影響していると
いうことが明らかとなった。
②学級集団の属性の違いは,担当教員が外国語活動の授業を構築する場合に影響しているのかについ
て。
今回観察した小学校外国語活動の授業では,単純に単語を教える授業ではなく,コミュニケーショ
ンを中心にした活動が多く採用されていた。
具体的な授業活動を例としてあげた。
〔聞く・話すが中心の活動〕
英語の指示を聞く(11 授業中 11 授業で行われていた。以下 11/11 と表記する)・英語をまねる
(11/11)
・英語の物語を聞く(1/11)
チャンツまたは英語の歌(8/11)
・英語を聞いて復習(11/11)
英語での応答(11/11)
・英語での質疑応答の練習(7/11)
〔読む・書くが中心の活動〕
英語の単語や文章を書き写す(4/11)
英語の文章を読む(個人・ペア・グループ)(4/11)
英語の文章を書く(個人・ペア・グループ)(4/11)
小学校外国語活動においては,圧倒的に〔聞く・話す〕活動の方が〔読む・書く〕活動よりも多く
使われていた。その理由は,単に小学校外国語活動の目標がコミュニケーション主体だからというこ
とではなかった。実際の授業を観察してみると,学級の中に気になる児童がいる場合や集団全体に配
慮が必要な場合は,周りの様子を見ながらできる活動が有効であると分かった。特に〔聞く・話す〕
活動は,気になる児童の有無に関わらず,全ての児童が取り組みやすく,かつ教員がその様子を確認
することが容易であった。
すなわち,小学校外国語活動を担当する教員は,授業を構築する際に,学級集団の属性に影響され
ることが少なく,かつ授業のバリエーションが広がる〔聞く・話す〕活動を積極的に利用して,全体
- 71 -
で行うことができる活動に重きをおいていることが明らかとなった。
③外国語活動の授業では,発達年齢を考慮した適切な教材が使われているのかについて。
松香(2013)は発達段階から分類する英語習得の発達状況について,
小学校 1・2 年生ごろは「英語の音声を最も吸収する時期」
小学校 3・4 年生ごろは「英語を使ってみたくなる時期」
小学校 5・6 年生ごろは「英語の文字に興味を持つなど,知的好奇心が旺盛で,何か達成感を求
める時期」
と述べている。
実際に今回観察した4校とも,3・4 年生の児童は,授業全体に活気があり,身体を動かすこと,発
音すること,教員の身振りや手振りを積極的にまねることなどに,あえて指示を加えなくても,素直
に取り組んでいた。しかし,Q&A で,ALT や JET が「Are you a boy?」と質問した時に,「Yes, I do.」
と大声で応える児童が男女問わず続出した場面から,細部にまで集中したリスニング力はまだついて
おらず,覚えているフレーズ,知っている表現を吟味せずに使用していることが明らかとなった。
5・6 年生の児童になると,3・4 年生の授業に比べ,外国語活動に対する積極性や活気は劣ってい
るようにも見えたが,Q&A で「Are you~?」の問いに対して,do で応える児童はいなかった。さら
に,単語の復唱(リピート)や決まりきった表現の練習だと授業に退屈していた児童達が,自分が表
現したいことや身の回りの知っている言葉が,英語の音と一致して理解できた時は素直に喜びを表し
ていた。また,書く活動において,教員がカタカナやひらがなで表記して良いと指示をしていても,
クラスのほとんどの児童が英語のスペルを書こうとしていた。
即ち,担当する教員が児童の発達年齢をよく理解して活動をアレンジしている場合は,学年を問わ
ず児童の取り組みは活発になり,活動自体は魅力的なものであっても,発達年齢にあわないアレンジ
をしてしまうと,児童が退屈して間延びした授業になりうることが明らかとなった。
第2項 ユニバーサルデザイン教育の視点
小学校外国語活動を授業観察した際,今回のユニバーサルデザイン教育の視点として注目したこと
は,①環境の工夫②活動内容の工夫③教材教具の工夫④評価の工夫
であった。以上の4点についてまとめていく。
①小学校外国語活動で確認された環境の工夫
・何をどこに片づけるかを明確にし,教室の前面を意識的にすっきりさせる。(11 授業中7授業
で行われていた。以下 7/11 と表す)
・掲示物をカテゴリー別に分ける。(4/11)
・教員間の連携を十分に図り複数の教員で指導を行う(10/11)
②小学校外国語活動で確認された活動内容の工夫
・時間を構造化し,スケジュールを提示する(6/11)
・学習の目標やねらいを分かりやすく示す(3/11)
・静と動の活動を組み合わせて,授業にメリハリをつける(11/11)
・課題のスモールステップ化を図る(8/11)
・ペアやグループ活動を取り入れ,児童同士がかかわり合い,学び会える場を設定する(10/11)
③小学校外国語活動で確認された教材教具の工夫
・タイマーを使い,時間の見通しをもてるようにする(5/11)
・視覚的な物を活用する(11/11)
・ICT の活用を図る(11/11)
④小学校外国語活動で確認された評価の工夫
・具体的に学習ルールを提示する(5/11)
・ほめる機会を作る(11/11)
・視覚的な評価をする(5/11)
- 72 -
・適切な行動と結びつくように,賞賛や注意のタイミングをはかる(11/11)
が行われていた。
小学校外国語活動の授業の中で,このようなユニバーサルデザイン教育の工夫が多く取り入れられ
ていたことの理由としては,1つには配慮の必要な児童ばかりでなく小学生はまだ集中力の持続が難
しいことが背景にあると考えられた。次に,上記の確認された工夫は,外国語活動に限らず,活動の
中身を大幅に変えることなくどの教科でも取り入れやすい要素が多いことから,日常の学習の中で自
然と行われてきたと考えられた。
すなわち,今回小学校外国語活動の授業観察により確認できたユニバーサルデザイン教育の工夫は,
基本的なユニバーサルデザインの視点として学校教育においては押さえて行くべき内容が多いこと
が明らかとなった。
第3章 結論
まとめと今後の課題
今回の調査により,小学校外国語活動においては,英語教授法の視点から見た場合,各校の規模や
地域性を意識しながら,学級集団の属性の違いや発達年齢を考慮した活動が取り入れられていること
が明らかとなった。また,外国語活動の授業においても,ユニバーサルデザイン教育を意識した教育
環境が整えられていることが示された。さらに,聞き取り調査を通して,小学校外国語活動に携わる
教員の中には,中学校や高等学校の英語の教員免許を持ち,専門性を生かしながら,小学校外国語活
動のカリキュラムや評価方法にも系統性を生み出して,児童が中学校以降の英語学習にスムーズに移
行できるように試みていることが明らかとなった。
小学校外国語活動で取り入れられている展開内容は,配慮が必要であろう児童が目立つものではな
く,教室全体の児童にむけられた配慮であり,どの配慮も教員にとっては少しの意識の変化や準備が
あれば取り組めるものばかりであった。
①文字を導入する前に,英語の発音に十分慣れさせる。
②ゲーム形式で楽しい聞き取りを仕組む。
③実際に行動し英語に反応させる。
④チャンツを利用して,リズムにのって音読させる。
などは,小学校外国語活動と関連させ,中学校以降の英語科の授業の中で応用できる良い展開例とな
る。
この先,さらに我が国の英語教育に対する変革は進んでいくだろう。今まで多くの小学校外国語活
動で取り上げられてきたコミュニケーション活動に止まらず,中学校以降でターゲットとされてきた
〔実際の場面に即したコミュニケーション〕に焦点があてられ,より実践的な内容が前倒しされてく
る可能性もある。
今後,小学校の外国語活動が,系統性・連続性をもったカリキュラムに変化していくならば,中学
校以降の英語学習もそれに応じて変化を遂げなければならない。その際には,中学校に入学してくる
生徒達が,卒業した小学校の外国語活動で何を学んできたのかを客観的に把握していく必要性がでて
くる。その上で,私たち英語教員には,中学校で新たに学習する表現や単語を,生徒達が小学校外国
語活動で培った素地を生かしつつ,言語として深く定着させていく教育技術が求められている。さら
に評価においても,従来の筆記試験だけではなく,ポートフォリオを利用した振り返り評価,パフォ
ーマンス評価,Can-Do 評価など,様々な評価方法を取り入れていくことで,配慮が必要な生徒だけで
はなく,全ての生徒の英語力を多面的に評価することができるようになると考える。
小学校と中学校という枠組みは違っても,同じ子どもたちが義務教育9年間を過ごしている。本格
実施された外国語活動と中学校英語科との接続をスムーズにし,全ての子どもたちが英語を学ぶ時に,
日本語とは異なるコミュニケーションの楽しさを知り,相手に伝えたいことを正確に伝えられる喜び
を身につけて世界に羽ばたいてほしいと願っている。
- 73 -
引用・参考文献一覧
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・ Chomsky, N. definition of Chomsky Free Online Dictionary
Thesaurus and Encyclopedia
・東野裕子・髙島英幸(2007) 小学校におけるプロジェクト型英語活動の実践と評価 高陵社書店
p13-16
・樋口忠彦編・大城賢・國方太司・高橋一幸(2010)小学校英語教育の展開―英語活動への提言―研究
社 p9,38,51
・平井由美子・石川尚子(2006) 「通常学級における軽度発達障害児に対する学習支援-LD もしくは
ADHD が疑われる男児に対する英語学習支援-」日本女子体育大学紀要
p81-89
・廣瀬由美子・桂聖・坪田耕三(2009) 通常の学級担任がつくる授業のユニバーサルデザイン~国語・
算数授業に特別支援教育の視点を取り入れた「わかる授業づくり」~ 東洋館出版社 100-104
・金森強「小学校外国語活動の課題と可能性」英語展望 2011 冬号 p12-17
・菅正隆・梅本龍多(2009)〔電子黒板を導入する効果〕小学校外国語活動「英語ノート」対応電子黒
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・関西国際大学(2013)みんなの特別支援教育~授業のユニバーサルデザイン化を目指して リーフレ
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・国立教育政策研究所教育課程研究センター 2001「教育課程実施状況調査 学校教育に関する意識調
査」HP
・国立特別支援教育総合研究所 2010「小・中学校等における発達障害のある子どもへの教科教育等の
支援に関する研究」
・松香洋子(2013)子どもと英語 MPI 松香フォニックス研究所 p11-12,23,40-41,55-57
・文部科学省 1998 小学校学習指導要領 第 4 章外国語活動
・文部科学省 1998 中学校学習指導要領第 2 章 各教科 第 9 節外国語
・文部科学省 2014 「英語教育のあり方に関する有識者会議」HP
・文部科学省 2012 「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする
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第 1 章 第二言語習得論のエッセンス 2-35
・ 瀧沢広人(2013) 英語授業のユニバーサルデザイン つまずきを支援する指導&教材アイデア 50
明治図書 38-39
・ 月森久江(2007) 教室でできる特別支援教育のアイデア~中学校編~
図書文化社 30-33, 146-151
・ ユニバーサルデザインの 7 原則について http://www.ud-web.info/about-ud/how_7rule-j.html
http://ja-m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83
- 74 -
資料1
授業展開A
3年生
(男子14名
本時の目標
女子11名
計25名)
3
児童の活動
opening
Greeting
3
5
10月9日(木)4時間目
教室内にある身近な物の言い方を知り、慣れ親しむ。配慮が必要な生徒:ADHDの薬を服用中。女児。
JT:担当教員
分
授業日
A:ALT
●全体
morning.
△ALTが挨拶時、目線
What day is it today?
が合わない生徒への机間
It is Thursday.
巡視。
A:Let’s sing a song, ABC.
Song
■他児
☆該当児童
JT の働きかけ
教師の発話
A:Good
△個別
児童の様子
■☆挨拶あり。
●電子黒板にABC歌の
■大きな声で歌っている。
“Alphabet
歌詞を写し、CDに合わ
☆立ってはいるが、歌っているか
song”
せて歌わせる。
どうか分からない
●毎時の5項目
■☆5項目確認のジェスチャーを
(視線・聞く・想像・声・
同じようにしている。
Review
Listen and Say
A:Let’s review ABC.
d,g,z
l,m,n ( repeat 2)
ABC
身振り)をジェスチャー
付きで確認。発話させや
すい雰囲気作り。
●アルファベットカード
10
New words
A:I have cards something in the
を黒板に貼り、指しなが
■発音している。
ら発音する。
☆口はあけていない。
●教室内を見回す身振り
☆前の教師を見ているが、反応が
乏しい。
☆手は挙げない
Something in
classroom. Some old cards, some
をする。
the classroom
new cards.
△英語が分からない時は
Listen and Say
Do you remember? Guess.
日本語でも良いことを伝
Old
Hands up.
える。
■思いついた単語をどんどん発表
既習:desk, chair,magnet
●生徒が答えて正解した
している。
blackboard,eraser,textbooks
カードを黒板に貼る。
新出:pencil,pencils,
●リズムにのって楽しま
■リズムにのってリピートしてい
pencil sharpener
せる。
る。
6 words
New 3 words
magnet magnet cha cha cha.(全単語
☆口はあけていない。
repeat)
15
Game
Pointing Game
JT:Make groups.(3~4)
●Yes と言わず指し示
☆教師の説明が終わらないうちか
rock scissors paper→
す、お手つき、同時など
ら、机を動かそうとする。
winner→bring the paper
の予想される場合の注意
☆分かる単語の時は、勢いよく参
ALT say the word.
を補足する。
加している。
Students point the picture.
Yes,○→1point
●教師でグルーピングを
行う。
No yes→0 point
A:Hands on your head.
Can you reach?
JT:Change the group.
△全員の手が届く所にカ
☆頭の上に手をのせて準備をする
ードを置くよう声をかけ
のを忘れてしまう。
る。
←■グループ内で声かけあり。
△各グループの様子を机
間巡視しながら声をかけ
A:Winner, stand up. Clap your hands.
る。
Return the sheet.
4
Closing
Greeting
A&JT:Good bye.
■☆挨拶あり。
See you next week.
- 75 -
資料2
授業展開B
4年生
(男子12名
本時の目標
女子8名
計20名)
授業日
10月9日(木)3時間目
教室内にある身近な物の言い方を知り、慣れ親しむ。
配慮が必要な生徒:ADHDの薬を服用中。特別支援学級に兄弟が在籍。男児。
JT:担当教員
分
3
児童の活動
opening
Greeting
3
5
A:ALT
●全体
morning.
△ALTが挨拶時、目線
What day is it today?
が合わない生徒への机間
It is Thursday.
巡視。
A:Let’s sing a song, ABC.
Song
■他児
☆該当児童
JT の働きかけ
教師の発話
A:Good
△個別
児童の様子
■☆挨拶あり。
●電子黒板にABC歌の
■大きな声で歌っている。
“Alphabet
歌詞を写し、CDに合わ
☆口の開け方は小さいが、歌って
song”
せて歌わせる。
いる。
●毎時の5項目
■☆5項目確認のジェスチャーを
(視線・聞く・想像・声・
同じようにしている。
Review
Listen and Say
A:Let’s review ABC.
d,g,z
l,m,n ( repeat 2)
ABC
身振り)をジェスチャー
付きで確認。発話させや
すい雰囲気作り。
●アルファベットカード
■☆発音している。
を黒板に貼り、指しなが
ら発音する。
10
New words
A:I have cards something in the
●教室内を見回す身振り
☆周りをきょろきょろ見つめてい
Something in
classroom. Some old cards, some
をする。
るが、指示は理解して探している。
the classroom
new cards.
△英語が分からない時は
☆手は挙げない。
Listen and Say
Do you remember? Guess.
日本語でも良いことを伝
Old
Hands up.
える。
■思いついた単語をどんどん発表
既習:desk, chair,magnet
●生徒が答えて正解した
している。
blackboard,eraser,textbooks
カードを黒板に貼る。
新出:pencil,pencils,
●リズムにのって楽しま
■☆リズムにのってリピートして
pencil sharpener
せる。
いる。
●Yes と言わず指し示
☆教師の説明が終わらないうちか
rock scissors paper→
す、お手つき、同時など
ら、机を動かそうとする。←■
winner→bring the paper
の予想される場合の注意
wait!
ALT say the word.
を補足する。
6 words
New 3 words
magnet magnet cha cha cha.(全単語
repeat)
10
Game 1
Pointing Game
JT:Make groups.(3~4)
Students point the picture.
Yes,○→1point
行う。
No yes→0 point
A:Winner, stand up. Clap your hands.
Return the sheet.
10
Game 2
●教師でグルーピングを
JT:Make groups. (3~4)
rock scissors paper→winner→
bring the card.
Take the top card.
Friends say, “what’s this?”
- 76 -
△全員の手が届く所にカ
☆頭の上に手をのせて準備をする
ードを置くよう声をかけ
のを忘れてしまう。
る。
←■グループ内で声かけあり。
●ゲーム1の様子を観察
☆友達の番の時は、what’s this?
し、そのままのグルーピ
と声を積極的に尋ねているが、自
ングを利用する。
分が答える時は答えにつまること
△各グループの様子を机
がある。
間巡視しながら声をかけ
■グループ内の生徒は、なかなか
It’s
○
.
る。
答えなくてもせかす様子は見られ
→friends say yes.
ない。笑顔で待っている。
×→friends say sorry.
3
A&JT:Good bye.
Closing
Greeting
■☆挨拶あり。
See you next week.
資料3
授業展開C
5年生
(男子19名
本時の目標
女子8名
計27名)
授業日
10月9日(木)6時間目
友達の好きな動物を尋ねたり答えたりする表現に親しむ。
配慮が必要な生徒:男子児童。ADHDの薬を服薬中の妹あり。集団自体も、集中力が低くまとまりにくい。
JT:担当教員
分
児童の活動
opening
Greeting
Song
A:ALT
●全体
A:Good
morning.
is
△ALTが挨拶時、ふら
What
day
It
Thursday.
is
△個別
it
■集団全体
JT の働きかけ
教師の発話
today?
☆該当児童
児童の様子
■☆挨拶あり。
ふらしている児童への個
別の対応。
A:Let’s sing a song, ABC.
●電子黒板にABCの歌
“Alphabet
詞を写し、CDに合わせ
song”
て歌わせる。
■口々に歌っている。
Review
A:Let’s review color & shapes.
●色や形のカードを見せ
■順番を待たずに、思いついたら
Listen and Say
既習:①色
ながら答えさせる。
どんどん答えている。
color &
white, red, pink, blue,
●カードを黒板に貼り、
☆じっとしている。
shapes
yellow, green, orange,
指しながら発音する。
■大声でリピートしている。
black, brown, purple,
light blue,
②形
star, triangle, circle,
diamond, arrow, square,
New words
A:I have 12 cards of animals. Can you
△英語が分からない時は
■一部の児童だけが大声で答えて
animals
guess?
日本語でも良いことを伝
いる。
Listen and Say
Hands up.
える。
☆手を挙げない。
新出:monkey, fox, mouse, dog,
●生徒が答えて正解した
■ALTが発音した単語を自主的
panda, elephant, rabbit,
カードを黒板に貼る。
にリピートしている。
lion, bird, bear, cat, tiger
●リズムにのって楽しま
せる。
Game 1
Pointing Game
JT:Make groups.(3~4)
●Yes と言わず指し示す、 ■教師の説明中から、机を動かそ
rock scissors paper→
お手つき、同時などの予
うとする児童や口々に話し出す児
winner→bring the paper
想される場合の注意を補
童がいる。
ALT say the word.
足する。
■ジャンケンをするだけでも、奇
●教師でグルーピングを
声が上がる。
Students point the picture.
Yes,○→1point
行う。
No yes→0 point
△全員の手が届く所にカ
A:Winner, stand up. Clap your hands.
Return the sheet.
ードを置くよう声をかけ
る。
- 77 -
10
Game 2
A: Let’s talk with friends.
Interview
(demonstration)
with friends
A:
Hi, friends1
JT:
(P21)
A:
JT:
Hello.
Hello.
What animal do you like?
I like monkeys.
A:
Oh, it’s nice.
JT:
Thank you.
●日本語を使わないよう
■積極的に尋ねているが、中には
に、答えだけを聞いてま
日本語だけで答えの部分だけを聞
わらないように注意す
いている児童がいる。
る。
☆動いてはいるが、尋ねてはいな
△各児童の様子を机間巡
い。
視しながら声をかける。
(chants)
Closing
A&JT:Good bye.
Greeting
■☆挨拶あり。
See you next week.
資料4
授業展開D
6年生
(男子22名
本時の目標
女子12名
計33名)
授業日
10月9日(木)5時間目
友達の好きな国を尋ねたり答えたりする表現に慣れ親しむ。
配慮が必要な生徒:診断のある児童はなし。集中力がとぎれやすい児童が数人いる。
JT:担当教員
分
1
児童の活動
opening
Greeting
3
Song
A:ALT
●全体
JT の働きかけ
教師の発話
A:Good
△個別
morning.
△ALTが挨拶時、目線
What day is it today?
が合わない生徒への机間
It is Thursday.
巡視。
A:Let’s sing a song, ABC.
■児童全体
☆気になる児童達
児童集団の様子
■☆挨拶あり。
●電子黒板にABC歌の
■声は小さいが歌っている。
“Alphabet
歌詞を写し、CDに合わ
☆「またこの歌―」と文句を言う。
song”
せて歌わせる。
Review 1
Listen and Say
A:Let’s review ABC.
d,g,z
l,m,n ( repeat 2)
ABC
●毎時の5項目
■JTEの説明を聞いている。
(視線・聞く・想像・声・
☆退屈そうに自分の名札で手遊び
身振り)をジェスチャー
をしている。
付きで確認。発話させや
すい雰囲気作り。
●アルファベットカード
を黒板に貼り、指しなが
■発音している。☆発音している。
ら発音する。
10
Review 2
Listen and Say
directions
A:Last week, we learned directions.
●生徒が答えて正解した
■前回習った単語を思い出そうと
カードを黒板に貼る。
している様子が見られる。
△英語が分からない時は
☆順番を待たずに、思いついた語
station, police station,
日本語でも良いことを伝
を口々に話しているが、よいつぶ
convenience store, flower
える。
やきもある。
Do you remember? Hands up.
既習:①建物など
shop, restaurant, park,
post office, school, department
store, bookstore, fire station,
hospital, supermarket,
②道案内をする表現
Go straight, Turn right,
Turn left, Go back, Stop,
- 78 -
3
Repeat
A: Let’s repeat direction words.
●手をたたきながらリズ
■☆楽しんで繰り返しながら発音
Directions
Hospital, cha cha cha.
ムよく発音させる。
している。
And Chants
Chants: Station? Station?
Where is the station?
☆ラップ調のチャンツを動作つき
Go straight, go straight. Here
で同じように発音している。
is the station. Thank you.
10
New words.
Hi, friends 2
(P19)
A: Today we learn new things.
●教科書を開いて、どこ
■☆教科書を見ながら考えている
Open your textbooks to page
の国の旗かを考えさせ
児童と、電子黒板を見ながら参加
19. Please guess.
る。
している児童が半々の状態であ
☆教科書を忘れた児童の
る。
新出:USA, India, France,
Japan, China, Australia,
為に、電子黒板にも教科
Egypt, Brazil, Greece,
書と同じページを写す。
Spain,
●教科書に書き込むよう
に指示をする。
■☆教師の指示通りに、書き込む
児童と書き込んでいない児童が
半々の状態である。
■☆非常に騒がしくなり、担任の
教師に一喝され静かになる。
12
Research
My favorite
Country
Hi, friends 2
JT: Let’s go to PC room and you
Research your favorite country.
(food, sport, temple, nature,
music, world heritage )
(P21)
●教科書のP21に調べ
●興味のある国がある児童は、自
て書き込むように指示を
分でどんどん調べている。
する。
☆課題とは関係のないページを見
☆調べ学習が進んでいな
てしまう。
い児童への個別の声かけ
を行う。
1
Closing
A&JT:Good bye.
Greeting
■☆挨拶あり。
See you next week.
資料5
授業展開E
6年生
(男子9名
本時の目標
女子6名
計15名)
授業日
11月26日(水)5時間目
日本にも様々な人たちが生活していることに気づくとともに、自分の思いがはっきり伝わる
ようにおすすめの地域について発表したり、積極的に友だちの発表を聞いたりしようとする。
配慮が必要な児童:集団の中にとけ込んではいるが、気になる児童が2~3人いる。
JT:担当教員
分
8
児童の活動
opening
Greeting
●全体
JT:Good
afternoon.
How are you? I’m fine.
△個別
■集団全体
☆気になる児童
JT の働きかけ
児童の様子
△参観者のところへ行け
■緊張しながらも、参観者に近づ
ない生徒への声かけ。
き会話している。
教師の発話
参観者2人以上とジャンケンして会話す
☆表情が硬く、うろうろしている。
るように指示。
自校の先生と会話。
- 79 -
2
Chants
●Hi, friends2の音声教
Now, Let’s repeat the chants.
■☆口々に歌っている。
材(P21)を再生する。
20
Please change the word, Japan, sushi,
●chants の一部をアレン
■☆理解はしているが、自信がな
sumo, and Fuji.
ジして言う。
いのか小声になっている。
聖徳太子ゲー
①3人グループを作る。②グループごと
●グループごとに相談に
■☆グループ3人で熱心に相談し
ム(オリジナル
に1つ都道府県を決めて、1人1つずつ
のっている。
あっている。
教材)
ヒントを考え一斉に言う。You can see
△声の小さい児童の質問
☆違うグループの問題に一番で答
~. You can eat~.③聞いている児童がど
を単独で発表させたり、
える。←仲間からの「すごい!」
この都道府県かを当てる。
さりげなくフォローす
という賞賛にうれしそうな表情を
(例)You can ski. You can eat butter.
る。
浮かべる。
自分が選んだ地域のゆるキャラの手書き
●持参しているお面や写
■☆自分の用意した文章を必死に
お面をつけ、おすすめポイントを紹介す
真の使用を確認する。英
確認している。
る。聞いている児童はワークシートに記
語にできない単語は日本
■緊張している児童が多いが、発
入する。
語で構わないことを伝え
表中に独自のジェスチャーを入れ
(例)Hello, everyone. My name is
る。
たり、工夫をしている様子が見ら
Sentokun. I want to go to Nara city.
△暗記して発表しようと
れる。
You can see dear. You can see Daibutu.
する児童のために、準備
☆自分の番が来るまで落ち着か
You can eat Narazuke. Let’s go to Nara
時間をとる。
ず、お面をとったりつけたりして
city.
△拡大した用紙に児童の
いる。→自分の番では堂々と発表
Thank you.
発表内容を記録し、聞き
できた。→発表後は火照りを冷ま
漏らした児童にも書ける
しながらも、ほっとした表情で友
ように配慮する。
だちの発表を聞いてワークシート
You can see diamond dust. →
[Hokkaido]
14
発表
に書き込んでいる。
1
Closing
本時の振り返りをする。振り返りカード
●振り返りカードで自己
■☆手慣れた様子で、ワークシー
Greeting
を書く。
評価をさせる。
トに書き込んでいる。
ワークシートの中に判断
基準のルーブリックがあ
り、児童それぞれに伝え
方・発表内容の自己評価
JT:
Good bye, everyone.
をさせる。
That’s end for today.
資料6
授業展開F
3年生
(計34名)
本時の目標:
授業日
11月18日(火)2時間目
自分の好きな色を2色使ってオリジナル動物を描こう。
配慮が必要な児童:特になし
A:ALT J①:専科 J②担任
分
1
児童の活動
Greeting
●全体
△個別
JT の働きかけ
教師の発話
A: Good morning.
- 80 -
■集団全体
児童の様子
4
Q&A
A: Are you a boy?
J②△座り方が変な児童
■質問に対して、Yes!No!と口々
J①: Are you hungry?
や、よそ見している児童へ
に答えている。完璧な文章で答えて
J②: Do you eat breakfast?
の声かけ。
いる児童はなし。Are~?のQにたい
して、Yes, I do.と答える児童もいる。
教員が手分けして、1人ひとりに質問して
まわる。
10
Review
① colors
(repeat)
J②△教室内を適時回っ
yellow, blue, green, red, pink,
て、前を向けていない児童
orange, purple, brown, black, white
にたいして声かけ。
②animals
■大きな声でリピートしている。
(repeat)
cow, dog, pig, cat, horse, sheep,
■リピートばかりになると、声がそ
chicken, goat,
ろわず集中がなくなっている児童が
電子黒板にイラストを写して見せながら、
ちらほら出てくる。
I’m a horse.
15
Game
色と動物を組み合わせたカードを配布。2
J①&J②△教室内をまわ
■何度かしているゲームなので、児
種類ある。片方は、色のカード、片方は動
り、支援。
童は方法を熟知している。積極的に
物のカード。色同士、動物同士ではペアに
参加している。ペアが見つかって座
なれない。
った児童も、まだペアになっていな
※相手にカードを見せない。
い児童を応援している。
大きな声で自分のカードの単語を言わな
い。
ペアになった児童2人で組み合わせ答える
I’m a brown cow.
10
答え合わせ
I’m an orange cat.
好きな動物
シートを配布。
△J①&②
■使う色は早く選ぶ児童が多い。動
①習った動物の中で好きなものを1つ選び
児童のところを周り支援。
物がなかなか決められない。
絵を描く。
■前に参考になるイラストはある
②描いた絵に、自分の好きな色を2つ使っ
が、写している児童は少ない。自分
て色をぬる。
のイメージで描こうとしている。
③I’m 色(色鉛筆で塗る)and 色(色鉛筆
で塗る).
■まだ手を動かしている児童が多
Closing
Time is up. Please stop.
い。
Greeting
シートは回収。
資料7
授業展開 G
4年生
(計35名)
本時の目標:
授業日
10月31日(金)1時間目
アルファベットの文字に親しむ。配慮が必要な児童:特になし。
A:ALT
分
1
9
児童の活動
J①:専科
教師の発話
Are
●全体
△個別
■集団全体
JT の働きかけ
児童の様子
J①△列に並べていない児
■少々落ち着かない様子で、私語あ
opening
A&J①: Good morning, everyone.
Greeting
you sleepy? Are you hungry?
童に個別の声掛けあり。
り。
ルールの確認
A: In English room, we have 3 rules. ①
J①●ルールを表すジェス
■英語での説明が始まった当初はぽ
Please say something in English. ②
チャーをしながら ALT の
かんとしている児童が多かったが、
Please find your number. ③Please wait
説明を補足している。
ジェスチャーで理解できている。
quietly.
- 81 -
7
アルファベッ
A: Please repeat a~j.
J①●児童が目をつぶって
■「あれ、変だ!」というつぶやき
ト(小文字)
いくつかのアルファベットカードを上下逆
いる間に、いくつかを逆さ
があちこちで聞こえる。
さまにしている。
まにしている。
Yes, e is upside down.
(2回)
■ALT の発音をまねて、リピートし
Please remember 〇 is upside down.
ている。
A: Please repeat h ~n.
(生徒だけで言う)Are you perfect? o 以下
も同様に細かく区切って発音させ、確認。
10
Copy Cat
A: Do you remember copycat?
J①●電子黒板に大きく砂
■説明が始まっても、何をするかが
Please make a pair. No, Japanese &
時計を写し出す。
分かっていない様子の児童が多い。
please say the alphabet at randam. Do
J①△児童の様子を見て、
■デモンストレーションを見た後
you understand how to play?
急きょ ALT とのデモンスト
は、やり方を思い出してどのペアも
レーションを入れる。
積極的に取り組んでいる。
J①△児童たちの活動を見
て回る。
12
1
Volunteer の児童が ALT 役になり、他の児
■テンポが速くなると、次に言うア
童がリピートする。
ルファベットを探すのに少し苦戦し
Are you ready? J-j L-l ・・・
ている。
Game
A: Please match the cards.
J①●上下逆になると間違
■児童たちはゲームの内容を覚えて
Matching
Do you have T? Yes, I have. / No, I don’t.
いやすいカードには下線
いて、次々に質問して回っている。
Letters
画用紙で作ったケースの中には、
が引いてあることを伝え
2枚のカードが入っている。大文字バージ
る。
ョンと小文字バージョンがあり、質問して
■まだ match するカードを見つけて
相手を探す。
いない児童を応援している。
Closing
アルファベットを復習
Greeting
A&J①:Good bye.
資料8
授業展開H
5年生
(計37名)
本時の目標:
授業日
11月14日(金)3時間目
既習表現を利用して、動物やスポーツを説明するヒントを作る。
配慮が必要な児童:特になし。気になった児童あり。
A:ALT J①:専科 J②支援者 J③担任
分
10
児童の活動
Q&A
△個別
■集団全体
JT の働きかけ
教師の発話
J①: Good morning, everyone.
●全体
Are you
☆気になった児童
児童の様子
△1人ひとりに質問して
■指示は理解しているが、日本語で
sleepy?
回る。
の反応が多く騒がしい。
A: Are you a boy? Are you a girl?
J③:A の指示を日本語訳
■質問にはきちんと英語で答えてい
How many boys?
している。
る。
☆Boy か Girl かで非常にテンション
J②:Are you hungry?
J③:Are you a girl?
A:How many girls?
が上がっている。
Boy、stand up. Boy
sit down.
20
J①:A の指示をジェスチャ
■A や J①の説明では理解できてい
【カード】kangaroo, dingo, platypus,
ーで補足している。
ない児童が多い。担任が訳すとわか
koala, Tasmanian devil, emu, snake,
J②:反応が薄い児童の傍
るが、同時に日本語での私語が増え
possum, wombat, kookaburra
に行って支援。
る。
Review
①
&Today’ s
hint
A: Let’s review Australian animals.
- 82 -
【例】I’m brown. I have poison.
J③:単語や表現を日本語
☆A の指示を繰り返して発音してい
I can sleep. →platypus
で訳す。
る。意味が分からないと落ち着かな
い様子で、担任の訳してくれるのを
待っている。訳を聞くと、落ち着い
②
10
1
Quiz 作り
電子黒板を使った他の例文
て次の指示が聞ける。
J②:I use a racket. I use a cap.
■電子黒板を見ながら、口々に「○
I use an uniform.
○や」とスポーツを予測している児
I use only legs. →
soccer
童もいれば、画面を見ているが反応
【写真カード】
のない児童も半分くらいいる。
Aussie football, tennis, rugby, netball,
☆I use only legs に対し、大声で「キ
soccer, swimming, cricket
ーパーは手を使う」と抗議している。
J①がシート配布。動物とスポーツバージョ
●職員全員で一人ひとり
■職員の挨拶に対し、Thank you と
ンで、Review を参考にヒントを作る。
の児童に、Here you are.
いいながらプリントを受け取る。
動物は Who am I?
と言いながら配布。
スポーツは What am I?
J①●今まで習った表現を
■何を書くか決められず困っている
答えはイラストと英語またはカタカナで記
使ってヒントを作成する
児童が多い。とりあえずイラストか
入する。
ように伝える。
ら描く児童が多い。
△A&J①&J②:手が動い
☆書くことを決めていたらしく、
てない児童や質問のある
早々に書きあげる。
児童を個別に支援して回
→手持ちぶさたになり、周りの児童
る。
にちょっかいをかけている。
Closing
Time is up. Please stop.
J③:まだ終わっていない
■まだ手を動かしている児童が多
Greeting
次回に続きをすることを伝える。
児童に声掛け。
い。
シートは回収。
資料9
指導案I
6年生
(計36名)
本時の目標:
授業日
11月18日(火)3時間目
日常生活の動作を表す英語にふれる。配慮が必要な児童:特になし
A:ALT J①:専科 J②担任
分
児童の活動
●全体
△個別
■集団全体
JT の働きかけ
教師の発話
児童の様子
1
Greeting
A: Good morning.
2
Q&A
A: Are you sick?
■質問に正しい文型で答えてはいる
J①: Are you a boy?
が、声は小さい。
J①:Do you remember old cards?
■口々に自分の時間を入れて答えて
Today, I get up at six.
いる。
10
Review
I eat breakfast at six thirty.
(自分の起きた時間を入れて repeat)
J②●ボランティアが出
■誰でも・・・と声をかけるとボラ
【電子黒板のカード】
ないので、質問によって適
ンティアは出ないが、担任が条件を
get up, eat breakfast, go to school, get to
宜条件を出す。例「自分は
指定していくと、何人も手を挙げる。
school, eat dinner, go to a lesson, go
遅い時間に食べてる」と思
home, eat lunch, take a bath, do
う人・・・など
homework, watch TV, go to bed
- 83 -
32
Quiz
①6人グループを作る。
②班に1つのホワイトボード。
③電子黒板に質問を映し出す。
4択。クラスへのアンケートによるもの。
グループで答えを1つ決めてボードに書
く。
Q1:get up
J②●テンポを挙げるた
■グループで答えを積極的に選んで
What’s the earliest?
めに、投影機にタイマーを
いる。最上級の表現がピントこない
A:
5:00
B:5:30
表示する。→児童の答える
児童も、4択の答えから質問を理解
C
5:50
D:6:00
スピードが上がる。
できている。
Q3:eat breakfast
J①&②△答えを考えて
■極端に早い例と遅い例をクイズに
How many don’t eat breakfast?
いる時間に、各グループの
しているので、答えを聞くと驚きが
Q4:get to school
様子を見て回る。気になる
ある。誰が書いたかも知り、さらに
What’s the earliest?
児童には個別の声かけ。
発見がある。
Q2:What’s the latest?
Q5:What’s the latest?
Q6:eat dinner
■質問が続いてくると、徐々に集中
What’s the earliest?
力がなくなってくる。ホワイトボー
Q7:What’s the latest?
ドへの落書きをしている班もあちら
Q8:take a bath
こちらに出てくる。
What’s the earliest?
Q9:What’s the latest?
Q10:watch TV
What’s the latest?
資料10
指導案J
4年生
(計33名)
本時の目標
授業日
11月22日(土)1時間目
what do you want to be?という質問を理解し、その表現を使ったクイズを通してコミュニケー
ションを楽しむ。配慮が必要な児童:特になし。
JT:担任
分
3
児童の活動
A:ALT
●全体
教師の発話
■集団全体
JT の働きかけ
児童の様子
opening
A:OK, everybody, good morning. Let’s
●児童と一緒に元気よく、
■日直の児童が英語で号令を書けて
Greeting
sing the song.
動作をつけて歌う。
授業が始まる。
【歌】Hello, hello, hello how are you? I’m
■大きな声で一斉に歌っている。
fine, I’m fine, I’m fine thank you, and
you?
5
英語絵本の読
A:Let’s watch the TV and sing along
●電子黒板に絵本を大き
■リズムに乗って発音している児童
み聞かせ
“Walking through the jungle”!A に続
く写し出しながら、CDを
と、ただ黒板を見ているだけの児童
いて児童が Repeat.
流し、そのあとDVDを流
がいる。
す。
- 84 -
10
インタビュー
①JT:前回、『なりたい職業は何?』で習っ
クイズの手順
た表現は覚えていますか?
確認
②A: Let’s review the jobs.
←既習単語の
確認(30個ぐらいの職業を Repeat)
●電子黒板に様々な職業
■ALT に続いて単語を Repeat して
の写真(下に英語が書いて
いる。長い単語は言えない児童が多
③文型を復習する。
あるもの)を写す。
い。
A: What do you want to be?
●ALT と一緒にデモンス
Hint, please.
トレーションをする。
JT: I want to be a cake shop worker.
24
■基本文型は見なくても言える児童
が多い。
インタビュー
グループごとにインタビューをしていく。
●各グループを周り様子
■グループの代表者がコミュニケー
クイズ
ヒントは事前に用意している写真や iPad
を観察している。
ションに積極的に参加をしている
の画像を使う。なりたい職業は、ヒントを
が、そのほかの児童はついていって
元に予想して、各自作業ノートに記入する。
いるだけになっている。質問以外は
【例】What do you want to be?
日本語での会話が多い。
Hint, please. ①I like train. ②My
uniform is white. ③I use this.(←写真を
見せながら)
3
Closing
①クイズの答え合わせを兼ねて、各グルー
Greeting
プのなりたい職業の発表を聞く。
③
■各々が作業ノートの○つけをして
いる。
振り返りシートの記入
●まだ書けていない児童
③A: Thank you! See you next week.
はあとで記入するように
Bye bye.
言う。
資料11
指導案K
5年生
(計27名)
本時の目標
授業日
11月22日(土)2時間目
①理想のロボットが「できること」について伝える。②Can you~?という質問を理解し、
それに答えることができるようになる。③I can~.という表現を理解し、できることを伝えられるようになる。
配慮が必要な児童:特になし。
J①:専科
分
2
児童の活動
J②:担任
●全体
△個別
JT の働きかけ
教師の発話
opening
J①&②:Good morning everyone.
J①●本時の流れをカー
Greeting
How are you today? I’m fine / good /
ドで確認する。
sleepy / tired etc. Okay.
■集団全体
児童の様子
■大きな声で挨拶をしている。
Sit down,
please.
5
対話練習
リズムに合わせて重要な表現を chants で
J①●ペンでリズムを取
■担任の先生のバージョンになる
練習する。
り電子黒板の画面を操作。
と、一気に表情が緩み笑顔で練習し
(例)I am Anpan-man. I can fly. Can you
J②●画面を音読。
ている。
①既習表現の確認。12枚のカードをクラ
●J①が最初の児童に発
■1回目はタイマーが電子黒板の画
ス全員が読んで回してタイムレース。
音しながらカードを渡し、
面上に出ていて1分。2回目は途中
fly / run fast / move quickly / use a cell
J②が最後の児童から聞
までタイマーが見えず、途中から出
phone / use a hammer / use a laser beam /
いてカードを受け取る。
現して50秒。きちんと発音してお
fly? Can you fly? Yes, I can.→その後担任
バージョンへ。
15
Q&A
play tennis / play dodge ball / play
り、全員がスピードアップしようと
baseball / teach English / teach music /
している。
teach science
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②質疑応答
児童全員が立つ。J①の Can you ~?の質
問に Yes, I can. / No, I can’t.で答えられた
J②△電子黒板に質問と
■早く座りたいので、児童がどんど
ら、『縦・横・ななめ』どれかを指定して、 同時にその動作のイラス
ん挙手している。最後まで残ってい
答えた児童とそのラインにいる児童は座れ
トを写す。
る児童も、いやな表情は見られない。
る。最後の児童まで質問を継続。
偏らないように、児童を当
③電子黒板を使ってプレタスク。
(手を挙げ
てる。
た数人)
出てきたイラストの動作が出来れば、○
Yes, I can.できなければ、×No, I can’t. で
答える。
■発表したい児童がどんどん挙手し
(全体)What can you do?
●J②が電子黒板を操作
ている。電子黒板のタッチペンを触
(児童)I can ~.I can’t ~.
する。
りたがる児童が多い。ほめ言葉を言
What do you think?
うルールが徹底しているようで、全
(全体)wonderful.(←ほめ言葉)
20
発表
体の表情も穏やかである。
①発表の流れの確認
〔例〕I’m Robot X. I can fly. I can
J①●生徒の書いた紙を
play
投影機で写しながら示す。
baseball. I can cook. I’m Robot X. Do you
J②●個人個人に前回作
understand? What do you think?
成したロボットのシート
■グループ内で、自分の書いたシー
を配布。
トを見せながら順々に発表してい
②グループ内での発表
る。全員の顔が上がり、積極的に発
分からない説明は、What is No.○?と聞け
J①&②△各グループの
る。日本語での補足説明は可。
発表をしゃがんで聞く。誰
③各グループの良かった発表者と理由を言
のどこが良いかを話し合
■イラストが上手い、難しい表現を
う。(日本語)
える雰囲気を日本語も交
使っていた、説明が良かったなど、
えて作っている。
児童の素直な感想が語られていた。
表を聞いてコメントを言っている。
④モジュール活動
アルファベットの大文字カードをグループ
■音を反復して発音しながらカード
ごとに配布。J①の発音した複数のアルフ
J②△各グループを周り、
を確認する子、聞いた音のカードに
ァベットを探す。
声をかけている。
真っ先に手を伸ばす子、いろいろな
〔例〕Spread your card, please.
児童が見られた。1人ではないので、
Please look at me. K- A- J. Repeat. Ok,
J①●徐々に多くのアル
ready go!
ファベットを出題。その
一斉に探す。
協力しながら活動している。
際、電子黒板にヒントとな
る数を映し出す。
J①●発音に注意したい
アルファベットなどは、フ
ォニックスルールを利用
した chants 風にリピート
させる。
3
Closing
②
Greeting
②Good bye, everyone.
振り返りシートに記入
J②△記入状況を見回り
■シートに記入している。
支援する。
質問に対して○をつけて、1文書く
だけの簡単なもの。
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