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(平成27年10月21日)[PDFファイル/2.24MB]

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(平成27年10月21日)[PDFファイル/2.24MB]
魚の“旬”をお知らせします!
魚市場水揚げ通信
宮城県東部地方振興事務所水産漁港部
「みやぎ水産の日」PR広報紙 vol.4(1)
(平成27年10月21日発行)
今月のオススメ!
秋鮭の水揚げが盛んに!
定置網活躍中!
10月に入り,秋の味覚の主役がどんどん水揚げさ
れています。
秋鮭(アキサケ)は,宮城名物“はらこ飯”の素材と
して欠かせないだけでなく,焼き物,鍋物の具材にし
て良し,洋風ではフライ,ムニエルにも最適で,これ
からの時期の食卓で大活躍です。
4年間の長旅を終え,秋鮭は産卵のために生まれ
故郷の河川に遡上します。今,河川にのぼる準備を
するため沿岸域に群れをなしています。その秋鮭を
漁獲するのに定置網が大活躍。河川を遡上する前
の,銀色に輝き,身に脂がのった秋鮭が魚市場を賑
わせています。
秋鮭の旬はまさにこれから。ぜひ味わっていただき
たい魚です。新鮮な秋鮭を心ゆくまでご堪能ください。
(株)女川魚市場
木村部長のひとこと
セリ(入札)結果を
発表する木村部長
秋になり,大型定置網には,
ワラサ・イナダを中心にサワラ,アキサケ
等,鮮度抜群の魚が多く水揚げされてい
ます。
是非,女川へお越しください。
日が昇りはじめ,空の青さ,冷たさを増
した空気が清々しい午前6時前,魚市場
に到着。この時間には,いつも地元の刺
網や底びき網などの船は水揚げが終
わっています。
魚市場職員の方は水揚げされた魚の
チェック,買受人の方々は品定め。セリ
が始まるまでは,ゆっくりと時間が流れ
ています。
魚市場東側の山から昇る朝日
11kgの
ミズダコ
←
身の詰まった
ケガニ
←
↑ 深海魚で冬に多く獲れるシマガツオ
(通称エチオピア)。冬は脂がのり,濃厚
な旨味があり刺身で絶品。
「今日の魚はどうですか?」と,近くに
いた買受人の方に尋ねてみると,「今年
は黒潮の流れが蛇行しているからか,
獲れる魚の様子がいつもと違うね。いつ
もならサケが獲れればサワラは獲れな
い。10月にはドンコもたくさん入ってくる
んだけどね・・・。」と。
自然が相手の漁業,豊漁になるのを
願うばかりです。
女川魚市場では,水揚げする船
の入港が近づくと,「ウゥ~,ウゥ
~」2回サイレンが鳴り響きます。
震災以前,魚市場周辺に大小
数々の加工会社があった時には,
「今度の船では何が揚がるか見て
みるか」と,サイレンを合図に魚市
場近くの業者は集まってきたそうで
す。
昔に比べて,魚市場に集まる
人々の賑わいは少なくなったと聞き
ますが,今もたくさんの買受人の
方々で活気に満ちています。
選別機全景
サバ・イワシの
小魚は機械の
最後で回収
船倉から魚取り出し
大物は人手で選別
定置網で獲れた魚の水揚げは,船倉から魚を取り出し,選別作業からはじまります。大きなたも網をクレーン
で操り,魚を選別機にのせていきます。魚はベルトコンベアで流れだすと,人の手も加わりながら,種類,大きさ
別に仕分けられます。
魚市場のお話では,各定置網の毎日の水揚げ量は概ね5トン。「入る魚が良い値がつくサケとかだと,漁業者
さんは嬉しいよね」と。確かにアキサケやサワラ,ワラサ,イナダなど大物が多く入った定置網の選別作業には
より活気を感じます。
サケ(雌)
イナダ
サワラ
定置網には,様々な魚が入ります。
海水温も下がってきて,アキサケのように冷たい
水を好む魚が多くなってきました。一方で,暖かい
海水を好むサワラも多く漁獲されています。
数は少ないですが,立派なタイやヒラメ,10キロ
を超えるブリや赤色鮮やかなホウボウなどがセリ
にかけられ,買受人の方々に競り落とされていき
ます。
地元の鮮魚店に行く魚もあれば,東京に行く魚も
あるそうです。魚との出会いも縁かもしれません。
サバ
カマス
セリ(入札)結果発表の様子
イカの入った
発泡ケースのふた
実は,ここ数年,宮城県沿岸のイカ釣り漁
は不振です。イカ漁は夏から年末まで続きま
すが,これまでは出漁する船はほとんどなく,
場内で釣りイカを見かけることもありません
でした。当然,鮮魚店で見かけるイカも他県
産でした。
この日,場内に入ると,見慣れない発泡
ケースの山を発見!それは,紛れもなく久し
ぶりに見る釣りスルメイカ(通称マイカ)が
ぎっしりと並んだケースでした。
ケースは,15,20,25,30杯入りに分け
られて,きれいに並べられています。
1ケース15杯入り
1ケース30杯入り
セリは,入札ではなく,魚市場職員のかけ
声に買受人が答えていきます。その早口か
つ専門用語?に,今回もセリの内容を理解
することができませんでした。
イカは鮮度落ちが早く,どんどん色が変わっていきます。海
にいる時のイカは「透明」で,水揚げされてから時間が経過
すると,「透明」→「茶色」→「黒点交じりの白色」と色味が変
化するので,概ね“色”で鮮度を判断することができます。
本日,水揚げされたスルメイカは“真っ茶色”。前夜に漁獲
し,翌朝水揚げされるので鮮度は文句なし!これは,加熱し
たらもったいない“鮮度”で,こういった宮城県産のイカを見か
けたら,ぜひお刺身で食べていただきたいです。
漁場へ向けて出向するイカ釣り漁船
夜間のイカ釣り漁のイメージ
↑ 集魚灯
↓ 自動イカ釣り機
セリの様子
イカ釣り漁は,光に集まるイカの習
性を利用するため,主に夜に行われま
す。漁場に到着したイカ釣り漁船は,
集魚灯でイカを集めます。集魚灯の光
は,人工衛星からでも確認できるほど
明るいそうです。
イカは光を感じ,船の周りに集まって
きます。
釣りには自動イカ釣り機が使われま
す。小魚に似せた釣り針(疑似針)を
付けた糸を沈め,糸を上下に動かして
集まってきたイカが抱きつくのを待ちま
す。
イカが掛かったら糸を巻き上げて,
船上に回収し,漁業者はサイズ別に
箱詰め作業を行い,夜明けに魚市場
へ水揚げします。
今年,サンマは新聞の記事になるほど水揚げ量も,
サイズも振るいません。
サンマ漁船の入港を取材するには,魚市場に入港
日を確認してから行かないと,取材が空振りする日が
あるほどです。
サンマ漁船がまとめて4隻入港するタイミングで取
材。水揚げ量は,この日だけで330トンとまとまりまし
た。数日ぶりのサンマ水揚げとあって,大勢の買受人
の方々がセリに来ていました。
残念ながら,サイズは相変わらず1尾140~120グ
ラムが主体です。昨年は当たり前だった160グラム
以上の特大サイズはごくわずか。今年はこれ以上に
大きくなることはないのでしょう。
ただ,1尾1尾を見てみれば,くち先は黄色く,丸々
と太り,身に張りがあり,色味もはっきりしていて,鮮
度も品質も最上級です。
たくさん水揚げがあった翌日は,多くの鮮魚店で質
の良いサンマが販売されます。もう少しの間,良質な
サンマの水揚げは続きますので,サケとともに秋の味
覚をお楽しみください。
緊張感が漂う入札結果発表
中央棟改築工事
魚市場対岸から撮影
女川魚市場では,新たな中央棟
の建設に向けて,これまであった
上屋の解体が始まり,周りは防音
シートで取り囲まれていました。
防音シート
完成は平成28年夏頃になるよう
です。
毎月,取材に訪れる時に,工事
の進捗状況も時折レポートしていき
たいと思います。
解体工事現場
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