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教 育 研 究 業 績 - 東京成徳大学・東京成徳短期大学

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教 育 研 究 業 績 - 東京成徳大学・東京成徳短期大学
教
育
研
究
業
績
平成 24 年 6 月 12 日
氏名 臺 純子
学位: 博士(観光学)
研
究
分
野
観光学
主要担当授業科目
研
究
内
容
の
キ
ー
ワ
ー
ド
観光史、客船史、社会階層、映像メディアと観光
観光文化研究、観光マーケティング論、サービスマネジメント論、地域文化研究(日本)
、フィール
ドワーク(日本対象)等
教
事
項
1 教育方法の実践例
①留学生指導の実践例
育
上
の
能
年 月 日
平成 14 年
4 月~9 月
平成 14 年
4 月~9 月
平成 14 年 7 月
~平成 15 年
1月
平成 15 年 7 月
~平成 16 年
1月
平成 16 年 4 月
~平成 17 年
1月
平成 17 年 4 月
~平成 18 年
1月
力
に
関
概
す
る
事
項
要
立教大学観光学部 「観光概論」 TA
文部省特別留学生チューター(チュニジア)
立教大学観光学研究科博士課程前期課程
留学生日本語チューター(韓国・タイ 計 2 名)
立教大学観光学研究科博士課程前期課程
留学生日本語チューター(韓国・ボリビア 計 2 名)
立教大学観光学研究科博士課程後期課程 (博士論文)
留学生日本語チューター(韓国)
立教大学観光学研究科博士課程前期課程
留学生日本語チューター(韓国)
平成 22 年度の信州デスティネーションキャンペーン(DC、
②JR東日本 駅からハイキング 平成 22 年 3 月
~平成 23 年 3 大型観光キャンペーン)に向けて、JR東日本長野支社からの
企画・運営・実施の指導
月
依頼で、
「JR東日本 長野大学生が考えた駅からハイキング」
をゼミ生を中心に、上田城周辺のハイキングコースを企画・運
営・実施し、その指導に当たった。220 名ほどの参加者を得たこ
とで、上田市観光課からも高く評価され、さらに平成 23 年 2 月
には塩田平&別所温泉エリアのコースを企画運営し、
100 名ほど
の参加者を得た。いずれもNHKや地元紙などで大きく紹介さ
れ、特に信州DCへの貢献を認められ、JR東日本長野支社か
ら表彰された。
駅からハイキングの企画運営については、平成 23 年度、24
年度も継続される予定であり、2 回の企画実施準備を通じて、担
当教員のゼミ生だけでなく、学部の多くの学生が積極的に参加
するプロジェクトへと成長したことを踏まえ、長野大学環境ツ
ーリズム学部の観光系教育プロジェクトとして定着する足がか
りを作った。
-1-
2 作成した教科書・教材
平成 17 年
①観光事業論講義
第 11 講 変幻自在のリゾート 3 月
(pp.145~155.) くんぷる社
安村克己・細野昌和、野口洋平編著
(分担執筆:安村克己、杉田由紀子、
柳田義男、塩島賢次、野口洋平、丹治
朋子、大谷新太郎、古本泰之、黒野友
之、清水苗穂子、橋本佳恵、臺純子、
鈴木純、田垣実郷、細野昌和、宍戸学、
山田耕生、須田寛)
リゾートの語源が西洋の近代観光史背景としてきたことを概
観すると同時に、明治以降にもたらされた西欧スタイルのリゾ
ートが、日本古来の伝統と結びついて、日本型の近代リゾート
が登場したことを整理した。さらに現代のクルーズは「洋上の
リゾート」とも言われ、リゾートの一形態と考えられることを
指摘した。これによりリゾートが、時代によって、国によって、
社会によって様々に変化するものであることを示した。
3 当該教員の教育上の実績に関す
る大学等の評価
長野大学 授業評価アンケート
平成 20 年度前 平成 20 年度前期科目
期
「消費者行動論」
、
「サービス経済論」
(応募書類に添付済)
川村学園女子大学
授業評価アンケート
平成 20 年度前 平成 20 年度前期科目
期
「レジャーツーリズム論」
(応募書類に添付済)
4 実務の経験を有する者について
の特記事項
5 その他
ゲスト講義
平成 20 年
「女性誌が海外旅行市場を変える?」 7 月
職
事
項
務
上
の
実
年 月 日
立教大学 総合 B「たのしみを解剖する」
女性誌がライフスタイル記事として紹介した「英国庭園(イ
ングリッシュ・ガーデン)
」や「ベトナム雑貨」が、旅行商品の
中に取り入れられていく過程を分析し、現代の海外旅行市場に
おいては、従来の旅行会社の旅行企画や、旅行雑誌による旅行
提案といった、いわば「プロ」による旅行企画ではなく、むし
ろ、旅行主体である女性たちの日常生活の中から旅行テーマが
生まれてきていることを指摘した。
このことから、今後の海外旅行市場に大きな影響を与えるの
が、若い女性の日常生活である可能性が高いこと、さらに海外
旅行が、一生に一度の「ハレ」のたのしみから、年に何度も行
ける「日常」のたのしみへと変化したことを論じた。
績
に
関
概
す
る
事
項
要
1.資格、免許
1)中学校教諭一級普通免許・高等学昭和 55 年 3 月 昭五五中一普第 14484 号、昭五五高二普第 14504 号(東京都教育委員会)
校教諭二級普通免許(国語)
31 日
2.特許
3. 実務の経験を有する者についての
特記事項
-2-
4.その他
平成 20 年 4 月~
長野大学 広報委員
平成 22 年 3 月
著書、学術論文等の名称
単著
共著
の別
平成 22 年 4 月~
東京成徳大学 入試広報委員
平成 23 年 4 月~
公開講座委員長
発行又は
発行所、発表雑誌等又は
発表の年月
発表学会等の名称
概
要
(著書)
共
1 変幻自在のリゾート
安村克己・細野昌和、野
口洋平編著 (再掲)
2 雑誌にみる楽しみとし 共
ての海外旅行
村上和夫、長田佳久、河
東田博編著
(観光プロジェクト編 分
担執筆:安島博幸・小沢
健一、秋山綾・村上和夫、
十代田朗、毛谷村英治、
臺純子、益田誠也・佐野
浩祥、村上和夫)
(学術論文)
1. コート・ダジュールの 単
避寒リゾートについ
ての考察
(審査付研究ノート)
2. モナコ公国の観光地 単
形成史
平成 17 年
3月
平成 20 年
2月
平成 13 年
3月
くんぷる社
『観光事業論講義』
第 11 講
(pp.145-155.)
*「教育上の実績」の「作成した教科書・
教材」の項に記載
現代書館
『たのしみを解剖する
アミューズメントの
基礎理論』
第 5 章 (pp.245-258.)
観光プロジェクト編 分担執筆:安島博
幸・小沢健一、秋山綾・村上和夫、十代
田朗、毛谷村英治、臺純子、益田誠也・
佐野浩祥、村上和夫
旅行雑誌における海外旅行記事の扱わ
れ方や女性誌における海外旅行記事を分
析して、海外旅行の普及過程を論じた。
海外旅行が一般化し、特別なものではな
くなった結果、
旅行雑誌が衰退したこと、
海外旅行市場に占める女性の割合の増加
とともに、女性誌の旅行雑誌化が見られ
ること、そして雑誌記事をみる限り、若
い女性にとって、海外旅行はすでにライ
フスタイルの一部にまでなってきている
ことを指摘した。
立教観光学研究紀要
No.3, pp.87-90.
南仏コート・ダジュールで 19 世紀半
ばから 20 世紀初頭にかけて避寒リゾー
トとして開発されたニース、カンヌ、マ
ントン、モナコ広告の4地区について、
リゾート地化の過程を分析し、各地の相
違点を考察した。
平成 14 年 3 月 修士論文
本文 133 頁+付表 19 頁
-3-
19 世紀半ばから観光立国を開始した
モナコ公国の約150 年にわたる観光地形
成史を、モナコ公国およびリゾート開発
関連企業などの歴史的一次資料を用いて
6期に時代区分し、時代背景、社会変化
との関わりを論じた。
3. 豪華客船に見る有閑 単
階級向け施設の特質
4. “観光の実験室”モナ 単
コ公国に学ぶ観光立
国(審査付論文)
5. キュナード社オーシ 単
ャンライナーに見る
客室階層化の変遷
6. 北米クルーズ産業の 単
マーケット動向とク
ルーズシップの変化
(審査付研究ノート)
7. 「シップボード」の変 単
化とその意味
8. 初期オーシャンライ 単
ナーの施設とサービ
ス -チャールズ・デ
ィケンズの「アメリカ
ン・ノート」から-
(審査付論文)
平成 14 年 5 月 日本観光研究学会全国
19 世紀半ばに登場した大洋横断定期
大会 研究発表論文集 貨客船(オーシャンライナー)の1等船客
向け施設の特質を用途によって分類し、
No.17, pp.313-314.
これらの施設が有閑階級の顕示的閑暇の
場であったこと、客室階層構造が、二重
の顕示的構造をもっていたと考察した。
平成 14 年
11 月
平成 14 年
12 月
「第 8 回 観光に関す
る学術研究論文 入選
論文集」 pp.34-50.
財団法人アジア太平洋
観光交流センター
日本観光研究学会全国
英国キュナード社のオーシャンライナ
大会 研究発表論文集 ーを対象にして、客室階層化の変遷を分
析し、船の大型化と客室階層の分化の関
No.17,
連性、移民から里帰りへと変化した船客
pp.197-200.
の属性に合わせた階層割合の変化につい
て論じた。
平成 15 年 3 月 立教観光学研究紀要
No.5, pp.49-56.
平成 15 年
11 月
(財)アジア太平洋観光交流センター主
催の懸賞論文で、二席に入賞した論文。
約150 年にわたるモナコ公国の観光史の
中で、カジノの役割が大きく変化したこ
とを分析したが、その一方、美と健康と
いうテーマの施設は不変の価値を持って
きたことを指摘し、カジノだけに頼る観
光立国の問題点を論じた。
1980 年代からカリブ海などを中心に
急速な成長を見せている北米クルーズ産
業のマーケット動向について、業界団体
が行っている各種調査から、特に船客属
性を分析し、実際のクルーズシップの変
化との関連性を論じた。
オーシャンライナーからクルーズシッ
日本観光研究学会全国
大会 研究発表論文集 プへという変化の中で、船客の過ごし方
の変化を映画、写真、船内のデイリープ
No.18, pp.73-76.
ログラムなどから分析した。その結果、
それぞれの時代に登場した新しい過ごし
方が積み重なる構造であり、こうした新
しい過ごし方の登場を、社会や価値観の
変化、船客の多様化や志向の変化と関連
付けて論じた。
平成 16 年 3 月 立教観光学研究紀要
No.6, pp.15-26.
-4-
オーシャンライナーの出発点となった
キュナード社の大洋横断定期客船ブリタ
ニアの施設やサービスを、チャールズ・
ディケンズの「アメリカン・ノート」を
手がかりとして分析し、初期オーシャン
ライナーの施設やサービス、船客の過ご
し方を論じた。
9. Changes in Social 単
Strata
on
the
Cunard's
Queen
Sisters
(審査付発表論文)
10. オーシャンライ 単
ナーにみる1等船客
用施設とそのクルー
ズシップへの継承
11. 客 船 に お け る 単
「贅沢」空間の変遷
(審査付論文)
平成 16 年 7 月 Asia Pacific Tourism
Association,
Tenth
Annual
Conference
Proceedings / APTA
第 10 回長崎大会発表論
文集, pp.206-217.
平成 16 年
12 月
キュナード社の4隻のフラッグシップ
の施設、客室構成の変化を整理し、変化
の要因を分析した。19 世紀から 20 世紀
初頭にかけてのオーシャンライナー(大
洋横断貨客船)の1等船客用施設は、20
世紀半ば以降のクルーズシップに取り入
れられた。一方、クルーズが大衆化して
いく中で、上層マーケット向けの新しい
施設やサービスが登場したと考えられる
ことを指摘した。客船の施設やサービス
は社会や時代の変化だけでなく、社会階
層の変化や、それぞれの階層の嗜好に応
じて変化したことを論じた。
オーシャンライナーの1等船客用施設
日本観光研究学会全国
大会 研究発表論文集 のうち、大階段を伴うメインダイニング
とエントランスホールが、現代のクルー
No.19, pp.117-120.
ズシップにどのように継承されているか
を明らかにすることを目的とし、現代の
クルーズシップ 122 隻を対象に分析し
た。その結果、オーシャンライナーは大
型化する中で豪華さを競ったが、現代の
クルーズシップには、
「小型で贅沢」とい
う路線が見られ、またメインダイニング
やエントランスなどのパブリックスペー
スよりも、プライベートスペースである
キャビンに「贅沢さ」が表象されている
ことを論じた。
オーシャンライナー時代の大階段を伴
平成 17 年 3 月 日本観光研究学会
うメインダイニングとエントランスホー
学会誌 観光研究
Vol.16,No.2, pp.9-18. ルを、客船の「贅沢」空間と位置づけ、
それらが、どのように変化してきたかを
整理し、その意味の変化を考察した。大
階段を伴うメインダイニングやエントラ
ンスホールは、1890 年代から 1930 年代
の巨大高速船の時代に登場したが、第二
次世界大戦以後の経済効率優先の時代に
は見られなくなる。
しかし 1980 年代から 1990 年代以降、
再び見られるようになった。こうした変
化には、当時の建築動向の影響が読みと
れるほか、アメリカ社会や経済の動向が
大きく影響している。
これらのことから、
客船の「贅沢」空間の変化は、それぞれ
の時代の社会・建築・経済などの影響を
受け、大階段を伴う各施設の意味も大き
く変化したことを論じた。
-5-
12. 近代以降の西欧 単
における「贅沢」なレジャ
ー・スタイルに関する研究
13. 内容分析による 共
観光研究の成果・現状・課
題
14. Outbound
Travel Markets
Developed by
Women's Magazines
in Japan.(審査付発表)
単
平成 18 年 3 月 博士学位請求論文
平成 18 年
12 月
本論文は、観光目的の旅や保養・社交
目的のリゾート滞在などを含むレジャー
が社会上層階層にのみ可能な「贅沢」で
あったという原点からスタートし、歴史
軸と社会軸を組み合わせた視点からの実
証研究によって、社会上層階層のレジャ
ー・スタイルがどのように変化、普及し
てきたかを明らかにしようとした論文で
ある。
研究の結果、観光の大衆化によって、
贅沢なレジャー・スタイルがなくなった
わけではなく、社会上層階層の特権的な
贅沢としてのレジャー・スタイルの意味
は、現代にも継続していること。また社
会上層階層の贅沢なレジャー・スタイル
が大衆的なレジャー・スタイルのモデル
となったことが明らかになった。
さらに贅沢なレジャー・スタイルの変
遷において、①分かりやすいものが大衆
化する ②見えにくい贅沢へ変化する
③変化を受容する階層的多重システムが
存在する という3点を示唆した。
日本観光研究学会全国 共著:韓 志昊、臺 純子
大会 研究発表論文集
過去の日本観光研究学会全国大会 研
究発表論文集を対象に内容分析を行い、
No.21, pp.229-232.
日本観光研究学会における観光研究の成
果、現状、課題を分析した論文。その結
果、大学所属者による研究が多く、観光
の現場を知る実務者との共同研究は低調
であること、観光地を対称にした研究が
多く、また研究方法としては事例研究法
を用いていること。さらに時代変化と社
会現象が研究テーマに影響を与えている
ことを明らかにした。
平成 19 年 9 月 The Atlas
International
Conference 2007.
Proceedings,
Distinction Revisited.
pp.50-51.
-6-
日本の女性誌が取り上げた生活情報と
しての「英国庭園(イングリッシュ・ガ
ーデン)
」や「アジアン雑貨」が、次第に
海外旅行のテーマとして紹介されるよう
になり、さらには、海外旅行商品の一部
として取り入れられていった過程を分析
した。その結果、日本の海外旅行市場に
おいては、女性誌を通じて発露されてい
る女性たちのニーズやウォンツが、旅行
市場に大きな影響を与えたこと、さらに
女性誌が旅行企画をリードしたことを踏
まえ、従来のマーケティングにおいて、
雑誌は、単にプロモーションや広告のメ
ディアであると位置づけてきたことにつ
いての疑義を提示した。
共
平成 19 年
12 月
16.高山市におけるイン 単
バウンド振興
平成 21 年
12 月
15. 「ベトナム雑
貨」観光の生成と展開
17.地方大学の観光教育 共
における地域密着型インタ
ーンシップの実践
長野大学生のインターンシ
ップを事例として
18.アニメ映画聖地化に 共
よる観光への影響
-映画『サマーウォーズ』
の聖地巡礼ノート分析から
-
日本観光研究学会全国 共著:臺 純子、鈴木涼太郎、
メディアによって「発見」された「ベ
大会 研究発表論文集
トナム雑貨」観光の生成を、女性ファッ
No.22, pp.53-56.
ション誌の「ベトナム雑貨」記事から読
み取り、さらに日本の旅行会社や現地ラ
ンドオペレーターへの聞き取り調査から
「旅行の商品化」過程を明らかにしよう
とした論文。研究の結果、メディアによ
る
「発見」
、
旅行会社による
「旅行商品化」
、
メディアによるさらなる情報提供という
ように、メディアと旅行会社間の循環的
な相互作用の中で「ベトナム雑貨」観光
が形作られていったことが明らかになっ
た。
高山市のインバウンド振興のうち、観
日本観光研究学会全国
大会 研究発表論文集 光情報発信と受け入れ態勢について整
理・考察した論文。その結果、明らかに
No.24, pp.53-56.
なったのは、旅行者の立場にたった情報
発信と受け入れ態勢の整備という両輪が
揃っていることの重要性である。
平成 22 年 3 月 日本観光ホスピタリテ 共著:臺 純子、小長谷 悠紀
ィ教育学会全国大会
観光系学部学科を抱える地方大学に
研究発表論文集 No.9, とって、観光に関わるインターンシップ
先を確保するのは首都圏の大学に比べ、
pp.63-72.
非常に難しい状況にある。
その一方で、地域との連携の深さ、親
密さという点では、地方大学に利点があ
るといえるだろう。長野大学で実施した
2つのインターンシップを事例として、
地方大学の観光教育における地域密着
型インターンシップの教育実践につい
て報告した。
平成 22 年
12 月
日本観光研究学会全国 共著:臺 純子、兼子 彩香、宮川 磨弥
長野県上田市を舞台とした映画『サマ
大会 研究発表論文集
ーウォーズ』の「聖地巡礼ノート」と呼ばれ
No.25, pp.149-152
る「サマーウォーズ・ノート」に記載された
書き込みを分析し、アニメ映画聖地化に
よる上田市観光への影響を、明らかにし
た論文。研究の結果、映画公開やDVD・
ブルーレイ販売などをきっかけに、観光
客が増えること、映画によって、上田を初
-7-
めて訪れる観光客が増えたこと、ロケ地
めぐりが聖地化していくなかで、アクセス
の不便な場所ほど、「聖地の中の聖地」へ
と変化することが分かった。
19.学生企画によるまち 共
歩きツアーへの評価と展開
(書評)
1.平田真幸『国際観光マ 単
ーケティングの理論と実
践 -日本の異文化理解
とアイデンティティ追求
への挑戦』
2.山口 誠『ニッポンの 単
海外旅行 -若者と観光メ
ディアの 50 年史-』
3.青木義英、廣岡裕一、 単
神田孝治編著『観光入門
観光の仕事・学習・研究を
平成 23 年 12 日本観光研究学会全国 共著:臺 純子、山崎隆之
月
大会 研究発表論 文
2010 年に実施された信州デスティネ
集
ーションキャンペーンを契機に実施され
た、JR 東日本の「学生が考えた駅から
No.26, pp.201-204
ハイキング」
(学生によるまち歩きツア
ー)への評価を、参加者アンケートや地
域メディアでの紹介記事から分析した。
その結果、観光まちづくりにおいて「若
者」を活用する意義として、地域におけ
る意義、学生にとっての意義、観光客に
とっての意義の 3 種類があると指摘し
た。
平成 19 年 3 月 立教大学観光学部紀要
JNTO 中国上海事務所長(当時)平田
第 9 号, pp.50-54.
真幸氏が主張する国際観光マーケティン
グの重要性について、トラベルジャーナ
リストとして、各国の政府観光局やホテ
ルチェーン、旅行会社、航空会社など、
様々な立場の人を取材してきた経験か
ら、解説を行った。
平成 23 年 3 月 観光ホスピタリティ教
山口誠氏の著作は、若者の海外旅行に
大きな影響を与えてきた
『地球の歩き方』
育 第 5 号,pp.19-22
やその周辺の旅行ガイドなどを題材とし
て、若者にとっての海外旅行の意義・意
味が大きく変わってきたことを明らかに
したものである。
旅行雑誌や旅行記事の取材記者・編集
者として 20 年近く活動した後、観光研
究に進んだ評者にとって「雑誌などのメ
ディアにおいて、旅行はどのように表現
されてきたか。観光メディアは、旅行の
カタチにどのような影響を与えてきた
か」というテーマは大きな研究課題であ
り、本書のような観光メディアに関する
研究は、今後注目されるべき重要な研究
分野であるという点からも、本書を高く
評価した。
平成 24 年
観光学を学べる大学の学部・学科が増
観光ホスピタリティ教
育 第 6 号(掲載予定) えている中、様々な方法論を背景とした
観光教育が行われている。しかし、この
-8-
観光教育の裾野の広さが、大学で学ぶ知
識、研究、実際の仕事の関係を分かりに
くいものにしているという問題意識か
ら、観光の仕事・学習・研究をつなぐた
めの試みとして本書が企画された。
「観光の仕事」について、分かりやすく
説明していること、また従来は観光関連
業として考えられることが少なかった分
野も取り上げていること、さらに「観光
の仕事」と「研究を含めた観光の学び」
の関係を学生に明示しているという点を
評価した。
つなぐ』
(研究助成金)
1.レジャースタイルの変 単
遷における社会階層の影響
-客船を事例として-
2.客船施設からみたレジ 単
ャーライフスタイルの変遷
3.映像メディア誘発型の 共
国際観光における観光者の
特性と観光市場への影響に
関する研究
平成 15 年度
平成 17 年度
立教大学学術推進特別
消費行動の一形態であるレジャースタ
重点資金(立教SFR) イルの変遷と社会階層の関わりについ
て、上層階層のレジャースタイルが、時
間経過の中で、どのように下層階層に普
及していくのかを、客船を事例として分
析を行った。オーシャンライナー時代の
施設やサービスは、現代のクルーズシッ
プに取り入れられ、普遍化されてきたが、
それは上層階層のレジャーがシンボル化
されたものであることが分かった。
近代から現代にいたる社会、特に社会
立教大学学術推進特別
重点資金(立教SFR) 階層とその構造の変化がレジャーライフ
スタイルに影響を与え、それによって客
船内の施設が変化したという影響モデル
を想定し、オーシャンライナーからクル
ーズシップにいたるまでのデッキプラン
を分析対象として、客船施設の変化とレ
ジャーライフスタイルの変化、さらには
その背景要因となる社会変化について考
察した。
平成 24 年度~ 平成 24 年度科学研究費 共同研究:臺 純子、韓 志昊、
平成 26 年度
助成事業 基盤 C
崔 錦珍
課題番号 24611020
本研究は、映像メディアに誘発される
国際観光における観光者の特性を調査
し、観光市場に与える影響を明らかにす
ることを目的とする。具体的には、日韓
間の国際観光を生起させている映像メデ
ィアを事例に、①ロケ地めぐりなどを行
なう観光者への調査、②観光地や旅行会
社を対象とした調査を行ない、映像メデ
ィアに誘発される観光者が観光市場に与
える影響について研究する。
-9-
(その他)
1.
「生きて共にある…船旅 単
の食と装い」
平成 18 年 8 月 vesta No.63,
「食のコスチューム-食と衣の関係をさ
ぐる」という特集の一部として、豪華客
pp.16-20.
船から現代のクルーズシップにいたる歴
SUMMER
史の中で、食事の場面と船内でのファッ
北山晴一責任編集
財団法人味の素 食の ションが、密接な関係を持ってきたこと
を明らかにするとともに、豪華客船時代
文化センター
は「富のディスプレイ」であった衣食が、
現代では「仮装大会」へと変質している
ことを指摘した。
2.近代リゾートの歴史を 単
映すモナコ公国
平成 20 年 3 月 交流文化 2008
Vol.07, pp.2-15.
立教大学観光学部
(学会ゲスト報告)
「観光は本当に大衆化した 単
のか?」
平成 18 年
3月
「観光地の、その情報
伝わっていますか?」
単
「観光と歴史」の特集において、修士論
文で取り上げたモナコ公国観光史を題材
に、観光史研究が、現代社会を観察する
ための有効な方法であることを論じた。
日本観光研究学会研究
博士論文での研究成果を踏まえ、19 世
懇話会 研究報告
紀半ばから始まったとされる「観光の大
衆化、民主化、近代化」の一方で、贅沢
による差別化、差異化が起きていること
を指摘した。そのうえで、日本がインバ
ウンド(訪日旅行)市場を拡大するため
には、
「観光が大衆化した」という既成概
念を超えたマーケティング戦略をとるべ
きであることを報告した。
平成 24 年 4 月 国際観光学会 例会
- 10 -
日本の観光地には、観光情報を発信す
る際、メディアごとに異なる特性を理解
したうえで、情報の受け手を意識した情
報発信が必要だという視点が欠けている
のではないか、
という問題点を指摘した。
メディア特性と、情報の受け手の属性
などを熟知したうえで実践した学生企画
によるハイキングプラン造成と、参加者
の反応、地域メディアでの紹介などの事
例を挙げ、観光情報発信の目的は、単に
「知ってもらう」ことではなく、
「来て、
見て、お金を落としてもらうマーケティ
ング」の一環であり、
「観光情報が伝わる
ために、何をするか、何をすべきか」が
必要であると報告した。
Fly UP